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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029853
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240229BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G16H20/10
A61J7/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132275
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】福西 藍
(72)【発明者】
【氏名】槙石 隆
【テーマコード(参考)】
4C047
5L099
【Fターム(参考)】
4C047NN10
4C047NN11
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】ユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為を適切に実行させるようにユーザを支援するプログラム、端末装置およびシステムを提供することである。
【解決手段】本開示のプログラムは、ユーザの心身または能力の状態を改善するために支援するプログラムであって、コンピュータに、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定されたユーザの行動予定を取得する予定取得手段464と、ユーザの行動結果を取得する結果取得手段465と、行動結果が行動予定に従っていないと判断された場合、当該プログラムのうち改善を支援する機能、または当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限する制限手段466と、として機能させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの心身または能力の状態を改善するために支援するプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定された前記ユーザの行動予定を取得する予定取得手段と、
前記ユーザの行動結果を取得する結果取得手段と、
前記行動結果が前記行動予定に従っていないと判断された場合、当該プログラムのうち前記改善を支援する機能、または当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限する制限手段と、として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記制限手段は、前記行動予定に従った前記行動結果が取得された場合、前記制限を解除する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制限手段は、前記他のプログラムの実行が指示された際に、前記行動予定に従った前記行動結果が取得されていない場合、前記制限が解除されることを示唆する情報を表示するとともに、当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制限手段は、前記行動結果を入力させるための画面に遷移させるユーザインターフェースを表示する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記制限がされている場合、前記行動予定に従った前記行動結果が取得されなかった旨を示す情報を表示する表示手段として、さらに機能させ、
前記制限手段は、前記情報が表示されたことを条件として、前記制限を解除する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示手段は、前記行動予定に従った前記行動結果が取得されなかった履歴に応じて前記情報を表示する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記行動予定に従った前記行動結果が取得されなかった履歴に応じて前記情報とは異なる情報を表示する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記行動予定は、前記ユーザによって繰り返し必要とされる行動に基づいて設定される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記行動予定は、前記診断情報に基づいて前記ユーザに処方された医薬品の服用である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記他のプログラムは、前記診断情報に基づいて前記ユーザに処方されたゲームである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記改善を支援する機能は、前記他のプログラムに関連して設定されている、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のプログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、を備える、
端末装置。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載のプログラムを記憶する記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、端末装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処方された医薬品の服用時期を患者のモバイル端末に通知するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、特許文献1では、その通知に対して返信がなされるまで通知を繰り返すことにより、患者の服用忘れを防止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-16185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、モバイル端末によって受信する電子メールに患者が気付かなかったり、気付いたとしても放置したり、また、当該電子メールに返信して対応したとしても、処方された医薬品を適切に服用するとは限らない。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為を適切に実行させるようにユーザを支援するプログラム、端末装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、ユーザの心身または能力の状態を改善するために支援するプログラムであって、コンピュータに、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定されたユーザの行動予定を取得する予定取得手段と、ユーザの行動結果を取得する結果取得手段と、行動結果が行動予定に従っていないと判断された場合、当該プログラムのうち改善を支援する機能、または当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限する制限手段と、として機能させる、プログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、制限手段は、行動予定に従った行動結果が取得された場合、制限を解除することができる。
【0008】
また、第1の側面において、制限手段は、他のプログラムの実行が指示された際に、行動予定に従った行動結果が取得されていない場合、制限が解除されることを示唆する情報を表示するとともに、当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限することができる。
【0009】
また、第1の側面において、制限手段は、行動結果を入力させるための画面に遷移させるユーザインターフェースを表示することができる。
【0010】
また、第1の側面において、制限がされている場合、行動予定に従った行動結果が取得されなかった旨を示す情報を表示する表示手段として、さらに機能させ、制限手段は、情報が表示されたことを条件として、制限を解除することができる。
【0011】
また、第1の側面において、表示手段は、行動予定に従った行動結果が取得されなかった履歴に応じて情報を表示することができる。
【0012】
また、第1の側面において、表示手段は、行動予定に従った行動結果が取得されなかった履歴に応じて情報とは異なる情報を表示することができる。
【0013】
また、第1の側面において、行動予定は、ユーザによって繰り返し必要とされる行動に基づいて設定することができる。
【0014】
また、第1の側面において、行動予定は、診断情報に基づいてユーザに処方された医薬品の服用とすることができる。
【0015】
また、第1の側面において、他のプログラムは、診断情報に基づいてユーザに処方されたゲームとすることができる。
【0016】
また、第1の側面において、改善を支援する機能は、他のプログラムに関連して設定することができる。
【0017】
第2の側面は、上述したプログラムを記憶する記憶部と、プログラムを実行する制御部と、を備える、端末装置である。
【0018】
