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特開2024-2953複数の無線周波数素子群試験装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002953
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】複数の無線周波数素子群試験装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101353
(22)【出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】63/366,858
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522449514
【氏名又は名称】歐姆佳科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】鞠 志遠
(72)【発明者】
【氏名】周 錫▲ぞう▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 人▲い▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 志偉
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA06
2G036BB09
(57)【要約】
【課題】複数の無線周波数素子群試験装置及びその方法を提供する。
【解決手段】複数の試験する無線周波数素子のうちの1つが出力する第1無線周波数信号に識別特徴が追加され、識別無線周波数信号を生成する。このシステムは複数の試験する無線周波数素子の余剰の各1つが第2無線周波数信号及び識別無線周波数信号を出力してそれぞれ合成し、個別の合成信号を更に生成し、識別特徴に基づいて個別の合成信号から識別無線周波数信号及び各自の第2無線周波数信号を分離し、第1無線周波数信号を還元し、第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号の信号特徴パラメーターを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー信号を生成する信号生成器と、試験ユニットと、を備える複数の無線周波数素子群試験装置であって、前記試験ユニットは、
前記信号生成器に接続されているテストプラットフォームであって、前記テストプラットフォームには複数の試験する無線周波数素子が設置され、前記テストプラットフォームは前記パワー信号を各前記試験する無線周波数素子に伝送し、前記複数の試験する無線周波数素子のうちの1つは第1無線周波数信号を出力し、前記第1無線周波数信号は識別特徴が追加されて識別無線周波数信号を生成させ、前記複数の試験する無線周波数素子の残りの各1つは第2無線周波数信号をそれぞれ出力し、前記テストプラットフォームは前記識別無線周波数信号を各前記第2無線周波数信号とそれぞれ合成して個別の合成信号を生成させるテストプラットフォームと、
前記テストプラットフォームに接続されている信号解析ユニットであって、前記信号解析ユニットは前記識別特徴に基づいて各前記合成信号を前記識別無線周波数信号及び各自の前記第2無線周波数信号に分離し、前記識別特徴に基づいて前記識別無線周波数信号から前記第1無線周波数信号を還元し、前記第1無線周波数信号及び各前記第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを算出する信号解析ユニットと、を含むことを特徴とする複数の無線周波数素子群試験装置。
【請求項2】
前記複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子であり、前記テストプラットフォームは、
前記信号生成器に接続され、前記パワー信号を受信するパワー分配器と、
前記パワー分配器に接続されている第1試験サブエリアであって、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、前記第1試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力する第1試験サブエリアと、
前記パワー分配器に接続されている第2試験サブエリアであって、前記第2試験サブエリアには前記第2試験する無線周波数素子が設置され、前記第2試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第2無線周波数信号を出力する第2試験サブエリアと、
前記第1試験サブエリアに接続され、前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記第1無線周波数信号の調整された位相角は前記識別特徴である移相器と、
前記第2試験サブエリア及び前記移相器に接続され、前記識別無線周波数信号及び前記第2無線周波数信号を受信し、これらにより前記合成信号を合成して生成するパワーコンバイナーと、を備え、
前記信号解析ユニットは信号解析部であり、前記信号解析部は前記パワーコンバイナーに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複数の無線周波数素子群試験装置。
【請求項3】
前記複数の試験する無線周波数素子は複数の試験するグループに分けられ、各前記試験するグループは第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子を備え、前記テストプラットフォームはパワー分配器及び複数の試験区画を含み、各前記試験区画には前記複数の試験するグループのうちの1つがそれぞれ設置され、前記パワー分配器は前記信号生成器に接続され、前記パワー信号を受信し、
各前記試験区画は、
前記パワー分配器に接続されている第1試験サブエリアであって、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、前記第1試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力する第1試験サブエリアと、
前記パワー分配器に接続されている第2試験サブエリアであって、前記第2試験サブエリアには前記第2試験する無線周波数素子が設置され、前記第2試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第2無線周波数信号を出力する第2試験サブエリアと、
