(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029387
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】利益分配システム、そのプログラムおよび利益分配方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131614
(22)【出願日】2022-08-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】522334276
【氏名又は名称】GAIAA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】金城 信夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】系列組織などのグループに属する会員の夫々に対し全体的に安定して利益を配分するとともに利益を取得する機会に対する公平感を高めて、グループにおける利益の循環効率、巡回効率及びグループに対する帰属意識を高めることができる利益分配システム、方法及びプログラム提供する。
【解決手段】通信ネットワーク、複数のサーバー装置及び複数のユーザ端末装置を含む商取引管理システムにおいて、サーバー装置の会員管理部は、グループの内部での系列組織を構成する会員の夫々の下位又は上位のステイタスを示すランクL1~L10の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、グループのうち、最上位のランクL10まで繰り返して実行し、かつ、会員の識別コードがグループの最上位のランクL10において定員数の枠の最後の位置Eにアサインした後は、当該グループとは別のグループにおいて最下位のランクL1の最初の位置Sにリセットしてアサインする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配システムであって、
前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定部と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理部と、
前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、
その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定部と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理部と、
この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理部と、
を含む、
利益分配システム。
【請求項2】
前記複数のグループのそれぞれにおいて前記ランクのそれぞれでのその定員数の枠内に対し、利益取得権利席を所定の位置で個別に配置する権利配置部と、
前記会員の前記識別コードが、前記ランクのそれぞれでの前記利益取得権利席にアサインされた際、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれによって発生した、前記経済的価値の利益のすべてまたはその一部を、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員にまとめて付与する利益付与部と、
をさらに含む、
請求項1に記載の利益分配システム。
【請求項3】
前記利益付与部は、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員以外の、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれには、前記利益を付与しない、
請求項2に記載の利益分配システム。
【請求項4】
前記利益取得権利席は、前記ランクのそれぞれの最後の位置に配置される、
請求項2に記載の利益分配システム。
【請求項5】
前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは最下位から最上位に向かうに従って大きく設定される、
請求項1に記載の利益分配システム。
【請求項6】
前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは1段ずつ最下位から最上位に向かうに従って自然数の累乗で大きく設定される、
請求項5に記載の利益分配システム。
【請求項7】
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための1つまたは複数のコンピュータに、
前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定機能と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理機能と、
前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、
その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定機能と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理機能と、
この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理機能と、
を実現させるための、プログラム。
【請求項8】
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配方法であって、
前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定工程と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理工程と、
前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定工程と、
その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定工程と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理工程と、
この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理工程と、
を含む、
利益分配方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利益分配システム、そのプログラムおよび利益分配方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、系列販売組織における商品販売方法について、その組織の構成員である会員は、その上位のランクに帰属する直系の会員を通じて商品またはサービスを購入する方法が広く知られる。このような商品販売方法は、系列販売組織に属する会員に対して安定的な経済的価値(たとえば金銭などの利益)を継続して分配することが可能とされる。
【0003】
その従来の利益分配システムの1つとして、系列販売組織の組織構成員が、直系の上位のランクに帰属する会員を飛び越して、当該会員のさらに1段階上位ランクにある直系の組織構成員から商品を購入した場合、当該会員に対して所定のポイントを分配するものも知られる(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の利益分配システムによれば、商品購入先の選択肢を広げることによって商品購入者の利便性を高め、直系の上位のランクに帰属する会員が近隣に居住していない場合、または当該会員が不在の場合であっても商品を購入することが可能である。それにより、結果的に、商品取引機会の増大を図ることが可能とされる。
【0006】
