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特開2024-29949ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法
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  • 特開-ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法 図1
  • 特開-ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法 図2
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  • 特開-ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法 図4
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  • 特開-ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029949
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法
(51)【国際特許分類】
   A23N 15/08 20060101AFI20240229BHJP
   B26D 3/26 20060101ALI20240229BHJP
   A23L 19/00 20160101ALN20240229BHJP
【FI】
A23N15/08 B
B26D3/26 605A
B26D3/26 605C
A23L19/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132441
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】521506021
【氏名又は名称】有限会社 関西デーリィ・サポート
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 茂也
【テーマコード(参考)】
4B016
4B061
【Fターム(参考)】
4B016LG09
4B016LP03
4B061AA02
4B061AA08
4B061BA03
4B061BB07
4B061CB07
(57)【要約】
【課題】作業の安全性の確保と、作業者の疲労の軽減とを実現するとともに、形状や大きさの異なるニンニクの盤茎を正確な位置に固定する。
【解決手段】ニンニクの盤茎の除去装置が、ニンニクの盤茎を除去するドリルビットと、ドリルビットと連動して、ニンニクの盤茎の周囲に向かって移動する、ニンニクの固定具と、ニンニクの盤茎をドリルビットの先端の方向に向けて保持する保持具と、を備え、固定具は、弾性変形部を有し、固定具の先端は、ドリルビットの先端よりも先にニンニクに接するように、ニンニクに対してドリルビットの先端よりも前に配置されている。固定具は、弾性変形部を有してもよく、また、先端に、ニンニクの盤茎の周囲と接する弾性変形部を有してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニンニクの盤茎を除去するドリルビットと、
前記ドリルビットの前記ニンニクの盤茎に向かう移動と連動して、前記ニンニクの盤茎の周囲に向かって移動する、前記ニンニクの固定具と、
前記ニンニクの盤茎を前記ドリルビットの先端の方向に向けて保持する保持具と、を備え、
前記固定具は、弾性変形部を有し、
前記固定具の先端は、前記ドリルビットの先端よりも先に前記ニンニクに接するように、前記ニンニクに対して前記ドリルビットの先端よりも前に配置されている、ニンニクの盤茎の除去装置。
【請求項2】
前記固定具は、先端部に、前記ニンニクの盤茎の周囲と接する前記弾性変形部を有する、請求項1記載の除去装置。
【請求項3】
前記弾性変形部は、側面が前記ニンニクに対向するように配置された、樹脂チューブである、請求項2に記載の除去装置であって、
【請求項4】
前記固定具は、前記ドリルビットをボール盤の主軸に取り付けられる円環状部と、前記円環状部と接続される複数の固定アームと、を備えている、請求項1に記載の除去装置。
【請求項5】
前記保持具は、前記ニンニクの花茎が挿入される穴が設けられている、請求項1に記載の除去装置。
【請求項6】
ドリルビットでニンニクの盤茎を除去する除去装置の、ニンニクの盤茎の除去方法であって、
