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特開2024-29502コンクリート製品の製造方法、およびコンクリート製品を製造するための治具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029502
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】コンクリート製品の製造方法、およびコンクリート製品を製造するための治具
(51)【国際特許分類】
   C04B 40/02 20060101AFI20240228BHJP
   B28B 11/24 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
C04B40/02
B28B11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131811
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤沼 智洋
【テーマコード(参考)】
4G055
4G112
【Fターム(参考)】
4G055AA01
4G055BA02
4G112RA02
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素が固定されたコンクリート製品を安全に、かつ、効率良く製造するための方法、およびこの方法で利用可能な治具を提供すること。
【解決手段】コンクリート製品の製造方法は、第1のレディーミクストコンクリートを型枠に投入すること、型枠内の第1のレディーミクストコンクリートに開口部を形成すること、開口部に二酸化炭素含有ガスを導入しながら、第1のレディーミクストコンクリートの重量、第1のレディーミクストコンクリートの温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つをモニターすること、第1のレディーミクストコンクリートの重量、第1のレディーミクストコンクリートの温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つが一定になった後に二酸化炭素含有ガスの導入を停止することならびに二酸化炭素含有ガスの導入を停止した後、第1のレディーミクストコンクリートを硬化することを含む。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレディーミクストコンクリートを型枠に投入すること、
前記型枠内の前記第1のレディーミクストコンクリートに開口部を形成すること、
前記開口部に二酸化炭素含有ガスを導入しながら、前記第1のレディーミクストコンクリートの重量、前記第1のレディーミクストコンクリートの温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つをモニターすること、
前記第1のレディーミクストコンクリートの前記重量、前記第1のレディーミクストコンクリートの前記温度、および前記二酸化炭素濃度の少なくとも一つが一定になった後に前記二酸化炭素含有ガスの導入を停止すること、ならびに
前記二酸化炭素含有ガスの導入を停止した後、前記第1のレディーミクストコンクリートを硬化することを含む、コンクリート製品の製造方法。
【請求項2】
前記第1のレディーミクストコンクリートの前記硬化の前に前記型枠から前記第1のレディーミクストコンクリートを取り出すことをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記開口部を第2のレディーミクストコンクリートで充填すること、および
前記第2のレディーミクストコンクリートを硬化することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1のレディーミクストコンクリートの前記重量は、前記型枠の下に配置される秤を用いてモニターされる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1のレディーミクストコンクリートの前記温度、および前記二酸化炭素濃度は、前記型枠内に配置されるセンサを用いてモニターされ、
前記第1のレディーミクストコンクリートは、前記モニターを埋め込むように前記型枠に投入される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
本体、および前記本体上の計量パンを有する秤、ならびに
前記秤上の型枠を備える、コンクリート製品を製造するための治具。
【請求項7】
前記計量パンを固定するための固定機構をさらに備える、請求項6に記載の治具。
【請求項8】
側板、および前記側板に囲まれ、前記側板によって形成される空間を複数の室に分割する隔壁を有する型枠、ならびに
前記複数の室の少なくとも一つに配置されるセンサを備え、
