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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029427
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240228BHJP
   A61H 39/04 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
A61H7/00 102
A61H39/04 B
A61H39/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131669
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】390036146
【氏名又は名称】株式会社星プラスチツク
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】星 友子
(72)【発明者】
【氏名】多部田 丈予
(72)【発明者】
【氏名】高松 健司
【テーマコード(参考)】
4C100
4C101
【Fターム(参考)】
4C100AD13
4C100AD14
4C100BB01
4C100CA01
4C100DA08
4C100DA10
4C101BA01
4C101BB04
4C101BB10
4C101BC27
4C101BD12
4C101BD16
4C101BD22
4C101BE02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でもって安価に製造することができ、身体の筋肉束の凝りを効果的にほぐすことを可能とするマッサージ具を提供する。
【解決手段】主軸11と、主軸11の先端側に設けられ、身体の患部に宛がう作用部12と、主軸11の基端側に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して両側に延出する底軸20と、主軸11の先端と基端の途中に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して底軸20と平行に両側に延出する取っ手30と、を備える。作用部12は、底軸20および取っ手30の延出方向と直交する主軸11の相対する両側から先細に傾斜したテーパー状に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手に持って身体の筋肉の凝りをほぐすマッサージ具において、
主軸と、
前記主軸の先端側に設けられ、身体の患部に宛がう作用部と、
前記主軸の基端側に設けられ、該主軸の軸方向と直交して両側に延出する底軸と、
前記主軸の先端と基端の途中に設けられ、該主軸の軸方向と直交して前記底軸と平行に両側に延出する取っ手と、を備え、
前記作用部は、前記底軸および前記取っ手の延出方向と直交する前記主軸の相対する両側から先細に傾斜したテーパー状に形成されたことを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
前記主軸と前記底軸は、それぞれ同径の丸棒材から形成されたことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項3】
前記取っ手は、前記主軸と前記底軸に比べて細径の丸棒材から形成されたことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ具。
【請求項4】
前記取っ手は、前記底軸に比べて長く形成されたことを特徴とする請求項3に記載のマッサージ具。
【請求項5】
前記主軸、前記底軸、および前記取っ手の材質は、それぞれステンレス鋼であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手に持って身体の筋肉の凝りをほぐすためのマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手軽にマッサージ効果を得るためのマッサージ具について、様々なものが提案されている。例えば手のひらサイズのマッサージ具として、円柱体からなる握り体に、標準用指圧棒と、細部用指圧棒と、広部用指圧棒を組み合せて構成した指圧による筋肉の調整道具が知られている(特許文献1参照)。この調整道具によれば、複数種類の調整道具の管理や保管の煩わしさをなくすことができる。
【0003】
また、棒状のマッサージ具として、使用者の皮膚に押圧される球体と、該球体をその一部が露出した状態で回転自在に収容する収容部と、全周にわたって形成されたくびれ部を複数有する本体部を備えたものが知られている(特許文献2参照。)。このマッサージ具によれば、本体部にある複数のくびれ部を利用して、より力を加え易くしてマッサージを行うことができる。
【0004】
