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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029509
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】蓄電池システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240228BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131822
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】白沢 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】西宮 幸希夫
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503CC02
5G503DA13
5G503EA08
5G503GB03
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】ノイズの影響を受けにくい蓄電池システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、蓄電池システムは、制御装置と充放電可能な蓄電池を含む蓄電池装置とを備える。前記制御装置は、コンバータと、第1のプロセッサと、を備える。コンバータは、前記蓄電池に電力を供給する。第1のプロセッサは、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を受信すると、前記コンバータと前記蓄電池とを接続する接触器をオンにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する。前記蓄電池装置は、充電率センサと、前記接触器と、第2のプロセッサと、を備える。充電率センサは、前記蓄電池の充電率を測定する。第2のプロセッサは、前記充電率に基づいて、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を前記制御装置に送信し、前記接触器をオンにさせる接点信号を前記制御装置から受信すると、前記接触器をオンにする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と充放電可能な蓄電池を含む蓄電池装置とを備える蓄電池システムであって、
前記制御装置は、
前記蓄電池に電力を供給するコンバータと、
前記蓄電池への充電を要求する接点信号を受信すると、前記コンバータと前記蓄電池とを接続する接触器をオンにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する第1のプロセッサと、
を備え、
前記蓄電池装置は、
前記蓄電池の充電率を測定する充電率センサと、
前記接触器と、
前記充電率に基づいて、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を前記制御装置に送信し、
前記接触器をオンにさせる接点信号を前記制御装置から受信すると、前記接触器をオンにする、
第2のプロセッサと、
を備える、
蓄電池システム。
【請求項2】
前記第2のプロセッサは、前記充電率が所定の充電要求閾値以下になると、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を前記制御装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項3】
前記コンバータは、前記蓄電池の電力を負荷に供給し、
前記第1のプロセッサは、前記負荷に電力を供給するため、前記接触器をオンにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項4】
前記第1のプロセッサは、前記充電率が所定の過放電閾値以下になると、前記接触器をオフにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する、
請求項3に記載の蓄電池システム。
【請求項5】
前記第2のプロセッサは、前記充電率が前記過放電閾値以下になると、前記蓄電池への充電を要求する接点信号をオフし、
前記制御装置は、前記蓄電池の電圧を測定する電圧センサを備え、
前記第1のプロセッサは、前記蓄電池の電圧が所定の判定閾値以下であり、かつ、前記蓄電池への充電を要求する接点信号をオフになると、前記接触器をオフにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する、
請求項4に記載の蓄電池システム。
【請求項6】
前記第2のプロセッサは、前記充電率が前記過放電閾値以下になると、前記蓄電池が過放電であることを示す接点信号を前記制御装置に送信し、
前記第1のプロセッサは、前記蓄電池が過放電であることを示す接点信号を前記蓄電池装置から受信すると、前記接触器をオフにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する、
請求項4に記載の蓄電池システム。
【請求項7】
前記第2のプロセッサは、前記蓄電池装置に故障が生じた場合、前記蓄電池装置に故障が生じたことを示す接点信号を前記制御装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項8】
前記制御装置は、第1のメモリを備え、
前記第1のプロセッサは、前記蓄電池装置に故障が生じたことを示す接点信号を前記蓄電池装置から受信すると、前記制御装置の動作ログを前記第1のメモリに格納する、
請求項7に記載の蓄電池システム。
【請求項9】
前記第1のプロセッサは、前記制御装置に故障が生じた場合、前記制御装置に故障が生じたことを示す接点信号を前記蓄電池装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項10】
前記蓄電池装置は、第2のメモリを備え、
前記第2のプロセッサは、前記制御装置に故障が生じたことを示す接点信号を前記制御装置から受信すると、前記蓄電池装置の動作ログを前記第2のメモリに格納する、
請求項9に記載の蓄電池システム。
【請求項11】
前記第2のプロセッサは、前記充電率を示すパルスを前記制御装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項12】
前記接触器は、
前記蓄電池の正極と前記コンバータとを接続する第1の接触器と、
前記蓄電池の負極と前記コンバータとを接続する第2の接触器と、
