(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029448
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】温熱・風環境情報生成装置、温熱・風環境情報生成方法、防災・減災情報生成装置、および防災・減災情報生成方法
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
G01W1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131715
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 充俊
(72)【発明者】
【氏名】磯 良行
(57)【要約】
【課題】局地的な位置の温熱・風環境の予測情報を、広域の気象情報を考慮して精度良くリアルタイムで把握することが可能な、温熱・風環境情報生成装置、温熱・風環境情報生成方法、防災・減災情報生成装置、および防災・減災情報生成方法を提供する。
【解決手段】温熱・風環境情報生成装置200は、気象情報取得部201と、対象領域設定部202と、温熱・風環境予測部211とを備える。気象情報取得部201は、対象位置の気象情報として、広域の気象観測データを解析して得られた、対象位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得する。対象領域設定部202は、対象位置を含む領域を、対象領域として設定する。温熱・風環境予測部211は、気象情報取得部で取得した情報に基づいて対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、対象日時における、対象領域内の位置ごとの温熱・風環境の予測情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象位置の気象情報として、広域の気象観測データを解析して得られた、前記対象位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得する気象情報取得部と、
前記対象位置を含む所定領域を対象領域として設定する対象領域設定部と、
前記気象情報取得部で取得した情報に基づいて前記対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、所定日時における、前記対象領域内の位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む温熱・風環境の予測情報を生成する温熱・風環境予測部と
を備えた、温熱・風環境情報生成装置。
【請求項2】
前記対象領域設定部は、前記気象情報取得部で取得した風向情報に基づいて、前記対象位置を含み、且つ前記対象位置よりも風上側の領域が広くなるように、前記対象領域を設定する、請求項1に記載の温熱・風環境情報生成装置。
【請求項3】
前記気象情報取得部は、前記対象位置から所定範囲内の複数位置から選択したいずれかの位置の気象情報を、前記対象位置の気象情報として取得する、請求項1に記載の温熱・風環境情報生成装置。
【請求項4】
前記気象情報取得部は、前記対象位置から所定範囲内の複数位置の中から、前記対象位置の風上側の最寄りの位置を選択し、選択した位置の気象情報を、前記対象位置の気象情報として取得する、請求項3に記載の温熱・風環境情報生成装置。
【請求項5】
前記気象情報取得部は、前記風速情報として、地面からの高さごとの複数の風速情報を取得し、前記気温情報として、地面からの高さごとの複数の気温情報を取得する、請求項1に記載の温熱・風環境情報生成装置。
【請求項6】
前記対象領域内の地上物体の種別、位置、形状、大きさ、および材質の情報を取得する地上物体情報取得部をさらに備え、
前記温熱・風環境予測部は、前記地上物体情報取得部で取得した情報を用いて、前記温熱・風環境の予測情報を生成する、請求項1に記載の温熱・風環境情報生成装置。
【請求項7】
対象位置の気象情報として、広域の気象観測データを解析して得られた、前記対象位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得し、
前記対象位置を含む所定領域を対象領域として設定し、
取得した情報に基づいて前記対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、所定日時における、前記対象領域内の位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む温熱・風環境の予測情報を生成する、温熱・風環境情報生成方法。
【請求項8】
請求項1~6いずれか1項に記載の温熱・風環境情報生成装置に通信可能に接続され、
前記温熱・風環境予測部で生成された温熱・風環境の予測情報を用いて、前記対象領域内の位置ごとの防災または減災のための情報を生成する防災・減災情報生成部を備えた、防災・減災情報生成装置。
【請求項9】
