(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029791
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】食器用のフローティングトレー
(51)【国際特許分類】
A47G 23/06 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A47G23/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132170
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】509027674
【氏名又は名称】株式会社ISホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昭二
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA00
3B115BB22
3B115CB01
3B115DC12
3B115DC17
(57)【要約】
【課題】揺れが抑制される食器用のフローティングトレーを提供する。
【解決手段】食器用のフローティングトレーは、中央領域および外側領域を有し、食器を支持するトレー本体部と、外側領域から下方に延在する少なくとも3個の脚部と、を具備する。少なくとも3個の脚部の各々には、錘が配置されている。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器用のフローティングトレーであって、
中央領域および外側領域を有し、食器を支持するトレー本体部と、
前記外側領域から下方に延在する少なくとも3個の脚部と
を具備し、
少なくとも3個の前記脚部の各々には、錘が配置されている
食器用のフローティングトレー。
【請求項2】
少なくとも3個の前記脚部の各々は、前記錘が配置された下側部分と、水よりも比重が小さな上側部分とを有し、
前記フローティングトレーが水に浮かべられた時、前記上側部分の一部が水面より下に位置し、前記上側部分の一部が前記水面より上に位置するように構成される
請求項1に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項3】
前記フローティングトレーが水に浮かべられた時、隣接する2つの前記脚部と、前記トレー本体部と、前記水面とによって、側面視で、波受容空間が形成されるように構成される
請求項2に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項4】
前記フローティングトレーが前記水面に対して揺動する時、前記脚部に配置された前記錘の一部が前記水面より低い位置から前記水面より高い位置に移動して当該錘の一部に作用する浮力が無くなることにより、前記フローティングトレーの揺動が減衰されるように構成される
請求項2に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項5】
前記外側領域には、ワイングラスの台座部を受容する受容部、および、前記ワイングラスのステムが通過可能なスリットが設けられている
請求項1に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項6】
前記トレー本体部は、平面視で多角形形状を有し、
前記外側領域には、前記食器の底部を受容する受容空間を規定する複数の受容部が設けられ、
前記複数の受容部は、前記多角形形状の複数の角部に、それぞれ、配置されている
請求項1に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項7】
少なくとも3個の前記脚部の各々の下面を接地させることにより陸上用テーブルとして使用可能な請求項1に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項8】
前記トレー本体部には、鉛直軸まわりに回転可能な第1回転体、および、前記鉛直軸まわりに回転可能な第2回転体が内蔵されており、
前記第1回転体を前記鉛直軸まわりに第1回転方向に回転させ、前記第2回転体を前記鉛直軸まわりに前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる駆動部を更に具備する
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項9】
前記駆動部に電力を供給するバッテリと、
前記フローティングトレーの外部から供給される電力を受け取る受電部と、
前記バッテリと前記受電部とを電気的に接続する配線と
を更に具備する
請求項8に記載の食器用のフローティングトレー。
【請求項10】
前記バッテリから受け取る電力を用いて前記トレー本体部によって支持された前記食器を加熱する加熱部、および、前記バッテリから受け取る電力を用いて前記トレー本体部によって支持された前記食器を冷却する冷却部のうちの少なくとも一方を更に具備する
請求項9に記載の食器用のフローティングトレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器用のフローティングトレーに関する。
【背景技術】
【0002】
