(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002975
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】個片化された基板の位置合わせ
(51)【国際特許分類】
B41F 15/26 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
B41F15/26 A
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023102649
(22)【出願日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】2209248.0
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】514153171
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・エスエムティー・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キース・マイケル・ハンスフォード
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・スチュアート・ペイプ
【テーマコード(参考)】
2C035
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FA25
2C035FD01
(57)【要約】
【課題】支持タワーツーリングシステムを使用して、ワークピースが印刷機械内に配置されている間であって、印刷動作を実施する前に、個片化されたワークピースを、パターン付けされた印刷スクリーンの開口パターンに位置合わせする装置および方法を提供すること。
【解決手段】印刷動作中にワークピースを支持するためのツーリングは、ベースおよびヘッドを備える支持タワーであって、ヘッドが、使用時にベースの鉛直方向上方に配置され、ヘッドが、使用時にベースに対して水平面内で相対的に移動可能である、支持タワーを備え、ヘッドは、その上端に配置された第1および第2の支持面を有し、第1および第2の支持面のそれぞれは、それぞれのワークピースをその上に支持するように構成され、第1の支持面は、使用時に、第1の支持面と第2の支持面が水平面において実質的に同一平面である印刷構成と、第1の支持面と第2の支持面が鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成との間で、第2の支持面に対して鉛直方向に相対的に移動可能である。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷動作中にワークピースを支持するためのツーリングであって、
ベースおよびヘッドを備える支持タワーであって、前記ヘッドが、使用時に前記ベースの鉛直方向上方に配置され、前記ヘッドが、使用時に前記ベースに対して水平面内で相対的に移動可能である、支持タワーを備え、
前記ヘッドが、その上端に配置された第1および第2の支持面を有し、前記第1および第2の支持面のそれぞれが、それぞれのワークピースをその上に支持するように構成され、
前記第1の支持面が、使用時に、前記第1の支持面と前記第2の支持面が前記水平面において実質的に同一平面である印刷構成と、前記第1の支持面と前記第2の支持面が鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成との間で、前記第2の支持面に対して前記鉛直方向に相対的に移動可能である、印刷動作中にワークピースを支持するためのツーリング。
【請求項2】
前記ヘッドが少なくとも1つの追加の支持面を備え、それぞれの印刷前構成において、前記第1および第2の支持面ならびに追加の各支持面がすべて前記鉛直方向に間隔を空けて配置される、請求項1に記載のツーリング。
【請求項3】
前記第1および第2の支持面、ならびに追加の各支持面が、前記ヘッドに直線状の配列で配置されている、請求項2に記載のツーリング。
【請求項4】
前記第1および第2の支持面、ならびに追加の各支持面が、前記ヘッドに2次元マトリクス配列で配置されている、請求項2に記載のツーリング。
【請求項5】
前記支持タワーが、前記ヘッドを前記ベースに対して前記水平面内で駆動するためのアクチュエータを備える、請求項1に記載のツーリング。
【請求項6】
前記アクチュエータが、前記ヘッドを前記水平面内の直交するXおよびY方向に駆動するとともに、前記ヘッドを鉛直軸の周りで回転させるように動作可能である、請求項5に記載のツーリング。
【請求項7】
前記第1の支持面が、前記印刷前構成の方へ弾力的に付勢される、請求項1に記載のツーリング。
【請求項8】
前記第1の支持面が、外部制限部材と当接するための突出部を備え、その結果、前記突出部が前記外部制限部材と当接すると、前記支持タワーの持ち上げ中に前記第1の支持面の持ち上げが防止される、請求項1に記載のツーリング。
【請求項9】
前記第1の支持面が、印刷構成と印刷前構成との間で駆動可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のツーリング。
【請求項10】
印刷機械内の印刷位置でワークピースを印刷するための印刷機械であって、
ワークピースを前記印刷機械内に、そして前記印刷位置に搬送し、次いで、印刷動作の完了後に、前記印刷機械から搬出するように構成された搬送システムと、
パターン付けされた印刷スクリーンを前記印刷位置の上方に保持するための印刷スクリーン支持部と、
前記印刷位置の下に配置されたツーリングテーブルであって、前記印刷位置に向かうようにおよび前記印刷位置から離れるように駆動可能なツーリングテーブルと、
前記ツーリングテーブルに取り付けられた請求項1に記載のツーリングと
を備える印刷機械。
【請求項11】
前記搬送システムが、キャリアを前記印刷機械内に、そして前記印刷位置に搬送し、次いで、印刷動作の完了後に、前記印刷機械から搬出するように構成され、前記キャリアが、複数のワークピースを支持するように構成されている、請求項10に記載の印刷機械。
【請求項12】
前記ツーリングテーブルを上方に駆動しているときに前記第1の支持面の鉛直位置を制限するために、前記第1の支持面と当接するように配置された制限部材を備える、請求項10に記載の印刷機械。
【請求項13】
前記制限部材が、少なくとも1つの開口を備える包囲板の少なくとも一部を含み、前記印刷位置にあるとき、前記少なくとも1つの開口がそれぞれのワークピースの上に重なる、請求項12に記載の印刷機械。
【請求項14】
前記制限部材が基準板の少なくとも一部を含む、請求項12に記載の印刷機械。
