(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029968
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】注水合流部材、注水合流部材を有するサイフォン送水装置を使用した送水工法
(51)【国際特許分類】
E02B 7/18 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
E02B7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132470
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】391028155
【氏名又は名称】株式会社山辰組
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 和三
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 健
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 剛
(57)【要約】 (修正有)
【課題】細長い浮遊物の端部が注水合流部材内を形成する凹凸形状に引っ掛かり、その引っ掛かった浮遊物に後続の浮遊物が重なるように引っ掛かることで通水断面を塞ぐことを防止することで、流れて来る水が注水合流部材内で遮断されることを防止することができる注水合流部材を提供する。
【解決手段】高水位域にある貯留部の水を低地域に移動させるサイフォン送水装置200に使用される注水合流部材30において、注水合流部材30は、サイフォン吸水管11と接続される直線状のサイフォン主管部材31と、サイフォン主管部材31の側面に形成された開口部に合流して設けられ、上流側端部で逆流防止装置又は送水機器接続管と接続される送水機器側方管部材32とを備え、合流部には、送水機器注水用側方管部材32からの水の流れと、サイフォン主管部材31からの水の流れを切換える切換弁が蝶番を介して設けられていることから構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高水位域にある貯留部の水又は、水及び土砂を前記高水位域より低所に位置する低地域に移動させるサイフォン送水装置に使用される注水合流部材において、
前記注水合流部材は、上流側開口部でサイフォン吸水管と下流側開口部で空気吸入部を有するサイフォン排水管に接続される直線状のサイフォン主管部材と、前記サイフォン主管部材の側面に設けた合流用の開口部に設けられ、上流側で送水機器接続管又は逆流防止装置と接続される送水機器注水用側方管部材とを備え、全体形状がカタカナの略トの字形状を形成してなることを特徴とする注水合流部材。
【請求項2】
前記サイフォン主管部材の側面に設けた開口部と前記送水機器注水用側方管部材との合流部には、前記送水機器注水用側方管部材からの水の流れと、前記サイフォン主管部材からの水の流れを切り換える切換弁が蝶番を介して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の注水合流部材。
【請求項3】
前記切換弁は、前記サイフォン主管部材の側面に前記開口部を設ける際に切り欠かれた合流部切欠片を使用してなることを特徴とする請求項2に記載の注水合流部材。
【請求項4】
前記注水合流部材のサイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材により二股状を形成する一方のサイフォン主管部材の上流側開口部に開閉装置を設け、他方の送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に開閉装置又は逆流防止装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の注水合流部材。
【請求項5】
前記送水機器注水用側方管部材は、屈曲して形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の注水合流部材。
【請求項6】
前記送水機器注水用側方管部材は、直線形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の注水合流部材。
【請求項7】
前記送水機器接続管又は前記逆流防止装置と接続される前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部と、前記サイフォン吸水管と接続される前記サイフォン主管部材の上流側開口部とは、開口部が同一方向を向いて平行に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の注水合流部材。
【請求項8】
前記送水機器接続管又は前記逆流防止装置と接続される前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部は、楕円形に形成されてなり、前記開口部に円形の開口部を有する逆流防止装置の接続金具が接続されていることを特徴とする請求項7に記載の注水合流部材。
【請求項9】
請求項8に記載の注水合流部材と、
前記注水合流部材の前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続管を介して送水機器の吐出部と接続してなることを特徴とする注水合流部材。
【請求項10】
請求項1に記載の前記注水合流部材を使用したサイフォン送水装置を使用することを特徴とするサイフォン送水方法。
【請求項11】
請求項2、請求項3、請求項7から請求項9に記載のいずれか1項に記載の注水合流部材の前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続管を介して送水機器の吐出部と接続してなるサイフォン送水装置を使用することを特徴とするサイフォン送水方法。
【請求項12】
