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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029591
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240228BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131930
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA06
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA42
3E095DA43
3E095DA48
3E095DA54
3E095FA25
5F131AA02
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA15
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA12
5F131DA33
5F131DA42
5F131DA67
5F131DB52
5F131DC23
5F131EA07
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB22
5F131EB24
5F131EB31
5F131EB42
5F131EB46
5F131EB81
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC52
5F131EC53
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
5F131EC77
5F131FA35
(57)【要約】
【課題】切欠部周辺から不純物が入り込み難くすることができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供すること。
【解決手段】被着体WKの一方のWK1の外縁部と他方の面WK2の外縁部と外周面WK3とに接着シートASを貼付する貼付手段20を備えたシート貼付装置EAにおいて、被着体WKの外周面WK3には、一方の面WK1から他方の面WK2へ抜ける切欠VNが形成されており、被着体WKに貼付された接着シートASの接着面ASSを切欠VNの形成部で相互に接着させる相互接着手段30をさらに備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体の一方の面の外縁部と他方の面の外縁部と外周面とに接着シートを貼付する貼付手段を備えたシート貼付装置において、
前記被着体の前記外周面には、前記一方の面から前記他方の面へ抜ける切欠が形成されており、
前記被着体に貼付された前記接着シートの接着面を前記切欠の形成部で相互に接着させる相互接着手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記接着シートは、所定のエネルギーによって変形可能に設けられ、
前記貼付手段および前記相互接着手段のうち少なくとも一方は、前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記接着シートは、所定の供給方向に沿って供給され、
前記貼付手段は、前記接着シートの供給方向先端縁を前記切欠の形成部に位置させて当該接着シートを前記被着体に貼付することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
前記接着シートは、所定の供給方向に沿って供給され、
前記貼付手段は、前記接着シートの供給方向後端縁を前記切欠の形成部に位置させて当該接着シートを前記被着体に貼付することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項5】
被着体の一方の面の外縁部と他方の面の外縁部と外周面とに接着シートを貼付する貼付工程を実施するシート貼付方法において、
前記被着体の前記外周面には、前記一方の面から前記他方の面へ抜ける切欠が形成されており、
前記被着体に貼付された前記接着シートの接着面を前記切欠の形成部で相互に接着させる相互接着工程をさらに行うことを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼り付けシステム(シート貼付装置)では、ウェハW(被着体)の外周側面(外周面)に貼付された保護テープ(接着シート)は、被着体のノッチ(切欠部)周辺における被着体への接着面積が少なくなるため、当該被着体に各種の処理が施される次工程等において、当該切欠部周辺からめっき液やエッチング剤等の不純物が入り込み易くなり、接着シートで保護した被着体の保護領域が不純物で汚染されるという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、切欠部周辺から不純物が入り込み難くすることができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被着体に貼付された接着シートの接着面を切欠の位置で相互に接着させるので、切欠部周辺から不純物が入り込み難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
図2】(A)~(D)は、シート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。(E)~(H)は、シート貼付装置の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、図1(C)は、図1(A)のAA矢視図、図1(D)は、図1(A)のBB矢視図。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、接着シートASを所定の供給方向SDに沿って供給する供給工程を実施する供給手段10と、被着体WKの一方の面WK1の外縁部と他方の面WK2の外縁部と外周面WK3とに接着シートASを貼付する貼付工程を実施する貼付手段20と、被着体WKに貼付された接着シートASの接着面ASSを切欠としてのVノッチVNの形成部で相互に接着させる相互接着工程を実施する相互接着手段30とを備え、被着体WKとシート貼付装置EAとを相対移動させる移動工程を実施する移動手段40と、被着体WKに設けられたVノッチVNを検知する切欠検知手段50との近傍に配置されている。
なお、本実施形態の接着シートは、所定のエネルギーとしての熱によって変形するものが採用されている。
また、本実施形態の被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用され、当該被着体WKの外周面WK3には、一方の面WK1から他方の面WK2へ抜けるVノッチVNが形成されている。
【0011】
供給手段10は、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、接着シートASが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与する張力付与手段17とを備えている。
張力付与手段17は、トルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ17Aと、その図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ17Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ17Cとを備えている。