【請求項15】
前記印刷位置に搬送されたワークピースの向きを決定するためのカメラシステムを備える、請求項10に記載の印刷機械。
【請求項16】
前記カメラシステムが、使用時に前記搬送システムと前記印刷スクリーンとの間の鉛直高さに配置されるカメラを備える、請求項15に記載の印刷機械。
【請求項17】
前記カメラが、個々のワークピースの上にあってそれらを連続してスキャンするように前記水平面内で駆動可能である、請求項16に記載の印刷機械。
【請求項18】
印刷動作の前にワークピースを位置合わせする方法であって、
i)印刷機械内で、前記印刷機械内の印刷位置の下にツーリングを設けるステップであって、前記ツーリングが、その上端に配置された少なくとも第1および第2の支持面を有する少なくとも1つの支持タワーを備え、前記少なくとも第1および第2の支持面のそれぞれが、その上にそれぞれのワークピースを支持するように構成され、前記第1の支持面が前記第2の支持面よりも高い、ステップと、
ii)前記ワークピースが前記ツーリングのそれぞれの支持面の上に重なるように、前記ワークピースを前記印刷位置に搬送するステップと、
iii)前記第1の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合うように、前記支持タワーの前記上端を水平面内で移動させるステップと、
iv)前記第1の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと支持接触するように、前記ツーリングを持ち上げるステップと、
v)前記第2の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合うように、前記支持タワーの前記上端を前記水平面内で移動させるステップと、
vi)前記第2の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと支持接触するように前記ツーリングを持ち上げるステップと、
vii)それぞれの第1および第2の支持面に支持された前記ワークピースが前記印刷動作のために位置合わせされるように、前記支持タワーの前記上端を前記水平面内で移動させるステップと
を含む方法。
【請求項19】
viii)それぞれの第1および第2の支持面に支持された前記ワークピースが印刷高さまで持って行かれるように前記ツーリングを持ち上げるステップ
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記印刷位置における各ワークピースの前記水平面内の向きを決定するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記印刷位置におけるすべてのワークピースの前記水平面内の向きが、ステップiii)の前に決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
それぞれの第1の支持面の上にある第1のワークピースの前記水平面内の向きが、ステップiii)の前に決定され、それぞれの第2の支持面の上にある第2のワークピースの前記水平面内の向きが、ステップv)の前に決定される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツーリングと、印刷機械と、印刷動作前にワークピースを位置合わせする方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用スクリーン印刷機械は、典型的には、角度の付いたブレードまたはスキージを使用して、印刷スクリーン(フォイルまたはステンシルと呼ばれることもある)の開口のパターンを通してはんだペーストまたは導電性インクなどの導電性印刷媒体を塗布することによって、導電性印刷媒体を回路基板などの平面状のワークピース上に塗布する。パターンの領域がスクリーンの領域に対して比較的小さい場合、スクリーン内に2つ以上のパターンを含めることが可能であり、したがって、同じスクリーンを使用して基板の2つ以上の領域または2つ以上の基板を同時に印刷することができる。これに代えて、基板の2つ以上の領域または2つ以上の基板にそれぞれのスクリーンを使用して同時に印刷することを可能にするために、同じ印刷機械内に2つ以上の比較的小さなスクリーンが使用されてもよい。このような同時印刷は、順次印刷よりも明らかに効率的な場合があるが、これらの技術に関連する問題がある。
【0003】
i)基板の2つ以上の領域の印刷
上述したように、1回の印刷動作で、単一の基板またはパネルのそれぞれの領域上に複数のパターンまたはパターンの配列を印刷し、後で物理的に分離することができる複数のプリント回路基板(PCB:printed circuit boards)を製造することが可能である。この技法は概念的および技術的に簡単であり、複数の基板を有するパネルが印刷機械に装填され、正しく位置合わせされ、次いで、パネルのすべての基板が同時に印刷される。しかしながら、いかなる回路基板であっても、その基板の少なくとも一部に欠陥があり得、それが欠陥のあるPCBをもたらし得る危険性がある。この状況が
図1に概略的に示されており、ここでは、3つのパネル1、2、3が示されており、それぞれ、基板A~Dの4×1の配列を有している。最も左のパネル1には欠陥が全くないが、隣接するパネル2は欠陥のある基板2Aを有し、最も右のパネル3は欠陥のある基板3Bを有する。回路基板に欠陥がないかを予め検査し、1つの基板に欠陥が見つかった場合にパネル全体をはねることにするのは非効率的である。また、特定された欠陥のあると基板上にパターンを印刷し、印刷工程の後に分離された欠陥のある基板をはねるのも非効率的であり、問題がある。この問題に対する現在の1つの解決策は、印刷動作を開始する前に欠陥のある基板を特定し、パネルを類似の欠陥を有する別々のバッチに分類することであり、例えば、欠陥のない第1のバッチ、最も左の基板に欠陥のある第2のバッチ、左から2番目の基板に欠陥のある第3のバッチに分類することである。次いで、専用のそれぞれのスクリーンをそれぞれのバッチとともに使用することができる。例えば、第1のバッチには4つの開口パターンをすべて有するスクリーンが使用され、残りの各バッチには3つの開口パターンのみを有するスクリーンが使用される。ここで説明する4×1配列では、これにより、パネルの片面に印刷するために、1つのパネルにつき5つの異なるスクリーンを使用することになる。典型的には、各パネルは両面に印刷されるので、これにより、単一のパネルのタイプに対して、最適な2つ(すなわち、各面に1つ)ではなく、10個の異なる設定を使用することになる。加えて、第2のバッチから第5のバッチの印刷効率はわずか75%である。さらに、2つ以上の基板に欠陥がある場合は、追加の対策を講じなければならない。
