(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029890
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240229BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132346
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】数野 修一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】災害発生時であっても、交換可能なバッテリの情報をより適切に提供することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の情報提供装置において、災害情報を取得する取得部と、移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供する提供部と、を備え、前記提供部は、前記取得部により災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害情報を取得する取得部と、
移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供する提供部と、を備え、
前記提供部は、前記取得部により災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する、
情報提供装置。
【請求項2】
前記提供部は、利用者の現在位置に基づいて、前記利用者の周辺のハザードマップを提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提供部は、前記取得部により取得された災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さ以上の位置に存在するバッテリ交換装置の情報を提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、利用者の位置から前記バッテリ交換装置までの経路を提供し、
前記経路は、前記災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さよりも高い位置を通る経路である、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、利用者の位置から前記バッテリ交換装置までの経路を提供し、
前記経路は、災害によって通行できない、または通行できないと予測される経路を含まない、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記提供部は、前記バッテリ交換装置に存在するバッテリごとの電力残量またはバッテリ全体の総電力残量を提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記バッテリの利用料金を管理する管理部を更に備え、
前記管理部は、前記災害情報に含まれる災害度合に応じて、前記バッテリの利用料金を調整する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記取得部は、利用者の位置情報を取得し、
前記提供部は、前記利用者の位置よりも高い位置にある前記バッテリ交換装置の情報を提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記取得部は、利用者の位置情報を取得し、
前記提供部は、複数の利用者から前記バッテリの問い合わせを受け付けた場合に、前記利用者ごとの位置情報に基づいて、危険な位置に存在する利用者を優先して前記バッテリ交換装置の情報を提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記バッテリ交換装置の稼働状況を管理する管理部を更に備え、
前記提供部は、前記稼働状況に基づいて、稼働していないバッテリ交換装置を利用者に提供する対象から除外する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項11】
コンピュータが、
移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供し、
災害情報を取得した場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する、
情報提供方法。
【請求項12】
コンピュータに、
移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供させ、
災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。これに関連して、電気自動車から受信したバッテリ残量情報に基づき算出される各電気自動車に必要な充電量と充電スタンドの稼動状況情報とから、各電気自動車の充電スケジュールを作成し、顧客・営業情報サーバから受信した納品情報に基づき、各電気自動車の車両運行スケジュールを作成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような二次電池に関する技術においては、移動体に搭載するバッテリを入れ替えて効率的に運用する技術が知られているが、災害時であっても移動体の電力供給を途絶えさせないようにすることについては考慮されていなかった。したがって、災害時に交換可能なバッテリの情報を適切に提供することができないといった課題があった。
【0005】
本願は上記課題の解決のため、災害発生時であっても、交換可能なバッテリの情報をより適切に提供することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムの提供を目的としたものである。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報提供装置は、災害情報を取得する取得部と、移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供する提供部と、を備え、前記提供部は、前記取得部により災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する、情報提供装置である。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記提供部は、利用者の現在位置に基づいて、前記利用者の周辺のハザードマップを提供するものである。
【0008】
(3):上記(1)の態様において、前記提供部は、前記取得部により取得された災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さ以上の位置に存在するバッテリ交換装置の情報を提供するものである。
【0009】
(4):上記(1)の態様において、前記提供部は、利用者の位置から前記バッテリ交換装置までの経路を提供し、前記経路は、前記災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さよりも高い位置を通る経路である。
【0010】
(5):上記(1)の態様において、前記提供部は、利用者の位置から前記バッテリ交換装置までの経路を提供し、前記経路は、災害によって通行できない、または通行できないと予測される経路を含まないものである。
【0011】
(6):上記(1)の態様において、前記提供部は、前記バッテリ交換装置に存在するバッテリごとの電力残量またはバッテリ全体の総電力残量を提供するものである。
【0012】
(7):上記(1)の態様において、前記バッテリの利用料金を管理する管理部を更に備え、前記管理部は、前記災害情報に含まれる災害度合に応じて、前記バッテリの利用料金を調整するものである。
【0013】
(8):上記(1)の態様において、前記取得部は、利用者の位置情報を取得し、前記提供部は、前記利用者の位置よりも高い位置にある前記バッテリ交換装置の情報を提供するものである。
【0014】
