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特開2024-29582情報処理装置における情報処理方法、情報処理装置、および情報処理プログラム
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  • 特開-情報処理装置における情報処理方法、情報処理装置、および情報処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029582
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】情報処理装置における情報処理方法、情報処理装置、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131919
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 綺宙
(72)【発明者】
【氏名】新宮 沙絵子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者の調理スキル向上に関するモチベーション低下を抑制する情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、利用者が調理する食材を示す食材情報と、利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得する第1取得部と、食材情報及び調理スキル情報に基づいて、利用者が実行する練習プログラムを決定する決定部と、練習プログラムを実行した利用者の実行結果を示す結果情報を取得する第2取得部と、結果情報に基づいて、練習プログラムに対する利用者の成績を示す利用者成績情報を算出する算出部と、利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得する第3取得部と、利用者成績情報と比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて利用者に通知する通知情報を生成する生成部と、通知情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置における情報処理方法であって、
利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得し、
前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定し、
前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出し、
前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得し、
前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成し、
前記通知情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記食材情報は、前記食材の調理方法を含む情報であり、
前記調理スキル情報の取得では、前記食材の調理方法ごとに、前記調理スキル情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記利用者の調理スキルは、前記調理方法ごとに、初級、中級及び上級に分類される、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記練習プログラムの内容は、前記利用者の調理スキルの分類に応じて異なる、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが初級である場合、前記調理方法における調理の手順を教示する教示情報が表示される前記練習プログラムに決定する、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが中級又は上級である場合、前記練習プログラムにおける前記利用者の成績を算出するための評価項目が表示される前記練習プログラムに決定する、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが中級又は上級である場合、前記練習プログラムの開始時における前記食材の状態を指定する開始状態情報が表示される前記練習プログラムに決定する、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記利用者成績情報の算出では、前記利用者の調理スキルの分類に応じて、前記利用者の成績の算出方法が異なる、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが初級である場合、前記利用者が過去に実行した前記練習プログラムに対する成績を示す過去成績情報を、前記比較者成績情報として取得する、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項10】
さらに、前記利用者が属するコミュニティに関するコミュニティ情報を取得し、
前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが中級である場合、前記コミュニティ情報に基づいて、前記利用者が属するコミュニティと同一のコミュニティに属する前記比較者の前記比較者成績情報を取得し、
前記同一のコミュニティに属する前記比較者の前記比較者情報および前記利用者の前記過去成績情報を組み合わせて、前記比較結果を生成する、
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが上級である場合、前記情報処理装置に登録されている全ての前記比較者の前記比較者成績情報を取得する、
請求項3又は4に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記通知情報には、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とに基づいて生成されるランキングにおける前記利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記通知情報には、前記利用者の調理スキルを向上させるための調理スキル向上情報が含まれる、
請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得する第1取得部と、
前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定する決定部と、
前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得する第2取得部と、
前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出する算出部と、
前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得する第3取得部と、
前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成する生成部と、
前記通知情報を出力する出力部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項15】
利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得し、
前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定し、
前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得し、
前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出し、
前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得し、
前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成し、
前記通知情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用者の調理スキルを向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、利用者の調理スキルを向上させるための技術が知られている。例えば特許文献1には、利用者の順位及び利用者の調理スキルが示されるランキングを生成し、当該ランキングを利用者に示すことにより、利用者の調理スキルの向上を促す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-103042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、調理スキルの異なるユーザ同士が同じランキング上に示される。そのため、特許文献1の技術では、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置における情報処理方法であって、利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得し、前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定し、前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出し、前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得し、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成し、前記通知情報を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態における情報処理システムの一例を示すブロック図である。
