(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029782
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】パネル
(51)【国際特許分類】
E04H 17/16 20060101AFI20240229BHJP
E01F 8/00 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
E04H17/16 104
E01F8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132144
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田 樹
【テーマコード(参考)】
2D001
2E142
【Fターム(参考)】
2D001BA02
2D001BB01
2E142AA01
2E142AA03
2E142EE02
2E142EE12
2E142HH22
(57)【要約】
【課題】組立て作業が容易なパネルを提供する。
【解決手段】矩形の板体と、その4辺を囲う上枠、下枠、左右の縦枠を備え、前記各縦枠が、前記板体の幅方向一方側に配置する第一枠材と、他方側に配置する第二枠材と、これらを固定する連結枠材とを備え、前記第一枠材及び第二枠材の少なくとも一方に係合部を設け、この係合部へ係合可能な係合受部を前記連結枠材に設ける。前記係合受部へ係合部を係合させることで前記連結枠材の所定の位置に前記係合部を設けた枠材を配置でき、この枠材を連結部材へ固定する作業を容易に行うことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて立接された支柱の間に架設されるパネルであって、
矩形の板体と、該板体の4辺を囲うようにそれぞれ配置される上枠、下枠、左右の縦枠を備え、
前記各縦枠は、前記板体の端部の幅方向一方側に配置される第一枠材と、前記端部の幅方向他方側に配置される第二枠材と、前記第一枠材及び第二枠材がそれぞれ固定される連結枠材とを備え、
前記第一枠材及び第二枠材の少なくとも一方に係合部が設けられ、該係合部が係合可能な係合受部が前記連結枠材に設けられていることを特徴とするパネル。
【請求項2】
前記第一枠材及び第二枠材はそれぞれ筒壁部を備え、該各筒壁部は内部の中空部の全周を囲うように形成されており、前記第一枠材及び第二枠材は前記各筒壁部の少なくとも一部を前記連結枠材へ当接させて、該連結部材へそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
第一枠材及び第二枠材の一方に前記係合部が設けられると共に、他方に第二係合部が形成されており、
該第二係合部が係合可能な第二係合受部が前記連結枠材に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル。
【請求項4】
前記係合部は、端部が前記幅方向他方側へ向かって突出する突条形状に形成されると共に、前記係合受部が開口部が前記幅方向一方側へ向けて開口する溝状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル。
【請求項5】
前記係合部は、開口部が前記幅方向他方側へ向けて開口する溝状に形成されると共に、前記係合受部が端部が前記幅方向一方側へ向かって突出する突条に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱の間に架設させて柵や塀、壁などを形成するためのパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
柵や塀、壁などを形成するためのパネルについては、矩形の板体の周囲を囲うように枠材を取り付ける構成のものが従来から利用されており、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、所定の曲率を与えられた弯曲の基準部材に補助部材を内接した縦枠と、直線の基準部材に補助部材を当接した横枠とを四角形に設けて縁枠を形成し、縁枠の基準部材と補助部材とで透光性樹脂板を挟持し、縁枠の外側を止め板で固定したことを特徴とする屋外及び道路用透光板の弯曲枠部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される道路用透光板の弯曲枠部材によれば、所定強度の枠部材を所望の曲率の弯曲状で得ることを目的としているが、この枠部材を組み立てる作業が難しい状況が想定される。