前記第1試験サブエリアに接続され、前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記第1無線周波数信号の調整された位相角は前記識別特徴である移相器と、
前記第2試験サブエリア及び前記移相器に接続され、前記識別無線周波数信号及び前記第2無線周波数信号を受信し、これらにより個別の前記合成信号を合成して生成するパワーコンバイナーと、をそれぞれ備え、
前記信号解析ユニットは複数の信号解析部を含み、各前記信号解析部は前記パワーコンバイナーのうちの1つに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複数の無線周波数素子群試験装置。
【請求項4】
前記複数の試験する無線周波数素子は1つの第1試験する無線周波数素子及び複数の第2試験する無線周波数素子であり、前記テストプラットフォームは、
前記信号生成器に接続され、前記パワー信号を受信するパワー分配器と、
前記パワー分配器に接続されている第1試験サブエリアであって、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、前記第1試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力する第1試験サブエリアと、
前記パワー分配器に接続されている複数の第2試験サブエリアであって、各前記第2試験サブエリアには前記複数の第2試験する無線周波数素子のうちの1つがそれぞれ設置され、各前記第2試験する無線周波数素子は各自前記パワー信号に基づいて前記第2無線周波数信号をそれぞれ出力する複数の第2試験サブエリアと、
前記第1試験サブエリアに接続され、前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記第1無線周波数信号の調整された位相角は前記識別特徴である移相器と、
前記複数の第2試験サブエリア中で1つの前記第2試験サブエリアに信号を接続するように1つ1つ切り換える信号スイッチャーであって、前記信号スイッチャーに毎回接続される前記第2試験サブエリアの前記第2無線周波数信号を出力するように配置されている信号スイッチャーと、
前記移相器及び前記信号スイッチャーに接続され、前記識別無線周波数信号を各前記第2無線周波数信号とそれぞれ合成して個別の前記合成信号を生成するパワーコンバイナーと、を備え、
前記信号解析ユニットは信号解析部であり、前記信号解析部は前記パワーコンバイナーに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複数の無線周波数素子群試験装置。
【請求項5】
前記複数の試験する無線周波数素子は複数の試験するグループに分けられ、各前記試験するグループは1つの第1試験する無線周波数素子及び1つの第2試験する無線周波数素子を備え、前記テストプラットフォームはパワー分配器及び複数の試験区画を含み、各前記試験区画には前記複数の試験するグループのうちの1つがそれぞれ設置され、前記パワー分配器は前記信号生成器に接続され、前記パワー信号を受信し、
各前記試験区画は、
前記信号生成器に接続され、前記パワー信号を受信するパワー分配器と、
前記パワー分配器に接続されている第1試験サブエリアであって、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、前記第1試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力する第1試験サブエリアと、
前記パワー分配器に接続されている複数の第2試験サブエリアであって、各前記第2試験サブエリアには前記複数の第2試験する無線周波数素子のうちの1つがそれぞれ設置され、前記複数の第2試験する無線周波数素子は前記パワー信号に基づいて各自の前記第2無線周波数信号をそれぞれ生成する複数の第2試験サブエリアと、
前記第1試験サブエリアに接続され、前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記第1無線周波数信号の調整された位相角は前記識別特徴である移相器と、
前記複数の第2試験サブエリア中で1つの前記第2試験サブエリアに信号を接続するように1つ1つ切り換える信号スイッチャーであって、前記信号スイッチャーに毎回接続される前記第2試験サブエリアの前記第2無線周波数信号を出力するように配置されている信号スイッチャーと、
前記移相器及び前記信号スイッチャーに接続され、前記識別無線周波数信号を各前記第2無線周波数信号とそれぞれ合成して個別の前記合成信号を生成するパワーコンバイナーと、をそれぞれ備え、
前記信号解析ユニットは複数の信号解析部を含み、各前記信号解析部は前記パワーコンバイナーのうちの1つに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複数の無線周波数素子群試験装置。
【請求項6】
信号生成器と、テストプラットフォームと、信号解析ユニットと、を備えている複数の無線周波数素子群試験装置に適用する複数の無線周波数素子一括試験方法であって、
前記信号生成器によりパワー信号を生成するステップと、
前記テストプラットフォームにより前記パワー信号を受信し、前記テストプラットフォームに設置されている複数の試験する無線周波数素子に前記パワー信号を伝送するステップと、
前記複数の試験する無線周波数素子のうちの1つが前記パワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力するステップと、
前記第1無線周波数信号に識別特徴を追加することで識別無線周波数信号を生成するステップと、
前記複数の試験する無線周波数素子の残りの各1つが前記パワー信号に基づいて各自の第2無線周波数信号を出力するステップと、
前記テストプラットフォームが前記識別無線周波数信号及び各前記第2無線周波数信号をそれぞれ合成して個別の合成信号を生成し、前記複数の合成信号を前記信号解析ユニットに伝送するステップと、
前記信号解析ユニットが前記識別特徴に基づいて各前記合成信号を前記識別無線周波数信号及び各自の前記第2無線周波数信号に分離するステップと、
前記識別特徴に基づいて前記識別無線周波数信号から前記第1無線周波数信号を還元するステップと、