図2】練習プログラムテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図3】ユーザ情報テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図4】実施の形態における情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0009】
(本開示に至る経緯)
従来から、利用者の調理スキルを向上させるための技術が知られている。例えば特許文献1には、利用者の順位及び利用者の調理スキルが示されるランキングを生成し、当該ランキングを利用者に示すことにより、利用者の調理スキルの向上を促す技術が開示されている。
【0010】
しかしながら、利用者が有する調理スキルは、利用者ごとに様々に異なる。例えば、利用者の中には、優れた調理スキルを有する者(説明の便宜上、上級者と呼ぶ)や、調理を行うことが苦手な者(説明の便宜上、初級者と呼ぶ)が存在することが考えられる。これに対して、特許文献1では、上級者と初級者との区別をすることなく、ランキングが生成されている。そのため、特許文献1の技術では、調理スキルの異なるユーザ同士が同じランキング上に示される。このような態様では、初級者には、上級者に対する劣等感から調理に対する苦手意識を抱かせてしまう可能性がある。また、初級者よりも高い順位に順位付けられる上級者には、現状に対する満足感を与えてしまう可能性がある。このように、特許文献1の態様では、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下するおそれがある。
【0011】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。
【0012】
本開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置における情報処理方法であって、利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得し、前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定し、前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出し、前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得し、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成し、前記通知情報を出力する。
【0013】
この構成によれば、利用者の練習プログラムにおける成績と、利用者と同等の調理スキルを有する比較者の練習プログラムにおける成績と、の比較結果を利用者に示すことができる。つまり、利用者は、自身と同等の調理スキルを有する比較者との間で調理スキルを競うことができる。これにより、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することを抑制できる。
【0014】
また、上記構成によれば、利用者の調理スキルに基づいて練習プログラムが生成される。そのため、利用者の調理スキルに応じて練習プログラムの内容を調整することができる。これにより、利用者の調理スキルを効率よく向上させることができる。
【0015】
上記情報処理方法において、前記食材情報は、前記食材の調理方法を含む情報であり、前記調理スキル情報の取得では、前記食材の調理方法ごとに、前記調理スキル情報を取得してもよい。
【0016】
この構成によれば、食材の調理方法ごとに調理スキル情報が取得されるため、利用者の調理スキルをより正確に把握することが可能になる。
【0017】
上記情報処理方法において、前記利用者の調理スキルは、前記調理方法ごとに、初級、中級、上級に分類されてもよい。
【0018】
この構成によれば、利用者の調理スキルが、初級、中級、上級といった単純なカテゴリーに分類される。そのため、利用者の調理スキルを複雑なカテゴリーで分類する場合と比較して、情報処理装置の処理負荷が低減している。
【0019】
上記情報処理方法において、前記練習プログラムの内容は、前記利用者の調理スキルの分類に応じて異なっていてもよい。
【0020】
この構成によれば、調理スキルが初級である利用者には、例えば調理の基礎を学ばせるような練習プログラムを用意することができる。そして、調理スキルが中級又は上級である利用者には、例えば調理について発展的な内容を学ばせるような練習プログラムを用意することができる。その結果、利用者の調理スキルを効率よく向上させることができる。
【0021】
上記情報処理方法において、前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが初級である場合、前記調理方法における調理の手順を教示する教示情報が表示される前記練習プログラムに決定してもよい。
【0022】
この構成によれば、調理スキルが初級である利用者に、調理の手順を教示する教示情報が表示される練習プログラムを実行させることができる。そのため、利用者の調理スキルを効率よく向上させることができる。
【0023】
上記情報処理方法において、前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが中級又は上級である場合、前記練習プログラムにおける前記利用者の成績を算出するための評価項目が表示される前記練習プログラムに決定してもよい。
【0024】
この構成によれば、調理スキルが中級又は上級である利用者に、今回の練習プログラムにおける目的を理解させることができる。その結果、利用者の調理スキルを効率よく向上させることができる。
【0025】
上記情報処理方法において、前記練習プログラムの決定では、前記利用者の調理スキルが中級又は上級である場合、前記練習プログラムの開始時における前記食材の状態を指定する開始状態情報が表示される前記練習プログラムに決定してもよい。
【0026】
この構成によれば、練習プログラムの開始時における食材の状態が統一される。その結果、利用者の練習プログラムにおける成績を正確に算出することが可能になる。
【0027】
上記情報処理方法において、前記利用者成績情報の算出では、前記利用者の調理スキルの分類に応じて、前記利用者の成績の算出方法が異なっていてもよい。
【0028】
この構成によれば、例えば、利用者の調理スキルの分類に応じて利用者の成績を適切に算出できる。
【0029】
上記情報処理方法において、前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが初級である場合、前記利用者が過去に実行した前記練習プログラムに対する成績を示す過去成績情報を、前記比較者成績情報として取得してもよい。
【0030】
この構成によれば、利用者の調理スキルが初級である場合、利用者の競争相手が過去の自分自身に設定される。これにより、利用者が比較者に対して劣等感を抱くことをより効果的に抑制することができる。さらに、上記構成によれば、利用者は、自身の調理スキルの上達度合いを容易に把握することができる。その結果、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することをより効果的に抑制することができる。
【0031】
上記情報処理方法において、さらに、前記利用者が属するコミュニティに関するコミュニティ情報を取得し、前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが中級である場合、前記コミュニティ情報に基づいて、前記利用者が属するコミュニティと同一のコミュニティに属する前記比較者の前記比較者成績情報を取得し、前記同一のコミュニティに属する前記比較者の前記比較者情報および前記利用者の前記過去成績情報を組み合わせて、前記比較結果を生成してもよい。
【0032】
この構成によれば、利用者の調理スキルが中級である場合、利用者は、過去の自分自身に加えて、同一のコミュニティに属する比較者と調理スキルを競うことができる。つまり、調理スキルが中級である利用者は、身近に存在する比較者と調理スキルを競うことができる。これにより、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することをより効果的に抑制することができる。
【0033】
上記情報処理方法において、前記比較者成績情報の取得では、前記利用者の調理スキルが上級である場合、前記情報処理装置に登録されている全ての前記比較者の前記比較者成績情報を取得してもよい。
【0034】
この構成によれば、調理スキルが上級である利用者は、情報処理装置に登録された全比較者と成績を競うことになるので、利用者の競争心を高めることができる。その結果、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することをより効果的に抑制することができる。
【0035】
上記情報処理方法において、前記通知情報には、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とに基づいて生成されるランキングにおける前記利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれていてもよい。
【0036】
この構成によれば、利用者に、調理スキルの向上を促すことができる。また、上記のランキングは、利用者成績情報と、利用者と同等の調理スキルを有する比較者の比較者成績情報とに基づいて生成される。そのため、上記構成によれば、調理スキルの異なるユーザ同士が同じランキング上に示されることが回避される。その結果、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することを抑制することができる。
【0037】
上記情報処理方法において、前記通知情報には、前記利用者の調理スキルを向上させるための調理スキル向上情報が含まれていてもよい。