【0006】
本発明は、組立て作業が容易なパネルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係るパネルは、間隔をあけて立接された支柱の間に架設されるパネルであって、矩形の板体と、該板体の4辺を囲うようにそれぞれ配置される上枠、下枠、左右の縦枠を備え、前記各縦枠は、前記板体の端部の幅方向一方側に配置される第一枠材と、前記端部の幅方向他方側に配置される第二枠材と、前記第一枠材及び第二枠材がそれぞれ固定される連結枠材とを備え、前記第一枠材及び第二枠材の少なくとも一方に係合部が設けられ、該係合部が係合可能な係合受部が前記連結枠材に設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係るパネルによれば、矩形の板体と、この板体の4辺を囲うようにそれぞれ配置する上枠、下枠、左右の縦枠を備えるので、各枠体によって板体の端部が保護されると共に、パネル全体の剛性が向上する。
また、前記各縦枠が前記板体の端部の幅方向一方側に配置する第一枠材と、前記端部の幅方向他方側に配置する第二枠材と、前記第一枠材及び第二枠材をそれぞれ固定する連結枠材とを備え、前記第一枠材及び第二枠材の少なくとも一方に係合部を設け、この係合部が係合可能な係合受部を前記連結枠材に設けるので、前記係合受部へ係合部を係合させた状態において前記連結枠材の所定の位置に前記係合部を設けた枠材を配置でき、この枠材を連結部材へ固定する作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、前記第一枠材及び第二枠材がそれぞれ筒壁部を備え、この各筒壁部を内部の中空部の全周を囲うように形成すれば、第一枠材と第二枠材の剛性が向上し、曲がりや歪みなどの変形が生じにくくなされる。そして、前記各筒壁部の少なくとも一部を前記連結枠材へ当接させて前記第一枠材と第二枠材を連結部材へそれぞれ固定すれば、前記係合受部へ係合部を係合させた状態において前記連結枠材の所定の位置に前記係合部を設けた枠材を精度よく配置できるので、好ましい。
【0010】
また、第一枠材及び第二枠材の一方に前記係合部を設けると共に、他方に第二係合部を形成し、この第二係合部が係合可能な第二係合受部を前記連結枠材に設ければ、前記第二係合受部へ第二係合部を係合させた状態において前記連結枠材の所定の位置に前記第二係合部を設けた枠材を配置できるので、この枠材を連結部材へ固定する作業を容易に行うことができる。
【0011】
また、前記係合部を端部が前記幅方向他方側へ向かって突出する突条形状に形成すると共に、前記係合受部を開口部が前記幅方向一方側へ向けて開口する溝状に形成すれば、前記係合部を係合受部へ係合させるときに、係合部を設けた枠材を幅方向の外側から板体へ向けて移動させ、連結枠材の係合受部へ差し入れるようにして係合部を係合できるので、この枠材を連結部材へ固定する作業を容易に行うことができる。
【0012】
また、前記係合部を開口部が前記幅方向他方側へ向けて開口する溝状に形成すると共に、前記係合受部を端部が前記幅方向一方側へ向かって突出する突条に形成すれば、前記係合部を係合受部へ係合させるときに、係合部を設けた枠材を幅方向の外側から板体へ向けて移動させ、連結枠材の係合受部を係合部へ差し入れるようにして係合できるので、この枠材を連結部材へ固定する作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るパネルによれば、組立て作業を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るパネルの実施の一形態を示す正面図である。
【
図2】パネルの上枠付近の縦断面を示す
図1のA-A断面図である。
【
図3】パネルの縦枠付近の横断面を示す
図1のB-B断面図である。
【
図8】
図7の連結枠材へ
図6の第二枠材を取り付けた状態を示す断面図である。
【
図9】
図8の第二枠材へ板体を当接させた状態を示す断面図である。
【
図10】
図9の連結枠材へ
図5の第一枠材を取り付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明に係るパネル1の実施の一形態を示す正面図である。
以降の説明において、