さらに、別のマッサージ具として、細い円柱状体の表面に設けられた凸状または凹状の螺旋部を利用して、円柱状体の先端にある突起部でツボを圧迫する回転式ツボ押し健康器具も知られている(特許文献3参照)。この健康器具によれば、本体の螺旋部を指で回転させながらツボに対して刺激を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3129267号公報
【特許文献2】実用新案登録第3185377号公報
【特許文献3】実用新案登録第3118138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のマッサージ具は、手に持って気軽に使用できるものであるが、何れも患部に対して小さな点ないし面的に押圧するものであった。従って、特に硬直した筋肉束の間に差し込むように押圧して、筋肉束の間に隙間をつくり血流を良くすることはできなかった。すなわち、凝りの酷い筋肉束の間に差し込んで、筋肉束の凝りを効果的にほぐすという観点では不十分であった。また、何れのマッサージ具も、構成が比較的複雑であり、製造コストが嵩むものであった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、簡易な構成でもって安価に製造することができ、身体の筋肉束の凝りの原因である血流を改善して筋肉の凝りを効果的にほぐすことを可能とするマッサージ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、樹脂コンパウンドメーカーであり、主に多品種小ロットの樹脂コンパウンドを生産している。そのため、ルーティーンの生産が少なく、人手に頼る生産品が多い事情があった。また、長期間にわたり生産する一部の製品は、肉体を酷使する労働が多く、従業員の身体に痛み(例えば肘の痛み)や違和感が生じることが多々あった。
【0009】
そこで、自分の手の爪で、凝りが生じた筋肉束と筋肉束の間に隙間を作り、筋肉束そのものをほぐす等のマッサージを行うことで、凝った筋肉を通常に近い状態に戻して痛みを緩和してきた。しかしながら、手の爪のみでマッサージを行うには、相当な握力を要するため、痛みを緩和させるに至るまでマッサージを行うことは難しい場合が多かった。また逆に、マッサージをする側の手に負担がかかり、新たな患部を発生させる虞もあった。
【0010】
以上の事情に鑑みて、本出願人は、マッサージ具に関して、幾つかの試作品を生産しながら試行錯誤を重ねた結果、手の爪と同等の力でより効果的に凝った筋肉をマッサージすることができる本発明を鋭意開発するに至った。
【0011】
このような本発明の一態様は、
手に持って身体の筋肉の凝りをほぐすためのマッサージ具において、
主軸と、
前記主軸の先端側に設けられ、身体の患部に宛がう作用部と、
前記主軸の基端側に設けられ、該主軸の軸方向と直交して両側に延出する底軸と、
前記主軸の先端と基端の途中に設けられ、該主軸の軸方向と直交して前記底軸と平行に両側に延出する取っ手と、を備え、
前記作用部は、前記底軸および前記取っ手の延出方向と直交する前記主軸の相対する両側から先細に傾斜したテーパー状に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るマッサージ具によれば、全体の構成を簡易化して製造コストを低減することができ、身体の筋肉束の凝りの原因である血流を良くして筋肉の凝りを効果的にほぐすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るマッサージ具を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るマッサージ具を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係るマッサージ具を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係るマッサージ具を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係るマッサージ具を示す底面図である。
図6】本発明の実施形態に係るマッサージ具の第1使用態様の説明図である。
図7】本発明の実施形態に係るマッサージ具の第2使用態様の説明図である。
図8】本発明の実施形態に係るマッサージ具の第3使用態様の説明図である。
図9】本発明の実施形態に係るマッサージ具の第4使用態様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
本実施形態に係るマッサージ具10は、手に持って身体の筋肉の凝りをほぐすためのものである。なお、以下に説明する実施形態で示される構成要素、形状、材質、寸法等は、何れも本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で便宜上、図1および図2に示されたマッサージ具10の主軸11に関して、紙面上側を「基端側」、紙面下側を「先端側」として説明する。
【0015】
<マッサージ具10の概要>