【0038】
この構成によれば、利用者の調理スキルを効率よく向上させることができる。
【0039】
本開示の別の一態様における情報処理装置は、利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得する第1取得部と、前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定する第1生成部と、前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得する第2取得部と、前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出する算出部と、前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得する第3取得部と、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成する生成部と、前記通知情報を出力する出力部と、を備える。
【0040】
この構成によれば、上記情報処理方法を実行する情報処理装置を提供できる。
【0041】
本開示の別の一態様における情報処理プログラムは、利用者により調理される食材を示す食材情報と、前記利用者の調理スキルを示す調理スキル情報と、を取得し、前記食材情報及び前記調理スキル情報に基づいて、前記利用者が実行する練習プログラムを決定し、前記練習プログラムを実行した前記利用者の実行結果を示す結果情報を取得し、前記結果情報に基づいて、前記練習プログラムに対する前記利用者の成績を示す利用者成績情報を算出し、前記利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、前記練習プログラムと同一の練習プログラムを実行した比較者の当該練習プログラムに対する成績を示す比較者成績情報を取得し、前記利用者成績情報と前記比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて前記利用者に通知する通知情報を生成し、前記通知情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【0042】
この構成によれば、上記情報処理方法を実行する情報処理プログラムを提供できる。
【0043】
本開示は、このような情報処理プログラムによって動作する情報処理システムとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0044】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0045】
(実施の形態)
図1は、本開示の実施の形態における情報処理システム100の一例を示すブロック図である。情報処理システム100は、例えば、利用者の調理スキルの向上を支援する支援サービスを提供する。
【0046】
情報処理システム100は、情報処理装置1、端末2、及びセンサ3を含む。情報処理装置1、端末2、及びセンサ3はネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTは、例えばインターネットを含む広域通信網である。
【0047】
情報処理装置1は、例えば1又は複数のコンピュータを含むサーバ装置である。端末2は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータなどの携帯型のコンピュータで構成される。端末2は、利用者により入力される種々の情報を受け付ける。利用者により入力される情報には、後述する食材情報が含まれる。また、端末2は、各種情報を表示する表示装置としても機能する。なお、端末2は複数用意されてもよい。この場合、入力装置として機能する端末2と、表示装置として機能する端末2と、を分けてもよい。センサ3は、静止画像又は動画を撮影可能なカメラ、計時機能を備えるタイマー、及び対象物の重量を計測可能なはかりを含む。なお、センサ3は、端末2に付設されていてもよい。例えば、センサ3としてのカメラは、端末2に付設されていてもよい。また、センサ3は、調理器具などに内蔵されていてもよい。例えば、センサ3としてのはかりは、まな板又はキッチン台に内蔵されていてもよい。
【0048】
情報処理装置1は、プロセッサ10、メモリ30、及び通信部40を含む。プロセッサ10は、例えばCPUである。プロセッサ10は、第1取得部11、決定部12、第2取得部13、算出部14、第3取得部15、生成部16、及び出力部17を含む。第1取得部11~出力部17は、プロセッサ10が情報処理プログラムを実行することにより実現されてもよいし、ASIC等の専用のハードウェア回路により構成されてもよい。なお、図1に示すプロセッサ10の各機能部は例示であって、一部の機能部が省略されたり、一部の機能部が他の機能部に統合されたりしてもよい。また、プロセッサ10が実行する処理の一部は、情報処理装置1と通信可能に接続された図示しない外部装置などにより実行されてもよい。
【0049】
第1取得部11は、食材情報及び調理スキル情報を取得する。食材情報は、利用者により調理される食材を示す情報である。食材情報は、通信部40を介して端末2と通信を行うことにより取得することができる。食材情報は、例えば、「キャベツ」、「りんご」、「大根」、「玉ねぎ」、などの食材名を含む。また、本実施の形態に係る食材情報は、食材の調理方法を示す情報を含む。そのため、本実施の形態では、例えば、「キャベツの千切り」、「キャベツの短冊切り」、「りんごの皮むき」、「りんごのくし形切り」、「大根の輪切り」、「大根のいちょう切り」、「玉ねぎのみじん切り」などの情報が食材情報として取得される。調理スキル情報は、利用者の調理スキルを示す情報であり、メモリ30の後述するユーザ情報記憶部32から取得することができる。本実施の形態に係る調理スキル情報は、食材の調理方法ごとに取得される。つまり、本実施の形態では、「キャベツの千切り」に係る調理スキル情報が、「キャベツの短冊切り」に係る調理スキル情報、「りんごの皮むき」に係る調理スキル情報、「りんごのくし形切り」に係る調理スキル情報、「大根の輪切り」に係る調理スキル情報、「大根のいちょう切り」に係る調理スキル情報、及び「玉ねぎのみじん切り」に係る調理スキル情報などとは区別された状態で取得される。本実施の形態において、利用者の調理スキルは、調理方法ごとに、「初級」、「中級」、「上級」に分類される。例えば、ある食材の調理方法(例えば、キャベツの千切り)に関する練習プログラムP(後述)の内容を指導無しでは実行できない利用者、又は、ある食材の調理方法(例えば、キャベツの千切り)に関する練習プログラムPに初めて挑戦する利用者の調理スキルは、「初級」に分類される。また、ある食材の調理方法(例えば、キャベツの千切り)を知識としては知っているが上手く実践することはできない利用者の調理スキルは、「中級」に分類される。例えば、家庭科の授業等でキャベツの千切りの方法を学習しているが、実際にキャベツの千切りを行った経験が乏しい子供などのキャベツの千切りに関する調理スキルは、「中級」に分類される。また、ある食材の調理方法(例えば、キャベツの千切り)に関して卓越した技術を有する利用者の調理スキルは、「上級」に分類される。例えば、日常的にキャベツの千切りを行うプロの料理人のキャベツの千切りに関する調理スキルは、「上級」に分類される。なお、利用者の調理スキルの分類方法はこの例に限定されず、より大きい区分またはより細かい区分で分類されてもよい。例えば、利用者の調理スキルは、上級、初級といった区分で分類されてもよいし、1級、2級、3級、4級…10級といった区分で分類されてもよい。
【0050】
さらに、第1取得部11は、利用者が属するコミュニティに関するコミュニティ情報を取得する。利用者が属するコミュニティの例としては、家族、学校、学校でのクラス、会社、特定の友人グループ、及び市区町村などの地域が挙げられる。コミュニティ情報は、端末2を介して利用者により予め入力される情報であり、ユーザ情報記憶部32に記憶されている。
【0051】
ユーザ情報記憶部32は、図3に示すようなユーザ情報テーブルT2を記憶する。図3は、ユーザ情報テーブルT2のデータ構成の一例を示す図である。ユーザ情報テーブルT2は、「ユーザID」、「食材情報」、「ユーザレベル」、「成績」、及び「コミュニティ情報」のカラムを含む。「ユーザID」のカラムには、各利用者を一意的に特定する識別子が記憶される。「食材情報」のカラムには、利用者が実行したことのある練習プログラムPにおいて調理された食材とその調理方法が記憶される。練習プログラムPについては後述する。「ユーザレベル」のカラムには、利用者の調理スキルが記憶される。「成績」のカラムには、利用者が実行したことのある練習プログラムPにおいて算出された成績が記憶される。「コミュニティ情報」のカラムには、利用者が所属するコミュニティが記憶される。
【0052】
決定部12は、食材情報及び調理スキル情報に基づいて、利用者が実行する練習プログラムPを決定する。練習プログラムPは、利用者の調理スキルを向上させるためのプログラムである。本実施の形態において、利用者が実行する練習プログラムPの内容は、利用者の調理スキルの分類に応じて異なる。例えば、調理スキルが初級に分類される利用者が実行する練習プログラムPの内容と、調理スキルが上級に分類される利用者が実行する練習プログラムPの内容とは異なる。
【0053】
第2取得部13は、練習プログラムPを実行した利用者の実行結果を示す結果情報を取得する。結果情報は、センサ3により取得される。本実施の形態では、動画データ、静止画像データ、時間長さデータ又は重量データが結果情報として取得される。動画データは、センサ3としてのカメラが練習プログラムPを実行中の利用者の調理シーンを撮影することにより生成されるデータである。静止画像データは、センサ3としてのカメラが調理完了後の食材を撮影することにより生成されるデータである。時間長さデータは、センサ3としてのタイマーが練習プログラムPにおいて調理開始から調理終了までに経過した時間の長さを計測することにより生成されるデータである。重量データは、食材などの重量をセンサ3としてのはかりが計測することにより生成されるデータである。