図1の図中上下方向を縦方向とし、縦方向に対して垂直な図中左右方向を横方向とし、縦方向と横方向とに対して垂直な方向を幅方向とする。また、特に説明を行わない場合は、パネル1の板体10が配置されている側を内側とし、内側の逆を外側とする。
パネル1は、横長矩形の略平板状に形成しており、板体10の縦方向の両端に上枠2A、下枠2Bを取り付け、横方向の両端に縦枠3をそれぞれ取り付けて、形成している。
パネル1は、横方向に間隔をあけて立設した支柱の間に配置し、前記各縦枠3を各支柱へ接続して取り付けることで、各支柱の間に架設させるように設けている。
【0016】
図2はパネル1の上枠2A付近の縦断面を示す
図1のA-A断面図である。
板体10は、全体の厚みが均一な平板であり、ポリカーボネート樹脂で形成している。板体10の端部には、ビスB2を幅方向へ螺挿して取り付けており、前記ビスB2の雄ねじの先端と頭部とが、それぞれ板体10の板面から幅方向外側へ突出するように設けている。前記ビスB2を取り付けた部位は、幅方向の大きさが他の板体10の板厚よりも大きくなされ、抜止部11として機能する。
板体10は、前記ビスB2からなる抜止部11を、四辺の端部にそれぞれ複数箇所ずつ形成している。
【0017】
上枠2Aは、略矩形の断面形状を有する長尺体であり、金属材料で形成している。具体的には、アルミニウムの押出形材で形成しており、横方向へ向けた長手方向の全長に亘って同じ断面形状に設けている。
【0018】
上枠2Aには、断面略Cの字形の溝状に設けたビス孔23を形成しており、ビス孔23は横方向の端からビスB1を螺挿可能に設けている。
上枠2Aは、横方向の両側の端を前記各縦枠3へそれぞれ当接させ、各縦枠3に挿通させたビスB1を前記各ビス孔23に螺挿させて、各縦枠3へ固定している。
上枠2Aには、前記ビス孔23を4個形成しており、各ビス孔23へ螺挿させた4個のビスB1によって縦枠3へ強固に固定できるように設けている。
【0019】
上枠2Aは、板体10の端部を挿入して内部に収納する溝20を備えている。
溝20は縦方向内側へ向けて開口する溝形状に設けており、溝20の開口部分には押縁25を取り付けて設けている。押縁25は断面略台形の突条25aを有しており、この突条25aを上枠2Aに設けた蟻溝状の取付溝24へ収納させて係合させ、押縁25aを取り付けている。
前記溝20は、取り付けた押縁25が一方の開口縁を構成することで、開口縁付近の溝幅よりも大きな溝幅に設けた部位を溝内部に有する袋溝状に形成している。
【0020】
前記溝20は、その開口部分の溝幅の大きさを前記板体10の板厚よりも大きく設け、前記抜止部11の幅方向の大きさよりも小さく設けている。換言すると、溝20は、前記押縁25で構成する一方の開口縁と、上枠2Aに形成した他方の開口縁とがそれぞれ係止部21として機能し、上枠2Aから板体10が外れそうになったときに係止部21へ抜止部11が当接して、溝20の内部からの板体10の端部の脱抜が規制される。
【0021】
前記板体10の端部と上枠2Aとの間には、パッキンPを配置して取り付けている。
パッキンPは、略帯状のシート状に形成しており、溝20の内部に挿入した板体10の端部の略全体を覆うように取り付けている。パッキンPの両側の端部には取付溝p1をそれぞれ1個ずつ合計2個形成しており、各取付溝p1はパッキンPの長手方向の全長に亘って設けている。前記パッキンPは、各取付溝p1の内側へ前記溝20の各係止部21の先端をそれぞれ嵌め込み、溝20へ取り付けている。
パッキンPを取り付けることにより、溝20の内部への水や砂、埃などの侵入を抑制できる。また、パッキンPが各係止部21と板体10の板面とへ当接することにより、上枠2Aに対する板体10の移動が抑制され、溝20の内部からの板体10の端部の脱抜が規制される。また、パッキンPが各係止部21と板体10の板面とへ当接することにより、風などを受けたときの板体10の振動や音の発生を抑制できる。
尚、
図1に示す下枠2Bは、前記上枠2Aと同一形状に形成しており、上枠2Aと同様の方法で板体10へ取り付けている。
【0022】
図3は、パネル1の縦枠3付近の横断面を示す
図1のB-B断面図である。
縦枠3は、第一枠材4、第二枠材5、連結枠材6を有しており、第一枠材4と第二枠材5をそれぞれ連結枠材6へ取り付けてビスB3によって、縦枠3を一体的に構成している。
第一枠材4と第二枠材5は連結枠材6の横方向内側に配置しており、第一枠材4を幅方向の一方側(
図3における上側)に配置し、第二枠材5を幅方向の他方側(
図3における下側)に配置させて、それぞれ連結枠材6へ固定している。