しかしながら、その他多数の従来のものと同様に、その系列組織、換言すればそのグループにおける直系でのやり取りを前提とするシステムであり、その経済的利益を取得することが可能な範囲は直系に制限される。グループに属する会員のそれぞれに対し全体的に安定かつ公平して利益を配分する点で、改善の余地があったといえる。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、そのグループ(系列組織など)に属する会員のそれぞれに対し全体的に安定して利益を配分するとともにその利益を取得する機会に対する公平感を高めて、そのグループにおける利益の循環効率(巡回効率)およびそのグループに対する帰属意識を高めることができる利益分配システム、そのプログラムおよび利益分配方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前述した目的は、後記の構成により達成される。
(1)系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配システムであって、前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定部と、前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理部と、前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定部と、前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理部と、この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理部と、を含む、利益分配システム。
(2)前記複数のグループのそれぞれにおいて前記ランクのそれぞれでのその定員数の枠内に対し、利益取得権利席を所定の位置で個別に配置する権利配置部と、前記会員の前記識別コードが、前記ランクのそれぞれでの前記利益取得権利席にアサインされた際、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれによって発生した、前記経済的価値の利益のすべてまたはその一部を、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員にまとめて付与する利益付与部と、をさらに含む、(1)に記載の利益分配システム。
(3)前記利益付与部は、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員以外の、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれには、前記利益を付与しない、(2)に記載の利益分配システム。
(4)前記利益取得権利席は、前記ランクのそれぞれの最後の位置に配置される、(2)に記載の利益分配システム。
(5)前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは最下位から最上位に向かうに従って大きく設定される、(1)に記載の利益分配システム。
(6)前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは1段ずつ最下位から最上位に向かうに従って自然数の累乗で大きく設定される、(5)に記載の利益分配システム。
(7)系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための1つまたは複数のコンピュータに、前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定機能と、前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理機能と、前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定機能と、前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理機能と、この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理機能と、を実現させるための、プログラム。
(8)系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配方法であって、前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定工程と、前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理工程と、前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定工程と、その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定工程と、前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理工程と、この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理工程と、を含む、利益分配方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、そのグループ(系列組織など)に属する会員のそれぞれに対し全体的に安定して利益を配分するとともにその利益を取得する機会に対する公平感を高めて、そのグループにおける利益の循環効率(巡回効率)およびそのグループに対する帰属意識を高めることができる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の系列組織的商取引を管理する商取引管理システムで管理する系列組織の系列構造の一例を説明する系列組織図
【
図2】
図1に示すグループの系列構造の一例を説明する系列組織図
【
図3】本発明に係る第1実施形態の商取引管理システムに関するネットワーク構成の一例を説明する概略構成図
【
図4】
図3に示すサーバー装置のハードウェア構成の一例を説明する概略構成図
【
図5】
図3に示すサーバー装置およびユーザ端末装置のそれぞれの機能の一例を説明するブロック図
【
図6】
図5に示す会員管理部の動作の一例を説明するフロー図
【
図7】
図5に示す会員管理部が当該グループにおいてランク間を飛び越えてアサインする様子の一例を説明する模式図
【
図8】
図5に示す会員管理部がグループ間を飛び越えてアサインする様子の一例を説明する模式図
【
図9】
図5に示す利益付与部の動作の一例を説明するフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明に係る、利益分配システム、そのプログラムおよび利益分配方法を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。
【0013】
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえばすでによく知られた事項の詳細説明または実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。また、添付図面のそれぞれは符号の向きに従って視るものとする。
【0014】
また、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0015】
なお、本発明に係る経済的価値として日本国で流通する通貨を例示して説明するが、これに限定されない。経済的価値の解釈には、各種仮想通貨、各種金券、各種クーポン券、各種引換券、各種株券など経済的価値を有するすべてのものが含まれる。また、本発明に係る商品には、たとえば一般的な商品の他、金融商品なども含み、系列組織的商取引に適するすべてのものが含まれる。また、本発明に係るサービスには、タクシーの配車や情報端末装置の保守管理をはじめ、系列組織的販売に適するすべてのものが含まれる。また、実施形態でいう「商品など」の用語はサービスも含む意味で用いられる。