から構成され、
前記第1のプロセッサは、前記第1の接触器と前記第2の接触器とを個別にオンオフ制御させるパルスを前記蓄電池装置に送信する、
請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項13】
複数の前記蓄電池装置を備える、
請求項1乃至12の何れか1項に記載の蓄電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蓄電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
列車などにおいてモータ又は空調など駆動させる蓄電池システムが提供されている。そのような蓄電池システムにおいて、列車艤装の制約などにより、蓄電池を含む蓄電池装置と、蓄電池の充放電を制御する制御装置と、が分割して設置されることがある。そのような場合、蓄電池装置と制御装置との間に通信手段を設ける。
【0003】
蓄電池装置と制御装置との距離が長い場合、通信手段は、ノイズの影響を受けやすい。そのため、通信手段にノイズ対策を施す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、ノイズの影響を受けにくい蓄電池システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、蓄電池システムは、制御装置と充放電可能な蓄電池を含む蓄電池装置とを備える。前記制御装置は、コンバータと、第1のプロセッサと、を備える。コンバータは、前記蓄電池に電力を供給する。第1のプロセッサは、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を受信すると、前記コンバータと前記蓄電池とを接続する接触器をオンにさせる接点信号を前記蓄電池装置に送信する。前記蓄電池装置は、充電率センサと、前記接触器と、第2のプロセッサと、を備える。充電率センサは、前記蓄電池の充電率を測定する。第2のプロセッサは、前記充電率に基づいて、前記蓄電池への充電を要求する接点信号を前記制御装置に送信し、前記接触器をオンにさせる接点信号を前記制御装置から受信すると、前記接触器をオンにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る蓄電池システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第2の実施形態に係る蓄電池システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第3の実施形態に係る蓄電池システムの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第4の実施形態に係る蓄電池システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係る蓄電池システムは、蓄電池の充放電を制御する。蓄電池システムは、蓄電池の充電率(SOC(State Of Charge))が所定の閾値を下回ると、蓄電池を充電する。また、蓄電池システムは、蓄電池を負荷に接続して蓄電池から負荷に電力を供給する。
【0010】
ここでは、蓄電池システムは、線路を走行する列車に積載されているものとする。たとえば、蓄電池システムは、架線からの電力を蓄電池に充電する。また、蓄電池システムは、列車を駆動するモータ又は列車内の温度を制御するエアコンなどの負荷に蓄電池から電力を供給する。
【0011】
図1は、実施形態に係る蓄電池システム101の構成例を示すブロック図である。図1が示すように、蓄電池システム101は、制御装置1、蓄電池装置2及び信号線3乃至6などを備える。制御装置1と蓄電池装置2とは、信号線3乃至6などを介して互いに接続する。
【0012】
まず、制御装置1について説明する。
制御装置1は、架線などの電源からの電力を後述する蓄電池21に充電する。また、制御装置1は、蓄電池21から電力を負荷に供給する。
【0013】
制御装置1は、DCDCコンバータ11、電圧センサ12及び制御ユニット13などを備える。制御ユニット13は、DCDCコンバータ11及び電圧センサ12に接続する。
【0014】
DCDCコンバータ11は、後述する接触器22を介して蓄電池21に接続する。また、DCDCコンバータ11は、電源又は負荷に接続する。即ち、DCDCコンバータ11は、電源又は負荷と蓄電池21とを接続する。
【0015】
蓄電池21を充電する場合、DCDCコンバータ11は、電源に接続する。DCDCコンバータ11は、電源から供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換して蓄電池21に供給する。
【0016】
また、蓄電池21から負荷に電力を供給する場合、DCDCコンバータ11は、負荷に接続する。たとえば、DCDCコンバータ11は、モータ又はエアコンなどの負荷に接続する。DCDCコンバータ11は、蓄電池21から供給される直流電圧を所定の直流電圧に変換して負荷に供給する。
【0017】
DCDCコンバータ11は、制御ユニット13からの制御に従って負荷又は蓄電池21に供給する電圧を制御する。
【0018】
電圧センサ12は、蓄電池21の正極及び負極の間に接続されている。電圧センサ12は、蓄電池21が供給する電圧を測定する。電圧センサ12は、測定された電圧を示すセンサ信号を制御ユニット13に供給する。たとえば、電圧センサ12は、抵抗などから構成される。
【0019】
制御ユニット13は、制御装置1全体を制御する。制御ユニット13は、信号線3及び5を介してオン/オフ信号を後述する制御ユニット23に供給する。即ち、制御ユニット13は、信号線3及び5を介して接点信号を制御ユニット23に供給する。
【0020】
また、制御ユニット13は、信号線4及び6を介してオン/オフ信号を制御ユニット23から受信する。即ち、制御ユニット13は、信号線4及び6を介して接点信号を制御ユニット23から受信する。
制御ユニット13は、プロセッサ131(第1のプロセッサ)及びメモリ132(第1のメモリ)などから構成される。
【0021】
プロセッサ131は、制御ユニット13全体の動作を制御する。プロセッサ131は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ131は、内部メモリ又はメモリ132が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0022】
なお、プロセッサ131がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ131は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0023】
