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  • 特開-形状計測装置および形状計測方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029719
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】形状計測装置および形状計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20240228BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G01B11/26 Z
G01B11/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132139
(22)【出願日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135254
【氏名又は名称】株式会社ニレコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002653
【氏名又は名称】弁理士法人アズテックIP
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸一
(72)【発明者】
【氏名】月崎 雄
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA31
2F065AA53
2F065BB01
2F065DD03
2F065FF09
2F065FF10
2F065FF11
2F065GG04
2F065GG24
2F065HH04
2F065JJ01
2F065LL67
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ28
2F065UU06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被検査物の3次元的な傾きを計測する機能を備えた同軸光学系の形状計測装置および形状計測方法を提供する。
【解決手段】形状計測装置1は、被検査物5の測定面に対して光線を照射する照射手段と、被検査物5に照射された該光線の反射光を検出する検出手段と、被検査物5の複数の走査点で検出した該反射光に基づいて、照射手段から被検査物までの距離を算出し、被検査物5の形状を特定する算出手段を備え、照射手段は、第1,第2,第3の照射部からなり、光線は、第1,第2,第3それぞれの照射部からそれぞれ放出される第1,第2,第3の光線6a,光線6b,光線6cからなり、各光線は互いに平行であり、光線6aと光線6bを含む平面は、光線6aと光線6cを含む平面に対して垂直であり、検出手段は、第1の光線6aを検出する第1の検出部、第2の光線6bを検出する第2の検出部および第3の光線6cを検出する第3の検出部からなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の測定面に対して光線を照射する照射手段と、
前記被検査物に照射された該光線の反射光を検出する検出手段と、
前記被検査物の複数の走査点で検出した該反射光に基づいて、前記照射手段から前記被検査物までの距離を算出し、前記被検査物の形状を特定する算出手段を備える形状計測装置において、
前記照射手段は、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部からなり、
前記光線は、前記第1の照射部から放出される第1の光線、前記第2の照射部から放出される第2の光線および前記第3の照射部から放出される第3の光線からなり、
前記第1の光線、前記第2の光線および前記第3の光線は互いに平行であり、
前記第1の光線と前記第2の光線を含む平面は、前記第1の光線と前記第3の光線を含む平面に対して垂直であり、
前記検出手段は、前記第1の光線を検出する第1の検出部、前記第2の光線を検出する第2の検出部および前記第3の光線を検出する第3の検出部からなる
ことを特徴とする形状計測装置。
【請求項2】
前記被検査物の測定面は、平面又は曲面であることを特徴とする請求項1に記載の形状計測装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記第1の検出部において検出された第1の距離、前記第2の検出部において検出された第2の距離および前記第3の検出部において検出された第3の距離に基づいて、前記被検査物の測定面の傾きを算出することを特徴とする請求項1または2に記載の形状計測装置。
【請求項4】
被検査物の測定面に対して光線を照射する照射ステップと、
前記被検査物に照射された該光線の反射光を検出する検出ステップと、
前記被検査物の複数の走査点で検出した該反射光に基づいて、前記照射手段から前記被検査物までの距離を算出し、前記被検査物の形状を特定する算出ステップを備える形状計測装置において、
前記照射ステップは、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部からなり、
前記光線は、前記第1の照射部から放出される第1の光線、前記第2の照射部から放出される第2の光線および前記第3の照射部から放出される第3の光線からなり、
前記第1の光線、前記第2の光線および前記第3の光線は互いに平行であり、
前記第1の光線と前記第2の光線を含む平面は、前記第1の光線と前記第3の光線を含む平面に対して垂直であり、
前記検出ステップは、前記第1の光線を検出する第1の検出部、前記第2の光線を検出する第2の検出部および前記第3の光線を検出する第3の検出部からなる