前記第1無線周波数信号及び前記第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを算出するステップと、を含むことを特徴とする複数の無線周波数素子一括試験方法。
【請求項7】
前記テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、を備え、前記複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子であり、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、前記第2試験サブエリアには前記第2試験する無線周波数素子が設置され、前記テストプラットフォームが前記合成信号を生成するステップは、
前記信号生成器が生成する前記パワー信号を前記パワー分配器が受信するステップと、
前記パワー分配器が前記パワー信号を前記第1試験サブエリア及び前記第2試験サブエリアに分配し、前記第1試験する無線周波数素子が前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力し、前記第2試験する無線周波数素子が前記パワー信号に基づいて前記第2無線周波数信号を出力するステップと、
前記移相器が前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記第1無線周波数信号の調整された前記位相角は前記識別特徴であるステップと、
前記パワーコンバイナーが前記識別無線周波数信号及び前記第2無線周波数信号を受信して合成して前記合成信号を生成するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の複数の無線周波数素子一括試験方法。
【請求項8】
前記複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び複数の第2試験する無線周波数素子であり、前記テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、複数の第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、信号スイッチャーと、を備え、前記第1試験サブエリアには前記第1試験する無線周波数素子が設置され、各前記第2試験サブエリアには前記複数の第2試験する無線周波数素子のうちの1つがそれぞれ設置され、前記テストプラットフォームが前記合成信号を生成するステップは、
前記パワー分配器が前記パワー信号を受信し、前記パワー信号を前記第1試験サブエリア及び前記複数の第2試験サブエリアに分配し、前記第1試験する無線周波数素子が前記パワー信号に基づいて前記第1無線周波数信号を出力し、前記複数の第2試験する無線周波数素子が前記パワー信号に基づいて各自の前記第2無線周波数信号をそれぞれ出力するステップと、
前記移相器が前記第1無線周波数信号を受信し、前記第1無線周波数信号の位相角を調整して前記識別無線周波数信号を生成し、前記パワーコンバイナーに伝送し、前記第1無線周波数信号の調整された前記位相角は前記識別特徴であるステップと、
各前記第2試験サブエリアを前記パワーコンバイナーにそれぞれ接続するように前記信号スイッチャーが1つ1つ切り換え、各前記第2試験する無線周波数素子が出力する前記第2無線周波数信号を前記パワーコンバイナーにそれぞれ伝送するステップと、
前記パワーコンバイナーが前記識別無線周波数信号を各前記第2無線周波数信号とそれぞれ合成して個別の前記合成信号をそれぞれ生成するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の複数の無線周波数素子一括試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF)素子群試験装置及びその方法に関し、より詳しくは、複数の無線周波数素子を同時に試験できる試験システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、例えば、図1は従来の複数の無線周波数素子平行試験システムを示す概略構成図であり、以下の構成を主に備える。1つのベクトル信号生成器1(Vector Signal Generator、略称VSG)と、1つのテストプラットフォーム2と、複数のベクトル信号アナライザー3(Vector Signal Analyzer、略称VSA)と、を備えている。テストプラットフォーム2は複数の試験する無線周波数素子20を載置し、ベクトル信号アナライザー3の数量はテストプラットフォーム2が載置可能な試験する無線周波数素子20の数量に等しく、各ベクトル信号アナライザー3は1つの試験する無線周波数素子20が出力した無線周波数信号のみを受信する。このようにすることで、ベクトル信号生成器1がパワー信号をテストプラットフォーム2の各試験する無線周波数素子20に入力し、各試験する無線周波数素子20が無線周波数信号をそれぞれ出力すると共にベクトル信号アナライザー3に伝送し、各ベクトル信号アナライザー3により各無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターをそれぞれ解析し、例えば、反射損失(Return Loss)または隔離性(isolation)を解析する。
【0003】
以上から分かるように、従来の複数の無線周波数素子平行テストシステムは、同じ時間内に複数の試験する無線周波数素子の試験を同時に実行し、各ベクトル信号アナライザーにより各無線周波数信号の信号特徴パラメーターをそれぞれ解析し、試験する無線周波数素子の高速バッチ試験を完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の複数の無線周波数素子平行テストシステムはベクトル信号アナライザーの数量を試験する無線周波数素子の数量と相当にする必要があり、複数の無線周波数素子平行テストシステムは試験する試験する無線周波数素子が多くなる程、必要になるベクトル信号アナライザーも増加した。ベクトル信号アナライザーは非常に高価な器材であり、無線周波数素子試験メーカーは高い経費を払ってベクトル信号アナライザーを購入しなければならなかった。また、テストプラットフォーム上で4つの試験する無線周波数素子を同時に試験するが、毎回試験を行う際に同時に3つ以下の試験する無線周波数素子しか試験できない場合、若干のベクトル信号アナライザーがアイドリング状態となり、最大限の試験効果を発揮できなかった。