たとえば、プロセッサ131は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ131は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ131は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0024】
メモリ132は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ132は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ132は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、制御ユニット13の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、制御ユニット13で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0025】
また、メモリ132は、プロセッサ131の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ132は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0026】
次に、蓄電池装置2について説明する。
蓄電池装置2は、制御装置1からの制御に従って蓄電池21をDCDCコンバータ11に接続する。
【0027】
蓄電池装置2は、蓄電池21、接触器22、制御ユニット23及びSOCセンサ24などから構成される。制御ユニット23は、接触器22及びSOCセンサ24に接続する。
【0028】
蓄電池21は、充放電可能な電池である。蓄電池21は、負荷に接続して負荷に電力を供給する。ここでは、蓄電池21は、DCDCコンバータ11を介して負荷に電力を供給する。また、蓄電池21は、電源から供給される電力によって充電される。ここでは、蓄電池21は、DCDCコンバータ11を介して電源からの電力によって充電される。
【0029】
また、蓄電池21は、他の電源からも充電されるものであってもよい。
また、蓄電池21の電圧は、残容量に応じて低下する。即ち、蓄電池21の電圧は、残容量が低下するほど低下する。
【0030】
接触器22は、蓄電池21とDCDCコンバータ11との間に形成されている。接触器22は、蓄電池21の正極側及び負極側にそれぞれ設置される2つの接触器から構成される。
【0031】
接触器22は、蓄電池21とDCDCコンバータ11との間の接続をオン又はオフに制御する。接触器22は、制御ユニット23からの制御に従って、オン又はオフになる。
【0032】
たとえば、接触器22は、接続をオン又はオフするスイッチと制御ユニット23からの制御に従ってスイッチを駆動する駆動部とから構成される。
【0033】
SOCセンサ24(充電率センサ)は、蓄電池21の充電率(満充電容量に対する残容量の割合)を測定する。SOCセンサ24は、測定された充電率を示すセンサ信号を制御ユニット23に供給する。
【0034】
たとえば、SOCセンサ24は、蓄電池21に流入した電力と蓄電池21から流出した電力とを測定することで充電率を測定するセンサであってもよい。また、SOCセンサ24は、蓄電池21の放電特性又は温度特性に基づいて充電率を測定するセンサであってもよい。また、SOCセンサ24は、蓄電池21のインピーダンスに基づいて充電率を測定するセンサであってもよい。SOCセンサ24の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0035】
制御ユニット23は、蓄電池装置2全体を制御する。制御ユニット23は、信号線4及び6を介してオン/オフ信号を制御ユニット13に供給する。即ち、制御ユニット23は、信号線4及び6を介して接点信号を制御ユニット13に供給する。
【0036】
また、制御ユニット23は、信号線3及び5を介してオン/オフ信号を制御ユニット13から受信する。即ち、制御ユニット23は、信号線3及び5を介して接点信号を制御ユニット13から受信する。
制御ユニット23は、プロセッサ231(第2のプロセッサ)及びメモリ232(第2のメモリ)などから構成される。
【0037】
プロセッサ231は、制御ユニット23全体の動作を制御する。プロセッサ231は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ231は、内部メモリ又はメモリ232が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0038】
なお、プロセッサ231がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ231は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0039】
たとえば、プロセッサ231は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ231は、ASICなどから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ231は、FPGAなどから構成されるものであってもよい。
【0040】
メモリ232は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ232は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ232は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、制御ユニット23の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、制御ユニット23で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0041】
また、メモリ232は、プロセッサ231の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ232は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0042】
なお、蓄電池システム101は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、蓄電池システム101から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0043】