【0023】
縦枠3の横方向内側の端部において、前記第一枠材4と第二枠材5とが幅方向に離間して溝30を形成している。溝30は、開口縁付近の溝幅よりも大きな溝幅に設けた部位を溝内部に有する袋溝形状に形成しており、第一枠材4で形成する幅方向一方側の開口縁を係止部41として機能させ、第二枠材5で形成する幅方向他方側の開口縁を係止部51として機能させる。
前記係止部41と係止部51はそれぞれ相対する突条形状に設けており、前記前記上枠2Aの各係止部21と同様に、縦枠3から板体10が外れそうになったときに、各係止部41、51へ板体10の前記抜止部11が当接して、溝30の内部からの板体10の端部の脱抜が規制される。
また、前記板体10の端部と縦枠3との間にはパッキンPを配置して取り付けており、前記上枠2Aに取り付けたパッキンPと同様に、溝30の内部への水や砂、埃などの侵入を抑制している。また、パッキンPによって縦枠3に対する板体10の移動を抑制して、溝30の内部からの板体10の端部の脱抜を規制している。また、パッキンPによって、風などを受けたときの板体10の振動や音の発生を抑制している。
【0024】
図4は
図1の縦枠3を示す正面図である。
図4は、
図1の図中右側に配置した縦枠3を示している。
縦枠3を構成する前記第一枠材4、第二枠材5、及び連結枠材6は、それぞれ金属材料で形成した長尺体であり、具体的には、アルミニウムの押出形材で形成しており、縦方向へ向けた長手方向の全長に亘って同じ断面形状にそれぞれ設けている。
第一枠材4と第二枠材5は長手方向の大きさを同じに形成しており、連結枠材6は第一枠材4及び第二枠材5よりも長手方向の大きさを大きく形成している。縦枠3は、
図4に示すように、連結枠材6の長手方向の両側の端部6a、6bが、第一枠材及び第二枠材5の両端から外側へそれぞれ突出するように形成しており、この突出する各端部6a、6bへ前記上枠2A、下枠2Bを固定するように設けている。パネル1の前記上枠2A、下枠2Bは、その長手方向の端部を端部6a、6bへそれぞれ当接し、連結枠材6を貫通するビスB1を前記各ビス孔23へ螺挿させて、連結枠材6へ固定している。
尚、
図1の図中左側に配置した縦枠3は、
図4に示す縦枠3と同一形状に形成しており、上記と同様の方法で上枠2A、下枠2Bや板体10を取り付けている。
【0025】
図5は
図3の第一枠材4の平面図である。
第一枠材4は、略矩形の筒壁部40を備える筒状の長尺体に形成している。
第一枠材4は、筒壁部40を内部の中空部40aの全周を囲う筒状に形成しており、その剛性を向上させて、曲がりや歪みなどの変形が生じにくく設けている。
【0026】
第一枠材4は、横方向の端部に前記係止部41を形成している。係止部41は、その根元を前記筒壁部40に接続させ、先端を幅方向の前記他方側へ向けて突出する突条形状に形成している。
また、前記係止部41とは逆側の横方向の端部には、前記連結枠材6へ取り付ける取付部43を形成している。取付部43は、連結枠材6へ当接させる当接部43aと、連結枠材6へ係合させる第一係合部43bを備え、当接部43aは前記筒壁部40の一部で構成している。また、第一係合部43bはその根元を前記筒壁部40に接続させ、先端が幅方向の前記他方側へ向けて突出する突条形状に形成している。
第一係合部43bは、根元が筒壁部40に接続することで剛性が向上し、その変形が抑制される。
【0027】
図6は
図3の第二枠材5の平面図である。
第二枠材5は、筒壁部50を内部の中空部50aの全周を囲う筒状に形成しており、その剛性を向上させて、曲がりや歪みなどの変形が生じにくく設けている。
【0028】
第二枠材5は、横方向の端部に前記係止部51を形成している。係止部51は、その根元を前記筒壁部50に接続させ、先端を幅方向の前記一方側へ向けて突出する突条形状に形成している。
また、前記係止部51とは逆側の横方向の端部には、前記連結枠材6へ取り付ける取付部53を形成している。取付部53は、連結枠材6へ当接させる当接部53aと、連結枠材6へ係合させる第二係合部53bを備え、当接部53aは前記筒壁部50の一部で構成している。また、第二係合部53bはその根元を前記筒壁部50に接続させ、先端が幅方向の前記一方側へ向けて突出する突条形状に形成している。
第二係合部53bは、根元が筒壁部50に接続することで剛性が向上し、その変形が抑制される。
【0029】
図7は
図3の連結枠材6の平面図である。
