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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029385
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】連携プログラム、連携方法、連携装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131612
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】松田 康次郎
(72)【発明者】
【氏名】瑞慶山 浩希
(72)【発明者】
【氏名】尾保手 啓太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 亜実
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA23
(57)【要約】
【課題】勘定系システムの構築を容易にすることを目的とする。
【解決手段】勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする連携プログラムである。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする連携プログラム。
【請求項2】
前記HTTP通信プロトコルの電文に含まれる文字が、前記金融センターにおいて使用が許容される文字である場合に、前記HTTP通信プロトコルの電文を、前記対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文へ変換する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする請求項1記載の連携プログラム。
【請求項3】
前記HTTP通信プロトコルの電文において使用される文字コードを、前記金融センターにおいて使用される文字コードに変換する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする請求項1記載の連携プログラム。
【請求項4】
前記対外接続システムから受信した、前記対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文を、前記HTTP通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記勘定系システムに出力する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする請求項1記載の連携プログラム。
【請求項5】
コンピュータによる連携方法であって、前記コンピュータが、
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、ことを特徴とする連携方法。
【請求項6】
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理を実行する制御部を含む、ことを特徴とする連携装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連携プログラム、連携方法、連携装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、国内金融機関との取引は、全国銀行データ通信システムや、統合ATM(automatic teller machine)スイッチングサービス等を含む金融センターを経由して行われる。また、従来では、国内金融機関は、金融機関内部の勘定系システムを金融センターと接続させるための対外接続システムを有し、勘定系システムは、対外接続システムを介して金融センターとを接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-277344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対外接続システムは、外部システムからの接続を容易にするWebAPI(Web Application Programming Interface)とのインタフェースを有しておらず、旧来のインタフェースを用いて勘定系システムと通信を行っている。このため、例えば、新たに金融業へ参入する事業者等は、自社の勘定系システムと対外接続システムとを連携させるために、旧来のインタフェースで通信を行う勘定系システムを構築する必要がある。この勘定系システムの構築には、多大なコストと、長期の導入期間を要する可能性があり、新たな事業者の参入の障壁となっている。
【0005】
1つの側面では、本発明は、勘定系システムの構築を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする連携プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
勘定系システムの構築を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】銀行システムのシステム構成について説明する図である。
図2】連携装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】連携装置の機能構成を説明する図である。
図4】銀行システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
図5】連携装置の処理を説明するフローチャートである。
図6】銀行システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、銀行システムのシステム構成について説明する図である。
【0010】
本実施形態の銀行システム1は、例えば、日本国内の金融機関である銀行において導入されるシステムである。
【0011】