(9):上記(1)の態様において、前記取得部は、利用者の位置情報を取得し、前記提供部は、複数の利用者から前記バッテリの問い合わせを受け付けた場合に、前記利用者ごとの位置情報に基づいて、危険な位置に存在する利用者を優先して前記バッテリ交換装置の情報を提供するものである。
【0015】
(10):上記(1)の態様において、前記バッテリ交換装置の稼働状況を管理する管理部を更に備え、前記提供部は、前記稼働状況に基づいて、稼働していないバッテリ交換装置を利用者に提供する対象から除外するものである。
【0016】
(11):本発明の他の態様に係る情報提供方法は、コンピュータが、移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供し、災害情報を取得した場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する、情報提供方法である。
【0017】
(12):本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供させ、災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
上記(1)~(12)の態様によれば、災害発生時であっても、交換可能なバッテリの情報をより適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る情報提供装置を含むバッテリ利用システム1の構成図である。
【
図3】バッテリ100の構成の一例を示す図である。
【
図4】携帯端末200の構成の一例を示す図である。
【
図5】バッテリ交換装置300の構成の一例を示す図である。
【
図6】情報提供サーバ400の構成の一例を示す図である。
【
図7】利用者情報DB472の内容について説明するための図である。
【
図8】交換装置DB474の内容について説明するための図である。
【
図9】提供部450が提供する情報の第1のパターンを説明するための図である。
【
図10】提供部450が提供する情報の第2のパターンを説明するための図である。
【
図11】提供部450が提供する情報の第3のパターンを説明するための図である。
【
図12】提供部450が提供する情報の第4のパターンを説明するための図である。
【
図13】実施形態の情報提供サーバ400により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下の説明では、実施形態の情報提供装置が、移動体に着脱可能に搭載される蓄電装置であるバッテリ(着脱式バッテリ)を共同利用するバッテリ利用サービスのシステム(バッテリ利用システム)に適用された場合について説明する。さらに言えば、実施形態の情報処理装置は、バッテリ利用システムにおいて、バッテリの返却(受領)と、代わりの着脱式バッテリの貸出(供与、提供)とを行うバッテリ交換装置を管理するものである。また以下では、バッテリが搭載される移動体の一例として、電動車両を用いる。ただし、移動体は、電動車両に代えて、移動ロボット、自律走行装置、自律走行車、その他の電動車両、ドローン飛行体、またはその他の電動式移動装置(電動モビリティ)等であってもよい。
【0021】
[全体構成]
図1は、実施形態に係る情報提供装置を含むバッテリ利用システム1の構成図である。
図1に示すバッテリ利用システム1は、例えば、電動車両10と、電動車両10への着脱が可能な着脱式バッテリ(以下、単に「バッテリ」と称する)100と、電動車両10の利用者Uが所持する携帯端末200と、バッテリ100のサービスを行うバッテリ交換装置300と、情報提供サーバ400とを備える。バッテリ100と、携帯端末200と、バッテリ交換装置300と、情報提供サーバ400とは、例えば、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のうち1つ以上を含む。情報提供サーバ400は、「情報提供装置」の一例である。
【0022】
電動車両10は、例えば、走行用のバッテリ(二次電池)から供給される電力によって駆動される電動機(電動モータ)によって走行するBEV(Battery Electric Vehicle:電気自動車)である。代替的に、電動車両10は、ハイブリッド車両に外部充電機能を持たせたPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)又はPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)であってもよい。なお、電動車両10は、例えば、四輪の車両のみならず、鞍乗り型の二輪の車両や、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両、アシスト式の自転車、電動キックボード等、バッテリ100から供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する移動体の全般が含まれる。
【0023】
携帯端末200は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。携帯端末200は位置情報を取得し、取得した位置情報等を、ネットワークNWを介して情報提供サーバ400に送信する。また、携帯端末200は、利用者Uにより入力された情報(例えば、バッテリ100の問い合わせ情報)を情報提供サーバ400に送信したり、情報提供サーバ400から取得した情報を出力して利用者Uに提供する。
【0024】
バッテリ交換装置300は、電動車両10から取り外されたバッテリ100を収容して、既に収容されている充電された他のバッテリを貸し出す。また、バッテリ交換装置300は、収容しているバッテリ100の充電を制御したり、バッテリ100の識別情報やバッテリ状態(例えば、充電状況(充電率)等)、バッテリ100の返却や貸出に関する情報を、ネットワークNWを介して情報提供サーバ400に送信する。
【0025】
情報提供サーバ400は、例えば、サーバ装置やPC(Personal Computer)でもよく、クラウドサーバでもよい。情報提供サーバ400は、バッテリ100の状況や、利用者Uによるバッテリ100の利用状況、存在位置等を管理する。例えば、情報提供サーバ400は、利用者Uからの交換可能なバッテリ100の問い合わせ(交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300の問い合わせ)を受け付けて、利用者Uの位置情報に基づいて交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300の位置を取得し、取得した位置等を利用者Uに提供する。交換可能なバッテリ100とは、例えば、充電率が閾値以上のバッテリである。また、交換可能なバッテリ100には、電動車両10に搭載可能なバッテリであることを含んでいてもよい。
【0026】
なお、
図1に示すバッテリ利用システム1は、電動車両10、携帯端末200、バッテリ交換装置300、および情報提供サーバ400のうち、少なくとも一つが複数有してもよい。例えば、バッテリ交換装置300が複数ある場合には、異なる位置に設置される。以下、電動車両10、バッテリ100、携帯端末200、バッテリ交換装置300、情報提供サーバ400の各構成について具体的に説明する。
【0027】
[電動車両10]
図2は、電動車両10の構成の一例を示す図である。電動車両10は、例えば、モータ(電動機)12と、駆動輪14と、ブレーキ装置16と、車両センサ20と、PCU(Power Control Unit)30と、制御部36と、バッテリ100と、バッテリセンサ42と、通信装置50と、入力装置60と、出力装置70とを備える。
【0028】
モータ12は、例えば、三相交流電動機である。モータ12の回転子(ロータ)は、駆動輪14に連結される。モータ12は、バッテリ100が備える蓄電部(不図示)から供給される電力によって駆動され、回転の動力を駆動輪14に伝達させる。また、モータ12は、電動車両10の減速時に電動車両10の運動エネルギーを用いて発電する。
【0029】