【0016】
また、実施形態でいう「部」または「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、または2つ以上の構成の機能がたとえば1つの物理的構成(たとえば1つの独立した装置)によって実現されていてもかまわない。
【0017】
(第1実施形態)
図1~
図9に基づいて本発明に係る商取引管理システム1(利益分配システムの一例)、そのプログラムおよび利益分配方法の第1実施形態について説明する。
【0018】
<・系列組織の系列構造について>
図1および
図2を参照しながら、本実施形態に係る系列組織の系列構造について説明する。
図1は、本実施形態の系列組織的商取引を管理する商取引管理システム1で管理する系列組織の系列構造の一例を説明する系列組織図である。
図2は、
図1に示すグループGの系列構造の一例を説明する系列組織図である。
【0019】
図1に示すように、系列組織は本実施形態に係る系列組織的商取引を実行するためのものであり、本実施形態の系列組織は後述するサーバー装置10の制御部16のグループ・ランク設定部16Bによって複数のグループGに分割される。複数のグループGのそれぞれは、系列構造として逆ピラミッド構造を有して設けられる。
【0020】
そして、
図2に示すように、複数のグループGのそれぞれにおいて、当該グループGの内部での系列組織を構成する会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクL1~L10が複数段階(本実施形態では10段落)設定される。このランクL1~L10も同様に後述するサーバー装置10の制御部16のグループ・ランク設定部16Bによって設定される。
【0021】
なお、本実施形態では、ランクL1~L10はそれぞれのGにおいて統一して10段で設定されるが、これに限定されない。10段以外の段落数でもよく、またグループGのそれぞれにおいて互いに異なって設定されてもよい。
【0022】
また、そのランクL1~L10のそれぞれに対し、後述するサーバー装置10の制御部16の定員数設定部16Cによって当該ランクL1~L10に所属可能な定員数が個別に設定される。本実施形態では、複数のランクL1~L10の定員数のそれぞれは最下位から最上位に向かうに従って大きく設定される。そのため、前述のように、系列組織を構成するグループGのそれぞれは逆ピラミッド構造を有することになる。
【0023】
具体的にはランクL1~L10の定員数のそれぞれは、最下位から最上位に向かうに従って自然数の累乗で大きく設定され、本実施形態では以下の表1に示すように3の累乗で設定される。
【0024】
なお、本実施形態では、ランクL1~L10の定員数のそれぞれは3の累乗で設定されるが、これに限定されない。2の累乗、4の累乗または5の累乗、あるいはその他の5よりも大きい自然数でもよく、系列組織的商取引の仕様に応じて適宜選択される。また、本実施形態ではグループG間で同一の自然数の累乗に設定されるが、互いに異なるように設定されてもよい。
【0025】
【0026】
それぞれのランクL1~L10の定員数の枠において、最初の位置Sおよび最後の位置Eが設定される。ランクL1~L10の定員数の枠のそれぞれにおいて、最初の位置Sは
図2中で最も左側の席(ポジション)であり、最後の位置Eは最も右側の席である。後述のように、当該ランクL1~L10での会員のそれぞれの識別コードのアサイン(割り当て)は、最初の位置Sをスタートとして最後の位置Eに向けて順に繰り上げて実行される。そして、定員数の枠の最後の位置Eにアサインされた後は、当該ランクL1~L10の1段上位のランクL1~L10の定員数の枠においてその最初の位置Sから再びアサインが実行されることになる。
【0027】
また、本実施形態では、複数のグループGのそれぞれにおいてランクL1~L10のそれぞれでのその定員数の枠内に対し、後述するサーバー装置10の制御部16の権利配置部16Eによって利益取得権利席が所定の位置で個別に配置する。利益取得権利席にその会員の識別コードがアサインされると、その会員に利益を取得する権利が付与されることになる。本実施形態では、利益取得権利席は、ランクL1~L10のそれぞれの最後の位置Eに配置される。
【0028】
なお、本実施形態では、利益取得権利席は、ランクL1~L10のそれぞれの最後の位置Eに配置されるが、これに限定されない。たとえば、利益取得権利席は、その最初の位置S、またはその中間の任意の位置に配置されてもよい。
【0029】
また、本実施形態の系列組織的商取引では、運用上の規範として、会員間で商品などの売買が行われるのではなく、たとえば、この系列組織的商取引を管理および運用する管理運用会社などの売買組織を通じて会員は購買することになっている。そして、会員が当該売買組織を通じて商品などを、通貨などの貨幣価値を有するものを用いて購買した際、その購買を根拠として利益取得権利席にアサインされた会員に対し、分配利益が準備されることになる。
【0030】
<・商取引管理システムのネットワーク構成について>
図3を参照しながら、本実施形態の商取引管理システム1(利益分配システムの一例)のネットワーク構成について説明する。
図3は、本実施形態の商取引管理システム1に関するネットワーク構成の一例を説明する概略構成図である。
なお、本実施形態の商取引管理システム1は、後述のように系列組織を構成する会員のそれぞれがその系列組織上(具体的には本システム上)で商品またはサービスを購買した際、その商品またはサービスの取引に伴う所定の経済的価値を、会員に分配するための機能も有して構成されるものである。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の商取引管理システム1は、通信ネットワークNと、複数のサーバー装置10と、複数のユーザ端末装置20と、を含んで構成される。商取引管理システム1は、系列組織的商取引における商品などの商取引の機能、および利益を分配する機能を少なくとも有する。また、ユーザ端末装置20は、通信ネットワークNおよび複数のサーバー装置10を通じて相互に通信可能に構成される。
【0032】
複数のサーバー装置10はたとえば所定の施設内に配置されており、ユーザ端末装置20はユーザUのそれぞれによって携帯可能に所有される。そのような構成によって、サーバー装置10は、ユーザ端末装置20のそれぞれによる系列組織的商取引の実行を制御して、ユーザUのそれぞれはユーザ端末装置20を通じて系列組織的商取引をすることが可能である。
【0033】
通信ネットワークNは、複数のサーバー装置10と、複数のユーザ端末装置20のそれぞれと、に接続されており、種々の情報または信号が相互にやり取り可能に設けられる。また、通信ネットワークNは、少なくとも有線または無線の回線を含み、インターネット回線をその一部またはすべて含んで構成される。それにより、通信ネットワークNは、サーバー装置10とユーザ端末装置20との間、およびユーザ端末装置20の間で相互に通信可能に構成される。つまり、複数のサーバー装置10は、通信ネットワークNを通じて複数のユーザUのユーザ端末装置20からアクセス可能に構成される。
【0034】
なお、通信ネットワークNは、サーバー装置10およびユーザ端末装置20の間の通信を促進するために、相互に接続して使用される、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、携帯電話ネットワーク(MTN)および他の種類のネットワークを適宜含むことも可能である。
【0035】
ユーザ端末装置20は、後述するように、画像出力部24(たとえばモニター装置またはディスプレイ装置など)と、操作入力部23(たとえばタッチパネル、キーボードまたはマウスなど)と、音声出力部(たとえばスピーカーなど:不図示)と、を少なくとも有して構成される。
【0036】
