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特開2024-2984コンパートメント内に消火器を設定するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002984
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】コンパートメント内に消火器を設定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/08 20060101AFI20231228BHJP
   B64D 33/00 20060101ALI20231228BHJP
   B64D 25/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A62C3/08
B64D33/00
B64D25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023103526
(22)【出願日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】17/808,585
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ライト, ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】ベイズリー, ダニエル ライト
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン, スコット エイドリアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機のエンジンなどのコンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するためのシステム及び方法は、流体動的モデルからコンパートメント内に一又は複数の流体流路を決定するように設定された構成制御ユニットを含む。構成制御ユニットは、一又は複数の流体経路に基づき、放出された消火剤の流線が対象領域の全体を覆うように、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定するよう設定される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパートメント(104)内に一又は複数の消火器(102)を設定するためのシステム(100)であって、前記システム(100)が、
流体動的モデル(118)から、前記コンパートメント(104)内の一又は複数の流体流路(110)を決定するように設定された構成制御ユニット(112)を備え、前記構成制御ユニット(112)が、前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器(102)の一又は複数のノズル(103)の構成を決定するように更に設定されている、システム(100)。
【請求項2】
前記一又は複数のノズル(103)を有する前記一又は複数の消火器(102)を更に備え、前記一又は複数のノズル(103)が、前記構成制御ユニット(112)によって決定された前記構成に従って物理的に設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記コンパートメント(104)が、換気され、一又は複数の流体注入口(106)及び一又は複数の流体排出口(108)を含み、前記一又は複数の流体流路(110)が、前記一又は複数の流体注入口(106)と前記一又は複数の流体排出口(108)との間に延在する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記コンパートメント(104)が航空機のエンジンである、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記構成制御ユニット(112)が、
一又は複数の気流境界条件を識別することと、
プルームモデルの表面上のシード点の流線を決定することと
を行うように設定されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記構成制御ユニット(112)が、予測された消火剤経路を特定の関心領域と比較するように更に設定されている、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記構成制御ユニット(112)が、前記一又は複数のノズル(103)から消火剤の様々な分散点を評価し、前記コンパートメント(104)内の前記消火剤の終点箇所を決定するように設定されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記構成制御ユニット(112)が、前記コンパートメント(104)内の消火剤の終点箇所を決定し、前記一又は複数の消火器(102)の前記一又は複数のノズル(103)の前記構成を決定するために、前記一又は複数の流体流路(110)を逆解析するように設定されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記構成制御ユニット(112)が、前記構成に従って、前記一又は複数のノズル(103)を自動的に設定するように更に設定されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
コンパートメント(104)内に一又は複数の消火器(102)を設定するための方法であって、前記方法が、
構成制御ユニット(112)によって、流体動的モデル(118)から、前記コンパートメント(104)内の一又は複数の流体流路(110)を決定することと、