前記センサは、温度または二酸化炭素濃度を計測するように構成される、コンクリート製品を製造するための治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品の製造方法、およびコンクリート製品を製造するための治具に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、主にセメント水和物、骨材、水、および添加剤によって構成され、その優れた機械的特性、耐候性、取り扱いの容易さ、経済性などに起因し、社会的生産基盤、経済基盤を創成するための重要な構造材料の一つとして様々な分野で幅広く利用されている。また、鉄筋を含まないコンクリートは、覆工コンクリートだけでなく、壁、縁石、各種大型設備の台座として機能するスライドブロック、アンカーブロック、排水溝、セーフティーブロック、パーキングブロック、レンガなどの小型のコンクリート製品としても広く活用されている。
【0003】
コンクリートの原料となるセメントは、その製造時において大量の二酸化炭素を排出することが知られており、これは温室効果の原因の一つとして挙げられている。この問題の解決に寄与するため、コンクリートの原料であるレディーミクストコンクリートに二酸化炭素を接触させてコンクリートに二酸化炭素を固定する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5957283号公報
【特許文献2】特開2009-149456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品を製造するための新しい方法、およびこの方法で利用可能な治具を提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素が固定されたコンクリート製品を安全に、かつ、効率良く製造するための方法、およびこの方法で利用可能な治具を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品の製造方法である。この製造方法は、第1のレディーミクストコンクリートを型枠に投入すること、型枠内の第1のレディーミクストコンクリートに開口部を形成すること、開口部に二酸化炭素含有ガスを導入しながら、第1のレディーミクストコンクリートの重量、第1のレディーミクストコンクリートの温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つをモニターすること、第1のレディーミクストコンクリートの重量、第1のレディーミクストコンクリートの温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つが一定になった後に二酸化炭素含有ガスの導入を停止すること、ならびに二酸化炭素含有ガスの導入を停止した後、第1のレディーミクストコンクリートを硬化することを含む。
【0007】
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品を製造するための治具である。この治具は、本体と本体上の計量パンを有する秤、および秤上の型枠を備える。
【0008】
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品を製造するための治具である。この型枠は、型枠とセンサを備える。型枠は、側板と隔壁を有する。隔壁は側板に囲まれ、側板によって形成される空間を複数の室に分割する。センサは、複数の室の少なくとも一つに配置され、温度または二酸化炭素濃度を計測するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示すフローチャート。
図2】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的斜視図。
図3A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的斜視図。
図3B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図4A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的斜視図。
図4B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図5A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的斜視図。
図5B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図6】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式図。
図7A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的斜視図。
