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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029915
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】シートベルトのフロントベルトカバー
(51)【国際特許分類】
B60N 2/26 20060101AFI20240229BHJP
B60N 2/28 20060101ALI20240229BHJP
【ＦＩ】
B60N2/26
B60N2/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022132376
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 尚子
(72)【発明者】
【氏名】野口 日都美
【テーマコード（参考）】
3B087
【Ｆターム（参考）】
3B087CE06
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】乳幼児の乗せ降ろし時に、フロントベルトを有するシートベルトの取り付けが容易なシートベルトのフロントベルトカバーを提供する。
【解決手段】本発明のシートベルトのフロントベルトカバー１０は、シート２の座面カバー９に設けたフロントベルト６が挿通するベルト孔９ａの後方で前記シート２の座面上で前方へ倒れた状態で一端が前記座面カバー９に接続し、他端にユーザの腹部と接触するパッド２２を有するカバー本体２０と、
前記カバー本体２０の前面側に配置し、かつ前記ベルト孔９ａを覆うように接続した前傾サポート３０を備え、
前記前傾サポート３０は、片持ち支持された前記カバー本体２０に一端を接続させて、前記カバー本体２０が前記ベルト孔９ａの後方へ倒れないように前方へ倒れた状態で一端側の前記カバー本体２０から二股に分かれて他端を前記ベルト孔９ａの周縁に接続したことを特徴としている。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明のシートベルトのフロントベルトカバー１０は、シート２の座面カバー９に設けたフロントベルト６が挿通するベルト孔９ａの後方で前記シート２の座面上で前方へ倒れた状態で一端が前記座面カバー９に接続し、他端にユーザの腹部と接触するパッド２２を有するカバー本体２０と、
前記カバー本体２０の前面側に配置し、かつ前記ベルト孔９ａを覆うように接続した前傾サポート３０を備え、
前記前傾サポート３０は、片持ち支持された前記カバー本体２０に一端を接続させて、前記カバー本体２０が前記ベルト孔９ａの後方へ倒れないように前方へ倒れた状態で一端側の前記カバー本体２０から二股に分かれて他端を前記ベルト孔９ａの周縁に接続したことを特徴としている。
【選択図】 図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの座面カバーに設けたフロントベルトが挿通するベルト孔よりも後方で前記シートの座面上で前方へ倒れた状態で一端が前記座面カバーに接続し、他端にユーザの腹部と接触するパッドを有するカバー本体と、
前記カバー本体の前面側に配置し、かつ前記ベルト孔を覆うように接続した前傾サポートを備え、
前記前傾サポートは、片持ち支持された前記カバー本体に一端を接続させて、前記カバー本体が前記ベルト孔の後方へ倒れないように前方へ倒れた状態で一端側の前記カバー本体から二股に分かれて他端を前記ベルト孔の周縁に接続したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
前記カバー本体の前面側に配置し、かつ前記ベルト孔を覆うように接続した前傾サポートを備え、
前記前傾サポートは、片持ち支持された前記カバー本体に一端を接続させて、前記カバー本体が前記ベルト孔の後方へ倒れないように前方へ倒れた状態で一端側の前記カバー本体から二股に分かれて他端を前記ベルト孔の周縁に接続したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
【請求項2】
請求項１に記載のシートベルトのフロントベルトカバーであって、
前記カバー本体は、前記座面カバーの接続箇所から前記フロントベルトのフロントバックルを支持する箇所に渡って内部に補強材を備えたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
前記カバー本体は、前記座面カバーの接続箇所から前記フロントベルトのフロントバックルを支持する箇所に渡って内部に補強材を備えたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
【請求項3】
請求項１に記載のシートベルトのフロントベルトカバーであって、
