(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029760
(43)【公開日】2024-03-06
(54)【発明の名称】セメント固定のための遠位機構を有する脛骨プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/30 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
A61F2/30
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132605
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】63/399,902
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジェイ.ビセク
(72)【発明者】
【氏名】コリー トリシュラー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ジー.ブランズカム
(72)【発明者】
【氏名】ベネッサ マリー ウィルソン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097FF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】セメント固定のための遠位機構を有する脛骨プロテーゼを提供する。
【解決手段】一例によれば、脛骨プロテーゼは、任意にはベースプレートと脛骨キールとを含む。ベースプレートは、任意には、脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形された遠位面、遠位面とは反対側の近位面であって、外側区画と、外側区画とは反対側の内側区画とを有する近位面、遠位面と近位面との間に延びる周縁部、ベースプレート内に形成され、遠位面からくぼんでいる第1のポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている第1のポケット、及び、ベースプレート内に形成されて第1のポケットからくぼんでいる第2のポケットであって、骨セメントの一部を受け入れるように構成されている第2のポケット、を含む。脛骨キールは、長手方向脛骨キール軸線を画定するために、遠位面から遠位方向に延びている。
【選択図】
図1C-D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節形成術のための脛骨プロテーゼであって、
ベースプレートであって、
脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形された遠位面、
前記遠位面とは反対側の近位面であって、外側区画と、前記外側区画とは反対側の内側区画とを有する近位面、
前記遠位面と前記近位面との間に延びる周縁部、
前記ベースプレート内に形成され、前記遠位面からくぼんでいる第1のポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている第1のポケット、
前記ベースプレート内に形成され、前記第1のポケットからくぼんでいる第2のポケットであって、前記骨セメントの一部を受け入れるように構成されている第2のポケット、を備えるベースプレートと、
長手方向脛骨キール軸線を画定するために、前記遠位面から遠位方向へ延びる脛骨キールと、
を備える、膝関節形成術のための脛骨プロテーゼ。
【請求項2】
前記脛骨キールと前記遠位面との間の分岐点に跨る複数のフィンをさらに備える、請求項1に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項3】
前記複数のフィンは、前記脛骨キールの後部にフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされている、請求項2に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項4】
前記脛骨キールは、前記脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、前記第2のフルート及び前記第3のフルートは、前記脛骨キールの前部において前部フィンによって結合されている、請求項3に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項5】
前記複数のフィンは、前記フルートのために実質的に126度の角度を形成し、前記第2のフルート及び前記第3のフルートは、それぞれ実質的に126度未満の角度を有する、請求項4に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項6】
前記脛骨キールは、セメントマントルが前記脛骨キールの一部だけの周りに延びるように、前記脛骨と圧入を形成するように構成されている、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項7】
前記第2のポケットへの開口が前記第2のポケットの底部を形成する近位面よりも小さくなるように、前記第2のポケットはアンダカットを含む、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項8】
前記第2のポケットは、それぞれ後部-内側方向角隅、後部-外側方向角隅、前部-外側方向角隅、及び、前部-内側方向角隅に位置する4つのポケットを備える、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項9】
前記4つのポケットは、それぞれ、少なくとも外側に向いた側面に沿って、対応する位置の周縁部の曲率と実質的に一致する曲率を有する、請求項8に記載の脛骨プロテーゼ。
【請求項10】
脛骨プロテーゼシステムであって、
複数のプロテーゼであって、それぞれが、
ベースプレートであって、
脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形された遠位面、
前記遠位面とは反対側の近位面であって、外側区画と、前記外側区画とは反対側の内側区画とを有する近位面、及び
前記遠位面と前記近位面との間に延びる周縁部、
を備え、
各前記複数のプロテーゼのサイズは、前記遠位面、前記近位面、及び、前記周縁部に対して異なっている、ベースプレートと、
前記遠位面からドーム形遠位先端へ遠位方向に延びる脛骨キールであって、前記脛骨キールは、近位-遠位方向で測定された細長い長さを有し、前記細長い長さに沿って延びる長手方向脛骨キール軸線を画定し、前記細長い長さは、前記遠位面、前記近位面、及び、前記周縁部に対する前記複数のプロテーゼのサイズの増加と共に段階的に増加する、脛骨キールと、
を備える、脛骨プロテーゼシステム。
【請求項11】
前記脛骨キールと前記遠位面との間の分岐点に跨る複数のフィンをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のフィンは前記脛骨キールの後部にフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記脛骨キールは、前記脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、前記第2のフルート及び前記第3のフルートは、前記脛骨キールの前部において前部フィンによって結合されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
各前記複数のプロテーゼは、
前記ベースプレート内に形成され、前記遠位面からくぼんでいる第1のポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている第1のポケットと、