連結枠材6は、横方向の端部に配置した取付部60と、この取付部60の幅方向の前記他方側の端部から横方向外側へ突出する支持部69を備えており、断面略Lの字形状の長尺体に形成している。
支持部69は略平板形状に形成しており、パネル1を固定する支柱へ取り付けるように設けている。具体的には、支持部69に形成した貫通孔69aへ挿通させた雄ねじ部材を介して、支柱へ固定するように設けている。
【0030】
連結枠材6の前記取付部60は、前記第一枠材4を取り付ける第一取付部64と、前記第二枠材を取り付ける第二取付部65とを有している。また、幅方向の一方側に配置した前記第一取付部64と他方側に配置した第二取付部65との間には、接続部63を設けて第一取付部64と第二取付部65とを接続している。
【0031】
連結部材6の前記第一取付部64は、第一枠材4の前記当接部43aが当接する当接部64aと、前記第一係合部43bと係合する第一係合受部64bとを備えている。
第一係合受部64bは、連結部材6の全長に亘る溝形状に形成しており、その内側に前記第一係合部43bの先端部分を収納させて係合状態となされるように設けている。第一係合受部64bは、溝の開口部分が幅方向の前記一方側へ向けるように形成しており、前記第一係合部43bを幅方向の一方側から挿入させて係合するように設けている。
第一係合受部64bは、第一取付部64の幅方向他方側の端部付近に形成している。
【0032】
連結部材6の前記第二取付部65は、第二枠材5の前記当接部53aが当接する当接部65aと、前記第二係合部53bと係合する第二係合受部65bとを備えている。
第二係合受部65bは、第一係合受部64bと同様に、連結部材6の全長に亘る溝形状に形成しており、その内側に前記第二係合部53bの先端部分を収納させて係合状態となされるように設けている。第二係合受部65bは、溝の開口部分が幅方向の前記一方側へ向けるように形成しており、前記第二係合部53bを幅方向の一方側から挿入させて係合するように設けている。
第二係合受部は、第二取付部65の幅方向一方側の端部付近に形成している。
【0033】
第一取付部64と第二取付部65とを接続する前記接続部63は壁部63aを備えており、壁部63aは断面略矩形の筒壁部62の筒壁を構成している。
筒壁部62は断面略矩形の筒形状に形成しており、その筒壁の一部を壁部63aで構成し、更に筒壁の一部を前記第一係合受部64bと第二係合受部65bで構成している。具体的には、前記第一係合受部64bの横方向外側の側壁部分が前記筒壁部62の一部を構成し、前記第二係合受部65bの横方向外側の側壁部分が前記筒壁部62の一部を構成している。
連結枠材6は、筒壁部62を内部の中空部62aの全周を囲う筒状に設けて、その剛性を向上させ、曲がりや歪みなどの変形が生じにくくしている。更に、筒壁部62の筒壁部分に前記第一係合受部64bと第二係合受部65bを配置することで、第一係合受部64bや第二係合受部65bにおける変形を抑制している。
【0034】
図8は
図7の連結枠材6へ
図6の第二枠材5を取り付けた状態を示す断面図である。
図8に示す第二枠材5は、第二係合部53bを連結部材6の第二係合受部65bへ係合させており、第二係合部53bの先端部分を幅方向一方側から第二係合受部65bの内側へ挿入させて収納させている。
図8に示す連結枠材6の横方向外側から、第二取付部65を貫通するビスB3を第二枠材5の取付部53へ螺挿させることで、第二枠材5を連結枠材6へ固定できる。
第二係合部53bを第二係合受部65bへ係合させることで、連結部材6に対する第二枠材5の移動が抑制されて位置ずれなどが低減するので、第二枠材5を精度よく連結部材6へ固定することができる。
また、第二係合部53bを第二係合受部65bへ係合させることで、第二枠材5を連結部材6に対して仮置き状態にできるので、ビスB3の螺挿による第二枠材5の固定作業をより容易に行うことができる。
【0035】
図9は
図8の第二枠材5へ板体10を当接させた状態を示す断面図である。
図9の第二枠材5は、ビスB3によって連結部材6に固定している。
板体10は、その端部にビスB2からなる抜止部11を形成しており、この端部の略全体を覆うようにパッキンPを取り付けている。パッキンPは、上枠2Aへ取り付けた前記パッキンPと同様に、両側の各端部に取付溝p1をそれぞれ1個ずつ形成しており、各取付溝p1はパッキンPの長手方向の全長に亘って形成している。
板体10は、前記抜止部11を係止部51の横方向外側に配置し、前記パッキンPの取付溝p1の内側に係止部51の先端を挿入させて、第二枠材5へ当接させている。