弾性変形部を有し、前記ニンニクを固定する固定具を、前記ドリルビットと連動して、前記ドリルビットの先端の前記ニンニクの盤茎への到達よりも先に、前記ニンニクの盤茎の周囲に到達させ、
前記固定具で前記ニンニクが固定された状態で、前記ドリルビットで前記ニンニクの盤茎を除去する、除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニンニクの盤茎を削る場合、卓上ボール盤のドリルに取り付けたビット(刃)の回転によりニンニクの盤茎を削ることが行われている。この作業時に、ビットの回転によってニンニクが動かないように固定することが求められるが、ニンニクを手で保持するのは安全面から問題がある。
手を用いることなく、ニンニクを保持器で保持するニンニクの茎盤の処理を行う装置として、例えば、特許文献1に記載されたニンニクの茎盤(盤茎)の処理装置がある。
特許文献1には、ニンニクの茎盤の除去装置が、ドリルビットと、ドリルビットを回転させる駆動部と、ニンニクの茎盤の側をドリルビットの方向に向けて保持する保持器と、を備え、保持器が、ニンニクを収める保持枠と、保持枠を固定する枠固定部と、保持枠に収められたニンニクの茎盤の周囲を下方へと押さえ、ニンニクを保持器に対して固定する押さえ部材と、を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-169460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ニンニクは、形状や大きさにバラツキがあり、ニンニクの盤茎をドリルビットの下の位置に正確に固定し、固定された状態でドリルビットによって盤茎の除去することは容易でない。
【0005】
本発明の目的は、作業の安全性の確保と、作業者の疲労の軽減とを実現するとともに、形状や大きさの異なるニンニクの盤茎を正確な位置に固定し、固定された状態でドリルに取り付けたビットによって盤茎の除去が可能な、ニンニクの盤茎の除去装置及び除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る、ニンニクの盤茎の除去装置は、ニンニクの盤茎を除去するドリルビットと、
前記ドリルビットの前記ニンニクの盤茎に向かう移動と連動して、前記ニンニクの盤茎の周囲に向かって移動する、前記ニンニクの固定具と、
前記ニンニクの盤茎を前記ドリルビットの先端の方向に向けて保持する保持具と、を備え、
前記固定具は、弾性変形部を有し、
前記固定具の先端は、前記ドリルビットの先端よりも先に前記ニンニクに接するように、前記ニンニクに対して前記ドリルビットの先端よりも前に配置されている、ニンニクの盤茎の除去装置である。
【0007】
(2) 上記(1)の除去装置において、前記固定具は、先端部に、前記ニンニクの盤茎の周囲と接する前記弾性変形部を有してもよい。
【0008】
(3) 上記(2)の除去装置において、前記弾性変形部は、側面が前記ニンニクに対向するように配置された、樹脂チューブであってもよい。
【0009】
(4) 上記(1)の除去装置において、前記固定具は、前記ドリルビットをボール盤の主軸に取り付けられる円環状部と、前記円環状部と接続される複数の固定アームと、を備えていてもよい。
(5) 上記(1)の除去装置において、前記保持具は、前記ニンニクの花茎が挿入される穴が設けられていてもよい。
【0010】
(6) 本発明に係る、ニンニクの盤茎の除去方法は、ドリルビットでニンニクの盤茎を除去する除去装置の、ニンニクの盤茎の除去方法であって、
弾性変形部を有し、前記ニンニクを固定する固定具を、前記ドリルビットと連動して、前記ドリルビットの先端の前記ニンニクの盤茎への到達よりも先に、前記ニンニクの盤茎の周囲に到達させ、
前記固定具で前記ニンニクが固定された状態で、前記ドリルビットで前記ニンニクの盤茎を除去する、除去方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業の安全性の確保と、作業者の疲労の軽減とを実現するとともに、形状や大きさの異なるニンニクの盤茎を正確な位置に固定し、固定された状態でドリルに取り付けたビットによって盤茎の除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の、ニンニクの盤茎の除去装置の構成を示す斜視図である。
図2】本実施形態の除去装置の固定具の構成を示す斜視図である。
図3】固定具の一つの固定アームの構成を示す分解図である。
図4】3つの固定アームがニンニクに到達する前の除去装置の状態を示す説明図である。
図5】3つの固定アームがニンニクを押圧し、ドリルビットがニンニクの盤茎を除去する除去装置の状態を示す説明図である。