また、ユーザ端末装置20は、前述のように通信ネットワークNによってサーバー装置10と相互に情報通信可能に構成される。そのため、ユーザ端末装置20は、サーバー装置10によって系列組織的商取引に関する情報をその画像出力部24および音声出力部に出力することが可能である。それにより、ユーザ端末装置20は、ユーザUに対し商品などの情報(商品などの画像、商品などの内容、商品一覧など)、および決済情報を提示するとともに、操作入力部23からの操作情報に基づいて商品などの購入および/または決済の処理を実行することが可能である。
【0037】
なお、本実施形態では、ユーザ端末装置20はノートパソコンまたはスマートフォンが例示されるがこれに限定されない。たとえば、ユーザ端末装置20は、その他に、汎用のパソコン装置、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(PDA)、ゲームデバイス、メディアプレーヤーまたは電子ブックなど、種々の情報端末装置を採用することが可能である。ユーザ端末装置20は、通信ネットワークNに接続可能であれば情報端末装置の形態は限定されない。
【0038】
そして、本実施形態では、サーバー装置10に本発明に係る商取引管理システム1の主な機能が実装される。サーバー装置10は、通信ネットワークNを通じて複数のユーザ端末装置20と相互に通信してユーザ端末装置20による系列組織的商取引の実行(具体的には商品などの提示・閲覧、商品などの購入・決済)を制御する。
なお、本実施形態では、システムの大部分の機能がサーバー装置10に実装されるがこれに限定されない。たとえば、サーバー装置10の機能の一部またはそのすべてをユーザ端末装置20に実装し、ユーザ端末装置20のそれぞれが自律的にシステムの大部分の機能を実現可能に構成してもよい。
【0039】
<・サーバー装置のハードウェア構成について>
図4を参照しながら、本実施形態のサーバー装置10のハードウェア構成について説明する。
図4は、
図3に示すサーバー装置10のハードウェア構成の一例を説明する概略構成図である。
【0040】
図4に示すように、サーバー装置10のそれぞれは、いわゆる汎用のサーバーコンピュータにより構成される。サーバー装置10は、CPU11(Central Processing Unit、処理装置の一例)と、記憶装置12と、通信装置15と、を有する。
【0041】
サーバー装置10のCPU11は、その中央演算装置として後述する各種の機能を実現するプログラムを実行する。それにより、サーバー装置10のCPU11は、機能的にコンピュータ全体の制御部16として動作する(後述参照)。
【0042】
サーバー装置10の記憶装置12は、プログラムが記憶保持されるだけではなく、CPU11のワーキングメモリーとしても使用され、たとえばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの種々の記憶装置12を含んで構成される。ROMは、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROMにはコンピュータの起動時に実行されるBIOS、OS設定、およびネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAMはプログラムおよびデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0043】
また、サーバー装置10の記憶装置12は、二次記憶装置{たとえばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)}または三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んで構成されもよく、その他の記憶装置を含んで構成されてもよい。HDDはプログラムおよびデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムおよびデータにはコンピュータ全体を制御するための基本ソフトウェアであるOS、およびOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0044】
そのようなサーバー装置10でのプログラムの実行により、サーバー装置10はユーザ端末装置20で実行される系列組織的商取引を制御することが可能である。
【0045】
サーバー装置10の通信装置15は、通信ネットワークNを介して複数のユーザ端末装置20のそれぞれに接続する。サーバー装置10は、複数のユーザ端末装置20のそれぞれとの間で系列組織的商取引を実行するのに必要な各種の処理または通信を、通信ネットワークNおよびサーバー装置10の通信装置15を通じてやり取りする。その具体例として、サーバー装置10の通信装置15は、複数のユーザ端末装置20のそれぞれで実行される、またはその系列組織的商取引を通じて取得または取り引きされる金銭の情報(つまり決済情報)を送受信する。
【0046】
サーバー装置10の通信装置15による通信方式は、たとえば通信ネットワークNに対応してWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)または電力線通信などの有線での通信方式、あるいはWi-Fi(Wireless Fidelity)または携帯電話用のモバイル通信などの無線での通信方式などが例示される。
なお、通信方式は、前述のような通信方式の他、Bluetooth(登録商標)なども適宜含んで構成することも可能である。
【0047】
また、サーバー装置10は、操作入力装置13と、画像出力装置14と、をさらに有して構成される。サーバー装置10の操作入力装置13は、たとえば管理者などが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キー、ボタン、キーボードまたはマウスなどである。サーバー装置10の画像出力装置14は、画面を表示する液晶または有機ELなどのディスプレイ装置である。
【0048】
なお、サーバー装置10においてそれぞれの装置がバスBSで相互に接続される。また、操作入力装置13および画像出力装置14は必要なときに適宜接続されて利用される形態でもよい。また、サーバー装置10は前述した汎用のサーバーコンピュータに限定されず、ユーザ端末装置20と同様にスマートフォンまたはラップトップコンピュータなどの一般のコンピュータによって構成されてもよい。
【0049】
<・サーバー装置およびユーザ端末装置の機能的構成について>
図5を参照しながら、サーバー装置10およびユーザUのユーザ端末装置20の機能的構成について説明する。
図5は、
図3に示すサーバー装置10およびユーザ端末装置20のそれぞれの機能の一例を説明するブロック図である。
【0050】
前述のようにサーバー装置10はハードウェア構成としてCPU11を有しており、CPU11は種々のプログラムを記憶装置12から読み込んで実行することで各種機能が実現される。その結果、商取引管理システム1における系列組織的商取引の動作に関する各種処理が実行される。ユーザ端末装置20も同様に中央演算装置を有しその記憶装置12から種々のプログラムを読み込んで実行することで各種機能が実現される。
【0051】
図5に示すように、本実施形態では、サーバー装置10は、そのCPU11などのハードウェアの動作によって実現される機能として、記憶部17と、通信部18と、制御部16と、を含んで構成される。
【0052】
サーバー装置10の記憶部17は、前述のようにサーバー装置10の記憶装置12を含めて動作して実現される機能であり、系列組織的商取引に関する情報を記憶保持する。サーバー装置10の通信部18は、前述のようにサーバー装置10の通信装置15を含めて動作して実現される機能であり、その他のサーバー装置10およびユーザ端末装置20のそれぞれとの通信を行う。サーバー装置10の制御部16は、記憶装置12のプログラムなどをCPU11が読み込んで実現される機能であり、系列組織的商取引に関する処理を行う。たとえば、サーバー装置10の制御部16は、ユーザ端末装置20がユーザUから受け付けた操作に基づいて系列組織的商取引における商品などの情報提示、売買取引および決済などの処理を適宜実行する。