請求項1~6いずれか1項に記載の温熱・風環境情報生成装置に通信可能に接続された防災・減災情報生成装置が、
前記温熱・風環境情報生成装置で生成された温熱・風環境の予測情報を用いて、前記対象領域内の位置ごとの防災または減災のための情報を生成する、防災・減災情報生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温熱・風環境情報生成装置、温熱・風環境情報生成方法、防災・減災情報生成装置、および防災・減災情報生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内だけでなく世界中で自然災害の発生件数は増加しており、災害による経済損失も増加傾向となっている。国内の大きい自然災害は阪神淡路大震災や東日本大震災などが挙げられるものの、それだけではなく近年では豪雨や台風による被害が増加している。このため、自然災害の発生は防げないとしても、災害発生時の人的・社会基盤の被害をなくす防災や、被害を減らす減災のための対応が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-296362号公報
【特許文献2】特開2001-325555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)やデジタルツインの促進に伴い、現実の世界から収集した様々なデータ・シミュレーションを業務・事業変革へ適用する取り組みが進んでいる。このデータの中には防災・減災に必要なデータも含まれている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかし、これらのデータを用いても、局所的な領域、例えば数メートルから数十メートル単位の領域に関する風向、風速、気温等の気象情報をリアルタイムで把握するための観測技術やシミュレーション技術が確立されていないのが現状である。例えば、観測技術では観測機器設置の制限により局地的なデータを広範囲にて得ることは難しく、シミュレーション技術では気象庁が実施している天気予報解析では細かくても数キロメートル単位の領域の気象データしか予測できない。
【0006】
また、空気の流れ等を解析できる数値熱流体解析技術(CFD)を利用すれば、局地的な気象データの把握は可能である(例えば、特許文献2)が、解析に時間がかかり、リアルタイム性が失われてしまう問題点がある。
【0007】
また、数値熱流体解析技術は解析負荷が高いため、解析対象領域を広く設定することが困難であり、広域の自然環境情報、例えば台風等の影響を考慮することができず、防災・減災に必要なデータを精度良くリアルタイムに得ることが難しいという問題があった。
【0008】
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、局地的な位置の温熱・風環境の予測情報を、広域の気象情報を考慮して精度良くリアルタイムで把握することが可能な、温熱・風環境情報生成装置、温熱・風環境情報生成方法、防災・減災情報生成装置、および防災・減災情報生成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る温熱・風環境情報生成装置は、対象位置の気象情報として、広域の気象観測データを解析して得られた、前記対象位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得する気象情報取得部と、前記対象位置を含む所定領域を対象領域として設定する対象領域設定部と、前記気象情報取得部で取得した情報に基づいて前記対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、所定日時における、前記対象領域内の位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む温熱・風環境の予測情報を生成する温熱・風環境予測部とを備える。
【0010】
前記対象領域設定部は、前記気象情報取得部で取得した風向情報に基づいて、前記対象位置を含み、且つ前記対象位置よりも風上側の領域が広くなるように、前記対象領域を設定してもよい。
【0011】
前記気象情報取得部は、前記対象位置から所定範囲内の複数位置から選択したいずれかの位置の気象情報を、前記対象位置の気象情報として取得してもよい。
【0012】
前記気象情報取得部は、前記対象位置から所定範囲内の複数位置の中から、前記対象位置の風上側の最寄りの位置を選択し、選択した位置の気象情報を、前記対象位置の気象情報として取得してもよい。
【0013】
前記気象情報取得部は、前記風速情報として、地面からの高さごとの複数の風速情報を取得し、前記気温情報として、地面からの高さごとの複数の気温情報を取得してもよい。
【0014】
前記温熱・風環境情報生成装置は、前記対象領域内の地上物体の種別、位置、形状、大きさ、および材質の情報を取得する地上物体情報取得部をさらに備え、前記温熱・風環境予測部は、前記地上物体情報取得部で取得した情報を用いて、前記温熱・風環境の予測情報を生成してもよい。