次に、制御ユニット23が実現する機能について説明する。制御ユニット23が実現する機能は、プロセッサ231が内部メモリ又はメモリ232などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0044】
まず、プロセッサ231は、SOCセンサ24を用いて、蓄電池21の充電率を測定する機能を有する。
【0045】
たとえば、プロセッサ231は、所定の間隔でSOCセンサ24を用いて蓄電池21の充電率を取得する。また、プロセッサ231は、SOCセンサ24からのセンサ信号が示す測定値を用いて蓄電池21の充電率を算出するものであってもよい。
【0046】
また、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率に基づいて、蓄電池21への充電を要求する接点信号を制御ユニット13に送信する機能を有する。
【0047】
プロセッサ231は、蓄電池21の充電率と所定の閾値(充電要求閾値)とを比較する。蓄電池21の充電率が充電要求閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、蓄電池21への充電を要求する接点信号として信号線4をオンにする。即ち、信号線4におけるオンは、蓄電池21への充電を要求する接点信号である。また、信号線4におけるオフは、蓄電池21への充電を要求しない接点信号である。
【0048】
また、プロセッサ231は、信号線4をオンにした状態において、蓄電池21の充電率と所定の閾値(充電完了閾値)とを比較する。蓄電池21の充電率が充電完了閾値以上であると判定すると、プロセッサ231は、蓄電池21への充電を要求しない接点信号として信号線4をオフにする。
なお、充電完了閾値は、充電要求閾値よりも大きくてもよい。
【0049】
また、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率が所定の閾値(過放電閾値)以下になると、信号線4をオフにする機能を有する。
【0050】
ここでは、過放電閾値は、蓄電池21が過放電となる充電率(又は、蓄電池21が過放電となる充電率に所定の値を加算した充電率)である。また、過放電閾値は、充電要求閾値よりも小さい。たとえば、過放電閾値は、1%程度である。
【0051】
プロセッサ231は、信号線4をオンにした状態において、蓄電池21の充電率と過放電閾値とを比較する。蓄電池21の充電率が過放電閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、信号線4をオフにする。即ち、ここでは、信号線4におけるオフは、蓄電池21が過放電であることを示す接点信号である。
【0052】
また、プロセッサ231は、信号線3からの接点信号に基づいて、接触器22をオン/オフ制御する機能を有する。
【0053】
ここでは、信号線3におけるオンは、接触器22をオンにする(閉じる)ことを指示する接点信号である。また、信号線3におけるオフは、接触器22をオフにする(開ける)ことを指示する接点信号である。
【0054】
プロセッサ231は、信号線3がオンである場合、接触器22をオンにする。即ち、プロセッサ231は、蓄電池21をDCDCコンバータ11に接続する。また、プロセッサ231は、信号線3がオフである場合、接触器22をオフにする。即ち、プロセッサ231は、蓄電池21をDCDCコンバータ11から絶縁する。
【0055】
また、プロセッサ231は、蓄電池装置2に故障が生じると、故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット13に送信する機能を有する。
【0056】
プロセッサ231は、動作中において、蓄電池装置2に故障が生じたかを判定する。即ち、プロセッサ231は、蓄電池装置2の要素の少なくとも1つに故障が生じたかを判定する。
【0057】
蓄電池装置2に故障が生じていないと判定すると、プロセッサ231は、信号線6を通じて、蓄電池装置2に故障が生じていないことを示す接点信号を制御ユニット13に送信する。ここでは、プロセッサ231は、蓄電池装置2に故障が生じていないことを示す接点信号として、信号線6をオフにする。
【0058】
また、蓄電池装置2に故障が生じたと判定すると、プロセッサ231は、信号線6を通じて、蓄電池装置2に故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット13に送信する。ここでは、プロセッサ231は、蓄電池装置2に故障が生じたことを示す接点信号として、信号線6をオンにする。
【0059】
また、プロセッサ231は、制御装置1に故障が生じた場合、動作ログをメモリ232に格納する機能を有する。
【0060】
後述するように、制御装置1の制御ユニット13は、信号線5を通じて、制御装置1に故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット23に送信する。ここでは、信号線5におけるオンは、制御装置1に故障が生じていないことを示す接点信号である。また、信号線5におけるオフは、制御装置1に故障が生じたことを示す接点信号である。
【0061】
プロセッサ231は、動作中において、信号線5がオフになったかを判定する。信号線5がオフになったと判定すると、プロセッサ231は、動作ログをメモリ232に格納する。たとえば、動作ログは、蓄電池21の充電率、接触器22のオンオフ状態などから構成される。
【0062】
プロセッサ231は、信号線5がオフになってから所定の期間における動作ログをメモリ232に格納する。また、プロセッサ231は、信号線5がオフになったタイミングから所定の期間溯って動作ログをメモリ232に格納してもよい。
【0063】
次に、制御ユニット13が実現する機能について説明する。制御ユニット13が実現する機能は、プロセッサ131が内部メモリ又はメモリ132などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0064】
まず、プロセッサ131は、蓄電池21を充電するために蓄電池装置2に接触器22をオンにさせる機能を有する。
【0065】
ここでは、接触器22は、オフであるものとする。
【0066】
プロセッサ131は、蓄電池装置2の制御ユニット23から蓄電池21への充電を要求する接点信号を受信したかを判定する。即ち、プロセッサ131は、信号線4がオンであるかを判定する。
【0067】