図7B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図7C】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図8A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具の模式的斜視図。
図8B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具の模式的側面図。
図9A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具の模式的側面図。
図9B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図9C】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図10】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式図。
図11A】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具の模式的側面図。
図11B】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式的端面図。
図11C】本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0011】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0012】
以下、「ある構造体が他の構造体から露出する」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
【0013】
本明細書では、コンクリートとは、原料の一つであるセメントが水と反応して生成するセメント水和物が硬化することで得られる、流動性を示さない硬化物を指す。したがって、骨材を含まないセメントペーストの硬化物もコンクリートの範疇に含まれる。コンクリートには直径が5mm以下の細骨材および/または直径が5mmを超える(例えば、5mmよりも大きく20mm以下、または10mm以上20mm以下)粗骨材を含んでもよい。一方、硬化前のコンクリート、すなわち、セメントと水を含み、かつ、完全に硬化せずに流動性を有する混合物をレディーミクストコンクリート(生コンクリートとも呼ばれる)と呼ぶ。レディーミクストコンクリートは、骨材の他、AE剤(気泡分散剤)、流動化剤、増粘剤などの添加剤を含んでもよい。レディーミクストコンクリートは自立可能な程度の流動性を有してもよい。自立とは、外部から力を加えると変形するものの、重力の作用だけでは変形せずに三次元形状を維持することを指す。
【0014】
本明細書では、「養生」とはレディーミクストコンクリートを硬化するための工程を指し、レディーミクストコンクリートを養生することにより、硬化したレディーミクストコンクリート、すなわちコンクリートが形成される。
【0015】
<第1実施形態>
本実施形態では、本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法について説明する。本製造方法で製造されるコンクリート製品の一例はコンクリートブロックである。コンクリートブロックはレディーミクストコンクリートを硬化させることによって製造されるため、無焼成レンガの一種と言える。コンクリート製品は、例えば道路や法面に敷設されるコンクリートブロックでもよく、壁や塀に利用されるコンクリートレンガでもよい。あるいは、縁石、各種設備のスライドブロック、アンカーブロック、セーフティーブロック、パーキングブロック、消波ブロックなどに利用されるコンクリートブロックでもよい。したがって、本製造方法によって製造されるコンクリート製品の形状や大きさには制約はなく、用途に応じて適宜決定すればよい。
【0016】
1.レディーミクストコンクリートの調製
本製造方法の一例を示すフローチャート(図1)に示すように、まず、レディーミクストコンクリートを調製する。レディーミクストコンクリートは、セメント、水、および骨材を混合することで調製される。骨材としては、砂や砂利、玉石(たまいし)、岩、砕石、砕砂などが例示される。また、AE剤(気泡分散剤)、流動化剤、増粘剤、急結剤などの添加剤をさらに添加してもよい。セメントの種類に制約はなく、普通ポルトランドセメント、酸化鉄を含む白色ポルトランドセメント、アルミナを含むアルミナセメント、鋼材の製造工程で副生する高炉スラグが添加された高炉セメント、石炭の燃焼時に副生するフライアッシュ(石炭灰)が添加されたフライアッシュセメント、焼却灰や汚泥などの廃棄物を含むエコセメントなどを用いることができる。骨材としては、砂、砂利、軽石などを用いてもよく、あるいは、廃棄されたコンクリートを破砕して得られる再生砕石を用いてもよい。セメントと骨材の質量比も、得られるコンクリート製品に求められる特性を考慮して適宜設定すればよく、例えば、セメントに対して3倍以上10倍以下の重量の骨材を使用すればよい。水セメント比にも制約はないが、10%から100%の範囲から選択すればよい。
【0017】