【0015】
また本開示に係る温熱・風環境情報生成方法は、対象位置の気象情報として、広域の気象観測データを解析して得られた、前記対象位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得し、前記対象位置を含む所定領域を対象領域として設定し、取得した情報に基づいて前記対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、所定日時における、前記対象領域内の位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む温熱・風環境の予測情報を生成する。
【0016】
また本開示に係る防災・減災情報生成装置は、前記温熱・風環境情報生成装置のいずれかに通信可能に接続され、前記温熱・風環境予測部で生成された温熱・風環境の予測情報を用いて、前記対象領域内の位置ごとの防災または減災のための情報を生成する防災・減災情報生成部を備える。
【0017】
また本開示に係る防災・減災情報生成方法は、前記温熱・風環境情報生成装置のいずれかに通信可能に接続された防災・減災情報生成装置が、前記温熱・風環境情報生成装置で生成された温熱・風環境の予測情報を用いて、前記対象領域内の位置ごとの防災または減災のための情報を生成する。
【発明の効果】
【0018】
本開示の温熱・風環境情報生成装置、温熱・風環境情報生成方法、防災・減災情報生成装置、および防災・減災情報生成方法によれば、局地的な位置の温熱・風環境の予測情報を、広域の気象情報を考慮して精度良くリアルタイムで把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置を用いたPCの構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置が解析対象とする位置、および解析に用いる気象情報の取得位置である客観解析座標位置を示す説明図である。
【
図4】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置が解析対象とする領域の位置を示す説明図である。
【
図5】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置が解析対象とする対象領域を所定角度回転させた状態を示す説明図である。
【
図6】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置が取得した対象領域の複数高度の風速情報、風速情報から算出した近似曲線、および対象領域の風の流入面の高度ごとの風速値を示すグラフである。
【
図7】一実施形態に係る温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置が解析対象とする対象領域の風の流入面の領域を分割した状態を示す説明図である。
【
図8】(a)は、一実施形態に係る防災・減災情報生成装置が客観解析座標位置Q1の局地客観解析データを用いて生成した、対象領域R0の速度分布の予測情報であり、(b)は、客観解析座標位置Q1の局地客観解析データを用いて生成した、対象領域R1の速度分布の予測情報である。
【
図9】(a)は、一実施形態に係る防災・減災情報生成装置が客観解析座標位置Q1の局地客観解析データを用いて生成した、対象領域R0の壁面圧力分布の予測情報であり、(b)は、客観解析座標位置Q1の局地客観解析データを用いて生成した、対象領域R1の壁面圧力分布の予測情報である。
【
図10】(a)は、一実施形態に係る防災・減災情報生成装置が客観解析座標位置Q3の局地客観解析データを用いて風向Dに合わせて回転させた対象領域R1に関して生成した、速度分布の予測情報であり、(b)は、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データを用いて風向Dに合わせて回転させた対象領域R1に関して生成した、壁面圧力分布の予測情報である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、PC(パーソナルコンピュータ)に搭載された温熱・風環境情報生成装置が屋外の所定領域に関する所定日時の温熱・風環境情報を生成し、生成した情報を用いて、防災・減災情報生成装置が防災・減災に関する情報を生成する場合について説明する。
【0021】
〈第1実施形態による温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置を搭載したPCの構成〉
第1実施形態による温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置を搭載したPCの構成について、
図1を参照して説明する。本実施形態によるPC1は、入力部10と、CPU20と、通信部30と、出力部40とを備える。通信部30は、外部の広域通信ネットワーク100に接続される。
【0022】
