(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029822
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240229BHJP
B65D 25/52 20060101ALI20240229BHJP
A47K 7/00 20060101ALN20240229BHJP
A47K 10/20 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
B65D83/08 A
B65D25/52 B
A47K7/00 H
A47K10/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132219
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】鬼澤 里奈
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
【Fターム(参考)】
3E014LA01
3E062AA01
3E062AB10
3E062AC02
3E062BA01
3E062BB02
(57)【要約】
【課題】片手で使用し易い衛生用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】内部に衛生用薄葉紙Pが収納され、その衛生用薄葉紙Pを取り出す取出孔113aを有する容器本体10と、容器本体10に回動自在に取り付けられ、取出孔113aを開閉する開閉蓋2と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器1であって、容器本体10の底面には、当該衛生用薄葉紙収納容器1が設置される箇所に密着するストッパー部材120が設けられており、ストッパー部材120は、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pが取り出される際に、当該衛生用薄葉紙収納容器1が設置された箇所から移動するのを規制するように構成されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に衛生用薄葉紙が収納され、その衛生用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、
前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を開閉する開閉蓋と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体の底面には、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置される箇所に密着するストッパー部材が設けられており、
前記ストッパー部材は、前記取出孔から前記衛生用薄葉紙が取り出される際に、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置された箇所から移動するのを規制するように構成されていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記ストッパー部材は、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置される箇所に対し、繰り返し着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記ストッパー部材は、吸盤状の部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記ストッパー部材は、再剥離および再粘着が可能なシート部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を内部に収容する衛生用薄葉紙収納容器として、ウェットティッシュを取り出すための取出口を有する容器本体と、取出口を回動により開閉する開閉蓋とを備えており、操作ボタンを押下する操作によって操作ボタンと開閉蓋との係合が解除されると、容器本体と開閉蓋の間に設けられた板ゴムの復元力により開閉蓋が開放され、取出口が露出されるように構成されているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特に、この衛生用薄葉紙収納容器はトイレにて使い易いように、当該収納容器をトイレットペーパー収容体に取り付けるための取付板を備えている。
取付板を介して衛生用薄葉紙収納容器をトイレットペーパー収容体に固定するようにすれば、衛生用薄葉紙収納容器を一方の手で押さえたり支えたりすることなく、片手で開閉蓋を開け、露出された取出口から片手でウェットティッシュを取り出すことが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の衛生用薄葉紙収納容器の場合、取り付け対象としたトイレットペーパー収容体に衛生用薄葉紙収納容器を固定して使用することはできるが、それ以外の箇所には衛生用薄葉紙収納容器を固定し難いので、例えば衛生用薄葉紙収納容器を床面などに載置して使用する際には、その衛生用薄葉紙収納容器を一方の手で押さえ、他方の手でウェットティッシュ(衛生用薄葉紙)を取り出すようにするしかなかった。
【0005】
本発明の目的は、片手で使用し易い衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
内部に衛生用薄葉紙が収納され、その衛生用薄葉紙を取り出す取出孔を有する容器本体と、
前記容器本体に回動自在に取り付けられ、前記取出孔を開閉する開閉蓋と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体の底面には、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置される箇所に密着するストッパー部材が設けられており、