前記前傾サポートは、一端が前記カバー本体に接続し、他端が前記カバー本体の側面視で前記一端の接続箇所から二股に分かれて前記ベルト孔の周縁に接続し、前記前傾サポートと前記カバー本体の二股に分かれた左右側面と前記シートの座面上の間に前記ベルト孔が露出する作業孔を設けたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
前記前傾サポートは、一端が前記カバー本体に接続し、他端が前記カバー本体の側面視で前記一端の接続箇所から二股に分かれて前記ベルト孔の周縁に接続し、前記前傾サポートと前記カバー本体の二股に分かれた左右側面と前記シートの座面上の間に前記ベルト孔が露出する作業孔を設けたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
【請求項4】
請求項１に記載のシートベルトのフロントベルトカバーであって、
前記前傾サポートは、一端を前記カバー本体の前面側から左右側部に接続させて前記カバー本体の前面との間で前記ベルト孔から延出した前記フロントベルトを挿通して先端のフロントバックルを支持することを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
前記前傾サポートは、一端を前記カバー本体の前面側から左右側部に接続させて前記カバー本体の前面との間で前記ベルト孔から延出した前記フロントベルトを挿通して先端のフロントバックルを支持することを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
【請求項5】
請求項１又は２に記載のシートベルトのフロントベルトカバーであって、
前記カバー本体と、前記前傾サポートは前記座面カバーと同質の材料で形成したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
前記カバー本体と、前記前傾サポートは前記座面カバーと同質の材料で形成したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントベルトを有するシートベルトのフロントベルトカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児が使用するチャイルドシート、ベビーカーなどのシートには、乳幼児の肩から脇下を通る肩ベルトと、乳幼児の股間から腹部に向けて延びるフロントベルト（股ベルトともいう）と、肩ベルトとフロントベルトを連結するバックルを備えたシートベルトが配置されている。このようなシートベルトを装着する際、フロントベルトがシート上の後方に倒れているまま着座させると乳幼児のお尻の下に入り込んでしまう。このため、一方の手で乳幼児を抱えたまま、他方の手でフロンドベルトを前方に倒してから着座させなければならず、１人で乗せ降ろしするユーザに負担が掛かっていた。
【0003】
このため、特許文献１のチャイルドシートは、バックルにタングが係止されていないときに、フロントベルトに設けられるカバーがフロントベルトをシート前方側へ傾いた状態で自立させている。またバックルにタングが係止されたときには、フロントベルトがウェビングからの張力によりシート後方側へ傾動させている。
【0004】
また特許文献２の安全シートはフロントベルトのバックルに肩ベルトを連結する子供用安全シートであり、フロントベルトとバックルの背面に沿った状態で座面の下から上方へ突出して延びるクッション材と、ベルト及びクッション材の両者を覆うカバーを備え、クッション材はフロントベルトを座面から自立する状態を保つのに十分な腰を有している。
その他、図７は従来のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。
図示のように従来のフロントベルトカバー１００はシートの座面カバーのベルト孔１０２から座面上にフロントベルト１０４が配置されて、座面上のベルト孔１０２よりも後方に一端を接続し、片持ち支持された他端側にパッドを有するカバー本体１０５を備えている。蓋１０６は、ベルト孔１０２を覆うように左右の周縁に接続している、ベルト孔１０２を覆う蓋１０６は、後方が開いてフロントベルト１０４が突出している。また前方を開くと内部のベルトの長さ調節部によりベルト長を調節できる。フロントベルトカバー１００は前面にフロントベルト１０４を支持する支持フック１０７が設けられ、支持フック１０７を介してフロントベルト１０４をフロントベルトカバー１００の前面に配置することができる。
その他、図７は従来のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。
