(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029468
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 17/00 20060101AFI20240228BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240228BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20240228BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20240228BHJP
【FI】
G06K17/00 022
G06K19/06 037
G06K7/14 017
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131748
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】川島 則孝
(72)【発明者】
【氏名】久保 憲輝
(72)【発明者】
【氏名】堀江 考史
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522DD05
3F522EE19
3F522HH37
(57)【要約】
【課題】データ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを使用して、現品管理の効率化を図る。
【解決手段】ネットワークシステムにおいて、識別情報を記録するデータ部2、及び、データ部2から分離して配置されるファインダパターン3を備える二次元コード1を生成する二次元コード生成手段101と、二次元コード生成手段101で生成した二次元コード1の印刷データを生成する印刷データ生成手段102と、印刷データ生成手段102で生成した印刷データを印刷物4に印刷する印刷装置300と、二次元コード1の読取機能を有する携帯情報端末200と、二次元コード生成手段101で生成した二次元コード1と、印刷装置300で印刷され、対象物に設けられた印刷物4から携帯情報端末200で読み取った二次元コード1とを照合する照合手段105とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を記録するデータ部、及び、前記データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷物に印刷する印刷装置と、
前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた前記印刷物から前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記データ部と前記ファインダパターンとの配置を調整可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記携帯情報端末は、前記印刷物から前記二次元コードを読み取った結果を、電子メールを使って、前記照合手段として機能する情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
識別情報を記録するデータ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷装置に送信する送信手段と、
前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた印刷物から、前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末で前記二次元コードを読み取った結果を、前記携帯情報端末から受信する受信手段と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記受信手段で受信した、前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
識別情報を記録するデータ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷装置に送信する送信手段と、
前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた印刷物から、前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末で前記二次元コードを読み取った結果を、前記携帯情報端末から受信する受信手段と、
前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記受信手段で受信した、前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現品管理に利用して好適なネットワークシステム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業企業等においては、保管する物品(原材料、部品、仕掛品、完成品等)を管理する、いわゆる現品管理が実施されている。
従来の現品確認では、予め作成された帳票に基づいて、目視確認、紙等を使ったチェックを行うのが一般的であり、現品管理を円滑に実施できないことがあった。
【0003】
また、近年では、多種多様な分野において、バーコードや二次元コードが使用されている。例えば特許文献1には、印刷装置の保守にバーコードや二次元コードを使用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-41840号公報
【特許文献2】特許第6219911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、特許文献2において、対象データに対応するビット列をパターンとして表したデータ部と、データ部から分離して配置されるファインダパターンとを備える二次元コードを提案している。