【0054】
算出部14は、上記の結果情報に基づいて、練習プログラムPに対する利用者の成績を示す利用者成績情報を算出する。本実施の形態において、利用者成績情報の算出方法は、利用者の調理スキルの分類に応じて異なる。例えば、利用者の調理スキルが中級に分類される場合と、利用者の調理スキルが上級に分類される場合とで、利用者成績情報の算出方法は異なる。
【0055】
第3取得部15は、利用者と同等の調理スキルを有しており、かつ、利用者が実行した練習プログラムPと同一の練習プログラムPを実行した比較者の当該練習プログラムPに対する成績を示す比較者成績情報を取得する。例えば、キャベツの千切りに関して初級の調理スキルを有する利用者が、所定の練習プログラムPを実行した場合を想定する。この場合、第3取得部15は、キャベツの千切りに関して初級の調理スキルを有する比較者であって、利用者が実行した練習プログラムPと同一の練習プログラムPを実行した比較者の成績を示す比較者成績情報を取得する。比較者成績情報は、ユーザ情報テーブルT2から取得することができる。
【0056】
本実施の形態において、利用者の調理スキルが初級である場合、第3取得部15は、利用者が過去に実行した練習プログラムPに対する成績を示す過去成績情報を、比較者成績情報として取得する。過去成績情報は、ユーザ情報テーブルT2から取得することができる。例えば、ユーザIDが「1」の利用者(図3参照)が玉ねぎのみじん切りに関する練習プログラムPを実行した場合を想定する。図3に示すように、ユーザIDが「1」の利用者は、玉ねぎのみじん切りに関して初級の調理スキルを有している。したがって、この場合、第3取得部15は、ユーザIDが「1」の利用者の過去の成績の情報(図3のS3に示す情報)を、比較者成績情報として取得する。
【0057】
また、本実施の形態において、利用者の調理スキルが中級である場合、第3取得部15は、利用者の過去成績情報を取得するとともに、第1取得部11が取得したコミュニティ情報に基づいて、利用者が属するコミュニティと同一のコミュニティに属する比較者の比較者成績情報を取得する。例えば、ユーザIDが「1」の利用者(図3参照)がキャベツの千切りに関する練習プログラムPを実行した場合を想定する。図3に示すように、ユーザIDが「1」の利用者は、キャベツの千切りに関して中級の調理スキルを有しており、「A中学校」のコミュニティに属している。したがって、この場合、第3取得部15は、ユーザIDが「1」の利用者の過去成績情報を取得するとともに、「A中学校」のコミュニティに属しており、キャベツの千切りに関して中級の調理スキルを有しており、かつ、利用者が実行した練習プログラムPと同一の練習プログラムPを実行したことがある全ての比較者の比較者成績情報を取得する。具体的に、図3の例では、第3取得部15は、ユーザIDが「1」の利用者の過去成績情報(図3のS1に示す情報)、及び、ユーザIDが「2」の比較者の比較者成績情報(図3のS4に示す情報)を取得する。
【0058】
また、本実施の形態において、利用者の調理スキルが上級である場合、第3取得部15は、情報処理装置1に登録されている全ての比較者の比較者成績情報を取得する。例えば、ユーザIDが「2」の利用者(図3参照)がりんごの皮むきに関する練習プログラムPを実行した場合を想定する。図3に示すように、ユーザIDが「2」の利用者は、りんごの皮むきに関して上級の調理スキルを有している。したがって、この場合、第3取得部15は、りんごの皮むきに関して上級の調理スキルを有しており、かつ、利用者が実行した練習プログラムPと同一の練習プログラムPを実行したことがある比較者であって、情報処理装置1に登録されている全ての比較者の比較者成績情報を取得する。なお、「全ての比較者の比較者成績情報」には、利用者の過去成績情報、及び、利用者が属するコミュニティと同一のコミュニティに属する比較者の比較者成績情報が含まれている。具体的に、図3の例では、第3取得部15は、ユーザIDが「2」の利用者の過去成績情報(図3のS5に示す情報)、ユーザIDが「3」の比較者の比較者成績情報(図3のS8に示す情報)、及び、ユーザIDが「4」の比較者の比較者成績情報(図3のS11に示す情報)を取得する。
【0059】
生成部16は、利用者成績情報と比較者成績情報とを比較し、比較結果に基づいて、利用者に通知する通知情報を生成する。本実施の形態において、生成部16は、利用者成績情報と比較者成績情報とに基づいてランキングを生成する。通知情報には、当該ランキングにおける利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれる。また、本実施の形態において、通知情報には、利用者の調理スキルを向上させるための調理スキル向上情報が含まれる。調理スキル向上情報の内容は、利用者の調理スキルの分類、及び、利用者が練習プログラムPをクリアできたか否かなどに応じて変化する。詳細は後述する。
【0060】
出力部17は、生成部16により生成された通知情報を通信部40を用いて端末2に表示する。このほか、出力部17は、利用者に練習プログラムPを実行させるために必要な各種の情報を端末2に表示する。例えば、出力部17は、利用者に対するメッセージなどを端末2に表示する。
【0061】
メモリ30は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブなどの書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。メモリ30は、練習プログラム記憶部31、ユーザ情報記憶部32を含む。なお、ユーザ情報記憶部32に関しては既に説明しているため、ここでの説明は省略する。
【0062】
練習プログラム記憶部31は、図2に示すような練習プログラムテーブルT1を記憶する。図2は、練習プログラムテーブルT1のデータ構成の一例を示す図である。練習プログラムテーブルT1には、各種の練習プログラムPに関する情報が記憶されている。以下では、説明の便宜上、各種の練習プログラムPのことを、練習プログラムP1~練習プログラムP14と呼ぶ。練習プログラムテーブルT1の1つのレコードが、1つの練習プログラムPに対応する。例えば、図2に示す練習プログラムテーブルT1の一列目のレコードには、練習プログラムP1に係る情報が記憶されている。
【0063】
練習プログラムテーブルT1は、「食材情報」、「評価項目」、「前提条件」、「ユーザレベル」、及び「評価の手段」のカラムを含む。「食材情報」のカラムには、練習プログラムPにおいて調理される食材とその調理方法を特定する情報が記憶される。図2に示す練習プログラムテーブルT1の例では、「キャベツの千切り」、「りんごの皮むき」、「玉ねぎのみじん切り」、「大根の輪切り」、「調味料の計測」、「重量当て」などの情報が「食材情報」のカラムに記憶されている。なお、図2では図示されていないが、「キャベツの短冊切り」、「りんごのくし形切り」、「大根のいちょう切り」などの情報が「食材情報」のカラムに記憶されていてもよい。「評価項目」のカラムには、練習プログラムPにおいて設定される評価項目に関する情報が記憶される。「前提条件」のカラムには、練習プログラムPにおける利用者成績情報を算出するにあたり利用者が達成していることが前提となる条件に関する情報が記憶される。「ユーザレベル」のカラムには、練習プログラムPに挑戦可能な調理スキルを特定する情報が記憶される。「評価の手段」のカラムには、練習プログラムPにおいて設定される評価項目を評価するための具体的な手段に関する情報が記憶される。第1取得部11が取得した食材情報と調理スキル情報とを把握した決定部12は、練習プログラムテーブルT1を参照して、利用者が実行する練習プログラムPを決定する。以下、図2を参照して、練習プログラムP1~練習プログラムP14について説明する。
【0064】
例えば、食材情報として「キャベツの千切り」が取得され、調理スキル情報として、利用者のキャベツの千切りに係る調理スキルが「初級」であることを示す情報が第1取得部11により取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP1を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP1は、キャベツの千切りに係る調理スキルが「初級」である利用者のためのプログラムである。なお、キャベツの千切りに係る調理スキルが「初級」である利用者とは、指導なしではキャベツの千切りを実行できない利用者、又は、キャベツの千切りに初めて挑戦する利用者のことを指す。要するに、練習プログラムP1は、キャベツの千切りに不慣れな利用者のためのプログラムである。練習プログラムP1を実行することにより、利用者は、キャベツの千切りに関する基礎的な内容を学ぶことができる。練習プログラムP1は、以下のような手順により行われる。はじめに、出力部17は、利用者の端末2に教示情報を表示させる。教示情報は、所定の調理方法における調理手順を利用者に教示するための情報であり、例えば文字、静止画像又は動画もしくはこれらの組み合わせからなる情報である。教示情報は、メモリ30の所定の記憶領域に記憶されている。この例では、キャベツの千切りの手順を教示する動画が教示情報として端末2に表示される。次に、利用者は、教示情報で示される手順に従ってキャベツの千切りを実行する。次に、利用者は、キャベツの千切りを実行する際に端末2に表示される開始ボタンを押す。次に、端末2は、調理が開始したことを示す情報を情報処理装置1に送信する。最後に、キャベツの千切りを終えた利用者は、端末2に表示される調理終了ボタンを押す。端末2は、調理が終了したことを示す信号を情報処理装置1に送信する。
【0065】