信号線4がオンであると判定すると、プロセッサ131は、蓄電池21に充電可能な状態であるかを判定する。たとえば、プロセッサ131は、DCDCコンバータ11に電源が接続されているかを判定する。
【0068】
蓄電池21に充電可能な状態であると判定すると、プロセッサ131は、接触器22をオンにすることを指示する接点信号を制御ユニット23に送信する。即ち、プロセッサ131は、信号線3をオンにする。
【0069】
また、プロセッサ131は、蓄電池21から負荷に電力を供給するために蓄電池装置2に接触器22をオンにさせる機能を有する。
【0070】
ここでは、DCDCコンバータ11は、負荷に接続しているものとする。また、接触器22は、オフであるものとする。
【0071】
プロセッサ131は、負荷に電力を供給するかを判定する。負荷に電力を供給すると判定すると、プロセッサ131は、接触器22をオンにすることを指示する接点信号を制御ユニット23に送信する。即ち、プロセッサ131は、信号線3をオンにする。プロセッサ131は、信号線4のオン/オフに関わらず、信号線3をオンにする。
【0072】
また、プロセッサ131は、蓄電池21が過放電になると、蓄電池装置2に接触器22をオフにさせる機能を有する。
【0073】
プロセッサ131は、蓄電池21が負荷に電力を供給している間において、信号線4がオンからオフになったかを判定する。信号線4がオンからオフになったと判定すると、プロセッサ131は、電圧センサ12を用いて蓄電池21の電圧を測定する。
【0074】
電圧を測定すると、プロセッサ131は、測定された電圧と所定の閾値(判定閾値)とを比較する。ここで、判定閾値は、蓄電池21が過放電となっているかを判定するための閾値である。たとえば、判定閾値は、蓄電池21の充電率が過放電閾値以下である場合における蓄電池21の電圧より大きく、蓄電池21の充電率が充電完了閾値以上である場合における蓄電池21の電圧より小さい値である。
【0075】
測定された電圧が判定閾値以下であると判定すると、プロセッサ131は、接触器22をオフにすることを指示する接点信号を制御ユニット23に送信する。即ち、プロセッサ131は、信号線3をオフにする。
【0076】
上記の動作により、プロセッサ131は、信号線4がオフになった場合に、蓄電池21が過放電となったのか、又は、蓄電池21の充電が完了したのかを区別することができる。
【0077】
また、プロセッサ131は、制御装置1に故障が生じると、故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット23に送信する機能を有する。
【0078】
プロセッサ131は、動作中において、制御装置1に故障が生じたかを判定する。即ち、プロセッサ231は、制御装置1の要素の少なくとも1つに故障が生じたかを判定する。
【0079】
制御装置1に故障が生じていないと判定すると、プロセッサ131は、信号線5を通じて、制御装置1に故障が生じていないことを示す接点信号を制御ユニット23に送信する。ここでは、プロセッサ131は、制御装置1に故障が生じていないことを示す接点信号として、信号線5をオンにする。
【0080】
また、制御装置1に故障が生じたと判定すると、プロセッサ131は、信号線5を通じて、制御装置1に故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット23に送信する。ここでは、プロセッサ131は、制御装置1に故障が生じたことを示す接点信号として、信号線5をオフにする。
【0081】
また、プロセッサ131は、蓄電池装置2に故障が生じた場合、動作ログをメモリ132に格納する機能を有する。
【0082】
前述のように、蓄電池装置2の制御ユニット23は、信号線6を通じて、制御装置1に故障が生じたことを示す接点信号を制御ユニット23に送信する。
【0083】
プロセッサ131は、動作中において、信号線6がオフになったかを判定する。信号線6がオフになったと判定すると、プロセッサ131は、動作ログをメモリ132に格納する。たとえば、動作ログは、蓄電池21の電圧、接触器22のオンオフ状態などから構成される。
【0084】
プロセッサ131は、信号線6がオフになってから所定の期間における動作ログをメモリ132に格納する。また、プロセッサ131は、信号線6がオフになったタイミングから所定の期間溯って動作ログをメモリ132に格納してもよい。
【0085】
次に、蓄電池システム101の動作例について説明する。
まず、蓄電池システム101が蓄電池21を充電する動作例について説明する。
ここでは、信号線4がオフであるものとする。
【0086】
まず、蓄電池装置2のプロセッサ231は、SOCセンサ24を用いて蓄電池21の充電率を測定する。蓄電池21の充電率を測定すると、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率と充電要求閾値とを比較する。ここでは、蓄電池21の充電率が充電要求閾値以下であるものとする。
【0087】
蓄電池21の充電率が充電要求閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、信号線4をオンにする。
【0088】
制御装置1のプロセッサ131は、信号線4がオンになったと判定する。信号線4がオンになったと判定すると、プロセッサ131は、蓄電池21に充電可能な状態であるかを判定する。たとえば、プロセッサ131は、DCDCコンバータ11に電源が接続されているかを判定する。
【0089】
ここでは、蓄電池21の充電可能な状態であるものとする。
蓄電池21に充電可能な状態であると判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオンにする。
【0090】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオンになったと判定する。信号線3がオンになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオンにする。
【0091】
接触器22がオンになると、蓄電池21は、DCDCコンバータ11を通じて電源から電力の供給を受け、充電する。
【0092】
接触器22をオンにすると、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率が充電完了閾値以上であるかを判定する。プロセッサ231は、蓄電池21の充電率が充電完了閾値以上であると判定すると、プロセッサ231は、信号線4をオフにする。
【0093】
制御装置1のプロセッサ131は、信号線4がオフになったと判定する。信号線4がオフになったと判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオフにする。