銀行システム1は、金融センター2を介して他の銀行システム3と通信を行う。また、銀行システム1と他の銀行システム3とは、独自のインタフェースを介して金融センター2と接続される。
【0012】
金融センター2は、全国銀行データ通信システムや、統合ATM(automatic teller machine)スイッチングサービス等を含み、銀行等の金融機関との間で行われる取引に応じた処理を行う。
【0013】
本実施形態の銀行システム1は、連携装置100と、勘定系システム200と、対外接続システム300とを含む。
【0014】
連携装置100は、連携処理部110を有し、勘定系システム200と対外接続システム300とを連携させる。具体的には、連携装置100は、勘定系システム200と対外接続システム300との間に接続されており、勘定系システム200からHTTP通信プロトコルによる電文を受信すると、この電文を、対外接続システム300と対応した通信プロトコルに準じた電文に変換し、対外接続システム300に送信する。
【0015】
対外接続システム300と対応した通信プロトコルとは、具体的には、例えば、TCP/IP、COBRA(Common Object Request Broker Architecture)、SOAP(Simple Object Access)等を含む。
【0016】
本実施形態の勘定系システム200とは、金融機関における入出金や資金の決済、口座の管理、外部のシステムとの接続の制御等を行う基幹系システムである。また、本実施形態の勘定系システム200は、WebAPI(Web Application Programming Interface)を外部のシステムとの接続インタフェースとしており、HTTP通信プロトコルに準じた通信を行う。なお、本実施形態の勘定系システム200は、例えば、外国の事業者等によって提供されるものであってよい。
【0017】
また、本実施形態の勘定系システム200は、インターネットを介して銀行システム1の外部の装置との通信を行う。具体的には、例えば、勘定系システム200は、インターネットを介して端末装置4と通信を行い、端末装置4からの取引要求を受け付ける。
【0018】
勘定系システム200は、端末装置4から取引要求を受け付けると、この取引要求を示す電文を、HTTP通信プロトコルによる電文として、連携装置100に送信する。
【0019】
連携装置100は、この電文を受信すると、この電文を、対外接続システム300と対応する通信プロトコルの電文に変換して、対外接続システム300に送信する。
【0020】
対外接続システム300は、金融センター2と銀行内部システムである勘定系システム200との接続を担う。対外接続システム300は、連携装置100から受信した電文を、対外接続システム300と金融センター2との間の独自インタフェースを介して金融センター2に送信する。
【0021】
本実施形態では、このように、連携装置100を銀行システム1に設けることで、外部システムとの接続インタフェースとしてWebAPIを採用している勘定系システム200を、対外接続システム300と連携させることができる。
【0022】
したがって、本実施形態では、旧来のインタフェースで通信を行う勘定系システムを構築する必要がなくなる。このため、本実施形態によれば、勘定系システム200と対外接続システム300とを容易に連携させることができる。
【0023】
さらに、本実施形態では、国内金融機関の勘定系システムが有する日本固有の機能を、連携装置100に設ける。したがって、本実施形態の勘定系システム200では、旧来の勘定系システムが有する固有の機能を設ける必要がない。なお、固有の機能の詳細は後述する。
【0024】
このように、本実施形態では勘定系システム200の構築を容易にすることができ、勘定系システム200の構築にかかるコストの削減と、勘定系システム200の導入にかかる期間の短縮に貢献できる。
【0025】
次に、連携装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、連携装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
本実施形態の連携装置100は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置11、出力装置12、ドライブ装置13、補助記憶装置14、メモリ装置15、演算処理装置16及びインタフェース装置17を含むコンピュータである。
【0027】
入力装置11は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現されてよい。出力装置12は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インタフェース装置17は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0028】
連携装置100が有する連携処理部110を実現させる連携プログラムは、連携装置100を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。連携プログラムは、例えば、記録媒体18の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。連携プログラムを記録した記録媒体18は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0029】
記録媒体18に記録された連携プログラムは、連携プログラムを記録した記録媒体18がドライブ装置13にセットされると、記録媒体18からドライブ装置13を介して補助記憶装置14にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた連携プログラムは、インタフェース装置17を介して補助記憶装置14にインストールされる。
【0030】