入力部10は、利用者により指定された、温熱・風環境情報の生成対象とする位置(以下、「対象位置」と記載する)の情報、および温熱・風環境情報の生成対象とする日時(以下、「対象日時」と記載する)の情報を入力する。
【0023】
CPU20は、GPU21を内蔵する。CPU20は温熱・風環境情報生成装置200としての機能、および防災・減災情報生成装置210としての機能を有し、気象情報取得部201と、対象領域設定部202と、地上物体情報取得部203と、日陰情報算出部204と、熱量情報算出部205と、表面温度情報算出部206と、解析条件設定部207と、GPU21内で演算処理を実行する温熱・風環境予測部211および防災・減災情報生成部212とを有する。
【0024】
温熱・風環境情報生成装置200は、気象情報取得部201と、対象領域設定部202と、地上物体情報取得部203と、日陰情報算出部204と、熱量情報算出部205と、表面温度情報算出部206と、解析条件設定部207と、温熱・風環境予測部211とで構成される。防災・減災情報生成装置210は、温熱・風環境情報生成装置200と、防災・減災情報生成部212とで構成される。
【0025】
気象情報取得部201は、広域通信ネットワーク100を介して外部のWebサーバ(図示せず)等から、広域の気象観測データを解析して得られた、指定された所定位置から所定範囲内の位置の風向情報、風速情報、および気温情報を取得する。
【0026】
対象領域設定部202は、気象情報取得部201で取得した風向情報に基づいて、指定された対象位置を含み、且つ当該対象位置よりも風上側の領域が広くなるように対象領域を設定する。
【0027】
地上物体情報取得部203は、設定された対象領域内の地上物体情報、具体的には、対象領域内にある物体の種別である建築物、道路、池等の水辺、公園等の緑地等の情報、および物体の位置、形状、大きさ、材質の情報を取得する。
【0028】
日陰情報算出部204は、対象領域内の日陰領域の位置、形状、および大きさを示す日陰情報を算出する。熱量情報算出部205は、対象領域内の対象日時の熱量情報として、対象領域内の対象日時の表面の材質ごとの日射量、反射量、大気放射量、地球放射量、顕熱輸送量、潜熱輸送量、および地中伝熱量を算出する。
【0029】
表面温度情報算出部206は、熱量情報算出部205で算出した各種熱量情報に基づいて熱収支のつり合い状態を解析して、対象領域内の対象日時における材質ごとおよび日向/日陰ごとの表面温度を算出する。また表面温度情報算出部206は、地上物体情報取得部203で取得した情報に基づいて対象領域内の位置ごとの物体およびその表面の材質を判断する。さらに表面温度情報算出部206は、判断した位置ごとの材質の情報と、算出した材質ごとの表面温度の情報と、日陰情報とに基づいて、対象領域内の対象日時における位置ごとの表面温度の情報を算出する。
【0030】
解析条件設定部207は、対象領域の温熱・風環境を解析するための条件として、気象情報取得部201が取得した対象領域に流入する空気の風向、風速、および温度の情報と、表面温度情報算出部206で取得した位置ごとの表面温度とを設定する。
【0031】
温熱・風環境予測部211は、設定された条件に基づいて対象領域に関する熱流体解析処理を実行することで、所定日時における、対象領域内の局地的な位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む温熱・風環境を予測する。
【0032】
防災・減災情報生成部212は、温熱・風環境予測部211で解析された対象領域に関する局地的な位置ごとの温熱・風環境の予測情報に基づいて、利用者が視認可能な画像情報または動画情報等で構成された防災・減災情報を生成する。
【0033】
出力部40は、表示デバイスで構成され、防災・減災情報生成部212で生成された防災・減災情報を表示する。
【0034】
〈第1実施形態による温熱・風環境情報生成装置および防災・減災情報生成装置の動作〉
次に、本実施形態による温熱・風環境情報生成装置200および防災・減災情報生成装置210の動作について説明する。本実施形態ではこれらの装置の動作の一例として、温熱・風環境情報生成装置200が、利用者が指定した位置に関して台風の通過予定日時の風環境の予測情報を生成する際の動作について説明する。また、温熱・風環境情報生成装置200が生成した情報に基づいて、防災・減災情報生成装置210が、該当位置を含む領域の風速ごとの分布図および建物の壁面に対する風圧ごとの分布図を、防災・減災情報として生成する際の動作について説明する。
【0035】
図2は、温熱・風環境情報生成装置200および防災・減災情報生成装置210の動作を示すフローチャートである。まず、利用者が入力部10から風環境情報および災害・減災情報の生成対象とする対象位置情報、および該当する位置において台風による風速が強まることが予測される日時情報を入力する。
【0036】
利用者は、例えば出力部40に表示された地図情報上で位置を指定することで、対象位置情報を入力する。また、台風到来時には、台風の中心が到達する前、例えば1時間程度前に最も風速が強まることから、利用者は、対象位置に台風の中心が到達する予定時刻の1時間前を、対象日時情報として入力する。