第3の側面は、上述したプログラムを記憶する記憶部と、プログラムを実行する制御部と、を備える、システムである。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為を適切に実行させるようにユーザを支援するプログラム、端末装置およびシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の第1実施形態にかかるシステム1の概略を示すシステム構成図である。
図2】本開示の第1実施形態にかかるゲーム用サーバ装置2のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図3】本開示の第1実施形態にかかる管理用サーバ装置3のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図4】本開示の第1実施形態にかかるゲーム装置4のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。
図5】本開示の第1実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲーム用アプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の一例を示す図である。
図6】本開示の第1実施形態におけるシステム1において実行される、ゲーム用アプリケーションの実行および当該実行の制限に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本開示の第1実施形態におけるシステム1において実行される、ゲーム用アプリケーションの実行の制限解除に関する処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本開示の第2実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲーム用アプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の一例を示す図である。
図9】本開示の実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲーム用アプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の変形例を示す図である。
図10】ユーザに対して適切なメッセージを表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本開示を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本開示を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態にかかるシステム1の概略を示すシステム構成図である。図1に示されるように、システム1では、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3および複数のゲーム装置4が通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
<ゲームの説明>
図1に示されるシステム1では、ゲーム用サーバ装置2および複数のゲーム装置4が通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム装置4においてゲームが実行される。
【0024】
本実施形態にかかるゲームは、システム1にて実行されるオンラインのゲームであり、例えば、もの探しゲーム、パズルゲームおよび脳トレゲームなどを含む。ゲーム装置4のユーザは、そのゲームを1人でプレイしたり、その他のゲーム装置4のユーザとともに複数人で対戦または協力してプレイしたりする。
【0025】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置4、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置4がスマートフォンである場合を例示する。
【0026】
<システム1の概要>
システム1は、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3および複数のゲーム装置4にて構成される。
【0027】
ゲーム用サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置4の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータ(ゲーム進行に必要なデータおよびゲームのプレイデータなど)およびゲームの実行状況の管理を行う。
【0028】
管理用サーバ装置3は、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザの診断情報を記憶しており、例えば、当該ユーザに処方された医薬品の情報などを含む治療に関する情報を管理している。また、管理用サーバ装置3は、ユーザ同士が互いにコミュケーション可能な仮想空間(例えば、チャットルームなど)を提供して、その仮想空間の設定や更新を管理する。
【0029】
ゲーム装置4は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置4は、通信ネットワーク5を介して、ゲーム用サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置4に対応づけて、識別情報(ユーザID)およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置4からゲーム用サーバ装置2に送信され、ゲーム用サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0030】
ユーザ認証を経て、ゲーム用サーバ装置2とゲーム装置4との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置4は、ゲーム進行に必要なデータをゲーム用サーバ装置2から受信し、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させる。
【0031】
また、ゲーム装置4は、例えば、後述する通院や服薬などを含む治療に関する情報(スケジュール)を管理する。そのために、ゲーム装置4は、通信ネットワーク5を介して、管理用サーバ装置3から診断情報等を受信する。なお、各ユーザは、管理用サーバ装置3に対しても、上記ゲーム用サーバ装置2と同様にユーザ認証が行われるとよい。
【0032】
<システム1の構成>
以下、図2図4を参照して、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3およびゲーム装置4の各ハードウェア構成および機能について説明する。
【0033】
<ゲーム用サーバ装置2の構成>
図2は、本開示の第1実施形態にかかるゲーム用サーバ装置2のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図2に示されるように、ゲーム用サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0034】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介して管理用サーバ装置3および各ゲーム装置4と通信可能に接続されている。
【0035】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、例えば、本実施形態にかかるゲームプログラムを含む各種プログラム、ゲームデータおよびゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザに関する各種データなどが記憶されている。
【0036】
記憶部22は、ユーザDB(Data Base)221を含み、ユーザDB221には、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ毎に、ユーザのアカウント情報およびユーザがプレイするゲームデータおよびゲームの実行状況などを含むゲームに関するゲーム関連情報が対応付けられて記憶されている。例えば、ユーザIDおよびパスワードなどを含むユーザに関する情報、ゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などが含まれている。
【0037】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム用サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段(ゲーム実行手段)231および照合手段232として機能する。
【0038】
-情報処理手段-
情報処理手段231は、各ゲーム装置4との間で各種データを送受信して、各ゲーム装置4と相互通信を行うことでゲーム装置4においてゲームを実行させる。情報処理手段231が各ゲーム装置4から受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザのアカウント情報およびゲームのプレイデータなどである。情報処理手段231が各ゲーム装置4に送信する主なデータとしては、ゲームプログラムを各ゲーム装置4が受信したことを確認するための情報、ゲームプログラムおよびゲーム進行に必要なデータなどである。