補助記憶装置14は、連携装置100にインストールされた連携プログラムを格納すると共に、連携装置100による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置15は、連携装置100の起動時に補助記憶装置14から連携プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置16はメモリ装置15に格納された連携プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0031】
次に、図3を参照して、連携装置100の有する連携処理部110の機能について説明する。図3は、連携装置の機能構成を説明する図である。
【0032】
本実施形態の連携装置100は、連携処理部110を有する。連携処理部110は、演算処理装置16がメモリ装置15等に格納された連携プログラムを読み出して実行することで実現される。また、連携処理部110は、制御部の一例である。
【0033】
連携処理部110は、電文受付部120、取引種類特定部130、中継部140、突合判定部150、突合部160を有する。
【0034】
電文受付部120は、勘定系システム200や対外接続システム300からの電文を受け付ける。取引種類特定部130は、電文受付部120が受け付けた電文に基づき、取引の種類を特定する。
【0035】
中継部140は、電文受付部120が受け付けた電文を後段のシステムへ中継する。中継部140の詳細は後述する。
【0036】
突合判定部150は、取引種類特定部130により特定された取引の種類が、突合処理を要する取引である否かを判定する。突合部160は、突合判定部150による判定の結果に応じて、取引の数や、取引を行った金額等の突合を行う。
【0037】
以下に、中継部140の機能について説明する。中継部140は、プロトコル変換部141、データ保持部144、送信部145を有する。
【0038】
プロトコル変換部141は、電文の通信プロトコルを変換する。具体的には、プロトコル変換部141は、文字コード変換部142と許容文字判断部143とを有する。
【0039】
プロトコル変換部141は、文字コード変換部142により、電文の文字コードを変換し、電文の形式を後段のシステムと対応した形式に変換する。
【0040】
具体的には、文字コード変換部142は、HTTP通信プロトコルで受信した電文に含まれる汎用的な文字コード(例えば、UTF-8)を、国内固有の文字コードに変換する。また、文字コード変換部142は、国内固有の文字コードを汎用的な文字コードに変換する。
【0041】
許容文字判断部143は、電文に含まれる文字コードが示す文字が、金融センター2において使用が可能とされた文字であるか否かを判定する。また、許容文字判断部143は、例えば、電文が示す文字数が予め決められた文字数以下であるか否かを判断する。
【0042】
データ保持部144は、プロトコル変換部141による通信プロトコルを変換した後の変換後の電文を保持する。データ保持部144により変換後の電文が保持される期間は、予め決められていてよい。
【0043】
送信部145は、プロトコル変換部141により通信プロトコルが変換された変換後の電文を後段のシステムに送信する。
【0044】
なお、連携装置100の有する機能のうち、連携装置100の有する文字コード変換部142、許容文字判断部143、突合部160の機能は、旧来の勘定系システムが有している日本固有の機能である。したがって、勘定系システム200が海外の事業者等によって提供される場合には、これらの機能は勘定系システム200に含まれないことが想定される。
【0045】
次に、図4を参照して、本実施形態の銀行システム1の動作について説明する。図4は、銀行システムの動作を説明する第一のシーケンス図である。
【0046】
図4では、銀行システム1の動作の一例として、端末装置4から銀行システム1に対し、インターネットを介して銀行への振込を要求する操作が行われた場合の銀行システム1の動作を示している。
【0047】
本実施形態の銀行システム1において、勘定系システム200は、端末装置4から振込の操作を受け付けると(ステップS401)、連携装置100に対し、振込先口座の照会を要求する電文をHTTP通信プログラムにより送信する(ステップS402)。なお、この電文には、振込先口座の特定に必要な情報が含まれる。また、振込の操作では、振込金額の出金元となる口座の情報が勘定系システム200に入力される。
【0048】
連携装置100は、この電文を受け付けると、連携処理部110のプロトコル変換部141により、この電文の通信プロトコルを変換する(ステップS403)。ステップS403の処理の詳細は後述する。
【0049】
続いて、連携装置100は、通信プロトコルを変換した後の変換後の電文を対外接続システム300に送信する(ステップS404)。
【0050】
対外接続システム300は、振込先口座の照会を要求する電文を受け付けると、独自インタフェースを介してこの電文を金融センター2に送信する(ステップS405)。
【0051】
金融センター2は、この電文を受信すると、電文に含まれる振込先口座を有する他の銀行システム3に対し、振込先口座の照会を要求する電文を送信する(ステップS406)。
【0052】
他の銀行システム3は、振込先口座の照会を行い(ステップS407)、振込先口座の存在が確認されると、他の銀行システム3は、金融センター2に対して照会結果を示す電文を送信する(ステップS408)。
【0053】
金融センター2は、この電文を受信すると、銀行システム1の対外接続システム300に対し、照会結果を示す電文を送信し(ステップS409)、対外接続システム300は、連携装置100に対してこの電文を送信する(ステップS410)。
【0054】
連携装置100は、連携処理部110の電文受付部120により、この電文を受信すると、プロトコル変換部141により、電文の通信プロトコルを変換する(ステップS411)。ここで、連携装置100が受信した電文は、対外接続システム300と対応した通信プロトコルの電文である。したがって、プロトコル変換部141は、対外接続システム300と対応した通信プロトコルの電文を、HTTP通信プロトコルの電文に変換する。