練習プログラムP1の終了後、算出部14により、利用者成績情報の算出処理が行われる。図2に示すように、練習プログラムP1では、「キッチン台を汚していないか」、「最低限の調理行動ができているか」、「正しく食材・器具を扱えているか」などの複数の項目が評価項目として設定される。これらの評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、練習プログラムP1では、センサ3としてのカメラが利用者の調理シーンを動画データの形式で撮影する。上記の動画データは、練習プログラムP1の終了時に第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、利用者成績情報を算出するために、上記の評価項目が達成されているか否かをYES、NOの形式で判定する。具体的に、「キッチン台を汚していないか」の評価項目では、算出部14は、例えば練習プログラムP1の終了時にまな板からはみ出ていたキャベツの数量が所定の閾値を超過していたか否か、などを判定する。まな板からはみ出ていたキャベツの数量は、第2取得部13が取得した動画データに所定の認識処理を適用することにより計測することができる。また、「最低限の調理行動ができているか」の評価項目では、算出部14は、例えば包丁を大きく振り回すような危険な調理行動を利用者が行っていたか否か、などを判定する。利用者の調理行動は、第2取得部13が取得した動画データに骨格検出処理を適用して利用者の動きを特定することにより把握することができる。また、「正しく食材・器具を扱えているか」の評価項目では、算出部14は、例えば調理の直前にキャベツを水洗いできていたか否か、及び、包丁を扱う際に猫の手ができていたか否か、などを判定する。利用者が食材を水洗いしていたか否か、及び、猫の手ができていたか否かは、第2取得部13が取得した動画データに骨格検出処理を適用することにより把握することができる。
【0066】
なお、上記の評価項目が達成されているか否かの判定は、動画データを用いる代わりに、練習プログラムP1を実行する利用者の調理動作を監督する監督者に実行させてもよい。具体的に、上記の評価項目が達成されているか否かの判定は、端末2に上記の評価項目を含むアンケートを表示し、監督者に当該アンケートに対してYES、NOを入力させるといった態様により実行されてもよい。この場合、アンケート結果が結果情報として第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。なお、この例において、監督者は、キャベツの千切りに関して「上級」の調理スキルを有する者であることが好ましい。
【0067】
次に、算出部14は、上記の判定処理において達成されていると判定された評価項目の数に応じて、練習プログラムP1における利用者成績情報を算出する。例えば、上記の3つの評価項目のうち1つの評価項目が達成されている場合、算出部14は、利用者成績情報として100点の成績を算出する。あるいは、上記の3つの評価項目のうち全ての評価項目が達成されている場合、算出部14は、利用者成績情報として300点の成績を算出する。また、上記の3つの評価項目のうち全ての評価項目が達成されている場合、算出部14は、ゲームクリアの判定を行う。さらに、この場合、算出部14は、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルを中級に更新する処理を行う。
【0068】
算出部14による利用者成績情報の算出処理の完了後、第3取得部15は、比較者成績情報として過去成績情報を取得する。そして、算出部14により算出された利用者成績情報と、第3取得部15により取得された比較者成績情報とに基づいて、生成部16が通知情報を生成する。通知情報には、利用者の今回の練習プログラムP1における利用者成績情報と、利用者の過去成績情報との比較結果を示す情報が含まれる。なお、「比較結果を示す情報」とは、例えば、利用者が過去に練習プログラムP1を実行した際には達成することができなかった評価項目を今回は達成することができた旨を示す情報、利用者が過去に練習プログラムP1を実行した際には達成できていた評価項目を今回は達成できなかった旨を示す情報、過去も今回も達成することができなかった評価項目を示すとともに「次回からは達成できるように頑張りましょう!」といったメッセージを示す情報、過去も今回も達成することができた評価項目を示すとともに「この調子です!」といったメッセージを示す情報などが含まれる。また、ゲームクリアの判定が行われている場合、通知情報には、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルが中級に更新された旨を示す文字が含まれる。さらに、ゲームクリアの判定が行われている場合、通知情報には、例えば、「次は玉ねぎのみじん切りにも挑戦してみましょう」などの文字により示される調理スキル向上情報が含まれる。あるいは、ゲーム失敗の判定が行われている場合、通知情報には、「猫の手ができていませんでした」などの文字により示される調理スキル向上情報が含まれる。生成部16が生成した通知情報は、出力部17により通信部40を介して端末2に表示される。
【0069】
次に、食材情報として「キャベツの千切り」が取得されており、調理スキル情報として、利用者のキャベツの千切りに係る調理スキルが「中級」又は「上級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP2を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP2は、主に、キャベツの千切りに関して一定以上の調理スキルを有する利用者のためのプログラムである。練習プログラムP2を実行することにより、利用者は、キャベツを薄く、かつ、均一な薄さで千切りする能力を向上させることができる。練習プログラムP2は、以下のような手順により行われる。はじめに、出力部17は、端末2に開始状態情報を表示させる。開始状態情報は、例えば、「キャベツ1玉を半分に切ったところからスタートします」といった文字からなる情報である。開始状態情報には、写真を用いても良い。写真が開始状態情報として用いられる場合、端末2には、1玉を半分に切ったキャベツの写真が表示される。また、開始状態情報は、文字と写真を組み合わせても良い。次に、出力部17は、練習プログラムP2における評価項目を端末2に表示させる。ここでは、「キャベツの薄さ」と「薄さの均一さ」とが評価項目として設定されている旨が端末2に表示される。次に、端末2は、練習プログラムP2における前提条件を端末2に表示させる。ここでは、「制限時間以内にキャベツの千切りを終えているか」が前提条件として設定されている旨が端末2に表示される。次に、出力部17は、調理開始ボタンを端末2に表示させる。次に、利用者は、調理開始ボタンを押してキャベツの千切りを開始する。次に、キャベツの千切りを終えた利用者は、端末2に表示される調理終了ボタンを押す。端末2は、調理が終了したことを示す信号を情報処理装置1に送信する。
【0070】
練習プログラムP2の終了後、算出部14により、利用者成績情報の算出処理が行われる。既述のとおり、練習プログラムP2では、「キャベツの薄さ」と「薄さの均一さ」とが評価項目として設定される。これらの評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、練習プログラムP2では、利用者が調理終了ボタンを押した後に、センサ3としてのカメラが千切りされたキャベツを静止画像データの形式で撮影する。上記の静止画像データは、練習プログラムP1の終了時に第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、上記の静止画像データに所定の認識処理を適用することにより測定されたキャベツの薄さ、及び薄さの均一に基づいて、上記の評価項目に対する利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、練習プログラムP2において千切りされたキャベツが薄いほど、練習プログラムP2における利用者の成績を高く算出する。また、算出部14は、練習プログラムP2において千切りされたキャベツの薄さの標準偏差値が小さいほど、練習プログラムP2における利用者の成績を高く算出する。なお、練習プログラムP2では、上記の静止画像データに代えて、利用者の調理シーンを撮影した動画データが第2取得部13に取得され、算出部14に送られてもよい。
【0071】
また、既述のとおり、練習プログラムP2では、「制限時間以内にキャベツの千切りを終えているか」が前提条件として設定される。上記の前提条件が達成されている場合、算出部14はゲームクリアの判定を行い、利用者成績情報の算出処理を行う。一方で、上記の前提条件が達成されていない場合、算出部14はゲーム失敗の判定を行い、利用者成績情報の算出処理を終了する。つまり、練習プログラムP2では、利用者が制限時間以内にキャベツの千切りを終えていない場合、利用者がどれだけ薄く、及び均一にキャベツを切れていたとしても、利用者成績情報が算出されない。上記の前提条件が達成されているか否かを確認するため、練習プログラムP2では、センサ3としてのタイマーが時間を測定する。具体的に、練習プログラムP2では、調理開始から調理終了までに経過した時間が測定される。調理開始のタイミングは、例えば利用者が調理開始ボタンを押した瞬間である。調理終了のタイミングは、例えば利用者が調理終了ボタンを押した瞬間である。あるいは、調理開始及び調理終了のタイミングは、利用者が用いる包丁に取り付けられた図示しない加速度センサにより測定されたセンサ値に基づき、算出部14が包丁の動作の有無を判定することにより検出してもよい。あるいは、調理開始及び調理終了のタイミングは、静止画像データ又は動画データに所定の認識処理を適用して、利用者がキャベツに包丁の刃を当てたタイミング(利用者が調理を開始したと推測されるタイミング)、及び、利用者が包丁をキッチン台に置いたタイミング(利用者が調理を終了したと推測されるタイミング)を取得することにより検出してもよい。なお、調理開始から調理終了までに経過した時間の長さの測定に関して、不正が行われることが考えられる。例えば、利用者が、調理に要した時間を過小に申告するために、予めキャベツの千切りをある程度終わらせた状態で調理開始ボタンを押すことなどが考えられる。上記のような不正を防止するために、練習プログラムP2では、調理開始直前のキャベツと、調理終了直後のキャベツとを静止画像データの形式で撮影することを利用者に要求してもよい。また、練習プログラムP2において、上記の制限時間は、利用者の調理スキルに応じて変更される。例えば、利用者のキャベツの千切りに係る調理スキルが「中級」である場合、上記の制限時間は1分に設定され、利用者のキャベツの千切りに係る調理スキルが「上級」である場合、上記の制限時間は30秒に設定される。