【0039】
また、情報処理手段231は、管理用サーバ装置3との間で各種データを送受信する。情報処理手段231は、主に、ゲーム用サーバ装置2のユーザDB221に記憶されるゲームの実行状況に関する情報を管理用サーバ装置3に送信する。例えば、各ユーザがゲーム装置4を用いて実行したゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などが含まれる。なお、ゲーム用サーバ装置2と管理用サーバ装置3との各種データのやり取りは、直接的に通信しても、ゲーム装置4を介して間接的に通信してもよい。
【0040】
-照合手段-
照合手段232は、各ゲーム装置4から受信したユーザのアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。
【0041】
<管理用サーバ装置3の構成>
図3は、本開示の第1実施形態にかかる管理用サーバ装置3のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図3に示されるように、管理用サーバ装置3は、ネットワークインタフェース31、記憶部32および制御部33を有する。ネットワークインタフェース31および記憶部32は、バス39を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0042】
ネットワークインタフェース31は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介してゲーム用サーバ装置2および各ゲーム装置4と通信可能に接続されている。
【0043】
記憶部32は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部32には、例えば、各ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザに関する各種データなどが記憶されている。
【0044】
記憶部32は、ユーザDB321を含み、ユーザDB321には、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザ毎に、ユーザのアカウント情報およびユーザの診断情報などが対応付けられて記憶されている。アカウント情報には、ユーザIDやパスワードなどが含まれるが、ゲーム装置4から管理用サーバ装置3に対するユーザ認証について、上記ゲーム装置4からゲーム用サーバ装置2に対するユーザ認証と同一のアカウント情報を利用してもよいし、異なるアカウント情報を利用してもよい。同一のアカウント情報を利用すれば、管理が簡素で容易であり、異なるアカウント情報を利用すれば、情報漏洩などのリスク軽減に繋がる。
【0045】
ここで、管理用サーバ装置3の記憶部32に記憶されて管理される診断情報とは、ゲーム装置4を用いてゲームをプレイするユーザの心身の状態または能力に関する情報(例えば、認知症状、精神疾患、認知機能レベル、ストレスレベル、身体障害レベル、職業能力レベルおよび知的能力レベルなど)、およびこれらに応じて処方された医薬品の情報や必要な通院に関する情報を含む。具体的には、診断情報は、処方された医薬品の服薬スケジュールおよび通院スケジュールを含み、さらには、これらの服薬や通院をユーザに喚起させるための通知スケジュールを含んでもよい。そして、これらの診断情報は、ユーザを患者として、医師、薬剤師、資格を有する専門家、医療機関および専門機関などによって診断および認定された信頼性の高い情報である。以下では、診断情報は、医師、薬剤師や医療機関によって認定された認知症状、認知機能レベル、処方された医薬品の服薬スケジュールおよび通院スケジュールである場合を例示する。
【0046】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、管理用サーバ装置3の動作を制御する。制御部33は、各種プログラムを実行することにより、ゲーム特定手段331、情報共有手段332、照合手段333および通信手段334として機能する。
【0047】
-ゲーム特定手段-
ゲーム特定手段331は、ユーザDB321に記憶されている診断情報に基づいて、各ユーザがゲーム装置4を用いてプレイするゲームを特定する。具体的には、管理用サーバ装置3は、各ゲーム装置4からユーザのアカウント情報を受信し、ゲーム特定手段331は、ユーザDB321を参照して、そのユーザの診断情報に基づいて、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに応じて、適切なゲームを特定する。例えば、そのユーザの認知症状を改善させたり、進行(悪化)を遅らせたりするゲームが特定される。
【0048】
-情報共有手段-
情報共有手段332は、ゲーム特定手段331によって特定されたゲーム毎に、チャットルームなどの仮想空間を設定および管理する。このチャットルームは、ゲーム装置4を用いてそのゲームをプレイするユーザが閲覧および書き込みなどが可能であり、同じゲームをプレイするユーザ間で情報を共有するとともに、コミュニケーションを図れるようにしている。
【0049】
具体的には、情報共有手段332は、チャットルームに、各ユーザがゲーム装置4を用いてプレイするゲーム関連情報を掲載したり、各ユーザがゲーム装置4において投稿するコメントやスタンプ等の投稿情報を掲載したりする。ここで、ゲーム関連情報とは、ゲームの実行状況を含み、例えば、ゲームの開始、終了およびプレイ時間などを含むプレイ履歴情報、ゲームのクリア情報(レベル、進捗状況、成功/失敗)、およびその他ゲームに関する情報などである。
【0050】
また、各ユーザによる投稿情報には、例えば、そのゲームのクリア情報に対する感想や意見(「すごい!」「どうだった?」など)、そのゲームをプレイした感想(「面白かった」「難しかった」など)に関するテキスト情報であるコメントや、図形、画像情報であるスタンプが含まれる。
【0051】
なお、ここでは、特定されたゲーム毎にチャットルームが設定されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザの認知症状や認知機能レベルに応じたグループを特定し、そのグループ毎にチャットルームが設定されてもよい。この場合、ゲーム特定手段331は、具体的にプレイするゲームを特定してもよいし、ユーザの認知症状や認知機能レベルに応じたグループを特定し、そのグループに適合するゲームをユーザが選択するようにしてもよい。
【0052】
-照合手段-
照合手段333は、各ゲーム装置4から受信したユーザのアカウント情報を用いて、ユーザ認証を行う。
【0053】
-通信手段-
通信手段334は、ゲーム用サーバ装置2との間で各種データを送受信する。通信手段334は、主に、ゲーム用サーバ装置2のユーザDB221に記憶されるゲームの実行状況に関する情報を、当該ゲーム用サーバ装置2から直接的に、またはゲーム装置4を介して間接的に受信する。
【0054】
また、通信手段334は、各ゲーム装置4との間で各種データを送受信する。通信手段334が各ゲーム装置4から受信する主なデータとしては、ユーザのアカウント情報、チャットルームへの閲覧要求および書き込みデータなどである。通信手段334が各ゲーム装置4に送信する主なデータとしては、そのユーザに対して処方された医薬品の服薬スケジュールおよび通院スケジュールなどの診断情報、ゲーム用サーバ装置2から受信したゲームの実行状況に関する情報および各ユーザが書き込んだコメントをチャットルームに更新したデータ、およびゲーム特定手段331によって特定されたゲームに関する情報などである。
【0055】
<ゲーム装置4の構成>
図4は、本開示の第1実施形態にかかるゲーム装置4のハードウェア構成および機能を示すブロック図である。図4に示されるように、ゲーム装置4は、ディスプレイ47、スピーカ48およびタッチパッド49が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置4は、ネットワークインタフェース41、グラフィック処理部42、オーディオ処理部43、操作部44、記憶部45および制御部46を有する。ネットワークインタフェース41、グラフィック処理部42、オーディオ処理部43、操作部44および記憶部45は、バス50を介して制御部46と電気的に接続されている。
【0056】
ネットワークインタフェース41は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク5を介してゲーム用サーバ装置2および管理用サーバ装置3と通信可能に接続されている。
【0057】
グラフィック処理部42は、制御部46から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。また、グラフィック処理部42は、制御部46から出力される画像情報に従って、例えば、チャットルームを形成する画像、服薬スケジュールや通院スケジュールを形成する画像、それらに関するメッセージを含む画像を描画する。
【0058】
グラフィック処理部42は、例えば液晶型であるディスプレイ47と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ47上に表示され、チャットルームを形成する画像、服薬スケジュールや通院スケジュールを形成する画像、それらに関するメッセージを含む画像は、静止画形式に描画されてディスプレイ47上に表示される。