本発明は、データ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを使用して、現品管理の効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のネットワークシステムは、識別情報を記録するデータ部、及び、前記データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷物に印刷する印刷装置と、前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた前記印刷物から前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、識別情報を記録するデータ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷装置に送信する送信手段と、前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた印刷物から、前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末で前記二次元コードを読み取った結果を、前記携帯情報端末から受信する受信手段と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記受信手段で受信した、前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段とを備えたことを特徴とする。
本発明のプログラムは、識別情報を記録するデータ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データ生成手段で生成した前記印刷データを印刷装置に送信する送信手段と、前記印刷装置で印刷され、対象物に設けられた印刷物から、前記二次元コードの読取機能を有する携帯情報端末で前記二次元コードを読み取った結果を、前記携帯情報端末から受信する受信手段と、前記二次元コード生成手段で生成した前記二次元コードと、前記受信手段で受信した、前記携帯情報端末で読み取った前記二次元コードとを照合する照合手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、データ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを使用して、現品管理の効率化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るネットワークシステムの概略構成を示す図である。
【
図3】二次元コードが印刷されたラベルの例を示す図である。
【
図4】携帯情報端末による二次元コードの読み取りを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
[二次元コード]
本願発明では、データ部、及び、データ部から分離して配置されるファインダパターンを備える二次元コードを使用する。
本実施形態では、特許文献2に開示されている二次元コードを利用する。
図6に、特許文献2に開示されている二次元コードの例を示す。
図6に示すように、二次元コード1は、データ部2と、データ部2から分離して配置されるファインダパターン3とを備える。
ファインダパターン3は、データ部2を検出するための検出用パターンであり、円環部3aと、方向特定部3bとを有する。円環部3aは、複数の円環を有する。方向特定部3bは、ファインダパターン3の基準方向3cを特定できるパターンであり、円環部3aに沿って、円環部3aの円周方向に伸びる複数の突起部を有する。
データ部2は、基準方向3cに対して予め定められた所定の方向であって、ファインダパターン3から所定の距離に配置される。データ部2は、矩形状の枠部の内側に、マトリクス上に並ぶセル領域を備えるデータ領域を有し、そのデータ領域に情報を記録する。
【0010】
二次元コード1を読み取るときの処理は、特許文献2に記載のとおりであるが、簡単に述べると、まず二次元コード1を撮影した画像を走査してファインダパターン3を検索する。次に、円環部3aを楕円とみなし、この楕円の方程式の定数である楕円定数を算出し、方向特定部3bに基づいて基準方向3cを特定する。楕円定数を算出するのは、二次元コード1は正面から撮影されるとは限らず、斜めから撮影されることもあり、撮影画像上においてファインダパターン3が楕円になることがあるからである。なお、二次元コード1を正面から撮影したときは、円環部3aは円として表され、得られる楕円定数は円の方程式を表わすことになる。次に、基準方向3cに基づいて、データ部2の位置を特定する。そして、特定したデータ部2の位置に基づいて、データ部2から記録されている情報を読み取る。
【0011】
このようにした二次元コード1では、データ部2とファインダパターン3とを分離することにより、ファインダパターン3の大きさ及び配置を、データ部2の形状に依存させる必要がない。したがって、二次元コード1の読み取り精度を向上させることができ、複数の二次元コード1を撮影した画像においてこれら二次元コード1を一括して高速に解析して、各二次元コード1が記録する情報を読み取ることが可能になる。
【0012】
[ネットワークシステム]
図1に、実施形態に係るネットワークシステムの概略構成を示す。
実施形態に係るネットワークシステムは、情報処理装置100と、二次元コード1の読取機能を有する携帯情報端末200と、情報処理装置100と接続するラベルプリンタ300とを備える。
【0013】
情報処理装置100は、二次元コード1の印刷データをラベルプリンタ300に送信する。また、情報処理装置100は、ラベルプリンタ300で印刷され、対象物に貼り付けられたラベル4から携帯情報端末200で二次元コード1を読み取った結果を、携帯情報端末200から受信する。二次元コード1はリスト5により生成、照合され、情報処理装置100へのリスト5のダウンロードは、固有の情報処理装置に制限、又は期限付き使用制限をすることもできる。
以下、情報処理装置100について詳述する前に、ラベルプリンタ300、携帯情報端末200について説明する。
【0014】
ラベルプリンタ300は、情報処理装置100から送信される二次元コード1の印刷データを受信して、粘着性を有するラベル4に二次元コード1を印刷する。
図3に、二次元コード1が印刷されたラベル4の例を示す。二次元コード1が印刷されたラベル4は、帳票に従って対象物に貼り付けられる。対象物とは、管理する物品そのものでもよいし、物品を収納、保管する棚等の収納体でもよい。
図4の例では、二次元コード1が印刷されたラベル4を、物品を収納、保管する棚の引き出し7の前面に貼り付けている。なお、本発明でいう印刷物及び印刷装置として、粘着性を有するラベル4及びラベルプリンタ300を例示したが、これに限定されるものではない。
【0015】