【0004】
ii)2つ以上の基板の印刷
上記の問題に対する解決策は、印刷工程の前に個々の基板を予め分離する、または「個片化する」ことである。この場合、欠陥のある基板はすべて印刷前に特定されて直ちにはねることができ、その結果、欠陥のない基板のみが印刷される。この工程は比較的効率的ではあるが、複雑さが生じる。特に、同時印刷(または順次印刷)のために、個々の比較的小さな基板の支持および位置合わせの両方を行うことは困難である。
【0005】
これらの問題を克服するために、様々な手法が開発されてきた。例えば、特許文献1には、個々の基板がそれぞれ位置決めされる方法が記載されているが、これは、一度に1つの基板を順次印刷することしかできない。特許文献2には、各基板の位置が個々に検査され、各基板が再配置アームを用いて順次配置し直される方法が記載されている。この技法では、パネルのすべての基板を同時に印刷することができるが、追加装置(すなわち、配置アーム)が必要であり、また、アームをワークピース間で移動させるのに時間がかかる。特許文献3には、基準ウェビングを使用してすべての基板を同時に位置合わせした後、同時に印刷することができる代替の装置が記載されている。この解決策はうまく機能するが、入ってくる未印刷の基板が正しい位置から離れすぎて配置されている場合には適さない。
【0006】
多数の比較的小さなワークピース(一般に「個片化された」ワークピースと呼ばれる)を支持し、個々に位置合わせすることができるワークピース支持アセンブリが、特許文献4号に記載されている。
図2は、ここでは、個々の支持「タワー」5の2×4の配列を含む、このようなアセンブリ4の一例を概略的に示している。各タワー5の上には、印刷動作中にワークピース(図示せず)を支持することができる支持面6がある。さらに、各タワー5は、典型的には水平面内の直交する方向XおよびYに移動するように、また、いわゆるθ補正を行うために、典型的には鉛直方向に延在する直交するZ軸の周りで回転するように、個々に作動可能である。特許文献4に記載されているように、このような動きは、有利にも、各タワー内の平行運動作動システムを使用することによって提供することができる。もちろん、これより大きなまたは小さな寸法の他の配列は可能である。このシステムはASM社から「MASS」という名称で発表されており、非常に高速で正確な印刷解決策を提供する。MASS手法の拡張として、特許文献5には、このような装置を使用して、個々の支持タワーの間隔よりも狭い搬送方向のピッチで配置された複数の個片化された基板を印刷することができる方法が記載されている。さらに、MASS手法のさらなる拡張として、特許文献6には、このような装置を使用して、個々の支持タワーの間隔よりも狭い、搬送方向に直交するピッチで配置された複数の個片化された基板を印刷することができる方法が記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献5および特許文献6に記載された方法を用いても、個片化されたワークピースの配列の印刷可能なピッチには下限があるという問題が存在する。すなわち、単一の支持タワーの上部支持面の上に2つ以上のワークピースがあるほどワークピースまたはピッチが小さい場合、MASSシステムは適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第2484373(A)号
【特許文献2】特開第2009-248551号
【特許文献3】国際公開第2014/166956号
【特許文献4】欧州特許第3693168(A1)号
【特許文献5】英国特許第2596517(A)号
【特許文献6】英国特許出願第2117575.7号
【特許文献7】米国特許出願公開第2021/0070033(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、この問題を克服し、現在使用されているすべての個片化されたワークピースの配列とともに、MASSなどの支持タワーツーリングシステムを使用することを可能にしようとするものである。特に、このような支持タワーツーリングシステムを使用して、ワークピースが印刷機械内に配置されている間であって、印刷動作を実施する前に、個片化されたワークピースを、パターン付けされた印刷スクリーンの開口パターンと位置合わせするための装置および方法を提供することが本発明の目的である。したがって、本発明は、「JEDEC」トレイなどのすべての標準的なキャリアトレイに収められた個片化されたワークピースを、「MASSタイプ」のツーリングを使用して印刷することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この目的は、複数の支持面を有する各支持タワーを提供し、印刷前構成において、複数の支持面の各支持面が高さに差があるプロファイルで配置され、その結果、各支持タワーを持ち上げることによって個々のワークピースを下方から千鳥状に接触させ、個々に位置合わせすることができるようにすることによって達成される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、印刷動作中にワークピースを支持するためのツーリングが提供され、本ツーリングは、
ベースおよびヘッドを備える支持タワーであって、ヘッドが、使用時にベースの鉛直方向上方に配置され、ヘッドが、使用時にベースに対して水平面内で相対的に移動可能である、支持タワーを備え、
ヘッドは、その上端に配置された第1および第2の支持面を有し、第1および第2の支持面のそれぞれは、それぞれのワークピースをその上に支持するように構成され、
第1の支持面は、使用時に、第1の支持面と第2の支持面が水平面において実質的に同一平面である印刷構成と、第1の支持面と第2の支持面が鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成との間で、第2の支持面に対して鉛直方向に相対的に移動可能である。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、印刷機械内の印刷位置でワークピースを印刷するための印刷機械が提供され、本印刷機械は、
ワークピースを印刷機械内に、そして印刷位置に搬送し、次いで、印刷動作の完了後に、印刷機械から搬出するように構成された搬送システムと、
パターン付けされた印刷スクリーンを印刷位置の上方に保持するための印刷スクリーン支持部と、
印刷位置の下に配置されたツーリングテーブルであって、印刷位置に向かうようにおよび印刷位置から離れるように駆動可能なツーリングテーブルと、
ツーリングテーブルに取り付けられた第1の態様のツーリングと