【0037】
利用者により対象位置情報および対象日時情報が入力されると(S1の「YES」)、温熱・風環境情報生成装置200の気象情報取得部201が、入力された対象位置の気象情報を取得する。本実施形態において気象情報取得部201は、気象庁から提供される局地客観解析データ(LA)を、該当する位置の気象情報として広域通信ネットワーク100を介して取得する(S2)。
【0038】
局地客観解析データ(LA)は、世界中に広域にわたって不規則に分布した複数位置の気象観測データを解析して算出された、5km程度の規則的な間隔の格子点の位置である客観解析座標位置における気象情報である。つまり、局地客観解析データ(LA)は、気象解析に広域の観測データを同化させて算出された、客観解析座標位置の気象情報である。局地客観解析データ(LA)には、該当する客観解析座標位置の気象情報として、風向情報、風速情報、および温度情報等が含まれる。
【0039】
気象情報取得部201は、上述したように利用者により指定された対象位置から所定範囲内にある複数の客観解析座標位置の中の1つの局地客観解析データ(LA)を取得する。
【0040】
図3は、地図情報上に、利用者が指定した対象位置P、および対象位置Pから所定範囲内にある4箇所の客観解析座標位置Q1~Q4を示した図である。気象情報取得部201は、客観解析座標位置Q1~Q4の風向情報に基づいて、客観解析座標位置Q1~Q4の中から対象位置Pの風上側の最寄りの客観解析座標位置を選択する。客観解析座標位置Q1~Q4のうち、Q1およびQ2は陸上の位置であり、Q3およびQ4は海上の位置である。
【0041】
ここでは気象情報取得部201は、客観解析座標位置Q1~Q4の風向情報に基づいて対象位置Pの風向が矢印Dで示す方向であると判断する。そして気象情報取得部201は、客観解析座標位置Q1~Q4の中から、対象位置Pの風上側の最寄りの客観解析座標位置Q3を選択する。気象情報取得部201は、選択した客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)を、対象位置Pの気象情報として取得する。気象情報取得部201は、客観解析座標位置Q3と対象位置Pとの距離等に基づいて、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)に補正をかけた値を、対象位置Pの気象情報としてもよい。
【0042】
このように、対象位置Pの気象情報として対象位置Pの風上側の最寄りの客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)を用いることで、後述する処理により、対象位置Pに流入する風の状態に応じた精度の高い温熱・風環境情報を生成することができる。
【0043】
次に、対象領域設定部202が、気象情報取得部201で取得した客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)の風向情報に基づいて、指定された対象位置Pを含む所定の大きさの対象領域を設定する(S3)。ここで、対象領域設定部202は、
図4に示すように、対象位置Pを中心とする領域R0よりも、対象位置Pの風上側の領域が広くなる領域R1を、対象領域として設定する。本実施形態において、対象領域R1の大きさは、地表面上の2km四方、高度0m~350mである。
【0044】
対象領域設定部202は、対象領域R1への風向を、対象領域R1の一側面r1に対して垂直な一方向とするために、
図5に示すように、対象領域R1を回転させてもよい。
図5の例では、対象領域R1を、側面r1の幅方向の中心raを基点として地表面に水平な時計回り方向に角度θ、例えば10度回転させている。
【0045】
次に、地上物体情報取得部203が、設定された対象領域R1内の地上物体情報、具体的には、対象領域内にある物体の種別である建築物、道路、池等の水辺、公園等の緑地等の情報、および物体の位置、形状、大きさ、材質の情報を取得する(S4)。物体の材質の情報とは例えば、建築物はコンクリート、道路はアスファルト、池等の水辺は水、公園等の緑地は植物(樹木)、等の情報である。
【0046】
地上物体情報取得部203が対象領域の物体の位置、形状、および大きさの情報を取得する方法としては、例えば、現地での計測により取得する方法や、航空測量から3次元情報をモデル化して取得する方法などがある。また地上物体情報取得部203は、国土交通省のG空間情報センター(Project PLATEAU)が公開している3D都市モデルを用いて、対象領域の建築物の形状および大きさの情報を取得してもよい。
【0047】
また地上物体情報取得部203が取得する対象領域の物体の材質の情報は、例えば予め地図情報内に入力された情報を用いる。物体の材質の情報とは例えば、建築物はコンクリート、道路はアスファルト、池等の水辺は水、公園等の緑地は植物(樹木)、等の情報である。
【0048】