図1に示すように、本実施形態に係るマッサージ具10は、主軸11と、主軸11の先端側に設けられ、身体の患部に宛がう作用部12と、主軸11の基端側に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して両側に延出する底軸20と、前記主軸11の先端と基端の途中に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して前記底軸20と平行に両側に延出する取っ手30と、を備えている。マッサージ具10は、全体的には手のひらサイズであり、その主軸11、底軸20、取っ手30を、様々な態様で掴んで手に持つことができる。
【0016】
<主軸11>
図1から図5に示すように、主軸11は、その基端から先端まで直線状に延びる円柱状であり、例えば金属製の丸棒材から形成されている。主軸11の全長は、例えば手のひらに収まる寸法に設定すれば良い。主軸11は、例えばステンレス鋼、鉄、アルミニウム等の金属で製造される。このように、主軸11の素材を、重量のある金属とすることにより、省力で長時間のマッサージが可能となり、マッサージ効果が得られやすくなる。
【0017】
特に主軸11は、鉄に一定量以上のクロムを含ませたステンレス鋼で製造すると良い。一般にステンレス鋼は、耐腐食性に優れているので、現場作業等で風雨に晒される環境下やマッサージが効果的である入浴中に長期間使用しても、錆びることがほとんどなく、劣化しづらいという利点を得ることができる。なお、主軸11とは別体で後から組み合わされる底軸20と取っ手30の素材についても同様である。
【0018】
<<作用部12>>
主軸11の先端側には、身体の患部に宛がう作用部12が設けられている。図3に示すように、作用部12は、主軸11の軸心S(軸方向)と直交する両側から先細に傾斜する形状となっている。すなわち、作用部12は、側面視において、同一勾配で傾斜するテーパー面12a、12aを有するテーパー状に形成されている。また、図3図5に示すように、テーパー面12a、12aの先端が合わさる部分は、マイナスドライバーの先端のようなブレード12bとして形成されている。
【0019】
図2に示すように、ブレード12bの横幅は、主軸11の外径とほぼ同一な幅広となっている。各図において、ブレード12bの最先端は、側面視では鋭角な断面形状であるが、実際には鋭角な刃状ではなくアールが形成されている。また、ブレード12bの最先端における両端の角も、正面視では直角に見えるが、実際には円味を帯びたアールが形成されている
【0020】
このようなブレード12bによれば、従来のマッサージ具の尖端となる押圧部と比べて、前後は細幅だが左右は幅広となる形状であるため、ブレード12b全体を、凝りの酷い身体の患部に対して線状に差し込むように押圧することが容易となる。また、ブレード12bの角を、身体の患部に対してピンポイントで押し込むことも可能である。ここで身体の患部とは、硬直した(凝りのある)筋肉の束と束の間、もしくは硬直した(凝りのある)筋肉の束と骨の間等である。
【0021】
作用部12のブレード12bは、様々な筋肉の束と束の間や、筋肉の束と骨の間等に差し込むように押圧することが可能であり、その結果、筋肉束の血流を良くして筋肉の凝りを効果的にほぐすことができる。つまり、作用部12は、人の爪(指先)の薄さに似せつつも、ブレード12bを幅広とすることで、様々な形状の筋肉の束と束の間、もしくは筋肉と骨の間等にフィットさせる汎用性を有する。
【0022】
<底軸20>
図1から図5に示すように、底軸20は、主軸11の基端側に一体に設けられている。本実施形態の底軸20は、主軸11の基端側で軸心S(軸方向)と直交して両側に延出しており、主軸11と底軸20とは、正面視で略T字形をなしている。底軸20は、主軸11と同様に、例えば金属製の丸棒材から形成されている。ここで底軸20の外径は、主軸11とほぼ同径であるが、底軸20の長さは、主軸11の全長の半分程度と短く設定されている。
【0023】
底軸20は、主軸11と一体に組み合わされている。詳しく言えば、底軸20の長手方向の中央の外周に、主軸11の基端側を突き合わせた状態で溶接等により一体に固定されている。底軸20は、患部(凝った筋肉束等)に作用部12を強く押圧する際に、手のひらが痛くならないように丸味を持たせると共に、縦方向と横方向の双方に持ちやすい長さに設定されている。
【0024】
<取っ手30>
図1から図5に示すように、取っ手30は、主軸11の先端と基端の途中に一体に設けられている。本実施形態の取っ手30は、主軸11の軸心S(軸方向)と直交して底軸20と平行になるように両側に延出している。取っ手30は、主軸11と底軸20に比べて細径の丸棒材から形成されている。ここで左右に直線状に連なる取っ手30の全長は、底軸20に比べて長く設定されている。これにより、主軸11と底軸20と取っ手30とは、正面視で「士(サムライ)」の文字形をなしている。
【0025】