図6】固定アームの他の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の、ニンニクの盤茎の除去装置の構成を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る、ニンニクの盤茎の除去装置10は、図1に示すように、卓上ボール盤20、ニンニクGを固定する固定具30、ドリルビット40、及びニンニクGを保持する保持具50を備えている。卓上ボール盤20の全体構成は、既に知られているので説明を省略し、図1では卓上ボール盤20の構成の一部のみを示している。
ドリルビットとは、ドリルの先端に取り付けて回転させ、対象物に穴を開けるための工具をいい、「ドリル刃」とも呼ばれる。
【0014】
卓上ボール盤20の主軸の回転部分には、ドリルビット40が取り付けられ、ドリルビット40の先端のビットで保持具50に保持されたニンニクGの盤茎Gを削ることができる。
【0015】
ドリルビット40は、先端が下方を向くように卓上ボール盤20の主軸に回転可能に取り付けられる。
【0016】
固定具30は、ドリルビット40のニンニクGの盤茎Gに向かう移動(下降)と連動して移動(下降)するように、卓上ボール盤20の主軸の回転しない部分に取り付けられる。固定具30は、ドリルビット40より先にニンニクGに接し、下降に伴い、後述する円筒状のシリコーンチューブ33A、33B及び33Cが弾性変形してニンニクGを固定し、その状態で、ドリルビット40の先端でニンニクGの盤茎を除去する。固定具30の先端(後述するシリコーンチューブ33A、33B及び33Cの下側側面)は、ドリルビット40の先端よりも先にニンニクGに接するように、ニンニクGに対してドリルビット40の先端よりも前に配置されている。
保持具50は、卓上ボール盤20のテーブル201の上に載せられ、ニンニクの花茎が挿入される穴を有する。保持具50は、ニンニクGの盤茎が上方を向くように(ドリルビットの先端の方向に向くように)ニンニクGを保持する。保持具50は、ニンニクGの盤茎Gを削るときには、固定具30によってニンニクGを介して押されて固定されるので、固定具30がニンニクGを押す前にテーブル201に固定されなくともよいが、テーブル201に固定されても、手で押さえて固定されるようにしてもよい。手で押さえても、ドリルビット40の周囲は固定具30で囲まれるので、安全面に優れる。
テーブル201は、ニンニクGが挿入された保持具50を載せる。
【0017】
固定具30の構成について図1及び図2を用いて更に説明する。
図2は固定具の構成を示す斜視図である。
固定具30は、卓上ボール盤20の主軸に取り付けられる切断円環状部31と、切断円環状部31と接続される3本の固定アーム32A、32B及び32Cとを備えている。
切断円環状部31は、円環が切断され、その2つの端部31A、31Bが外側に突き出している。端部31A、31Bにはタップが立てられており、ボルト311とナット312で端部31A、31B間を締めることで、切断円環状部31の内径が小さくなる。切断円環状部31の内側を卓上ボール盤20の主軸(回転しない部分)に嵌め、ボルト311とナット312とで端部31A、31B間を締めることで、切断円環状部31の内径を小さくして、切断円環状部31を卓上ボール盤20の主軸に取り付けることができる。
切断円環状部31は、周方向の3箇所のそれぞれにナット31C、31D、31Eが溶接等で取り付けられている。
【0018】
3つの固定アーム32A、32B及び32Cは、先端部に、弾性変形部となる円筒状のシリコーンチューブ33A、33B及び33Cをそれぞれ備えている。シリコーンチューブ33A、33B及び33Cは、側面がニンニクGに対向するように配置される。シリコーンチューブは樹脂チューブの一例であり、樹脂チューブの材料はシリコーン以外の材料であってもよい。
3つの固定アーム32A、32B及び32Cの一方の端部は、切断円環状部31のナット31C、31D、31Eに取り付けられ、他方の端部のそれぞれは、円筒状のシリコーンチューブ33A、33B及び33Cの側面に取り付けられている。円筒状のシリコーンチューブ33A、33B及び33Cは弾性変形し、側面が押されると内側に潰れ、押力がなくなると元の形状に戻る。
円筒状のシリコーンチューブ33A、33B及び33Cの側面で、ニンニクGを押圧することで、ニンニクGが固定される。
【0019】
3つの固定アーム32A、32B及び32Cの構成は、同じなので、一例として、固定アーム32Aの構成について以下に説明する。
図3は固定アーム32Aの構成を示す分解図である。