図示のように従来のフロントベルトカバー１００はシートの座面カバーのベルト孔１０２から座面上にフロントベルト１０４が配置されて、座面上のベルト孔１０２よりも後方に一端を接続し、片持ち支持された他端側にパッドを有するカバー本体１０５を備えている。蓋１０６は、ベルト孔１０２を覆うように左右の周縁に接続している、ベルト孔１０２を覆う蓋１０６は、後方が開いてフロントベルト１０４が突出している。また前方を開くと内部のベルトの長さ調節部によりベルト長を調節できる。フロントベルトカバー１００は前面にフロントベルト１０４を支持する支持フック１０７が設けられ、支持フック１０７を介してフロントベルト１０４をフロントベルトカバー１００の前面に配置することができる。
【0005】
しかしながら特許文献１のカバーはゴム又はエラストマー製の成形品であるが乳幼児にとっては固くストレスとなる。またこのような成形品は製造工程が増し、コスト高となっていた。
また特許文献２のクッション材は、１本立ちの形態のため、設置場所によって倒れる方向が前方とは限らず予測できないため不安定であった。
図７に示す従来のフロントベルトカバーは、当初、シートの前方へ倒した状態で配置させることができるが、使用しているうちにカバー本体の後面に折れジワが発生する。そうするとカバー本体が後ろ側に倒れることが常習化してしまいユーザにとって負担がかかっていた。
また特許文献２のクッション材は、１本立ちの形態のため、設置場所によって倒れる方向が前方とは限らず予測できないため不安定であった。
図７に示す従来のフロントベルトカバーは、当初、シートの前方へ倒した状態で配置させることができるが、使用しているうちにカバー本体の後面に折れジワが発生する。そうするとカバー本体が後ろ側に倒れることが常習化してしまいユーザにとって負担がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第５３４７７２４号公報
【特許文献2】特許第３３４５４６３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、乳幼児の乗せ降ろし時に、フロントベルトを有するシートベルトの取り付けが容易なシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第１の手段として、シートの座面カバーに設けたフロントベルトが挿通するベルト孔の後方で前記シートの座面上を前傾した状態で一端が前記座面カバーに接続し、他端にユーザの腹部と接触するパッドを有するカバー本体と、
前記カバー本体の前面、かつ前記ベルト孔を覆うように配置した前傾サポートを備え、
前記前傾サポートは、一端を片持ち支持された前記カバー本体に接続させて、前記カバー本体が前記ベルト孔の後側に倒れないように前傾した状態で一端側の前記カバー本体から二股に分かれて他端を前記ベルト孔の周縁に接続したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第１の手段によれば、シートベルトの不使用時にフロントベルトが座面上で後方に倒れることなく前方に倒れた状態を維持できるため、乳幼児のシートベルトを装着する作業を一人で容易に実現できる。
またフロントベルトカバーがシートの前方に倒れることにより乳幼児の乗せ降ろし時に上方へ抱き上げなくてもシートとほぼ平行に乗せ降ろしができるため、ユーザの腕に掛かる負担を大幅に軽減できる。
前記カバー本体の前面、かつ前記ベルト孔を覆うように配置した前傾サポートを備え、
前記前傾サポートは、一端を片持ち支持された前記カバー本体に接続させて、前記カバー本体が前記ベルト孔の後側に倒れないように前傾した状態で一端側の前記カバー本体から二股に分かれて他端を前記ベルト孔の周縁に接続したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第１の手段によれば、シートベルトの不使用時にフロントベルトが座面上で後方に倒れることなく前方に倒れた状態を維持できるため、乳幼児のシートベルトを装着する作業を一人で容易に実現できる。
またフロントベルトカバーがシートの前方に倒れることにより乳幼児の乗せ降ろし時に上方へ抱き上げなくてもシートとほぼ平行に乗せ降ろしができるため、ユーザの腕に掛かる負担を大幅に軽減できる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための第２の手段として、第１の手段において、前記カバー本体は、前記座面カバーの接続箇所から前記フロントベルトのフロントバックルを支持する箇所に渡って内部に補強材を備えたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第２の手段によれば、補強材によって、カバー本体の後面に折れジワが付かなくなり、長時間使用しても前方へ倒れた状態を維持できる。また、硬いフロントバックルと乳幼児の間に配置されるためクッション材、パッドとして機能させることができる。