【0012】
貼付手段20は、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第1押圧ローラ21と、接着シートASに所定のエネルギーである熱としての熱風HAを付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段であって、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の図示しない加熱機器で加熱した熱風HAを吹き付ける熱風送風機22と、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第2押圧ローラ23、第3押圧ローラ24とを備え、接着シートASの供給方向先端縁ASAをVノッチVNの形成部に位置させて当該接着シートASを被着体WKに貼付するようになっている(図2(A)、(B)参照)。
なお、本実施形態の第1押圧ローラ21は、図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、供給手段10から供給された接着シートASを当該被着体WKの外周面WK3に押圧可能な位置に配置されている。
また、熱風送風機22は、図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKの外周面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHに熱風HAを吹き付け可能な位置に配置されている(図1(C)参照)。
さらに、第2、第3押圧ローラ23、24は、図1(D)、(E)に示すように、それぞれ上下一対とされ、図1(A)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKの外周面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHを、それぞれ一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折り曲げ可能な位置に配設されている。本実施形態では、第2、第3押圧ローラ23、24は、Z軸に対してそれぞれ45度、90度基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっている。
【0013】
相互接着手段30は、加圧ポンプやタービン等の送気手段31と、送気手段31から送られてきた大気や単体ガス等の気体AR(図2(D)参照)を吹き付けるノズル32を備えている。
ノズル32は、それぞれ上下一対とされ、図1(A)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKに貼付された接着シートASに上下から気体ARを吹き付け可能な位置に配設されている。
【0014】
移動手段40は、駆動機器としてのリニアモータ41と、そのスライダ41Aに支持された駆動機器としての回動モータ42と、その出力軸42Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面43Aを有する支持テーブル43とを備えている。
なお、本実施形態の支持テーブル43は、回動モータ42によってテーブル中心43Cを中心に回転する構成となっている。
【0015】
切欠検知手段50は、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等で構成された検知機器51を備えている。検知機器51は、VノッチVNを検知した位置を回動モータ42から出力されるパルス信号に紐づけ、当該VノッチVNの位置を検知したり記憶したりするようになっている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、原反RSを繰り出して図1(A)に示すように、先頭の接着シートASの供給方向先端部ASFが、剥離板14の剥離縁14Aによって折り返された剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。
【0017】
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心43Cと重なるように、被着体WKを支持面43A上に載置すると、移動手段40が図示しない減圧手段を駆動し、当該支持面43Aでの吸着保持を開始する。この際、被着体WKは、外周面WK3が検知機器51の検知領域に位置する。その後、移動手段40および切欠検知手段50が回動モータ42および検知機器51を駆動し、上方から見下ろした上面視で被着体WKを反時計回転方向RDに回転させ、検知機器51にVノッチVNの位置を記憶させる。次に、移動手段40が検知機器51の記憶を基にして、図1(A)中二点鎖線で示すように、VノッチVNの形成位置の中央部から接着シートASの貼付が開始されるように、被着体WKの位置決めをして回動モータ42の駆動を停止する。
【0018】
そして、移動手段40がリニアモータ41を駆動し、支持テーブル43を左方へ移動させ、図1(A)中二点鎖線で示すように、テーブル中心43C(被着体中心WKC)が基準位置RPと一致すると、リニアモータ41の駆動を停止する。次いで、供給手段10および移動手段40が回動モータモータ15A、17A、42を駆動し、上方から見下ろした上面視で被着体WKを反時計回転方向RDに回転させつつ接着シートASを供給するとともに、貼付手段20が熱風送風機22を駆動し、被着体WKに向けて熱風HAを吹き付ける。これにより、接着シートASが剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから剥離され、当該離シートRLから剥離された接着シートASは、図1(A)中二点鎖線および図1(B)に示すように、はみ出し領域ASHが形成された状態で、第1押圧ローラ21によって被着体WKの外周面WK3に押圧されて貼付される。その後、外周面WK3に貼付された接着シートASが熱風送風機22の熱風送風領域を通過すると、当該接着シートASに熱風HAが吹き付けられ、はみ出し領域ASHが熱風HAによって変形し、図1(C)に示すように、被着体WKの一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折れ曲がっていく。その後も回動モータモータ15A、17A、42の駆動および熱風送風機22の駆動が続行されると、接着シートASは、図1(D)、(E)、図2(A)に示すように、第2、第3押圧ローラ23、24によってはみ出し領域ASHが段階的に折り曲げられ、被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付されていく。
【0019】
次に、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの供給方向先端部ASFが、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止し、接着シートASの供給を停止する。そして、先頭の接着シートASの供給方向後端部ASRのはみ出し領域ASHが、熱風送風機22の熱風送風領域を通過すると、貼付手段20が熱風送風機22の駆動を停止し、同供給方向後端部ASRのはみ出し領域ASHが、第3押圧ローラ24によって被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付されると、図2(B)に示すように、被着体WKの一方の面WK1の外縁部と他方の面WK2の外縁部と外周面WK3とに接着シートASが貼付された一体物UPが形成される。次いで、移動手段40が検知機器51の記憶を基にして、図2(B)中二点鎖線および、図2(C)に示すように、VノッチVNがノズル32の気体吹き付け位置に到達すると、移動手段40が回動モータ42の駆動を停止する。