【0059】
オーディオ処理部43は、スピーカ48と接続されており、制御部46の指示に従ってゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ48から出力させる。また、オーディオ処理部43は、制御部46の指示に従って、例えば、チャットルームやメッセージに新着(更新)情報があれば、それを通知する音声をスピーカ48から出力させてもよい。
【0060】
操作部44は、タッチパッド49に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド49との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド49をタッチ操作することでゲーム装置4に操作信号を入力することができる。ユーザは、タッチパッド49を操作することにより、例えば、ゲームをプレイしたり、チャットルームにおける閲覧および書き込みをしたり、さらには、服薬スケジュールや通院スケジュールを確認して更新したり、実績を入力したりする。
【0061】
記憶部45は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部45には、ゲーム用サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲーム進行に必要なデータ、ゲーム装置4のアカウント情報、その他各種プログラムおよびデータなどが格納されている。また、記憶部45は、管理用サーバ装置3のアカウント情報や管理用サーバ装置3からダウンロードした診断情報などが格納されている。
【0062】
制御部46は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置4の動作を制御する。
【0063】
制御部46は、各種プログラムを実行することにより、通信手段461、ゲーム実行手段462、情報共有手段463、報知制御手段467、予定取得手段464、結果取得手段465および制限手段466として機能する。
【0064】
例えば、ゲーム装置4は、ゲーム用アプリケーションおよび管理用アプリケーションを有してもよい。ゲーム用アプリケーションは、ゲーム用サーバ装置2と通信して、ユーザがゲームをプレイするために、主に、通信手段461、ゲーム実行手段462および報知制御手段467を機能させるものである。管理用アプリケーションは、管理用サーバ装置3と通信して、ユーザのプレイするゲームを特定し、そのゲームをプレイする他のユーザとコミュニケーションを図るために、主に、通信手段461、情報共有手段463および報知制御手段467を機能させるものである。さらに、管理用アプリケーションは、管理用サーバ装置3からの診断情報に基づくユーザの行動予定を取得して、ユーザの行動を監視しながらゲーム用アプリケーションとの連携を管理し、主に、通信手段461、報知制御手段467、予定取得手段464、結果取得手段465および制限手段466を機能させる。
【0065】
―通信手段―
通信手段461は、ネットワークインタフェース41を介してゲーム用サーバ装置2および管理用サーバ装置3との通信を行う機能である。
【0066】
通信手段461は、操作部44がタッチパッド49から受信した各種操作信号に応じて、ゲーム用サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段461は、新たなゲームプログラム(データ)のダウンロード要求情報、ユーザのアカウント情報およびゲームのプレイデータなどをゲーム用サーバ装置2に送信する。また、通信手段461は、ダウンロード要求情報に応じてゲーム用サーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータなどを受信する。
【0067】
通信手段461は、操作部44がタッチパッド49から受信した各種操作信号に応じて、管理用サーバ装置3が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段461は、ユーザのアカウント情報、およびそのユーザがプレイするゲームに対応するチャットルームへの閲覧要求および書き込みデータなどを、管理用サーバ装置3に送信する。通信手段461は、管理用サーバ装置3のゲーム特定手段331によって特定されたそのユーザがプレイするゲームに関する情報を受信したり、上記チャットルームへの閲覧や書き込み要求に応じて管理用サーバ装置3から送信される新たな情報を含むチャットルームのデータなどを受信したりする。また、通信手段461は、管理用サーバ装置3からそのユーザの診断情報を受信する。
【0068】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段462は、ユーザによるタッチパッド49の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部45から読み出すか、またはゲーム用サーバ装置2から受信したゲームデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部42によって処理されることにより、ディスプレイ47には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0069】
そして、ゲーム実行手段462は、ゲーム画像上に、ユーザの操作に従ってキャラクタやパズルを移動(配置)させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動やパズルの移動(配置)などを制御する。例えば、ゲーム実行手段462は、ユーザのタッチパッド49の操作に従って、ゲームをプレイしてクエストを実行させる。
【0070】
さらに、ゲーム実行手段462は、ユーザにとって適切な条件でゲームが実行できるようにしている。例えば、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲームの実行条件などを、管理用アプリケーションを介して、ゲーム用アプリケーションに連携する。
【0071】
ゲーム実行手段462は、例えば、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲームの実行条件に基づいて特殊ゲームとして実行する。また、ユーザは、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応するゲーム(ゲーム特定手段331によって特定されたゲームなど)のみをダウンロードおよびインストール可能とし、ゲーム実行手段462は、当該ダウンロードおよびインストールされた特殊ゲームを実行するようにしてもよい。ここで、特殊ゲームとは、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに対応した難易度、またはその認知機能レベルを改善するような条件に基づいて実行できるように所定のゲームを調整したゲームである。
【0072】
―情報共有手段―
情報共有手段463は、ユーザによるタッチパッド49の操作に従って、管理用サーバ装置3から受信したチャットルームのデータを用いて、チャットルームの画像情報を生成する。チャットルームの画像情報がグラフィック処理部42によって処理されることにより、ディスプレイ47には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0073】
―予定取得手段-
予定取得手段464は、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定されたユーザの行動予定を取得する。例えば、ユーザは、医師、薬剤師や医療機関によって診断されて、そのユーザの認知症状や認知機能レベルが認定されており、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに応じて処方された医薬品の服薬スケジュールおよび通院スケジュールが診断情報として含まれている。
【0074】
ユーザの行動予定は、ユーザの認知症状を改善させたり、進行(悪化)を遅らせたりするために、そのユーザによって繰り返し必要とされる行動に基づいて設定されるものであって、典型的には、服薬スケジュールおよび通院スケジュールなどである。
【0075】
服薬スケジュールおよび通院スケジュールは、医師、薬剤師や医療機関によって生成されて、ゲーム装置4の管理用アプリケーションを用いて管理用サーバ装置3からダウンロードされる。また、服薬スケジュールおよび通院スケジュールは、医師、薬剤師や医療機関からの情報に基づいて、管理用アプリケーションで生成されてもよいし、その他のアプリケーションで生成されてもよい。
【0076】
―結果取得手段-
結果取得手段465は、ユーザの行動結果を取得する。例えば、結果取得手段465は、予定取得手段464によって取得されたユーザの行動予定に従ったユーザの行動の有無を示す行動結果を取得する。具体的には、ユーザは、服薬スケジュールおよび通院スケジュールに沿って、自身の服薬実績および通院実績を登録し、結果取得手段465は、その服薬実績および通院実績を取得する。なお、ユーザは、服薬実績および通院実績を、管理用アプリケーションを用いて登録してもよいし、例えば、その他のスケジュール機能を有するアプリケーションを用いて登録してもよい。
【0077】
―制限手段-