ブレーキ装置16は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、を備える。ブレーキ装置16は、ブレーキペダル(不図示)に対する電動車両10の利用者Uによる操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてもよい。なお、ブレーキ装置16は、上記説明した構成に限らず、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0030】
車両センサ20は、例えば、アクセル開度センサと、車速センサと、ブレーキ踏量センサと、を備える。アクセル開度センサは、アクセルペダルに取り付けられ、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出し、検出した操作量をアクセル開度として後述する制御部36に出力する。車速センサは、例えば、電動車両10の各車輪に取り付けられた車輪速センサと速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合して電動車両10の速度(車速)を導出し、制御部36に出力する。ブレーキ踏量センサは、ブレーキペダルに取り付けられ、運転者によるブレーキペダルの操作量を検出し、検出した操作量をブレーキ踏量として制御部36に出力する。また、車両センサ20には、電動車両10の位置を取得する位置センサが含まれてよい。位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機(不図示)によってバッテリ100の位置を検出する。GNSS受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星等のGNSS衛星から到来する電波に基づいてバッテリ100の位置を測位する。GNSS受信機により測位される位置情報には、緯度経度が含まれる。また、位置情報には、高さ情報が含まれてもよい。高さ情報とは、例えば、標高等の高度を示す情報である。高さ情報は、GPS衛星から取得してもよく、緯度経度情報に基づいて地図情報を参照し、地図情報に格納されている高さ情報を取得してもよい。この場合、地図情報は、外部から取得してもよく、電動車両10の記憶部に記憶されていてもよい。
【0031】
PCU30は、例えば、変換器32と、VCU(Voltage Control Unit)34とを備える。なお、
図1においては、これらの構成要素をPCU30として一まとまりの構成としたのは、あくまで一例であり、電動車両10におけるこれらの構成要素は分散的に配置されても構わない。変換器32は、例えば、AC-DC変換器である。変換器32の直流側端子は、直流リンクDLに接続されている。直流リンクDLには、VCU34を介してバッテリ100が接続されている。変換器32は、モータ12により発電された交流を直流に変換して直流リンクDLに出力する。VCU34は、例えば、DC-DCコンバータである。VCU34は、バッテリ100から供給される電力を昇圧して直流リンクDLに出力する。
【0032】
制御部36は、車両センサ20が備えるアクセル開度センサからの出力に基づいて、モータ12の駆動を制御する。制御部36は、また、車両センサ20が備えるブレーキ踏量センサからの出力に基づいて、ブレーキ装置16を制御する。制御部36は、また、バッテリ100に接続された後述するバッテリセンサ42からの出力に基づいて、例えば、バッテリ100のSOC(State Of Charge;以下「充電率」ともいう)を算出し、VCU34に出力する。VCU34は、制御部36からの指示に応じて、直流リンクDLの電圧を上昇させる。
【0033】
バッテリ100は、例えば、リチウムイオン電池等、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池である。バッテリ100は、電動車両10の走行用の電力を供給する。電動車両10に対して一または複数のバッテリ100が着脱自在に装着される、バッテリ100は、例えば、カセット式等のバッテリパックであってもよい。バッテリ100は、電動車両10の外部の充電器(不図示)から供給される電力や、回生エネルギーによって得られる電力を蓄え、電動車両10の走行のための放電を行う。
【0034】
バッテリセンサ42は、バッテリ100の電流や、電圧、温度等の物理量を測定する。バッテリセンサ42は、例えば、電流センサ、電圧センサ、温度センサを備える。バッテリセンサ42は、電流センサによってバッテリ100の電流を測定し、電圧センサによってバッテリ100の電圧を測定し、温度センサによってバッテリ100の温度を測定する。また、バッテリセンサ42は、搭載されたバッテリ100ごとの充電率を測定してもよい。バッテリセンサ42は、測定結果を制御部36や通信装置50に出力する。
【0035】
通信装置50は、セルラー網やWi-Fi網を接続するための無線モジュールを含む。通信装置50は、Bluetooth(登録商標)等利用するための無線モジュールを含んでもよい。通信装置50は、無線モジュールにおける通信によって、電動車両10とバッテリ100との間で送受信する。通信装置50は、例えば、電動車両10またはバッテリ100から得られる情報(例えば、位置情報)を所定周期または所定タイミングで情報提供サーバ400に送信する。また、通信装置50は、情報提供サーバ400から提供された情報を受信する。
【0036】
入力装置60は、例えば、各種キーやボタン等の操作による利用者Uの入力を受け付ける。入力装置60は、例えば、マイクを備え利用者Uの音声の入力を受け付けてもよい。また、入力装置60は、タッチパネルとして出力装置70と一体に構成されていてもよい。出力装置70は、例えば、ディスプレイやスピーカを備え、電動車両10の走行状況やバッテリ利用システム1の利用時における各種情報を出力する。また、出力装置70は、電動車両10にナビゲーション装置(不図示)が搭載されている場合や、情報提供サーバ400から取得した地図情報や経路情報等提供情報を出力する。
【0037】
[バッテリ100]
図3は、バッテリ100の構成の一例を示す図である。なお、
図3の例では、バッテリパックの構成を示すが、実施形態のバッテリ100の構成についてはこれに限定されない。バッテリ100は、例えば、通信部110と、位置取得部120と、蓄電部130と、BMU(Battery Management Unit)140と、接続部150とを備える。通信部110は、例えば、TCU(Telematics Control Unit)であり、ネットワークNWを介して情報提供サーバ400等と通信を行う。また、通信部110は、バッテリ100が搭載された電動車両10や、バッテリ100が収容されたバッテリ交換装置300と通信してもよい。また、通信部110は、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信方式によって、電動車両10やバッテリ交換装置300と通信してもよい。
【0038】
位置取得部120は、例えば、GNSS受信機(不図示)によってバッテリ100の位置を検出する。GNSS受信機は、例えばGPS衛星等のGNSS衛星から到来する電波に基づいてバッテリ100の位置を測位する。GNSS受信機により測位される位置情報には、緯度経度が含まれ、更に高さ情報が含まれてもよい。位置取得部120は、取得した位置情報を通信部110により所定周期または所定タイミングで情報提供サーバ400に送信させる。
【0039】
蓄電部130は、充電した電力の蓄電および蓄電した電力の放電をする蓄電池を含んで構成される。蓄電部130に含まれる蓄電池としては、例えば、鉛蓄電池やリチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池等である。
【0040】
BMU140は、例えば、測定センサ142と、記憶部144とを備える。測定センサ142は、蓄電部130の状態を測定する各種のセンサを含んで構成される。測定センサ142は、例えば、電圧センサによって、蓄電部130に蓄電されている電圧を測定する。測定センサ142は、例えば、電流センサによって、蓄電部130が流す電流を測定する。測定センサ142は、例えば、温度センサによって、蓄電部130を充電または蓄電部130が放電する際の温度を測定する。測定センサ142は、測定した蓄電部130の状態を表す測定値を、BMU140上のプロセッサに出力する。
【0041】