取っ手30も、底軸20と同様に主軸11と一体に組み合わされている。詳しく言えば、主軸11の軸方向の途中の位置に、軸心Sと直交する状態で取っ手30が溶接等により一体に固定されている。ここで主軸11の両側に延出した左右の取っ手30は、それぞれに指を2本ずつ添えられる同じ長さに設定されている。かかる構成により、主軸11の両側の各取っ手30に対して、指を2本ずつ添えて、合計4本の指を取っ手30に掛けることができ、マッサージ具10を安定して持つことができる。
【0026】
<その他>
図2に示すように、取っ手30から作用部12の先端であるブレード12bまでの距離(作用距離)を適正に保つことで、一部の患部(例えばテニス肘患部等)に使用する際に、手のひらを支点(患部の腕に設置)として、患部を的確に作用部12のブレード12bを宛がい差し込むように押圧することを可能としている。また、取っ手30から底軸20までの距離(取っ手距離)を、例えば市販の握力計と同程度とすることで、力を加えやすくすることができる。
【0027】
また、手の大きさは、個人差があり使用者ごとに異なることから、図示したマッサージ具10と相似形で大きさの異なる複数種類のタイプ(例えばL(大)、M(中)、S(小)の3種類等)を予め用意すると良い。さらに、取っ手30の左右の先端を研磨し、それぞれ左右2種類の円錐形(頂点の尖り具合を変える)に加工すれば、主軸11の作用部12を含めて、3種類の作用部を持つマッサージ具(例えるなら三刃流)として構成することも考えられる。
【0028】
<マッサージ具10の製造>
本マッサージ具10を製造するには、最初に切削加工等により、主軸11の先端に作用部12(テーパー面12a、12a、ブレード12b)を形成する。また、主軸11の軸方向における途中の位置に、取っ手30を貫通させた状態に見えるように溶接等により一体に固定する。また、底軸20の長手方向の中央の外周に、主軸11の基端を突き合わせた状態で溶接等により一体に固定する。
【0029】
そして最後に、マッサージ具10の全体において、鋭利な角がなくなるように研摩加工等を行う。その際、マッサージ具10のほとんどの部分が丸みを帯びるように研摩加工を行うと良い。例えば、溶接等を施した部分が滑らかになるようにし、バリや角等がある場合には、これらを研摩加工して丸みを帯びるようにする。このように本マッサージ具10は、簡易な構成であり、安価に製造することができる。なお、前述の製造方法の一例であり、他の製造方法であっても良いことは言うまでもない。
【0030】
<マッサージ具10の使用方法>
本マッサージ具10を使用するには、マッサージ具10を手に持ち、作用部12(のブレード12b)を、患部である硬直した筋肉の束と束の間、もしくは硬直した筋肉の束と骨の間に差し込むように押し付けて力を加える。そして、作用部12(のブレード12b)を患部に差し込んだまま、筋肉の束と束の間もしくは筋肉束と骨の間を、例えば1~5mm程度の隙間を開ける(剥がす)ようなイメージで、作用部(のブレード12b)を動かす。
【0031】
作用部(のブレード12b)を患部に差し込む力や動かす力の加減は、例えば痛気持ちいいと感じる程度にする。ここで痛いと感じるような場合は、力を緩めるか他の場所にずらして痛気持ちいい箇所を探すと良い。このような本マッサージ具10の使用により、硬直した筋肉束の間に隙間をつくり、血流を促進させて筋肉の凝りを効果的にほぐすことができる。特に、例えばテニス肘、ふくらはぎ痛、脛痛、腰痛等の身体の痛みを緩和することができる。
【0032】
取っ手30は、主軸11や底軸20に比べて細径であるため、何れの指も取っ手30に容易に掛けることができるので、マッサージ具10を安定した状態で手に持つことができる。例えば、取っ手30に指を掛けると共に、底軸20に親指を掛けたり、あるいは、底軸20に手の平を押し付けて、マッサージ具10に容易に力を加えることができる。
【0033】
また、本マッサージ具10を使用する場合には、例えばトレーナー程度の厚みのある服の上から使用することにより、肌や筋肉を傷つけることを防止し安全性を高めることができる。なお、本マッサージ具10は、使用しない時は、安全のために棚の上等には置かずに、引き出しの中等に保管すると良い。
【0034】
<<第1使用態様>>
図6は、本実施形態に係るマッサージ具10の第1使用態様の説明図である。この第1使用態様は、最も典型的な使用態様である。この第1使用態様では、底軸20の中心部を人差し指の第2関節に当て、テーパー部12aに中指を添えると共に、取っ手30の右側を薬指と小指で握り、取っ手30の左側を親指で支えて、マッサージ具10を持ち、掌を患部付近の支点として底軸20を人差し指の内側で押すことにより、作用部12のブレード12bを身体の患部に押し付ける。これにより、凝った筋肉束の血流を良くして凝りをほぐすことができる。
【0035】
<<第2使用態様>>
図7は、本実施形態に係るマッサージ具10の第2使用態様の説明図である。この第2使用態様では、底軸20を親指の根元に当て、取っ手30の右側(基端から見て)に人差し指と中指を掛けると共に、取っ手30の左側に薬指と小指を掛ける。つまり、取っ手30の右側と左側に、それぞれ2本の指を掛ける。そして、マッサージ具10を手に持って安定した状態で、作用部12のブレード12bを身体の患部に押し付ける。これにより、凝った筋肉束の血流を良くして凝りをほぐすことができる。