を備える。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、印刷動作の前にワークピースを位置合わせする方法が提供され、本方法は、
i)印刷機械内で、印刷機械内の印刷位置の下にツーリングを設けるステップであって、ツーリングが、その上端に配置された少なくとも第1および第2の支持面を有する少なくとも1つの支持タワーを備え、少なくとも第1および第2の支持面のそれぞれが、その上にそれぞれのワークピースを支持するように構成され、第1の支持面が第2の支持面よりも高い、ステップと、
ii)ワークピースがツーリングのそれぞれの支持面の上に重なるように、ワークピースを印刷位置に搬送するステップと、
iii)第1の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合うように、支持タワーの上端を水平面内で移動させるステップと、
iv)第1の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースを支持接触するようにツーリングを持ち上げるステップと、
v)第2の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合うように、支持タワーの上端を水平面内で移動させるステップと、
vi)第2の支持面が、上にあるそれぞれのワークピースを支持接触するようにツーリングを持ち上げるステップと、
vii)それぞれの第1および第2の支持面に支持されたワークピースが印刷動作のために位置合わせされるように、支持タワーの上端を水平面内で移動させるステップと
を含む。
【0014】
本発明の他の特定の態様および特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0015】
次に、添付の図面(原寸に比例していない)を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】それぞれ4つの基板を保持する3つのパネルの概略図である。
【
図2】既知の複数タワー支持システムの概略図である。
【
図3A】本発明による位置合わせの方法を上から見た概略図である。
【
図3B】
図3Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図4A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図4B】
図4Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図5A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図5B】
図5Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図6A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図6B】
図6Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図7A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図7B】
図7Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図8A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図8B】
図8Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図9A】本発明による位置合わせ方法を上から見た概略図である。
【
図9B】
図9Aに対応する方法のステップの概略側面図である。
【
図10】印刷動作中の印刷装置の概略側面図である。
【
図11】
図10の印刷動作の後の印刷装置の概略側面図である。
【
図12A】本発明の別の実施形態によるツーリングを上から見た概略図である。
【
図12B】本発明の別の実施形態によるツーリングの概略側面図である。
【
図13】本発明のさらなる実施形態によるツーリングの概略斜視図である。
【
図14A】ワークピースを位置合わせするためのさらなる例示的な方法の一連のステップを上から見た概略図である。
【
図14B】ワークピースを位置合わせするためのさらなる例示的な方法の一連のステップを上から見た概略図である。
【
図14C】ワークピースを位置合わせするためのさらなる例示的な方法の一連のステップを上から見た概略図である。
【
図14D】ワークピースを位置合わせするためのさらなる例示的な方法の一連のステップを上から見た概略図である。
【
図14E】ワークピースを位置合わせするためのさらなる例示的な方法の一連のステップを上から見た概略図である。
【
図15】本発明のさらなる実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による位置合わせの方法を
図3Aから
図9Bに概略的に示す。
【0018】
図3A、
図3Bは、本方法の最初の段階を示しており、この段階では、印刷機械(28、
図4B参照)の外部にあるJEDECトレイなどのキャリア10が、印刷機械28の搬送システム(図示せず)によって印刷位置に搬送されようとしている。当技術分野においてよく知られているように、このような搬送システムは、典型的には、キャリア10が直接載ることができるいくつかのコンベヤ(図示せず)を備えることができ、コンベヤは、水平面内で、図示のX方向に、未印刷ワークピース11を載せたキャリア10を、印刷機械28への入力部から移動させ、次いで、印刷位置に移動させ、そして、はんだペーストなどの印刷媒体をワークピースの上面に転写する印刷動作が完了した後に、印刷機械28の出力部に移動させるように構成される。これらの図には示されていないが、キャリア10は、その後、必要に応じて生産ラインの他の部分、例えば、配置機械、検査機械、またはリフロー炉に搬送されてもよい。当業者であれば理解するように、搬送システムを含む印刷機械28は、適切にプログラムされたプロセッサまたはコンピュータなどを介して高度なソフトウェアを実行する制御システムによって制御される。
【0019】
図3Aに示すように、この例では、キャリア10には、11A~11Dと符号が付けられた4つの未印刷の個片化されたワークピース11が載っている。これらのワークピース11は、キャリア10内で十分には位置合わせされていない場合があるが、
図3Aに示す位置ずれの量は、説明を明瞭にするために誇張されていることに留意すべきである。各ワークピース11は、固定され、予め設定された位置に、光学センサーによって容易に認識することができるグラフィカルシンボルの少なくとも1つのワークピース基準23を備える。