【0053】
サーバー装置10の記憶部17には、会員情報17A、ステイタス情報17Bおよび取引履歴情報17Cなどの情報が記憶保持される。
なお、サーバー装置10の記憶部17は、これら情報を時系列データも含めてデータ保持する。
【0054】
サーバー装置10の記憶部17の会員情報17Aは、系列組織を構成する会員に関する情報である。たとえば、会員情報17Aでは、会員の氏名情報、住所情報、商品などの発送連絡先情報、後述する会員管理部16Dによって付与される会員の識別コード、またシステムを使用するためのパスワード情報、などの会員に関する情報が互いに関連付けられて記憶保持される。
【0055】
サーバー装置10の記憶部17のステイタス情報17Bは、会員が位置するステイタス(系列組織でのポジション)に関する情報である。たとえば、ステイタス情報17Bでは、会員それぞれが所属する系列組織上(
図1および
図2参照)のグループGの識別コード、およびそのグループGでのランクL1~L10がどの位置にそれぞれあるのかを示すランク情報、などの情報が前述の会員の識別コードに関連付けられて記憶保持される。
【0056】
サーバー装置10の記憶部17の取引履歴情報17Cは、会員のそれぞれにおける商品などの購買などに関する取引履歴情報17Cである。たとえば、取引履歴情報17Cでは、会員のそれぞれに対し、商品など購買の取引履歴、および分配された経済的価値の分配履歴、などの情報が前述の会員の識別コードに関連付けられて記憶保持される。
なお、この取引履歴情報17Cでは時系列情報も含めて記録保持される。
【0057】
そして、サーバー装置10の制御部16は、取引情報受付部16Aと、グループ・ランク設定部16B(グループ設定部の一例、ランク設定部の一例)と、定員数設定部16Cと、会員管理部16D(第1の会員管理部16Dの一例、第2の会員管理部16Dの一例、第3の会員管理部16Dの一例)と、権利配置部16Eと、利益付与部16Fと、を少なくとも含んで構成される。
【0058】
サーバー装置10の取引情報受付部16Aは、ユーザ端末装置20の操作入力部23からの操作情報に基づいて商品などの購買などの取引情報を受け付ける。また、サーバー装置10の取引情報受付部16Aは、ユーザ端末装置20の操作情報に基づいて購買などに伴う決済の処理も実行する。
【0059】
サーバー装置10のグループ・ランク設定部16Bは、前述の系列組織を複数のグループGに分割して設定するとともに(
図1参照)、複数のグループGのそれぞれにおいて、当該グループGの内部での会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクL1~L10を、複数段階で設定する(
図2参照)。本実施形態では、前述のように、サーバー装置10のグループ・ランク設定部16Bは、グループGのそれぞれにおいて10段階のランクL1~L10を設定する(表1参照)。
【0060】
サーバー装置10の定員数設定部16Cは、その複数段階で設定されたランクL1~L10のそれぞれに対し、当該ランクL1~L10に所属可能な定員数を個別に設定する。本実施形態では、前述のように、サーバー装置10の定員数設定部16Cは、ランクL1~L10の定員数のそれぞれを、最下位から最上位に向かうに従って自然数「3」の累乗となるように大きく設定する(表1参照)。
【0061】
そして、グループ・ランク設定部16Bによって設定された複数のグループGについて、サーバー装置10の会員管理部16Dは、系列組織に加入する会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、その会員を識別コードによって複数のグループGのいずれか1つに所属するように管理する。また、サーバー装置10の会員管理部16Dは、会員のそれぞれの識別コードを、加入登録順に従って当該グループGのランクL1~L10のそれぞれの定員数の枠においてその最初の位置Sからアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていって会員のステイタス(ポジション)を更新管理する。つまり、サーバー装置の会員管理部16Dは、基本的に、会員が順次加入するに従って下から上に向けてポジションを順に繰り上げていく。さらに、サーバー装置10の会員管理部16Dは、このランクL1~L10の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループGのうち、最上位のランクL10まで繰り返して実行する。
なお、サーバー装置10の会員管理部16Dの動作の詳細についてはフロー図(
図6参照)を参照しながら後述する。
【0062】
また、ユーザUのユーザ端末装置20は、通信部28と、記憶部27と、操作入力部23と、画像出力部24と、制御部26と、を含んで構成される。
なお、ユーザ端末装置20の通信部28もサーバー装置10と同様にサーバー装置10との通信を行う。
【0063】
ユーザ端末装置20の記憶部27はユーザ端末装置20において必要となる情報を記憶保持しており、ユーザ端末装置20の記憶部27には、ウォレット情報27Aおよび取引履歴情報27Bなどが少なくとも記憶保持される。
【0064】
ユーザ端末装置20のウォレット情報27Aは、決済を行うのに必要なウォレット情報27A(たとえば、ネット決済の場合にはクレジットカード情報および/またはポイント情報など)である。ユーザ端末装置20の取引履歴情報27Bは、ユーザ端末装置20を所有するユーザUについての、商品などの購買などに関する取引履歴についての情報である。たとえば、ユーザ端末装置20の取引履歴情報27Bでは、商品など購買の取引履歴、および分配された経済的価値の分配履歴、などの情報が記憶保持される。
【0065】
ユーザ端末装置20の操作入力部23はユーザ端末装置20を操作するユーザUからの操作を受け付ける。ユーザ端末装置20の画像出力部24はサーバー装置10からの制御に従ってユーザ端末装置20おいて商品などの情報、たとえばその商品の画像データおよび/または動画データ、商品などの詳細説明(テキストデータなど)を表示させる。
【0066】
ユーザ端末装置20の制御部26は、要求送信部26Aと、応答受信部26Bと、商取引実行部26Cと、を有して、ユーザ端末装置20における系列組織的商取引に関する処理を行う。
【0067】
ユーザ端末装置20の要求送信部26Aは、ユーザ端末装置20の操作入力部23がユーザUから受け付けた操作情報に基づき、ユーザ端末装置20の通信部28を通じてサーバー装置10に要求を送信する。ユーザ端末装置20の応答受信部26Bは、要求送信部26Aがサーバー装置10に対して送信した要求に対する処理結果などの応答を受信する。ユーザ端末装置20の商取引実行部26Cは、要求送信部26Aの送信および応答受信部26Bの受信を通じて、ユーザ端末装置20の記憶部27、操作入力部23および画像出力部24などを適応的に制御して系列組織的商取引に係る処理を実行する。
【0068】
なお、
図5に示される、サーバー装置10およびユーザ端末装置20以外の他の装置が、サーバー装置10およびユーザ端末装置20の機能の一部を実現するように構成してもよい。また、
図5に示される、サーバー装置10およびユーザ端末装置20の各種機能との集合体は大局的に視(み)て1つの情報処理装置として解釈することも可能である。1つまたは複数のハードウェアに対して本発明を実現するために必要な複数の機能がどのように配分されるかは、各ハードウェアの処理
能力または商取引管理システム1に要求される仕様などに基づいて適宜決定される。
【0069】
<・サーバー装置の会員管理部で実行される動作フローについて>
図6~
図8を参照しながら、サーバー装置10の会員管理部16Dによって実行される動作フローについて説明する。
図6は、
図5に示す会員管理部16Dの動作の一例を説明するフロー図である。