さらに、骨材とともに、あるいは骨材に替わり、フライアッシュ、スラグ、バイオマス灰や焼却灰などの灰、またはシリカヒュームなどを混和材として加えてもよい。混和材の量も適宜決定すればよいが、水結合材比(W/B)が35%以上70%以下となるように調整すればよい。ここで、結合材とはセメントと混和材を指し、水結合材比とはセメントと混和材の総質量に対する水の質量である。
【0018】
以上の工程により、流動性を有するレディーミクストコンクリートが得られる。ここで得られるレディーミクストコンクリートは、自立可能な程度の流動性を有していることが好ましい。
【0019】
2.レディーミクストコンクリートの成型
次に、レディーミクストコンクリートをコンクリート製品の形状へ成型する。具体的には、図2に示す型枠100にレディーミクストコンクリートを投入する。型枠100は、側板100a、隔壁100b、および図2では示されない底板を有する。側板100aは底板上に設けられ、底板上で閉じた四角形状を形成する。隔壁100bも底板上に設けられるとともに側板100aに囲まれ、底板と側板100aによって形成される空間を複数の室100cに分割する。隔壁100bは、室100cの形状がコンクリート製品の形状に適合するように適宜設計、配置される。側板100aと隔壁100bの各々は、複数の部品によって構成されてもよく、一体化された一つの部品として構成されてもよい。また、側板100aと隔壁100bは互いに一体化または固定されてもよく、互いに分離できるように構成されてもよい。側板100a、隔壁100b、および底板は、木材、鉄やステンレスなどの金属、あるいはポリプロピレンなどの樹脂を含むように構成される。
【0020】
図3Aにレディーミクストコンクリート102が型枠100に投入された状態の模式的斜視図を示す。レディーミクストコンクリート102は複数の室100cに充填されるが、その上面が側板100aまたは隔壁100bの上面と一致するように投入してもよく、あるいは、側板100aまたは隔壁100bの上面よりも高く若しくは低くなるように投入してもよい。また、図3Aの鎖線A-A´に沿った端面の模式図(図3B)に示すように、圧縮装置104を用いて型枠100内でレディーミクストコンクリート102に対して圧力を掛けてもよい。加圧時の圧力は、例えば1MPa以上10MPa以下の範囲から選択すればよい。型枠100の内部全体に高密度でレディーミクストコンクリート102が充填されるよう、加圧時または加圧前に振動を加えて型枠100に混入した空気の一部を除去してもよい。圧力を掛けて成型することで、最終的に得られるコンクリート製品の強度が増大し、かつ、強度と形状のばらつきが抑えられる。
【0021】
3.二酸化炭素導入孔の形成
引き続き、図4Aに示すように、レディーミクストコンクリート102が硬化せずに自立可能な程度の流動性を有する状態において、各室100cに充填されたレディーミクストコンクリート102に二酸化炭素を導入するための開口部(以下、導入孔)106を形成する。図4Aの鎖線B-B´に添った端面の模式図(図4B)に示すように、導入孔106は、レディーミクストコンクリート102を貫通しない(すなわち、底を有する)有底孔でもよく、あるいはレディーミクストコンクリート102を貫通して底板100dを露出する貫通孔でもよい。導入孔106の形状(レディーミクストコンクリート102の上面に平行な面の形状)に制約はなく、例えば円、楕円、多角形、あるいは曲線と直線で形成される形状でもよい。導入孔106の大きさにも制約はないが、コンクリート製品が一定の強度を維持するため、例えばその形状の面積が0.5cm以上80cm以下となるように導入孔106を形成すればよい。導入孔106の形状が円の場合には、直径が1cm以上5cm以下となるように導入孔106を形成すればよい。導入孔106が有底孔の場合、その深さは、例えばレディーミクストコンクリートの高さ(導入孔106が延伸する方向における長さ)の50%以上90%以下とすればよい。図示しないが、導入孔106は、レディーミクストコンクリート102の表面から斜めに延伸するように形成してもよい。
【0022】
4.二酸化炭素の導入
引き続き、二酸化炭素が導入孔106から導入される。二酸化炭素の導入は、レディーミクストコンクリート102が型枠100内で硬化する前に行われる。例えば、図5Aの模式的斜視図および図4Bの一部に対応する模式的端面図(図5B)に示すように、図示しない二酸化炭素供給源に接続される導入管110を型枠100上に配置する。導入管110に導入孔106と重なる複数の開口110aを設け、開口110aを介して二酸化炭素供給源から二酸化炭素含有ガスを導入孔106に供給すればよい。
【0023】