BMU140は、バッテリーマネージメントユニットであり、蓄電部130の充電や放電を制御する。BMU140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサや、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを記憶部144として含んで構成される。BMU140では、CPUが、記憶部144に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、蓄電部130の制御機能を実現する。そして、BMU140は、測定センサ142から出力された蓄電部130の状態を表す測定値に基づいて蓄電部130に対して行った制御の内容等の情報を、記憶部144に記憶させる。また、BMU140は、記憶部144に記憶させた情報等を通信部110により所定周期または所定タイミングで情報提供サーバ400に送信させる。
【0042】
記憶部144は、バッテリ100に対して割り当てられたバッテリID等のバッテリ状態情報を記憶している。バッテリ状態情報には、バッテリIDの他に、例えば、充電回数、製造日、初期状態の容量、充電率等の情報が含まれている。記憶部144は、BMU140自身で検知した異常や故障、測定センサ142を利用して把握した蓄電部130の異常や故障等の情報を記憶する。
【0043】
接続部150は、バッテリ100が電動車両10に装着された際に、電動車両10の駆動源である電動モータに蓄電部130に蓄電された電力を供給する接続部である。接続部150は、バッテリ交換装置300に設けられた接続部とも接続可能であり、バッテリ100とバッテリ交換装置300との間でやり取りするバッテリID、充電回数、および蓄電部130の状態を表す測定値等の情報や電力の電送をするための接続部でもある。
【0044】
[携帯端末200]
図4は、携帯端末200の構成の一例を示す図である。携帯端末200は、例えば、端末側通信部210と、入力部220と、出力部230と、端末位置取得部240と、アプリ実行部250と、出力制御部260と、端末側記憶部270とを備える。端末位置取得部240と、アプリ実行部250と、出力制御部260とは、それぞれ、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め携帯端末200が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、携帯端末200が備えるドライブ装置に装着されることで携帯端末200が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。アプリ実行部250は、「処理部」の一例である。
【0045】
端末側記憶部270は、上記の各種記憶装置、或いはSSD、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現されてもよい。端末側記憶部270には、例えば、バッテリ利用アプリ272、プログラム、その他各種情報が格納される。また、端末側記憶部270には、携帯端末200の識別情報(例えば、端末IDや電話番号)等が格納されてもよい。
【0046】
端末側通信部210は、ネットワークNWを介して、情報提供サーバ400、その他の外部装置と通信を行う。また、端末側通信部210は、例えば、ネットワークNWを介して情報提供サーバ400から送信された情報を受信したり、情報提供サーバ400に位置情報等を送信する。
【0047】
入力部220は、例えば、各種キーやボタン等の操作による利用者Uの入力を受け付ける。入力部220は、例えば、マイクを備え利用者Uの音声の入力を受け付けてもよい。また、入力部220は、タッチパネルとして出力部230と一体に構成されていてもよい。出力部230は、例えば、ディスプレイやスピーカを備え、出力制御部260の制御により、バッテリ利用時における各種情報を出力する。
【0048】
端末位置取得部240は、内蔵されたGPS装置(不図示)により携帯端末200の位置情報を取得する。取得する位置情報には、緯度経度が含まれ、更に高さ情報が含まれてもよい。
【0049】
アプリ実行部250は、端末側記憶部270に記憶されたバッテリ利用アプリ272が実行されることで実現される。バッテリ利用アプリ272は、例えば、ネットワークNWを介して外部装置からダウンロードしたものが携帯端末200にインストールされている。バッテリ利用アプリ272は、情報提供サーバ400からバッテリ100に関する情報(例えば、バッテリ100の位置や利用状況)を取得し、取得した情報を、ディスプレイに表示出力させたりスピーカから音声出力させるように、出力制御部260を制御するアプリケーションプログラムである。また、バッテリ利用アプリ272は、利用時にユーザ認証画面等をディスプレイに表示させたり、入力部220により入力された情報を、情報提供サーバ400に送信させたりする。また、バッテリ利用アプリ272は、例えば、端末位置取得部240により取得された携帯端末200の端末位置情報を所定周期または所定タイミングで情報提供サーバ400に送信する。また、バッテリ利用アプリ272は、携帯端末200により処理された他の各種情報等を情報提供サーバ400に送信する。
【0050】
出力制御部260は、バッテリ利用アプリ272(アプリ実行部250)の制御により、ディスプレイに表示させる画像の内容や表示態様、スピーカに出力させる音声の内容や出力態様を制御する。出力制御部260は、例えば、情報提供サーバ400から取得した画像や音声を出力部から出力させてもよく、情報提供サーバ400から取得した情報に基づいて画像や音声を生成して、出力部230から出力させてもよい。
【0051】
[バッテリ交換装置300]
図5は、バッテリ交換装置300の構成の一例を示す図である。バッテリ交換装置300は、例えば、交換装置側通信部310と、入力部320と、出力部330と、交換装置位置取得部340と、充電制御部350と、測定センサ360と、情報取得部370と、処理部380と、交換装置側記憶部390とを備える。交換装置位置取得部340、充電制御部350と、情報取得部370と、処理部380とは、それぞれ、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めバッテリ交換装置300が備えるHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、バッテリ交換装置300が備えるドライブ装置に装着されることでバッテリ交換装置300が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0052】
交換装置側記憶部390は、上記の各種記憶装置、或いはSSD、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現されてもよい。交換装置側記憶部390には、例えば、プログラム、その他各種情報が格納される。また、交換装置側記憶部390には、バッテリ交換装置300の識別情報(例えば、交換装置ID)等が格納されてもよい。
【0053】
交換装置側通信部310は、ネットワークNWを介して、バッテリ100、携帯端末200、情報提供サーバ400、その他の外部装置と通信を行う。また、交換装置側通信部310は、例えば、ネットワークNWを介して情報提供サーバ400から提供された情報を受信したり、情報提供サーバ400に位置情報やバッテリ100に関する情報等の各種情報を送信する。
【0054】
入力部320は、例えば、各種キーやボタン等の操作によって、バッテリ100の交換を行いに来た利用者Uの入力を受け付ける。入力部320は、タッチパネルとして出力部330と一体に構成されていてもよい。出力部330は、例えば、ディスプレイやスピーカを備え、処理部380の制御により、バッテリ交換時における各種情報や情報提供サーバ400から取得した情報等を出力する。
【0055】
交換装置位置取得部340は、内蔵されたGPS装置(不図示)によりバッテリ交換装置300の位置情報を取得する。また、バッテリ交換装置300が設置型である場合に、予め交換装置側記憶部390に記憶されたバッテリ交換装置300の位置情報を取得する。取得する位置情報には、緯度経度が含まれ、更に高さ情報が含まれてもよい。また、高さ情報には、バッテリ交換装置300が設置された位置の高さ(例えば、建物の2階や屋上等に設置されている場合には地面からの高さ)の情報が含まれてもよい。