固定アーム32Aは、ボルト321、平座金322、スプリングワッシャー323、ナット324、長ナット325、ナット326、ナット327、スプリングワッシャー328、平座金329、平座金330及びボルト331を備えている。平座金329は、平座金322及び平座金330よりも径が大きい。
ボルト321の先端は、ナット31C、平座金322、スプリングワッシャー323、及びナット324を通して、長ナット325の一端に挿入される。ボルト331の先端は、平座金330を介してシリコーンチューブ33Aの側面に開けられた穴に挿入され、さらに、平座金329、スプリングワッシャー328、ナット327及びナット326を通して、長ナット325の他端に挿入される。
【0020】
ボルト321を締めることで、固定アーム32Aは、ナット31Cを有する切断円環状部31に取り付けられる。ナット327を締めることで、固定アーム32Aのボルト331にシリコーンチューブ33Aが取り付けられる。ナット326を締めることで、シリコーンチューブ33Aが取り付けられたボルト331が長ナット325に取り付けられる。
以上のようにして、固定アーム32Aが切断円環状部31と接続される。同様にして、固定アーム32B及び32Cが切断円環状部31と接続される。
【0021】
ボルト331を長ナット325に入れる長さを変えることで、固定アーム32A、32B及び32Cの長さを変えることができる。固定アーム32A、32B及び32Cの長さを調整することで、シリコーンチューブ33A、33B及び33Cの下側側面と、ドリルビット40の先端との間の距離を変えると、シリコーンチューブ33A、33B及び33Cの潰れる量が変わり、固定アーム32A、32B及び32Cによる押さえ圧の調整ができる。
【0022】
次に、ニンニクの盤茎の除去装置10を用いたニンニクGの盤茎の除去方法について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、固定アーム32A、32B及び32CがニンニクGに到達する前の除去装置10の状態を示す説明図である。図5は、固定アーム32A、32B及び32CがニンニクGを押圧し、ドリルビット40がニンニクGの盤茎Gを除去する除去装置10の状態を示す説明図である。
図4及び図5において、固定アーム32Aは、切断円環状部31に対する取り付け位置が、断面構造の説明のために回転して示されており、固定アーム32Aの取り付け位置は、実際は図2に示すようになっている。
【0023】
まず、作業者は、作業者は、卓上ボール盤20の主軸にドリルビット40と固定具30を取り付ける。
次に、作業者は、ニンニクGを、盤茎Gが上方を向き、花茎が保持具50の穴に挿入されるように保持具50に載せる。そして、作業者は、卓上ボール盤20のテーブル201の上に、ニンニクGを載せた保持具50を置く。
【0024】
次に、作業者は、卓上ボール盤20のスイッチを入れてドリルビット40を回転させ、卓上ボール盤20のハンドルを回すことにより、図4に示すように、ドリルビット40と固定具30とのついた主軸を下げる。主軸が下がっていくと、シリコーンチューブ33A、33B及び33CがニンニクGの盤茎Gの周囲に接する。この時点ではドリルビット40はニンニクGの盤茎Gに触れていない。更に主軸が下がっていくと、図5に示すように、シリコーンチューブ33A、33B及び33Cが潰れてニンニクGの盤茎Gの周囲を押す。ニンニクGは、3点の潰れたシリコーンチューブ33A、33B及び33Cと、保持具50との4箇所で固定される。シリコーンチューブ33A、33B及び33Cが潰れていく過程で、ニンニクGの盤茎Gにドリルビット40が到達し、ドリルビット40は固定された状態のニンニクGの盤茎Gを除去する。
ニンニクGの高さにバラツキがあっても、シリコーンチューブ33A、33B及び33CでニンニクGを固定する位置は卓上ボール盤20のハンドルで調整できるため、盤茎の除去には影響を与えない。また、ニンニクGの幅にバラツキがあっても、固定具30がニンニクGの盤茎の周囲に接する位置がずれるだけでニンニクGを固定する効果は変わらない。よって、ニンニクGの形状や大きさが異なっても正確にニンニクGの盤茎を除去できる。
【0025】
作業者は、卓上ボール盤20のハンドルを逆方向に回すことにより、ドリルビット40と固定具30とのついた主軸が上がる。ドリルビット40の先端がニンニクGから離れ、その後、固定具30の先端部のシリコーンチューブ33A、33B及び33CがニンニクGから離れると、盤茎が除去されたニンニクGが、保持具50に残る。ニンニクGは、固定具30による固定が解かれているので、作業者は、容易にニンニクGを保持具50から取り出すことができ、作業性に優れる。