前記ストッパー部材は、前記取出孔から前記衛生用薄葉紙が取り出される際に、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置された箇所から移動するのを規制するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記ストッパー部材は、当該衛生用薄葉紙収納容器が設置される箇所に対し、繰り返し着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記ストッパー部材は、吸盤状の部材であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記ストッパー部材は、再剥離および再粘着が可能なシート部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、片手で使用し易い衛生用薄葉紙収納容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の開閉蓋が開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の開閉蓋が開いた状態を示す背面斜視図である。
【
図4】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の容器本体上部が開いた状態を示す斜視図である。
【
図5】衛生用薄葉紙収納容器の容器本体上部からボタンが取り除かれ、開閉蓋が開いた状態を示す正面図である。
【
図6】衛生用薄葉紙収納容器の容器本体上部が開いた状態を示す正面図である。
【
図8】
図1のVIII-VIII線における断面図である。
【
図9】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を載置面に固定した状態を示す正面図である。
【
図10】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を壁面に固定した状態を示す正面図である。
【
図11】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す底面図である。
【
図12】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す底面図である。
【
図13】
図12の衛生用薄葉紙収納容器を載置面に固定した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る衛生用薄葉紙収納容器の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
以下においては、各図に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器の開閉蓋が備えられた側を「上」、その反対側を「下」、容器本体と開閉蓋とが接続されている側を「後」、その反対側を「前」、前側から見て右手側を「右」、左手側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
なお、容器本体上部が容器本体下部に対して回動した場合、容器本体上部の向く方向が変わるが、
図1に示すように、容器本体上部と容器本体下部とが組み合わさり、収納空間Sが閉塞された状態を基準として方向を定めて説明する。
【0014】
[実施形態の構成]
(全体構成)
衛生用薄葉紙収納容器1は、例えば、
図1から
図4に示すように、内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出す取出孔113aを有する容器本体10と、容器本体10に回動自在に取り付けられ、取出孔113aを開閉する蓋体である開閉蓋2と、開閉蓋2が取出孔113aを閉塞する閉蓋状態と、開閉蓋2が取出孔113aを開放する開蓋状態とに切り替えるボタン部3等を備えている。
また、この衛生用薄葉紙収納容器1の底面には、衛生用薄葉紙収納容器1を設置する箇所に密着させるストッパー部材120(後述)が設けられている。
そして、この衛生用薄葉紙収納容器1の内部に衛生用薄葉紙Pが収納される収納空間Sが形成されている。
【0015】
(衛生用薄葉紙)
衛生用薄葉紙Pとしては、例えば、ウェットシート(ウェットティッシュ)が交互に折り重ねられた状態で積層され、1枚のウェットシート(ウェットティッシュ)を引き出した際に次のウェットシート(ウェットティッシュ)も引き出されるように構成された、所謂ポップアップ式のシートが用いられる。その他には、例えば、長さ方向に一定の間隔でミシン目が施された長尺なウェットシート(ウェットティッシュ)がロール状に巻かれており、ミシン目に沿って切り離して使用するロールシートを用いることもできる。
【0016】
(容器本体)
容器本体10は、例えば、
図1から
図4に示すように、全体として、前後方向及び上下方向に比して左右方向に長い略直方体状に形成されており、これが上下方向中央部よりも上側において上下に二分され、容器本体10の上部を構成する容器本体上部11と、容器本体10の下部を構成する容器本体下部12とで形成されている。
容器本体上部11と容器本体下部12とは容器本体10の後面部において、接続部13によって接続されている。
容器本体上部11と、容器本体下部12と、接続部13とは、射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されている。
【0017】
容器本体10は、例えば、
図1から
図4に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とが組み合わさり、内部の収納空間Sが閉塞された状態で、全体が、前後方向に好ましくは60mmから150mm、さらに好ましくは80mmから100mm、左右方向に好ましくは80mmから200mm、さらに好ましくは145mmから165mm、上下方向に好ましくは30mmから100mm、さらに好ましくは50mmから70mmの大きさとなるように形成されている。
また、各面の厚みは、好ましくは0.5mmから3.0mm、さらに好ましくは1.0mmから2.0mmである。
この大きさ及び厚みであれば、成形効率が高く、かつ実使用に問題ない強度を達成することができる。