故に、従来の複数の無線周波数素子平行テストシステムに対し、ベクトル信号アナライザーの使用数量及び使用方式を改善する必要があった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的かつ効果的に課題を改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無線周波数素子群試験装置中で複数の試験する無線周波数素子の無線周波数信号を合成して合成信号を生成し、単一のベクトル信号アナライザーを使用して分離及び計算を行い、各試験する無線周波数素子の信号特徴パラメーターを生成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の無線周波数素子群試験装置が提供される。信号生成器と、テストプラットフォームと、信号解析ユニットと、を備えている。テストプラットフォームは信号生成器と信号解析ユニットとの間に接続されている。テストプラットフォームには複数の試験する無線周波数素子が設置され、信号生成器はパワー信号を生成し、テストプラットフォームにより各試験する無線周波数素子に伝送する。複数の試験する無線周波数素子のうちの1つが第1無線周波数信号を出力し、第1無線周波数信号に識別特徴が追加され、識別無線周波数信号を生成し、複数の試験する無線周波数素子の残りの各1つが第2無線周波数信号を出力し、テストプラットフォームで識別無線周波数信号と各第2無線周波数信号とをそれぞれ合成して個別の合成信号を生成する。信号解析ユニットは合成信号を受信し、信号解析ユニットは識別特徴に基づいて各合成信号を識別無線周波数信号及び各自の第2無線周波数信号に分離し、識別無線周波数信号から第1無線周波数信号を還元し、第1無線周波数信号及び各第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを算出する。
【0008】
本発明の好適例において、複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子であり、テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、を備えている。パワー分配器は信号生成器、第1試験サブエリア、及び第2試験サブエリアに接続され、移相器は第1試験サブエリア、パワーコンバイナー接続移相器、及び第2試験サブエリアに接続されている。パワー分配器はパワー信号を第1試験サブエリア及び第2試験サブエリアに分配し、第1試験サブエリアに設置されている第1試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、第2試験サブエリアに設置されている第2試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第2無線周波数信号を出力する。移相器は第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成する。第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴であり、パワーコンバイナーは識別無線周波数信号及び第2無線周波数信号を受信して合成信号を合成して生成する。信号解析ユニットは信号解析部であり、信号解析部は前記パワーコンバイナーに接続されている。
【0009】
本発明の好適例において、複数の試験する無線周波数素子は複数の試験するグループに分けられ、各試験するグループは第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子を含み、テストプラットフォームはパワー分配器及び複数の試験区画を含む。各試験区画には前記複数の試験するグループのうちの1つがそれぞれ設置され、即ち、各試験区画は前述の第1試験サブエリア、第2試験サブエリア、移相器、及びパワーコンバイナーの組み合わせに相当する。信号解析ユニットは複数の信号解析部であり、各信号解析部はパワーコンバイナーのうちの1つに接続されている。
【0010】
本発明の好適例において、複数の試験する無線周波数素子は1つの第1試験する無線周波数素子及び複数の第2試験する無線周波数素子であり、テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、複数の第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、信号スイッチャーと、を備えている。パワー分配器は信号生成器、第1試験サブエリア、及び複数の第2試験サブエリアに接続され、移相器は第1試験サブエリアに接続され、複数の第2試験サブエリアは信号スイッチャーに接続され、パワーコンバイナーは移相器及び信号スイッチャーに接続されている。パワー分配器はパワー信号を第1試験サブエリア及び複数の第2試験サブエリアに分配し、第1試験サブエリアには第1試験する無線周波数素子が設置され、第1試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力する。各前記第2試験サブエリアには前記複数の第2試験する無線周波数素子のうちの1つがそれぞれ設置され、各第2試験する無線周波数素子はパワー信号に基づいて各自の第2無線周波数信号をそれぞれ出力する。移相器は第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成し、パワーコンバイナーに伝送する。第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴であり、各第2試験サブエリアをパワーコンバイナーにそれぞれ接続するように信号スイッチャーが1つ1つ切り換え、且つ信号スイッチャーに毎回接続される第2試験サブエリアの第2無線周波数信号をパワーコンバイナーに出力する。パワーコンバイナーは識別無線周波数信号を各第2無線周波数信号にそれぞれ合成して個別の合成信号を生成する。信号解析ユニットは信号解析部であり、信号解析部はパワーコンバイナーに接続されている。
【0011】
本発明の好適例において、複数の試験する無線周波数素子は複数の試験するグループに分けられ、各試験するグループは1つの第1試験する無線周波数素子及び1つの第2試験する無線周波数素子を含み、テストプラットフォームはパワー分配器及び複数の試験区画を備えている。各試験区画には前記複数の試験するグループのうちの1つがそれぞれ設置され、即ち、前述の第1試験サブエリア、複数の第2試験サブエリア、移相器、パワーコンバイナー、及び信号スイッチャーの組み合わせに相当する。信号解析ユニットは複数の信号解析部であり、各信号解析部はパワーコンバイナーのうちの1つに接続されている。