食器用のフローティングトレーが知られている。当該フローティングトレーは、水に浮かんだ状態で、グラス、コップ、皿、徳利、お猪口等の食器を支持する。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、燗用容器付き盆が開示されている。特許文献1に記載の盆は中央部に貫通穴を有し、当該貫通穴に籠状容器が嵌合している。籠状容器の底面には、風呂の湯が流入可能な流入口が形成されている。当該構成により、籠状容器内の徳利が保温され、徳利の転倒が防止される。
【0004】
また、特許文献2には、テーブルが開示されている。特許文献2に記載のテーブルは、空気入りテーブル主部と、筒状のコップ、ビン等を差立てる差立用凹部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-61806号公報
【特許文献2】実願昭60-81224号(実開昭61-196641号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、揺れが抑制される食器用のフローティングトレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
いくつかの実施形態における食器用のフローティングトレーは、中央領域(21)および外側領域(23)を有し、食器(9)を支持するトレー本体部(2)と、前記外側領域(23)から下方に延在する少なくとも3個の脚部(4)と、を具備する。少なくとも3個の前記脚部(4)の各々には、錘(42)が配置されている。
【0009】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、少なくとも3個の前記脚部(4)の各々は、前記錘(42)が配置された下側部分(41)と、水よりも比重が小さな上側部分(45)とを有していてもよい。また、前記フローティングトレー(1)が水に浮かべられた時、前記上側部分(45)の一部(45b)が水面(S)より下に位置し、前記上側部分(45)の一部(45a)が前記水面(S)より上に位置するように構成されていてもよい。
【0010】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、前記フローティングトレー(1)が水に浮かべられた時、隣接する2つの前記脚部(4)と、前記トレー本体部(2)と、前記水面(S)とによって、側面視で、波受容空間(SP1)が形成されるように構成されていてもよい。
【0011】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、前記フローティングトレー(1)が前記水面(S)に対して揺動する時、前記脚部(4)に配置された前記錘(42)の一部(42a)が前記水面(S)より低い位置から前記水面(S)より高い位置に移動して当該錘(42)の一部(42a)に作用する浮力が無くなることにより、前記フローティングトレー(1)の揺動が減衰されるように構成されていてもよい。
【0012】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、前記外側領域(23)には、ワイングラス(91a)の台座部(911a)を受容する受容部(241)、および、前記ワイングラス(91a)のステム(912a)が通過可能なスリット(243)が設けられていてもよい。
【0013】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、前記トレー本体部(2)は、平面視で多角形形状を有していてもよい。前記外側領域(23)には、前記食器の底部を受容する受容空間(SP2)を規定する複数の受容部(241)が設けられていてもよい。また、前記複数の受容部(241)は、前記多角形形状の複数の角部(25)に、それぞれ、配置されていてもよい。
【0014】
上記食器用のフローティングトレーは、少なくとも3個の前記脚部(4)の各々の下面(40b)を接地させることにより陸上用テーブルとして使用可能であってもよい。
【0015】
上記食器用のフローティングトレーにおいて、前記トレー本体部(2)には、鉛直軸(AX)まわりに回転可能な第1回転体(61)、および、前記鉛直軸(AX)まわりに回転可能な第2回転体(64)が内蔵されていてもよい。また、前記第1回転体(61)を前記鉛直軸(AX)まわりに第1回転方向(R1)に回転させ、前記第2回転体(64)を前記鉛直軸(AX)まわりに前記第1回転方向(R1)とは反対の第2回転方向(R2)に回転させる駆動部(67)を更に具備していてもよい。
【0016】
上記食器用のフローティングトレーは、前記駆動部(67)に電力を供給するバッテリ(71)と、前記フローティングトレー(1)の外部から供給される電力を受け取る受電部(73)と、前記バッテリ(71)と前記受電部(73)とを電気的に接続する配線(75)と、を更に具備していてもよい。
【0017】