【0018】
(接続部)
衛生用薄葉紙収納容器1は、例えば、
図3及び
図4に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とを接続する接続部13を支点として回動するように形成されている。これによって、
図4に示すように、収納空間Sが外部に露出された状態とすることができる。
また、収納空間Sを閉塞する際には、使用者は、容器本体上部11を上記とは反対に回動させればよい。
この接続部13は、容器本体10の他の部分と比較して薄くなるように形成されているため曲がりやすく、接続部13を支点として、容器本体上部11を容器本体下部12に対して回動させやすくなっている。
【0019】
なお、生産性は低下するものの、容器本体上部11と容器本体下部12とを別体として形成の上、これらをヒンジ等によって回動自在に接続することも可能である。
また、容器本体10を上下方向中央部よりも上側で容器本体上部11と容器本体下部12とに二分することにより、衛生用薄葉紙Pが所定の包装体によって覆われた状態で、収納空間Sに収納される場合において、収納空間Sの閉塞時に包装体のエンドシール部等を容器本体上部11と容器本体下部12で挟み込んでしまうおそれを低減することができ、衛生用薄葉紙Pをさらに詰め替えやすくなる。
なお、容器本体10が容器本体上部11と容器本体下部12とに二分される位置は、上下方向中央部付近であってもよい。
【0020】
(容器本体上部)
容器本体上部11は、例えば、
図1から
図6に示すように、その下側が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成され、上面を形成する天面部111の中央部付近に、下方に凹状となる凹部112が形成されており、その凹部112内の中央部には収納空間Sの衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aを有する取出部113が設けられている。
さらに、凹部112の後端部には、付勢部材114が収納される収納凹部115が形成されている。
また、容器本体上部11の下端部(開口部)には、環状の外縁部116と、外縁部116よりも内側に設けられ、外縁部116よりも下方に突出した環状の内縁部117と、が形成されている。
また、容器本体上部11の前面の下端部には、収納空間Sを露出する際に把持する取手部118が形成されている。
【0021】
(容器本体上部の材質)
容器本体上部11は、硬質な材料である硬質材料によって形成されている。硬質材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリアセタール)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の硬質プラスチックを用いることができる。
また、後述する弾性材料によって形成された部分と、硬質材料によって形成された部分は、射出成形(2色成形)によって一体的に形成されていることが望ましい。
【0022】
(凹部)
凹部112は、例えば、
図2に示すように、天面部111の平面視における中央部付近に形成されている。
図2においては、凹部112の形状が、平面視において容器本体上部11の前端部に達する曲線状の略矩形となる場合について図示しているが、凹部112の具体的形状はこれに限られない。
【0023】
凹部112の上下方向の深さは、天面部111から見て、5mmから20mmであることが好ましい。また、平面視における大きさは、内部に取出部113を形成可能であれば、特に限定されないが、前後方向に40mmから80mm、左右方向に40mmから120mmであることが好ましい。
【0024】
(取出部)
取出部113は、凹部112の平面視における中央部付近に形成されており、弾性材料で形成された部分であり、取出部113の略中央には、略球面状に盛り上がった膨出部分113bが形成されており、その膨出部分113bに取出孔113aが設けられている。
また、取出孔113aの縁には、取出部113の中央部に向かって、その手前側の縁から突き出している3つの突片113cが設けられている。
【0025】
取出部113は、例えば、上下方向の厚みが0.5mmから2.0mmの膜状に形成されていることが望ましい。また、取出部113等を形成する弾性材料としては、例えば、シリコンゴム又はスチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系もしくはウレタン系等のTPE(Thermoplastic Elastomers;熱可塑性エラストマー)等の弾性を有する材料を用いることができ、硬度が20から90であることが望ましい。弾性材料の硬度が上記の値よりも低くなると、柔らかすぎて成形が難しく、成形効率が悪くなる点から望ましくない。また、弾性材料の硬度が上記の値よりも高くなると、衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aが形成された取出部113が硬くなり、抵抗が掛かりすぎて、シートが1枚ずつ取り出しにくくなる点、また、シートを引っ張り出す際に収納空間Sにまで指を入れ難くなる点から望ましくない。
なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
【0026】
(取出孔)
取出孔113aは、取出部113の平面視における中央部に形成された、収納空間Sに繋がる孔部である。
例えば、
図2においては、取出孔113aは、三角形の各辺が内側に円弧状に突出した形状を有し、各頂点と重心点を結ぶように3本のスリットが重心点で交わる略逆Y字状となっている。また、3本のスリットのうち、前後方向に延在するスリットの幅は他のスリットの幅に比べて広くなっている。なお、スリットの本数はこれより少数でも多数でもよく、例えば、十字型に2本のスリットを入れることにより取出孔113aを形成するようにしてもよい。
【0027】
取出部113は、取出孔113aの周囲が弾性材料によって形成されていることで、衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けることができ、収納空間Sに収納された衛生用薄葉紙Pが引き出された後に、次の衛生用薄葉紙Pを保持する機能を果たす。