次に、日陰情報算出部204が、対象領域R1内の対象日時の日陰領域の位置、形状、および大きさを示す日陰情報を算出する(S5)。日陰情報算出部204は、例えば、地上物体情報取得部203で取得した対象領域R1の地上物体情報を用いて、建築物の天井面を、太陽光線が降り注ぐ方向を示すベクトルに沿って地表面上を平行移動させて日陰情報を算出する。
【0049】
次に、熱量情報算出部205が、対象領域R1内の対象日時の熱量情報として、対象領域内の対象日時の表面の材質ごとの日射量、反射量、大気放射量、地球放射量、顕熱輸送量、潜熱輸送量、および地中伝熱量を算出する(S6)。熱量情報算出部205は、これらの情報を、例えば気象庁等から提供される気象予測情報等に基づいて算出する。
【0050】
日射量は、太陽から地面に届く熱量である。この日射量には太陽放射が大気中に散乱される熱量も含まれているため、日影領域においても日射量が「0」となることなない。反射量は、日射が地面に届いた際に反射する熱量である。大気放射量は、大気から地面へ放射伝熱により輸送される熱量である。地球放射量は、地表面から宇宙空間へ放射伝熱にて輸送される熱量である。顕熱輸送量は、地面から大気中へ移動する熱量である。潜熱輸送量は、水分が蒸発する際に必要な熱量である。地中伝熱量は、地中に移動する熱量である。
【0051】
次に、表面温度情報算出部206が、判断した位置ごとの材質の情報と、算出した材質ごとの表面温度の情報とに基づいて、対象日時における対象領域R1内の位置ごとの表面温度を算出する。その際、日陰情報算出部204で日陰であると認識された領域は日射量が大幅に減少するため、表面温度情報算出部206は、日陰の領域の表面温度を日向の領域よりも低く算出する。また、表面温度情報算出部206は、水面や緑地は潜熱輸送量が多いと判断して演算を行うことで、水面や緑地の表面温度をコンクリートやアスファルトの領域よりも低く算出する。
【0052】
ここで、表面温度情報算出部206は、対象領域内の対象日時における位置ごとの表面温度を算出する際に、建築物の外壁面の温度を、該当する材質、例えばコンクリートについて算出した地表面の温度と同じ温度として算出してもよい。このように算出処理を行うことで、後述する熱流体解析処理においてなるべく精度を低下させずに演算負荷を低減させることができる。
【0053】
次に、解析条件設定部207が、気象情報取得部201で取得した客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)の情報に基づいて、対象日時における対象領域R1への風向と、高度ごとの風速および気温とを熱流体解析の解析条件として設定する(S8)。
【0054】
本実施形態では、熱流体解析処理における演算負荷を低減させるために、対象領域R1の境界条件として、流入境界である流入面の風向は、流入面に対して垂直な一方向とし、風速は一定流速とする。また、対象領域R1の上側の境界面を対象境界とし、その他の境界面を圧力出口境界とする。
【0055】
ここで、局地客観解析データ(LA)には、客観解析座標位置ごとの風速情報が、対象領域R1の高度である0m~350m程度の間で、まばらな数ヶ所の情報しか存在しない。そのため、解析条件設定部207は、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)内の数ヶ所の風速情報から、高度ごとの風速情報を算出して補間する。
【0056】
都市部等の鉛直方向の風速分布は、日本建築学会の基準により、下記式(1)で表される。
【数1】
上記式(1)において、Z
1、Z
2はそれぞれ異なる高度を示し、V
Z1は高度Z
1の風速、V
Z2は高度Z
2の風速を示す。αは、地表面の状況によって値が変わる、べき乗係数であり、建物が多く地表面の凹凸が大きいエリアでは大きい値となる。αの値は、おおよその目安として、平野で0.15、住宅地で0.2、市街地で0.27、大都市で0.35である。
【0057】
本実施形態において解析条件設定部207は、対象領域R1のα値として、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)から取得した結果を用いた最小二乗法にて、市街地に近い0.25を算出している。
【0058】
図6のグラフにおいて、点E1~E3は客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)から取得した対象領域R1の複数高度の風速情報を示し、太実線L1は、点E1~E3の風速情報から上記式(1)に基づいて最小二乗法にて算出した近似曲線を示す。解析条件設定部207は、この近似曲線に基づいて、対象日時に対象領域R1へ流入する、高度0m~350m内の高度ごとの風速値を算出し、熱流体解析の解析条件として設定する。
【0059】
解析条件設定部207は、数値流体解析に用いる対象領域R1の高度ごとの風速値を、高さ方向の速度分布を示す関数として入力してもよい。または解析条件設定部207は、