上記第２の手段によれば、補強材によって、カバー本体の後面に折れジワが付かなくなり、長時間使用しても前方へ倒れた状態を維持できる。また、硬いフロントバックルと乳幼児の間に配置されるためクッション材、パッドとして機能させることができる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための第３の手段として、第１の手段において、前記前傾サポートは、一端が前記カバー本体に接続し、他端が前記カバー本体の側面視で前記一端の接続箇所から二股に分かれて前記ベルト孔の周縁に接続し、前記前傾サポートと前記カバー本体の二股に分かれた左右側面と前記シートの座面上の間に前記ベルト孔が露出する作業孔を設けたことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第３の手段によれば、カバー本体と前傾サポートの間にフロントベルトのフロントバックルを挿通する際に作業孔から視認でき、また左右側の作業孔から指を差し込んでフロントバックルを取り付ける作業を容易に行うことができる。
上記第３の手段によれば、カバー本体と前傾サポートの間にフロントベルトのフロントバックルを挿通する際に作業孔から視認でき、また左右側の作業孔から指を差し込んでフロントバックルを取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するための第４の手段として、第１の手段において、前記前傾サポートは、一端を前記カバー本体の左右側部に接続させて前記カバー本体の前面との間で前記ベルト孔から延出した前記フロントベルトを挿通して先端のフロントバックルを支持することを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第４の手段によれば、従来のカバー本体のようにフロントベルトを支持するための支持フックを設ける必要がなく、カバー本体と前傾サポートの間でフロントベルトを支持できる。従って、製造コストを低減でき、かつ製造工程を簡略化できる。
上記第４の手段によれば、従来のカバー本体のようにフロントベルトを支持するための支持フックを設ける必要がなく、カバー本体と前傾サポートの間でフロントベルトを支持できる。従って、製造コストを低減でき、かつ製造工程を簡略化できる。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するための第５の手段として、第１又は第２の手段において、前記カバー本体と、前記前傾サポートは前記座面カバーと同質の材料で形成したことを特徴とするシートベルトのフロントベルトカバーを提供することにある。
上記第５の手段によれば、縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りのストレスが生じるおそれがない。
上記第５の手段によれば、縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りのストレスが生じるおそれがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、長時間使用してもフロントベルトカバーがシートの前方へ倒れた状態であるため乳幼児の乗せ降ろし時に上方へ抱き上げなくてもシートとほぼ平行に乗せ降ろしができるため、ユーザの腕に掛かる負担を大幅に軽減できる。
また縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りが良く、ストレスが生じるおそれがない。
また縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りが良く、ストレスが生じるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。
【図2】本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの正面図である。
【図3】カバー本体の中心を通る前後方向の断面図である。
【図4】本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの側面図である。
【図5】本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを備えたチャイルドシートの斜視図である。
【図6】本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを乳幼児が装着したチャイルドシートの説明図である。
【図7】従来のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のシートベルトのフロントベルトカバー（以下、単にフロントベルトカバーということあり）の実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
本発明の前後方向及び左右方向は、チャイルドシートを使用する対象が、新生児、乳児、幼児に係わらず、車両シートの前後方向及び左右方向と一致している。
本発明の前後方向及び左右方向は、チャイルドシートを使用する対象が、新生児、乳児、幼児に係わらず、車両シートの前後方向及び左右方向と一致している。