【0020】
印刷機械28は、ツーリングテーブル上面13を含むツーリングテーブル12を備え、ツーリングテーブル上面13は、図示のように、平坦であり、水平(X、Y)面に合わされている。ツーリングテーブル12は、駆動機構(図示せず)によって、鉛直方向、すなわち図示のようにZ軸に対して平行および反平行の両方向に駆動可能である。特に、ツーリングテーブル12は、少なくとも、ツーリングテーブル上面13が図示の高さZ0にある最低位置と、ツーリングテーブル上面13が図示の高さZPにある最高位置との間で駆動可能であり、この範囲には、図示のように中間の高さZAおよびZBが含まれる。ZBとZAとの間の高さの差は、ワークピース11の厚さよりも大きい。
【0021】
ツーリング14は、ツーリングテーブル12とともに鉛直方向に移動するように、ツーリングテーブル上面13に取り付けられている。図示の例では、ツーリングは、アセンブリユニット29から上方に突出している2つの支持タワー15、16を備える。アセンブリユニット29は、以下により詳細に説明するように、支持タワー15、16の移動を制御するための制御回路を備える。これらの支持タワー15、16は、両方とも前に説明した「MASS」タイプであり、それぞれのベース17、18と、ベース17、18の鉛直方向上方に配置されたヘッド19、20とを備える。各ヘッド19、20は、それぞれのベース17、18に対して水平(X、Y)面内で相対的に移動可能である。MASSタイプのタワーであるので、各ベース17、18は、それぞれのヘッドを水平面内で、ベース17、18に対して相対的に駆動するためのアクチュエータ(図示せず)を備えており、この実施形態では、アクチュエータは、それぞれのヘッド19、20を水平面内の直交するX、Y方向に駆動するとともに、それぞれのヘッド19、20を図示のZ軸に平行な鉛直軸の周りで回転させるように動作可能である。アクチュエータは、特許文献4に記載されているように、コンパクトなサイズのままこのような動きを提供するために平行運動アクチュエータとすることができることが有利である。支持タワー15、16は真空接続部を備えており、その結果、それぞれのヘッド19、20は、印刷機械28の他の場所に別個に配置された真空ポンプ(図示せず)によってかけられる少なくとも部分的な真空を選択的に供給することができる。各ヘッド19、20は、直線状の配列に配置された第1および第2の支持部が取り付けられており、ヘッド19は支持部21A、21Bを備え、ヘッド20は支持部21C、21Dを備える。各支持部21A~21Dは、その上端にそれぞれの支持面22A~22Dを有し、これらの支持面のそれぞれは、その上に単一のそれぞれのワークピース11A~11Dを支持するように構成される。支持面22A~22Dのそれぞれは、その上にワークピース11A~11Dを支持するとき、ワークピースをそれぞれ支持する支持面に固定するために、ワークピース11A~11Dに少なくとも部分的な真空を選択的にかけるための少なくとも1つの開口(図示せず)を備える。各開口への真空の供給は、それぞれのヘッド19、20から受け入れられたものである。開口は、任意選択で、ガーゼタイプの材料を備えてもよい。さらなる代替案として、支持面22A~22Dは、任意選択で、焼結材料を備え、それを通して真空が供給されてもよい。各支持タワー15、16について、使用時、支持面のうちに第1の支持面、すなわち支持面22Aおよび22Cは、支持面のうちの第2の支持面、すなわち支持面22B、22Dに対して、鉛直方向(Z軸に平行な方向)にのみ相対的に移動可能である。図示のように、第1の支持面22A、22Cは、第1の支持面(22A、22C)と第2の支持面(22B、22D)が(Z軸に平行な)鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成、すなわち第1の支持面22A、22Cが第2の支持面22B、22Dよりも距離ZB-ZAだけ鉛直方向に高い印刷前構成に配置される。第1の支持面22A、22Cは、それらが第2の支持面22B、22Dと水平面(X、Y)において実質的に同一平面である印刷構成(
図9B参照)まで下方に移動させることができる。
図3Aにおいて上から見るとより明瞭に分かるように、各支持面22A~22Dは、ワークピース11の形状および寸法に概ね対応するように選択された形状および寸法を有し、その結果、各支持面22A~22Dは、ワークピース11を適切に支持することができる。説明を明瞭にするために、
図3Aなどの上から見たすべての図では、支持面22A~22Dは破線で示されている。また、説明を明瞭にするために、印刷機械28内に存在するであろう包囲板(24、
図4B参照)は省略されている。同様に、包囲板24は、上から見たすべての図、すなわち
図3A~
図9Aから省略されている。
【0022】
図4A、
図4Bに示すように、キャリア10は、未印刷ワークピース11A~11Dがそれぞれの支持面22A~22Dの上に重なる印刷位置に搬送される。
図4Aから、ワークピース11A~11Dはすべて、それらの下にある支持面22A~22Dと位置ずれしていることが分かる。
図4Bは、印刷機械28内の部品の相対的な配置をより明瞭に示している。印刷位置において、キャリア10は包囲板24の下に配置され、包囲板24は、印刷機械28内の鉛直方向に駆動可能なレール(図示せず)に強固に固定されている。当技術分野においてよく知られているように、包囲板は、それぞれの個片化されたワークピース11を受け入れるために形成された開口を有する平板である。包囲板24の上面は、スキージ(27、
図10参照)によって加えられる下向きの圧力によってワークピース11に過度の応力が加えられるのを防ぐために、印刷動作中にワークピース11の上面と同一平面となるように配置される。包囲板24の上方には、印刷機械28内に強固に固定され、ワークピース11に対する所望の目標印刷パターンに対応する開口でパターンが付けられた印刷スクリーンまたはステンシル25がある。印刷動作中、スキージ(27、
図10参照)は印刷スクリーン25の上部を横切って、印刷媒体を、開口を通してワークピース11に押し付ける。図示の印刷前構成では、ツーリングテーブル上面13は高さZ0にあり、包囲板24と印刷スクリーン25との間には、カメラシステムのカメラ26を配置するのに十分な空間がある。本方法のこの段階では、カメラ26は、各ワークピース11A~11Dの上方に順次配置されて、それぞれのワークピース基準23(