上記食器用のフローティングトレーは、前記バッテリ(71)から受け取る電力を用いて前記トレー本体部(2)によって支持された前記食器を加熱する加熱部(78)、および、前記バッテリ(71)から受け取る電力を用いて前記トレー本体部(2)によって支持された前記食器を冷却する冷却部(79)のうちの少なくとも一方を更に具備していてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、揺れが抑制される食器用のフローティングトレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略側面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略側面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の第1変形例における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略斜視図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の第2変形例における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の第3変形例における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略平面図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の第4変形例における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略平面図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態の第4変形例における食器用のフローティングトレーの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図13】
図13は、フローティングトレーが、陸上に配置された様子を模式的に示す概略側面図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略平面図である。
【
図16】
図16は、第1回転体および第2回転体の回転方向を説明するための概略斜視図である。
【
図17】
図17は、食器用のフローティングトレーを安定化させるジャイロ機構の一例を模式的に示す図である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態における食器用のフローティングトレーを模式的に示す概略平面図である。
【
図19】
図19は、バッテリが加熱部または冷却部に給電可能な様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態における食器用のフローティングトレー1に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0021】
(用語の定義)
本明細書において、「食器」とは、飲食に用いる容器、器具を意味する。食器には、特に、飲物容器、食物容器が包含される。
【0022】
本明細書において、「飲物容器」には、グラス、コップ、ボトル、ペットボトル、缶容器等が包含される。また、本明細書において、「食物容器」には、皿、膳、椀等が包含される。
【0023】
本明細書において、水の単位体積当たりの質量を、1.0g/cm3と定義する。よって、本明細書において、水よりも比重が小さい部分であることと、当該部分の単位体積当たりの質量が、1.0g/cm3よりも小さいこととは同義である。
【0024】
(第1の実施形態)
図1乃至
図13を参照して、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aについて説明する。
図1は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図2は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略平面図である。
図3は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略側面図である。
図4は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略断面図である。
図5は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略側面図である。
図6および
図7は、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略断面図である。
図8は、第1の実施形態の第1変形例における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図9は、第1の実施形態の第2変形例における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図10は、第1の実施形態の第3変形例における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略平面図である。
図11は、第1の実施形態の第4変形例における食器用のフローティングトレー1Aを模式的に示す概略平面図である。
図12は、第1の実施形態の第4変形例における食器用のフローティングトレー1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図13は、フローティングトレー1Aが、陸上に配置された様子を模式的に示す概略側面図である。
【0025】
図1に例示されるように、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aは、水Wに浮かべられた状態で、トレーとして使用可能である。食器用のフローティングトレー1Aは、プールに浮かべられてもよいし、風呂に浮かべられてもよいし、温泉に浮かべられてもよいし、川、湖、海に浮かべられてもよいし、人工の水路に浮かべられてもよい。
【0026】