【0094】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオフになったと判定する。信号線3がオフになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオフにする。
【0095】
次に、蓄電池システム101が蓄電池21から負荷に電力を供給する動作例について説明する。
ここでは、接触器22は、オフであるものとする。また、DCDCコンバータ11には、負荷が接続されているものとする。
【0096】
まず、プロセッサ131は、負荷に電力を供給するかを判定する。負荷に電力を供給すると判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオンにする。
【0097】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオンになったと判定する。信号線3がオンになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオンにする。
【0098】
接触器22がオンになると、蓄電池21は、DCDCコンバータ11を通じて負荷に接続し、負荷に電力を供給する。
【0099】
接触器22をオンにすると、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率と過放電閾値とを比較する。蓄電池21の充電率が過放電閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、信号線4をオフにする。
【0100】
制御装置1のプロセッサ131は、信号線4がオフになったと判定する。信号線4がオンからオフになったと判定すると、プロセッサ131は、電圧センサ12を用いて蓄電池21の電圧を測定する。
【0101】
電圧を測定すると、プロセッサ131は、測定された電圧と判定閾値とを比較する。測定された電圧が判定閾値以下であると判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオフにする。
【0102】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオフになったと判定する。信号線3がオフになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオフにする。
【0103】
上記の動作中において、制御装置1のプロセッサ131は、制御装置1に故障が生じたと判定すると、信号線5をオフにする。また、プロセッサ131は、信号線6がオフになると、動作ログをメモリ132に格納する。
【0104】
また、上記の動作中において、蓄電池装置2のプロセッサ231は、蓄電池装置2に故障が生じたと判定すると、信号線6をオフにする。また、プロセッサ231は、信号線5がオフになると、動作ログをメモリ232に格納する。
【0105】
なお、制御装置1のプロセッサ131は、制御装置1に故障が生じたと判定した場合、制御装置1の動作ログをメモリ132に格納してもよい。
【0106】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、蓄電池装置2に故障が生じたと判定した場合、蓄電池装置2の動作ログをメモリ232に格納してもよい。
【0107】
また、蓄電池21は、他の負荷に接続して電力を供給するものであってもよい。
また、蓄電池21とSOCセンサ24とは、一体的に形成されるものであってもよい。
【0108】
また、制御装置1と蓄電池装置2とは、同一の車両に積載されるものであってもよい。また、制御装置1と蓄電池装置2とは、同一の列車において異なる車両に積載されるものであってもよい。
【0109】
また、蓄電池システム101は、信号線5を備えなくともよい。また、蓄電池システム101は、信号線6を備えなくともよい。
【0110】
以上のように構成された蓄電池システムは、蓄電池への充電を要求する接点信号を蓄電池装置から制御装置へ送信する。また、蓄電池システムは、電源又は負荷と蓄電池とを接続する接触点をオンにすることを指示する接点信号を制御装置から蓄電池装置へ送信する。その結果、蓄電池システムは、接点信号を用いて蓄電池の充放電を制御することができる。また、接点信号は、ノイズの影響を受けにくい。よって、蓄電池システムは、蓄電池の充放電の制御においてノイズの影響を抑制することができる。
【0111】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る蓄電池システムは、蓄電池が過放電であることを示す接点信号を送信する信号線を備える点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0112】
図2は、第2の実施形態に係る蓄電池システム102の構成例を示すブロック図である。図2が示すように、蓄電池システム102は、制御装置1、蓄電池装置2及び信号線3乃至7などを備える。制御装置1と蓄電池装置2とは、信号線3乃至7などを介して互いに接続する。
【0113】
次に、制御ユニット23が実現する機能について説明する。制御ユニット23が実現する機能は、プロセッサ231が内部メモリ又はメモリ232などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0114】
制御ユニット23は、第1の実施形態に係る制御ユニット23が実現する機能に加えて、以下の機能を実現する。
【0115】
プロセッサ231は、信号線7を通じて、蓄電池21が過放電であることを示す接点信号を制御装置1に送信する機能を有する。
【0116】
プロセッサ231は、信号線4をオンにした状態において、蓄電池21の充電率と過放電閾値とを比較する。蓄電池21の充電率が過放電閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、信号線7を通じて、蓄電池21が過放電であることを示す接点信号を制御装置1に送信する。ここでは、プロセッサ231は、蓄電池21が過放電であることを示す接点信号として、信号線7をオフにする。
【0117】
また、蓄電池21の充電率が過放電閾値以下でないと判定すると、プロセッサ231は、信号線7を通じて、蓄電池21が過放電でないことを示す接点信号を制御装置1に送信する。ここでは、プロセッサ231は、蓄電池21が過放電でないことを示す接点信号として、信号線7をオンにする。
【0118】
なお、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率が過放電閾値以下であると判定した場合、信号線4をオフにしなくともよい。