制限手段466は、ユーザの行動結果が行動予定に従っていないと判断された場合、当該プログラムのうちユーザの心身または能力の状態の改善を支援する機能、または当該プログラムと連携する他のプログラムの機能を実行させないように制限する。
【0078】
例えば、制限手段466は、予定取得手段464によって取得されたユーザの行動予定と、結果取得手段465によって取得されたユーザの行動結果とに基づいて、ユーザの行動結果が行動予定に従っているか否かを判断する。そして、制限手段466は、ユーザの行動結果が行動予定に従っていないと判断された場合、管理用アプリケーションの一部機能、またはゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限する。
【0079】
より具体的には、服薬スケジュールおよび通院スケジュールに沿って、ユーザが服薬実績を登録していない場合および通院実績を登録していない場合には、制限手段466は、管理用アプリケーションの一部機能または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限する。
【0080】
ここで、管理用アプリケーションの一部機能は、そのユーザの認知症状を改善させたり、進行(悪化)を遅らせたりするために支援する機能であって、例えば、チャット機能などである。このチャット機能は、典型的には、そのユーザの認知症状や認知機能レベルに応じて、同一または類似のゲームをプレイするユーザ間で情報を共有するとともに、コミュニケーションを図れるようにしている。すなわち、チャット機能は、ゲーム用アプリケーションに関連して設定されているものであって、ユーザにとっては、ゲームの一部またはゲームに付随する機能とも言える。
【0081】
なお、制限手段466によって制限される管理用アプリケーションの一部機能は、チャット機能に限定されるものではなく、ゲーム用アプリケーションに関連しているものに限定されるものでもない。管理用アプリケーションのうち、そのユーザの認知症状を改善させたり、進行(悪化)を遅らせたりするために支援する機能であって、例えば、ユーザが日常的に利用する機能や嗜好性が強い機能であってもよい。
【0082】
また、ゲーム用アプリケーションは、起動させない、またはタイトル画面などの一部画面を表示させた後、実質的にゲーム機能として実行される画面には遷移させないことで、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限すればよい。
【0083】
制限手段466は、行動予定に従った行動結果が取得された場合、制限を解除する。例えば、制限手段466は、予定取得手段464によって取得されたユーザの行動予定に従ったユーザの行動結果が結果取得手段465により取得された場合、管理用アプリケーションの一部機能またはゲーム用アプリケーションの機能の制限を解除する。より具体的には、服薬スケジュールおよび通院スケジュールに沿って、ユーザが服薬実績を登録した場合および通院実績を登録した場合には、制限手段466は、管理用アプリケーションの一部機能(例えば、チャット機能)およびゲーム用アプリケーションの機能を実行可能となるように、制限を解除する。
【0084】
―報知制御手段-
報知制御手段467は、ゲームの実行、チャットルームでの情報共有、およびユーザの行動予定や行動結果の表示および登録にあたり、ディスプレイ47の表示制御およびスピーカ48の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段467は、ゲーム実行手段462によってゲームが実行されている間は、そのゲーム画像をグラフィック処理部42を介してディスプレイ47に表示し、そのゲーム音声をオーディオ処理部43を介してスピーカ48に出力する。また、報知制御手段467は、情報共有手段463によってチャットルームで情報共有されている間は、そのチャットルームの画像情報をグラフィック処理部42を介してディスプレイ47に表示し、そのチャットルームでの音声(新着音など)をオーディオ処理部43を介してスピーカ48に出力する。さらに、報知制御手段467は、ユーザの行動予定や行動結果の表示および登録される際には、服薬スケジュールおよび通院スケジュールの画像情報をグラフィック処理部42を介してディスプレイ47に表示し、その音声(新着音など)をオーディオ処理部43を介してスピーカ48に出力する。
【0085】
<ゲーム用アプリケーションの制限および制限解除に関する処理について>
図5は、本開示の第1実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲームアプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の一例を示す図である。ここでは、制限手段466によって制限および制限解除されるものとして、ゲーム用アプリケーションの機能が制限および制限解除される場合を例に挙げて詳しく説明する。
【0086】
先ず、ゲーム装置4では、ユーザによって管理用アプリケーションが起動されることによりメニュー画面scr10が表示される。メニュー画面scr10には、「ゲームプレイ」、「服薬カレンダー」および「通院予定」が表示されている。
【0087】
メニュー画面scr10において、btn11「ゲームプレイ」が選択されると、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションを起動して、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)へ遷移しようとする。なお、ここで起動しようとするゲーム用アプリケーションは、認知機能レベルなどに対応している特殊ゲーム(医療モード)である。しかし、ここでは、ユーザが服薬スケジュールに従った服薬実績を登録していないため、制限手段466は、未登録画面scr20を表示して、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限している。具体的には、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションを起動させず、ゲーム用アプリケーションの画面へ遷移させないようにしている。
【0088】
未登録画面scr20では、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の制限が解除されることを示唆する情報を表示している。例えば、服薬情報が未登録である旨が表示されることによって、ユーザに対して、ゲーム用アプリケーションの機能の制限を解除するためには、服薬情報の登録が必要である旨を通知し、さらに、服薬情報の登録を入力するための画面に遷移させるユーザインターフェースであるbtn21「服薬カレンダーへ」を表示している。そして、btn21「服薬カレンダーへ」が選択されると、服薬カレンダー画面scr30に遷移する。
【0089】
なお、メニュー画面scr10において、btn12「服薬カレンダーへ」が選択されても、同様に、服薬カレンダー画面scr30に遷移する。
【0090】
服薬カレンダー画面scr30では、ユーザの行動予定として、服薬カレンダーが表示され、例えば、ユーザが服薬すべき日時、薬の種類および薬の量などが表示され、さらに、当該服薬カレンダーに従って実際に服薬すれば、チェックボックスに登録できるように構成されている。
【0091】
ここでは、ユーザは、服薬スケジュールに沿って、2日目の7時(朝食後)に、飲み薬A(1錠)、飲み薬B(2錠)を服薬した後、チェックボックスchk31においてそれぞれ登録している。そして、btn31「登録」が選択され、登録完了画面scr40に遷移し、服薬情報の登録が完了した旨を表示しつつ、ユーザに対して、次の服薬スケジュールを通知している。ここで、結果取得手段465は、服薬スケジュールに従った服薬実績に関する情報を取得することによって、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の制限を解除する。
【0092】
登録完了画面scr40において、btn41「ゲームアプリへ」が選択されると、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションが起動され、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)へ遷移する。
【0093】
そして、ゲーム用アプリケーション画面scr50において、btn51「スタート」が選択されると、ユーザは、ゲームAを実行することができる。
【0094】
<システム1の動作の流れ>
次に、図5を用いて説明した画面遷移の一例に関して、その処理の流れについて説明する。
【0095】
図6は、本開示の第1実施形態におけるシステム1において実行される、ゲーム用アプリケーションの実行および当該実行の制限に関する処理の流れを示すフローチャートである。図6に示されるように、当該処理は、ステップst10~st60を含み、各ステップは、主に、ゲーム装置4におけるCPUなどによって実行される。
【0096】
ステップst10において、予定取得手段464は、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定されたユーザの行動予定を取得する。具体例としては、管理用アプリケーションを用いて、管理用サーバ装置3からの診断情報に基づく服薬スケジュールを取得する。