【0020】
その後、相互接着手段30が送気手段31を駆動し、図2(D)に示すように、被着体WKに貼付された接着シートASに各ノズル32から気体ARを吹き付け、VノッチVNの形成部で接着シートASの接着面ASSを相互に接着させる。次に、接着シートASの接着面ASSの相互接着が完了すると、相互接着手段30が送気手段31の駆動を停止した後、移動手段40がリニアモータ41を駆動し、支持テーブル43を初期位置に復帰させ、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面43Aでの吸着保持を解除する。そして、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを支持面43A上から取り去り、当該一体物UPを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、被着体WKに貼付された接着シートASの接着面ASSをVノッチVNの形成部で相互に接着させるので、VノッチVN周辺から不純物が入り込み難くすることができる。
【0022】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、貼付手段は、被着体の一方の面の外縁部と他方の面の外縁部と外周面とに接着シートを貼付可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0023】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートASが仮着された原反RSから当該帯状の接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、被着体WKに貼付した接着シートASを所定の長さに切断する切断手段を備えていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、他の装置や使用者が接着シートASを供給すればよい。
【0024】
貼付手段20は、図2(E)に示すように、接着シートの供給方向先端縁ASAおよび供給方向端縁ASBをVノッチVNの形成部に位置させて当該接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、接着シートの供給方向先端縁ASAをVノッチVNの形成部に位置させることなく、供給方向後端縁ASBをVノッチVNの形成部に位置させて当該接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし(不図示)、図2(F)、(G)に示すように、接着シートの供給方向先端縁ASAおよび供給方向後端縁ASBをVノッチVNの形成部に位置させることなく、当該接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、VノッチVNの形成部以外の位置で、接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとが重なり合うようにして当該接着シートASを被着体WKに貼付したり、接着シートASの供給方向先端縁ASAと、供給方向後端縁ASBとが接触するように突き合わせ、当該接着シートASを被着体WKに貼付したり、接着シートASの供給方向先端縁ASAと、供給方向後端縁ASBとの間に隙間ができるように突き合わせ、当該接着シートASを被着体WKに貼付したりしてもよいし、VノッチVN全体を覆うようにして接着シートASを被着体WKに貼付したり、VノッチVNの一部が表出するようにして接着シートASを被着体WKに貼付したりしてもよいし、第2、第3押圧ローラ23、24が、Z軸に対してそれぞれ60度、89度といった角度で基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっていてもよいし、はみ出し領域が形成されるように接着シートASを一方の面WK1に貼付した後、当該はみ出し領域を外周面WK3方向に折り曲げて当該はみ出し領域を外周面WK3に貼付し、さらに、当該はみ出し領域を他方の面WK2方向に折り曲げて当該はみ出し領域を他方の面WK2に貼付してもよいし、前記実施形態では、第1、第2、第3押圧ローラ21、23、24の3体の押圧部材を採用し、接着シートASを3段階で被着体WKに貼付したが、4体以上の押圧部材を採用し、接着シートASを4段階以上で被着体WKに貼付したり、2体以下の押圧部材を採用し、接着シートASを2段階以下で被着体WKに貼付したりしてもよいし、押圧部材として第1、第2、第3押圧ローラ21、23、24に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルトまたはエアの吹付け等を採用し、接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、接着シートASを所定の長さに切断する切断手段を備えていてもよいし、例えば、第1押圧ローラ21の代わりに、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持部材を採用し、この保持部材で保持した接着シートASを一方の面WK1に貼付する構成としてもよいし、押圧部材およびエネルギー付与手段のうち少なくとも一方のみで、一方の面WK1の外縁部と他方の面WK2の外縁部と外周面WK3とに接着シートASを貼付してもよい。
貼付手段20に採用されるエネルギー付与手段は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートを変形させることができるものであればどのようなエネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の位置に設けられていてもよく、外周面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHに所定のエネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよいし、第2、第3押圧ローラ23、24や他の押圧部材等を介さずに、はみ出し領域ASHを被着体WKの一方の面WK1や他方の面WK2方向に折り曲げて貼付してもよいし、はみ出し領域ASHに一括で所定のエネルギーを付与することで、当該はみ出し領域ASHを一括で一方の面WK1や他方の面WK2方向に折り曲げて貼付してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0025】