【0012】
本発明の好適例において、第1試験サブエリア及び複数の第2試験サブエリアはソケット(socket)であり、テスト無線周波数素子はパッケージモジュールである。
【0013】
本発明の好適例において、信号生成器はベクトル信号生成器であり、信号解析部はベクトル信号アナライザーである。
【0014】
本発明の別の態様によれば、複数の無線周波数素子一括試験方法が提供される。この複数の無線周波数素子一括試験方法は、複数の無線周波数素子群試験装置に適用され、複数の無線周波数素子群試験装置は信号生成器と、テストプラットフォームと、信号解析ユニットと、を備えている。この方法は、以下のステップを含む。信号生成器がパワー信号を生成し、テストプラットフォームがパワー信号を受信すると共にパワー信号をテストプラットフォームに設置されている複数の試験する無線周波数素子に伝送する。前記複数の試験する無線周波数素子のうちの1つは前記パワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、第1無線周波数信号に識別特徴が追加されて識別無線周波数信号を生成する。複数の試験する無線周波数素子の残りの各1つはパワー信号に基づいて第2無線周波数信号を出力させ、テストプラットフォームは識別無線周波数信号及び各第2無線周波数信号をそれぞれ合成して個別の合成信号を生成すると共に前記複数の合成信号を信号解析ユニットに伝送する。信号解析ユニットは識別特徴に基づいて各合成信号を識別無線周波数信号及び各自の第2無線周波数信号に分離し、識別特徴に基づいて識別無線周波数信号から第1無線周波数信号を還元し、第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号の信号特徴パラメーターを算出する。
【0015】
本発明の好適例において、テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、を備えている。複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び第2試験する無線周波数素子であり、テストプラットフォームが前記合成信号を生成するステップは、パワー分配器が信号生成器が生成したパワー信号を受信し、パワー分配器はパワー信号を第1試験サブエリア及び第2試験サブエリアに分配し、第1試験サブエリアに設置されている第1試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、第2試験サブエリアに設置されている第2試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第2無線周波数信号を出力し、移相器が第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴であり、パワーコンバイナーが識別無線周波数信号及び第2無線周波数信号を受信して合成して合成信号を生成するステップを更に含む。
【0016】
本発明の好適例において、複数の試験する無線周波数素子は第1試験する無線周波数素子及び複数の第2試験する無線周波数素子であり、テストプラットフォームはパワー分配器と、第1試験サブエリアと、複数の第2試験サブエリアと、移相器と、パワーコンバイナーと、信号スイッチャーと、を備えている。第1試験サブエリアには第1試験する無線周波数素子が設置され、各第2試験サブエリアには複数の第2試験する無線周波数素子のうちの1つがそれぞれ設置され、テストプラットフォームが前記合成信号を生成するステップは、パワー分配器がパワー信号を受信すると共にパワー信号を第1試験サブエリア及び複数の第2試験サブエリアに分配し、第1試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を生成し、各第2試験する無線周波数素子がパワー信号に基づいて各自の第2無線周波数信号をそれぞれ生成し、移相器が第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成し、パワーコンバイナーに伝送し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴であり、各第2試験サブエリアをパワーコンバイナーにそれぞれ接続するように信号スイッチャーが1つ1つ切り換え、第2試験する無線周波数素子が出力する第2無線周波数信号をパワーコンバイナーにそれぞれ伝送し、パワーコンバイナーが識別無線周波数信号を各第2無線周波数信号と合成して個別の合成信号をそれぞれ生成するステップを更に含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、同時に複数の試験する無線周波数素子に対し試験を行うことができる。試験過程において、信号解析部の数量は試験する無線周波数素子の数量より少なく、第2試験する無線周波数素子が複数ある状況において、信号スイッチャーを利用して切り換えることで各第2試験サブエリアをパワーコンバイナーにそれぞれ接続し、識別無線周波数信号を異なる第2無線周波数信号と合成して異なる合成信号をそれぞれ生成する。異なる合成信号は全て同じ第1無線周波数信号及び異なる第2無線周波数信号に分離してもよく、第2無線周波数信号の信号特徴パラメーターを正確に算出するために用いられている。
【0018】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の複数の無線周波数素子平行試験システムを示す概略構成図である。
図2】本発明に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。
図3】本発明の第1実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。
図4】本発明の第2実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。
図5】本発明の第3実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。
図6】本発明の第4実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。