【0097】
ステップst20において、図5に示されたメニュー画面scr10により、btn11「ゲームプレイ」が選択され、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションの実行が指示される。
【0098】
ステップst30において、結果取得手段465は、ユーザの行動結果を取得する。具体例としては、結果取得手段465は、管理用アプリケーションを用いて、ステップst10で取得された服薬スケジュールに従ってユーザが服薬したか否かを示す服薬実績を取得する。
【0099】
ステップst40において、制限手段466は、ユーザの行動結果が行動予定に従っているか否かを判断する。ユーザの行動結果が行動予定に従っていればステップst50の処理に進み、ユーザの行動結果が行動予定に従っていなければステップst60の処理に進む。具体例として、ステップst30で取得された服薬実績がステップst10で取得された服薬スケジュールに従っているか否かを判断し、服薬スケジュールに従った服薬実績が登録されていれば、ステップst50の処理に進み、服薬スケジュールに従った服薬実績が登録されていなければ、ステップst60の処理に進む。
【0100】
ステップst50において、管理用アプリケーションから、当該管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションが実行される。すなわち、ユーザの行動結果が行動予定に従っているため、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限せずに、ステップst20で指示されたゲーム用アプリケーションの実行がなされる。
【0101】
ステップst60において、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限する。例えば、図5に示されたメニュー画面scr10から未登録画面scr20を表示して、ゲーム用アプリケーションの画面へ遷移させないようにする。すなわち、ユーザの行動結果が行動予定に従っていないため、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限する。そして、制限手段466は、図5に示された未登録画面scr20においてゲーム用アプリケーションの機能の制限が解除されることを示唆する情報を表示することによって、ユーザに対して行動予定に従うように促す。
【0102】
図7は、本開示の第1実施形態におけるシステム1において実行される、ゲーム用アプリケーションの実行の制限解除に関する処理の流れを示すフローチャートである。図7に示されるように、当該処理は、ステップst61~st64を含み、各ステップは、主に、ゲーム装置4におけるCPUなどによって実行される。
【0103】
図6を用いて説明したように、ステップst60において、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限されている場合、ステップst61において、制限手段466は、ユーザの行動結果を入力する画面を表示する。具体例としては、図5に示された未登録画面scr20でbtn21「服薬カレンダーへ」が選択され、服薬カレンダー画面scr30へ遷移させる。
【0104】
ステップst62において、ユーザは、行動結果を登録し、結果取得手段465は、その登録されたユーザの行動結果を取得する。具体例としては、ユーザは、図5に示された服薬カレンダー画面scr30に表示された服薬スケジュールに従って服薬し、その服薬実績をチェックボックスに登録して、btn31「登録」を押下することにより、図5に示された登録完了画面scr40に遷移する。そして、結果取得手段465は、服薬スケジュールに従った服薬実績に関する情報を取得する。
【0105】
ステップst63において、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの実行制限を解除する。具体例としては、図5に示された登録完了画面scr40でbtn41「ゲームアプリへ」が選択されると、ゲーム用アプリケーションを起動して、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)へ遷移する。
【0106】
ステップst64において、ゲーム用アプリケーション画面scr50からゲーム用アプリケーションの機能が実行できるようになっている。
【0107】
以上をまとめると、本開示の第1実施形態にかかるシステム1では、ゲーム装置4に搭載される、ユーザの心身または能力の状態を改善するために支援する管理用アプリケーションを用いて、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定されたユーザの行動予定を取得する予定取得手段464と、ユーザの行動結果を取得する結果取得手段465と、行動結果が行動予定に従っていないと判断された場合、当該管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用プログラムの機能を実行させないように制限する制限手段466と、として機能させる。
【0108】
<第1実施形態の効果>
本開示の第1実施形態にかかるシステム1によれば、予定取得手段464は、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて設定された服薬スケジュールを取得する。結果取得手段465は、ユーザによって登録された服薬実績(服薬の有無を示す情報を含む)を取得する。そして、制限手段466は、ユーザの服薬実績が服薬スケジュールに従っていないと判断された場合、当該管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能(例えば、チャット機能)、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用プログラムの機能を実行させないように制限する。これにより、ユーザの心身または能力の状態を改善するためのユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為(服薬)を適切に実行させるように支援することができる。
【0109】
なお、ユーザの行動予定として、服薬スケジュールを例に挙げて説明したが、これに限定されるものはなく、例えば、通院スケジュールであってもよい。図5に示された未登録画面scr20に代えて未通院画面が表示され、当該未通院画面から、またはメニュー画面scr10におけるbtn13「通院予定」が選択されると、通院日時や病院に関する情報が含まれる通院予定画面に遷移されるとよい。予定取得手段464は、ユーザの心身または能力の状態に関する診断情報に基づいて、当該ユーザにとって必要となる通院スケジュールを取得し、制限手段466は、ユーザの通院実績が通院スケジュールに従っていないと判断された場合、当該管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能(例えば、チャット機能)、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用プログラムの機能を実行させないように制限する。これにより、ユーザの心身または能力の状態を改善するためのユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為(通院)を適切に実行させるように支援することができる。
【0110】
さらに、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限されている場合において、ユーザが服薬スケジュールに従って服薬し、それを登録して、結果取得手段465によってその服薬実績が取得されれば、ゲーム用アプリケーションの制限を解除する。すなわち、ユーザは、服薬スケジュールに従って服薬すればゲーム用アプリケーションの制限が解除されて、ゲーム用アプリケーションを実行することができる。
【0111】
この態様によれば、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限されている場合において、ユーザに対して、服薬スケジュールに従って服薬させる動機付けになる。
【0112】
制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの実行が指示された際に、服薬スケジュールに従った服薬がされておらず、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限されている場合において、その制限が解除されることを示唆する情報を表示する。
【0113】
この態様によれば、例えば、図5に示された未登録画面scr20にて服薬情報が未登録である旨を示しているように、その制限が解除されることを示唆する情報を表示するため、ユーザは、その制限を解除する方法を認識することができ、それを実行することによって、容易にその制限を解除することができる。その結果、ユーザにとっては、服薬スケジュールに従って服薬して、ゲーム用アプリケーションの機能が実行できるようになる。
【0114】
制限手段466は、服薬スケジュールに従った服薬実績を入力させるための画面に遷移させるユーザインターフェースを表示する。
【0115】