前記ベースプレート内に形成され、前記第1のポケットからくぼんでいる第2のポケットであって、前記骨セメントの一部を受け入れるように構成されている第2のポケットと、を含み、
前記第2のポケットへの開口が、前記第2のポケットの底部を形成する近位面よりも小さくなるように、前記第2のポケットはアンダカットを含む、請求項10から請求項13の何れか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のポケットは、それぞれ後部-内側方向角隅、後部-外側方向角隅、前部-外側方向角隅、及び、前部-内側方向角隅に位置する4つのポケットを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
脛骨プロテーゼシステムであって、
第1の脛骨プロテーゼであって、
第1の近位面と、
前記第1の近位面とは反対側の第1の遠位面であって、前記脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形されている第1の遠位面と、
前記第1の脛骨プロテーゼ内に形成され、前記第1の遠位面からくぼんでいる少なくとも1つのポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケットと、
前記第1の遠位面から遠位方向へ延びる第1のキールと、
前記第1の脛骨キールと前記第1の遠位面との間の分岐点に跨る第1の複数のフィンと、
を備える第1の脛骨プロテーゼ、及び、
第2の脛骨プロテーゼであって、
第2の近位面と、
前記第2の近位面とは反対側の第2の遠位面であって、前記脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形されている、第2の遠位面と、
前記第2の遠位面の少なくとも大部分を形成する多孔質材料の第1の層と、
前記第2の脛骨プロテーゼの少なくとも一部を形成する非多孔質材料の第2の層と、
前記第2の遠位面から遠位方向へ延びる第2のキールと、
前記第2のキールと前記第2の遠位面との間の分岐点に跨る第2の複数のフィンと、
を備える第2の脛骨プロテーゼ、
を含み、
前記第1のキール及び前記第1の複数のフィンは、前記第2のキール及び前記第2の複数のフィンと実質的に同じジオメトリを共有している、脛骨プロテーゼシステム。
【請求項17】
前記実質的に同じジオメトリは、近位-遠位方向で測定した細長い長さ、遠位端プロファイル、及び、内側-外側方向幅のうちの少なくとも2つを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の複数のフィンは、前記第1の脛骨キールの後部に第1のフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされており、前記第2の複数のフィンは、前記第2の脛骨キールの後部に第1のフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされており、前記第1の脛骨プロテーゼの第1のフルートと前記第2の脛骨プロテーゼの第1のフルートとが実質的に同じ角度を有している、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の複数のフィンは、前記第2の複数のフィンよりも比較的薄い、請求項16から請求項18の何れか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の脛骨キールは、前記第1の脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、前記第2の脛骨キールは、前記脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、前記第1の脛骨キールの第2のフルート及び第3のフルートは、前記第2の脛骨キールの第2のフルート及び第3のフルートと実質的に同じジオメトリを共有している、請求項16から請求項19の何れか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、整形外科的プロテーゼに関し、より具体的には、膝関節形成に際して使用されるベースプレートのような脛骨プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科的な処置及びプロテーゼは、人体内の損傷した骨及び組織を修復かつ/又は置換するために広く利用される。例えば、大腿骨及び/又は脛骨の損傷又は病変関節面を修復することによって、生来の膝機能を回復させるために、膝関節形成術を使用することができる。関節を含む骨を露出するために、膝関節内を切開する。置換されるべき関節面の除去を案内するために切除ガイドが使用される。関節面を復元するためにプロテーゼが使用される。膝プロテーゼは、大腿骨の遠位端に植え込まれ、脛骨の近位端に植え込まれた脛骨支承コンポーネント及び脛骨コンポーネント(脛骨トレイ又は脛骨ベースプレートと呼ばれることがある)と関節結合する大腿骨コンポーネントを含むことができる。これらのコンポーネントは、まとまって、健常な生来の膝の機能を復元する。全膝関節形成術を含む様々なタイプの関節形成術が知られており、全ての関節の関節区画は、プロテーゼコンポーネントによって修復される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概説
本開示は大まかに言えば、全膝関節形成術を含む膝関節形成術に際して使用される脛骨プロテーゼに関する。本発明者は、特に、脛骨ベースプレートを近位脛骨に固定的に保持できるように、骨セメントとのより良好な結合を容易にし得る遠位機構を含む脛骨ベースプレートを認識している。より良好な結合は、脛骨ベースプレートの微小運動を低減することができ、脛骨ベースプレートにより良好な耐久性を全体的にもたらすことができる。さらに、本発明者は、遠位機構が、脛骨ベースプレートにより高い剛性及びねじり強度を提供し得ると認識している。加えて、本発明者は、外科医が手術中に脛骨を準備するのを可能にするが、外科医が手術中にセメント固定型器具又は非セメント固定型器具を選択することも可能にする器具及びシステムを考える。特に、セメント固定型器具と非セメント固定型器具とは、同じ又は同様のストックサイズを共有でき、同じ又は同様の脛骨キール及び/又はフィンのジオメトリ(例えば、2つ以上の次元において実質的に同じ遠位プロファイル、形状、サイズなど)を共有できる。本明細書中では、様々な異なるストックサイズのセメント固定型器具及び様々な異なるストックサイズの非セメント固定型器具のシステムが提供される。しかしながら、これらはストックサイズに応じて実質的に同じジオメトリを共有することができる。一例としては、外科医は、第1のストックサイズの非セメント固定型器具から、同じ第1のストックサイズのセメント固定型器具へ、手術中に切り換える選択肢を有する。このことは、外科的処置の複雑さ及び時間を軽減し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書中に提供される様々な実施例の追加的な特徴及び利点が論じられ、かつ/又は、当業者に明らかになる。
【0005】
本明細書中に開示された器具、システム、及び方法をさらに説明するために、下記の非限定的な実施例が提供される。これらは、以下において技術と称される。これらの実施例/技術の一部又は全部は、任意の方法で組み合わせることができる。