図7】本発明に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の第1実施例に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の第2実施例に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、図面に特に描写のない或いは明細書に記載のない部材については、本技術分野において通常技術を有する者にとって既知の形態である。本分野の通常の技術者ならば本発明の内容に基づいて種々の改変や改修が可能である。
【0021】
図2は本発明に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。信号生成器4と、テストプラットフォーム5と、信号解析ユニット6と、を備えている。テストプラットフォーム5には複数の試験する無線周波数素子50が設置され、テストプラットフォーム5は信号生成器4と信号解析ユニット6との間に接続されている。信号生成器4はパワー信号を生成し、且つテストプラットフォーム5により各試験する無線周波数素子50に伝送する。複数の試験する無線周波数素子50のうちの1つが第1無線周波数信号を出力し、第1無線周波数信号に識別特徴52が追加されて識別無線周波数信号を生成し、複数の試験する無線周波数素子50の残りの各1つは第2無線周波数信号をそれぞれ出力し、テストプラットフォーム5上で識別無線周波数信号と各第2無線周波数信号とをそれぞれ合成して個別の合成信号を生成する。信号解析ユニット6は各合成信号を受信し、信号解析ユニット6は識別特徴52に基づいて各合成信号を識別無線周波数信号及び各自の第2無線周波数信号に分離し、識別特徴52に基づいて識別無線周波数信号から第1無線周波数信号を還元し、第1無線周波数信号及び各第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを算出する。信号特徴パラメーターは反射損失(Return Loss)、隔離性(isolation)、周波数、または振幅等である。
[第1実施例]
【0022】
図3は本発明の第1実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。本実施例では、複数の試験する無線周波数素子50は第1試験する無線周波数素子540及び第2試験する無線周波数素子560であり、テストプラットフォーム5はパワー分配器7と、第1試験サブエリア54と、第2試験サブエリア56と、移相器58と、パワーコンバイナー8と、を備えている。パワー分配器7は信号生成器4、第1試験サブエリア54、及び第2試験サブエリア56に接続され、移相器58は第1試験サブエリア54に接続され、パワーコンバイナー8は移相器58及び第2試験サブエリア56に接続されている。パワー分配器7はパワー信号を第1試験サブエリア54及び第2試験サブエリア56に分配し、第1試験サブエリア54に設置されている第1試験する無線周波数素子540がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、第2試験サブエリア56に設置されている第2試験する無線周波数素子560がパワー信号に基づいて第2無線周波数信号を出力する。移相器58は第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴52である。パワーコンバイナー8は識別無線周波数信号及び第2無線周波数信号を受信し、合成して合成信号を生成し、信号解析ユニット6は信号解析部60であり、且つパワーコンバイナー8に接続されている。
[第2実施例]
【0023】
図4は本発明の第2実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。本実施例では、第1実施例との相違点について、複数の試験する無線周波数素子50は複数の試験するグループ9に分けられ、各前記試験するグループ9は第1試験する無線周波数素子540及び第2試験する無線周波数素子560を備え、テストプラットフォーム5はパワー分配器7及び複数の試験区画51を含み、信号解析ユニット6は複数の信号解析部60であり、各前記試験区画51には前記複数の試験するグループ9のうちの1つがそれぞれ設置され、各試験区画51は第1実施例の第1試験サブエリア54、第2試験サブエリア56、移相器58、及びパワーコンバイナー8の組み合わせに相当し、各試験区画51のパワーコンバイナー8は複数の信号解析部60のうちの1つにそれぞれ接続されている。このようにして、各信号解析部60が接続されたパワーコンバイナー8の合成信号を受信し、詳しくは、各信号解析部60が接続された試験区画51の第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを各自算出し、各信号解析部60は複数のパワーコンバイナー8のうちの1つに接続されている。
[第3実施例]
【0024】
図5は本発明の第3実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。本実施例では、第1実施例との相違点について、複数の試験する無線周波数素子50は1つの第1試験する無線周波数素子540及び複数の第2試験する無線周波数素子560であり、テストプラットフォーム5はパワー分配器7と、第1試験サブエリア54と、複数の第2試験サブエリア56と、移相器58と、パワーコンバイナー8と、信号スイッチャー59と、を備え、パワー分配器7は信号生成器4、第1試験サブエリア54、及び複数の第2試験サブエリア56に接続され、移相器58は第1試験サブエリア54に接続され、複数の第2試験サブエリア56は信号スイッチャー59に接続され、パワーコンバイナー8は移相器58及び信号スイッチャー59に接続されている。パワー分配器7はパワー信号を第1試験サブエリア54及び複数の第2試験サブエリア56に分配し、第1試験サブエリア54に設置されている第1試験する無線周波数素子540はパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を生成し、第2試験サブエリア56に設置されている各第2試験する無線周波数素子560はパワー信号に各自基づいて第2無線周波数信号をそれぞれ生成する。移相器58は第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成してパワーコンバイナー8に伝送し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴52である。