二酸化炭素含有ガスは、純粋な二酸化炭素(例えば純度99%以上)でもよく、あるいは他のガスとの混合ガスでもよい。他のガスとしては、空気、酸素、窒素、アルゴンなどの不活性ガス、または水でもよい。混合ガスを用いる場合には、その二酸化炭素の濃度は、大気の二酸化炭素濃度よりも高く、400ppm以上100%未満の濃度から適宜選択される。水を含む二酸化炭素含有ガスを用いる場合には、湿度が40%以上100%以下となるように二酸化炭素含有ガスを調製すればよい。二酸化炭素含有ガスの温度にも制約はなく、室温でもよく、あるいは室温以上(例えば、25℃以上50℃以下)でもよい。導入される二酸化炭素含有ガスの圧力は、未硬化のレディーミクストコンクリート102の変形を防ぐため、1気圧(0.10MPa)以上1.3気圧(0.13MPa)以下が好ましい。このため、圧力を監視するための圧力計またはフローメータ(図示しない)を導入管110に設けてもよい。
【0024】
二酸化炭素の供給源としては、二酸化炭素が充填されたボンベでもよく、二酸化炭素を大量に排出する施設(化学プラント、ゴミ焼却施設、火力発電所、その他各種工場など)でもよい。後者の場合、当該施設で排出されるガス、または排出ガスに対して脱塵、脱硫、脱硝などを行うことで得られる精製された二酸化炭素を用いてもよい。本製造方法を実施する現場の近くに二酸化炭素を大量に排出する施設を二酸化炭素供給源として利用する場合、二酸化炭素を運搬するためのコストが削減できるだけでなく、運搬に伴う二酸化炭素の更なる排出が防止される。
【0025】
二酸化炭素は、レディーミクストコンクリート102に含まれるセメントと水の反応によって生じるセメント水和物と反応する。例えばセメントとしてポルトランドセメントを用いる場合、主成分を構成する鉱物であるエーライト(ケイ酸三カルシウム:3CaO・SiO)とビーライト(ケイ酸二カルシウム:2CaO・SiO)が水と接触すると、ケイ酸カルシウム水和物(3CaO・2SiO・3HO)と水酸化カルシウム(Ca(OH))を与える。このケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムがコンクリートのセメントペーストに相当する。ケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応(炭酸化)すると、二酸化ケイ素と炭酸カルシウムが生成される。炭酸化が進行すると、ケイ酸カルシウム水和物は、レディーミクストコンクリート102中の隙間を埋めるように炭酸カルシウムの結晶を成長させて針状のネットワークを形成する。その結果、炭酸カルシウムの結晶のネットワーク内に二酸化ケイ素が固定された強固な硬化物が生成する。すなわち、レディーミクストコンクリート102が硬化し、高い圧縮強度を有するコンクリートが得られる。さらに、レディーミクストコンクリート102の調製時においてフライアッシュ、高炉スラグ、またはシリカヒュームなどの酸化ケイ素や酸化アルミニウムを含む混和材を用いる場合には、水酸化カルシウムとの反応(ポラゾン反応)も進行する。ポラゾン反応によって生成する安定なケイ酸カルシウム水和物やアルミン酸カルシウム水和物がコンクリート内に存在する間隙を埋めるため、コンクリートをより緻密にすることができる。
【0026】
上述したように、レディーミクストコンクリート102には骨材が含まれるため、レディーミクストコンクリート102には骨材間の隙間が形成する空隙が大量に含まれる。このため、二酸化炭素含有ガスを導入すると、二酸化炭素は導入孔106に注入されるだけでなく、空隙内にも徐々に浸透する(図5B参照。)。そこで、本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法では、上述した炭酸化をより効率よく進行させ、かつ、過剰量の二酸化炭素の使用を防止するため、二酸化炭素の導入量を制御する。具体的には、二酸化炭素含有ガスを導入しつつ、レディーミクストコンクリート102の質量変化をモニターする。質量変化は、型枠100内とレディーミクストコンクリート102の質量を秤などの測定装置を用いてモニターすればよい。用いる測定装置の仕様に制約はなく、公知の秤などを適宜用いればよい。
【0027】
二酸化炭素含有ガスが導入される前では、レディーミクストコンクリート102内の空隙には空気が存在する。二酸化炭素含有ガスが導入されると、空気が二酸化炭素と置換される。このため、空気の分子量(28.8)と二酸化炭素の分子量(44)の相違に起因し、図6に模式的に示すように、二酸化炭素含有ガスの導入が始まるとレディーミクストコンクリート102の見かけの重量が初期重量Wから増大する。レディーミクストコンクリート102内の空隙と導入孔106に含まれる空気が二酸化炭素含有ガスに完全に置換されると、重量変化は観測されず、レディーミクストコンクリート102の重量は重量W(W>W)に達し、その後は一定または実質的に一定となる。重量が一定となった時間tの後に二酸化炭素含有ガスの導入を停止することで、レディーミクストコンクリート102内部に十分な量の二酸化炭素を導入することができるだけでなく、必要以上の二酸化炭素の導入が防止される。その結果、二酸化炭素の漏洩に起因する危険性を大幅に低減することができるだけでなく、二酸化炭素をより効率良く使用することができるため、高い強度を備えるコンクリート製品を安全に、かつ、低コストで製造することができる。
【0028】
5.脱型、導入孔の充填、および養生(炭酸化)