この態様によれば、例えば、ユーザは、図5に示された未登録画面scr20のbtn21「服薬カレンダーへ」にて、容易に、図5の服薬カレンダー画面scr30を表示させて、服薬スケジュールに従って服薬し、その服薬実績をチェックボックスにて登録することができる。
【0116】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、管理用アプリケーションを介して、図5に示されたメニュー画面scr10のbtn11「ゲームプレイ」を選択することにより、ゲーム用アプリケーションの機能を実行しようとしていたが、第2実施形態では、管理用アプリケーションを介さずに、直接、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させようとする場合について説明する。本開示の第2実施形態にかかるシステムは、第1実施形態にかかるシステム1と同様の構成であり、ここでは、第1実施形態と異なる点として、画面遷移について具体的に説明する。
【0117】
図8は、本開示の第2実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲーム用アプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の一例を示す図である。図8に示されるように、第1実施形態において図5に示された画面遷移と同一の点については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。本実施形態では、主に、本開示の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0118】
ユーザは、ゲーム装置4において、ゲーム用アプリケーションを直接起動して、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)を表示させようとする。なお、ここでユーザが直接起動しようとするゲーム用アプリケーションは、認知機能レベルなどに対応している特殊ゲーム(医療モード)ではなく、通常のゲーム用アプリケーション(通常モード)である。しかし、ここでは、ユーザが服薬スケジュールに従った服薬実績を登録していないため、制限手段466は、未登録画面scr80を表示して、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限している。
【0119】
具体的には、制限手段466は、管理用アプリケーションから、服薬スケジュールに従った服薬実績が登録されていないことを示す制限情報を取得し、ゲーム用アプリケーションを実行可能なゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)に遷移させないようにしている。ユーザによってゲーム用アプリケーションが直接起動されると、当該ゲーム用アプリケーションの内部処理またはアドオン機能などによって、ゲーム用アプリケーションは、管理用アプリケーションから制限情報を取得し、未登録画面scr80を表示するようにすればよい。
【0120】
未登録画面scr80では、図5に示された未登録画面scr20と同様に、ゲーム用アプリケーションの機能の制限が解除されることを示唆する情報が表示され、服薬カレンダー画面scr30へ遷移するためのbtn81「服薬カレンダーへ」が表示されている。
【0121】
以上をまとめると、本開示の第2実施形態にかかるシステム1では、管理用アプリケーションを介さずに、直接、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させようとする場合であっても、第1実施形態と同様に、制限手段466は、ユーザの服薬実績が服薬スケジュールに従っていないと判断された場合、当該管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能(例えば、チャット機能)、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用プログラムの機能を実行させないように制限する。
【0122】
<第2実施形態の効果>
本開示の第2実施形態にかかるシステム1によれば、管理用アプリケーションを介さずに、直接、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させようとする場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏し、ユーザの心身または能力の状態を改善するために行うユーザ主体の行為(服薬や通院)を適切に実行させるように支援することができる。
【0123】
<第1変形例>
次に、本開示の実施形態の第1変形例について説明する。この第1変形例では、ゲーム用アプリケーションの機能が実行されないように制限されている場合において、警告メッセージが表示されることにより、当該制限が解除される例について説明する。
【0124】
図9は、本開示の実施形態にかかるゲーム装置4において、主に、ゲーム用アプリケーションの実行の制限および当該制限の解除に関する画面遷移の変形例を示す図である。図9に示されるように、図5および図8に示された画面遷移と同一の点については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。
【0125】
本開示の第1実施形態および第2実施形態で説明したように、服薬スケジュールに従った服薬実績が登録されていない場合、当該服薬実績が登録されるまでゲーム用アプリケーションの機能の実行が制限されるが、例えば、次の服薬予定に迫っている場合には、ユーザに警告メッセージを確認させることにより、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行制限を解除してもよい。
【0126】
図9に示されるように、メニュー画面scr10において、btn11「ゲームプレイ」が選択された場合、ユーザが服薬スケジュールに従った服薬実績を登録していなければ、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションを起動させず、ゲーム用アプリケーションの画面へ遷移させないようにすることによって、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限している。
【0127】
この時、例えば、2日目の12時(昼食後)の服薬予定が迫っている場合には、表示手段は、警告メッセージ画面scr90を表示する。ユーザが当該警告メッセージ画面scr90を確認することにより、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行制限を解除する。具体的には、警告メッセージ画面scr90において、btn92「ゲームアプリへ」が選択されると、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションを起動して、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)へ遷移する。また、警告メッセージ画面scr90において、btn91「服薬カレンダーへ」が選択されると、服薬カレンダー画面scr31に遷移し、ここで、1日目の7時(昼食後)の服薬実績を登録しなくても、btn32「ゲームアプリへ」が選択されると、管理用アプリケーションに連携するゲーム用アプリケーションを起動して、当該ゲーム用アプリケーション画面scr50(例えば、「ゲームA」のスタート画面)へ遷移する。
【0128】
また、管理用アプリケーションを介さずに、直接、ゲーム用アプリケーションの機能を実行させようとする場合であって、ユーザが服薬スケジュールに従った服薬実績を登録していなければ、同様に、表示手段は、警告メッセージ画面scr90を表示すればよい。
【0129】
以上をまとめると、この第1変形例では、制限手段466は、行動結果が行動予定に従っていないと判断されて管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限している場合、表示手段は、行動予定に従った行動結果が取得されなかった旨を示す情報(警告メッセージ)を表示する。そして、制限手段466は、その情報が表示されたことを条件として、当該制限を解除する。
【0130】
<第1変形例の効果>
この変形例によれば、服薬スケジュールに従った服薬(前回の服薬)をしておらず、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限されている場合であっても、次回の服薬予定が迫っている場合には、前回の服薬を実行させないように誘導する。例えば、次回の服薬予定の直前(1時間前など)に、前回の服薬を実行してゲーム用アプリケーションの機能の実行制限を解除したとしても、次回の服薬を実行しないと、再度ゲーム用アプリケーションの機能の実行が制限され、ユーザとしては、短期間のうちに前回および次回の服薬を実行する可能性があり、好ましくない場合がある。ここでは、次回の服薬予定が迫っている場合には、前回の服薬を実行しなくても、ユーザに警告メッセージを確認させることで、ゲーム用アプリケーションの機能の実行制限を解除することによって、このような事態を回避することができる。
【0131】
<第2変形例>