【0006】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、膝関節形成術のための脛骨プロテーゼであって、ベースプレートであって、脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形された遠位面、遠位面とは反対側の近位面であって、外側区画と、外側区画とは反対側の内側区画とを有する近位面、遠位面と近位面との間で延びる周縁部、ベースプレート内に形成され、遠位面からくぼんでいる第1のポケットであって、その中に骨セメントを受け入れるように構成されている第1のポケット、及び、ベースプレート内に形成され、第1のポケットからくぼんでいる第2のポケットであって、骨セメントの一部を受け入れるように構成されている第2のポケット、を含むベースプレートと、長手方向脛骨キール軸線を画定するために、遠位面から遠位方向に延びる脛骨キールとを任意に含む、膝関節形成術のための脛骨プロテーゼに関する。
【0007】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、脛骨キールと遠位面との間の分岐点に跨る複数のフィンを任意にさらに含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0008】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、複数のフィンは、脛骨キールの後部にフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされていることを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0009】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、脛骨キールは、脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、第2のフルート及び第3のフルートは、脛骨キールの前部で前部フィンによって結合されていることを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0010】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、複数のフィンは、フルートのために実質的に126度の角度を形成し、第2のフルート及び第3のフルートは、それぞれ実質的に126度未満の角度を有することを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0011】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、脛骨キールは、セメントマントルが脛骨キールの一部だけの周りに延びるように、脛骨と圧入を形成するように構成されていることを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0012】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第2のポケットは、第2のポケットへの開口が第2のポケットの底部を形成する近位面よりも小さくなるようにアンダカットを含むことを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0013】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第2のポケットは、それぞれ後部-内側方向角隅、後部-外側方向角隅、前部-外側方向角隅、及び、前部-内側方向角隅に位置する4つのポケットを含むことを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0014】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、4つのポケットのそれぞれは、少なくとも外側に向いた側面に沿った曲率が、対応する位置の周縁部の曲率と実質的に一致することを任意に含む、前述のような脛骨プロテーゼに関する。
【0015】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、複数のプロテーゼを任意に含む脛骨プロテーゼシステムであって、複数のプロテーゼは、それぞれ、ベースプレートであって、脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形された遠位面、遠位面とは反対側の近位面であって、外側区画と、外側区画とは反対側の内側区画とを有する近位面、及び、遠位面と近位面との間に延びる周縁部、を含み、複数のプロテーゼのそれぞれのサイズは、遠位面、近位面、及び、周縁部に対して異なっている、ベースプレートと、遠位面から遠位方向にドーム形の遠位先端へ延びる脛骨キールであって、近位-遠位方向で測定された細長い長さを有し、細長い長さに沿って延びる長手方向脛骨キール軸線を画定し、細長い長さは、遠位面、近位面、及び、周縁部に対する複数のプロテーゼのサイズの増加と共に、段階的に増加する、脛骨キールを含むことを任意に含む、脛骨プロテーゼシステムに関する。
【0016】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、脛骨キールと遠位面との間の分岐点に跨る複数のフィンを任意にさらに含む、前述のようなシステムに関する。
【0017】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、複数のフィンは、脛骨キールの後部にフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされていることを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0018】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、脛骨キールは、脛骨キールの遠位先端へそれぞれが延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、第2のフルート及び第3のフルートは、脛骨キールの前部において前部フィンによって結合されていることを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0019】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、各複数のプロテーゼは、ベースプレート内に形成され、遠位面からくぼんでいる第1のポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている第1のポケットと、ベースプレート内に形成され、第1のポケットからくぼんでいる第2のポケットであって、骨セメントの一部を受け入れるように構成されている第2のポケットとを任意に含み、第2のポケットは、第2のポケットへの開口が第2のポケットの底部を形成する近位面よりも小さくなるように、アンダカットを含む、システムに関する。