前記構成制御ユニット(112)によって、前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器(102)の一又は複数のノズル(103)の構成を決定することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記構成制御ユニット(112)によって決定された前記構成に従って、前記一又は複数のノズル(103)を物理的に設定することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンパートメント(104)が、換気され、一又は複数の流体注入口(106)及び一又は複数の流体排出口(108)を含み、前記一又は複数の流体流路(110)が、前記一又は複数の流体注入口(106)と前記一又は複数の流体排出口(108)との間に延在する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記コンパートメント(104)が航空機のエンジンである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記構成を前記決定することが、
一又は複数の気流境界条件を識別することと、
プルームモデルの表面上のシード点の流線を決定することと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記構成を前記決定することが、予測された消火剤経路を特定の関心領域と比較することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記構成を前記決定することが、
前記一又は複数のノズル(103)から消火剤の様々な分散点を評価することと、
前記コンパートメント(104)内の前記消火剤の終点箇所を決定することとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記構成を前記決定することが、
前記コンパートメント(104)内の消火剤の終点箇所を決定することと、
前記一又は複数の消火器(102)の前記一又は複数のノズル(103)の前記構成を決定するために、前記一又は複数の流体流路(110)を逆解析することと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記構成制御ユニット(112)によって、前記構成に従って、前記一又は複数のノズル(103)を自動的に設定することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
実行に応答して、プロセッサを備える一又は複数の制御ユニット(112)に、
流体動的モデル(118)から、コンパートメント(104)内の一又は複数の流体流路(110)を決定することと、
前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器(102)の一又は複数のノズル(103)の構成を決定することと
を含む動作を実行させる、実行可能な命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記コンパートメント(104)が航空機のエンジンである、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、概して、航空機のエンジンなどのコンパートメント内に消火器を設定(配置)するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なシステムは、消火器を必要とするコンパートメントを含む。例えば、特定の航空機は、潜在的な、内部又は外部の火を消火するように設定(構成)された消火器を含むエンジンを含む。
【0003】
航空機の各部分のための消火分配システムの開発は、通常、繰り返され、時間がかかり、高価なプロセスである。特に、ボトル入りの消火剤が、通常、(実物大のエンジン又は補助電力ユニットなどの)コンパートメント内に放出され、消火剤の濃度は、コンパートメント内の様々な地点で測定される。消火剤の分配が不適切な場合、ノズルの向きの変更がなされ、プロセスは繰り返される。理解され得るように、かかるプロセスは、複雑であり、高価であり、時間がかかる。プロセスは何週間も続き、新しく設置する毎に数百万ドルもかかり得る。
【0004】
別の選択肢として、消火分配システムをサイズアップして、非効率な分配を克服することも可能である。例えば、かかるシステムは著しい量の消火剤を分散し得る。しかしながら、かかるシステムは、航空機に大幅なコストと重量とを加える。
【発明の概要】
【0005】
航空機のエンジンコンパートメント又は補助電力ユニットなどのコンパートメント内に、消火器を効果的かつ効率的に設定するためのシステム及び方法の必要性が存在する。更に、コンパートメント内の消火器の、箇所、向きなどを決定するための費用や時間のかからない方法の必要性が存在する。
【0006】
これらの必要性を考慮して、本開示の特定の実施例が、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するためのシステムを提供する。システムは、流体動的モデルから、コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定するように設定された構成制御ユニットを含む。構成制御ユニットは、一又は複数の流体経路に基づき、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成(例えば、一又は複数のノズルの潜在的な構成)を決定するように更に設定される。
【0007】
少なくとも1つの実施例では、システムは、一又は複数のノズルを有する一又は複数の消火器も含む。一又は複数のノズルは、構成制御ユニットによって決定された構成に従って物理的に設定される。
【0008】
少なくとも1つの実施例では、コンパートメントは、換気され、一又は複数の流体注入口及び一又は複数の流体排出口を含む。一又は複数の流体流路が、一又は複数の流体注入口と一又は複数の流体排出口との間に延在する。例として、コンパートメントは、航空機のエンジン又はエンジンコンパートメントである。
【0009】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットは、一又は複数の気流境界条件を識別することと、プルームモデルの表面上のシード点から流線を決定することとを行うように設定される。更なる実施例として、構成制御ユニットは、予測された消火剤経路を特定の関心領域と比較するように更に設定される。
【0010】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットは、一又は複数のノズルからの消火剤の様々な分散点を評価し、コンパートメント内の消火剤の終点箇所を決定するように設定される。