【0056】
充電制御部350は、バッテリ100を個々に収容するスロット等に収容されたバッテリ100ごとの充電状態を制御する。バッテリ100ごとの充電率を取得し、取得した充電率が閾値未満である場合に充電を行い、充電率が上限値を超える場合に充電を停止する。
【0057】
測定センサ360は、スロット等に収容されたバッテリ100ごとの電力残量(例えば、SOC等の充電率)や温度、充電回数等に基づく劣化度等を計測する。
【0058】
情報取得部370は、スロット等に収容されたバッテリ100ごとに、バッテリID等を取得する。また、情報取得部370は、バッテリ100の記憶部144に記憶された情報を取得してもよい。
【0059】
処理部380は、利用者Uからのバッテリ100の返却指示を受け付けてバッテリ100をスロット内に収容したり、バッテリ100の貸出指示を受け付けて、交換可能なバッテリ100をスロット等から取り出し可能にする。なお、これらの処理は、情報提供サーバ400と通信を行いながら実行される。また、処理部380は、測定センサ360により測定されたバッテリ100ごとの充電率や、収容している全てのバッテリ100の総電力残量を導出して、情報提供サーバ400に送信する。また、処理部380は、交換装置位置取得部340により取得されたバッテリ交換装置300の位置情報等や情報取得部370により取得された情報を所定周期または所定タイミングで情報提供サーバ400に送信してもよい。また、処理部380は、情報提供サーバ400より稼働状況の問い合わせがあった場合に、稼働情報(例えば、正常に動作しているか否かを示す情報や、測定センサ360により測定されたバッテリ100に関する情報等を情報提供サーバ400に送信してもよい。
【0060】
[情報提供サーバ400]
図6は、情報提供サーバ400の構成の一例を示す図である。情報提供サーバ400は、例えば、サーバ側通信部410と、取得部420と、登録部430と、管理部440と、提供部450と、決済処理部460と、サーバ側記憶部470とを備える。取得部420と、登録部430と、管理部440と、提供部450と、決済処理部460とは、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め情報提供サーバ400が備えるHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が、情報提供サーバ400が備えるドライブ装置に装着されることで情報提供サーバ400が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0061】
サーバ側記憶部470は、上記の各種記憶装置、或いはSSD、EEPROM、ROM、またはRAM等により実現されてもよい。サーバ側記憶部470には、例えば、利用者情報DB(Data Base)472、交換装置DB474、地図情報476、プログラム、その他各種情報が格納される。
【0062】
図7は、利用者情報DB472の内容について説明するための図である。利用者情報DB472には、例えば、利用者Uを識別する識別情報としての利用者IDに、利用者Uが利用する携帯端末200を識別する識別情報としての端末IDと、利用者Uが利用する電動車両10を識別する識別情報としての車両IDと、利用者位置情報と、決済情報とが対応付けられている。端末IDは、例えば、携帯端末200の電話番号等でもよい。車両IDは、例えば、ナンバープレートに記載された自動車登録番号でもよい。利用者位置情報は、例えば、携帯端末200の端末位置取得部240で取得された位置情報でもよく、利用者Uが乗車する電動車両10の車両センサ20で取得された位置情報でもよい。利用者位置情報には、情報提供サーバ400が取得した最新の位置情報が格納される。決済情報は、例えば、利用者がサービス(例えば、バッテリ利用サービス)を利用したときの利用料金(例えば、バッテリ利用料金)を決済する場合の決済方法(例えば、クレジット決済、電子マネー決済)に関する情報である。また、決済情報には、決済日付、決済が完了したか否か、決済金額等、サービス利用履歴が含まれてもよい。
【0063】
図8は、交換装置DB474の内容について説明するための図である。交換装置DB474には、例えば、バッテリ交換装置300を識別する識別情報としての交換装置IDに、交換装置位置情報、稼働種別、バッテリ交換装置300に存在するバッテリ100を識別する識別情報としてのバッテリID、およびバッテリ100ごとの充電率[%]が対応付けられている。交換装置位置情報は、バッテリ交換装置300の交換装置位置取得部340で取得した位置情報である。また、交換装置DB474には、バッテリ100から取得されたバッテリごとの位置情報が格納されてもよい。この場合、バッテリ位置情報と交換装置位置情報との距離に基づいて、バッテリ100がどのバッテリ交換装置300に存在するかが対応付けられてもよい。稼働種別には、例えば、バッテリ交換装置300ごとに、稼働中か否か(停止中か)を示す識別情報が可能される。
【0064】
地図情報476は、例えば、国や州、都道府県等の所定領域(地域)に関する情報と、所定領域ごとの位置情報(緯度経度および高さ情報、住所情報)が格納される。地図情報476に含まれる高さ情報には、例えば、標高や等高線の情報が含まれてよい。また、地図情報476には、位置情報に対応付けられた道路情報や、建造物(例えば、店舗、施設、橋、鉄塔)、地物(例えば、山、川、海、池、湖)等のPOI(Point Of Interest)情報等を含んでもよい。また、地図情報476には、POI情報を含む地図画像を有する。また、地図情報476には、ハザードマップ476Aが含まれてよい。ハザードマップ476Aとは、例えば、台風や地震等の自然災害が発生したときの被害内容(例えば、洪水、冠水、土砂崩れ、落石、倒壊)と被害内容ごとの範囲(ハザードエリア)を予測して示した地図のことである。ハザードマップ476Aは、過去に発生した災害の被害状況や所定の数値解析結果等に基づいて生成され、災害種別(例えば、台風、地震)ごとに災害度合(例えば、震度や氾濫危険水位レベル)に応じたハザードエリアが設定されている。地図情報476は、サーバ側通信部410が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0065】
サーバ側通信部410は、ネットワークNWを介して、電動車両10、バッテリ100、携帯端末200、バッテリ交換装置300、その他の外部装置と通信する。
【0066】
取得部420は、電動車両10や、バッテリ100、携帯端末200、バッテリ交換装置300から各種情報を取得する。例えば、取得部420は、電動車両10、バッテリ100、バッテリ交換装置300から位置情報を所定周期または所定のタイミングで取得する。また、取得部420は、電動車両10や携帯端末200から交換可能なバッテリ100の問い合わせを取得したり、バッテリ交換装置300から稼働状況を取得する。
【0067】
また、取得部420は、ネットワークNWを介して外部(例えば、災害管理サーバ)等から災害情報を取得する。災害情報には、例えば、災害種別や、災害発生地域(位置情報)、災害度合に関する情報が含まれ、更に今後の災害予測情報が含まれてよい。
【0068】
登録部430は、バッテリ利用システム1を利用する利用者Uの登録や、バッテリ利用システム1で利用されるバッテリ100に関する情報を登録する。例えば、登録部430は、利用者Uから利用登録要求を受け付けた場合に、携帯端末200等に登録のための各種情報(例えば、利用者ID、端末ID、車両ID、決済情報)を入力させるための画像を生成し、生成した画像を携帯端末200に表示させ、利用者Uにより入力された情報に基づいて、利用者情報DB472に登録(または更新)する。
【0069】