食器用のフローティングトレー1Aは、トレー本体部2と、少なくとも3個の脚部4と、を有する。
【0027】
トレー本体部2は、中央領域21、および、外側領域23を有する。
図3に例示されるように、トレー本体部2は、食器9を支持する。食器9は、ワイングラス91a等のグラス91であってもよいし、その他の飲料容器(例えば、コップ、ボトル、ペットボトル、缶容器等)であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、トレー本体部2に支持される食器9は、食物容器(例えば、皿、膳、椀等)を含んでいてもよい。
【0028】
少なくとも3個の脚部4は、トレー本体部2の外側領域23から下方に延在する。
図1に記載の例では、食器用のフローティングトレー1Aが備える脚部4の数が4個である。代替的に、食器用のフローティングトレー1Aが備える脚部4の数は、3個、5個、6個、7個、8個、あるいは、9個以上であってもよい。
【0029】
図4に記載の例では、少なくとも3個の脚部4の各々に、錘42が配置されている。錘42の単位体積当たりの質量は、2.0g/cm
3以上、3.0g/cm
3以上、4.0g/cm
3以上、5.0g/cm
3以上、6.0g/cm
3以上、あるいは、7.0g/cm
3以上であることが好ましい。
【0030】
第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aは、少なくとも3個の脚部4を有し、少なくとも3個の脚部4の各々に錘42が配置されている。よって、水中に挿入される錘付きの脚部4によって、フローティングトレー1Aの揺れが効果的に抑制される。
【0031】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図13を参照して、第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0032】
(脚部4)
図4に記載の例では、少なくとも3個の脚部4の各々は、錘が配置された下側部分41と、水よりも比重が小さな上側部分45とを有する。また、
図5に記載の例では、フローティングトレー1Aが水に浮かべられた時、上側部分45の一部45bが水面Sより下に位置し、上側部分45の一部45aが水面Sより上に位置するように構成されている。
【0033】
脚部4の上側部分45の一部45aが、水面Sより上に位置することは、脚部4の上側部分45によって支持されるトレー本体部2の下面が実質的に水面Sから離間し、水がトレー本体部2に当たりにくいことを意味する。よって、トレー本体部2が水面Sの揺れの影響を受けにくい。このため、フローティングトレー1Aの揺れがより効果的に抑制される。
【0034】
錘42を含む下側部分41の単位体積当たりの質量は、2.0g/cm3以上、3.0g/cm3以上、4.0g/cm3以上、5.0g/cm3以上、6.0g/cm3以上、あるいは、7.0g/cm3以上であることが好ましい。
【0035】
他方、脚部4の上側部分45の単位体積当たりの質量は、0.7g/cm
3以下、0.5g/cm
3以下、0.3g/cm
3以下、あるいは、0.1g/cm
3以下であることが好ましい。
図4に記載の例では、少なくとも3個の脚部4の各々の上側部分45は、気体(より具体的には、空気A)で満たされた気体室46(より具体的には、空気室)を有する。当該気体室46の存在により、上側部分45の単位体積当たりの質量を、有意に低減させることができる。
【0036】
図5に記載の例では、フローティングトレー1Aが水に浮かべられた時、隣接する2つの脚部4と、トレー本体部2と、水面Sとによって、側面視で、波受容空間SP1が形成されるように構成されている。当該波受容空間SP1は、波の少なくとも一部がトレー本体部2の下方を通過することを許容する。その結果、フローティングトレー1Aの揺れが更により効果的に抑制される。
【0037】
図6および
図7に記載の例では、フローティングトレー1Aが水面Sに対して揺動する時、錘42の一部42aが水面Sより低い位置P1(
図6を参照。)から水面Sより高い位置P2(
図7を参照。)に移動する。その結果、当該錘42の一部42aに作用する浮力が無くなる。こうして、錘42の一部42aに下向きの力が作用し、当該一部42aは、元の高さに戻ろうとする。以上のメカニズムにより、フローティングトレー1Aの揺動が効果的に減衰される。
【0038】
フローティングトレー1Aの正立状態において、水平面に平行な面における各脚部4の断面形状は、例えば、角丸矩形形状である。代替的に、フローティングトレー1Aの正立状態において、水平面に平行な面における各脚部4の断面形状は、円形形状であってもよい。
図2等に例示されるように、脚部4は、平面視で多角形形状(四角形形状、六角形形状、八角形形状等)を有するトレー本体部2の複数の角部25にそれぞれ配置されていてもよい。
【0039】
(トレー本体部2)
図2に記載の例では、トレー本体部2は、平面視で、多角形形状を有する。トレー本体部2は、平面視で、矩形形状(より具体的には、略正方形形状)を有していてもよいし、平面視で、六角形形状(より具体的には、略正六角形形状)、あるいは、八角形形状(より具体的には、略正八角形形状)を有していてもよい。代替的に、トレー本体部2は、平面視で、円形状、楕円形状、あるいは、舟型形状を有していてもよい。
【0040】