【0119】
次に、制御ユニット13が実現する機能について説明する。制御ユニット13が実現する機能は、プロセッサ131が内部メモリ又はメモリ132などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0120】
制御ユニット13は、第1の実施形態に係る制御ユニット13が実現する機能に加えて、以下の機能を実現する。
【0121】
プロセッサ131は、信号線7からの接点信号に基づいて、蓄電池装置2に接触器22をオフにさせる機能を有する。
【0122】
プロセッサ131は、蓄電池21が負荷に電力を供給している間において、信号線7がオフになったかを判定する。信号線7がオフになったと判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオフにする。
【0123】
なお、プロセッサ131は、信号線7がオフである場合、負荷に電力を供給すると判定したとしても信号線3をオンにしなくともよい。
【0124】
次に、蓄電池システム101の動作例について説明する。
蓄電池システム101が蓄電池21を充電する動作例については、第1の実施形態に係るそれと同様であるため説明を省略する。
【0125】
次に、蓄電池システム101が蓄電池21から負荷に電力を供給する動作例について説明する。
ここでは、接触器22は、オフであるものとする。また、DCDCコンバータ11には、負荷が接続されているものとする。また、信号線7は、オンであるものとする。
【0126】
まず、プロセッサ131は、負荷に電力を供給するかを判定する。負荷に電力を供給すると判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオンにする。
【0127】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオンになったと判定する。信号線3がオンになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオンにする。
【0128】
接触器22がオンになると、蓄電池21は、DCDCコンバータ11を通じて負荷に接続し、負荷に電力を供給する。
【0129】
接触器22をオンにすると、プロセッサ231は、蓄電池21の充電率と過放電閾値とを比較する。蓄電池21の充電率が過放電閾値以下であると判定すると、プロセッサ231は、信号線7をオフにする。
【0130】
制御装置1のプロセッサ131は、信号線7がオフになったと判定する。信号線7がオンからオフになったと判定すると、プロセッサ131は、信号線3をオフにする。
【0131】
蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線3がオフになったと判定する。信号線3がオフになったと判定すると、プロセッサ231は、接触器22をオフにする。
【0132】
以上のように構成された蓄電池システムは、信号線を通じて蓄電池が過放電であることを示す接点信号を蓄電池装置から制御装置に送信する。その結果、蓄電池システムは、接触器がオフであるために制御装置が蓄電池の電圧を測定できない場合であっても、蓄電池の過放電を防止することができる。
【0133】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る蓄電池システムは、信号線3及び信号線5にパルスを送信する点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0134】
図3は、第2の実施形態に係る蓄電池システム102の構成例を示すブロック図である。図3が示すように、蓄電池システム103は、制御装置1、蓄電池装置20及び信号線3乃至7などを備える。制御装置1と蓄電池装置20とは、信号線3乃至6などを介して互いに接続する。
【0135】
蓄電池装置20は、制御装置1からの制御に従って蓄電池21をDCDCコンバータ11に接続させる。
【0136】
蓄電池装置20は、蓄電池21、接触器221並びに222、制御ユニット23及びSOCセンサ24などから構成される。制御ユニット23は、接触器221並びに222及びSOCセンサ24に接続する。
【0137】
接触器221(第1の接触器)は、蓄電池21の正極とDCDCコンバータ11との間に形成されている。接触器221は、蓄電池21の正極とDCDCコンバータ11との間の接続をオン又はオフに制御する。接触器221は、制御ユニット23からの制御に従って、オン又はオフになる。
【0138】
接触器222(第2の接触器)は、蓄電池21の負極とDCDCコンバータ11との間に形成されている。接触器222は、蓄電池21の負極とDCDCコンバータ11との間の接続をオン又はオフに制御する。接触器222は、制御ユニット23からの制御に従って、オン又はオフになる。
【0139】
接触器221及び接触器222は、蓄電池21とDCDCコンバータ11との間の接続をオン又はオフに制御する接触器を構成する。
【0140】
次に、制御ユニット23が実現する機能について説明する。制御ユニット23が実現する機能は、プロセッサ231が内部メモリ又はメモリ232などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0141】
制御ユニット23は、第1の実施形態に係る制御ユニット23が実現する機能に加えて、以下の機能を実現する。
【0142】
プロセッサ231は、信号線4を通じて、蓄電池21の充電率を示すパルス(充電率パルス)を制御装置1に送信する機能を有する。
【0143】
前述の通り、プロセッサ231は、SOCセンサ24を用いて蓄電池21の充電率を測定する。蓄電池21の充電率を測定すると、プロセッサ231は、信号線4をオンオフ制御して、蓄電池21の充電率を示す充電率パルスを制御装置1に送信する。
たとえば、充電率パルスは、デューティ比で蓄電池21の充電率を示す。また、充電率パルスは、パターンによって蓄電池21の充電率を示すものであってもよい。
【0144】
また、プロセッサ231は、信号線3からのパルスに基づいて、接触器221及び222をオンオフ制御する機能を有する。
【0145】
後述するように、制御装置1のプロセッサ131は、接触器221及び222を個別にオンオフ制御するパルス(制御パルス)を信号線3に出力する。たとえば、制御パルスは、デューティ比又はパターンによって各接触器221及び222のオンオフを示す。
【0146】
プロセッサ231は、信号線3を通じて制御パルスを受信する。制御パルスを受信すると、プロセッサ231は、受信された制御パルスに基づいて、接触器221及び222を個別にオンオフ制御する。