図7に示すように、対象領域R1の風の流入面r1を高さ方向に複数の領域に分割し、それぞれの領域ごとの風速値を設定することで、近似的に速度分布を再現するようにしてもよい。この場合、解析条件設定部207は例えば、高度が低い程、細かい高度間隔で、風速値を設定する。
【0060】
このように、高度ごとの風速値を設定することで、後述する熱流体解析処理において精度のよい処理を実行することができる。
【0061】
図6の太点線L2は、解析条件設定部207が、対象領域R1の流入面r1を分割した領域ごとに設定した風速値を示す。
【0062】
次に、解析条件設定部207は、表面温度情報算出部206で取得した、対象領域内の対象日時における位置ごとの表面温度を設定する。
【0063】
次に、温熱・風環境予測部211は、解析条件設定部207で設定された条件に基づき、一般的な熱流体解析(CFD;Computational Fluid Dynamics)手法により対象領域の対象日時の大気の流れおよび気温を解析して、温熱・風環境を予測する(S9)。具体的には、温熱・風環境予測部211は、対象領域の直方体形状の地上空間を3次元的に格子状に分割した立方体形状または直方体形状の各空間の大気の流れおよび気温を算出することで、対象領域内の対象日時における位置ごとの温熱・風環境を予測する。温熱・風環境予測部211が予測する温熱・風環境の情報は、対象領域内の対象日時における位置ごとの風速、風向、気温、風圧力の少なくともいずれかの情報を含む。
【0064】
ここで、解析処理の高速化を図るためには、温熱・風環境予測部211は、熱流体解析処理として一般的なナビエストークス方程式を用いた手法よりも、ボルツマン方程式を用いた格子ボルツマン手法を採用した方が好適であると考えられる。格子ボルツマン法は、演算の並列化に優れた手法であり、並列演算処理能力の高いGPUとの相性が良い。温熱・風環境予測部211は、GPU21にて熱流体解析を実行するソフトウェアとして例えば、ANSYS(登録商標)社のDiscovery Liveソフトウェアを使用することができる。
【0065】
次に、防災・減災情報生成部212が、温熱・風環境予測部211で解析された対象領域に関する温熱・風環境の予測情報に基づいて、利用者が視認可能な画像情報または動画情報で構成された防災・減災情報を生成し、出力部40に出力させる(S10)。
【0066】
防災・減災情報としては、例えば、対象領域の地上空間の空気の流れを示す流線分布情報、地上空間の風速範囲ごとの領域を色分けして示す空間風速分布情報、または、地面に平行な地上の所定高さの平面における風速分布情報等がある。
【0067】
図8(a)は、一例として、対象位置Pから最も近い客観解析座標位置であるQ1の局地客観解析データ(LA)を用いて生成した、対象領域R0の対象日時における高さ10m断面の速度分布の予測情報である。また
図8(b)は、客観解析座標位置Q1の局地客観解析データ(LA)を用いて生成した、対象領域R1の対象日時における高さ10m断面の速度分布の予測情報である。
【0068】
図8(a)、(b)内において、実線で囲まれた領域は対象位置Pであり、矢印Dは風向であり、点線で囲まれた領域は対象位置P近くの風上の領域Fである。
図8(a)と(b)とを比較すると、対象領域をR0からR1にずらすことで、解析処理において考慮する風上の建物の数が増え、対象位置P近くの風上の領域Fを含む領域の風速分布が、風上の建物の影響により異なっている。これにより、対象領域をR0からR1にずらしたことで、風速分布の予測精度が上がったと考えられる。
【0069】
また、
図9(a)は、客観解析座標位置Q1の局地客観解析データ(LA)を用いて生成した、対象領域R0の対象日時における壁面圧力分布、つまり建物の壁面にかかる風圧の予測情報である。また
図9(b)は、客観解析座標位置Q1の局地客観解析データ(LA)を用いて生成した、対象領域R1の対象日時における壁面圧力分布の予測情報である。
【0070】
図9(a)、(b)内において、実線で囲まれた領域は対象位置Pであり、矢印Dは風向Dである。
図9(a)と(b)とを比較すると、対象領域をR0からR1にずらすことで、解析処理において考慮する風上の建物の数が増え、対象位置P内の建物の壁面にかかる壁面圧力分布に違いが出ている。これにより、対象領域をR0からR1にずらしたことで、壁面圧力分布の予測精度が上がったと考えられる。
【0071】
また、
図10(a)は、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)を用い、風向Dに合わせて回転させた対象領域R1に関して生成した、対象日時における高さ10m断面の速度分布の予測情報である。
図10(a)と
図8(b)とを比較すると、用いる局地客観解析データ(LA)を客観解析座標位置Q1のデータからQ3のデータに変え、風向Dに合わせて対象領域R1を回転させたことで、海上の強い風が考慮され、全体的に風速が高くなっている。これにより、解析に用いるデータを客観解析座標位置Q1のデータから客観解析座標位置Q3のデータに変え、風向Dに合わせて対象領域R1を回転させたことにより、風速分布の予測精度が上がったと考えられる。
【0072】