図3A参照)をそれぞれとらえる。カメラ26は、例えば、移動可能なガントリー(図示せず)またはアームに取り付けられることによって、キャリア10を横切って移動することができる。代替の実施形態(図示せず)では、2つ以上のワークピース11A~11Dのワークピース基準23を同時にとらえることができるカメラシステムを使用することも可能な場合がある。いずれの場合にも、とらえられた基準に関連するデータは制御システムに渡され、水平(X、Y)面における各ワークピース11A~11Dの位置、およびZ軸に平行な鉛直軸の周りの向き(これはθ回転と呼ばれる)を決定するために処理される。ワークピース基準23のすべてをとらえた後、カメラ26は、
図10に示すように、その後のツーリングテーブル12の移動を妨げないように、キャリア10から水平方向に間隔を空けられた引っ込み位置に移動される。
【0023】
図5Aにおいて上から見ると、各支持タワー15、16は、その後、前のステップで決定されたワークピース位置を使用して、下にあるそれぞれの第1の支持面22A、22Cが、上にあるそれぞれのワークピース11A、11Cと位置合わせされるように、独立して駆動される(すなわち、ヘッド19、20は、それらのベース17、18に対して独立して駆動される)。各支持タワー15、16の位置は、各支持タワー15、16の適切なエンコーダの使用により正確に制御し、決定することができることが理解されるであろう。また、ヘッド19、20の移動は小さいので、その結果生じるヘッド19、20および支持部21A~21Dの変位は、
図5Bでは識別することができないことも理解されるべきである。
【0024】
図6A、
図6Bに示すように、第1の支持面22A、22Cがワークピース11A、11Cと位置合わせされると、ツーリングテーブル12は、第1の支持面22A、22Cがそれぞれのワークピース11A、11Cと接触して、それらを持ち上げてキャリア10との係合から外すように、上昇される。これは、図示のように、ツーリングテーブル上面13を高さZAまで持ち上げることに相当する。少なくとも部分的な真空が第1の支持面22A、22Cに供給されて、それぞれのワークピース11A、11Cを第1の支持面22A、22Cに確実に密着させる。この少なくとも部分的な真空は、印刷動作が完了するまでかけられる。
【0025】
次いで、
図7A、
図7Bに示すように、各支持タワー15、16は、その後、前に決定されたワークピース位置を使用して、下にあるそれぞれの第2の支持面22B、22Dが、上にあるそれぞれのワークピース11B、11Dと位置合わせされるように、独立して駆動される(すなわち、ヘッド19、20は、それらのベース17、18に対して独立して駆動される)。ヘッド19、20の移動は小さいので、その結果生じるヘッド19、20および支持部21A~21Dの変位は、
図7Bでは識別することができない。
【0026】
図8A、
図8Bに示すように、第2の支持面22B、22Dがワークピース11B、11Dと位置合わせされると、ツーリングテーブル12は、第2の支持面22B、22Dがそれぞれのワークピース11B、11Dと接触して、それらを持ち上げてキャリア10との係合から外すように、さらに上昇される。これは、図示のように、ツーリングテーブル上面13を高さZBまで持ち上げることに相当する。少なくとも部分的な真空が第2の支持面22B、22Dに供給されて、それぞれのワークピース11B、11Dを第2の支持面22B、22Dに確実に密着させる。この少なくとも部分的な真空は、印刷動作が完了するまでかけられる。この持ち上げの間、第1の支持面22A、22Cは、ツーリングテーブル12とともに上昇するのではなく、一定の絶対高さに留まるようにされ、その結果、すべての支持面22A~22Dが水平面内において実質的に同一平面となるまで、第1の支持面22A、22Cは、第2の支持面22B、22Dが持ち上げられるにつれてこれらに相対的に近づく。この時点で、第1の支持面22A、22Cは印刷構成にある。第1の支持面22A、22Cを印刷構成に移動させる様々な方法がある。例えば、第1の支持面22A、22Cのそれぞれは、その印刷構成と印刷前構成との間で駆動可能であってもよい。これは、それぞれの第1の支持部21A、21Cまたは支持タワーの中に、特にそれぞれのヘッド19、20の中に、それぞれの第1の支持面22A、22Cをそれぞれの第2の支持面22B、22Dに対して下方に駆動するように動作可能なZ軸アクチュエータを設けることによって達成することができる。しかしながら、より簡単な解決策は、ツーリングテーブル上面13が高さZAを過ぎると、第1の支持面22A、22Cのそれぞれがツーリングテーブル12とともにさらに上昇しないようにすることである。これは、例えば、第1の支持面22A、22Cのそれぞれを圧縮ばね(図示せず)を介してそれぞれのヘッド19、20に接続することによって、第1の支持面22A、22Cのそれぞれを印刷前構成の方へ(すなわち、その最大鉛直高さの方へ)弾力的に付勢することによって達成することができる。突出部(図示せず)が、外部制限部材(明示せず)と当接するようにそれぞれの第1の支持面22A、22Cに設けられてもよく、その結果、突出部が外部制限部材と当接すると、支持タワー15、16の持ち上げ中に第1の支持面22A、22Cの持ち上げが防止される。好ましい実施形態では、制限部材は、包囲板24の少なくとも一部を含んでもよく、すなわち、突出部と当接するために特別に包囲板に設けられた部材であるか、または、突出部は、この目的のために設けられる任意の追加の部材を含まない「通常の」包囲板自体と当接するような寸法である。
【0027】
次いで、
図9A、
図9Bに示すように、各支持タワー15、16は、その後、支持されたそれぞれのワークピース11A~11Dを有する支持面22A~22Dのすべてが正しく位置合わせされるように、すなわち印刷スクリーン(25、
図4B参照)の開口パターンと位置合わせされるように、独立して駆動される(すなわち、ヘッド19、20はそれらのベース17、18に対して独立して駆動される)。ヘッド19、20の移動は小さいので、その結果生じるヘッド19、20の変位は、
図9Bでは識別することができない。
【0028】
前のステップが終わると、位置合わせの方法が完了する。これで、1回の印刷動作でワークピース11A~11Dのすべての上に印刷することが可能になる。
図10に示すように、ワークピース11A~11Dのすべてが正しく位置合わせされると、ツーリングテーブル12は、ツーリングテーブル上面13が高さZPになる印刷高さまでさらに持ち上げられる。当技術分野でよく知られているように、このツーリングテーブル12の持ち上げにより、キャリア10と包囲板24の両方も持ち上げられる。ツーリングテーブル12が印刷高さまで完全に持ち上げられると、ワークピース11A~11Dの上面が包囲板24の上面と同一平面である状態で、ワークピース11A~11Dと包囲板24は印刷スクリーン25の下面に押し付けられる。包囲板24はツーリングテーブル12とともに持ち上がるので、第1の支持面22A、22Cは持ち上がっている間、印刷配置のままである。カメラ26は、ツーリングテーブル12の持ち上げを妨げない引っ込み位置にあるように示されている。それ自体、当技術ではよく知られているように、ツーリングテーブル12がその印刷高さまで持ち上げられると、スキージ27が印刷スクリーン25の上面を横切って引かれ、印刷スクリーン25の開口を通して印刷媒体をワークピース11A~11Dに押し付けることができる。