【0016】
［フロントベルトカバー１０］
図１は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。図２は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの正面図である。図３はカバー本体の中心を通る前後方向の断面図である。図４は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの側面図である。図５は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを備えたチャイルドシートの斜視図である。図６は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを乳幼児が装着したチャイルドシートの説明図である。
図１は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの斜視図である。図２は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの正面図である。図３はカバー本体の中心を通る前後方向の断面図である。図４は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーの側面図である。図５は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを備えたチャイルドシートの斜視図である。図６は本発明のシートベルトのフロントベルトカバーを乳幼児が装着したチャイルドシートの説明図である。
【0017】
図６に示すようにシート２は座面と背面からなり、シート２は座面カバー９によって覆われている。シートベルト１は、シート２の背面に配置した肩ベルト４と、シート２の座面に配置したフロントベルト６とからなる。そして肩ベルト４のタング７をフロントベルト６のフロントバックル８に嵌め合わせて連結できる。フロントベルト６は、シート２の座面に配置し、座面を覆う座面カバー９のベルト孔を挿通させて座面カバー９上に露出させている。座面カバー９は、乳幼児が着座する前座面５及び後座面１１と、背中と接する背面３を有し、前座面５及び後座面１１はシート２の座面上を覆うように配置され、背面３はシート２の背面を覆うように配置されている（図５参照）。
このようなシートベルト１は、チャイルドシート、ベビーカーに取り付けられている。
このようなシートベルト１は、チャイルドシート、ベビーカーに取り付けられている。
【0018】
図１に示すように、本発明のフロントベルトカバー１０は、シート２の座面カバー９の前座面５に設けたフロントベルト６が挿通するベルト孔９ａよりも後方で前記シート２の座面上を前方へ倒れた状態で一端が前記座面カバー９の後座面１１に接続し、他端に乳幼児の腹部と接触するパッド２２を有するカバー本体２０と、前記カバー本体２０の前面側、かつ前記ベルト孔９ａを覆うように配置した前傾サポート３０を備え、前記前傾サポート３０は、片持ち支持された前記カバー本体２０に一端を接続させて、前記カバー本体２０が前記ベルト孔９ａの後側に倒れないように前傾した状態で一端側の前記カバー本体２０から二股に分かれて他端を座面カバー９の前座面５に設けた前記ベルト孔９ａの周縁に接続している。本実施形態で接続とは、縫合又は接着をいう。
【0019】
（カバー本体２０）
カバー本体２０は、上部がフロントベルト６のフロントバックル８よりも大きい扇状に拡がったほぼしゃもじ形状の縫製品である。カバー本体２０の下部は、Ｕ字型に形成し、Ｕ字の外周に沿って座面カバー９のベルト孔９ａよりも後方の後座面１１に接続している（図１参照）。
カバー本体２０は縫製の材質に、一例として縦編み二層メッシュを採用している。
カバー本体２０は、座面カバー９の接続箇所からフロントベルト６のフロントバックル８を支持する箇所に渡って内部に補強材２４を備えている（図３参照）。本実施形態では、一例として補強材２４に縦編み二層メッシュを用いて、内部に２枚を入れている。このため、乳幼児がフロントベルト６に当たる部分の厚みが厚くなり、クッション材、パッドとして機能させることができる。また、補強材２４によって、カバー本体２０の後面に折れジワが付かなくなり、長時間使用しても前方へ倒れた状態を維持できる。またカバー本体と同質材料を用いれば、異種材料と比べて製造コストを低減でき、製造工程も簡略化できる。
カバー本体２０は、上部がフロントベルト６のフロントバックル８よりも大きい扇状に拡がったほぼしゃもじ形状の縫製品である。カバー本体２０の下部は、Ｕ字型に形成し、Ｕ字の外周に沿って座面カバー９のベルト孔９ａよりも後方の後座面１１に接続している（図１参照）。
カバー本体２０は縫製の材質に、一例として縦編み二層メッシュを採用している。