各第2試験サブエリア56をパワーコンバイナー8にそれぞれ接続するように信号スイッチャー59が1つ1つ切り換え、前記信号スイッチャー59に毎回接続される前記第2試験サブエリア56の前記第2無線周波数信号をパワーコンバイナー8に出力する。換言すれば、信号スイッチャー59は複数の第2試験サブエリア56中で1つの第2試験サブエリア56に信号を接続するように1つ1つ切り換えるように配置され、前記信号スイッチャー59に毎回接続される第2試験サブエリア56の第2無線周波数信号を出力し、パワーコンバイナー8は識別無線周波数信号を各第2無線周波数信号にそれぞれ合成して個別の合成信号を生成する。信号解析ユニット6は信号解析部60であり、信号解析部60は前記パワーコンバイナー8に接続されている。そこで、本実施例では、信号解析部60は接続された試験区画51の第1無線周波数信号及び複数の第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを各自算出する。
[第4実施例]
【0025】
図6は本発明の第4実施例に係る複数の無線周波数素子群試験装置を示す概略構成図である。本実施例では、第3実施例との相違点について、複数の試験する無線周波数素子50は複数の試験するグループ9に分けられ、各前記試験するグループ9は1つの第1試験する無線周波数素子540及び複数の第2試験する無線周波数素子560を備え、テストプラットフォーム5はパワー分配器7及び複数の試験区画51を含み、信号解析ユニット6は複数の信号解析部60であり、各試験区画51は第3実施利の第1試験サブエリア54、第2試験サブエリア56、移相器58、信号スイッチャー59、及びパワーコンバイナー8の組み合わせに相当し、各試験区画51のパワーコンバイナー8は複数の信号解析部60のうちの1つにそれぞれ接続されている。こうすることで、各信号解析部60は接続されたパワーコンバイナー8の個別の合成信号を受信し、さらに、各信号解析部60は接続されている試験区画51の第1無線周波数信号及び複数の第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを各自算出する。
【0026】
上述から分かるように、従来の複数の無線周波数素子平行テストシステムは、各ベクトル信号アナライザーが1つの試験する無線周波数素子50にのみ接続され、且つ1つの試験する無線周波数素子50の少なくとも1つの信号特徴パラメーターのみを算出する。本発明の複数の無線周波数素子群試験装置において、各信号解析部60は1つの第1無線周波数信号及び1つの第2無線周波数信号を少なくとも算出し、1つの第1無線周波数信号及び複数の個第2無線周波数信号をさらに算出する。多くの設備コストを節約し、テストにかかる時間も従来の無線周波数素子平行テストシステムに接近する。
【0027】
図7は本発明に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を示すフローチャートである。この一括試験方法は、複数の無線周波数素子群試験装置に適用され、複数の無線周波数素子群試験装置は信号生成器4と、テストプラットフォーム5と、信号解析ユニット6と、を備えている。この方法は以下のステップを主に含む。
(S101)信号生成器4がパワー信号を生成する。
(S102)テストプラットフォーム5がパワー信号を受信し、且つパワー信号をテストプラットフォーム5に設置されている複数の試験する無線周波数素子50に伝送する。
(S103)複数の試験する無線周波数素子のうちの1つが前記パワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力する。
(S104)第1無線周波数信号に識別特徴52を追加して、識別無線周波数信号を生成する。
(S105)前記複数の試験する無線周波数素子の残りの各1つが前記パワー信号に基づいて各自の第2無線周波数信号を出力する
(S106)テストプラットフォーム5が識別無線周波数信号と各第2無線周波数信号とをそれぞれ合成して個別の合成信号を生成し、前記複数の合成信号を信号解析ユニット6に伝送する。
(S107)信号解析ユニット6が識別特徴52に基づいて各合成信号を識別無線周波数信号及び各自の第2無線周波数信号に分離する。
(S108)信号解析ユニット6が識別特徴52に基づいて識別無線周波数信号から第1無線周波数信号を還元する。
(S109)信号解析ユニット6が第1無線周波数信号及び第2無線周波数信号の少なくとも1つの信号特徴パラメーターを算出する。
[第1実施例]
【0028】
本発明の第1実施例に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を図8に示す。図8を参照すれば、複数の試験する無線周波数素子50は第1試験する無線周波数素子540及び第2試験する無線周波数素子560であり、テストプラットフォーム5はパワー分配器7と、第1試験サブエリア54と、第2試験サブエリア56と、移相器58と、パワーコンバイナー8と、を備えている。第1試験サブエリア54には第1試験する無線周波数素子540が設置され、第2試験サブエリアには第2試験する無線周波数素子560が設置され、テストプラットフォーム5がパワー信号を受信して合成信号を合成して生成するステップは以下のステップを更に含む。
(S201)信号生成器4が生成するパワー信号をパワー分配器7が受信し、パワー分配器7がパワー信号を第1試験サブエリア54及び第2試験サブエリア56に分配し、第1試験サブエリア54に設置されている第1試験する無線周波数素子540がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、第2試験サブエリア56に設置されている第2試験する無線周波数素子560がパワー信号に基づいて第2無線周波数信号を出力する。
(S202)移相器58が第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴52である。
(S203)パワーコンバイナー8が識別無線周波数信号及び第2無線周波数信号を受信して合成信号を合成して生成する。
[第2実施例]
【0029】