【0072】
なお、練習プログラムP2を実行した利用者の調理スキルが「中級」であり、かつ、算出部14により算出された利用者の成績が所定の基準成績を上回る場合、算出部14は、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルを上級に更新する処理を行う。
【0073】
算出部14による利用者成績情報の算出処理の完了後、第3取得部15は、利用者の過去成績情報を含めた比較者成績情報を取得する。そして、算出部14により算出された利用者成績情報と、第3取得部15により取得された比較者成績情報とに基づいて、生成部16が通知情報を生成する。
【0074】
練習プログラムP2を実行した利用者の調理スキルが中級である場合に生成される通知情報について説明する。この場合、生成部16は、同一のコミュニティに属する比較者の比較者情報および利用者の過去成績情報を組み合わせて前記比較結果を生成し、当該比較結果に基づいて通知情報を生成する。具体的に、通知情報には、利用者成績情報と、利用者が属するコミュニティと同じコミュニティに属する比較者の比較者成績情報と、の比較結果に基づいて生成されるランキングが含まれる。また、通知情報には、当該ランキングにおける利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれる。さらに、通知情報には、キャベツを薄く切るためのテクニックなどを文字及びイラストにより示す調理スキル向上情報が含まれる。さらに、通知情報には、利用者の過去成績情報と利用者成績情報成績とを比較して(つまり、利用者の過去の成績と今回の成績とを比較して)、利用者の成績が過去の成績からどの程度向上又は低下したのかを示す情報が含まれる。
【0075】
練習プログラムP2を実行した利用者の調理スキルが上級である場合に生成される通知情報について説明する。この場合、通知情報には、利用者成績情報と、情報処理装置1に登録されている全ての比較者の比較者成績情報と、の比較結果に基づいて生成されるランキングが含まれる。また、この場合、通知情報には、当該ランキングにおける利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれる。さらに、この場合、通知情報には、「あと〇cm薄くキャベツを切ることができれば、順位が5つ上がります」などの文字により示される調理スキル向上情報が含まれる。このほか、通知情報には、利用者の過去成績情報と利用者成績情報成績とを比較して、利用者の成績が過去の成績からどの程度向上又は低下したのかを示す情報が含まれていてもよい。
【0076】
以上のようにして生成された通知情報を、出力部17が通信部40を介して端末2に表示する。
【0077】
次に、食材情報として「キャベツの千切り」が取得されており、調理スキル情報として、利用者のキャベツの千切りに係る調理スキルが「上級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、所定の信号を端末2に送信し、練習プログラムP2及び練習プログラムP3のいずれのプログラムを実行するのかを利用者に決定させるための決定ボタンを端末2に表示させる。上記の決定ボタンは、例えば「薄さ部門」及び「早さ部門」などの文字により端末2に表示される。「薄さ部門」の決定ボタンが押された場合、決定部12は、練習プログラムP2を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。「早さ部門」の決定ボタンが押された場合、決定部12は、練習プログラムP3を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。このように、調理スキルが「上級」に分類される利用者は、キャベツを薄く千切りする能力を競い合う練習プログラムPを実行するのか、あるいはキャベツを素早く千切りする能力を競い合う練習プログラムPを実行するのかを、適宜選択することができる。
【0078】
練習プログラムP3は、主に、キャベツの千切りに関して優れた調理スキルを有する利用者のためのプログラムである。練習プログラムP3を実行することにより、利用者は、キャベツの千切りに関する調理速度を向上させることができる。練習プログラムP3は、以下のような手順により行われる。はじめに、出力部17は、端末2に練習プログラムP2と同様の内容の開始状態情報を表示させる。次に、出力部17は、練習プログラムP3における評価項目を端末2に表示させる。ここでは、「調理終了までに経過した時間」が評価項目として設定されている旨が端末2に表示される。次に、出力部17は、練習プログラムP3における前提条件を端末2に表示させる。ここでは、「薄さが基準値以内に収まっているか」と「薄さの均一さが基準値以内に収まっているか」とが前提条件として設定されている旨が端末2に表示される。次に、出力部17は、調理開始ボタンを端末2に表示する。次に、利用者は、調理開始ボタンを押してキャベツの千切りを開始する。次に、キャベツの千切りを終えた利用者は、端末2に表示される調理終了ボタンを押す。端末2は、調理が終了したことを示す信号を情報処理装置1に送信する。
【0079】
練習プログラムP3の終了後、算出部14により、利用者成績情報の算出処理が行われる。既述のとおり、練習プログラムP3では、「調理終了までに経過した時間」が評価項目として設定される。この評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、練習プログラムP3では、利用者が調理開始ボタンを押してから調理終了ボタンを押すまでに経過した時間を示す時間長さデータがタイマーに計測される。上記の時間長さデータは、練習プログラムP3の終了時に第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、上記の時間長さデータに基づいて、利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、キャベツの千切りを終えるまでに経過した時間が短いほど、練習プログラムP3における利用者の成績を高く算出する。
【0080】
また、既述のとおり、練習プログラムP3では、「薄さが基準値以内に収まっているか」、及び「薄さの均一さが基準値以内に収まっているか」が前提条件として設定される。上記の前提条件が達成されているか否かを確認するため、練習プログラムP3では、利用者が調理終了ボタンを押した後に、センサ3としてのカメラが千切りされたキャベツを静止画像データの形式で撮影する。上記の静止画像データは、練習プログラムP3の終了時に第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、上記の静止画像データに所定の認識処理を適用することにより測定されたキャベツの薄さ、及び薄さの均一に基づいて、上記の前提条件が達成されているか否かを判定する。上記の前提条件が達成されている場合、算出部14は、ゲームクリアの判定を行い、利用者成績情報の算出を行う。一方で、上記の前提条件が達成されていない場合、算出部14は、ゲーム失敗の判定を行い、利用者成績情報の算出処理を終了する。なお、練習プログラムP3では、上記の静止画像データに代えて、利用者の調理シーンを撮影した動画データが第2取得部13に取得され、算出部14に送られてもよい。
【0081】
算出部14による利用者成績情報の算出処理の完了後、第3取得部15は、比較者成績情報を取得する。そして、算出部14により算出された利用者成績情報と、第3取得部15により取得された比較者成績情報との比較結果に基づいて、生成部16が通知情報を生成する。通知情報には、利用者成績情報と、情報処理装置1に登録されている全ての比較者の比較者成績情報と、に基づいて生成されるランキングが含まれる。また、通知情報には、当該ランキングにおける利用者の成績の順位を示す順位情報が含まれる。さらに、この場合、通知情報には、「あと〇cm薄くキャベツを切ることができれば、順位が5つ上がります」などの文字により示される調理スキル向上情報が含まれる。このほか、通知情報には、利用者の過去成績情報と利用者成績情報成績とを比較して、利用者の成績が過去の成績からどの程度向上又は低下したのかを示す情報が含まれていてもよい。このようにして生成された通知情報を、出力部17が通信部40を介して端末2に出力する。
【0082】
次に、食材情報として「りんごの皮むき」が取得されており、調理スキル情報として、利用者のりんごの皮むきに係る調理スキルが「初級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP4を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP4の内容は練習プログラムP1の内容と同様であるため、ここでは練習プログラムP1との相違点についてのみ説明する。図2に示すように、練習プログラムP4では、練習プログラムP1で設定されている評価項目に加えて、「種又は芯が残っていないか」といった評価項目が設定されている。この評価項目は、りんご及び柿などのように種又は芯を有する食材が食材情報として取得されている場合に、追加の評価項目として設定されるものである。「種又は芯が残っていないか」の評価項目は、結果情報として取得される動画データ又は静止画像データに所定の認識処理を適用することにより、算出部14に判定させることができる。
【0083】
