(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029783
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20240229BHJP
B65F 1/06 20060101ALI20240229BHJP
B65F 1/16 20060101ALI20240229BHJP
B65D 5/06 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65F1/00 D
B65F1/06 Z
B65F1/16
B65D5/06 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132145
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】521139195
【氏名又は名称】セレッティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】大石 綾
【テーマコード(参考)】
3E023
3E060
【Fターム(参考)】
3E023AA03
3E023AA09
3E023GA01
3E023GB02
3E023GC01
3E023MA01
3E060AA03
3E060AB04
3E060BA03
3E060CF19
3E060DA30
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】衛生上好ましく、使い勝手の良いゴミ箱を提供する。
【解決手段】ゴミ箱2は、収容筒10と、収容筒10に設けられた内蓋構造20と、収容筒10に設けられた外蓋50と、を備える。収容筒10及び内蓋構造20の展開図を示す。長方形状の第1連結片31の4つの頂点を頂点A1、頂点B1、頂点C1、頂点D1とし、長方形状の第2連結片32の4つの頂点を頂点A2、頂点B2、頂点C2、頂点D2とする。ここで、辺A1B1が第3辺13であり、辺A2B2が第4辺14となる。また、第3辺13に対向する辺C1D1の中点を中点X1としたとき、第1三角片部31Tは、三角形A1B1X1となる。同様に、第4辺14に対向する辺C2D2の中点を中点X2としたとき、第2三角片部32Tは、三角形A2B2X2となる。ここで、角A1X1B1及び角A2X2B2は直角である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底で四角筒状の収容筒と、
前記収容筒の開口をなす第1辺から延設する第1開閉片と、
前記収容筒の開口をなす辺であって前記第1辺に対向する第2辺から延設する第2開閉片と、
前記収容筒の開口をなす第3辺、前記第1開閉片及び第2開閉片を連結する連結片と、を備え、
前記第1開閉片及び第2開閉片は長方形状に形成され、
前記第1開閉片及び第2開閉片は、前記開口を塞ぐ閉状態と、前記閉状態から退避した開状態との間で切り替え自在であり、
前記連結片は、前記開口に向かって倒れる伏臥状態と、前記伏臥状態から退避した伏臥退避状態との間で切り替え自在であり、
前記連結片が前記伏臥状態のときに前記第1開閉片及び第2開閉片が前記閉状態となり、
前記連結片が前記伏臥退避状態のときに前記第1開閉片及び第2開閉片が前記開状態となることを特徴とするゴミ箱。
【請求項2】
前記連結片は、
前記開口をなす辺が斜辺である直角三角形状の三角片部と、
前記三角片部のうち前記斜辺以外の2つの辺から延びるとともに前記第1開閉片又は前記第2開閉片に連なる連接片部と、を備え、
前記連接部と前記三角片部との境界線には谷折線が形成され、
前記連接部と前記開閉片との境界線には山折線が形成され、
前記三角片部は、前記長方形状の開口に向かって倒れる伏臥状態と、前記伏臥状態から退避した伏臥退避状態との間で切り替え自在であり、
前記三角片部が前記伏臥状態のときに前記開閉片が前記閉状態となり、
前記三角片部が前記伏臥退避状態のときに前記開閉片が前記開状態となることを特徴とする請求項1記載のゴミ箱。
【請求項3】
前記開閉片が前記閉状態のとき、前記収容筒の底から離隔していることを特徴とする請求項1または2記載のゴミ箱。
【請求項4】
前記収容筒の収容空間に配された内袋をさらに備え、
前記内袋の開口縁が、前記開閉片及び前記連結片の先端において折り返されることを特徴とする請求項3記載のゴミ箱。
【請求項5】
前記開閉片が前記閉状態のときに前記内袋の開口が閉じる一方、