また、衛生用薄葉紙Pがロールシートである場合、取出部113は、衛生用薄葉紙Pに設けられている切断用のミシン目において、衛生用薄葉紙Pを切断する機能を果たす。
【0028】
(突片)
突片113cは、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pが摺接する箇所であり、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けるために設けられている。
具体的には、使用者が衛生用薄葉紙収納容器1の開閉蓋2を開放して衛生用薄葉紙Pを取り出す場合、衛生用薄葉紙収納容器1の後ろ側に起立された姿勢の開閉蓋2が衛生用薄葉紙Pを取り出す動作の妨げにならないように、使用者は衛生用薄葉紙収納容器1の前面側から手を伸ばし、衛生用薄葉紙Pを取出孔113aから引き出すようにするので、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pは手前側の縁の突片113cと摺接するようになる。
このとき、取出孔113aから手前側に引き出される衛生用薄葉紙Pに対し、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cが摺接することで、突片113cが衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けて、衛生用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出されすぎてしまわないようにすることができる。
【0029】
すなわち、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cは、取出孔113aから手前側に引き出される衛生用薄葉紙Pに対して適切な摩擦力を付与し、引き出して使用する衛生用薄葉紙Pに続いて引き出される次の衛生用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出されすぎてしまわないようにする機能を有している。
そして、使用する衛生用薄葉紙Pに続いて引き出された次の衛生用薄葉紙Pは、その端部が適正な長さで引き出された状態で、取出孔113aに保持されるようになる。
【0030】
また、このようにして取出孔113aに保持されている衛生用薄葉紙Pの端部は、手前側の突片113cを含む3つの突片で支持されている。
衛生用薄葉紙Pの端部を保持する取出孔113aは、取出部113の膨出部分113bに設けられているので、各突片113cの先端側は膨出部分113bの周囲の基面である取出部113よりも高い位置にある。そして、衛生用薄葉紙Pの端部は、このような突片113cによって、周囲よりも高い位置で支持されて取出孔113aに保持されているので、その衛生用薄葉紙Pを摘まみやすくなっている。
【0031】
(付勢部材)
付勢部材114は、例えば、
図2に示すように、弾性材料で形成された帯状の部材である。付勢部材114の一端は凹部112の後方に固定され、付勢部材114の他端は開閉蓋2の挿入部23(後述)に固定されている。
この付勢部材114は、開閉蓋2を起立させる開放方向へと付勢しており、使用者がボタン部3を押圧した際に、開閉蓋2を容器本体上部11との接続部分を回転軸として回転させるようにして押し上げて起立させる。
【0032】
付勢部材114は、幅が好ましくは2mm~30mm、さらに好ましくは8mm~10mm、厚みが好ましくは0.5mm~3.0mm、さらに好ましくは1.0mm~2.0mmの帯状となるように形成されている。
付勢部材114がこのような大きさに形成されていることで、開閉蓋2の開放時に、無理なく開閉蓋2を押し上げることが可能であり、かつ、開閉蓋2の閉塞時に、付勢部材114を収納凹部115内に容易に折り曲げて収納することができる。
【0033】
また、
図2に示すように、付勢部材114を、何ら力を加えられていない状態において伸びた状態となるように形成することで、例えば、
図8に示すように、開閉蓋2が閉じられて付勢部材114が折り曲げられた際に、
図2に示す状態に戻ろうとする力が生じるようにする。
これにより、開閉蓋2と容器本体上部11との接続部分を回転軸として、付勢部材114が開閉蓋2を後方へ回転させるように付勢することが可能になる。
【0034】
(収納凹部)
収納凹部115は、例えば、
図8に示すように、開閉蓋2の閉塞時において、付勢部材114が下方へと押し込められた際に、付勢部材114の折り曲げられた部分を収納するための凹部である。
収納凹部115は、
図2に示すように、凹部112内の取出部113の後方かつ、付勢部材114の前方付近において、凹部112よりも更に下方に凹状となるように形成される。
収納凹部115の形状は特に限定されないが、例えば、前後方向に比して左右方向に長い略直方体状であり、開閉蓋2を閉塞した際に、開閉蓋2によって押し込められ、折り曲げられた付勢部材114を収納できるだけの空間を有していればよい。
【0035】
(外縁部・内縁部)
外縁部116は、例えば、
図4から
図6に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部に形成されている。
内縁部117は、例えば、
図4から
図6に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部において外縁部116よりも内側に設けられ、外縁部116よりも下方に突出している。この内縁部117は、収納空間Sの閉塞時に、後述する容器本体下部12の凹溝部121に入り込むように形成されている。
【0036】
(取手部)
取手部118は、例えば、
図1から
図8に示すように、容器本体上部11の前面の中央部において、容器本体上部11と一体的に、その前面からアーチ状に突出して形成されており、容器本体10の前面との間に指を引っ掛けることができる隙間aが形成されるようになっている。収納空間Sを露出する際は、取手部118を把持し、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させる。