本実施形態の除去装置10では、ドリルビット40の周囲は固定具30で囲まれるので、作業者が誤ってドリルビット40に触れることを防止でき、安全面に優れる。
作業者は、手でニンニクを固定する必要がないので、作業者の疲労の軽減を実現することができる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態では、作業者が誤ってドリルビット40に触れることを防止でき作業の安全性の確保ができる。作業者は、手でニンニクを固定する必要がないので、作業者の疲労の軽減を実現することができる。また、形状や大きさの異なるニンニクの盤茎を正確な位置に固定し、固定された状態でドリルに取り付けたビットによって盤茎の除去が可能となる。さらに、ドリルビットと固定具30とのついた主軸を上げると、ニンニクは固定具による固定が解かれているので、作業者は、容易にニンニクを保持具から取り出すことができ、作業性に優れる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更等は全て本発明の適用範囲である。
【0028】
例えば、固定具は、切断円環状部に特に限定されず、例えば、切り目のない円環状部を用いてもよい。本実施形態において、円環状部とは、切断円環状部の他に切り目のない円環状部も含まれる。切り目のない円環状部の周囲に複数の貫通穴を開け、卓上ボール盤の主軸の周囲に穴を開け、貫通孔と穴にタップを立る。固定具を複数のボルトを貫通孔と穴に挿入することで、切り目のない円環状部を用いても、固定具を卓上ボール盤の主軸に取り付けることができる。
【0029】
固定アームの数は3つに限定されず、2つ又は4以上の固定アームを用いてもよい。
弾性変形部として用いられる樹脂チューブは、材料はシリコーン樹脂に特に限定されず、熱可塑性エラストマーと呼ばれる、ゴム弾性を有する材料を用いることができ、チューブ形状は円筒形状の他、中に空洞を有する、半月型やかまぼこ型等の形状であってもよい。
【0030】
固定具に弾性変形部を設ける場合、固定具は、先端部に弾性変形部を有しなくもよく、例えば図6に示すように、図3の固定具30の固定アーム32Aの長ナット325~ボルト331と、シリコーンチューブ33Aとを、六角支柱341、コイルバネ342及び固定部材343に置き替えてよい。固定具30の固定アーム32B及び32Cについても同様である。
コイルバネ342は弾性変形部となり、六角支柱341内に配置される。六角支柱341の一方の端部は、タップが立てられて、図3と同様に、平座金322、スプリングワッシャー323、ナット324を介してボルト321が挿入される。六角支柱341の他方の端部は、一方の端部の開口径よりも小さく開口されている。固定部材343は、円筒部343bと、円筒部の側面から延び、先頭が六角支柱341内に残るように径が大きい棒状部343aとを備えている。棒状部343aの先頭が六角支柱341内に残るようにするには、六角支柱341の一方の端部から棒状部343aを挿入して、六角支柱341の他方の端部から棒状部343aの端部が突き出すようにし、その後、棒状部343aの端部と円筒部343bの側面とを接続すればよい。
コイルバネ342は、六角支柱341内の棒状部343aとボルト321との間に配置される。
図6に示す円筒部343bが、ニンニクGに接し、固定アーム32Aが更に下降していくと、コイルバネ342は、図6の上図の伸びた状態から図6の下図の収縮した状態となる。コイルバネ342の収縮により、円筒部343bが、ニンニクGを押圧してニンニクGを固定する。
図6に示した構成では、固定部材343は弾性変形する必要がないので、弾性変形性の乏しいプラスチック、金属等の材料を用いることができる。
【0031】
固定具の固定アームは、一部でなく全体を弾性変形可能な材料から構成してもよい(全体を弾性変形部とする)。例えば、3つの固定アームを3つのJ字状の板バネで構成し、切断円環状部に、先端に向かって広がるように(ラッパ状となるように)、3つのJ字状の板バネの端部を溶接等で接続する。この構成の固定具は、3つのJ字状の板バネが下降すると、3つのJ字状の板バネの先端がニンニクGを押圧して、ニンニクGが固定される。
【符号の説明】
【0032】
10 ニンニクの盤茎の除去装置
20 卓上ボール盤
30 固定具
31 切断円環状部
32A、32B、32C 固定アーム
33A、33B、33C シリコーンチューブ
40 ドリルビット
50 保持具
201 テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6