【0020】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第2のポケットは、それぞれ後部-内側方向角隅、後部-外側方向角隅、前部-外側方向角隅、及び前部-内側方向角隅に位置する4つのポケットを含むことを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0021】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第1の脛骨プロテーゼであって、第1の近位面と、第1の近位面とは反対側の第1の遠位面であって、脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形されている第1の遠位面と、第1の脛骨プロテーゼ内に形成され、第1の遠位面からくぼんでいる少なくとも1つのポケットであって、骨セメントを受け入れるように構成されている少なくとも1つのポケットと、第1の遠位面から遠位方向へ延びる第1のキールと、第1の脛骨キールと第1の遠位面との間の分岐点に跨る第1の複数のフィンとを含む第1の脛骨プロテーゼ、及び、第2の脛骨プロテーゼであって、第2の近位面と、第2の近位面とは反対側の第2の遠位面であって、脛骨の近位切除面を実質的に覆うように寸法決めされ、かつ、成形されている第2の遠位面と、第2の遠位面の少なくとも大部分を形成する多孔質材料から成る第1の層と、第2の脛骨プロテーゼの少なくとも一部を形成する非多孔質材料から成る第2の層と、第2の遠位面から遠位方向へ延びる第2のキールと、第2のキールと第2の遠位面との間の分岐点に跨る第2の複数のフィンとを含む第2の脛骨プロテーゼを任意に含み、第1のキール及び第1の複数のフィンは、第2のキール及び第2の複数のフィンと実質的に同じジオメトリを共有している、脛骨プロテーゼシステムに関する。
【0022】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、実質的に同じジオメトリは、近位-遠位方向で測定した細長い長さ、遠位端プロファイル、及び、内側-外側方向幅のうちの少なくとも2つを含むことを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0023】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第1の複数のフィンは、第1の脛骨キールの後部において第1のフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされており、第2の複数のフィンは、第2の脛骨キールの後部において第1のフルートを形成するように、前部-後部方向及び内側-外側方向に角度付けされており、第1の脛骨プロテーゼの第1のフルートと第2の脛骨プロテーゼの第1のフルートとが実質的に同じ角度を有していることを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0024】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第1の複数のフィンは、第2の複数のフィンよりも比較的薄いことを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0025】
いくつかの態様では、本明細書中に記載された技術は、第1の脛骨キールは、それぞれが第1の脛骨キールの遠位先端へ延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、第2の脛骨キールは、それぞれが脛骨キールの遠位先端へ延びる第2のフルートと第3のフルートとを含み、第1の脛骨キールの第2のフルート及び第3のフルートが、第2の脛骨キールの第2のフルート及び第3のフルートと実質的に同じジオメトリを共有していることを任意に含む、前述のようなシステムに関する。
【0026】
必ずしも原寸に比例しない図面において、同様の符号は異なる図面において類似のコンポーネントを表し得る。異なる添字を有する同様の符号は、類似のコンポーネントの様々な異なる事例を表し得る。図面は大まかに言えば、例えば、決して限定するものではないが、本明細書で論じられる様々な実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A-B】
図1A及び
図1Bは、本出願の一実施例に係る脛骨ベースプレートの様々な視点からの平面図を示す。
【
図1C-D】
図1C及び
図1Dは、本出願の一実施例に係る脛骨ベースプレートの様々な視点からの平面図を示す。
【
図1E-G】
図1Eは、本出願の一実施例に係る脛骨ベースプレートの様々な視点からの平面図を示し、
図1F及び
図1Gは、本出願の一実施例に係る
図1Aから
図1Eの脛骨ベースプレートの様々な断面図を示す。
【
図2】
図2は、本出願の一実施例に係る、様々な異なる近位-遠位方向長さのキールを有する複数の脛骨ベースプレートを含むシステムを示す。
【
図2A】
図2Aは、本出願の一実施例に係る、標準サイズの脛骨ベースプレートと比較したキールの近位-遠位方向長さの変化のチャートを示す。
【
図3A-B】
図3A及び
図3Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【
図4A-B】
図4A及び
図4Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【
図5A-B】
図5A及び
図5Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【
図6A-B】
図6A及び
図6Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【
図7A-B】
図7A及び
図7Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【
図8A-B】
図8A及び
図8Bは、脛骨に対する非セメント固定及びセメント固定の両方のために構成されたものを含む様々なサイズの脛骨ベースプレートを提供するシステムを示し、脛骨ベースプレートは、同じ標準サイズ(非セメント固定バージョン及びセメント固定バージョンの両方)を有することができ、かつ、本出願の一実施例に係るキール及び複数のフィンに対して実質的に同じ遠位プロファイルを共有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願は脛骨プロテーゼ、特に、脛骨ベースプレート及びシステムに関する。本出願は、本明細書でさらに論じるように、脛骨ベースプレートの遠位態様及び遠位機構に重点を置く。前述のように、これらの遠位機構は、数ある利点の中でも脛骨ベースプレートの固定及び耐久性を改善し得る。
【0029】
本明細書中に使用する「近位」及び「遠位」という用語には、一般に理解される解剖学的解釈が与えられるべきである。「近位」という用語は、概ね患者の胴へ向かう方向を意味し、「遠位」という用語は、近位とは反対の方向、すなわち患者の胴から離れる方向を意味する。「近位」及び「遠位」という用語を使用する場合、本明細書中に記載された装置が一般には膝関節を曲げた状態で使用されるにもかかわらず、患者が膝関節を延ばした状態で立っているかのように理解されるべきである。その意図は、「近位」及び「遠位」という用語を「前部」及び「後部」という用語から区別することである。本明細書中に使用される「前部」及び「後部」という用語には、一般に理解される解剖学的解釈が与えられるべきである。したがって「後部」は、患者の後ろ側、例えば膝の後ろ側を意味する。同様に、「前部」は患者の前側、例えば膝の前側を意味する。したがって、「後部」は「前部」の反対方向を意味する。同様に、「外側(lateral)」という用語は「内側(medial)」の反対方向を意味する。「内側-外側方向」という用語は内側から外側への方向、又は外側から内側への方向を意味する。「近位-遠位方向」という用語は、近位から遠位への方向又は遠位から近位への方向を意味する。「前部-後部方向」という用語は前部から後部への方向又は後部から前部への方向を意味する。
【0030】