上述したように、第1変形例では、前回の服薬を実行しておらず、次回の服薬予定の直前(1時間前など)に警告メッセージ画面scr90を表示していたが、ユーザに対してメッセージを表示する条件は、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザの服薬履歴に応じて、服薬を支援するようなメッセージを適宜表示するようにしてもよい。
【0132】
図10は、ユーザに対して適切なメッセージを表示する一例を示す図である。図10に示されるように、前回の服薬を実行していない場合には、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限する。ここで、例えば、次回の服薬の1時間前までは、図5および図8で示されたように、制限手段466は、服薬を促して、服薬カレンダー画面scr30において、服薬実績を登録すれば、ゲーム用アプリケーションの機能制限を解除する。次回の服薬の1時間前になると、図9で示されたように、表示手段は、警告メッセージ画面scr90を表示し、制限手段466は、ユーザがそれを確認することを条件にゲーム用アプリケーションの機能制限を解除する。
【0133】
また、前回の服薬を実行している場合には、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限せずに、ユーザとしては、ゲーム用アプリケーションの機能を実行することができる。ここで、次回の服薬をユーザに喚起するために、例えば、次回の服薬の所定時間前(予告期間)になると、制限手段466は、ゲーム用アプリケーションの機能の実行を制限する。
【0134】
表示手段は、予告メッセージ画面を表示し、制限手段466は、ユーザがそれを確認することを条件にゲーム用アプリケーションの機能制限を解除する。ここで、予告メッセージ画面とは、図9で示された警告メッセージ画面scr90のような画面であって、メッセージ内容としては、警告メッセージとは異なる内容である。予告メッセージは、例えば、「次回は、12時に服薬予定です。忘れないように!」、「夜の服薬を忘れがちのようです。要注意!」などとすればよい。
【0135】
また、予告メッセージを表示するタイミングとしては、警告メッセージを表示するタイミングよりも早く、例えば、次回の服薬予定の2時間前などである。
【0136】
さらに、予告メッセージは、ユーザに応じて表示するようにすればよい。例えば、服薬スケジュールに従った服薬実績の履歴(服薬しなかった履歴)に基づいて、服薬していない回数が所定回数を超えている場合、服薬しない状況が増加傾向にある場合、および服薬スケジュールが変更になった場合などに応じて、表示時期(次回の服薬の何時間前、何分前)および表示回数(次回の服薬の2時間前から30分毎に4回など)を設定してもよい。
【0137】
以上をまとめると、この第2変形例では、行動結果が行動予定に従っている場合であっても、服薬スケジュールに従った服薬実績の履歴(服薬しなかった履歴)に基づいて、予告期間になると、制限手段466は、管理用アプリケーションのうち改善を支援する機能、または当該管理用アプリケーションと連携するゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限する。その際、表示手段は、過去に、行動予定に従った行動結果が取得されなかった旨を示す情報を表示したり、次回の服薬予定に関する情報を表示したり、その他ユーザの服薬実績の履歴に対応して適切な情報を表示する。そして、制限手段466は、その情報が表示されたことを条件として、当該制限を解除する。
【0138】
<第2変形例の効果>
この変形例によれば、服薬スケジュールに従った服薬をしていたとしても、過去に、複数回、服薬をしていない、または服薬を忘れがちなユーザには、予告メッセージを確認させることができる。
【0139】
<その他>
さらに、ユーザの行動予定に従ったユーザ主体の行為(服薬)を適切に実行させるように支援する手段として、当該ユーザを監視する見守り者に通知するようにしてもよい。例えば、第2変形例で示した予告メッセージとともに、見守り者に電子メールを用いて通知したり、服薬スケジュールに従った服薬実績の履歴(服薬しなかった履歴)に基づいて、ユーザが服薬を忘れがちになっている場合に、見守り者に電子メールを用いて通知したりしてもよい。また、どのようなタイミングで当該通知を行うかは、診断情報に含まれる服薬スケジュールや通院スケジュールとともに、通知スケジュールとして設定および管理されるようにしてもよい。
【0140】
また、ゲーム装置には、ユーザの心身または能力の状態を改善するために特定されたゲーム用アプリケーション(特殊ゲーム)以外にも、ユーザが購入して、または無料でダウンロードしたゲーム用アプリケーションが含まれている場合もある。ユーザの心身または能力の状態を改善するためには、服薬スケジュールに従った服薬と合わせて特殊ゲームを実行することが好ましい。そのため、特殊ゲーム以外のゲーム用アプリケーションよりも特殊ゲームを実行させるために、特殊ゲームを実行した場合に、特別報酬を付与するようにしてもよい。ユーザにとっては、特別報酬を取得したいという動機から、特殊ゲームを優先的に実行するようになり、また、服薬忘れなどによって特殊ゲームの機能が制限されていれば、服薬スケジュールに従った服薬も行うようになる。
【0141】
ここで、特別報酬を含む報酬について説明する。一般的に、スマートフォンでプレイするオンラインゲームなどでは、ユーザがゲーム媒体を取得することができる。ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、ユーザが仮想空間において操作するプレイヤキャラクタ、アイテム、並びにゲーム内で使用可能な消費媒体などである。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による購入やクエストのクリア、各種ゲーム内のイベントの報酬、ガチャと呼ばれる抽選方法などにより入手することができる。消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0142】
[他の実施形態]
なお、上述した実施形態および変形例では、制限手段466は、管理用アプリケーションのうちチャット機能の制限、およびゲーム用アプリケーションの機能を実行させないように制限していたが、機能制限については、これらに限定されるものではない。例えば、ゲーム用アプリケーションにおいては、ゲームの難易度変更、ロールプレイングゲームなどのボスキャラクタの変更、およびユーザキャラクタのパラメータ変更などを含むゲームの内容に関する変更も、一部機能の制限として、制限手段466によって制限される対象としてもよい。また、報酬アイテムの変更、報酬アイテムの付与の変更(報酬アイテムを与えない、または少なくする)なども、一部機能の制限として、制限手段466によって制限される対象としてもよい。
【0143】
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0144】
前記実施形態では、ゲーム装置4がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置4は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0145】
前記実施形態では、ゲームがもの探しゲームやパズルゲームである場合を例示したが、これに限定されない。ゲームは、カジュアルゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、ボードゲーム、およびカードゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0146】
前記実施形態では、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3、および複数のゲーム装置4が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムの各手段の全部または一部が、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3およびゲーム装置4とは別の通信端末で機能させてもよいし、これらのうち組み合わせられる2つの装置で機能させてもよい。また、ゲーム用サーバ装置2、管理用サーバ装置3およびゲーム装置4(またはこれらのうちの一部)を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0147】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0148】
1…システム
2…ゲーム用サーバ装置
3…管理用サーバ装置
4…ゲーム装置
5…通信ネットワーク
21,31,41…ネットワークインタフェース
22,32,45…記憶部
23,33,46…制御部
29,39,50…バス
42…グラフィック処理部
43…オーディオ処理部
44…操作部
47…ディスプレイ
48…スピーカ
49…タッチパッド
221,321…ユーザDB
231…情報処理手段(ゲーム実行手段)
232,333…照合手段
331…ゲーム特定手段
332,463…情報共有手段
334,461…通信手段
462…ゲーム実行手段
464…予定取得手段
465…結果取得手段
466…制限手段
467…報知制御手段
図1
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図10