次に、食材情報として「りんごの皮むき」が取得されており、調理スキル情報として、利用者のりんごの皮むきに係る調理スキルが「中級」又は「上級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP5を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP5の内容は練習プログラムP2の内容と同様であるため、ここでは練習プログラムP2との相違点についてのみ説明する。
【0084】
図2に示すように、練習プログラムP5では、「皮の薄さ」と「形の綺麗さ」とが評価項目として設定される。練習プログラムP5では、上記の評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、センサ3としてのカメラが、調理完了後のりんごの静止画像及びりんごの皮の静止画像を静止画像データの形式で撮影する。センサ3により取得された静止画像データは、結果情報として第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。「皮の薄さ」の評価項目に関して、算出部14は、第2取得部13に取得された静止画像データに所定の認識処理を適用することにより測定されたりんごの皮の薄さに基づいて、利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、りんごの皮が薄いほど、練習プログラムP5における利用者の成績を高く算出する。言い換えると、算出部14は、りんごの皮むきを行う際に削られたりんごの実が少ないほど、練習プログラムP5における利用者の成績を高く算出する。また、「形の綺麗さ」の評価項目に関して、算出部14は、第2取得部13に取得された静止画像データと、手本となる静止画像データと、の一致度に基づいて利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、第2取得部13に取得された静止画像データにおけるりんごの特徴量と、手本となる静止画像データにおけるりんごの特徴量との差分を検出する。そして、当該差分が小さいほど、算出部14は、練習プログラムP5における利用者の成績を高く算出する。なお、手本となる静止画像データは、メモリ30の所定の記憶領域に格納されている。あるいは、「形の綺麗さ」の評価項目に関して、算出部14は、第2取得部13に取得された静止画像データを図示しない学習済みモデルに入力することにより、利用者成績情報を算出してもよい。学習済みモデルは、「形が綺麗なりんご」の静止画像データと、「形が綺麗ではないりんご」の静止画像データとを用いて機械学習を行うことにより得られるモデルである。学習済みモデルは、算出部14により入力された静止画像データが、「形が綺麗なりんご」の静止画像データに該当するのか、「形が綺麗ではないりんご」の静止画像データに該当するのかを識別可能である。また、学習済みモデルは、識別結果に対する確からしさを示す確信度の情報を出力可能である。算出部14は、入力した静止画像データが「形が綺麗なりんご」の静止画像データに識別された場合に、上記の確信度に基づいて利用者成績情報を算出する。具体的には、上記の確信度が高いほど、練習プログラムP5における利用者の成績を高く算出する。
【0085】
練習プログラムP6の内容は練習プログラムP3の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、練習プログラムP7の内容は練習プログラムP1の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0086】
次に、食材情報として「玉ねぎのみじん切り」が取得されており、調理スキル情報として、利用者の玉ねぎのみじん切りに係る調理スキルが「中級」又は「上級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP8を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP8の内容は練習プログラムP2の内容と同様であるため、ここでは練習プログラムP2との相違点についてのみ説明する。図2に示すように、練習プログラムP8では、「細かさ」が評価項目として設定される。つまり、練習プログラムP8では、玉ねぎが適切な細かさに切られているか否かが評価項目として設定される。上記の評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、練習プログラムP8では、センサ3としてのカメラが、調理完了後の玉ねぎを静止画像データの形式で撮影する。上記の静止画像データは結果情報として第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、上記の静止画像データに所定の認識処理を適用することにより測定された玉ねぎの細かさに基づいて利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、基準値以内の大きさに刻まれた玉ねぎの数が多いほど、練習プログラムP8における利用者の成績を高く算出する。
【0087】
練習プログラムP9の内容は練習プログラムP3の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、練習プログラムP10の内容は練習プログラムP1の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0088】
次に、食材情報として「大根の輪切り」が取得されており、調理スキル情報として、利用者の大根の輪切りに係る調理スキルが「中級」又は「上級」であることを示す情報が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP11を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP11の内容は練習プログラムP2の内容と同様であるため、ここでは練習プログラムP2との相違点についてのみ説明する。図2に示すように、練習プログラムP11では、「均一な大きさで切れているか」が評価項目として設定される。このような評価項目に対する利用者成績情報を算出部14に算出させるため、練習プログラムP11では、センサ3としてのカメラが、調理完了後の大根を静止画像データの形式で撮影する。上記の静止画像データは結果情報として第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、上記の静止画像データに所定の認識処理を適用することにより測定された大根の大きさの均一さに基づいて、利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、輪切りにされた大根の大きさの標準偏差値が小さいほど、練習プログラムP11における利用者の成績を高く算出する。
【0089】
練習プログラムP12の内容は練習プログラムP3の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0090】
次に、食材情報として「調味料の計測」が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP13を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP13は、以下のような手順により行われる。初めに、出力部17は、所定の信号を端末2に送信し、「はかりの上にXgの調味料をのせてください」といったメッセージを端末2に表示させる。次に、上記メッセージを受け取った利用者は、目分量でXgと推測する量の調味料をはかりに乗せる。このとき、はかりによって実測された調味料の重量は利用者には提示されず、第2取得部13のみに送信される。調味料をはかりに乗せ終えた利用者は、端末2に表示される計測終了ボタンを押して、作業が完了した旨を示す信号を端末2から情報処理装置1に送信する。
【0091】
図2に示すように、練習プログラムP13では、「目分量でどれだけ正確に重量を計れるか」が評価項目として設定される。このような評価項目に対する利用者成績情報を算出するため、練習プログラムP13では、センサ3としてのはかりに実測された重量データが第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、利用者に初めに指定した重量(Xg)と、はかりにより実測された重量データと、の誤差に基づいて利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、利用者に初めに指定した重量(Xg)と、はかりにより実測された重量と、の誤差が小さいほど、練習プログラムP13における利用者の成績を高く算出する。
【0092】
また、練習プログラムP13では、図2に示すように、「制限時間以内に計測が終了したか」が前提条件として設定される。上記の前提条件が達成されているか否かを確認するため、練習プログラムP13では、センサ3としてのタイマーが時間を測定する。上記の制限時間は、利用者の調理スキルに応じて変更される。例えば、利用者の調味料の計測に係る調理スキルが「初級」、「中級」、「上級」である場合、制限時間は、それぞれ「30秒」、「20秒」、「10秒」に設定される。制限時間は、これに限らない。
【0093】
次に、食材情報として「食材の重量当て」が取得されている場合を想定する。この場合、決定部12は、練習プログラムP14を、利用者が実行する練習プログラムPに決定する。練習プログラムP14は、以下のような手順により行われる。初めに、出力部17は、所定の信号を端末2に送信し、「はかりの上に食材をのせてください」といったメッセージを端末2に表示させる。上記のメッセージを受け取った利用者は、食材をはかりの上に乗せ、食材の重量をはかりに計測させる。このとき、はかりによって実測された食材の重量は利用者には提示されず、第2取得部13のみに送信される。次に、出力部17は、所定の信号を端末2に送信し、「食材の重量を推測して、推測値を入力してください」といったメッセージを端末2に表示させる。上記のメッセージを受け取った利用者は、食材を持ち上げるなどして食材の重量を推測し、推測した重量を端末2に入力する。
【0094】