レディーミクストコンクリート102の重量が一定となって二酸化炭素含有ガスの供給を停止した後、図1のルート(a)で示すように、レディーミクストコンクリート102が型枠100から取り外される(脱型)。この時、導入孔106から二酸化炭素が漏洩しないよう、脱型の前に導入孔106にキャップ112を取り付けてもよい(図7A図7B)。
【0029】
この後、二酸化炭素含有ガスの供給を行うこと無く養生を行うことで、コンクリートの水和と炭酸化を進行させる。上述したように、本製造方法では、導入孔106だけでなく、レディーミクストコンクリート102内部の空隙にも二酸化炭素を十分に供給することができる。このため、脱型後の養生時に二酸化炭素を導入孔106に供給し続ける、あるいは養生を行うための設備を利用して脱型後のレディーミクストコンクリート102を高濃度の二酸化炭素環境下に晒すといった処理を行わなくても、炭酸化を効率よく進行させることができる。
【0030】
養生が完了してレディーミクストコンクリート102が硬化した後、導入孔106を充填する。具体的には、レディーミクストコンクリート114を導入孔106に投入し、硬化させる(図7C)。レディーミクストコンクリート114はレディーミクストコンクリート102と同一の組成を有してもよく、異なる組成を有してもよい。例えば、レディーミクストコンクリート114は骨材を含まなくてもよい。また、レディーミクストコンクリート114が導入孔106の内部全体に高密度で充填されるよう、圧縮装置104を用いて圧力を加える、および/または振動を与えてレディーミクストコンクリート114に混入した空気を除去してもよい。また、得られるコンクリート製品の表面を平坦にするため、レディーミクストコンクリート102、114の上面が同一平面になるよう、レディーミクストコンクリート114の上面を均してもよい。
【0031】
以上の工程により、高強度のコンクリート製品を提供することができる。なお、二酸化炭素含有ガスの導入を停止した後の工程の順序は適宜変更してもよく、例えば導入孔106を充填した後に脱型し、その後養生を行なってもよい(図1、ルート(b))。あるいは、脱型した後に導入孔106を充填し、その後養生を行なってもよい(図1、ルート(c))。
【0032】
上述したように、本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法では、炭酸化をモニターするのではなく、レディーミクストコンクリート102の重量変化をモニターすることで炭酸化に必要な二酸化炭素の量を制御する。このため、必要十分な量の二酸化炭素を硬化前のレディーミクストコンクリート102に供給することができるため、過剰な二酸化炭素の供給が防止され、安全、かつ、低コストでコンクリート製品を提供することができる。
【0033】
また、本製造方法では、養生の進行と同時にコンクリートペースト中の水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを与える。すなわち、二酸化炭素が炭酸カルシウムとしてコンクリート製品に固定される。したがって、本製造方法は、二酸化炭素を固定するための有効な方法の一つであると言える。
【0034】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態で述べたコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具について説明する。第1実施形態で述べた構成と同様または類似する構成については説明を省略することがある。
【0035】
図8A図8Bに治具120の模式的斜視図と側面図を示す。これらの図に示すように、治具120は、秤122、および秤122上に配置される型枠100を備える。秤122は、本体124と本体124上の計量パン126を有する。図示しないが、本体124内部には、物体の重量を測定するための測定機構として、バネ、ひずみゲージ、電磁コイルとマグネットの組み合わせ、音叉振動センサなどが備えられる。本体124には、測定値を表示するディスプレイ128や水準器132を設けてもよい。型枠100は第1実施形態で述べた型枠100と同様の構成を有することができる。型枠100は計量パン126に取り外し可能なように固定される。
【0036】
治具120は、計量パン126を固定して上下移動または上下振動を防止するための複数の固定機構130をさらに有する。固定機構130の構成に制約はない。例えば、図8A図8Bに示すように、固定機構130は、計量パン126に固定されるアウトリガーでもよい。この場合、固定機構130は上下方向に伸縮可能であり、伸長した状態では下端が本体124の下面よりも下に位置し、収縮した状態では下端が本体124の下面よりも上に位置するように構成される。圧縮装置104を用いて型枠100内のレディーミクストコンクリート102に圧力を掛ける際、固定機構130を伸長させて計量パン126を固定することで本体124に過大な圧力が掛かることが防止され、圧縮装置104からの圧力による測定機構の破損を防止することができる。逆に、固定機構130を収縮させることで計量パン126の上下移動が可能となり、型枠100およびレディーミクストコンクリート102の重量を測定することができる。