【0029】
印刷動作の完了後、ツーリングテーブル12は、ツーリングテーブル上面13が高さZ0に戻るように下げられ、印刷されたワークピースはキャリア10に戻される。この位置は
図11において側面から示されている。
【0030】
次いで、搬送システムは、ワークピースを載せたキャリア10を、図示の正のX方向に沿って、印刷機械の出力部へ、したがって、必要に応じて生産ラインの他のモジュールへ搬送することができる。
【0031】
上記の例は、本発明の簡単な実施形態を示しているが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではない。特に、支持タワーおよび支持タワーの支持面の両方の可能な配置には大きな柔軟性がある。
【0032】
一例として、
図12Aおよび
図12Bは、キャリア110に3×2のマトリクス配列で配置された6つのワークピース111A~111Fのバッチの印刷に使用するのに適したツーリング114を、上からおよび側面からそれぞれ概略的に示している。これは、アセンブリユニット129に取り付けられた、それぞれが前に説明したようにMASSタイプである3つの支持タワー115、116、117を使用することによって達成することができる。各支持タワー115、116、117のそれぞれのヘッド119、120、121はそれぞれ、使用時にそれぞれのワークピース111A~111Fの下になるように直線状の配列に配置された第1および第2の支持面を支え、第1の支持面122A、122C、122Eは、印刷前構成では、第2の支持面122B、122D、122Fよりも高さが高い。ツーリング114の動作は、前に述べたものと同一である。
【0033】
図13は、アセンブリユニット149上に4×2配列で配置された8つのMASSタイプの支持タワー145A~145Hを含むツーリング140の概略斜視図である。各支持タワー145A~145Hのヘッドは、2×2の正方行列配列に配置された4つの支持面142A~142Dを支える。これらの支持面のうち、142A~142Cは、前述の第1の実施形態の第1の支持面22A、22Cと同様に、使用時に、第1の支持面と第2の支持面が水平面において実質的に同一平面である印刷構成と、第1の支持面と第2の支持面が鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成との間で、支持面142D(すなわち「第2の支持面」)に対して鉛直方向に相対的に移動可能である「第1の支持面」と考えることができる。図示のこれらの印刷前構成では、支持面142A~142Dはすべて鉛直方向に間隔を空けて配置されており、支持面142Aが支持タワーで最も高く、142B、次いで、142Cが続き、支持面142Dが最も低い支持面である。ツーリング140は、前に説明したものと極めて同様に動作する。上になるワークピース(図示せず)は、以下のように位置合わせされる。
i)ワークピースから基準情報を取り込む
ii)支持面142Aが、水平面内で移動させられて、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合う
iii)支持面142Aがそのワークピースと係合するように、ツーリングテーブル(図示せず)が高さZAまで持ち上げられ、真空がかけられ、ワークピースが持ち上げられてキャリア(図示せず)との係合から外れる
iv)支持面142Bが、それぞれのヘッドの移動によって水平面内で移動させられて、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合う
v)ツーリングテーブルが、支持面142Bがそのワークピースと係合するように高さZBまで持ち上げられ、真空がかけられ、ワークピースが持ち上げられてキャリアとの係合から外れる
vi)支持面142Cが、それぞれのヘッドの移動によって水平面内で移動させられて、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合う
vii)ツーリングテーブルが、支持面142Cがそのワークピースと係合するように高さZCまで持ち上げられ、真空がかけられ、ワークピースが持ち上げられてキャリアとの係合から外れる
viii)支持面142Dが、それぞれのヘッドの移動によって移動させられて、上にあるそれぞれのワークピースと位置が合う
ix)ツーリングテーブルが、支持面142Dがそのワークピースと係合するように高さZDまで持ち上げられ、真空がかけられ、ワークピースが持ち上げられてキャリアとの係合から外れる
x)支持タワーヘッドが、支持面142A~142Dのすべてに支持されたワークピースが印刷動作のために位置合わせされるように水平面内で移動させられる
【0034】
位置合わせの後、ワークピースは、以下のステップによって印刷することができる。
xi)支持面142A~142Dに支持されたワークピースが印刷高さになるように、ツーリングテーブルを高さZPまでさらに持ち上げる。このステップの間、支持面142A~142Cはそれらの印刷構成にあり、その結果、すべての支持面142A~142Dは実質的に同一平面である
xii)印刷動作を実行する。
【0035】
前述したように、特許文献5には、MASSタイプのツーリングを使用して、個々の支持タワーの間隔よりも狭い搬送方向のピッチで配置された複数の個片化された基板を印刷することができる方法が記載されており、一方、特許文献6には、このような装置を使用して、個々の支持タワーの間隔よりも狭い、搬送方向に直交するピッチで配置された複数の個片化された基板を印刷することができる方法が記載されている。本質的に、これらの手法は両方とも、キャリア配列の隣接していない行または列に配置されたワークピースが第1の印刷動作で印刷され、キャリア配列の間隔を空けられた行または列に配置されたワークピースがその後、第2の印刷動作で印刷される、2段階プロセスを実施する。
【0036】
このような方法は、本発明の方法と完全に両立可能である。例として、
図14A~