トレー本体部2の上面2pの平面視における面積は、例えば、3000cm2以上、5000cm2以上、あるいは、7000cm2以上である。当該面積が大きいことにより、トレー本体部2は、より多くの食器9をより安定的に支持することができる。トレー本体部2の上面2pの平面視における面積は、例えば、4m2以下、3m2以下、あるいは、2m2以下である。
【0041】
図2に記載の例では、トレー本体部2の上面2pは、周壁によって囲まれていない。代替的に、
図8に例示されるように、トレー本体部2の上面2pは、周壁24によって囲まれていてもよい。この場合、上面2pに落ちた飲食物が、プール等の水に混じりにくい。また、プール等の水が、上面2pに侵入しにくい。
【0042】
図9に例示されるように、トレー本体部2の上面2pには、液体が通過可能な溝20vが形成されていてもよい。当該溝20vは、上面2pに侵入した水を、(プール等に排出する)排出溝201vであってもよい。代替的に、
図10に例示されるように、当該溝20vは、上面2pに侵入した水あるいは上面2pに落ちた飲料を、トレー本体部2の収集部29に集める収集溝202vであってもよい。この場合、収集溝202vの底部の高さは、収集部29に向かって低くなるように構成されていてもよい。
【0043】
(外側領域23)
図11および
図12に記載の例では、トレー本体部2の外側領域23に、ワイングラス91aの台座部911aを受容する受容部241、および、ワイングラス91aのステム912aが通過可能なスリット243が設けられている。この場合、ワイングラス91aを横方向(より具体的には、水平方向)に移動させることにより、ワイングラス91aの台座部911aを受容部241に受容させることができる。また、ワイングラス91aを横方向(より具体的には、水平方向)に移動させることにより、ワイングラス91aの台座部911aを受容部241から取り出すことができる。受容部241によって規定される受容空間SP2の高さH1(
図12を参照。)は、例えば、3mm以上20mm以下、あるいは、5mm以上10mm以下である。
【0044】
なお、
図11に記載の例では、受容部241のアクセス開口OP(換言すれば、ワイングラス等の食器9の底部が受容部241によって規定される受容空間SP2にアクセスするための開口)が、トレー本体部2の側部に形成されている。
【0045】
図12に記載の例では、スリット243の両側に、ワイングラス91aの台座部911aの一部を覆うカバー部245が配置されている。当該カバー部245は、ワイングラス91aの転倒を防止する。
図12に記載の例では、ワイングラス91aの台座部911aが受容部241に受容された状態において、ステム912aの過半、および、ワイングラス91aのボウル部分914a(換言すれば、飲料を収容する部分)の全体が、カバー部245の上方に露出している。
【0046】
図11に記載の例では、外側領域23に、食器9の底部を受容する受容空間SP2を規定する複数の受容部241が設けられている。また、複数の受容部241は、平面視におけるトレー本体部2の多角形形状の複数の角部25に、それぞれ、配置されている。この場合、複数の角部25に、複数のユーザの食器9を、それぞれ配置可能であるため、複数の食器9にアクセスする複数のユーザの動作が互いに干渉しにくい。受容部241は、
図11に例示されるように、横方向から、食器9の底部を受け入れる受容部であってもよい。代替的に、受容部241は、上方向から、食器9の底部を受け入れる凹部であってもよい。
【0047】
(陸上用テーブル)
図13に記載の例では、少なくとも3個の脚部4の各々の下面40bを接地させることにより、フローティングトレー1Aを陸上用テーブルとして使用可能である。フローティングトレー1Aのトレー本体部2は、複数の脚部4によって支持されているため、フローティングトレー1Aが陸上(例えば、プールサイド8)に置かれた際に、トレー本体部2の上面2pが低くなりすぎることがない。各脚部4の高さH2は、例えば、10cm以上、15cm以上、あるいは、20cm以上である。
【0048】
(第2の実施形態)
図1乃至
図19を参照して、第2の実施形態における食器用のフローティングトレー1Bについて説明する。
図14は、第2の実施形態における食器用のフローティングトレー1Bを模式的に示す概略平面図である。
図15は、
図14におけるB-B矢視断面図である。
図16は、第1回転体61および第2回転体64の回転方向を説明するための概略斜視図である。
図17は、食器用のフローティングトレー1Bを安定化させるジャイロ機構Mの一例を模式的に示す図である。
図18は、第2の実施形態における食器用のフローティングトレー1Bを模式的に示す概略平面図である。
図19は、バッテリ71が加熱部78または冷却部79に給電可能な様子を模式的に示す図である。
【0049】
第2の実施形態における食器用のフローティングトレー1Bは、第1回転体61、第2回転体64、および、駆動部67を備える点で、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aとは異なる。その他の点では、第2の実施形態における食器用のフローティングトレー1Bは、第1の実施形態における食器用のフローティングトレー1Aと同様である。
【0050】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0051】
図15に記載の例では、食器用のフローティングトレー1Bは、トレー本体部2と、脚部4と、第1回転体61と、第2回転体と64と、モータ等の駆動部67(