【0011】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットは、コンパートメント内の消火剤の終点箇所を決定し、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定するために、一又は複数の流体流路を逆解析するように設定される。
【0012】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットは、構成に従って、一又は複数のノズルを自動的に設定するように更に設定される。
【0013】
本開示の特定の実施例は、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法を提供する。本方法は、構成制御ユニットによって、流体動的モデルから、コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定することと、構成制御ユニットによって、一又は複数の流体経路に基づき、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定することとを含む。
【0014】
本開示の特定の実施例は、実行に応答して、プロセッサを備える一又は複数の制御ユニットに、流体動的モデルから、コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定することと、一又は複数の流体経路に基づき、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定することとを含む動作を実行させる、実行可能な命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施例に係る、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するためのシステムの概略ブロック図である。
図2】本開示の実施例に係る、航空機のエンジンの内部の断面図である。
図3】本開示の実施例に係る、エンジンの簡略化された内部の側面図である。
図4】本開示の実施例に係る、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法のフロー図である。
図5】本開示の実施例に係る、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法のフロー図である。
図6】本開示の実施例に係る、航空機の前面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記の概要、並びに特定の実施例の下記の詳細な記載は、添付の図面と共に読むとより良く理解されるであろう。本明細書で使用される場合、単数形で、及び、「1つの(「a」又は「an」)」という語の後に記載される要素又はステップは、複数のかかる要素又はステップを必ずしも除外しないと理解すべきである。なお、「一実施例」に言及する際には、同様に本明細書に記載の特徴が組み込まれている、更なる実施例の存在が除外されるという解釈は意図していない。更に、特定の条件を有する一又は複数の要素を「備える(comprising)」又は「有する(having)」実施例は、そうではないと明示的に述べられていない限り、かかる条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0017】
本開示の実施例は、分析を利用して、消火剤を、コンパートメントの全ての部分への効率的な分配のために、コンパートメント内にシード(散布)する(例えば、噴出する、あるいはその他の方法で分散する)ための照準点を決定するシステム及び方法を提供する。少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットが、好ましい濃度領域を用いて換気流を逆向きにたどり、可能なシード点を特定する。少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニットは、化学物質の分配の最終状態を決定して開始点まで逆方向に移動させ、それによって、一又は複数の消火器の一又は複数のノズルのための好ましいシード点を提供する。かかる決定に基づき、ノズルは消火剤を特定の領域に向けるように設定され、より少ない反復で適格な構成を達成する。
【0018】
本開示の特定の実施例は、航空機のコンパートメント(エンジンコンパートメント(例えば、エンジンが設置あるいはその他の方法で配置されている空間)又は補助電力ユニットコンパートメント(例えば、補助電力ユニットが設置あるいはその他の方法で配置されている空間)など)内に消火器のノズルの照準点を決定するためのシステムを提供する。システムは、構成制御ユニットを含む。構成制御ユニットは、コンパートメントの形状の3次元モデルを受け入れ、気流境界条件を識別し、コンピュータによる流体動的モデルを生成し、速度プロファイルを使用して流れパターンを評価し、経路決定に基づきノズル構成を決定する。
【0019】
少なくとも1つの実施例では、システム及び方法は、一又は複数のコンピュータによる流体動的モデルを評価して流体の流れを決定し、一又は複数のモデルから逆の流れ位置を決定して、消火剤の分配を最適化する(箇所や向きなどの)ノズル構成を決定する。少なくとも1つの実施例では、システム及び方法は、一又は複数のコンピュータによる流体動的モデルを使用して、流れパターンを評価して、開始点としての流路を決定する。モデルは、コンパートメント内の冷却流の指示を提供する。
【0020】
図1は、本開示の実施例による、コンパートメント104内に一又は複数の消火器102を設定するためのシステム100の概略ブロック図を示す。一又は複数の消火器102は、そこから消火剤を分散するように設定された一又は複数のノズル103を含む。コンパートメント104は、一又は複数の内部構成要素を有する密閉空間を含む。消火器102は、コンパートメント104上又はコンパートメント104内に配置され、その中の火に反応してコンパートメント104内に消火剤を分散するように設定される。
【0021】