カバー本体２０は、座面カバー９の接続箇所からフロントベルト６のフロントバックル８を支持する箇所に渡って内部に補強材２４を備えている（図３参照）。本実施形態では、一例として補強材２４に縦編み二層メッシュを用いて、内部に２枚を入れている。このため、乳幼児がフロントベルト６に当たる部分の厚みが厚くなり、クッション材、パッドとして機能させることができる。また、補強材２４によって、カバー本体２０の後面に折れジワが付かなくなり、長時間使用しても前方へ倒れた状態を維持できる。またカバー本体と同質材料を用いれば、異種材料と比べて製造コストを低減でき、製造工程も簡略化できる。
【0020】
（前傾サポート３０）
前傾サポート３０は、片持ち支持された前記カバー本体２０に一端を接続させて、他端を前記ベルト孔９ａの周縁に接続し、カバー本体２０の前面でくの字に折り曲げた縫製品である。前傾サポート３０は、カバー本体２０の前面側で、一端をカバー本体２０の中間部分の左右側辺に接続して、他端を、カバー本体２０がベルト孔９ａの後方（背面側）へ倒れないように前方へ倒れた状態で、接続した一端側のカバー本体２０から二股に分かれて、カバー本体２０を前方に引っ張った状態でベルト孔９ａの周縁に２か所（ベルト孔９ａの左右方向）接続している（図４参照）。換言すると、フロントベルトカバー１０の中心裾部分を二股にして、後ろ側の接続箇所を起点に前側を引っ張り接続することでカバー本体２０の後ろ倒れを回避している。
前傾サポート３０は、一端がカバー本体２０の中央付近の左右側部に接続し、他端がカバー本体２０の側面視で一端の接続箇所から二股に分かれてベルト孔９ａの周縁に接続し、前傾サポート３０とカバー本体２０の二股に分かれた左右側面とシート２の座面上、換言すると座面カバー９の前座面５上の間にベルト孔９ａが露出する作業孔３２を設けている（図４参照）。作業孔３２はカバー本体２０及び前傾サポート３０の左右側面に形成される。このような作業孔３２は、カバー本体２０と前傾サポート３０の間にフロントベルト６のフロントバックル８を挿通する際に孔から視認できる。また左右側の作業孔３２から指を差し込んでフロントバックル８をカバー本体２０と前傾サポート３０の間を通す作業を容易に行うことができる。
また前傾サポート３０は、一端をカバー本体２０の前面側から左右側部に接続させている。前傾サポート３０の上端はカバー本体２０に接続していないため孔形状となり、ベルト挿通孔３４として利用できる。ベルト挿通孔３４は、カバー本体２０の前面と前傾サポート３０の間でベルト孔９ａから延出したフロントベルト６を挿通して先端のフロントバックル８を支持できる。これにより、従来のカバー本体のようにフロントベルトを支持するための支持フックを設ける必要がなく、カバー本体と前傾サポートの間でフロントベルトを支持できる。従って、製造コストを低減でき、かつ製造工程を簡略化できる。
前傾サポート３０は、片持ち支持された前記カバー本体２０に一端を接続させて、他端を前記ベルト孔９ａの周縁に接続し、カバー本体２０の前面でくの字に折り曲げた縫製品である。前傾サポート３０は、カバー本体２０の前面側で、一端をカバー本体２０の中間部分の左右側辺に接続して、他端を、カバー本体２０がベルト孔９ａの後方（背面側）へ倒れないように前方へ倒れた状態で、接続した一端側のカバー本体２０から二股に分かれて、カバー本体２０を前方に引っ張った状態でベルト孔９ａの周縁に２か所（ベルト孔９ａの左右方向）接続している（図４参照）。換言すると、フロントベルトカバー１０の中心裾部分を二股にして、後ろ側の接続箇所を起点に前側を引っ張り接続することでカバー本体２０の後ろ倒れを回避している。
前傾サポート３０は、一端がカバー本体２０の中央付近の左右側部に接続し、他端がカバー本体２０の側面視で一端の接続箇所から二股に分かれてベルト孔９ａの周縁に接続し、前傾サポート３０とカバー本体２０の二股に分かれた左右側面とシート２の座面上、換言すると座面カバー９の前座面５上の間にベルト孔９ａが露出する作業孔３２を設けている（図４参照）。作業孔３２はカバー本体２０及び前傾サポート３０の左右側面に形成される。このような作業孔３２は、カバー本体２０と前傾サポート３０の間にフロントベルト６のフロントバックル８を挿通する際に孔から視認できる。また左右側の作業孔３２から指を差し込んでフロントバックル８をカバー本体２０と前傾サポート３０の間を通す作業を容易に行うことができる。
また前傾サポート３０は、一端をカバー本体２０の前面側から左右側部に接続させている。前傾サポート３０の上端はカバー本体２０に接続していないため孔形状となり、ベルト挿通孔３４として利用できる。ベルト挿通孔３４は、カバー本体２０の前面と前傾サポート３０の間でベルト孔９ａから延出したフロントベルト６を挿通して先端のフロントバックル８を支持できる。これにより、従来のカバー本体のようにフロントベルトを支持するための支持フックを設ける必要がなく、カバー本体と前傾サポートの間でフロントベルトを支持できる。従って、製造コストを低減でき、かつ製造工程を簡略化できる。
【0021】
［使用方法］