また
図10(b)は、客観解析座標位置Q3の局地客観解析データ(LA)を用い、風向Dに合わせて回転させた対象領域R1に関して生成した、対象日時における壁面圧力分布の予測情報である。
図10(b)と
図9(b)とを比較した場合も同様に、用いる局地客観解析データ(LA)を客観解析座標位置Q1のデータからQ3のデータに変え、風向Dに合わせて対象領域R1を回転させたことで、海上の強い風が考慮され、全体的に風速が高くなっている。これにより、解析に用いるデータを客観解析座標位置Q1のデータから客観解析座標位置Q3のデータに変えたことにより、壁面圧力分布の予測精度が上がったと考えられる。
【0073】
以上の実施形態によれば、台風通過時における局地的な位置の風環境の予測情報および防災・減災に関する予測情報を、広域の気象情報を考慮して精度良く、リアルタイムで生成することができる。利用者は、生成された防災・減災に関する予測情報を視認することで、台風通過時に備え、防災・減災のための行動をとることができる。
【0074】
上述した実施形態では、台風通過時における所定位置の風環境の予測情報および防災・減災に関する予測情報を生成する場合について説明したが、これには限定されない。例えば、吹雪、濃霧、または火災等に関する防災・減災に関する予測情報を生成することも可能である。
【0075】
例えば、気象情報取得部201が、対象位置の風向、風速に加え、風中の雪濃度の情報を気象情報として取得し、解析条件設定部207が、これらの情報を解析条件として設定する。そして、設定された情報に基づいて温熱・風環境予測部211が熱流体解析を行い、その解析結果に基づいて防災・減災情報生成装置210が対象領域の対象日時における位置ごとの雪濃度分布の予測情報を、防災・減災情報として生成して出力する。
【0076】
このように雪濃度分布の予測情報を生成することで、雪濃度の高い場所に進入しようとする車両に対する警告等を、防災・減災情報として出力することができる。
【0077】
また、気象情報取得部201が、対象位置の風向、風速に加え、風中の霧濃度の情報を気象情報として取得し、解析条件設定部207が、これらの情報を解析条件として設定する。そして、設定された情報に基づいて温熱・風環境予測部211が熱流体解析を行い、その解析結果に基づいて防災・減災情報生成装置210が対象領域の対象日時における位置ごとの霧濃度分布の予測情報を、防災・減災情報として生成して出力する。
【0078】
このように霧濃度分布の予測情報を生成することで、霧濃度の高い場所に進入しようとする車両に対する警告等を、防災・減災情報として出力することができる。
【0079】
また、気象情報取得部201が、対象位置の風向、風速に加え、火災で発生した煙および二酸化炭素(CO2)の濃度の情報を気象情報として取得し、解析条件設定部207が、これらの情報を解析条件として設定する。そして、設定された情報に基づいて温熱・風環境予測部211が熱流体解析を行い、その解析結果に基づいて防災・減災情報生成装置210が対象領域の対象日時における位置ごとの煙およびCO2濃度分布の予測情報を、防災・減災情報として生成して出力する。
【0080】
このように煙およびCO2濃度分布の予測情報を生成することで、煙およびCO2濃度の低い避難経路を音で誘導する情報等を、防災・減災情報として出力することができる。
【0081】
なお、上述した実施形態では、熱流体解析処理に用いる風向、風速を取得するための気象情報として、局地客観解析データ(LA)を用いる場合について説明したが、これには限定されない。例えば、気象庁から提供される他の気象情報である、局所モデルから取得する情報、WRF(Weather Research and Forecasting)モデルを用いて解析した情報、または実際の観測データ等を用いてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、温熱・風環境情報生成装置200が風環境に関する予測情報を生成する場合について説明したが、これには限定されず、温熱環境に関する予測情報を生成してもよい。この場合、気象情報取得部201が対象位置の気象情報として気温情報を取得し、解析条件設定部207が風向、風速情報とともに気温情報を解析条件として設定し、温熱・風環境予測部211が解析条件に従って温熱環境に関する予測情報を生成する。
【0083】
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
【0084】
本開示は、例えば持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 入力部
20 CPU
30 通信部
40 出力部
100 広域通信ネットワーク
200 温熱・風環境情報生成装置
201 気象情報取得部
202 対象領域設定部
203 地上物体情報取得部
204 日陰情報算出部
205 熱量情報算出部
206 表面温度情報算出部
207 解析条件設定部
210 防災・減災情報生成装置
211 温熱・風環境予測部
212 防災・減災情報生成部