少なくとも1つの実施例では、コンパートメント104は、換気され、一又は複数の流体注入口106及び一又は複数の流体排出口108を含む。一又は複数の流体流路110が、流体注入口106と流体排出口108との間に延在する。空気などの流体は、一又は複数の流体流路110に沿って、流体注入口106と流体排出口108との間のコンパートメントを通って流れる。実施例としては、コンパートメント104は、航空機のエンジンである。更なる実施例としては、コンパートメント104は、航空機のエンジンファイア地帯である。航空機のエンジンでは、空気は流体注入口106から入り、一又は複数の流体流路110に沿って流れ、その後流体排出口108から放出される。別の実施例としては、コンパートメント104は、航空機の補助電力ユニットである。別の実施例としては、コンパートメント104は、自動車のエンジンである。別の実施例としては、コンパートメント104は、複数のサーバを含み得るなどのコンピュータルームのデータセンターである。別の実施例としては、コンパートメント104は、コンピュータチップが製造されるクリーンルームである。別の実施例としては、コンパートメント104は、医療施設内の手術室であり得る。
【0022】
システム100は、例えば、一又は複数の有線接続又は無線接続を介して、メモリ114と通信する構成制御ユニット112も含む。構成制御ユニット112は、別個であり、メモリ114とは異なり得る。少なくとも1つの他の実施例では、構成制御ユニット112はメモリ114を含む。
【0023】
メモリ114はデータを記憶し、コンパートメントモデル116及び流体動的モデル118を含む。流体動的モデル118は、流体動的なコンピュータによる分析に基づく、コンパートメント内の流体の流れの実質的なモデルである。コンパートメントモデル116は、内部及び外部の構造並びにコンパートメント104の形状に関する情報を含む。流体動的モデル118は予め決定されており、コンパートメント104を通る空気などの流体の流れに関する情報を含む。実施例として、流体動的モデル118は、コンパートメント104内の一又は複数の流体流路110に関する情報を含む。一又は複数の流体流路110に関する情報は、積層状の流体の流れの領域、乱れた流体の流れ、空気の渦巻いている箇所、より低い及びより高い流速の領域などを含む気流パターンを含む。
【0024】
動作では、構成制御ユニット112が流体動的モデル118に基づき、一又は複数の消火器102の構成を決定する。例えば、流体動的モデル118は、流体注入口106から入り、流体排出口108から出る流体のための時間を含む、コンパートメント104内の一又は複数の流体流路110を含む。一又は複数の流体流路110に沿ってコンパートメント104を通る流体の流れの流体動的モデル118を受け入れることに反応して、構成制御ユニット112は、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103の構成(例えば、数、箇所、及び向き)を決定して、一又は複数のノズル103から分散される消火剤が、コンパートメント104の特定の箇所上及び上方に分散されることを確実にする。構成制御ユニット112による一又は複数のノズル103の構成の決定に基づき、一又は複数の消火器102は、コンパートメント104上及び/又はコンパートメント104内に位置決めされる。特に、一又は複数のノズル103は、構成制御ユニット112によって決定されるように、(例えば、ノズルの数、ノズル103の箇所、ノズル103の照準方向など)設定される。
【0025】
実施例として、コンパートメントモデル116及び流体動的モデル118は、予め決定されている。コンパートメント104内の一又は複数の流体流路108の流体動的モデル118(コンパートメントモデル116を介して分析され得る構造及び形状)に基づき、構成制御ユニット112は一又は複数の気流境界条件を識別する。気流境界条件は、コンパートメント104を通って流れる換気(流体注入口106と流体排出口108との間の空気の流れなどの)条件であるかあるいはこれを含む。かかる気流境界条件は、航空機のスピード(及びコンパートメントを通る空気の後続の流れ)、航空機の高度、コンパートメント内の一又は複数のバルブの開放状態、流動状態などを含み得る。流体動的モデル118内に含まれる一又は複数の流体流路108に基づき、構成制御ユニット112は、次いで、プルームモデルの表面上のシード点から流線を決定し、これはメモリ114にも記憶され得る。少なくとも1つの実施例では、流体動的モデル118はプルームモデルを含む。任意選択的に、プルームモデルは、別個であり、流体動的モデル118とは異なり得る。プルームモデルは一又は複数のノズル103と関連する。例えば、プルームモデルは、一又は複数のノズル103から分散される消火剤の体積及び円錐を含む。流線は、一又は複数の流体流路110に沿った、一又は複数のノズル103の分散点からの消火剤の流れである。プルームモデルの表面上のシード点からの流線を決定した後、構成制御ユニット112は、次いで、(一又は複数の流体流路110に沿って流れる)予測された消火剤経路を、特定の関心領域と比較する。関心領域は、消火剤が堆積するかあるいはその他の方法で分散されるように望まれる箇所である。構成制御ユニット112が、流体動的モデル(流体流路110を含む)及びプルームモデルに基づき、関心領域が消火剤によって適切に覆われたと決定する場合、構成制御ユニット112は、一又は複数のノズル103の構成が十分であると決定する。しかし、構成制御ユニット112は、流体動的モデル及びプルームモデルに基づき、関心領域が消火剤によって適切に覆われていないと決定する場合、構成制御ユニット112は、一又は複数のノズル103の構成を放棄し、別の構成を評価する。その後プロセスは繰り返される。したがって、少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニット112は、一又は複数のノズル103から消火剤の様々な分散点を評価し、コンパートメント104内の消火剤の終点箇所を決定する。
【0026】
少なくとも1つの他の実施例では、構成制御ユニット112は、コンパートメント104内の消火剤の終点箇所を決定し、流体動的モデル118(例えば、一又は複数の実質的な流体流路を逆に)、及び/又はプルームモデルを分析して、一又は複数の消火器の一又は複数のノズル103の構成を決定する。例えば、構成制御ユニット112は、消火剤の、コンパートメント104内の堆積されるべき箇所(つまり関心領域)を決定する。かかる箇所は、予め決定され、コンパートメントモデル116内などのメモリ114内にプログラムされ得る。構成制御ユニット112は、次いで、流体動的モデル116を分析し、コンパートメント104内の地点まで一又は複数の流路110を逆方向にたどる。構成制御ユニット112は、次いで、一又は複数のノズル103の箇所としての地点を決定し、次いで、流体動的モデル118及びプルームモデルに基づき、一又は複数のノズル103の構成を決定し得る。