また、取手部118の内面には2つの係止部1181が設けられている。
【0037】
なお、取手部118の形状は、アーチ状に突出する形状でなくとも、容器本体上部11の前面から突出し、前面との間に隙間aを有する形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、取手部118は、容器本体上部11と容器本体下部12が係合した状態では、容器本体下部12に設けられた係合突起123(後述)と前後方向に重なるようになっている。これにより、係合突起123が正面から見えない構造となっている。
【0038】
(係止部)
係止部1181は、例えば、
図4及び
図6から
図8に示すように、取手部118の内面に左右方向に沿って所定の間隔で2つ設けられており、収納空間Sの閉塞時に容器本体下部12の係合突起123に係合し、閉塞状態を維持するように形成されている。
2つの係止部1181が設けられる間隔は、任意であるが、一般的な使用者の指幅程度であればよい。具体的には、5mmから25mmの間で離されて形成され、より好ましくは、18mmから25mmの間で離されて形成されている。
なお、係止部1181の数は、2つに限らず、取手部118の内面の左右方向の中央部から左右に離れた位置に各々設けられていればよく、例えば、左右にそれぞれ2つずつ(合計4つ)設けられていてもよい。
【0039】
(容器本体下部)
容器本体下部12は、例えば、
図4に示すように、その上側が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成されており、上端の縁には、環状の凹溝部121が形成されている。
また、容器本体下部12の前面の上端部中央部付近には、容器本体下部12と一体的に形成され、前方に突出する係合突起123が設けられている。
特に、
図6から
図8に示すように、容器本体10の底面である容器本体下部12の底部12aの外面(下面)には、衛生用薄葉紙収納容器1が設置される箇所に密着するストッパー部材120が設けられている。
このストッパー部材120は、衛生用薄葉紙収納容器1の収納空間Sに収納した衛生用薄葉紙Pを取出孔113aから取り出す際の滑り止めとなる。
【0040】
(凹溝部)
凹溝部121は、例えば、
図4に示すように環状であり、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11の内縁部117が係合するように、容器本体下部12の上端部に形成されており、外周壁部1211と、内周壁部1212と、を備える。
【0041】
(外周壁部・内周壁部)
外周壁部1211は、容器本体下部12の外周壁面として形成され、収納空間Sを閉塞する際は、容器本体上部11の外縁部116に当接する。
内周壁部1212は、容器本体下部12の内周壁面として形成され、
図4に示すように、外周壁部1211よりも上方に突出するように、後面の左右方向の両端部に設けられた第1ガイド部1212aと、後面側に複数設けられた第2ガイド部1212bと、を備える。
そして、外周壁部1211と内周壁部1212の間に容器本体上部11の内縁部117が摺接することで収納空間Sの密閉性が維持されるようになっている。
【0042】
(第1・第2ガイド部)
第1ガイド部1212aは、
図4に示すように、容器本体下部12の後面の左右方向両端部に、それぞれ左面又は右面に亘るように設けられ、外周壁部1211及び第2ガイド部1212bよりも上下方向の高さが高い。
第2ガイド部1212bは、波状であり、容器本体下部12の後面に左右方向に沿って複数設けられ、外周壁部1211よりも上下方向の高さが高いが、第1ガイド部1212aよりは低い。
【0043】
(係合突起)
係合突起123は、例えば、
図4及び
図6に示すように、容器本体下部12の前面の上端部略中央部において、容器本体下部12と一体的に形成されて、前方に突出した突起部であり、収納空間Sの閉塞時において、2つの係止部1181が係合される。
係合突起123は、左右方向の長さが、2つの係止部1181の間隔よりも長くなるように形成される。
【0044】
(容器本体下部の材質)
容器本体下部12は、容器本体上部11において用いられるのと同様の硬質材料によって形成されている。
【0045】
(ストッパー部材)
ストッパー部材120は、例えば、
図6から
図8に示すように、吸盤状の部材であり、容器本体10の底面(底部12aの下面)の四隅に設けられている。
吸盤状のストッパー部材120は、可撓性のあるゴムやエラストマー樹脂製の部材であり、平滑な面に吸着して、その面に強く密着することができる。
このストッパー部材120は、図示しない嵌合部や螺合部などを介して容器本体10の底面に固設されている。
【0046】
図9に示すように、衛生用薄葉紙収納容器1をテーブルなどの上面である載置面Tに設置して使用する場合、衛生用薄葉紙収納容器1をその載置面Tに軽く押さえ付けるようにして、ストッパー部材120を載置面Tに密着させる。
このようにストッパー部材120を載置面Tに密着させるようにして、衛生用薄葉紙収納容器1を載置面Tに固定することができる。
【0047】
また、
図10に示すように、衛生用薄葉紙収納容器1を部屋の壁面Wに設置して使用する場合、衛生用薄葉紙収納容器1をその壁面Wに軽く押さえ付けるようにして、ストッパー部材120を壁面Wに密着させる。
このようにストッパー部材120を壁面Wに密着させるようにして、衛生用薄葉紙収納容器1を壁面Wに固定することができる。
例えば、テーブルなどに衛生用薄葉紙収納容器1を設置するスペースがない場合でも、この衛生用薄葉紙収納容器1であれば、衛生用薄葉紙収納容器1を壁面Wに設置して使用することができる。
なお、家電製品や家具などの側面や前面、窓などのガラス面を壁面Wとし、そこにストッパー部材120を密着させて衛生用薄葉紙収納容器1を固定するようにしてもよい。
【0048】
このストッパー部材120は、衛生用薄葉紙収納容器1が設置される箇所に対し、繰り返し着脱することが可能になっている。