管理部440は、バッテリ利用システム1で利用されるバッテリ100の状況や利用者Uの状況を管理する。例えば、管理部440は、取得部420や登録部430により得られた情報に基づいて、利用者情報DB472や交換装置DB474に格納される情報を更新する。この場合、管理部440は、例えば、電動車両10や携帯端末200から得られる位置情報を利用者位置情報として管理したり、バッテリ交換装置300やバッテリ100から得られる位置情報を交換装置位置情報として管理したりする。例えば、管理部440は、利用者Uが利用料金を支払ってバッテリ交換装置300からバッテリ100が貸し出された場合に、そのバッテリ100がバッテリ交換装置300に返却されるまでの間は、その利用者Uが使用権限のある正規の利用者であるとして管理する。なお、管理部440は、利用者Uにより期間を指定されてバッテリ100が貸し出される場合には、充電のためにバッテリ交換装置300に一時的にバッテリ100が収容された場合であっても、そのバッテリ100の正規の利用者が利用中であるものとして管理してもよい。また、管理部440は、決済処理部460による処理に基づいて、利用者Uによるバッテリ100の利用料金を管理したり、利用者情報DB472の決済情報を更新したりする。また、管理部440は、所定周期でバッテリ交換装置300に稼働状況の問い合わせを行い、回答結果に基づいて、交換装置DB474の稼働種別を更新する。また、管理部440は、電動車両10に搭載されたバッテリ100が他人に貸し出されないように管理したり、正規に貸し出したバッテリ100であっても災害発生時には一時的に他人に貸し出し可能となるように管理してもよい。
【0070】
提供部450は、各種情報を利用者Uに提供する。「利用者Uに提供する」とは、例えば、利用者Uが利用する携帯端末200に情報を出力させること、および、電動車両10に設けられた出力装置70に情報を出力させること、のうち少なくとも一方が含まれてよい。例えば、提供部450は、利用者Uから交換可能なバッテリ100の問い合わせ(或いは交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300の問い合わせがあった場合)に、交換装置DB474を参照し、利用者Uの位置から所定距離内に存在するバッテリ交換装置300であって、且つ、交換可能なバッテリ100(例えば、充電率が閾値以上のバッテリ)が存在するバッテリ交換装置300の位置情報を取得し、取得した位置情報を利用者Uに提供する。この場合、提供部450は、交換可能なバッテリの個数に関する情報を提供してもよい。また、提供部450は、取得部420により災害情報を取得した場合に、災害情報に応じた情報を利用者Uに提供する。提供部450の機能の詳細については後述する。
【0071】
決済処理部460は、バッテリ100を利用する利用者Uに対する決済処理を行う。決済処理部460は、利用者Uが利用したバッテリ100の種類、数、利用期間等に応じて利用料金を決定し、利用者情報DB472に格納された利用者Uの決済情報に基づいて、利用料金の精算を行う。利用料金の精算は、バッテリ100の利用前または利用後でもよい、バッテリ100の交換時でもよい。決済処理部460による処理結果は、利用者情報DB472の決済情報に格納される。
【0072】
[提供部450]
以下、提供部450の機能の詳細について具体的に説明する。なお、以下では、利用者Uの位置情報をバッテリ100が搭載された電動車両10の位置情報とし、電動車両10の出力装置70に情報を提供するものとして、提供する情報の例を幾つかのパターンに分けて説明する。なお、実施形態においては、電動車両10の位置情報に代えて(加えて)、携帯端末200の位置情報を用いてもよい。また、提供する情報は、電動車両10の出力装置70に代えて(または加えて)、携帯端末200の出力部230に出力させてよい。
【0073】
<第1のパターン>
図9は、提供部450が提供する情報の第1のパターンを説明するための図である。第1のパターンは、利用者Uが乗車した電動車両10から交換可能なバッテリ100(或いは交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300)の問い合わせを受け付けた時点で、取得部420から災害情報を取得していない(つまり、災害が発生していない)場合の情報提供パターンである。
【0074】
第1のパターンにおいて、提供部450は、利用者Uの位置情報(例えば、
図9に示す地点P)に基づいて交換装置DB474を参照し、稼働中のバッテリ交換装置300のうち、利用者Uの位置から所定距離以内にあって、且つ、交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300を取得する。また、提供部450は、電動車両10の残りのバッテリ残量(電力残量)で到着することが可能な距離にあるバッテリ交換装置300を取得してもよい。また、提供部450は、例えば、取得したバッテリ交換装置300ごとに、識別情報(交換装置ID)、交換可能なバッテリ数、および位置情報を取得する。そして、提供部450は、取得した情報を、ネットワークNWを介して問い合わせのあった電動車両10に出力する。
【0075】
また、提供部450は、利用者Uの位置情報に基づいて、地図情報476から利用者Uの周辺地図画像(利用者U1の現在位置Pから所定距離以内の地図画像)を取得し、取得した周辺地図画像に、利用者Uの位置と、取得したバッテリ交換装置300の識別情報、交換可能バッテリ数、位置情報(例えば、緯度経度や住所情報)等を地図画像の位置情報に対応付けて重畳表示(マッピング)した提供画像IM10を生成し、生成した提供画像IM10を利用者Uに提供する。なお、周辺地図画像には、例えば、周辺の河川RVや電車線路RL、道路や建造物等の情報が含まれる。
【0076】
第1のパターンにおいて、提供部450は、利用者Uの位置Pの周辺に3つのバッテリ交換装置300A~300Cが取得されたため、
図9に示すように、それぞれの位置を示すアイコン画像を周辺地図画像上の位置情報に対応付けて重畳表示すると共に、それぞれのバッテリ交換装置300A~300Cの識別情報、交換可能バッテリ数、および位置情報を表示する。なお、提供画像IM10の表示項目やレイアウト等の表示態様については、これに限定されない。後述する他の提供画像についても同様とする。
【0077】
なお、提供部450は、提供するバッテリ交換装置300A~300Cの情報を、利用者Uの位置Pから近い順にリスト表示してもよく、利用者Uの位置からバッテリ交換装置300までの距離や経路、到着するまでの予定所要時間等を表示してもよい。また、提供部450は、バッテリ交換装置300A~300Cごとに、スロット等に収容されたバッテリごとの電力残量またはバッテリ全体の総電力残量を表示してもよい。また、提供部450は、ネットワークNWを介して外部装置から利用者Uの周辺の交通情報を取得し、交通情報に含まれる渋滞情報等を利用者Uに提供してもよい。
【0078】
第1のパターンにおいて、
図9に示すような提供画像IM10を提供することで、利用者Uの周辺に存在するバッテリ交換装置300の位置や交換可能なバッテリ数を利用者Uに把握させ易くすることができる。
【0079】
<第2のパターン>
図10は、提供部450が提供する情報の第2のパターンを説明するための図である。なお、第2のパターンでは、主に上述したパターンとの相違点を中心として説明する。後述する他のパターンの説明についても同様とする。第2のパターンは、利用者Uが乗車した電動車両10から交換可能なバッテリ100の問い合わせ(或いは交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300)を受け付けた場合であって、且つ取得部420から災害情報を取得している(つまり、災害が発生している)場合の情報提供パターンである。
【0080】
第2のパターンにおいて、提供部450は、第1のパターンと同様に、利用者Uの位置情報に基づいて交換装置DB474を参照して、利用者Uの位置Pの周辺に存在する交換可能なバッテリ100が存在する3つのバッテリ交換装置300A~300Cの識別情報、交換可能バッテリ数、および位置情報を取得する。更に、提供部450は、取得したバッテリ交換装置300A~300Cの識別情報、交換可能バッテリ数、位置情報を、地図情報476から得られる利用者Uの周辺地図画像の位置情報に対応付けた提供画像IM20を生成する。また、第2のパターンにおいて、提供部450は、3つのバッテリ交換装置300A~300Cの高さ情報も含めて表示する。なお、表示する高さ情報は、例えば、標高でもよく、地面からの高さでもよく、地図に対応付けられた等高線であってもよい。これにより、利用者Uは、例えば、河川RVの氾濫等により洪水、冠水等の恐れがある場合に、被害が少ないと予想される高い位置にあるバッテリ交換装置300を選択することができる。