本明細書中で使用される脛骨プロテーゼの「周縁部」は、上面図、例えば概ね横方向の解剖学的平面内で見たときの任意の周縁部を意味する。あるいは、脛骨プロテーゼの周縁部は、底面図、例えば概ね横方向の平面内で見たとき、及び、脛骨の切除近位面と接触するように構成された遠位面を見たときの任意の周縁部であってよい。下記脛骨ベースプレートのようなプロテーゼの文脈において、「ホーム軸線」は、ベースプレートを適切な回転方向及び空間方向で植え込んだ後に、ベースプレートのベースプレートホーム軸線が脛骨のホーム軸線と整列するように、ベースプレートに対して配向された軸線を意味する。本明細書中に例示されたものを含むいくつかのベースプレートのデザインでは、ホーム軸線は、脛骨プラトーの周縁部の後縁でPCL切り欠きを二分し、脛骨プラトーの周縁部の前縁で前縁を二分する。ホーム軸線は、他のベースプレートの機構へ方向づけることも考えられ、脛骨上のベースプレートの適切な整列及び配向が、ベースプレートのホーム軸線と脛骨のホーム軸線とが一致するように、ベースプレートのホーム軸線は配置されると理解される。
【0031】
ホーム軸線は、ベースプレートを脛骨上に植え込むと概ね前部及び後部へ延びることから、脛骨ベースプレートのホーム軸線は、前後方向軸線であると言える。脛骨ベースプレートは、また、ベースプレートのホーム軸線に対して垂直な、周縁部内部に含まれる最も長い線分に沿って位置する内外側方向軸線を画定する。後述するように、ホーム軸線と内外側方向軸線とは協働して、本開示に係る特定のベースプレートの機構を定量化するのに有用な座標系を画定する。加えて、キール及び1つ又は複数のフィンといった遠位機構は、前後方向軸線、内外側方向軸線、又は対称軸線、近位-遠位方向軸線といった他の軸線に対して整列させることもできる。
【0032】
図1Aから
図1Eは、脛骨ベースプレート100の様々な側面の平面図を示す。脛骨ベースプレート100は、近位面102、遠位面104、周縁部106を含むことができる。
図1Bから
図1Eに示されているように、脛骨ベースプレート100はキール108と複数のフィン110A及び110B(両方とも
図1Dに示されている)とを含むことができる。
【0033】
図1Aは、脛骨ベースプレート100の近位側を示す平面図であり、近位面102と、前後方向軸線APと、周縁部106とを示している。脛骨支承コンポーネント(図示せず)と連結するためのボス、レール、ノッチ、及び/又は他の機構といった連結機構112を近位側で利用することができる。連結機構112の構造は、インディアナ州Warsaw在Zimmer Biomet Inc.の商業的に入手可能なPersona(登録商標)Total Knee Systemのものと同様であり得る。
【0034】
脛骨ベースプレート100は、ホーム軸線及び前後方向軸線APに対して、特定の非対称性を有することができる。このような形状は、米国特許出願公開第2013/0024001A1号明細書及び同第2013/0131820A1号明細書を含む、出願人による以前の様々な出願において論じられているように、膝関節置換候補の大部分に対して脛骨を最大限カバーするように設計されており、これらの特許出願の明細書は、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれている。皮質骨の最大限の被覆により、脛骨ベースプレート100の優れた支持が容易になる。脛骨の皮質骨及び海綿骨との間の広い面積の接触によって、脛骨に対する脛骨ベースプレート100の強固かつ永続的な固定が容易になる。
【0035】
前後方向軸線APは、脛骨ベースプレート100を内側区画114と外側区画116とに分割することができる。内側区画114は、周縁部106に沿って画定された外側区画116に対して非対称的に成形し、かつ、寸法決めすることができる。周縁部106は壁として成形することができ、そこでは1つ又は複数の選択個所に沿って連結機構112を有することができる。
【0036】
脛骨ベースプレート100は複数の標準サイズで利用することができる。これらの標準サイズは様々なサイズの脛骨に対する被覆を提供するように選択される。一例としては、脛骨ベースプレート100は、サイズ1(低身長)からサイズ9(高身長)までの9つのサイズを含むことができる。適切なサイズ選択を行うために、外科医は様々なサイズをシステムとして利用することができる。標準サイズは、本明細書中にさらに説明するように、近位側(例えば周縁部106、近位面102など)及び遠位側(例えば遠位面104、キール108、並びに複数のフィン110A及び110Bなど)に沿って異なるジオメトリを有している。
【0037】
図1Bから
図1Eは、様々な側面から見た脛骨ベースプレート100のさらなる平面図を示している。
図1Bは、キール108と複数のフィン110Aの1つとを示している。フィン110Aは、キール108と遠位面104との間で延びることができる。キール108は、遠位面104及び脛骨ベースプレート100の残りの部分から概ね遠位方向へ延びることができる。フィン110Aは、キール108の組立体の一部であり得るが、本明細書では、ステム機構を含むキール108の残りの部分とは異なる機構として記述する。キール108は、遠位面104に対して(遠位面104からキール108の対称軸線S1まで測定して)角度θを成すことができる。
図1Aの実施例によれば、角度θはほぼ90度であり得る。キール108の対称軸線S1は、近位-遠位方向軸線であり得る。
【0038】
図1Bは、キール108が、遠位先端118を有するステム機構を含み得ることを示している。この遠位先端118は、脛骨の管(canal)内へ挿入するように成形することができる。したがって、遠位先端118は、例えばドーム若しくは半球体、又は、鋭利な縁部を有しないように成形された他の形状として成形することができる。遠位先端118を形成する表面は、30度から70度(好ましくは、ほぼ50度)の角度αを形成するためのジオメトリを有することができる。遠位先端118を形成する表面は湾曲することができ、例えば3mmから6mmの曲率半径を有することができる。一実施例によれば、曲率半径は、例えばほぼ4.5mmであり得る。遠位先端118は、例えば頂部を含むことができる。なお、遠位先端118を有するキール108は、いくつかの膝関節全置換システム(total knee systems)において一般的であるようにステム延長部又は他の機構と連結するようには構成されていない。むしろ、キール108は大まかに言えば、脛骨ベースプレート100の標準サイズの増加に伴って近位-遠位方向長さを増加させる。
【0039】
図1C及び
図1Dは、遠位面104から延びるキール108並びに複数のフィン110A及び110Bを示している。フィン110A及び110Bは、互いに対して、並びに、その対向する内側及び外側の側に配置されたキール108に対して、対称配置及び鏡像ジオメトリを有することができる。
図1C及び
図1Dには、2つのフィン110A及び110Bが示されてはいるものの、他の実施例では3つ以上のフィンが考えられる。キール108は、第1のフルート120Aを含む第1の溝と、第2のフルート120Bを含む第2の溝とを含むことができる。第1のフルート120A及び第2のフルート120Bは、遠位面104から遠位先端118へ数ミリメートル延びることができる。したがって、第1のフルート120A及び第2のフルート120Bは、キール108の近位-遠位方向長さの大部分(例えば、長さの50%から95%)にわたって延びることができる。第1のフルート120A及び第2のフルート120Bは、一般的に、前部に向くように、キール108の前部側に配置することができる。第1のフルート120A及び第2のフルート120Bは、互いに対して対称的な形状とすることができる。第1のフルート120A及び第2のフルート120Bのジオメトリについて、後でさらに論じる。
【0040】
キール108並びにフィン110A及び110Bは、加えて、キール108並びにフィン110A及び110Bの後部側に沿って、第3のフルート120C(