ことを特徴とする形状計測方法。
【請求項5】
前記被検査物の測定面は、平面又は曲面であることを特徴とする請求項4に記載の形状計測方法。
【請求項6】
前記算出ステップは、前記第1の検出部において検出された第1の距離、前記第2の検出部において検出された第2の距離および前記第3の検出部において検出された第3の距離に基づいて、前記被検査物の測定面の傾きを算出することを特徴とする請求項4または5に記載の形状計測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的手段によって被検査物の傾きを測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的手段の使用によって光学機器から被検査物までの距離を測定する技術は、従来から開示されている。単純には、光学機器から照射される光の反射光が最も強く検出されるときに、光が被検査物に垂直に照射されているといえる。しかしながら、被検査物の照射面が粗面である場合は、測定誤差が生じ、被検査物の照射面が鏡面である場合は、傾きが許容値を超えると測定できないことになり、複雑な角度補正が必要である。
【0003】
被検査物の傾きの角度を算出する場合は、三角法を利用することができる。被検査物の測定対象面が平面であるものとして、その測定対象面の2点までの距離を計測すれば、測定対象面の2次元的な傾きを算出することができる。例えばレーザー測長機であれば、測長機をスライドして被検査物との距離を2点で測り、被検査物の傾きを計測する。
【0004】
特許文献1は、圧延材の通板領域の両側に一対のみ設置されたレーザー距離計により、圧延材の測定板幅と斜行角度とを同時測定することで、斜行角度を補正しながら真の板幅を高精度に測定することができる圧延材の板幅測定装置及び板幅測定方法を提供するものであり、1つの光源から3点スポット光を照射して、二次元検出器によって検出された反射光による画像を用いて、被検査物である圧延材の傾きを三角法から算出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-280919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の測定は、圧延材に3点スポット光が一直線上に並ぶように照射することによって行われる。しかしながら、特許文献1の測定方法では、一直線上の3点スポット光が並んだ直線方向を軸とした回転による傾き、いわゆるあおり方向の傾きを計測することは困難である。また、照射部と検出部が分離しているので装置自体が大型化する。
【0007】
本発明は、被検査物の3次元的な傾きを計測する機能を備えた同軸光学系の形状計測装置および形状計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の形状計測装置は、被検査物の測定面に対して光線を照射する照射手段と、前記被検査物に照射された該光線の反射光を検出する検出手段と、前記被検査物の複数の走査点で検出した該反射光に基づいて、前記照射手段から前記被検査物までの距離を算出し、前記被検査物の形状を特定する算出手段を備える形状計測装置において、前記照射手段は、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部からなり、前記光線は、前記第1の照射部から放出される第1の光線、前記第2の照射部から放出される第2の光線および前記第3の照射部から放出される第3の光線からなり、前記第1の光線、前記第2の光線および前記第3の光線は互いに平行であり、前記第1の光線と前記第2の光線を含む平面は、前記第1の光線と前記第3の光線を含む平面に対して垂直であり、前記検出手段は、前記第1の光線を検出する第1の検出部、前記第2の光線を検出する第2の検出部および前記第3の光線を検出する第3の検出部からなることを特徴とする。
【0009】
また、前記被検査物の測定面は、平面又は曲面であることを特徴とする。
【0010】
また、前記算出手段は、前記第1の検出部において検出された第1の距離、前記第2の検出部において検出された第2の距離および前記第3の検出部において検出された第3の距離に基づいて、前記被検査物の測定面の傾きを算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の形状計測方法は、被検査物の測定面に対して光線を照射する照射ステップと、前記被検査物に照射された該光線の反射光を検出する検出ステップと、前記被検査物の複数の走査点で検出した該反射光に基づいて、前記照射手段から前記被検査物までの距離を算出し、前記被検査物の形状を特定する算出ステップを備える形状計測装置において、前記照射ステップは、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部からなり、前記光線は、前記第1の照射部から放出される第1の光線、前記第2の照射部から放出される第2の光線および前記第3の照射部から放出される第3の光線からなり、前記第1の光線、前記第2の光線および前記第3の光線は互いに平行であり、前記第1の光線と前記第2の光線を含む平面は、前記第1の光線と前記第3の光線を含む平面に対して垂直であり、前記検出ステップは、前記第1の光線を検出する第1の検出部、前記第2の光線を検出する第2の検出部および前記第3の光線を検出する第3の検出部からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記被検査物の測定面は、平面又は曲面であることを特徴とする。
【0013】