本発明の第2実施例に係る複数の無線周波数素子一括試験方法を図9に示す。図9を参照すれば、複数の試験する無線周波数素子50は第1試験する無線周波数素子540及び複数の第2試験する無線周波数素子560であり、テストプラットフォーム5はパワー分配器7と、第1試験サブエリア54と、複数の第2試験サブエリア56と、移相器58と、パワーコンバイナー8と、信号スイッチャー59と、を備えている。第1試験サブエリア54には第1試験する無線周波数素子540が設置され、各第2試験サブエリア56には複数の第2試験する無線周波数素子560のうちの1つがそれぞれ設置され、テストプラットフォーム5がパワー信号を受信して合成して合成信号を生成するステップは以下のステップを更に含む。
(S301)パワー分配器7がパワー信号を受信すると共にパワー信号を第1試験サブエリア54及び複数の第2試験サブエリア56に分配し、第1試験サブエリア54に設置されている第1試験する無線周波数素子540がパワー信号に基づいて第1無線周波数信号を出力し、複数の第2試験サブエリア56に設置されている第2試験する無線周波数素子560がパワー信号に基づいて各自の第2無線周波数信号をそれぞれ出力する。
(S302)移相器58が第1無線周波数信号を受信し、第1無線周波数信号の位相角を調整して識別無線周波数信号を生成してパワーコンバイナー8に伝送し、第1無線周波数信号の調整された位相角は識別特徴52である。
(S303)各第2試験サブエリア56をパワーコンバイナー8にそれぞれ接続するように信号スイッチャー59が1つ1つ切り換え、第2試験する無線周波数素子560が出力する第2無線周波数信号をパワーコンバイナー8にそれぞれ伝送する。
(S304)パワーコンバイナー8が識別無線周波数信号を各第2無線周波数信号とそれぞれ合成して個別の合成信号を生成する。
【0030】
第1試験サブエリア54及び複数の第2試験サブエリア56はソケット(socket)であり、テスト無線周波数素子はパッケージアンテナモジュールである。
【0031】
信号生成器4はベクトル信号生成器4であり、信号解析部60はベクトル信号アナライザーである。
【0032】
以下、信号解析部60が合成信号をどのように分離するかについて説明する。仮に、信号生成器4が1つのトリガー信号I(t)を生成する場合、このトリガー信号I(t)はパワー分配器7によりn本の無線周波数経路に供給され、即ち、パワー分配器7から試験する無線周波数素子までの間の経路であり、第n本の無線周波数経路の無線周波数信号はI(t)と表示し、よって、I(t)=
である。tは時間を示し、Nは試験する無線周波数素子の総数を示す。第n本の経路上の制御集積回路及び試験する無線周波数素子50が生成する信号反応はQ(t)=S(t)R(t)であり、S(t)は第n個の移相器が生成する信号反応を示し、R(t)は第n個の試験する無線周波数素子50が生成する信号反応を示す。本発明には制御集積回路がなく、S(t)=1であり、或いは、伝送線が信号の変化のみを生成する。第n本の無線周波数経路上において、I(t)を試験する無線周波数素子が出力する信号にフィードしてI(t)Q(t)とする。この信号がパワーコンバイナー8を経て生成する信号の総和はVtot(t)であり、数式(1)を獲得する。
【数1】
.........(1)
数式(1)によると、無線周波数信号を試験する無線周波数素子50により反応した後に出力する際に、無線周波数信号は無線周波数回路及びパワーコンバイナー8を経た後に生成し、無線周波数ネットワーク及びスペクトルアナライザーにより試験する無線周波数素子50の特性を試験し、I(t)Q(t)が必要なメッセージを判別して校正し、特にQ(t)は、I(t)が未知である。数式(1)に基づいてI(t)Q(t)の解を得る。仮にS(t)が移相器58により調整した位相等である場合、I(t)R(t)を見出せる。よって、数式(1)に基づいて数式(2)を得られる。
【数2】
......(2)
【0033】
数式(2)にはN個の未知の関数があり、N個の
の解を得るためにN個の信号が必要である。よって、S(t)を生成し、ハードウェアを使用してS(t)を実現する技術が焦点となる。
【0034】
(1) 仮にS(t)=δ(t-t)である場合、δ()はパルス関数を示し、tは第n個の時間点を示し、数式(3)を得る。
【数3】
......(3)
(2) 仮にS(t)が直交信号を生成する場合、信号関数の内積を利用して解を求め、数式(4)に示す。
[数4]
[I(t)R(t)](S(t),S(t))=(Vtot(t),S(t))......(4)
(3)仮にS(t)の信号が非直交である場合、数式(5)が線型方程式を生成し、この線性方程式の解を得て[I(t)R(t)]を見出す。
(4)仮に試験する無線周波数素子50中の内部無線周波数装置がアクセス可能である場合、R(t)=1であり、但しS(t)=R'(t) S'(t)である。R'(t)は試験する無線周波数素子50中の制御可能な装置の反応を示す。
【0035】
以上述べた如く、本発明は同時に複数の試験する無線周波数素子の試験を行うことができ、信号解析部の数量が試験する無線周波数素子の数量より少なく、第2試験する無線周波数素子が複数である状況において、信号スイッチャー59を利用して切り換えるのみで各第2試験サブエリアをパワーコンバイナーにそれぞれ接続し、識別無線周波数信号を異なる第2無線周波数信号とそれぞれ合成して異なる合成信号を生成する。また、異なる合成信号が全て同じ第1無線周波数信号及び異なる第2無線周波数信号を分離可能であり、第2無線周波数信号の信号特徴パラメーターを正確に算出するために用いられている。
【0036】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0037】
1 ベクトル信号生成器
2 テストプラットフォーム
3 ベクトル信号アナライザー
4 信号生成器
5 テストプラットフォーム
50 試験する無線周波数素子
51 試験区画
52 識別特徴
54 第1試験サブエリア
540 第1試験する無線周波数素子
56 第2試験サブエリア
560 第2試験する無線周波数素子
58 移相器
59 信号スイッチャー
6 信号解析ユニット
60 信号解析部
7 パワー分配器
8 パワーコンバイナー
9 試験するグループ
S101 ステップ
S102 ステップ
S103 ステップ
S104 ステップ
S105 ステップ
S106 ステップ
S107 ステップ
S108 ステップ
S109 ステップ
S201 ステップ
S202 ステップ
S203 ステップ
S301 ステップ
S302 ステップ
S303 ステップ
S304 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9