前記開閉片が前記開状態のときに前記内袋の開口が開くことを特徴とする請求項4記載のゴミ箱。
【請求項6】
一方の前記開閉片に設けられた外蓋をさらに備え、
前記一方の開閉片が閉状態となるときに、前記外蓋は、他方の開閉片に当接することを特徴とする請求項3記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場や家庭では、ガーゼ、マスクやティッシュペーパ等(以下、ガーゼ等と称する)が利用される。使用済みのガーゼ等は、体液が付着している。使用済みのガーゼ等をゴミ箱に捨てた後、ゴミ箱の開口が開きっぱなしの状態は衛生上好ましくない。このため、開口を開閉自在な外蓋を備えたゴミ箱が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のゴミ箱は、ゴミ箱本体に対して開口の大きさが小さい。このため、ガーゼ等をゴミ箱に捨てる際、ガーゼ等を開口の中へ確実に挿入せざるを得ず、結果として、ゴミ箱へ捨てる際の作業効率が好ましくない。また、この作業効率を上げようとすると、ゴミ箱からガーゼ等が外れてしまい、ガーゼ等が外部に転がってしまうため、衛生上好ましくない。さらに、ゴミ箱本体に対して開口の大きさが小さいため、ゴミ箱からガーゼ等を取り出す作業も効率的ではない。また、特許文献1のゴミ箱において、ゴミ箱本体に対して目一杯の開口を形成してしまうと、外蓋がゴミ箱の収容空間に脱落してしまうため、衛生上好ましくない。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、衛生上好ましく、使い勝手の良いゴミ箱を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゴミ箱は、有底で四角筒状の収容筒と、前記収容筒の開口をなす第1辺から延設する第1開閉片と、前記収容筒の開口をなす辺であって前記第1辺に対向する第2辺から延設する第2開閉片と、前記収容筒の開口をなす第3辺、前記第1開閉片及び第2開閉片を連結する連結片と、を備え、前記第1開閉片及び第2開閉片は長方形状に形成され、前記第1開閉片及び第2開閉片は、前記開口を塞ぐ閉状態と、前記閉状態から退避した開状態との間で切り替え自在であり、前記連結片は、前記開口に向かって倒れる伏臥状態と、前記伏臥状態から退避した伏臥退避状態との間で切り替え自在であり、前記連結片が前記伏臥状態のときに前記第1開閉片及び第2開閉片が前記閉状態となり、前記連結片が前記伏臥退避状態のときに前記第1開閉片及び第2開閉片が前記開状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、衛生上好ましく、また、取り扱いが容易なゴミ箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)は、ごみ箱(閉状態)の概要を示す斜視図である。(B)は、ごみ箱(開状態)の概要を示す斜視図である。
【
図2】(A)は、ごみ箱(閉状態)の概要を示す斜視図である。(B)及び(C)は、内ごみ箱(開状態)の概要を示す斜視図である。なお、(A)~(C)は、図の煩雑を防ぐために、外蓋は省略している。
【
図3】収容筒及び内蓋構造の概要を示す展開図である。
【
図4】(A)~(B)は、内袋を備えるごみ箱の概要を示す断面図である。なお、図の煩雑を防ぐために、内蓋構造のうち第1開閉片及び第2開閉片を示し、他は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
説明の便宜上、水平面における任意の方向をX方向、水平面であって、X方向に直交する方向をY方向、そして、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0010】
図1に示すように、ゴミ箱2は、収容筒10と、収容筒10に設けられた内蓋構造20と、収容筒10に設けられた外蓋50と、を備える。
【0011】
収容筒10は、Z方向に延びる筒状体であって、収容筒10の一方側(図中の下側)の開口は底面によって閉じている。また、収容筒10の他方側(図中の上側)の開口は外部空間に対して開いている。
【0012】
収容筒10は、四角筒状であり、Z方向を直交する切断面に表れる断面形状は、X方向及びY方向に辺を持つ長方形状となっている。ここで、収容筒10がもつ長方形状の開口を成す4辺を、任意の第1辺11、第1辺11に対向する第2辺12、第1辺11及び第2辺12の間にある第3辺13、第3辺13に対向する第4辺14と定義する。