【0081】
また、提供部450は、上述の情報に加えて、災害情報を提供してもよい。また、提供部450は、災害発生時に、利用者Uの位置情報に基づいて、ハザードマップ476Aから、利用者Uの周辺のハザードエリアを取得し、取得したエリアを周辺地図画像に重ねて表示させてもよい。この場合、提供部450は、災害情報に含まれる災害種別および災害度合に対応するハザードエリアを種別ごとに識別可能な表示態様で周辺地図画像に表示して、最終的な提供画像IM20を生成してもよい。識別可能な表示態様とは、例えば色や模様、マーク、アイコン画像等を異ならせた表示態様である。
【0082】
図10の例では、利用者Uの周辺地図画像に、交換可能なバッテリ100が存在する3つのバッテリ交換装置300A~300Cの位置を示すアイコン画像と、識別情報、交換可能バッテリ数、および位置情報と、ハザードマップ476Aから得られたハザードエリアHA1、HA2が表示された提供画像IM20が示されている。ハザードエリアHA1は河川RVの氾濫による洪水や冠水の可能性があるエリアであり、ハザードエリアHA2は洪水等の影響や地震による電車線路RLの倒壊等によって通行止めとなるエリアである。このように、ハザードエリアHA1、HA2も含めた情報を提供することで、利用者Uに、単に3つのバッテリ交換装置300A~300Cを確認させるだけでなく、現在または予測される災害度合に対応したハザードエリアHA1、HA2を確認させることができ、避難経路や避難場所をより正確に把握させることができる。
【0083】
<第3のパターン>
図11は、提供部450が提供する情報の第3のパターンを説明するための図である。第3のパターンは、第2のパターンと同様に、利用者Uが乗車した電動車両10から交換可能なバッテリ100の問い合わせを受け付けた場合であって、且つ取得部420から災害情報を取得している場合の情報提供パターンである。
【0084】
第3のパターンにおいて、提供部450は、
図11に示すように、交換可能なバッテリが存在する3つのバッテリ交換装置300A~300Cのうち、取得部420により取得された災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さ以上の位置に存在するバッテリ交換装置の情報を提供する。例えば、洪水等の災害に対応付けられるハザードエリアは、災害度合に応じた高さ(標高)情報に基づいて設定(変更)される。したがって、洪水等の災害に対応付けられるハザードエリアは、周辺地域と比較して低い地域となる。そのため、提供部450は、バッテリ交換装置300A~300Cのうち、ハザードエリアHA1、HA2に含まれていないバッテリ交換装置300Cの位置を示すアイコン画像と、識別情報、交換可能バッテリ数、および位置情報とを、周辺地図情報上に表示した提供画像IM30を生成して利用者Uに提供する。これにより、利用者Uは、ハザードエリアHA1、HA2に向かうことがなく、より安全な位置に移動することができる。
【0085】
また、第3のパターンにおいて、提供部450は、3つのバッテリ交換装置300A~300Cのうち、利用者Uの現在位置よりも高い位置にあるバッテリ交換装置の情報を提供してもよい。また、提供部450は、3つのバッテリ交換装置300A~300Cのうち、最も高い位置にあるバッテリ交換装置の情報を提供してもよく、高い順にリスト表示してもよい。
【0086】
また、第3のパターンにおいて、提供部450は、利用者Uの現在位置Pからバッテリ交換装置300Cまでの経路RT1を生成して、周辺地図画像に重畳表示してもよい。この場合、提供部450は、災害情報に含まれる災害度合に対応付けられた高さよりも高い位置を通る経路を生成する。また、提供部450は、災害度合に対応付けられた高さよりも高い位置を通る経路に代えて(または加えて)、災害によって通行できない、または通行できないと予測される経路を含まないようにする。例えば、提供部450は、ハザードエリアを通行しない経路を生成する。これにより、災害発生時に、バッテリ交換装置300までのより安全な経路を利用者Uに提供することができる。
【0087】
<第4のパターン>
図12は、提供部450が提供する情報の第4のパターンを説明するための図である。第4のパターンは、複数の利用者からバッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けた場合であって、且つ取得部420から災害情報を取得している場合の情報提供パターンである。この場合、提供部450は、利用者ごとの位置情報に基づいて、利用者ごとに優先度を設定し、設定した優先度の高い利用者にバッテリ交換装置の情報を提供する。例えば、提供部450は、利用者ごとの位置情報に基づいて危険な位置に存在する利用者を優先してバッテリ交換装置の情報を提供する。危険な位置とは、例えば、ハザードエリアにより近い位置であってもよく、標高が閾値より低い位置や倒壊し易い建造物から所定距離以内の近い位置であってもよい。
【0088】
図12に示す画像IM40には、一例としてバッテリ交換装置300の問い合わせがあった二人の利用者の現在位置P1,P2が示されている。この場合、提供部450は、現在位置P1の利用者の方がバッテリ交換装置300Cに近い位置に存在する場合であっても、危険な位置に存在する(ハザードエリアHA1内に存在する)利用者(現在位置P2に存在する利用者)を優先して、安全な位置にあるバッテリ交換装置300Cの情報を提供する。
【0089】
このように第4のパターンによれば、危険な位置に存在する利用者を優先して安全な位置にあるバッテリ交換装置300Cに誘導することができる。したがって、仮にバッテリ交換装置300Cに到着するよりも前に他の利用者によりバッテリ100が貸し出されてしまい、バッテリ100が交換できなかった場合であっても、利用者を安全な位置に移動させることができ、利用者の安全が確保できる。
【0090】
なお、提供部450は、優先度の高い利用者にバッテリ交換装置300Cの情報を提供すると共に、問い合わせのあった他の利用者に、他のバッテリ交換装置300の情報を提供してもよく、利用者の現在位置が安全である場合に移動しないことを勧める情報を提供してもよい。また、提供部450は、優先した利用者がバッテリ交換装置300に到着した後に、次に優先度の高い利用者(例えば、位置P1に存在する利用者)にバッテリ交換装置300Cの情報を提供してもよい。これにより、災害時であっても問い合わせがあった全ての利用者に対して、より適切な情報を提供することができる。
【0091】
なお、上述した第1~第4のパターンにおいて、提供部450は、バッテリ交換装置300の稼働状況に関する情報に基づいて、稼働していないバッテリ交換装置を利用者Uに提供する対象から除外してもよい。この場合、管理部440は、利用者Uからの問い合わせ時や、災害発生時または発生前に所定周期でバッテリ交換装置の稼働状況を問い合わせ、その回答を取得し、回答結果に基づいて、交換装置DB474の稼働種別を更新する。例えば、管理部440は、稼働が停止中と回答があった場合、または通信障害や倒壊等により問い合わせに対する回答がなかった場合に、停止中であると判断する。提供部450は、停止中のバッテリ交換装置300を、利用者Uに提供する対象から除外する。これにより、災害時の状況に応じて、より適切なバッテリ交換装置300の情報を利用者に提供することができる。
【0092】
また、管理部440は、バッテリの利用料金を管理する場合に、災害情報に含まれる災害度合に応じて、バッテリの利用料金を調整してもよい。例えば、管理部440は、災害度合が第1閾値以上の場合に、バッテリの利用料金を半額にし、第1閾値より大きい第2閾値以上の場合にバッテリの利用料金を無料にする。なお、設定される閾値の数や料金については、これに限定されない。これにより、災害度合に応じて、より適切なバッテリ利用サービスを提供することができる。
【0093】
<変形例>