【0027】
本明細書に記載するように、構成制御ユニット112は、流体動的モデル118に基づき、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103の構成を決定する。構成制御ユニット112は、一又は複数のノズル103の構成に関する構成データを出力し、次いでこれは、コンパートメント104上及び/又はコンパートメント104内に一又は複数の消火器の一又は複数のノズル103を物理的に設定するのに使用される。少なくとも1つの更なる実施例では、構成データが、一又は複数のノズル103を自動的に設定するように使用され得る。任意選択的に、構成制御ユニット112は、決定された構成に基づき、一又は複数のノズル103を(構成データに示されるように)自動的に設定し得る。例えば、一又は複数の消火器102及び/又は一又は複数のノズル103は、一又は複数のアクチュエータに動作可能に連結され得、アクチュエータは一又は複数の消火器102及び/又は一又は複数のノズル103を、構成制御ユニット112から受信された構成データに従って自動的に移動させる。構成制御ユニット112は、一又は複数のアクチュエータを動作させて、一又は複数のノズル103を決定された構成に自動的に移動させ得る。
【0028】
本明細書に記載のように、コンパートメント104内に一又は複数の消火器102を設定するためのシステム100は、流体動的モデル118からコンパートメント104内に一又は複数の流体流路110を決定する(例えば、実質的に決定する)ように設定された構成制御ユニット112を含む。構成制御ユニット112は、一又は複数の流体経路110に基づき、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103の構成を決定するように更に設定される。少なくとも1つの実施例では、システム100はまた、一又は複数のノズル103を有する一又は複数の消火器102を含み、これは、構成制御ユニット112によって決定された構成に従って物理的に設定される。
【0029】
本明細書で使用する場合、「コントロールユニット」「中央処理装置」「ユニット」「CPU」「コンピュータ」などの用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含む他の任意の回路若しくはプロセッサを使用したシステムを含む、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースの、任意のシステムを含み得る。上記の実施例は例示的なものにすぎず、したがって、かかる用語の定義及び/又は意味をいかなる形でも限定することを意図していない。例えば、構成制御ユニット112は、本明細書に記載のように、構成制御ユニットの動作を制御するように設定された一又は複数のプロセッサであってよく、又はこれらを含んでよい。
【0030】
構成制御ユニット112は、データを処理するために、一又は複数のデータ記憶ユニット又はデータ記憶要素(例えば一又は複数のメモリ)に記憶される命令のセットを実行するように設定される。例えば、構成制御ユニット112は、メモリ114などの一又は複数のメモリを含み得るか、又は一又は複数のメモリに連結され得る。データ記憶ユニットはまた、所望又は必要に応じて、データ又は他の情報を記憶してもよい。データ記憶ユニットは、情報源、又は処理マシン内部の物理的メモリ要素という形態であってよい。
【0031】
命令のセットは、様々なコマンドを含んでよく、これらのコマンドは、処理マシンとしての構成制御ユニット112に、特定の動作(例えば、本明細書に記載の主題の様々な実施形態の方法及びプロセス)を実行するように命令する。命令のセットはソフトウェアプログラムの形態であってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態であってもよい。更に、ソフトウェアは、別個のプログラムの集合体、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分という形態であってもよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向性プログラミングの形態のモジュラープログラミングも含み得る。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応答したものか、前の処理の結果に応答したものか、又は、別の処理マシンによってなされた要求に応答したものであってもよい。
【0032】
本明細書における実施形態の図は、一又は複数の制御ユニット又は処理ユニット(構成制御ユニット112など)を示していることがある。処理ユニット又は制御ユニットが、本明細書に記載の動作を実行する、(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形かつ非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアなどの)関連する命令を含むハードウェアとして実装され得る回路、回路網、又はその一部を表していてよいことは、理解されたい。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するように配線接続された(hardwired)、ステートマシン回路を含み得る。任意選択的に、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの一又は複数の論理ベースのデバイスを含みかつ/又はそれらに接続された電子回路を含んでもよい。任意選択的に、構成制御ユニット112は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、一又は複数のマイクロプロセッサなどのうちの一又は複数といった処理回路を表し得る。様々な実施形態における回路は、本明細書に記載の機能を実行するために一又は複数のアルゴリズムを実行するように設定され得る。一又は複数のアルゴリズムは、フロー図又は方法に明示的に特定されているか否かにかかわらず、本明細書に開示の実施形態の諸態様を含み得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ソフトウェア(software)」及び「ファームウェア(firmware)」という用語は、入れ替え可能であり、かつ、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば、一又は複数のメモリ)に記憶されている、コンピュータによって実行される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットの種類は例示にすぎず、したがって、コンピュータプログラムの記憶用として使用可能なメモリの種類について限定するものではない。