【0013】
図2に示すように、内蓋構造20は、収容筒10に設けられた第1開閉片21と、収容筒10に設けられた第2開閉片22と、収容筒10に設けられた第1連結片31と、収容筒10に設けられた第2連結片32と、を備える。
【0014】
第1開閉片21は、長方形状に形成され、第1辺11から延設するように設けられる。第2開閉片22は、長方形状に形成され、第2辺12から延設するように設けられる。第1開閉片21は、第1辺11を基準にして、収容筒10に対して回動自在となっている。同様に、第2開閉片22は、第2辺12を基準にして、収容筒10に対して回動自在となっている。このため、第1開閉片21及び第2開閉片22は、開口を塞ぐ閉状態(
図2(A))と、閉状態から退避した開状態(
図2(B)~2(C))と、の間で切り替え自在となっている。
【0015】
第1連結片31は、長方形状に形成され、第3辺13から延設するように設けられる。第2連結片32は、長方形状に形成され、第4辺14から延設するように設けられる。第1連結片31は、第3辺13を基準にして、収容筒10に対して回動自在となっている。同様に、第2連結片32は、第4辺14を基準にして、収容筒10に対して回動自在となっている。このため、第1連結片31及び第2連結片32は、開口に向かって倒れた伏臥状態(
図2(A))と、伏臥状態から退避した伏臥退避状態(
図2(B)~2(C))と、の間で切り替え自在となる。
【0016】
図3に示すように、収容筒10及び内蓋構造20の展開図を示す。ここで、長方形状の第1連結片31の4つの頂点を頂点A1、頂点B1、頂点C1、頂点D1とし、長方形状の第2連結片32の4つの頂点を頂点A2、頂点B2、頂点C2、頂点D2とする。ここで、辺A1B1が第3辺13であり、辺A2B2が第4辺14となる。また、第3辺13に対向する辺C1D1の中点を中点X1としたとき、第1三角片部31Tは、三角形A1B1X1となる。同様に、第4辺14に対向する辺C2D2の中点を中点X2としたとき、第2三角片部32Tは、三角形A2B2X2となる。ここで、角A1X1B1及び角A2X2B2は直角である。なお、辺D1A1の長さは、辺A1B2の長さの半分以下であることが好ましい。さらに、辺D1A1の長さは、辺A1B1の長さの半分以下であることが好ましい。
【0017】
図2及び
図3(A)に示すように、第1連結片31は、第3辺13を斜辺にもつ直角三角形状の第1三角片部31Tと、第1三角片部31Tのうち斜辺以外の辺(辺A1X1及び辺B1X1)から延びるとともに第1開閉片21及び第2開閉片22に連なる第1連接片部31Rと、を備える。同様に、第2連結片32は、第4辺14を斜辺にもつ直角三角形状の第2三角片部32Tと、第2三角片部32Tのうち斜辺以外の辺(辺A2X2及び辺B2X2)から延びるとともに第1開閉片21及び第2開閉片22に連なる第2連接片部32Rと、を備える。第1連接片部31R及び第2連接片部32Rは二等辺直角三角形であることが好ましい。
【0018】
辺B1X1、辺A1X1、辺B2X2、及び辺A2X2には、谷折り線(
図3の破線部)が設けられる。一方、辺A1B1、辺B1C1、辺D1A1、辺A1B1、辺B1C1、辺D1A1、辺A1B2及び辺B1A2には、山折り線が設けられる。ここで、谷折り線とは、収容筒10の外側から見たときに、谷折りとなるものであり、山折り線とは、収容筒10の外側から見たときに、山折りとなるものである。
【0019】
図1及び
図3(B)に示すように、外蓋50は、主板51と、主板51に設けられる縁板52と、主板51に設けられるヒンジ板53と、を備える。
【0020】
主板51は長方形状に形成される。縁板52及びヒンジ板53は、主板51の裏面に設けられるものである。縁板52は、主板51の3辺の縁部において、主板51に対して起立するように設けられる。ヒンジ板53は、主板51の残り1辺の縁部において、主板51に対して起立するように設けられる。縁板52は主板51に対して固定される一方、ヒンジ板53は、主板51に対して回動自在となっている。また、主板51は、第1開閉片21に連結し、ヒンジ板53は、収容筒10の側面10Sに対し連結する。このため、主板51の回動操作により、第1開閉片21は回動する。このため、主板51は、第1開閉片21に接近する接近状態(
図1(A))と、第1開閉片21から離れた離隔状態(
図1(B))との間で切り替え自在となる。なお、主板51は、閉状態の内蓋構造20及び収容筒10よりも一回り大きいことが好ましい。