また、前記算出ステップは、前記第1の検出部において検出された第1の距離、前記第2の検出部において検出された第2の距離および前記第3の検出部において検出された第3の距離に基づいて、前記被検査物の測定面の傾きを算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の形状計測装置および形状計測方法は、被検査物の3点を測定するため、光線をミラーで屈曲させることが可能であり、照射部4及び検出部を小型化することができる。また、被検査物の測定面の形状が平面であっても曲面であっても傾きを検出可能である。本発明の構成は同軸測量方式のレーザー距離計による測定に好適であるが、ミラーのサイズと配置を適宜選択して三角測量方式等の測定方式とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の形状計測装置の全体のブロック図である。
図2】本発明の形状計測装置の光線の照射を2方向から見たブロック図である。
図3】本発明の形状計測装置の照射部から見た被検査物の照射位置を表す図である。
図4】本発明の形状計測装置の被検査物が円筒状である場合に、光線の照射を2方向から見たブロック図である。
図5】本発明の形状計測装置の全体図である。
図6】本発明の形状計測方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0016】
図1は、本発明の形状計測装置1の全体のブロック図である。本発明の形状計測装置1は、制御部2、光源部3、照射部4および検出部を備える。検出部は図示を省略する。制御部2は、コンピュータおよび記憶装置などから構成される。記憶装置には測定対象となる被検査物5の位置情報を含む測定情報が格納される。コンピュータは測定情報に従って照射部4と被検査物5の初期配置を定め、光源部3で生成した光線6を照射部4から放出させ、検出部に入光した被検査物5からの反射光を記憶装置に記録する。
【0017】
光源部3では、3条のレーザー光が生成される。また、照射部4は照射手段を備え、各レーザー光は照射部4から同軸で放出される。具体的には、照射部4は、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部からなる。各レーザー光は光線6として被検査物5の測定面に対して照射される。
【0018】
図2は3条の光線6の照射を2方向から見たブロック図である。光線6は、第1の照射部から放出される第1の光線6a、第2の照射部から放出される第2の光線6bおよび前記第3の照射部から放出される第3の光線6cからなる。以下、光線6の照射方向をx軸、x軸に直交しx軸から第2の光線6bの方向をy軸、x軸およびy軸に直交しx軸から第3の光線6cの方向をz軸とする。図2(a)は、照射部4をz軸方向から見た図であり、第1の光線6aおよび第2の光線6bが被検査物5に平行に照射されている。また、図2(b)は、照射部4をy軸方向から見た図であり、第1の光線6aおよび第3の光線6cが被検査物5に平行に照射されている。ここで、第1の光線6a、第2の光線6bおよび第3の光線6cは互いに平行であって、第1の光線6aと第2の光線6bを含む平面は、第1の光線6aと第3の光線6cを含む平面に対して垂直である。
【0019】
図3は、照射部4から見た被検査物5の照射位置を表す図である。5aは第1の光線6aが当たる第1の照射部位、5bは第2の光線6bが当たる第2の照射部位、5cは第3の光線6cが当たる第3の照射部位である。第2の照射部位5b、第1の照射部位5aおよび第3の照射部位5cはx軸方向から見たときに直角をなす。
【0020】
ここで、本発明の形状計測装置1の検出部は、第1の照射部と同軸に配置される第1の検出部、第2の照射部と同軸に配置される第2の検出部および第3の照射部と同軸に配置される第3の検出部からなり、被検査物5に照射された第1の光線6a、第2の光線6bおよび第3の光線6cの各反射光を検出する検出手段を備える。具体的には、検出手段は、第1の光線6aを検出する第1の検出部、第2の光線6bを検出する第2の検出部および第3の光線6cを検出する第3の検出部からなる。第1の検出部、第2の検出部および第3の検出部の配置は、検出方法による。第1の検出部、第2の検出部および第3の検出部を、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部と同軸に配置して同軸測量としてもよいし、三角測量、ToF方式、マルチカラー共焦点方式等の距離計測が可能なセンサを配置してもよい。
【0021】
また、本発明の形状計測装置1は、照射部4から各照射部位までの距離l、mおよびnを同時に算出する算出手段を備える。ここで、第1の距離lは第1の照射部から第1の照射部位5aまでの距離、第2の距離mは第2の照射部から第2の照射部位5bまでの距離、第3の距離nは第3の照射部から第3の照射部位5cまでの距離を表す。距離は、検出部の配置が同軸測量またはToF方式であれば、反射光と参照光の周波数差に基づいて時間を計測して算出し、三角測量またはマルチカラー共焦点方式であれば検出部の位置で距離を算出する。
【0022】
さらに、本発明の形状計測装置1は、第1の検出部において検出された第1の距離l、第2の検出部において検出された第2の距離mおよび第3の検出部において検出された第3の距離nに基づいて、被検査物5の測定面の傾きを算出する算出手段を備える。具体的には、被検査物5のy軸に対する角度θは、第1の光線6aと第2の光線6bの間隔sおよび、第1の距離lと第2の距離mの差から逆正接を算出して求めることができる(下式1)。同様に、被検査物5のz軸に対する角度φは、第1の光線6aと第3の光線6cの間隔tおよび、第1の距離lと第3の距離nの差から逆正接を算出して求めることができる(下式2)。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】