つまり、ストッパー部材120を密着させて衛生用薄葉紙収納容器1を一旦固定した箇所から取り外し、他の設置箇所にストッパー部材120を密着させて、そこに衛生用薄葉紙収納容器1を固定することができる。
例えば、テーブルの中央に固定した衛生用薄葉紙収納容器1をテーブルの縁側に固定し直したり、食卓テーブルに固定した衛生用薄葉紙収納容器1をリビングテーブルに固定し直したりすることができる。
また、幼児の手が届かない高さに固定した衛生用薄葉紙収納容器1を、幼児の手の届く高さに固定し直すことができる。
【0049】
そして、このストッパー部材120は、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pが取り出される際に、衛生用薄葉紙収納容器1が設置された箇所から移動するのを防ぐ機能を有している。
なお、ここでいう衛生用薄葉紙収納容器1の移動とは、取出孔113aから取り出される衛生用薄葉紙Pによって引きずられるように衛生用薄葉紙収納容器1が動くことや、取出孔113aから取り出される衛生用薄葉紙Pによって衛生用薄葉紙収納容器1が持ち上げられるように浮くことなどを指している。
【0050】
(開閉蓋)
開閉蓋2は、例えば、
図1から
図5に示すように、容器本体上部11の凹部112の後方に回動自在に取り付けられた部材であり、扁平な曲線状の略矩形形状を呈している。
開閉蓋2は、閉蓋状態における前側に開閉蓋側係止部21を備え、その開閉蓋2の下面側に開閉蓋側密閉環部22と、付勢部材114が挿入される挿入部23と、を備える。
また、開閉蓋2は、閉蓋時の平面視における形状が容器本体上部11の凹部112の平面視における形状のうち、ボタン部3が備えられた部分を除いた形状と略同一となるように形成されており、閉蓋時において、凹部112に嵌め込むことができ、また天面部111と面一となるように形成されている。
【0051】
(開閉蓋の材質)
開閉蓋2は、容器本体10において用いられるのと同様の硬質材料によって形成されている。
【0052】
(開閉蓋側係止部)
開閉蓋側係止部21は、例えば、
図2、
図3及び
図5に示すように、開閉蓋2の前方に突出する爪状の部分である。そして、ボタン部3に形成されるボタン側係止部313(後述)と係合することによって、開閉蓋2が閉蓋状態で係止される。また、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313との係合が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が開蓋状態となるように形成されている。
なお、開蓋された開閉蓋2を、開蓋時とは反対に回動させて、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313(後述)と係合することによって、開閉蓋2を閉蓋することができる。
【0053】
なお、開閉蓋側係止部21の形状は、ボタン側係止部313に係合することによって、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するとともに、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313との係合が外れるものであれば任意であり、
図2、
図3及び
図5に示したような爪状には限られない。
【0054】
(開閉蓋側密閉環部)
開閉蓋側密閉環部22は、例えば、
図2及び
図5に示すように、略矩形環状を呈しており、開閉蓋2の閉蓋時において下方へ突出し、
図8に示すように、開閉蓋側密閉環部22の縁が、容器本体上部11に形成された取出部113の外周と接触するように、開閉蓋2の下面側略中央部に形成されている。
【0055】
(挿入部)
挿入部23は、例えば、
図2及び
図5に示すように、開閉蓋2の後端部に付勢部材114を挿入して固定するものである。
【0056】
(ボタン部)
ボタン部3は、例えば、
図8に示すように、容器本体10(容器本体上部11)に設けられているボタン取付部32と、ボタン取付部32に取り付けられたボタン31と、ボタン31とボタン取付部32との間に弾性変形可能に介装されているボタン弾性部材33と、を有している。
ボタン31とボタン取付部32は、容器本体10において用いられているのと同様の硬質材料で形成されており、ボタン弾性部材33は、取出部113や付勢部材114などと同様の弾性材料で形成されている。
このボタン部3のボタン31を使用者が押圧した際、ボタン31による開閉蓋2の係止が外れ、開閉蓋2が付勢部材114の付勢力によって押し上げられて開蓋されるようになっている。
【0057】
(ボタン取付部)
ボタン取付部32は、例えば、
図8に示すように、容器本体上部11の凹部112の前側におけるボタン部3が備えられる部分に設けられた、ボタン31の取り付け箇所である。
ボタン取付部32の左右両側には、後述するボタン31のボタン軸312(軸部312b)が挿し込まれる軸穴(図示省略)が形成されている。
また、ボタン取付部32には、後述するボタン弾性部材33の先端部が突き当てられている当接面部32aが設けられている。この当接面部32aは、ボタン取付部32に取り付けられたボタン31の下面と対向している。
【0058】
(ボタン)
ボタン31は、例えば、
図8に示すように、ボタン取付部32とは独立して形成された部材であり、使用者に押圧される上面部311と、ボタン31の左右両側に設けられているボタン軸312,312と、開閉蓋2の開閉蓋側係止部21と係合することで開閉蓋2を閉蓋状態で係止するボタン側係止部313と、ボタン弾性部材33をボタン31の下面側で支持している弾性部材支持部314,314とを備えている。
【0059】
(上面部)
上面部311は、例えば、
図1、
図8に示すように、平面視において後方の基端部311b側が直線状、前方の先端部311a側が円弧状を呈するように形成され、先端部311aが凹部112から前方に突出するように形成されている。
そして、上面部311の先端部311aと容器本体上部11との間には隙間bが形成されている。
上面部311の大きさは、凹部112のうち開閉蓋2によって覆われていない部分の大きさに応じて定まるが、前後方向に最も長い部分で10mmから30mm、左右方向に最も長い部分で30mmから100mmの長さを有することが望ましい。