【0037】
治具120を用いることで、型枠100に投入されたレディーミクストコンクリート102の重量を随時モニターすることができるため、炭酸化に必要かつ十分な量の二酸化炭素を導入することができ、過剰量の二酸化炭素の使用が防止される。また、型枠100は計量パン126から取り外すことができるため、脱型も容易に行うことができる。
【0038】
<第3実施形態>
本実施形態では、第1、第2実施形態でそれぞれ述べたコンクリート製品の製造方法と治具とは異なる製造方法と治具について説明する。第1、第2実施形態で述べた構成と同様または類似する構成については説明を省略することがある。
【0039】
1.温度のモニターによる二酸化炭素量の制御
本実施形態に係るコンクリート製品の製造方法では、レディーミクストコンクリート102の温度変化をモニターすることによって炭酸化に必要な二酸化炭素の量を制御する。従って、図9Aに示すように、本実施形態に係るコンクリート製品の製造方法で利用可能な治具140は、型枠100の他、温度を測定するための温度センサ142を複数の室100cの少なくとも一つに有する。治具140は、複数の室100cの二つ以上にそれぞれ温度センサ142を有してもよい。複数の室100cに温度センサ142を設ける場合には、型枠100内で均等に分布するように温度センサ142を配置することが好ましい。例えば、型枠100の中心、および型枠100の四隅に位置する室100cの温度を測定するように温度センサ142を配置すればよい。温度センサ142は、図9Aに示すように室100c内に配置してもよく、図示しないが、室100c外に配置してもよい。温度センサ142を室100c内に設ける場合には、温度センサ142は底板100d、隔壁100b、または側板100aに接するように設けられる。温度センサ142を室100c外に設ける場合には、温度センサ142は底板100dまたは側板100aに接するように設ければよい。温度センサ142は、底板100d、隔壁100b、または側板100aに固定されてもよく、あるいは固定されていなくてもよい。
【0040】
温度センサ142の構成に制約はなく、公知の温度センサを用いればよい。例えば、側温抵抗体または熱電対を備える接触式の温度センサを用いればよい。温度センサ142は、図示しない通信端末と無線接続または配線144を介して有線接続される。これにより、通信端末に備えられる表示部を利用して温度センサ142からの情報を取得することができる。通信端末に制約はなく、据え付け型(デスクトップ型)コンピュータ、ノート型コンピュータ、あるいは携帯電話やタブレット、スマートフォンなどの携帯通信端末などが通信端末にとして例示される。
【0041】
温度センサ142を室100c内に設ける場合には、図9Bに示すように、レディーミクストコンクリート102は、温度センサ142を埋め込むように型枠100に投入される。また、温度センサ142が配置される室100cに投入されるレディーミクストコンクリート102に形成される導入孔106は、有底孔として形成される。これにより、温度センサ142がレディーミクストコンクリート102から露出せず、導入される二酸化炭素含有ガスと直接接することが防止される。なお、温度センサ142が配置されない室100cでは、導入孔106は有底孔でもよく、貫通孔でもよい。また、温度センサ142を室100c外に配置する場合も、導入孔106は有底孔でも貫通孔でもよい。
【0042】
さらに、本実施形態に係るコンクリート製品の製造方法では、室温よりも高い温度を有する二酸化炭素含有ガスが用いられる。二酸化炭素含有ガスの温度は30℃以上60℃以下、40℃以上60℃以下、または40℃以上50℃以下に設定すればよい。
【0043】
二酸化炭素含有ガスの導入孔106への導入が開始されると、二酸化炭素含有ガスは導入孔106の内壁からレディーミクストコンクリート102内の空隙に広がる(図9C参照。)。二酸化炭素含有ガスの温度は、室温、すなわち、投入時のレディーミクストコンクリート102の温度よりも高い。従って、二酸化炭素含有ガスの導入が開始されると、レディーミクストコンクリート102の温度は初期の温度Tから上昇する(図10参照。)。レディーミクストコンクリート102の空隙内の空気が二酸化炭素含有ガスによって完全に置換されると、レディーミクストコンクリート102の温度上昇速度が徐々に低下し、その後、温度は温度T(T>T)で一定または略一定となる。温度Tは、導入される二酸化炭素含有ガスの温度と同一または略同一である。温度が一定となった時間tの後に二酸化炭素含有ガスの導入を停止することで、過剰量の二酸化炭素の導入が防止され、必要十分な量の二酸化炭素をレディーミクストコンクリート102に導入することができる。このため、本実施形態を適用することで、二酸化炭素が固定されて強度が増大したコンクリート製品を安全に、かつ、効率よく製造することができる。