【0147】
次に、制御ユニット13が実現する機能について説明する。制御ユニット13が実現する機能は、プロセッサ131が内部メモリ又はメモリ132などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0148】
制御ユニット13は、第1の実施形態に係る制御ユニット13が実現する機能に加えて、以下の機能を実現する。
【0149】
プロセッサ131は、信号線3を通じて、接触器221及び222を個別に制御する制御パルスを送信する機能を有する。
【0150】
たとえば、プロセッサ131は、接触器221及び222の動作をチェックするために、接触器221又は接触器222の何れか1つをオンにする制御パルスを信号線3に送信する。プロセッサ131は、制御パルスを送信した後に、電圧センサ12を用いて蓄電池21の電圧を測定する。プロセッサ131は、測定された電圧に基づいて、接触器221又は接触器222の動作をチェックする。
【0151】
また、プロセッサ131は、信号線4を通じて、充電率パルスを受信する機能を有する。
前述の通り、蓄電池装置2のプロセッサ231は、信号線4を通じて充電率パルスを送信する。
【0152】
プロセッサ131は、信号線4を通じて充電率パルスを蓄電池装置2から受信する。
【0153】
たとえば、プロセッサ131は、充電率に基づいて、DCDCコンバータ11が蓄電池21に供給する電圧を制御する。たとえば、充電率が所定の閾値以下である場合には、プロセッサ131は、DCDCコンバータ11に、急速充電するための比較的高い所定の電圧を出力させる。また、プロセッサ131は、充電率が所定の閾値以上である場合には、プロセッサ131は、DCDCコンバータ11に、通常充電するための比較的低い所定の電圧を出力させる。
【0154】
また、プロセッサ131は、充電率パルスが示す充電率に基づいて、制御パルスを送信してもよい。
たとえば、プロセッサ131は、充電率に基づいて、蓄電池21の充電時間(接触器221及び222をオンにする時間)を設定してもよい。
【0155】
また、蓄電池システムは、第2の実施形態に係るそれの特徴を備えるものであってもよい。
【0156】
以上のように構成された蓄電池システムは、蓄電池の充電率を示すパルスを蓄電池装置から制御装置に送信する。その結果、蓄電池システムは、充電率に応じて、蓄電池への充電電圧など、種々のパラメータを制御することができる。
【0157】
また、蓄電池システムは、2つの接触器を個別に制御するパルスを制御装置から蓄電池装置に送信する。その結果、蓄電池システムは、接触器を個々にオンオフして、接触器などの動作などをチェックすることができる。
【0158】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態に係る蓄電池システムは、複数の蓄電池装置を備える点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0159】
図4は、第4の実施形態に係る蓄電池システム104の構成例を示すブロック図である。図4が示すように、蓄電池システム104は、制御装置1、蓄電池装置2、信号線3乃至6、蓄電池装置2’及び信号線3’乃至6’などを備える。制御装置1と蓄電池装置2とは、信号線3乃至6などを介して互いに接続する。制御装置1と蓄電池装置2’とは、信号線3’乃至6’などを介して互いに接続する。
【0160】
蓄電池装置2’は、蓄電池21’、接触器22’、制御ユニット23’及びSOCセンサ24’などから構成される。制御ユニット23’は、接触器22’及びSOCセンサ24’に接続する。
【0161】
制御ユニット23’は、信号線4’及び6’を介してオン/オフ信号を制御ユニット13に供給する。また、制御ユニット23’は、信号線3’及び5’を介してオン/オフ信号を制御ユニット13から受信する。
【0162】
制御ユニット23’は、プロセッサ231’及びメモリ232’などから構成される。
【0163】
蓄電池21’、接触器22’、制御ユニット23’、SOCセンサ24’、 プロセッサ231’及びメモリ232’は、蓄電池21、接触器22、制御ユニット23、SOCセンサ24、プロセッサ231及びメモリ232とそれぞれ同様である。
【0164】
また、図4が示すように、蓄電池21’は、蓄電池21と並列にDCDCコンバータ11に接続する。
【0165】
制御装置1のプロセッサ131は、第1の実施形態と同様に、蓄電池21及び蓄電池21’の充放電を制御する。プロセッサ131は、蓄電池21及び21’を同時に充電してもよいし、個別に充電してもよい。また、プロセッサ131は、蓄電池21及び21’を同時に負荷に接続してもよいし、個別に負荷に接続してもよい。
【0166】
また、蓄電池システム104は、3つ以上の蓄電池装置を備えるものであってもよい。蓄電池システム104が備える蓄電池装置の個数は、特定の構成に限定されるものではない。
【0167】
また、蓄電池システム104は、列車を構成する各車両に1つずつ蓄電池装置を備えるものであってもよい。また、蓄電池システム104は、1つの車両に複数の蓄電池装置を備えるものであってもよい。
【0168】
また、蓄電池システム104は、第2の実施形態に係る蓄電池システム102の特徴を備えるものであってもよい。
【0169】
また、蓄電池システム104は、第3の実施形態に係る蓄電池システム102の特徴を備えるものであってもよい。この場合、制御装置1のプロセッサ131は、充電率の低い蓄電池に優先的に充電してもよい。また、プロセッサ131は、充電率の高い蓄電池を優先的に負荷に接続してもよい。
【0170】
以上のように構成された蓄電池システムは、複数の蓄電池装置を備える。その結果、蓄電池システムは、1つの制御装置で複数の蓄電池の充放電を制御することができる。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0172】
1…制御装置、2…蓄電池装置、2’…蓄電池装置、3…信号線、3’…信号線、4…信号線、4’…信号線、5…信号線、5’…信号線、6…信号線、6’…信号線、7…信号線、11…DCDCコンバータ、12…電圧センサ、13…制御ユニット、20…蓄電池装置、21…蓄電池、21’…蓄電池、22…接触器、22’…接触器、23…制御ユニット、23’…制御ユニット、24…SOCセンサ、24’…SOCセンサ、101…蓄電池システム、102…蓄電池システム、103…蓄電池システム、104…蓄電池システム、131…プロセッサ、132…メモリ、221…接触器、222…接触器、231…プロセッサ、231’…プロセッサ、232…メモリ、232’…メモリ。
図1
図2
図3
図4