【0055】
続いて、連携装置100は、通信プロトコルを変換した後の変換後の電文を勘定系システム200へ送信する(ステップS412)。
【0056】
勘定系システム200は、この電文を受信し、振込先口座が存在することが確認されると、ステップS401で勘定系システム200に入力された、振込金額の出金元となる口座からの振込要求を示す電文を連携装置100に出力する(ステップS413)。なお、この電文は、HTTP通信プロトコルにより、連携装置100に送信される。
【0057】
連携装置100は、この電文を受信すると、この電文を、対外接続システム300と対応する通信プロトコルの電文に変換し(ステップS414)、変換後の電文を対外接続システム300に送信する(ステップS415)。本実施形態において、ステップS411、ステップS414で、連携装置100により実行される処理は、ステップS403において連携装置100により実行される処理と同様である。
【0058】
対外接続システム300は、振込要求を示す電文を受信すると、この電文を金融センター2へ送信する(ステップS416)。金融センター2は、受信した電文に基づき、他の銀行システム3に対し、振込要求を示す電文を送信する(ステップS417)。
【0059】
なお、出金元となる口座からの振込金額の出金処理と、振込先口座への振込金額の入金処理とは、金融センター2において実行される。銀行システム1の勘定系システム200は、金融センター2による出金処理に応じて、出金元となる口座の残高を更新する。また、他の銀行システム3の勘定系システムは、金融センター2による入金処理に応じて、振込先口座の残高を更新する。
【0060】
次に、図5を参照して、本実施形態の連携装置100の処理について説明する。図5は、連携装置の処理を説明するフローチャートである。図5では、図4のステップS403で実行される連携装置100の処理を示す。
【0061】
本実施形態の連携装置100は、連携処理部110の電文受付部120により、受信した電文の入力を受け付ける(ステップS501)。
【0062】
続いて、連携処理部110は、取引種類特定部130により、電文が示す取引の種類を特定する(ステップS502)。具体的には、例えば、取引種類特定部130は、電文の形式と取引の種類とを対応付けた対応付け情報を保持していてよい。取引種類特定部130は、この対応付け情報を参照し、受信した電文の形式に基づき、電文が示す取引の種類を特定する。
【0063】
続いて、連携装置100は、突合判定部150により、電文が示す取引が、突合が要求される取引であるか否かを判断(判定)する(ステップS503)。なお、本実施形態の突合判定部150は、突合か要求される取引の種類の一覧を示す一覧情報を保持していてよく、この一覧情報を参照して、電文が示す取引に突合が要求されるか否かを判断してもよい。
【0064】
ステップS503において、突合が必要と判定された場合、連携装置100は、後述するステップS508へ進む。
【0065】
ステップS503において、突合は不要と判定された場合、連携装置100は、中継部140の許容文字判断部143により、電文が示す文字が金融センター2において使用可能であるか否かを判断する(ステップS504)。具体的には、許容文字判断部143は、電文が示す文字の文字数が、金融センター2で許容される文字数以下であるか否か、電文が示す文字が金融センター2において使用可能された文字であるか否か、等を判断する。
【0066】
なお、連携装置100は、ここで、電文が示す文字が金融センター2において使用不可であった場合には、電文の送信元のシステムへエラー通知を送信してもよい。また、許容文字判断部143は、例えば、文字数が許容される文字数より大きい場合には、金融センター2において使用可能な文字数となるように、電文が示す文字の文字数を削減してもよい。
続いて、連携装置100は、プロトコル変換部141の文字コード変換部142により、受信した電文の文字コードと電文の形式を、電文の出力先となるシステムと対応した文字コードに変換する(ステップS505)。言い換えれば、プロトコル変換部141は、電文の通信プロトコルを、電文の出力先と対応した通信プロトコルに変換する。
【0067】
続いて、連携装置100は、データ保持部144により、プロトコル変換部141により通信プロトコルが変換された、変換後の電文を保持する(ステップS506)。
【0068】
なお、本実施形態では、即時性が求められる取引の場合等には、変換後の電文は保持しなくてもよい。具体的には、例えば、振込先口座の照会等は、即時性が求められるため、変換後の電文は保持しなくてもよい。これに対し、振込は、例えば、後日組み戻しが行われる可能性があることから、変換後の電文を保持することが好ましい。
【0069】
続いて、連携装置100は、送信部145により、変換後の電文を、出力先のシステムへ送信し(ステップS507)、処理を終了する。
【0070】
えば、図4のステップS403の場合には、連携装置100は、HTTP通信プロトコルの電文を受信する。したがって、連携装置100は、受信した電文を、対外接続システム300と対応する通信プロトコルの電文に変換し、変換後の電文を対外接続システム300へ送信する。
【0071】
また、図4のステップS411の場合には、連携装置100は、対外接続システム300と対応する通信プログラムの電文を受信する。したがって、連携装置100は、受信した電文を、HTTP通信プロトコルの電文に変換し、変換後の電文を勘定系システム200へ送信する。
【0072】
また、ステップS503において、突合が必要と判定された場合、連携装置100は、突合部160により、電文に応じた突合を行い(ステップS508)、突合結果を電文の送信元のシステムに対して出力し(ステップS509)、処理を終了する。
【0073】