携帯情報端末200は、スマートフォンやタブレット端末等であり、二次元コード読取部201と、送信部202とを備える。二次元コード読取部201は、携帯情報端末200が有する撮像機能を利用して、二次元コード1を読み取る。二次元コード読取部201では、複数の二次元コード1を一括して読み取って、各二次元コード1が記録する情報を取得することが可能である。送信部202は、二次元コード読取部201で二次元コード1を読み取った結果を、読取日時の情報と共に例えばCSVファイル化して、情報処理装置100に送信する。複数の二次元コード1を一括して読み取った場合は、複数の二次元コード1を読み取った結果をまとめて読取日時の情報と共にCSVファイル化してもよい。本実施形態では、送信部202は、CSVファイルを、電子メールを使って情報処理装置100に送信する。電子メールを使うことで、携帯情報端末200と情報処理装置100との間に特別な通信経路を構築する必要がなく、複雑な通信設定が不要になる。
【0016】
情報処理装置100は、二次元コード生成部101と、印刷データ生成部102と、送信部103と、受信部104と、照合部105とを備える。
二次元コード生成部101は、識別情報であるコード値が入力されると、当該コード値を記録するデータ部2、及び、データ部2から分離して配置されるファインダパターン3を備える二次元コード1を生成する。
図2に示すように、Excel(エクセル(登録商標))等の表計算ソフトを使用して、帳票に基づいたリスト5をダウンロードし、セル5d(列)には物品(原材料、部品、仕掛品、完成品等)を管理する情報を記載する。リスト5において、各行は対象物に対応する。ある行で、コード値(本例ではABC-01,ABC-02,・・・)をセル5a(列)に入力して、不図示の生成ボタンを押下すると、データ部2にコード値を記録した二次元コード1が生成されて、セル5b(列)に表示される。
なお、二次元コード生成部101は、データ部2とファインダパターン3とが予め定められた配置、例えば
図6に示すようにデータ部2の上側の長辺にファインダパターン3が隣り合う配置で二次元コード1を生成するものとする。
【0017】
印刷データ生成部102は、二次元コード生成部101で生成した二次元コード1の印刷データを生成する。
印刷データ生成部102は、印刷データを生成する際に、ユーザからの指示操作に応じて、データ部2とファインダパターン3との配置を調整する。
図3(a)に示すように、二次元コード生成部101で生成した二次元コード1をそのままの配置でラベル4に印刷する印刷データを生成することができる。また、
図3(b)に示すように、データ部2の短辺にファインダパターン3が隣り合う配置でラベル4に印刷する印刷データを生成することができる。例えば細長い帯状のラベル4に二次元コード1を印刷する場合、
図3(b)に示すような配置が有効である。
また、印刷データ生成部102は、コード値をラベル4に印刷する印刷データを生成する。これにより、ラベル4においてコード値6を目視確認することができる。
なお、ユーザからの指示操作に応じて、データ部2とファインダパターン3との配置を調整する例としたが、例えば印刷物の形状に応じて、データ部2とファインダパターン3との配置を自動調整する機能を持たせるようにしてもよい。
【0018】
送信部103は、ユーザからに指示操作に応じて、印刷データ生成部102で生成した印刷データをラベルプリンタ300に送信する。既述したように、ラベルプリンタ300は、情報処理装置100から送信される二次元コード1の印刷データを受信して、
図3に示すように、ラベル4に二次元コード1を印刷する。そして、
図4に示すように、二次元コード1が印刷されたラベル4は、帳票に従って対象物に貼り付けられる。
【0019】
受信部104は、携帯情報端末200から、当該携帯情報端末200で二次元コード1を読み取った結果を受信する。既述したように、携帯情報端末200からは、二次元コード1を読み取った結果が読取日時の情報と共にCSVファイル化されて、電子メールを使って送信されてくる。
【0020】
照合部105は、二次元コード生成部101で生成した二次元コード1と、受信部104で受信した、携帯情報端末200で読み取った二次元コード1とを照合する。
ここでも、
図5に示すように、リスト5を利用して、照合したいCSVファイルを選択して不図示の照合ボタンを押下すると、リスト5にある二次元コード1(二次元コード生成部101で生成した二次元コード1)と、選択したCSVファイルにある携帯情報端末200で読み取った二次元コード1とが照合された結果、両者が一致した行において、照合結果表示列5cに読取日時と共にコード値が表示される。
また、二次元コード生成部101で生成した二次元コード1と、受信部104で受信した、携帯情報端末200で読み取った二次元コード1とが一致しない場合は、携帯情報端末200で読み取った二次元コード1のコード値をリスト5とは別のリストに一致しないコード値として保存される。
【0021】
以上述べたように、データ部2、及び、データ部2から分離して配置されるファインダパターン3を備える二次元コード1を使用して、情報処理装置100を用いて、データ部2にコード値を記録した二次元コード1を生成し、この生成した二次元コード1と、対象物に貼り付けられたラベル4から携帯情報端末200で読み取った二次元コード1とを照合するようにした。これにより、現品・帳票の照合確認の自動化が実現され、現品管理の効率化を図ることが可能になる。
【0022】
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本実施形態では、情報処理装置100が、二次元コード生成部101、照合部105を備える構成としたが、例えば二次元コード生成部101を備える情報処理装置と、受信部104及び照合部105を備える情報処理装置とを別とし、両装置間でリスト5を共有するように構成してもよい。
本発明を適用した情報処理装置は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により構成され、CPUが所定のプログラムを実行することにより各手段が実現される。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
【符号の説明】
【0023】
1:二次元コード、2:データ部、3:ファインダパターン、4:ラベル、100:情報処理装置、101:二次元コード生成部、102:印刷データ生成部、103:送信部、104:受信部、105:照合部、200:携帯情報端末、201:二次元コード読取部、202:送信部、300:ラベルプリンタ