図17を参照。)と、を備える。トレー本体部2、および、脚部4については、第1の実施形態において説明済みであるため、トレー本体部2、および、脚部4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0052】
図15に記載の例では、第1回転体61は、トレー本体部2に内蔵され、鉛直軸AXまわりに回転可能である。また、第2回転体64は、トレー本体部2に内蔵され、鉛直軸AXまわりに回転可能である。
【0053】
駆動部67は、第1回転体61を鉛直軸AXまわりに第1回転方向R1(
図16を参照。)に回転させ、第2回転体64を鉛直軸AXまわりに第2回転方向R2(
図16を参照。)に回転させる。第2回転方向R2は、第1回転方向R1とは反対の方向である。駆動部67は、第1回転体61を、5000回転/分以上の回転速度、7000回転/分以上の回転速度、あるいは、10000回転/分以上の回転速度で回転させることが好ましく、第2回転体64を、5000回転/分以上の回転速度、7000回転/分以上の回転速度、あるいは、10000回転/分以上の回転速度で回転させることが好ましい。
【0054】
図15に記載の例では、第1回転体61および第2回転体64の高速回転によるジャイロ効果によって、食器用のフローティングトレー1Bの姿勢が安定的に維持される。なお、第1回転体61の質量と、第2回転体64の質量とが実質的に等しい場合には、第1回転体61の単位時間当たりの回転数と、第2回転体64の単位時間当たりの回転数とは、実質的に等しいことが好ましい。
【0055】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図19を参照して、第2の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0056】
図15に記載の例では、トレー本体部2は、空気層26(換言すれば、空気室)と、ジャイロ層27(換言すれば、ジャイロ室)とを有する。
【0057】
空気層26は、脚部4内の気体室46に流体的に連結されていてもよいし、脚部4内の気体室46から流体的に分離されていてもよい。
図15に記載の例では、空気層26は、鉛直軸AXに垂直な面に沿って延在している。
図15に記載の例では、空気層26は、ジャイロ層27よりも下方に配置された層である。代替的に、あるいは、付加的に、トレー本体部2は、ジャイロ層27よりも上方に配置された空気層を有していてもよい。
【0058】
ジャイロ層27は、第1回転体61および第2回転体64が配置される層である。
図15に記載の例では、ジャイロ層27と空気層26とは、隔壁28によって分離されている。
【0059】
図17に記載の例では、食器用のフローティングトレー1Bは、バッテリ71と、受電部73と、配線75と、を備える。
【0060】
バッテリ71は、駆動部67に電力を供給する。バッテリ71は、トレー本体部2に配置されてもよいし、脚部4に配置されてもよい。バッテリ71が脚部4に配置される場合には、バッテリ71は、上述の錘42として機能してもよい。
【0061】
受電部73は、フローティングトレー1Bの外部から供給される電力を受け取る。
図14に記載の例では、受電部73は、電力供給用プラグに接続可能なコンセント73aである。代替的に、受電部73は、非接触充電用の給電部から、ワイヤレスで電力を受け取る受電部であってもよい。
図14に記載の例では、受電部73は、トレー本体部2の中央領域21に配置されている。
【0062】
図14に記載の例では、コンセント73aは、カバー部材77(例えば、ゴムパッキン)によって、液体侵入不能なように覆われている。カバー部材77は、バッテリ71への充電時には、トレー本体部2から取り外される(
図18を参照。)。なお、受電部73が、ワイヤレスで電力を受け取る受電部である場合には、カバー部材77は、省略されてもよい。
【0063】
図17、
図19に例示されるように、配線75は、バッテリ71と受電部73とを電気的に接続する。
【0064】
図19に例示されるように、フローティングトレー1Bは、バッテリ71から受け取る電力を用いてトレー本体部2によって支持された食器を加熱する加熱部78、および/または、バッテリ71から受け取る電力を用いてトレー本体部2によって支持された食器を冷却する冷却部79を有していてもよい。
【0065】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0066】
1、1A、1B:フローティングトレー
2 :トレー本体部
2p :トレー本体部の上面
4 :脚部
8 :プールサイド
9 :食器
20v :溝
21 :トレー本体部の中央領域
23 :トレー本体部の外側領域
24 :周壁
25 :トレー本体部の角部
26 :空気層
27 :ジャイロ層
28 :隔壁
29 :収集部
40b :下面
41 :脚部の下側部分
42 :錘
42a :錘の一部
45 :脚部の上側部分
45a :上側部分45の一部
45b :上側部分45の一部
46 :気体室
61 :第1回転体
64 :第2回転体
67 :駆動部
71 :バッテリ
73 :受電部
73a :コンセント
75 :配線
77 :カバー部材
78 :加熱部
79 :冷却部
91 :グラス
91a :ワイングラス
201v :排出溝
202v :収集溝
241 :受容部
243 :スリット
245 :カバー部
911a :台座部
912a :ステム
914a :ボウル部分
A :空気
AX :鉛直軸
OP :アクセス開口
S :水面
SP1 :波受容空間
SP2 :受容空間
W :水