図7は、
図5に示す会員管理部16Dが当該グループGにおいてランクL1~L10間を飛び越えてアサインする様子の一例を説明する模式図である。
図8は、
図5に示す会員管理部16DがグループG間を飛び越えてアサインする様子の一例を説明する模式図である。
なお、
図7で「n」および
図8で「m」で示されるもののそれぞれは1以上の自然数を意味する。
【0070】
図6に示すように、ユーザUはユーザ端末装置20の操作入力部23および画像出力部24を操作することで当該系列組織的商取引に係る商取引管理システム1での加入登録(会員登録)を実行する。商取引管理システム1は、その操作情報をユーザ端末装置20の通信部28およびサーバー装置10の通信部18を通じて受信することで会員登録を受け付け、かかる会員の情報をサーバー装置10の記憶部17に会員情報17Aとして記憶保持する(S11)。
【0071】
サーバー装置10の会員管理部16Dは、系列組織に加入する会員(前述のユーザU)に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、その会員を識別コードによって複数のグループGのいずれか1つに所属するように管理する(S12)。そして、サーバー装置10の会員管理部16Dは、会員のそれぞれの識別コードを、加入登録順に従って当該グループGのランクL1~L10のそれぞれの定員数の枠においてその最初の位置Sからアサインする(S13)。
【0072】
当該ランクL1~L10の最初の位置Sからアサインされた後、サーバー装置10の会員管理部16Dは、そのユーザUの加入登録が経時的に増加するに従って、識別コードを当該定員数の枠内で順に繰り上げて更新してアサインする(S14)。この更新が進行するに当たって、サーバー装置10の会員管理部16Dは、当該識別コードを当該ランクL1~L10のいずれかにおいて定員数の枠の最後の位置Eにアサインしたか否かを判定する(S15)。
【0073】
その判定の結果、当該ランクL1~L10のいずれかで最後の位置Eにアサインされていないと判定される場合(S15のNO)、動作フローはステップS14に戻る。その一方、当該ランクL1~L10のいずれかで最後の位置Eにアサインされていると判定される場合(S15のYES)、次はサーバー装置10の会員管理部16Dは当該最後の位置Eが当該グループGで最上位のランクL10に属するか否かを判定する(S16)。
【0074】
その判定の結果、当該グループGの最上位のランクL10に属していないと判定される場合(S16のNO)、サーバー装置10の会員管理部16Dは当該ランクL1~L10の1段上位のランクL1~L10の定員数の枠においてその最初の位置Sから再びアサインするように順番管理する(S18)。その後、動作フローはステップS14に戻る。
【0075】
つまり、ステップS14、S15のYESおよびS16のNOの動作フローを通じて、サーバー装置10の会員管理部16Dは、会員のそれぞれの識別コードを、加入登録順に従って当該グループGのランクL1~L10のそれぞれの定員数の枠においてその最初の位置Sからアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていく。そして、サーバー装置10の会員管理部16Dは、その定員数の枠の最後の位置Eにアサインした後は、当該ランクL1~L10の1段上位のランクL1~L10の定員数の枠においてその最初の位置Sから再びアサインするように順番管理することになる(
図7参照)。
【0076】
当該グループGの最上位のランクL10に属していると判定される場合(S16のYES)、サーバー装置10の会員管理部16Dは、当該グループGとは別のグループGにおいて最下位のランクL1の最初の位置Sにリセットしてアサインする。
【0077】
つまり、ステップS14、S15のYESおよびS16のYESの動作フローを通じて、サーバー装置10の会員管理部16Dは、ランクL1~L10の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループGのうち、最上位のランクL10まで繰り返して実行する。そして、サーバー装置10の会員管理部16Dは、当該会員の識別コードが当該グループGの最上位のランクL10において当該定員数の枠の最後の位置Eにアサインした後は、当該グループGとは別のグループGにおいて最下位のランクL1の最初の位置Sにリセットしてアサインすることになる(
図8参照)。
【0078】
<・サーバー装置の利益付与部で実行される動作フローについて>
図9を参照しながら、サーバー装置10の利益付与部16Fによって実行される動作フローについて説明する。
図9は、
図5に示す利益付与部16Fの動作の一例を説明するフロー図である。
【0079】
図9に示すように、サーバー装置10の会員管理部16Dが順番管理・更新を行う(S21、前述参照:
図6~
図8)。その順番管理を進行する中、システムで事前に設定される所定の時間周期(たとえば1か月に1度、または1週間に一度などの期間の周期)で、サーバー装置10の利益付与部16Fは、グループGのそれぞれにおけるランクL1~L10のそれぞれでその最後の位置Eにアサインされている識別コードを抽出する(S22)。
【0080】
そして、サーバー装置10の利益付与部16Fはそれと同時にこの所定の時間周期の間(つまり従前と今回の期間の間)でランクL1~L10のそれぞれで発生した経済的価値、たとえば売り上げまたは利益を算出する(S23)。
【0081】
その算出の結果、サーバー装置10の利益付与部16Fは、その算出された経済的価値の全部またはその一部を、ランクL1~L10のそれぞれにおいてその最後の位置Eにアサインされている識別コードの会員に利益付与して精算する(S24)。またこのときには、サーバー装置10の利益付与部16Fは、利益取得権利席にアサインされた識別コードの会員以外の、当該識別コードが属する当該ランクL1~L10において当該ランクL1~L10に属すると識別される会員のそれぞれには、利益を付与しない。
【0082】
なお、サーバー装置10はその利益付与に係る情報をサーバー装置10の通信部18およびユーザ端末装置20の通信部28を通じて送信し、ユーザUはその利益付与の状況をユーザ端末装置20を通じて把握することが可能である。
【0083】
つまり、ステップS21、S23およびS24を通じて、サーバー装置10の会員管理部16Dによって会員の識別コードが、ランクL1~L10のそれぞれでの利益取得権利席にアサインされた際、サーバー装置10の利益付与部16Fは、当該識別コードが属する当該ランクL1~L10において当該ランクL1~L10に属すると識別される会員のそれぞれによって発生した、経済的価値の利益のすべてまたはその一部を、利益取得権利席にアサインされた識別コードの会員にまとめて付与する。この付与(精算)は、サーバー装置10によって事前に設定される所定の時間周期でループして実行される。
【0084】
なお、本実施形態では、所定の時間周期、換言すると所定の期間ごとでサーバー装置10の利益付与部16Fによって利益付与(精算)が実行されるとされるが、これに限定されない。その他、サーバー装置10の利益付与部16Fはこの精算のインターバルを所定の会員登録者数の増加ごとに実行してもよく、利益付与のタイミングの要求仕様に応じて任意に設定される。
【0085】
<・本実施形態の利点および特徴について>
以上説明したように、本実施形態の商取引管理システム1(利益分配システムの一例)、そのプログラムおよび利益分配方法によれば、そのグループG(系列組織など)に属する会員のそれぞれに対し全体的に安定して利益を配分するとともにその利益を取得する機会に対する公平感を高めて、そのグループGにおける利益の循環効率(巡回効率)およびそのグループGに対する帰属意識を高めることができる。
【0086】
ここで、前述した本発明に係る利益分配システム(本実施形態では商取引管理システム1)、そのプログラムおよび利益分配方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏(まと)めて列記する。