【0036】
<<第3使用態様>>
図8は、本実施形態に係るマッサージ具10の第3使用態様の説明図である。この第3使用態様は、マッサージ具10を持って他人(被マッサージ者)にマッサージを行う使用態様である。マッサージ具10を持つ者は、取っ手30を右手の指で握って、作用部12のブレード12b(図8では不図示)を被マッサージ者の左肩近傍に押し付ける。これにより、被マッサージ者の凝った左肩近傍を筋肉束の血流を良くして凝りをほぐすことができる。
【0037】
<<第4使用態様>>
図9は、本実施形態に係るマッサージ具10の第4使用態様の説明図である。この第4使用態様も、マッサージ具10を持って他人(被マッサージ者)にマッサージを行う使用態様である。マッサージ具10を持つ者は、親指(不図示)を底軸20に掛け、その他の指は取っ手30に掛けて、作用部12のブレード12b(図9では不図示)を被マッサージ者の左脚の太もも近傍に押し付ける。これにより、被マッサージ者の凝った太もも近傍の筋肉束の血流を良くして凝りをほぐすことができる。
【0038】
なお、第1から第4の使用態様は、それぞれ単なる一例に過ぎない。この他にも、様々な態様でのマッサージ具10の持ち方があり、マッサージ具10を用いての凝った筋肉束等のほぐし方にも、様々な態様が考えられる。
【0039】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0040】
<<構成1>>
先ず、本発明は、手に持って身体の筋肉の凝りをほぐすマッサージ具10において、
主軸11と、
前記主軸11の先端側に設けられ、身体の患部に宛がう作用部12と、
前記主軸11の基端側に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して両側に延出する底軸20と、
前記主軸11の先端と基端の途中に設けられ、該主軸11の軸方向と直交して前記底軸20と平行に両側に延出する取っ手30と、を備え、
前記作用部12は、前記底軸20および前記取っ手30の延出方向と直交する前記主軸11の相対する両側から先細に傾斜したテーパー状に形成されたことを特徴とする。
【0041】
このような構成によれば、底軸20と取っ手30とを様々な態様で手に持つことができると共に、作用部12を身体の患部に宛がい、筋肉の束と束の間や筋肉の束と骨の間等に差し込むように押圧することが可能である。その結果、硬直した筋肉束の間に隙間をつくり血流を良くして、筋肉の凝りを効果的にほぐすことができる。これにより、マッサージ具10を使用したマッサージの回数を減らすことが可能となる。また、マッサージ具10は、簡易な構成であり、安価に製造することができる。
【0042】
<<構成2>>
また、本発明では、前記主軸11と前記底軸20は、それぞれ同径の丸棒材から形成されたことを特徴とする。
このような構成によれば、主軸11と底軸20とを同一素材から形成できるので、より構成が簡素になり製造時の低コスト化に寄与する。
【0043】
<<構成3>>
また、本発明では、前記取っ手30は、前記主軸11と前記底軸20に比べて細径の丸棒材から形成されたことを特徴とする。
このような構成によれば、例えば何れの指も取っ手30に掛けやすくなるので、マッサージ具10に指を掛けて安定して持ちやすくなる。
【0044】
<<構成4>>
また、本発明では、前記取っ手30は、前記底軸20に比べて長く形成されたことを特徴とする。
このような構成によれば、マッサージ具10を持ちやすいだけでなく、全体を正面視で見たとき士の文字形となり、特徴的で斬新なデザインとすることができる。ここで例えば、マッサージ具10のネーミングを、その形状に基づき「士(サムライ)」と称することができる。
【0045】
<<構成5>>
また、本発明では、前記主軸11、前記底軸20、および前記取っ手30の材質は、それぞれステンレス鋼であることを特徴とする。
このような構成によれば、耐腐食性に優れるステンレス鋼でマッサージ具10を製造するので、戸外の風雨さらし等の厳しい環境下や、一般にマッサージが効果的であるとされる入浴中においてマッサージ具10を使用しても、錆びることが殆ど無い等の利点を有する。
【0046】
以上、本実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、マッサージ具10の適宜の箇所に貫通孔を形成して紐を挿通し、挿通した紐の両端を結んでマッサージ具10をベルトや首等に掛けて、常にマッサージ具10を携帯可能とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、簡易で身近なマッサージ具として幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…マッサージ具
11…主軸
12…作用部
12a…テーパー面
12b…ブレード
20…底軸
30…取っ手
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9