【0021】
次に、ゴミ箱2の使用方法について説明する。
【0022】
図1(B)及び
図2(C)に示すように、主板51は離隔状態であり、第1開閉片21及び第2開閉片22は開状態であり、第1連結片31及び第2連結片32は伏臥退避状態となっている。
【0023】
ここで、接近状態となるように主板51を回動させると、主板51に連結する第1開閉片21は、開状態から閉状態に向かう(
図2(B))。このとき、辺B1X1及び辺A1X1が谷折りとなり、辺D1A1及び辺B1C1が山折りとなる。第1三角片部31Tは第1辺11を基準にして開口に向かって倒れ、伏臥退避状態から伏臥状態へ向かう。第1連接片部31Rに連なる第2開閉片22は、辺A1B2(第2辺12)を基準にして、開口に向かって倒れるとともに、第2三角片部32Tが第4辺14を基準にして開口に向かって倒れる。このとき、辺B2X2及び辺A2X2が谷折りとなり、辺D2A2及び辺B2C2が山折りとなる。
【0024】
こうして、主板51を十分に回動させると、主板51は接近状態となり、第1開閉片21及び第2開閉片22は、閉状態となる(
図1(A)及び
図2(A))。このとき、第1三角片部31Tの上に第1連接片部31Rが折り畳まれるとともに、第2三角片部32Tの上に第2連接片部32Rが折り畳まれる。さらに、第1連接片部31R及び第2連接片部32Rの上に第1開閉片21及び第2開閉片22が折り畳まれた状態となる。
【0025】
なお、接近状態の主板51は、内蓋構造20と当接することが好ましい。また、第1開閉片11及び第2開閉片12が閉状態のとき、第1開閉片11及び第2開閉片12は、収容筒10の底面10Bから離隔していることが好ましい。
【0026】
次に、離隔状態となるように主板51を回動させると、閉状態の第1開閉片21及び第2開閉片22は、それぞれ、第1辺11及び第2辺12を基準にして開口から遠ざかるように回動する。その後、第1三角片部31Tは第3辺13を基準にして、第2三角片部32Tは第4辺14を基準にして、開口から遠ざかるように回動する。そして、開状態となるように第1開閉片21及び第2開閉片22を回動させると(
図1(B)及び
図2(C))、第1三角片部31T、第1連接片部31R及び第1開閉片21及び第2開閉片22の折り畳みが解かれ、第1三角片部31Tは開口に対して起立した伏臥退避状態となる。
【0027】
このように、ゴミ箱2は、第1開閉片21又は第2開閉片22の回動操作により、第1開閉片21及び第2開閉片22が伏臥状態及び伏臥退避状態の間で切り替え自在となるため、結果として、開状態及び閉状態の切り替えが可能となる。また、開状態においては、可能な限り広い開口が形成されるため、ゴミ箱へ捨てる際の作業効率は向上する。また、ゴミ箱からガーゼ等を取り出す作業も効率的となる。
【0028】
また、ゴミ箱2は、外蓋50を備えるため、外蓋50の操作により、開状態及び閉状態の切り替えが可能となる。したがって、外蓋50に比べガーゼ等が触れやすい内蓋構造20に触れずに済む。
【0029】
また、内蓋構造20による開閉操作を行うことで、収容空間に収容されたガーゼ等を圧縮することもできる。
【0030】
さらに、外蓋50は、接近状態の主板51は、内蓋構造20と当接するため、必要以上に押しこまれずに済む。結果、収容筒10の収容空間は維持される。ここで、収容筒10の収容空間とは、底面10B及び側面10S(
図3)によって画された部分をいう。
【0031】
図4に示すように、ゴミ箱2は、内袋80をさらに備えていてもよい。内袋80は、内蓋構造20に対し着脱自在に装着されることが好ましい。内袋80の開口縁が、各開閉片21,22及び各連結片31,32の先端において折り返されることが好ましい。これにより、各開閉片21,22が閉状態のときに内袋の開口が閉じる一方、各開閉片21,22が開状態のときに内袋の開口が開く。これにより、収容筒10及び内蓋構造20は汚れずに済む。
【0032】
なお、第1開閉片21が開状態の場合において、辺B1X1、辺A1X1、辺B2X2、及び辺A2X2には、谷折り状態となる一方、辺A1B1、辺B1C1、辺D1A1、辺A1B1、辺B1C1、辺D1A1、辺A1B2及び辺B1A2には、山折り状態となることが好ましい。
【0033】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
2 ゴミ箱
10 収容筒
20 内蓋構造
50 外蓋
80 内袋