上述の実施形態において、提供部450は、問い合わせがあった利用者Uに対して情報を提供したが、取得部420により災害情報が取得されたタイミングで、利用者情報DB472に登録されている利用者の携帯端末200または電動車両10に交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300の位置に関する情報や高さに関する情報、ハザードエリアの情報を提供してもよい。
【0094】
また、提供部450は、交換可能なバッテリ100が存在するバッテリ交換装置300の位置情報の提供に代えて、災害発生時に、交換可能なバッテリ100が搭載された電動車両10の情報を提供してもよい。この場合、管理部440は、災害発生時に限って、一時的に他の電動車両10に搭載されたバッテリ100の他人への貸し出しを許可する。これにより、交換可能なバッテリ100を有するバッテリ交換装置300が近くに存在しない場合であっても、近くに存在する電動車両10に搭載されたバッテリ100を利用することで電力を確保することができる。
【0095】
[処理フロー]
以下、実施形態の情報提供サーバ400により実行される処理について説明する。以下では、情報提供サーバ400により実行される処理のうち、主にバッテリ交換装置の問い合わせがあった場合の処理を中心として説明する。以下に示す処理は、所定タイミングまたは所定周期で繰り返し実行されてよい。
【0096】
図13は、実施形態の情報提供サーバ400により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13の例において、取得部420は、利用者Uからバッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けたか否かを判定する(ステップS100)。なお、ステップS100の処理では、バッテリ交換装置300に代えて、交換可能なバッテリ100の問い合わせであってもよい。バッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けたと判定した場合、提供部450は、災害情報を取得しているか否かを判定する(ステップS102)。
【0097】
災害情報を取得していないと判定した場合、提供部450は、交換可能なバッテリが収容されたバッテリ交換装置の位置情報を問い合わせのあった利用者Uに提供する(ステップS104)。また、災害情報を取得していると判定した場合、提供部450は、交換可能なバッテリが収容されたバッテリ交換装置の位置情報を高さ情報も含めて提供する(ステップS106)。また、提供部450は、利用者周辺のハザードマップ(ハザードエリア)を提供する(ステップS108)。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。また、ステップS100の処理において、バッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けていないと判定した場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0098】
図14は、実施形態の情報提供サーバ400により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13の例において、取得部420は、利用者Uからバッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けたか否かを判定する(ステップS100)。なお、ステップS100の処理では、バッテリ交換装置300に代えて、交換可能なバッテリ100の問い合わせであってもよい。バッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けたと判定した場合、提供部450は、災害情報を取得しているか否かを判定する(ステップS102)。
【0099】
災害情報を取得していないと判定した場合、提供部450は、交換可能なバッテリが収容されたバッテリ交換装置の位置情報を問い合わせのあった利用者Uに提供する(ステップS104)。また、災害情報を取得していると判定した場合、提供部450は、交換可能なバッテリが収容されたバッテリ交換装置の位置情報を高さ情報も含めて提供する(ステップS106)。また、提供部450は、災害情報に含まれる災害度合等に応じた利用者周辺のハザードマップ(ハザードエリア)を提供する(ステップS108)。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。また、ステップS100の処理において、バッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けていないと判定した場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0100】
なお、実施形態では、上述した処理のうちステップS100の処理が無くてもよい。例えば、提供部450は、バッテリ交換装置300の問い合わせを受け付けたか否かに係わらず、取得部420により災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する。また、上述したステップS106の処理において、提供部450は、災害情報に含まれる災害度合に応じて利用者Uの周辺に存在する一以上のバッテリ交換装置300のうち、利用者Uに情報を提供するバッテリ交換装置300を選択し、選択したバッテリ交換装置300の位置情報や、利用者の現在位置からそのバッテリ交換装置300までの経路を提供してもよい。
【0101】
以上の通り説明した実施形態によれば、情報提供装置(情報提供サーバ400)において、災害情報を取得する取得部420と、移動体(電動車両10)の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供する提供部450と、を備え、提供部450は、取得部420により災害情報が取得された場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置300の位置を高さ情報も含めて提供することにより、災害発生時であっても、交換可能なバッテリの情報をより適切に提供することができる。したがって、実施形態によれば、エネルギーの効率化を図ることができる。
【0102】
具体的には、実施形態によれば、災害発生時であっても、より安全に利用できるバッテリ100(バッテリ交換装置300)の所在地の情報を提供することができる。そのため、電力供給を途絶えさせないようにすることができる。また、実施形態によれば、利用者に、高さだけではない総合的な災害リスクを考慮して安全なバッテリ100を選択させることができる。また、実施形態によれば、災害発生時に災害種別や災害度合に応じたハザードマップを提供することで、利用者に安全エリアを容易に把握させることができ、避難させ易くすることができる。したがって、災害発生時であっても利用者に、より適切なサービスを提供することができる。
【0103】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)、
移動体の走行用の電力を供給するバッテリの交換サービスを行う一以上のバッテリ交換装置の情報を提供し、
災害情報を取得した場合に、交換可能なバッテリが存在するバッテリ交換装置の位置を高さ情報も含めて提供する、
情報提供装置。
【0104】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0105】
1…バッテリ利用システム、10…電動車両、100…バッテリ、110…通信部、120…位置取得部、130…蓄電部、140…BMU、150…接続部、200…携帯端末、210…端末側通信部、220…入力部、230…出力部、240…端末位置取得部、250…アプリ実行部、260…出力制御部、270…端末側記憶部、300…バッテリ交換装置、310…交換装置側通信部、320…入力部、330…出力部、340…交換装置位置取得部、350…充電制御部、360…測定センサ、370…情報取得部、380…処理部、400…情報提供サーバ、410…サーバ側通信部、420…取得部、430…登録部、440…管理部、450…提供部、460…決済処理部