ここで、図6を参照して、突合部160による突合を行う場合の銀行システム1の動作について説明する。図6は、銀行システムの動作を説明する第二のシーケンス図である。
【0074】
図6の例では、他の銀行システム3から銀行システム1に対し、通数金額照会通知を示す電文が送信された場合の動作を示す。通数金額照会通知とは、その日に行われた取引の数と、合計金額との照合を要求するものである。
【0075】
他の銀行システム3は、銀行システム1に対し、通数金額照会通知を示す電文を金融センター2に送信する(ステップS601)。なお、この電文には、他の銀行システム3と銀行システム1とが取引を行った回数(取引の数)と、取引された金額の合計とが含まれもよい。
【0076】
金融センター2は、この電文を受信して、銀行システム1に対して通数金額照会通知を示す電文を送信する(ステップS602)。
【0077】
銀行システム1において、対外接続システム300は、通数金額照会通知を示す電文を受信すると、この電文を連携装置100に対して送信する(ステップS603)。
【0078】
連携装置100は、連携処理部110の突合判定部150により、この電文が示す取引が、突合が要求される取引であると判定し、他の銀行システム3との取引の数と、取引された金額の合計とを突合する(ステップS604)。
【0079】
具体的には、突合部160は、連携装置100が他の銀行システム3と取引を示す電文を受信する度に、取引の数と、取引毎の金額とを対応付けた取引情報を保持していてよい。そして、突合部160は、取引情報を参照して、通数金額照会通知に応じた突合を行ってもよい。
続いて、連携装置100は、突合の結果を示す電文を対外接続システム300に対して送信する(ステップS605)。
【0080】
対外接続システム300は、突合の結果を示す電文を受信すると、この電文を金融センター2に対して送信する(ステップS606)。
【0081】
このように、本実施形態では、旧来の勘定系システムが有している日本固有の機能(文字コード変換部142、許容文字判断部143、突合部160)を連携装置100において実現することができる。
【0082】
また、本実施形態では、勘定系システム200が、旧来の対外接続システム300との接続インタフェースを有していない場合であっても、連携装置100を介して、勘定系システム200と対外接続システム300との通信を行うことができる。
【0083】
したがって、本実施形態によれば、旧来のインタフェースで通信を行う勘定系システムを構築する必要がなく、また、日本固有の機能を勘定系システムに設けなくともよい。このため、本実施形態によれば、勘定系システムの構築にかかるコストの削減や導入期間の短縮に貢献でき、容易な勘定系システム200の構築に貢献できる。
【0084】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする連携プログラム。
(付記2)
前記HTTP通信プロトコルの電文に含まれる文字が、前記金融センターにおいて使用が許容される文字である場合に、前記HTTP通信プロトコルの電文を、前記対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文へ変換する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする付記1記載の連携プログラム。
(付記3)
前記HTTP通信プロトコルの電文において使用される文字コードを、前記金融センターにおいて使用される文字コードに変換する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする付記1又は2記載の連携プログラム。
(付記4)
前記対外接続システムから受信した、前記対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文を、前記HTTP通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記勘定系システムに出力する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする、付記1乃至3の何れか一項に記載の連携プログラム。
(付記5)
前記対外接続システムを介した取引の数と、前記取引における取引金額とを対応付けた取引情報を保持し、
前記対外接続システムから受信した電文に含まれる取引の数と前記取引金額と、前記取引情報とを突合する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする、付記1乃至4の何れか一項に記載の連携プログラム。
(付記6)
受信した電文が示す取引の種類に応じて、前記突合を行うか否かを判定する、処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする、付記5記載の連携プログラム。
(付記7)
コンピュータによる連携方法であって、前記コンピュータが、
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、ことを特徴とする連携方法。
(付記8)
勘定系システムから受信したHTTP通信プロトコルの電文を、金融機関間の処理を行う金融センターと接続する対外接続システムと対応した通信プロトコルの電文に変換し、
変換後の電文を前記対外接続システムに対して出力する、処理を実行する制御部を含む、ことを特徴とする連携装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 銀行システム
2 金融センター
3 他の銀行システム
100 連携装置
110 連携処理部
120 電文受付部
130 取引種類特定部
140 中継部
141 プロトコル変換部
150 突合判定部
160 突合部
200 勘定系システム
300 対外接続システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6