【0036】
図10は
図9の連結枠材6へ
図5の第一枠材4を取り付けた状態を示す断面図である。
図10に示す第一枠材4は、第一係合部43bを連結部材6の第一係合受部64bへ係合させており、第一係合部43bの先端部分を幅方向一方側から第一係合受部64bの内側へ挿入させて収納させている。
また、第一枠材4の前記係止部41の先端部分を幅方向一方側からパッキンPの取付溝p1の内側へ挿入させている。
図10に示す連結枠材6の横方向外側から、第一取付部64を貫通するビスB3を第一枠材4の取付部43へ螺挿させることで、第一枠材4を連結枠材6へ固定できる。
第一係合部43bを幅方向外側である前記一方側から第一係合受部64へ挿入させて係合させるので、第一枠材4を幅方向外側から連結部材6へ取り付けることができ、第一枠材4を取り付けて固定する作業をより容易に行うことができる。
また、第一係合部43bを第一係合受部64bへ係合させることで、連結部材6に対する第一枠材4の移動が規制されて位置ずれなどが低減するので、第一枠材4を精度よく連結部材6へ固定することができる。
【0037】
ビスB3によって
図10の第一枠材4を連結部材6へ固定することで、
図3に示す縦枠3が形成される。
また、縦枠3の前記端部6a、6bにおいて、連結枠材6の前記取付部60へ横方向外側から挿通させた前記ビスB1を板体10に取り付けた前記上枠2A、下枠2Bの各ビス孔23へ螺挿させることで、上枠2A、2Bが各縦枠3へ固定され、
図1に示すパネル1が形成される。
【0038】
ビスB3によって連結部材6へ固定される第一枠材4は、第一係合部43bの第一係合受部64bへの係合によって連結部材6に対する幅方向や横方向への移動が規制される。これによって、パネル1が外力を受けて縦枠3に伝達されたときに、第一係合部43bと第一係合受部64bとの係合によって前記ビスB3が受ける力が低減し、折損などのビスB3の損傷が抑制される。また、前記第一係合受部64bを前記筒壁部42の筒壁部分に配置することで、第一係合部43bと第一係合受部64bの係合部分の変形が抑制されるので、ビスB3が受ける力を効果的に低減させて、ビスB3の損傷を抑制できる。
【0039】
ビスB3によって連結部材6へ固定される第二枠材5は、第二係合部53bの第二係合受部65bへの係合によって連結部材6に対する幅方向や横方向への移動が規制される。
このため、前記第一枠材4と同様に、前記ビスB3が受ける力が第二係合部53bと第二係合受部65bの係合部分によって低減し、折損などの損傷が抑制される。また、前記第二係合受部65bを前記筒壁部42の筒壁部分に配置することで、第二係合部53bと第二係合受部65bの係合部分の変形が抑制されるので、ビスB3が受ける力を効果的に低減させて、ビスB3の損傷を抑制できる。
【0040】
尚、本発明に係るパネル1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記縦枠3は、第一枠材4に形成した第一係合部43bを突条形状に形成し、連結枠材6に形成した第一係合受部64bを溝状に形成しているが、これに限るものではなく、第一係合部と第一係合受部とを互いに係合可能な他の形状に形成してもよい。例えば、連結部材6に設ける第一係合受部を突条形状に形成し、第一枠材4に設ける第一係合部を前記第一係合受部へ係合可能な溝状に形成してもよい。
【0041】
また、前記縦枠3は、第二枠材5に形成した第二係合部53bを突条形状に形成し、連結枠材6に形成した第二係合受部65bを溝状に形成しているが、これに限るものではなく、第二係合部と第二係合受部とを互いに係合可能な他の形状に形成してもよい。例えば、連結部材6に設ける第二係合受部を突条形状に形成し、第二枠材5に設ける第二係合部を前記第二係合受部へ係合可能な溝状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 パネル
10 板体
11 抜止部
2A 上枠
2B 下枠
20 溝
21 係止部
23 ビス孔
24 取付溝
3 縦枠
30 溝
4 第一枠材
40 筒壁部
41 係止部
43 取付部
43a 当接部
43b 第一係合部
5 第二枠材
50 筒壁部
51 係止部
53 取付部
53a 当接部
53b 第二係合部
6 連結枠材
60 取付部
62 筒壁部
63 接続部
64 第一取付部
64a 当接部
64b 第一係合受部
65 第二取付部
65a 当接部
65b 第二係合受部
69 支持部
P パッキン