図2に示すように、練習プログラムP14では、「食材の重さをどれだけ正確に計れるか」が評価項目として設定される。このような評価項目に対する利用者成績情報を算出するため、練習プログラムP14では、センサ3としてのはかりに実測された重量データ、及び、利用者により入力された推測値が第2取得部13に取得され、算出部14に送られる。算出部14は、はかりにより実測された重量データと、利用者により入力された推測値と、の誤差に基づいて利用者成績情報を算出する。具体的に、算出部14は、はかりにより実測された食材の重量と、利用者により入力された推測値と、の誤差が小さいほど、練習プログラムP14における利用者の成績を高く算出する。
【0095】
また、練習プログラムP14では、図2に示すように、「制限時間以内に計測が終了したか」が前提条件として設定される。上記の前提条件が達成されているか否かを確認するため、練習プログラムP14では、センサ3としてのタイマーが時間を測定する。上記の制限時間は、利用者の調理スキルに応じて変更される。例えば、利用者の食材の重量当てに係る調理スキルが「初級」、「中級」、「上級」である場合、制限時間は、それぞれ「30秒」、「20秒」、「10秒」に設定される。制限時間は、これに限らない。
【0096】
以上、練習プログラムP1~P14について説明したが、これらの説明はあくまでも本開示の技術内容を明らかにするための具体例であり、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0097】
次に、本実施の形態に係る情報処理装置1の処理の一例について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下では、食材情報として「キャベツの千切り」が取得され、調理スキル情報として「中級」が取得される場合を例に挙げて、情報処理装置1が実行する処理の流れを説明する。
【0098】
(ステップS101)
ステップS101では、第1取得部11が、端末2から送信された食材情報を取得する。既述のとおり、食材情報は利用者によって端末2に入力される。食材情報は、利用者の手入力により端末2に入力されてもよい。あるいは、食材情報は、情報処理装置1が食材の名称及び写真などが表示されるメニュー画面を端末2に出力させる信号を端末2に送信し、当該メニュー画面の中から任意の食材を利用者に選択させる態様により入力されてもよい。また、上記のメニュー画面には、食材の調理方法の名称及び写真などが食材とともに表示されていてもよい。上記のとおり、ここでは、食材情報として、「キャベツの千切り」が取得される場合を想定する。また、ステップS101では、食材情報とともに、利用者のユーザID及び利用者のコミュニティ情報が第1取得部11により取得される。ここでは、例えば、利用者のユーザIDとして「1」が取得され、コミュニティ情報として「A中学校」が取得される場合を想定する。
【0099】
(ステップS102)
ステップS102では、第1取得部11が、調理スキル情報を取得する。具体的に、第1取得部11は、ステップS101で取得されたユーザIDと食材情報とに基づいて、調理スキル情報をユーザ情報記憶部32のユーザ情報テーブルT2から取得する。この例では、ユーザIDが「1」であり、食材情報が「キャベツの千切り」であることを示す情報が取得されているため、第1取得部11は、調理スキル情報として、利用者の調理スキルが「中級」であることを示す情報を取得する。なお、利用者の調理スキルを示す情報がユーザ情報テーブルT2に格納されていない場合、第1取得部11は、利用者の調理スキルが「初級」であると判断してもよい。
【0100】
(ステップS103)
ステップS103において、決定部12は、食材情報と調理スキル情報とに基づいて、利用者が実行する練習プログラムPを決定する。ここでは、食材情報として「キャベツの千切り」が取得されており、調理スキル情報として「中級」が取得されているため、決定部12は、練習プログラムP2を利用者が実行する練習プログラムPに決定する。
【0101】
(ステップS104)
ステップS104において、出力部17は、利用者に練習プログラムP2を実行させるために、各種の情報を端末2に出力する。これにより、端末2には、「キャベツ1玉を半分に切ったところからスタートします」といった文字からなる開始状態情報が表示される。また、端末2には、「キャベツの薄さ」と「薄さの均一さ」とが評価項目として設定されている旨、及び、制限時間が例えば1分に設定されている旨が表示される。さらに、端末2には、利用者の調理開始のタイミングを検出するための調理開始ボタンや、利用者の調理終了のタイミングを検出するための調理終了ボタンが表示される。
【0102】
(ステップS105)
ステップS105において、第2取得部13は、練習プログラムP2を実行した利用者の実行結果を示す結果情報を取得する。この例では、第2取得部13は、千切りされたキャベツの静止画像データ、及び、利用者がキャベツの千切りを開始してから終了するまでの間に経過した時間の長さを示す時間長さデータを結果情報として取得する。
【0103】
(ステップS106)
ステップS106において、算出部14は、利用者成績情報を算出する。まず、算出部14は、ステップS105で取得された時間長さデータに基づいて、練習プログラムP2において設定されている前提条件が達成されているか否かを確認する。つまり、利用者の調理時間が制限時間を超過しているか否かを確認する。そして、調理時間が制限時間以内である場合に、算出部14は、ステップS105で取得された静止画像データに基づいて、練習プログラムP2における利用者の成績を算出する。なお、練習プログラムP2において設定されている前提条件が達成されていない場合、算出部14は、利用者成績情報の算出処理を終了する。また、この場合、情報処理装置1の処理は終了してもよい。
【0104】
(ステップS107)
ステップS107において、算出部14は、利用者の練習プログラムP2における成績が、所定の基準成績を上回るか否かを算出する。利用者の練習プログラムP2における成績が所定の基準成績を上回る場合、算出部14は、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルを上級に更新する。それ以外の場合、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルは中級に維持される。
【0105】
(ステップS108)
ステップS108において、第3取得部15は、比較者成績情報を取得する。ここでは、キャベツの千切りに関して中級の調理スキルを有しており、かつ、「A中学校」に属している比較者の練習プログラムP2における成績と、利用者の過去成績情報とが比較者成績情報として取得される。
【0106】
(ステップS109)
ステップS109において、生成部16は、通知情報を生成する。通知情報には、ステップS106で取得した利用者成績情報とステップS108で取得した比較者成績情報とに基づいて生成されたランキングと、当該ランキングにおける利用者の順位を示す順位情報とが含まれる。また、通知情報には、キャベツを薄く切るためのテクニックなどを文字及びイラストにより示す調理スキル向上情報が含まれる。さらに、通知情報には、利用者の過去成績情報と利用者成績情報成績とを比較して、利用者の成績が過去の成績からどの程度向上又は低下したのかを示す情報が含まれる。ステップS109において生成された通知情報は、出力部17により利用者の端末2に出力される。
【0107】
このように、本実施の形態によれば、利用者の練習プログラムPにおける成績と、利用者と同等の調理スキルを有する比較者の練習プログラムPにおける成績と、の比較結果を利用者に示すことができる。つまり、利用者は、自身と同等の調理スキルを有する比較者との間で調理スキルを競うことができる。これにより、利用者の調理スキル向上に関するモチベーションが低下することを抑制できる。
【0108】
(変形例)
本開示は以下の変形例が採用できる。
【0109】
(1)上記の実施の形態では、利用者が練習プログラムPを実行する際に、端末2に教示情報や開始状態情報などが表示される例について説明した。しかしながら、利用者が練習プログラムPを実行する際に端末2に表示される情報はこれに限定されるものではない。例えば、端末2には、インタラクティブな情報が表示されてもよい。具体的に、端末2には、制限時間に対する残り時間が表示されてもよい。あるいは、端末2には、「このままのペースで調理を終えた場合、○○さんよりも高い成績を獲得することができます」などの文字で示される情報が表示されてもよい。
【0110】
(2)上記の実施の形態では、練習プログラムP1において、3つの評価項目のうち全ての評価項目が達成されている場合に、利用者のキャベツの千切りに関する調理スキルが中級に更新される例について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、利用者が安全に調理を実行できるようになった時点で、利用者の調理スキルを初級から中級に更新してもよい。具体的に、練習プログラムP1の例では、「最低限の調理行動ができているか」の評価項目と、「正しく食材・器具を扱えているか」の評価項目が達成されていれば、「キッチン台を汚していないか」の評価項目の達成の成否を問わず、利用者の調理スキルを中級に更新してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示は、利用者の調理スキルの向上を支援することができるので、利用者の調理技術を向上させるための技術分野において有用である。
【符号の説明】
【0112】
1 :情報処理装置
2 :端末
3 :センサ
10 :プロセッサ
11 :第1取得部
12 :決定部
13 :第2取得部
14 :算出部
15 :第3取得部
16 :生成部
17 :出力部
30 :メモリ
31 :練習プログラム記憶部
32 :ユーザ情報記憶部
40 :通信部
100 :情報処理システム
NT :ネットワーク
P :練習プログラム
T1 :練習プログラムテーブル
T2 :ユーザ情報テーブル
図1
図2
図3
図4