図1D)又は凹部を形成することができる。第3のフルート120Cは、主としてフィン110A及び110Bによって形成することができる。フィン110A及び110Bは、角度βを形成するように互いに角度付けすることができる。具体的には、フィン110A及び110Bは、(いくつかの実施例では、キール108として)近位-遠位方向に延びるだけではなく、内側-外側方向及び前部-後部方向に延びることもできる。角度βは例えば、実質的に105度から140度であり得る。一実施例によれば、角度βは実質的に126度であり得る。フィン110A及び110Bは、その後部側に沿ってキール108に対する曲率半径を有することができる。この曲率半径は実質的には5mmから10mmであり得る。一実施例によれば、曲率半径はほぼ7.6mmであり得る。フィン110A及び110Bの厚さT(
図1D)は所望に応じて変化させることができる。
【0041】
ここで
図1Dを参照すると、遠位面104はセメントマントル(cement mantle)122と、第1のポケット124と、第2のポケット126とを含むことができる。マントル122はキール108とフィン110A及び110Bとを取り囲むことができ、周縁部106の周りに延びることができる。第1のポケット124は、実際には、マントル122によって分離された2つの別個の部分(内側及び外側)であり得る。第1のポケット124は、マントル122からほぼ0.25mmからほぼ2.0mmだけくぼませることができる。第1のポケット124は、鋭利な角隅を避けるように湾曲したその全ての縁部を有することができる。このことは、脛骨への組み付け時に、第1のポケット124を充填するための骨セメントの流れを容易にする。
【0042】
第2のポケット126は、骨セメントを受け入れるように構成された複数のポケット126A,126B,126C及び126Dを含むことができる。ポケット126A,126B,126C及び126Dは、豆状又は湾曲形状であり得る。ポケット126A,126B,126C及び126Dは、周縁部106の前部-内側方向、後部-内側方向、後部-外側方向、及び、前部-外側方向の角隅に隣接して(5mm以内に)配置することができる。
【0043】
ポケット126A,126B,126C及び126Dは、周縁部106に近接したそれぞれの外縁部128A,128B,128C及び128Dを有することができる。この縁部128A,128B,128C及び128Dは、外縁部126A,126B,128C及び128Dに隣接する周縁部106の形状に対応する湾曲形状又はその他の形状を有することができる。換言すれば、縁部128Aは、前部-内側方向の角隅における周縁部106の湾曲に対応するように湾曲させることができる。同様に、縁部128Bは、後部-内側方向の角隅における周縁部106の湾曲に対応するように湾曲させることができる。縁部128Cは、後部-外側方向の角隅における周縁部106の湾曲に対応するように湾曲させることができる。縁部128Dは、前部-外側方向の角隅における周縁部106の湾曲に対応するように湾曲させることができる。
【0044】
第2のポケット126は、マントル122から1.5mmから5mmの間の深さであり得る。したがって、第2のポケット126は、第1のポケット124の底部(近位面)から0.5mmから3.5mmだけくぼませることができる。第2のポケット126のサイズ、形状、位置、及び数はポケット126A,126B,126C及び126Dから変化することができる。したがって、図示する第2のポケット126A,126B,126C及び126Dは一例である。一実施例によれば、第2のポケット126は幅に対して長さ寸法が細長くてよい。したがって、第2のポケット126は2.0mmから10mmの間の幅と、4.0mmから25mmの間の長さと、これらのそれぞれ対向する端部に沿った曲率半径とを有することができる。
【0045】
図1Eは、後部-内側方向又は後部-外側方向の側から見た脛骨ベースプレート100の平面図を示しており、複数のフィン100A及び110Bの両方を示している。
【0046】
図1Fは、第2のポケット126B及び脛骨ベースプレート100の他の機構を示す拡大断面図である。第2のポケット126B(及びポケット126A,126C及び126Dのいずれか)は開口130と、面取り部132と、突起134と、アンダカット領域136と、キャビティ137と、基底面138とを含むことができる。
【0047】
開口130は、第1のポケット124からの骨セメント又は他の材料の連通を可能にする。面取り部132は、開口130を画定することができ、突起134へ向けて延びることができる。突起134は、キャビティ137の一部であり得るアンダカット領域136上に延びることができる。基底面138は、キャビティ137の底部を画定する近位面(植え込み時)を含むことができる。骨セメントは、開口130を通って流れ、突起134によって形成された制限部を通ってキャビティ137内へ流入することができる。流れは、硬化する前にアンダカット領域136を含むキャビティ137内へ入ることができる。アンダカット領域136及び突起134の形状は、持ち上がり、捩じれ、及び、脛骨ベースプレート100へ伝達される他の力に対して骨セメントが抵抗するのを助けることができる。第2のポケット126は、付加的な固定を提供するように、骨セメントを受け入れるための付加的なキャビティを設ける。
【0048】
図1G及び
図1Hは、第1のポケット124(
図1D)と第2のポケット126(
図1G)との間といったベースプレート100、及び、キール108(
図1H)を通る、さらなる断面図を示す。
図1Hは、フィンのないキール108の真の形状を示している。
【0049】
図1Iから
図1Kは、第1のフルート120A、第2のフルート120B、及び第3のフルート120Cといった機構を示す、キール108並びに複数のフィン110A及び110Bの断面図を示している。
図1Iから
図1Kに示されているように、キール及び複数のフィン110A及び110Bは、遠位面に隣接した個所から遠位先端へ先細にすることができる。第1のフルート120Aと第2のフルート120Bとは、前部フィン140によって分離することができる。前部フィン140は、キール108の最前部分を形成することができ、キール108の近位遠位方向長さの少なくとも大部分にわたってほぼ均一な幅を有することができる。前部フィン140の幅は、例えばその長手方向長さの大部分にわたって、1mmから約3mmのオーダーにあってよい。前部フィン140の幅は、
図1Iに示されたキール108の近位部分に隣接して増加することができる。第1のフルート120Aは、約100度から約140度の角度θ1を有することができる。一実施例によれば、角度θ1は約117度であり得る。同様に、第2のフルート120Bも、約100度から約140度の角度θ1を有することができる。一実施例によれば、角度θ1は約117度であり得る。キール108はテーパを有しなくてよく、その近位-遠位方向長さの少なくとも大部分又はそれよりも多くの長さに沿って実質的に先細になってなくてよい。フィン110A及び110Bは前述のようにテーパすることができる。
【0050】
一実施例によれば、キール108並びにフィン110A及び110Bは、第1のフルート120A、第2のフルート120B、及び/又は前部フィン140の位置又はその近傍において、脛骨管との圧入を形成するように構成されている。したがって、キール108並びにフィン110A及び110Bは、セメントマントルが脛骨管に対してキール108並びに/又はフィン110A及び110bの周りに完全には広がらないように構成されている。むしろ、骨に対する圧入保持は、いくつかの個所(例えば、第1のフルート120A、第2のフルート120B、及び/又は前部フィン140で、又はこれらの近傍)で利用され、セメントマントルは他の個所で使用される。
【0051】