【0034】
図2は、本開示の実施例による、航空機のエンジン200の内部の断面図を示す。エンジン200は、図1に示しているコンパートメント104の一例である。エンジン200はハウジング202を含み、ハウジングは、エンジン室、エンジンカバーなどを含み得る。エンジン200は、吸気口206(図1に示している流体注入口106の一例である)に近接したハウジング202内のファン204を含む。低圧コンプレッサ208は、ファン204の下流にある。高圧コンプレッサ210は、低圧コンプレッサ208の下流にある。エンジン200は、燃焼室216、高圧シャフト214に連結された高圧タービン218、及び低圧シャフト212に連結された低圧タービン220も含む。ノズル222は、吸気口206から反対側に位置する。ノズル222は、図1に示している流体排出口108の一例である。空気230は、(図1に示している一又は複数の流体流路110の例である)一又は複数の空気流路232に沿って、エンジン200の中へ、エンジン200を通って、及びエンジン200の外へ流れる。一又は複数の空気流路232に沿って進む空気230は、例えば、エンジンのコアの周りのコンパートメントを換気する。一又は複数の消火器102は、エンジン200の上に又はエンジン200内に配置される(例えば、ハウジング202の各部分に取り付けられる)。
【0035】
図3は、本開示の実施例による、エンジン200の簡略化された内部の側面図を示す。エンジン200は、一又は複数の関心領域(例えば、関心領域300a及び関心領域300b)を含む。関心領域300a及び300bは、大型冷却器又はエンジン200内の他の構成要素の後方にある影の領域であり得る。関心領域300a及び300bは、その他の状態では、主にエンジン200の上部に位置する消火システムから消火剤が達しづらい箇所である可能性がある。
【0036】
図1~3を参照すると、少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニット112は、コンピュータによる流体動的モデル(例えば、エンジン300内の流体流路110a、110b及び110cを決定する流体動的モデル118)を分析する。流体動的モデル118は、予め決定されており、例えば、メモリ114に記憶される。流体流路110a、110b及び110cは、エンジン300内のカウル下の流域であり得る。流体動的モデル118は、示しているよりも多い又は少ない数の流体流路を含み得る。構成制御ユニット112は、流体動的モデル118の流線に従うことにより、消火剤が、エンジン200内の特定の箇所から分散されたときにどこに向かうかを決定する。例えば、流体動的モデル118(及び任意選択的にプルームモデル)に基づき、A地点から流体流路110aの流線に分散された消火剤は、関心領域300aの前端307及び後端304を覆い、これは熱交換器であり得るか、あるいはその他の方法で熱交換器を含み得る。別の実施例として、流体動的モデル118(及び任意選択的にプルームモデル)に基づき、B地点から流体流路110cの流線に分散された消火剤は、別の熱交換器などの、関心領域300bの下面306を覆う。
【0037】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニット112は、開始点プロセスに従って動作する。例えば、構成制御ユニット112は、(エンジン内の気流の)流線及び速度プロファイルを分析して、消火剤をシードする箇所を選択して、エンジン200内に好ましい消火剤分配パターンを生成する。
【0038】
少なくとも1つの他の実施例では、構成制御ユニット112は、終点プロセスに従って動作する。例えば、構成制御ユニット112は、流線及び速度プロファイルを分析して、一又は複数の流体流路110を決定し、その後関心領域に達する。つまり、構成制御ユニット112は、消火剤で覆うべき関心領域を決定し、一又は複数の流体流路110に関して逆方向に処理を行い、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103の構成を決定する。
【0039】
少なくとも1つの実施例では、構成制御ユニット112は、開始点プロセスと終点プロセスの両方に従って動作する。かかる実施例は、決定された構成に関して、信頼性及び精度を向上させ得る。
【0040】
図4は、本開示の実施例による、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法のフロー図を示す。図1及び4を参照すると、400において、構成制御ユニット112は、流体動的モデル118を分析して、コンパートメント104内の一又は複数の流体流路110を決定する。402において、構成制御ユニット112は、一又は複数の流体流路110に沿った一又は複数の選択された地点において、消火剤の流線を生成する。404において、構成制御ユニットは、流線に沿った流体消火剤の流れに基づき、関心領域が消火剤によって覆われるかどうかを判定する。かかる分析に基づき、関心領域が覆われない場合、方法は(かかる構成が放棄される)406へと進み、方法は402へ戻る。
【0041】
しかし、構成制御ユニット112が、関心領域404が消火剤によって覆われると判定した場合、方法は404から(構成制御ユニット112が構成を確認する)408へと進む。次いで、410において、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103は、確認された構成(構成制御ユニット112が少なくとも部分的に流体動的モデルに基づき実質的に決定した)に従って、物理的に設定される。例えば、構成制御ユニット112は、消火器102の構成を提供し、これは次いで、一又は複数の人によって構築され、設置され得る。