【0044】
2.二酸化炭素濃度のモニターによる二酸化炭素量の制御
レディーミクストコンクリート102の重量変化または温度変化のモニターに替えて、二酸化炭素濃度をモニターして二酸化炭素の導入量を制御してもよい。この方法で利用可能な治具150の模式的端面図を図11Aに示す。図11Aは、図4Bに対応する端面図である。図11Aに示すように、治具150は、型枠100の他、型枠100の複数の室100cの少なくとも一つに二酸化炭素濃度を計測する二酸化炭素濃度センサ152を備える。治具150は、複数の室100cの二つ以上にそれぞれ二酸化炭素濃度センサ152を有してもよい。温度センサ142の配置と同様、複数の室100cに二酸化炭素濃度センサ152を設ける場合には、型枠100内で均等に分布するように二酸化炭素濃度センサ152を配置することが好ましい。例えば、型枠100の中心、および型枠100の四隅に位置する室100cに二酸化炭素濃度センサ152を配置すればよい。
【0045】
二酸化炭素濃度センサ152の構成に制約はなく、例えば赤外線源とその強度を測定可能な検出器を有するセンサを用いればよい。二酸化炭素による赤外線吸収量を検出器で測定することで、二酸化炭素濃度を測定することができる。温度センサ142と同様、二酸化炭素濃度センサ152は底板100d、隔壁100b、または側板100aに接するように設けられる。二酸化炭素濃度センサ152は、底板100d、隔壁100b、または側板100aに固定されてもよく、あるいは固定されていなくてもよい。二酸化炭素濃度センサ152も、図示しない通信端末と無線接続または有線接続される。これにより、通信端末に備えられる表示部を利用して二酸化炭素濃度センサ152からの情報を取得することができる。
【0046】
図11Bに示すように、レディーミクストコンクリート102は、二酸化炭素濃度センサ152を埋め込むように型枠100に投入される。また、二酸化炭素濃度センサ152が配置される室100cに投入されるレディーミクストコンクリート102に形成される導入孔106は、有底孔として形成される。これにより、二酸化炭素濃度センサ152がレディーミクストコンクリート102から露出せず、導入される二酸化炭素含有ガスと直接接することが防止される。なお、二酸化炭素濃度センサ152が配置されない室100cに投入されるレディーミクストコンクリート102に形成される導入孔106は、有底孔でもよく、貫通孔でもよい。
【0047】
二酸化炭素含有ガスの導入孔106への導入が開始されると、二酸化炭素含有ガスは導入孔106の内壁からレディーミクストコンクリート102内の空隙に広がり、その後、二酸化炭素濃度センサ152に達する(図11B参照。)。従って、二酸化炭素含有ガスの導入が開始されると、二酸化炭素濃度センサ152が検知する二酸化炭素濃度は初期濃度Cから徐々に増大する(図11C)。レディーミクストコンクリート102の空隙内の空気が二酸化炭素含有ガスによって完全に置換されると、二酸化炭素濃度は濃度C(C>C)に達し、一定または略一定となる。濃度Cは、導入される二酸化炭素含有ガスの二酸化炭素濃度と同一または実質的に同一である。二酸化炭素濃度が一定となった時間tの後に二酸化炭素含有ガスの導入を停止することで、過剰量の二酸化炭素の導入が防止され、必要十分な量の二酸化炭素をレディーミクストコンクリート102に導入することができる。このため、本実施形態を適用することで、二酸化炭素が固定されて強度が増大したコンクリート製品を安全に、かつ、効率よく製造することができる。
【0048】
本実施形態では、レディーミクストコンクリート102の温度または二酸化炭素濃度をモニターすることで二酸化炭素含有ガスの導入量を制御するが、本発明の実施形態では、第1実施形態で述べたレディーミクストコンクリート102の重量、本実施形態で述べたレディーミクストコンクリート102の温度、および二酸化炭素濃度の少なくとも一つをモニターしながら二酸化炭素含有ガスの導入を制御すればよい。したがって、レディーミクストコンクリート102の重量、温度、および二酸化炭素濃度のモニターを適宜組み合わせて二酸化炭素含有ガスの導入を制御してもよい。
【0049】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0050】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0051】
100:型枠、100a:側板、100b:隔壁、100c:室、100d:底板、102:レディーミクストコンクリート、104:圧縮装置、106:導入孔、110:導入管、110a:開口、112:キャップ、114:レディーミクストコンクリート、120:治具、122:秤、124:本体、126:計量パン、128:ディスプレイ、130:固定機構、132:水準器、140:治具、142:温度センサ、144:配線、150:治具、152:二酸化炭素濃度センサ
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C