【0087】
[1]
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配システム(商取引管理システム、1)であって、
前記系列組織を複数のグループ(G)に分割して設定するグループ設定部(グループ・ランク設定部、16B)と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループ(G)のいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理部(16D)と、
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて、当該グループ(G)の内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランク(L1~L10)を、複数段階で設定するランク設定部(グループ・ランク設定部、16B)と、
その複数段階で設定された前記ランク(L1~L10)のそれぞれに対し、当該ランク(L1~L10)に所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定部(16C)と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループ(G)の前記ランク(L1~L10)のそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置(S)からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該ランク(L1~L10)の1段上位の前記ランク(L1~L10)の前記定員数の枠においてその最初の位置(S)から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理部(16D)と、
この前記ランク(L1~L10)の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループ(G)のうち、最上位の前記ランク(L10)まで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループ(G)の最上位の前記ランク(L10)において当該定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該グループ(G)とは別の前記グループ(G)において最下位の前記ランク(L1)の最初の位置(S)にリセットしてアサインする第3の会員管理部(16D)と、
を含む、
利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[2]
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて前記ランク(L1~L10)のそれぞれでのその定員数の枠内に対し、利益取得権利席を所定の位置で個別に配置する権利配置部(16E)と、
前記会員の前記識別コードが、前記ランク(L1~L10)のそれぞれでの前記利益取得権利席にアサインされた際、当該識別コードが属する当該ランク(L1~L10)において当該ランク(L1~L10)に属すると識別される前記会員のそれぞれによって発生した、前記経済的価値の利益のすべてまたはその一部を、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員にまとめて付与する利益付与部(16F)と、
をさらに含む、
[1]に記載の利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[3]
前記利益付与部(16F)は、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員以外の、当該識別コードが属する当該ランク(L1~L10)において当該ランク(L1~L10)に属すると識別される前記会員のそれぞれには、前記利益を付与しない、
[2]に記載の利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[4]
前記利益取得権利席は、前記ランク(L1~L10)のそれぞれの最後の位置(E)に配置される、
[2]に記載の利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[5]
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて、前記複数のランク(L1~L10)の前記定員数のそれぞれは最下位から最上位に向かうに従って大きく設定される、
[1]に記載の利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[6]
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて、前記複数のランク(L1~L10)の前記定員数のそれぞれは1段ずつ最下位から最上位に向かうに従って自然数の累乗で大きく設定される、
[5]に記載の利益分配システム(商取引管理システム、1)。
[7]
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための1つまたは複数のコンピュータ(1、10、20)に、
前記系列組織を複数のグループ(G)に分割して設定するグループ設定機能と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループ(G)のいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理機能と、
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて、当該グループ(G)の内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランク(L1~L10)を、複数段階で設定するランク設定部と、
その複数段階で設定された前記ランク(L1~L10)のそれぞれに対し、当該ランク(L1~L10)に所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定機能と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループ(G)の前記ランク(L1~L10)のそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置(S)からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該ランク(L1~L10)の1段上位の前記ランク(L1~L10)の前記定員数の枠においてその最初の位置(S)から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理機能と、
この前記ランク(L1~L10)の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループ(G)のうち、最上位の前記ランク(L10)まで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループ(G)の最上位の前記ランク(L10)において当該定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該グループ(G)とは別の前記グループ(G)において最下位の前記ランク(L1)の最初の位置(S)にリセットしてアサインする第3の会員管理機能と、
を実現させるための、プログラム。
[8]
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配方法であって、