【0042】
図5は、本開示の実施例による、コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法のフロー図を示す。図1及び5を参照すると、500において、構成制御ユニット112は、流体動的モデル118を分析して、コンパートメント104内の一又は複数の流体流路110を決定する。502において、構成制御ユニット112は、(消火剤で覆われるべき)関心領域をコンパートメント104内に位置付ける。504において、構成制御ユニット112は、関心領域からコンパートメント104上及び/又はコンパートメント104内の一又は複数のノズル103の箇所へ、一又は複数の流体流路110の逆の流線を流れる。506において、構成制御ユニット112は、次いで構成を確認する。次いで、508において、一又は複数の消火器102の一又は複数のノズル103は、確認された構成(構成制御ユニット112が少なくとも部分的に流体動的モデルに基づき実質的に決定した)に従って、物理的に設定される。
【0043】
図6は、本開示の例示的な実施形態による、航空機600の前面斜視図を示す。航空機600は、2つのターボファンエンジン614を含み得る推進システム612を含む。任意選択的に、推進システム612は、ターボジェットエンジン、ターボプロペラエンジン、又はターボシャフト(例えば、ヘリコプタで通常使用される)を含み得る。ターボファンエンジン614は、図2及び3に示しているエンジン200の例である。任意選択的に、推進システム612は、示しているよりも多くのエンジン614を含み得る。エンジン614は、航空機600の翼616によって担持される。他の実施例では、エンジン614は、胴体618及び/または尾部620によって担持され得る。尾部620はまた、水平方向の安定板622、及び垂直方向の安定板624も支持し得る。航空機600の胴体618は、フライトデッキ又はコックピット630を含み得る内部キャビンを画定する。本開示の実施例は、エンジン614などの、航空機の様々な構成要素で使用され得る。
【0044】
航空機600は、図6に示すものとは異なる大きさに寸法が定められ、形作られ、及び構成され得る。例えば、航空機600は、ヘリコプタといった、非固定翼機であり得る。他の実施例として、航空機600は、無人航空機(UAV)であり得る。任意選択的に、本開示の実施例は、自動車、列車、船舶などといった様々な他の種類の輸送体で使用され得る。また、任意選択的に、本開示の実施例は、住居用建物又は商業用建物といった、固定構造物の様々な換気されたコンパートメントで使用され得る。
【0045】
更に、本開示は、以下の条項による実施例を含む。
【0046】
条項1. コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するためのシステムであって、前記システムが、
流体動的モデルから、前記コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定するように設定された構成制御ユニットを備え、前記構成制御ユニットが、前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定するように更に設定されている、システム。
【0047】
条項2. 前記一又は複数のノズルを有する前記一又は複数の消火器を更に備え、前記一又は複数のノズルが、前記構成制御ユニットによって決定された前記構成に従って物理的に設定される、条項1に記載のシステム。
【0048】
条項3. 前記コンパートメントが、換気され、一又は複数の流体注入口及び一又は複数の流体排出口を含み、前記一又は複数の流体流路が、前記一又は複数の流体注入口と前記一又は複数の流体排出口との間に延在する、条項1又は2に記載のシステム。
【0049】
条項4. 前記コンパートメントが航空機のエンジンである、条項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【0050】
条項5. 前記構成制御ユニットが、
一又は複数の気流境界条件を識別することと、
プルームモデルの表面上のシード点の流線を決定することと
を行うように設定されている、条項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【0051】
条項6. 前記構成制御ユニットが、予測された消火剤経路を特定の関心領域と比較するように更に設定されている、条項5に記載のシステム。
【0052】
条項7. 前記構成制御ユニットが、前記一又は複数のノズルから消火剤の様々な分散点を評価し、前記コンパートメント内の前記消火剤の終点箇所を決定するように設定されている、条項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0053】
条項8. 前記構成制御ユニットが、前記コンパートメント内の消火剤の終点箇所を決定し、前記一又は複数の消火器の前記一又は複数のノズルの前記構成を決定するために、前記一又は複数の流体流路を逆解析するように設定されている、条項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【0054】
条項9. 前記構成制御ユニットが、前記構成に従って、前記一又は複数のノズルを自動的に設定するように更に設定されている、条項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【0055】
条項10. コンパートメント内に一又は複数の消火器を設定するための方法であって、前記方法が、
構成制御ユニットによって、流体動的モデルから、前記コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定することと、
前記構成制御ユニットによって、前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定することと
を含む、方法。
【0056】
条項11. 前記構成制御ユニットによって決定された前記構成に従って、前記一又は複数のノズルを物理的に設定することを更に含む、条項10に記載の方法。