図14Eは、アセンブリユニット229に取り付けられた3つの支持タワー215、216、217を備えるツーリング214を使用して、9×3のマトリクス配列でキャリア210(一例はJEDEC 31mm 9×3トレイ)に配置された27個のワークピース211を位置合わせするための方法のステップを順番に示す上から見た概略図である。便宜上、ワークピースの列は、各列の上に「1」から「9」の符号が付けられている。各支持タワー215、216、217は、直線状の配列に配置された3つの支持面222を支えるヘッドを含み、支持面はそれぞれ、ワークピース211の寸法に対応し、キャリア210の1つの列での隣接するワークピース211のピッチ(すなわち、X方向に整列した各ワークピース間のY方向の距離)に等しいピッチだけ間隔を空けて配置されている。これらのうち、支持面222Aおよび222Bは、前述の第1の実施形態の第1の支持面22A、22Cと同様に、使用時に、第1の支持面と第2の支持面が水平面において実質的に同一平面である印刷構成と、第1の支持面と第2の支持面が鉛直方向に間隔を空けて配置される印刷前構成との間で、支持面222C(すなわち「第2の支持面」)に対して鉛直方向に相対的に移動可能である「第1の支持面」と考えることができる。図示のこれらの印刷前構成では、支持面222A~222Cはすべて鉛直方向に間隔を空けて配置されており、支持面222Aが支持タワーで最も高く、222Bが続き、支持面222Cが最も低い支持面である。ツーリング214は、前に説明したものと極めて同様に動作することができ、したがって、この態様については再び深く説明することはしない。キャリア210におけるワークピース211の隣接する列と列との間のピッチ(すなわち、Y方向に整列した3つのワークピースの各列間のX方向の距離)は、隣接する支持タワー215、216、217間のピッチよりも狭いことが分かる。
【0037】
図14Aに示すステップでは、ツーリング214の上の印刷位置に搬送される前の、未印刷で位置合わせされていないワークピース211を有するキャリア210が示されている。
【0038】
図14Bに示すそれに続くステップでは、未印刷で位置合わせされていないワークピース211を有するキャリア210が印刷位置まで搬送され、その結果、その右端の列「1」のワークピース211が支持タワー217のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「4」のワークピース211が支持タワー216のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「7」のワークピース211が支持タワー215のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なることが示されている。この位置になると、これらの列のワークピースは前述のように位置合わせされ、次いで、前述のように印刷される。
【0039】
図14Cに示すそれに続くステップでは、未印刷で位置合わせされていないワークピース211を有するキャリア210が、X方向に1ピッチだけ搬送され、その結果、その2番目に右側の列「2」のワークピース211が支持タワー217のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「5」のワークピース211が支持タワー216のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「8」のワークピース211が支持タワー215のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なることが示されている。この位置になると、これらの列のワークピースは前述のように位置合わせされ、次いで、前述のように印刷される。
【0040】
図14Dに示すそれに続くステップでは、未印刷で位置合わせされていないワークピース211を有するキャリア210が、X方向に1ピッチだけ搬送され、その結果、その3番目に右側の列「3」のワークピース211が支持タワー217のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「6」のワークピース211が支持タワー216のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なり、列「9」のワークピース211が支持タワー215のそれぞれの支持面222A~222Cの上に重なることが示されている。この位置になると、これらの列のワークピースは前述のように位置合わせされ、次いで、前述のように印刷される。
【0041】
最後に、
図14Eに示すように、すべてのワークピースが位置合わせされ印刷されたキャリア210は、X方向に印刷位置から離れ、必要に応じて生産ラインの他のモジュールに搬送される。
【0042】
本発明のさらなる実施形態の概略側面図が
図15に示されている。図示の構成は、図示のように、基準板300が、包囲板24と平行で、包囲板24の鉛直方向上方に設けられていることを除けば、
図5に示した構成と非常に類似している。基準板は、MASSタイプのツーリングが使用されない場合に、個片化されたワークピースを能動的に位置合わせするために、特定の印刷機械のいくつかの構成において使用される。2つの隣接する基準板を使用する例示的な基準システムは、例えば、特許文献7に完全に記載されており、それには、個片化されたワークピースの縁に接触して正しく位置合わせさせるために、水平面内で基準板の少なくとも1つをスライドさせることによって、ワークピースを位置合わせすることが記載されている。
図15に示す実施形態では、制限部材は、基準板300の少なくとも一部を含む、すなわち、突出部と当接するために特別に基準板に設けられた部材であるか、または、突出部は、この目的のために設けられる任意の追加の部材を含まない「通常の」基準板自体と当接するような寸法である。当業者であれば理解するように、このような基準板は、印刷動作の開始前に印刷位置から引っ込められる。
【0043】
上記の実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲内の他の可能なものおよび代替案は当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0044】
1、2、3 パネル
1A~3D 基板
4 ワークピース支持アセンブリ
5 タワー
6 支持面
10、110 キャリア
11、11A~11D 未印刷ワークピース
12 ツーリングテーブル
13 ツーリングテーブル上面
14、114、140 ツーリング
15、16、115、116、117、145A~145H 支持タワー
17、18 ベース
19、20、119、120、121 ヘッド
21A~21D 支持部
22A、22C、122A、122C、122E、222A、222B 第1の支持面
22B、22D、122B、122D、122F、222C 第2の支持面
23 ワークピース基準
24 包囲板
25 印刷スクリーン
26 カメラ
27 スキージ
28 印刷機械
29、129、149、229 アセンブリユニット
300 基準板
【外国語明細書】