フィン110A及び110Bは、遠位面104及びキール108を含む脛骨ベースプレート100の残りの部分とモノリシック又は一体的に形成することができる。したがって、フィン110A及び110Bは、上述のキール108の機構であり得る。しかしながら、フィン110A及び110Bは、脛骨ベースプレート100の他の機構に別個に取り付け可能であることも考えられる。あるいは、フィン110A及び110Bは、単一片としてモノリシックに一緒に形成することができ、キール108又は遠位面104と別個に連結することもできる。キール108並びに/又はフィン110A及び110Bは、レーザー焼結又はこれに類するものといった積層造形(additive manufacturing)によって(互いに一緒に又は互いに一緒ではなく、かつ、脛骨ベースプレート100の残りの部分と一緒に、又は残りの部分なしに)形成することができる。
【0052】
図2は、様々なサイズの脛骨ベースプレート100A,100B及び100Cを含むシステム200を示す。脛骨ベースプレート100Aは、低身長に対応する膝を有する患者のために構成された標準サイズ1であり得る。脛骨ベースプレート100Bは、中程度の身長に対応する膝を有する患者のために構成された標準サイズ5であり得る。脛骨ベースプレート100Cは、高身長に対応する膝を有する患者のために構成された標準サイズ8であり得る。脛骨ベースプレート100A,100B及び100Cは、オーバーハング又は他の望ましくない取付配置がない状態で、切除された脛骨への所望の量の被覆を提供するように構成することができる。脛骨ベースプレート100A,100B及び100Cは、(例えば、周縁部の第1の最も内側方向の縁部から第2の最も外側方向の縁部まで測定した)内側-外側方向の範囲、(例えば、周縁部の第3の最も前部方向の縁部から第4の最も後部方向の縁部まで測定した)前部-後部方向の範囲のような寸法に対して異なり得る。しかしながら、脛骨ベースプレート100Aの内側-外側方向幅W1は、脛骨ベースプレート100B又は脛骨ベースプレート100Cの内側-外側方向幅と、例えば20mm以下だけ変化してもよい。したがって、内側-外側幅W1は、他の寸法(例えば周縁部の内側-外側方向の範囲、周縁部の前部-後部方向の範囲)と調和する(commiserate)形で標準サイズの変化に応じて増加しない可能性がある。脛骨ベースプレート100Aの近位-遠位方向長さL1は、
図2及び2Aに示すように、脛骨ベースプレート100B又は脛骨ベースプレート100Cのものと実質的な量だけ変化してもよい。
【0053】
図2は、脛骨ベースプレート100A,100B及び100Cが、構造的に全てステム式(stemmable)ではないことを示す(しかし、ステム式の構造も考えられる)。したがって、キール108Aの近位-遠位方向長さは、一般的に標準サイズの増加と共に増加する。したがって、脛骨ベースプレート100Aのキール108Aの近位-遠位方向長さは、キール108B及び108Cの長さよりも比較的短い範囲となる。
図2Aは、キール108Aの近位-遠位方向長さの増加は、異なる標準サイズのうちの2つ以上が、それぞれ標準サイズ群に対して同じ近位-遠位方向長さを共有する、段階的な増加であることが可能であることを示す。換言すれば、近位-遠位方向長さは、標準サイズの増加に伴って直線的に線形には増加せず、段階的に増加する。したがって、標準サイズのうちの少なくとも2つ(場合によっては標準サイズのうちの4つまで)が、同じ近位-遠位方向長さを共有する。
【0054】
標準サイズ毎のキールの模範的長さを
図2Aに示す。なお、キール長さは直線状に滑らかに変化するのではなく、いくつかのサイズ(サイズ1から2、サイズ3から6、及びサイズ7から9)は、実質的に同じ近位-遠位方向長さを共有することができるようなステップ機能を有することに留意すべきである。しかしながら、最良のフィットカーブによって示される一般的な傾向は、サイズの変化に伴うキールの近位遠位方向長さの線形的な増加である。なお、フルートの角度、フルートの半径、フルートの内側-外側方向幅、前部フィンのサイズ(内側-外側方向幅)、及び/又はフィンの半径、後部フルートの角度(例えばフィン間の角度)、キールの遠位先端のジオメトリといった本明細書中で論じた他の機構、、標準サイズが変化してもジオメトリは実質的に一定のままであり得ることにも留意すべきである。したがって、例えば、標準サイズ1の脛骨ベースプレート100Aは、標準サイズ8の脛骨ベースプレート100C(
図2参照)と同じサイズ(内側-外側方向)の前部溝を有することになる。
【0055】
【0056】
脛骨ベースプレート100D及び100Eは、同じ標準サイズ(例えば標準サイズ2)ではあるが、脛骨ベースプレート100Dは、セメント固定のために構成されている脛骨ベースプレート100Eと比較して、非セメント固定のために構成されている(むしろ骨内方成長を利用する)という点で異なる構造を有し得る。同様に、脛骨ベースプレート100F及び100Gは、同じ標準サイズ(例えば標準サイズ4)ではあるが、脛骨ベースプレート100Fは、セメント固定のために構成されている脛骨ベースプレート100Gと比較して、非セメント固定のために構成されている(むしろ骨内方成長を利用する)という点で異なる構造を有し得る。脛骨ベースプレート100H及び100Iは、同じ標準サイズ(例えば標準サイズ7)ではあるが、脛骨ベースプレート100Hは、セメント固定のために構成されている脛骨ベースプレート100Iと比較して、非セメント固定のために構成されている(むしろ骨内方成長を利用する)という点で異なる構造を有し得る。
【0057】
脛骨ベースプレート100D及び100Eは、実質的に同じサイズを共有することができる(例えば、周縁部の内側-外側方向の範囲は実質的に同じであり得る、周縁部の前部-後部方向の範囲は実質的に同じであり得る、など)。加えて、脛骨ベースプレート100D及び100Eの遠位機構のジオメトリも実質的に同じであり得る。このことは、脛骨ベースプレート100Eのキール108E及びフィン110E,110EEの対応する態様と比較した場合の、脛骨ベースプレート100Dのキール108D及びフィン110D,110DDの複数の態様のジオメトリを含む。したがって、
図3Aから
図4Bに示されているように、脛骨ベースプレート100Dのキール108D及びフィン110D,110DDは、(キール108D及びフィン110D,110DDの範囲に沿って内側-外側方向に移動する、キール108D及びフィン110D,110DDの最も遠位方向の面に沿って測定された)脛骨ベースプレート100Eのキール108E及びフィン110E,110EEと実質的に同じ遠位プロファイル302を共有することができる。換言すれば、キール108D及び108Eは、近位-遠位方向長さ、直径、溝の形状及びサイズ、フルートのサイズ及び形状、厚さといった同じジオメトリの特徴を共有することができる。同様に、フィン110D,110DDは、フィン110E,110EEと同じジオメトリ(角度形成、内側-外側方向幅、近位-遠位方向長さなど)を共有することができる。キール108D及びフィン110D,110DDとキール108E及びフィン110E,110EEとの実質的な形状の一致によって、外科医はセメント固定型器具又は非セメント固定型器具を手術中に選択できるようになる。このようにすると、さもなければセメント固定型器具から非セメント固定型器具へ(又はその逆)の切り換えのために実施する必要のあるリーミング又は他の外科的処置の必要がなくなり、時間及び複雑さを軽減する。いくつかの実施例によれば、フィン110D,110DDとフィン110E,110EEとは、フィン110D,110DDの厚さがフィン110E,110EEの対応する厚さよりもわずかに大きい点だけが異なっていてもよい。
【0058】
脛骨ベースプレート100D及び100Eを用いて論じたように、脛骨ベースプレート100F及び100Gは、実質的に同じサイズを共有することができる(例えば周縁部の内側-外側方向の範囲は実質的に同じであってもよく、周縁部の前部-後部方向の範囲は実質的に同じであってもよい、など)。さらに、脛骨ベースプレート100F及び100Gの遠位機構のジオメトリも実質的に同じであり得る。これは、脛骨ベースプレート100Gのキール108G及びフィン110G,110GGの対応する態様と比較した場合の、脛骨ベースプレート100Fのキール108F及びフィン110F,110FFの複数の態様のジオメトリを含む。したがって、