相互接着手段30は、例えば、被着体WKの一方の面WK1側(他方の面WK2側)のみにノズル32が配置され、被着体WKの他方の面WK2側(一方の面WK1側)に受け板や受けローラ等の受け部材が配置されていてもよいし、駆動機器としてのチャックシリンダを用い、当該チャックシリンダの出力部で被着体WKに貼付された接着シートASを把持し、当該接着シートASの接着面ASSをVノッチVNの形成部で相互に接着させる構成としてもよいし、接着シートASに所定のエネルギーである熱としての熱風を付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段として熱風送風機22と同等のものを、送気手段31に代えて採用し、例えば、ノズル32から噴き出される気体ARを熱風にすることで、VノッチVNの形成部での接着面ASSの相互接着を容易に行えるようにしてもよいし、図2(H)に示すように、駆動機器としての直動モータ33と、その出力軸33Aに支持された押圧部材34とで構成され、被着体WKに貼付された接着シートASの接着面ASSをVノッチVNの形成部で相互に接着させる構成でもよい。この場合、押圧部材34の内部または外部に、接着シートASに所定のエネルギーとしての熱を付与するエネルギー付与手段が備わっていてもよい。この場合、例えば、押圧部材34の内部にエネルギー付与手段を配置してもよい。相互接着手段30に採用されるエネルギー付与手段も、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートを変形させることができるものであればどのようなエネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の位置に設けられていてもよく、VノッチVNの形成部での接着面ASSの相互接着を行う際に、当該相互接着部分に所定のエネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよい。
【0026】
移送手段40は、保持面43Aでの吸着保持ができない支持テーブル43が採用されてもよいし、リニアモータ41、回動モータ42および支持テーブル43に代えてまたは併用して、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、被着体WKを移動させてもよいし、被着体WKに接着シートASを貼付する際、当該被着体WKを支持テーブル43とで挟み込む押え手段を備えていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0027】
切欠検知手段50は、例えば、テーブル中心43C(被着体中心WKC)が基準位置RPと一致した状態で、VノッチVNを検知できる位置やその他の位置に設けられていてもよいし、被着体WKを一括で撮像したり一括でセンシングしたりしてVノッチVNを検知してもよいし、VノッチVNを検知した情報を、シート貼付装置EAを構成する各手段や移動手段40または他の装置等の他の手段に出力し、当該他の手段でVノッチVNの位置を記憶するようにしてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに切欠検知手段50が備わっていない場合、例えば、被着体WKに設けられた切欠が所定の位置となるようにして、当該被着体WKを支持面43A上に載置すればよい。
【0028】
シート貼付装置EAは、1つまたは複数の被着体WKに1枚の接着シートASを貼付したり、1つまたは複数の被着体WKに複数の接着シートASを貼付したりしてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材を配置したり貼付したりして、接着シートASで当該被着体WKと支持部材とを一体化させてもよいし、貼付手段20によって接着シートASに付与する所定のエネルギーと、相互接着手段30によって接着シートASに付与する所定のエネルギーは、同種のエネルギーでもよいし、異種のエネルギーでもよい。
シート貼付装置EAは、接着シートASが弾性変形が可能なものとされた場合、張力付与手段17によって、駆動ローラ17Cを介して接着シートASから加わるトルクを検知して、当該トルクが常に所定の値となるようにしながら接着シートASを供給することで、内在する弾性復元力によってはみ出し領域ASHを一方の面WK1方向および他の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢としてもよい。なお、弾性復元力によって折れ曲がり姿勢となったはみ出し領域ASHは、押圧部材およびエネルギー付与手段のうち少なくとも一方を介して、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよいし、押圧部材およびエネルギー付与手段の両方を介さずに、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよい。
張力付与手段17は、原反RSや接着シートASを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与したり、トルク制御ができない回動モータ17Aが採用されたりしてもよいし、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する所定の張力を使用者が任意に決定することができるし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
なお、上記の実施形態では、張力付与手段17を供給手段10の構成物として説明したが、当該張力付与手段17は、供給手段10の構成物ではなく独立した構成されてもよく、例えば、剥離板14と第1押圧ローラ21との間に位置し、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与してもよい。
次工程は、被着体WKや接着シートASを対象としためっき工程、エッチング工程、浸漬工程、切断工程、研削工程、研磨工程、塗装工程、積層工程、シート接着工程、表面処理工程、穴あけ工程、曲げ工程、検査工程、検証工程、照射工程等、どのような工程でもよい。
【0029】
接着シートASは、所定のエネルギーによって変形しないものでもよいし、所定のエネルギーによって変形するものである場合、収縮を伴って変形したり、膨張を伴って変形したり、収縮も膨張も伴うことなく変形したりするものでもよい。
被着体WKは、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、環状または非環状の凸部が形成されていてもよいし、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材が取り付けられていてもよいし、一方の面WK1および他方の面WK2が外周面WK3に隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。
切欠は、VノッチVN以外に、例えば、コ字状、U字状等、どのような形状の切欠でもよい。
【0030】
本発明における接着シートAS、支持部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、支持部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASや他の接着シートは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0031】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0032】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート貼付装置
20…貼付手段
22…熱風送風機(エネルギー付与手段)
30…相互接着手段
AS…接着シート
ASA…供給方向先端縁
ASB…供給方向先後縁
ASS…接着面
HA…熱風(所定のエネルギー)
SD…供給方向
VN…Vノッチ(切欠)
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面
WK3…外周面
図1
図2