なお、ボタン31の先端部311a側が直線状を呈するように形成されていてもよい。
【0060】
また、上面部311は、基端部311b側から先端部311a側に向かって下方に傾斜するように形成されている。
この上面部311の傾斜角度は、6度~10度であることが好ましい。
なお、上面部311の傾斜角度は、基端部311b側と先端部311a側で異なっていてもよく、例えば、基端部311b側の傾斜角度が6度~8度で、先端部311a側の傾斜角度が8度~10度であるように、2段階の傾斜を形成するようにしてもよい。
【0061】
(ボタン軸)
ボタン軸312は、例えば、
図8に示すように、上面部311の下面に設けられている基部312aと、基部312aから外側に延出して設けられている軸部312bとを有しており、ボタン31の左右に一対設けられている。
一対のボタン軸312は、左右対称に設けられており、各軸部312bは同じ軸線に沿って、互いに離間する方向に延出している
このボタン軸312の軸部312bがボタン取付部32の軸穴(図示省略)に挿し込まれて、ボタン31がボタン取付部32に回動可能に軸支されている。
【0062】
(ボタン側係止部)
ボタン側係止部313は、例えば、
図8に示すように、ボタン31の後方に形成された窪みであり、開閉蓋2に形成された開閉蓋側係止部21がボタン側係止部313に係合することによって、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するように形成されている。
また、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21の係合が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が押し上げられて開蓋するようになっている。
なお、ボタン側係止部313の形状は、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するとともに、使用者がボタン部3を押圧した際には、ボタン側係止部313と開閉蓋側係止部21との係合が外れるものであれば任意であり、図示したような窪みには限られず、例えば、開閉蓋側係止部21が係合する爪部であってもよい。
【0063】
(弾性部材支持部)
弾性部材支持部314は、例えば、
図8に示すように、上面部311の下面から下方に突出するように設けられている板状の突片であり、前後に間隔をあけて一対設けられている。
この一対の弾性部材支持部314,314の間にボタン弾性部材33が配されている。
なお、ここでは前後の弾性部材支持部314のサイズを異なるように形成し、前側の弾性部材支持部314の方が後側の弾性部材支持部314よりも小さく形成しているが、前側の弾性部材支持部314の方が後側の弾性部材支持部314よりも大きく形成してもよく、また同じサイズに形成してもよい。
【0064】
(ボタン弾性部材)
ボタン弾性部材33は、弾性材料で形成された弾性変形可能な板状の部材である。
このボタン弾性部材33の上端側が一対の弾性部材支持部314,314の間に挟まれて支持された態様で、ボタン弾性部材33がボタン31の下面に配されている。
ここでのボタン弾性部材33は、ボタン31に対し左右方向に長尺な向きで配される形状を有しており、ボタン31に配されたボタン弾性部材33は、ボタン31の先端部311a側の前端縁に沿うように延在して配設されている。ボタン弾性部材33は、ボタン31の幅の略全長に亘って配設されていることが好ましい。
そして、一対の弾性部材支持部314,314によってボタン弾性部材33を支持しているボタン31がボタン取付部32に取り付けられた状態で、ボタン弾性部材33の自由端である先端部がボタン取付部32の当接面部32aに突き当てられるようになっている。
特に、ボタン弾性部材33の上端側が一対の弾性部材支持部314,314によって支持されていることで、ボタン弾性部材33の下端側の先端部が、ボタン取付部32の当接面部32aに安定した姿勢で突き当たるようになっている。
【0065】
(ボタン部の操作)
前述したように、ボタン31のボタン側係止部313が、開閉蓋2の開閉蓋側係止部21に係合した状態で、ボタン31が開閉蓋2を閉蓋状態で係止している。
そして、閉蓋状態にある開閉蓋2を係止しているボタン31が押圧されてボタン弾性部材33が弾性変形することでボタン31が回動し、そのボタン31の先端部311a側が下がるようにボタン31の配置が切り替わることで、ボタン31による開閉蓋2の係止が解除されて開閉蓋2が開放され、開蓋状態になるように構成されている。
なお、ボタン31に対する押圧をやめれば、ボタン弾性部材33の復元力によってボタン31の先端部311a側が上がり、ボタン31の配置が元に戻る。
【0066】
[実施形態の効果]
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器1は、その底面(容器本体10の底面)にストッパー部材120が設けられており、ストッパー部材120を所望する設置箇所に密着させるようにして、その設置箇所に衛生用薄葉紙収納容器1を固定することができる。
そして、このストッパー部材120は、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pが取り出される際に、衛生用薄葉紙収納容器1が設置された箇所から移動するのを規制する機能を有しているので、使用者は片手で衛生用薄葉紙収納容器1から衛生用薄葉紙Pを好適に取り出すことができる。
【0067】
具体的には、使用者が片手でボタン部3のボタン31を押圧して、ボタン31による開閉蓋2の係止を解除すると、開閉蓋2が付勢部材114の付勢力によって押し上げられて開蓋され、取出部113の取出孔113aが露出されるので、その取出孔113aから使用者は片手で衛生用薄葉紙Pを取り出すことができる。
その取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す際、ストッパー部材120の作用によって衛生用薄葉紙収納容器1は設置箇所に固定されており、その設置箇所から移動しないようになっているので、使用者は片手で衛生用薄葉紙収納容器1から衛生用薄葉紙Pを好適に取り出すことができる。