前記系列組織を複数のグループ(G)に分割して設定するグループ設定工程と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループ(G)のいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理工程と、
前記複数のグループ(G)のそれぞれにおいて、当該グループ(G)の内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランク(L1~L10)を、複数段階で設定するランク設定工程と、
その複数段階で設定された前記ランク(L1~L10)のそれぞれに対し、当該ランク(L1~L10)に所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定工程と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループ(G)の前記ランク(L1~L10)のそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置(S)からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該ランク(L1~L10)の1段上位の前記ランク(L1~L10)の前記定員数の枠においてその最初の位置(S)から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理工程と、
この前記ランク(L1~L10)の間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループ(G)のうち、最上位の前記ランク(L10)まで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループ(G)の最上位の前記ランク(L10)において当該定員数の枠の最後の位置(E)にアサインした後は、当該グループ(G)とは別の前記グループ(G)において最下位の前記ランク(L1)の最初の位置(S)にリセットしてアサインする第3の会員管理工程と、
を含む、
利益分配方法。
【0088】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、そのグループ(系列組織など)に属する会員のそれぞれに対し全体的に安定して利益を配分するとともにその利益を取得する機会に対する公平感を高めて、そのグループにおける利益の循環効率(巡回効率)およびそのグループに対する帰属意識を高めることができる利益分配システム、そのプログラムおよび利益分配方法として有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 :商取引管理システム
10 :サーバー装置
11 :CPU
12 :記憶装置
13 :操作入力装置
14 :画像出力装置
15 :通信装置
16 :制御部
16A :取引情報受付部
16B :ランク設定部
16C :定員数設定部
16D :会員管理部
16E :権利配置部
16F :利益付与部
17 :記憶部
17A :会員情報
17B :ステイタス情報
17C :取引履歴情報
18 :通信部
20 :ユーザ端末装置
23 :操作入力部
24 :画像出力部
26 :制御部
26A :要求送信部
26B :応答受信部
26C :商取引実行部
27 :記憶部
27A :ウォレット情報
27B :取引履歴情報
28 :通信部
BS :バス
G :グループ
L1 :ランク
L2 :ランク
L3 :ランク
L4 :ランク
L5 :ランク
L6 :ランク
L7 :ランク
L8 :ランク
L9 :ランク
L10 :ランク
N :通信ネットワーク
U :ユーザ
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための利益分配システムであって、
前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定部と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理部と、
前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、
その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定部と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理部と、
この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理部と、を含む、
利益分配システム。
【請求項2】
前記複数のグループのそれぞれにおいて前記ランクのそれぞれでのその定員数の枠内に対し、利益取得権利席を所定の位置で個別に配置する権利配置部と、
前記会員の前記識別コードが、前記ランクのそれぞれでの前記利益取得権利席にアサインされた際、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれによって発生した、前記経済的価値の利益のすべてまたはその一部を、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員にまとめて付与する利益付与部と、をさらに含む、
請求項1に記載の利益分配システム。
【請求項3】
前記利益付与部は、前記利益取得権利席にアサインされた前記識別コードの前記会員以外の、当該識別コードが属する当該ランクにおいて当該ランクに属すると識別される前記会員のそれぞれには、前記利益を付与しない、請求項2に記載の利益分配システム。
【請求項4】
前記利益取得権利席は、前記ランクのそれぞれの最後の位置に配置される、
請求項2に記載の利益分配システム。
【請求項5】
前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは 最下位から最上位に向かうに従って大きく設定される、
請求項1に記載の利益分配システム。
【請求項6】
前記複数のグループのそれぞれにおいて、前記複数のランクの前記定員数のそれぞれは 1段ずつ最下位から最上位に向かうに従って自然数の累乗で大きく設定される、
請求項5に記載の利益分配システム。
【請求項7】
系列組織を構成する会員のそれぞれが前記系列組織上で商品またはサービスを購買した際、前記商品または前記サービスの取引に伴う所定の経済的価値を、前記会員に分配するための1つまたは複数のコンピュータに、
前記系列組織を複数のグループに分割して設定するグループ設定機能と、
前記系列組織に加入する前記会員に対し、加入登録順に応じて識別コードを付与するとともに、前記会員を前記識別コードによって前記複数のグループのいずれか1つに所属するように管理する第1の会員管理機能と、
前記複数のグループのそれぞれにおいて、当該グループの内部での前記会員のそれぞれの上位または下位のステイタスを示すランクを、複数段階で設定するランク設定部と、
その複数段階で設定された前記ランクのそれぞれに対し、当該ランクに所属可能な定員数を個別に設定する定員数設定機能と、
前記会員のそれぞれの前記識別コードを、加入登録順に従って当該グループの前記ランクのそれぞれの前記定員数の枠においてその最初の位置からアサインして当該定員数の枠内で順に繰り上げていき前記定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該ランクの1段上位の前記ランクの前記定員数の枠においてその最初の位置から再びアサインするように順番管理する第2の会員管理機能と、
この前記ランクの間での1段ずつ上位への繰り上がりを、当該グループのうち、最上位の前記ランクまで繰り返して実行し、当該会員の前記識別コードが当該グループの最上位の前記ランクにおいて当該定員数の枠の最後の位置にアサインした後は、当該グループとは別の前記グループにおいて最下位の前記ランクの最初の位置にリセットしてアサインする第3の会員管理機能と、を実現させるための、
プログラム。