上記構成による本発明のフロントベルトカバー１０の使用方法について、以下説明する。
乳幼児をチャイルドシートに乗せるとき、座面上のフロントベルト６はフロントベルトカバー１０によって前座面５の前方へ倒れた状態で配置されている（図５参照）。このため、ユーザは一人でフロントベルト６に触れることなく、乳幼児を前座面５及び後座面１１上に着座させることができる。その後、乳幼児の両腕に肩ベルト４を通す。そしてフロントベルト６を前座面５から起こしてカバー本体２０のパッド２２を乳幼児の腹部に接触させた状態で、肩ベルト４のタング７をフロントバックル８に嵌めて連結する。このときフロントバックル８と乳幼児の腹部の間にはカバー本体２０の補強材２４が配置されているため、クッション材の役割を果たし、シートベルトを着用している乳幼児にストレスが掛からない（図６参照）。
乳幼児をチャイルドシートから降ろすとき、肩ベルト４のタング７とフロントバックル８の連結を解除する。フロントベルト６は、フロントベルトカバー１０が前座面５の前方へ倒れるように付勢されているため、フロントベルトカバー１０と共に、前座面５の前方へ倒れた状態になる。乳幼児の両腕から肩ベルト４を取り外してから、乳幼児を上方へ持ち上げることなく、乳幼児を前座面５と平行に前方へ移動させるだけでチャイルドシートから降ろすことができる。
上記構成による本発明のフロントベルトカバー１０の使用方法について、以下説明する。
乳幼児をチャイルドシートに乗せるとき、座面上のフロントベルト６はフロントベルトカバー１０によって前座面５の前方へ倒れた状態で配置されている（図５参照）。このため、ユーザは一人でフロントベルト６に触れることなく、乳幼児を前座面５及び後座面１１上に着座させることができる。その後、乳幼児の両腕に肩ベルト４を通す。そしてフロントベルト６を前座面５から起こしてカバー本体２０のパッド２２を乳幼児の腹部に接触させた状態で、肩ベルト４のタング７をフロントバックル８に嵌めて連結する。このときフロントバックル８と乳幼児の腹部の間にはカバー本体２０の補強材２４が配置されているため、クッション材の役割を果たし、シートベルトを着用している乳幼児にストレスが掛からない（図６参照）。
乳幼児をチャイルドシートから降ろすとき、肩ベルト４のタング７とフロントバックル８の連結を解除する。フロントベルト６は、フロントベルトカバー１０が前座面５の前方へ倒れるように付勢されているため、フロントベルトカバー１０と共に、前座面５の前方へ倒れた状態になる。乳幼児の両腕から肩ベルト４を取り外してから、乳幼児を上方へ持ち上げることなく、乳幼児を前座面５と平行に前方へ移動させるだけでチャイルドシートから降ろすことができる。
【0022】
このような本発明によれば、長時間使用してもフロントベルトカバーがシートの前方へ倒れた状態であるため乳幼児の乗せ降ろし時に上方へ抱き上げなくてもシートとほぼ平行に乗せ降ろしができるため、ユーザの腕に掛かる負担を大幅に軽減できる。
また縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りが良く、ストレスが生じるおそれがない。
なお、本発明のシートベルトのフロントベルトカバーは、チャイルドシート、ベビーカーの他にも、バウンサーのシートベルト、遊戯施設の遊具のシートベルトなどに適用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
また縫製品仕様のため軽量かつクッション性があり、乳幼児にとって肌触りが良く、ストレスが生じるおそれがない。
なお、本発明のシートベルトのフロントベルトカバーは、チャイルドシート、ベビーカーの他にも、バウンサーのシートベルト、遊戯施設の遊具のシートベルトなどに適用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0023】
１ シートベルト
２ シート
３ 背面
４ 肩ベルト
５ 前座面
６ フロントベルト
７ タング
８ フロントバックル
９ 座面カバー
９ａ ベルト孔
１０ シートベルトのフロントベルトカバー
１１ 後座面
２０ カバー本体
２２ パッド
２４ 補強材
３０ 前傾サポート
３２ 作業孔
３４ ベルト挿通孔
１００ フロントベルトカバー
１０２ ベルト孔
１０４ フロントベルト
１０５ カバー本体
１０６ 蓋
１０７ 支持フック
２ シート
３ 背面
４ 肩ベルト
５ 前座面
６ フロントベルト
７ タング
８ フロントバックル
９ 座面カバー
９ａ ベルト孔
１０ シートベルトのフロントベルトカバー
１１ 後座面
２０ カバー本体
２２ パッド
２４ 補強材
３０ 前傾サポート
３２ 作業孔
３４ ベルト挿通孔
１００ フロントベルトカバー
１０２ ベルト孔
１０４ フロントベルト
１０５ カバー本体
１０６ 蓋
１０７ 支持フック
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】