図5Aから6Bに示されているように、脛骨ベースプレート100Fのキール108F及びフィン110F,110FFは、(キール108F及びフィン110F,110FFの範囲に沿って内側-外側方向に移動する、キール108F及びフィン110F,110FFの最も遠位方向の面に沿って測定された)脛骨ベースプレート100Gのキール108G及びフィン110G,110GGと実質的に同じ遠位プロファイル304を共有することができる。換言すれば、キール108F及び108Gは、近位-遠位方向長さ、直径、溝の形状及びサイズ、フルートのサイズ及び形状などの同じジオメトリ特徴を共有することができる。同様に、フィン110F,110FFは、フィン110G,110GGと同じジオメトリ(角度、内側-外側方向幅、近位-遠位方向長さ、厚さなど)を共有することができる。いくつかの実施例によれば、フィン110F,110FF及びフィン110G,110GGは、フィン110F,110FFの厚さがフィン110G,110GGの対応厚さよりもわずかに大きい点だけが異なっていてもよい。
【0059】
脛骨ベースプレート100H及び100Iは実質的に同じサイズを共有することができる(例えば周縁部の内側-外側方向の範囲は実質的に同じであってもよく、周縁部の前部-後部方向の範囲は実質的に同じであってもよい、など)。加えて、脛骨ベースプレート100H及び100Iの遠位機構のジオメトリも実質的に同じであり得る。これは、脛骨ベースプレート100Iのキール108I及びフィン110I,110IIの対応する態様と比較した場合の、脛骨ベースプレート100Hのキール108H及びフィン110H,110HHの複数の態様のジオメトリを含む。したがって、
図7Aから
図8Bに示されているように、脛骨ベースプレート100Hのキール108H及びフィン110H,110HHは、(キール108H及びフィン110H,110HHの範囲に沿って内側-外側方向に移動する、キール108H及びフィン110H,110HHの最も遠位方向の面に沿って測定された)脛骨ベースプレート100Iのキール108I及びフィン110I,110IIと実質的に同じ遠位プロファイル306を共有することができる。換言すれば、キール108H及び108Iは、近位-遠位方向長さ、直径、溝の形状及びサイズ、フルートのサイズ及び形状といった機構の同じジオメトリを共有することができる。同様に、フィン110H,110HHは、フィン110I,110IIと同じジオメトリ(角度、内側-外側方向幅、近位-遠位方向長さ、厚さなど)を共有することができる。いくつかの実施例によれば、フィン110H,110HHとフィン110I,110IIとは、フィン110H,110HHの厚さがフィン110I,110IIの対応厚さよりもわずかに大きい点でだけが異なっていてもよい。
【0060】
本明細書中に提供される実施例によれば、脛骨ベースプレートは、後十字靭帯温存型(cruciate retaining (CR))デザインを備えることができる。したがって、脛骨ベースプレートは、植え込み中に後十字靭帯が切除されないためのリリーフ(relieve)を有することができる。しかしながら、例えば、後部安定化型(posterior-stabilized(PS))デザイン、中位拘束(mid-level constraint(MLC))又は拘束後部安定化型(constrained posterior stabilized(CPS))デザイン、及び超適合(ultra-congruent (UC))デザインを含む、他のプロテーゼデザインも考えられる。PS及びMLCデザインは、当業者に知られているようなスパイン及びカムを利用する。後十字靭帯は排除されるので、リリーフ(relief)を設ける必要はない。
【0061】
補注
上記の詳細な説明は、添付の図面の参照を含む。これらの図面は詳細な説明の一部を形成する。図面は、本発明を実施し得る具体的な実施態様を実例として示す。これらの実施態様は本明細書中では「実施例」とも称される。このような実施例は図示又は記述されたものに加えられる要素を含み得る。しかしながら、本発明者は、また、図示又は記述された要素だけが提供される実施例をも考える。さらに、本発明者は、また、図示又は記述された特定の実施例(又はその1つ又は複数のアスペクト)に関して、又は他の実施例(又はこれらの1つ又は複数のアスペクト)に関して、図示され記述された要素(又はこれらの1つ又は複数のアスペクト)の組み合わせ又は置換を用いた実施例をも考える。
【0062】
本文献では、「概ね(generally)」、「ほぼ(substantially)」、「約(about)」という用語は、提供された値の15パーセント(±)以内を意味する。「a」又は「an」という用語は、特許文献において共通するように、「少なくとも1つ(at least one)」又は「1つ又は複数(one or more)」といういかなる他の例又は利用からも独立して、1つ又は1つよりも多い(one or more than one)ことを含むために使用される。本文献では、「又は」という用語は、非排他的orを意味し、これにより特に断りのない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、そして「AでありかつBである」を含むように使用される。本文献では「含む(including)」及び「そこには(in which)」という用語は、「含む(comprising)」及び「そこにおいて(wherein)」というそれぞれの用語と同等のプレイン・イングリッシュとして使用される。また、下記クレームにおいて、「含む(including)」及び「含む(comprising)」はオープンエンドであり、すなわち請求項におけるこのような用語の後に挙げられたものに加えられる要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスであり、これらの要素は、請求項の範囲に含まれるとまだ見なされる。さらに、下記請求項において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などという用語は、単に標識として使用されるにすぎず、これらの対象物に数値的要件を課すものではない。
【0063】
上記記述内容は、例示的なものであって、限定的ではないものと意図される。例えば、上記実施例(又はこれらの1つ又は複数の態様)は、相互の組み合わせにおいて用いることができる。上記記述を概観すれば、例えば当業者によって他の実施例を用いることができる。要約書は、読者が技術開示内容の性質を迅速に確認するのを可能にするために、米国特許法第1の.72(b)条を遵守するように提供されている。これは、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するためには使用されないという理解のもとに提出される。また、上記詳細な説明において、様々な特徴をまとめることにより、開示内容を簡素化することができる。このことは、請求項以外で開示された特徴がいずれの請求項にも必須であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、開示された特定の実施例の全ての特徴にあるわけではない。したがって、下記請求項はここでは実施例又は実施態様として詳細な説明に組み込まれる。各請求項はそれ自体別個の実施例として存在し、またこのような実施例は様々な組み合わせ又は置換において、互いに組み合わせることができる。本発明の範囲は、添付の請求項を、このような請求項に与えられた同等のものの全範囲と併せて参照することによって見極められるべきである。
【外国語明細書】