本発明の形状計測装置1は、算出した角度θおよびφを基準としながら、他の走査点について第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nを計測し、角度θおよびφを用いて補正しながら基準点と他の走査点との傾きの差を算出することができる。
【0026】
本発明の形状計測装置1は、測定面が平面である場合のみならず、曲面状であっても傾きを算出することができる。図4は、3つの光線6の照射を2方向から見たブロック図である。また、図4(a)は、照射部4をz軸方向から見た図であり、図4(b)は、照射部4をy軸方向から見た図である。即ち、断面が正円である円筒状の被検査物7の測定面に対し、第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nが全て等しくなれば、光線6が測定面に対して垂直に照射されているといえる。
【0027】
図4は円筒状の被検査物7の内部から照射した状態を表しているが、円筒状の被検査物7の外部からの照射でも同様である。第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nが全て等しくなった状態を傾きが0である基準点とし、被検査物7を円筒の中心軸として回転させたり、被検査物7または照射部4を円筒の中心軸に沿って移動させたりして、基準点と他の走査点との傾きの差を測定することができる。
【0028】
図5(a)は本発明の形状計測装置1の斜視図である。また、図5(b)は形状計測装置1の概略断面図であり、図5(c)は形状計測装置1の使用状態を表す斜視図である。形状計測装置1は基台部11、筒部12、先端部13、および支持部14に大別される。
【0029】
図5の形状計測装置1は一例であり、基台部11、筒部12等は他の構成であっても良い。本例では、筒部12には光ファイバー12aが接続され、照射器12bから発出した光線6が筒部12を通過し、先端部13に取り付けられたミラー13aで屈曲し、被検査物7の測定面を照射する。図5(c)に示す例は、被検査物7の内面に光線6が照射され、支持部14が被検査物7の上面7aに載置されるが、支持部14が被検査物7の底面を支える配置でもよい。また、筒部12は、制御部2によって、回動や昇降といった動作が可能となっていてもよい。筒部12の回動や昇降によって、被検査物7の広範な走査点に光線6が照射される。
【0030】
図6は、本発明の形状計測方法のフロー図である。まず、制御部2は照射部4と被検査物5の初期配置を定め(ステップ1)、被検査物5の測定面に対して光線6を照射し(ステップ2)、被検査物5に照射された光線6の反射光を検出し(ステップ3)、照射部4から被検査物5までの距離を算出する(ステップ4)。
【0031】
ステップ2においては、第1の照射部、第2の照射部および第3の照射部から光線6を照射し、ステップ3においては、第1の検出部、第2の検出部および第3の検出部が、第1の光線6a、第2の光線6bおよび第3の光線6cの反射光を検出し、ステップ4においては、第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nを算出することは、先述の本発明の形状計測装置1における説明の通りである。このとき、第1の光線6a、第2の光線6bおよび第3の光線6cは互いに平行であり、第1の光線6aと第2の光線6bを含む平面は、第1の光線6aと第3の光線6cを含む平面に対して垂直であることも、先述の本発明の形状計測装置1における説明の通りである。
【0032】
また、ステップ4において、第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nに基づいて、前記被検査物の測定面の傾きを算出することも先述の本発明の形状計測装置1における説明の通りである。
【0033】
所定の走査点において計測を繰り返し、全ての走査点を計測した場合は終了となる(ステップ5)。他の走査点がある場合は、計測のために制御部2が照射部4を移動させることができる(ステップ6)。本発明の形状計測方法においては、初期配置において算出した角度θおよびφを基準とし、他の走査点について第1の距離l、第2の距離mおよび第3の距離nを計測し、角度θおよびφを用いて補正しながら基準点と他の走査点との傾きの差を算出することができることも、先述の本発明の形状計測装置1における説明の通りである。
【0034】
本発明の形状計測装置1および形状計測方法は、同軸で3点を測定するレーザー距離計であれば光線をミラーで屈曲させることが可能であり、照射部4及び検出部を小型化することができ、小型の筒状の内寸の測定に好適である。
【0035】
本発明の形状計測装置1および形状計測方法に用いる光源部3は、照射部4が対応する様々なレーザー光を利用することができる。例えば、マルチカラー共焦点方式やホログラフィ方式などの同軸測量に使用されるレーザー光源が使用できる。ただし、照射器や折り返しミラーが大きくなることを許容できるのであれば三角測量センサやToFなどの既存レーザー距離計を使用することも可能である。
【0036】
本発明の形状計測装置1および形状計測方法に対応する測定面の形状は、例示した平面状、曲面状に適しており、特に円筒状であって、測定者が入れない内径の筒状の物体の内側の測定に好適である。
【符号の説明】
【0037】
1: 形状計測装置
2: 制御部
3: 光源部
4: 照射部
5: 被検査物
6: 光線
7: 被検査物
11:基台部
12:筒部
13:先端部
14:支持部

図1
図2
図3
図4
図5
図6