【0068】
また、この衛生用薄葉紙収納容器1であれば、ストッパー部材120によって設置箇所に固定されているので、開閉蓋2が付勢部材114の付勢力によって押し上げられて開蓋される際に、その付勢力の反動によって衛生用薄葉紙収納容器1が設置箇所から動いてしまうことがない。
つまり、開閉蓋2を開蓋して取出部113の取出孔113aを露出させて、その取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す一連の操作を片手で行うことができる。
なお、衛生用薄葉紙収納容器1から衛生用薄葉紙Pを取り出した後、使用者は片手で開閉蓋2を閉蓋することができる。
【0069】
上述したように、取出部113の取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す際、その取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pに対して取出部113の突片113cが抵抗を掛けるようになっている。
取出部113(突片113c)が衛生用薄葉紙Pに掛ける抵抗力よりも、ストッパー部材120が衛生用薄葉紙収納容器1の設置箇所に密着する密着力の方が小さいと、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す際に衛生用薄葉紙収納容器1が設置箇所から動いてしまうことがあるので、ストッパー部材120の密着力を適正にするよう、ストッパー部材120の数や大きさに関する設計や、好ましい樹脂材料の選択を行っている。
【0070】
また、衛生用薄葉紙収納容器1の内部に収容されている衛生用薄葉紙Pの枚数が多くて重いほど、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す際に衛生用薄葉紙収納容器1が設置箇所から動き難い。
換言すると、衛生用薄葉紙収納容器1の内部に収容されている衛生用薄葉紙Pの枚数が少なくて軽いほど、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pを取り出す際に衛生用薄葉紙収納容器1が設置箇所から動き易いので、衛生用薄葉紙収納容器1に1枚の衛生用薄葉紙Pを収容しておき、その衛生用薄葉紙Pを取り出す際にも衛生用薄葉紙収納容器1が設置箇所から動かないようにストッパー部材120の密着力を適正にするよう、ストッパー部材120の数や大きさに関する設計や、好ましい樹脂材料の選択を行っている。
【0071】
以上のように、本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器1は、その内部に収容されている衛生用薄葉紙Pを取り出す際に、設置された箇所から移動しないようになっているので、一方の手で収納容器を押さえ、他方の手で衛生用薄葉紙を取り出すのではなく、片手で衛生用薄葉紙収納容器1から衛生用薄葉紙Pを取り出すことができる。
つまり、本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器1は片手で使用し易く、容易に衛生用薄葉紙収納容器1から衛生用薄葉紙Pを取り出すことができる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10の底面に4つのストッパー部材120を配設したが、ストッパー部材120の数や大きさは任意であり、例えば、
図11に示すように、衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10の底面の略中央に、比較的大きな吸盤状のストッパー部材120を1つ設けるようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、吸盤状の部材をストッパー部材120として用いたが、例えば、
図12、
図13に示すように、ストッパー部材120として、再剥離および再粘着が可能なシート部材を用いてもよい。
再剥離および再粘着が可能なストッパー部材120としては、例えば、基材シートの一方の面に再剥離・再粘着性を有するウレタン系粘着剤層が設けられ、基材シートの他方の面に強粘着性を有するアクリル系粘着剤層が設けられている再剥離性および再粘着性を有しているシート部材を用いることができる。
そのシート部材(ストッパー部材120)のアクリル系粘着剤層を衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10の底面に貼り付けて、ウレタン系粘着剤層を載置面Tや壁面Wに密着させるようにして、衛生用薄葉紙収納容器1を所望する箇所に設置することができる。
なお、再剥離および再粘着が可能なシート状のストッパー部材120の数や大きさは任意であり、シート状のストッパー部材120を衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10の底面の四隅に設けることに限らず、容器本体10の底面の全面を覆うサイズの再剥離および再粘着が可能なシート状のストッパー部材120を一枚設けるようにしてもよい。
【0074】
また、以上の実施の形態においては、略直方体状(略筐体状)を呈する衛生用薄葉紙収納容器1を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば円筒状の収納容器の底面にストッパー部材120を設けてもよく、衛生用薄葉紙収納容器1の形状は任意である。
【0075】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0076】
1 衛生用薄葉紙収納容器
10 容器本体
11 容器本体上部
113 取出部
113a 取出孔
114 付勢部材
12 容器本体下部
12a 底部
120 ストッパー部材
2 開閉蓋
21 開閉蓋側係止部
3 ボタン部
31 ボタン
313 ボタン側係止部
33 ボタン弾性部材
P 衛生用薄葉紙
S 収納空間
T 載置面
W 壁面