【0057】
条項12. 前記コンパートメントが、換気され、一又は複数の流体注入口及び一又は複数の流体排出口を含み、前記一又は複数の流体流路が、前記一又は複数の流体注入口と前記一又は複数の流体排出口との間に延在する、条項10又は11に記載の方法。
【0058】
条項13. 前記コンパートメントが航空機のエンジンである、条項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【0059】
条項14. 前記構成を前記決定することが、
一又は複数の気流境界条件を識別することと、
プルームモデルの表面上のシード点の流線を決定することと
を含む、条項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
条項15. 前記構成を前記決定することが、予測された消火剤経路を特定の関心領域と比較することを更に含む、条項14に記載の方法。
【0061】
条項16. 前記構成を前記決定することが、
前記一又は複数のノズルから消火剤の様々な分散点を評価することと、
前記コンパートメント内の前記消火剤の終点箇所を決定することとを含む、条項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
条項17. 前記構成を前記決定することが、
前記コンパートメント内の消火剤の終点箇所を決定することと、
前記一又は複数の消火器の前記一又は複数のノズルの前記構成を決定するために、前記一又は複数の流体流路を逆解析することと
を含む、条項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
条項18. 前記構成制御ユニットによって、前記構成に従って、前記一又は複数のノズルを自動的に設定することを更に含む、条項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
条項19. 非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
実行に応答して、プロセッサを備える一又は複数の制御ユニットに、
流体動的モデルから、コンパートメント内の一又は複数の流体流路を決定することと、
前記一又は複数の流体経路に基づき、前記一又は複数の消火器の一又は複数のノズルの構成を決定することと
を含む動作を実行させる、実行可能な命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0065】
条項20. 前記コンパートメントが航空機のエンジンである、条項19に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0066】
本明細書に記載のように、本開示の実施例は、航空機のエンジン(例えば、エンジンコンパートメント、ファイア地帯など)又は補助電力ユニットなどのコンパートメント内に、消火器を効果的かつ効率的に設定するためのシステム及び方法を提供する。更に、本開示の実施例は、コンパートメント内の消火器の、箇所、向きなどを決定するための費用や時間のかからない方法を提供する。
【0067】
本開示の実施例の記載のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な用語が使用され得るが、かかる用語は図面中で示す向きに関するものとして使用されるにすぎないことが理解される。これらの向きを反転、回転、又はその他の方法で変更してもよく、その結果、上部が下部となったり、下部が上部となったり、水平が垂直となったりする。
【0068】
本明細書で使用される際に、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定され(configured to)」ている構造物、制約、又は要素は、タスク又は動作に対応する様態で、特に構造的に、形成され、構成され、又は適合している。明確にするため、かつ誤解を避けるために、タスク又は動作を実行するために改変されることが可能であるだけの対象物は、本明細書における、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定」されているものではない。
【0069】
上記の記載は、限定ではなく例示を意図するものであると理解されたい。例えば、上述した実施例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの改変を加えて、本開示の様々な実施例の教示に特定の状況又は材料に適合させることができる。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施例のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施例は決して限定のためのものではなく、例示的な実施例である。上記の記載を精査することによって、当業者には他の多くの実施例が明らかになるであろう。したがって、本開示の様々な実施例の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲に関連して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲及び本明細書における発明を実施するための形態において、「含む(including)」及び「これにおいて(in which)」という用語はそれぞれ、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の明白な同義語として使用される。更に、「第1(first)」「第2(second)」及び「第3(third)」等の用語は、単に符号として使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0070】
ここに記述した説明で実施例を使用しているのは、ベストモードを含む本開示の様々な実施例を開示するためと、当業者が、任意のデバイス又はシステムを作成及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法の実行することを含めて本開示の様々な実施例を実施することを可能にするためである。本開示の様々な実施例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】