請求項5に記載の注水合流部材の前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続管を介して送水機器の吐出部と接続してなるサイフォン送水装置を使用することを特徴とするサイフォン送水方法。
【請求項13】
請求項6に記載の注水合流部材の前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続管を介して送水機器の吐出部と接続してなるサイフォン送水装置を使用することを特徴とするサイフォン送水方法。
【請求項14】
請求項4に記載の前記注水合流部材のサイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材により二股状を形成する一方のサイフォン主管部材の上流側開口部に開閉装置を設け、他方の送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に開閉装置又は逆流防止装置を設けて、サイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材の合流部に設ける流れの方向を切り替える切換弁を省略した注水合流部材を使用したサイフォン送水装置を使用することを特徴とするサイフォン送水方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高水位域にある貯留部の水を高水位域より低所に位置する低地域に送水するサイフォン送水装置に使用される注水合流部材を有するサイフォン送水装置を使用した送水工法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイフォン送水装置は、高水位域にある貯留部と低地域との間に管部材が架設されて、サイフォン作用によって高水位域にある貯留部の水を低地域に送水するためのものである。本発明者は、サイフォン作用を起動し稼働させる部材の一つして、注水合流部材を提案している(特許文献1)。注水合流部材は、サイフォンを稼働する管部材の一部に接続されており、注水部、吸水部及び送水部で略Y字状に形成され、Y字状の二股の2本を形成する側を貯留部のある上流方向に向けて設置し、二股の一方には先端に送水機器に接続した管部材である送水機器接続管を直接又は逆流防止装置を介して接続し、二股の他方は、貯留部にフロートを設けて設置され、サイフォンによる送水作業を行う際にサイフォン吸水を行うサイフォン吸水口を先端に備えたサイフォン吸水用管部材を接続する。注水合流部材のY字状の1本を形成する側は、下流側に向けて配置され、接続する下流端が吐出口となるサイフォン送水管へ注水作業を行う際に用いられる。注水部と吸水部との二股の合流点の内側には、送水機器の流れとサイフォン流れの方向を切り換える切換弁を備えている。
【0003】
以上のようなサイフォン送水装置は、まず、サイフォン吸水口を高水位域にある貯留部に配置し、吐出口が低地域に配置されるように管部材を設置し、管部材の全延長の内に注水部を有する注水合流部材を配置し、注水部に逆流防止装置と送水機器接続管の両方又は何れか1つを介して送水器機と接続する。そして、管部材に接続された注水合流部材の注水部へ水を送水機器により注水すると、注水合流部材を経由して下流側に勢いよく注水される。つまり低地域側に勢いよく流下する。この状態をしばらく続けると、少なくとも注水合流部材より低地域側の管部材は、吐出口から水が排出されつつも、管部材内は流れた状態のまま満水状態が維持される。この状態になったら、送水機器による管部材への水の注水を停止する。水の注水が止まっても下流側となる低地域の吐出口からは引き続き水が地球の引力に引かれて放出されるため、管部材内の満水状態の水が下流側へ流れる作用が働く。この下流側へ流れる作用により、サイフォン吸水用の管部材内の空気が注水合流部材を経由して下流側吐出し口から放出される現象とともに高水位域のサイフォン吸水口から貯留部の水がサイフォン吸水管部材内へ吸い込まれ、高水位域の貯留部の水と低地域に敷設された管部材の吐出口との間の管部材内が満水状態で繋がり完全にサイフォン作用の稼働状態が維持されることになる。
【0004】
こうして使用される従来の注水合流部材300は、
図11に示すように、切換弁310の先端が、完全に通水断面の外側に収まるように、凹部311が設けてあった。サイフォン送水装置400は、サイフォン送水の起動後には長時間にわたって、サイフォン吸水作業が続くことを前提として、サイフォン吸水口には防塵用に網目の細かいカゴが取り付けてある。このカゴの網目は、サイフォン送水用の管部材の口径の3分の1以下の大きさのカゴを使用されているため、この網目を通過した浮遊物、例えば落ち葉などは網目を通って管部材内をそのまま下流端の吐出口から吐出されるため想定通り何も問題なかった。しかし、
図10Bに示すように、このカゴの網目の大きさより細くて、管部材の通水断面の幅より長い枝314などの切れ端の浮遊物がこの網目を縦方向の向きで通過する場合がある。これがホース内の乱流により向きを変えながら流下するときに、注水合流部材300の切換弁310の先端の収納用に設けた凹部311内に、細長い浮遊物の片方の端部が付き刺さるように引っ掛かると、浮遊物の他方の端部がもう一方の凹部311に引っ掛かって止まる。こうなると、細長い浮遊物は水の勢いでその場に押し付けられて固定されることとなる。
【0005】
そこへ、管部材の口径より小さな落ち葉などが吸い込まれて流れて来るため、凹部311に固定された細長い浮遊物に引っ掛かる現象が次々発生して、やがて
図10Cに示すように、通水断面を完全に塞いでしまうこととなる。通水断面が完全に閉じることとなるため、サイフォン吸水された水が流下しなくなると、注水合流部材300から下流側の管部材内の水は位置エネルギーにより下流方向へ流下しようとするが、流れて来る水が注水合流部材300内で遮断されているため、管部材内の負圧が極端に大きくなるため、注水合流部材の直下流部付近の管部材が潰れることとなり、併せてサイフォン送水作業も停止することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、細長い浮遊物の片方の端部が付き刺さるように引っ掛かることを防止し、流れて来る水が注水合流部材300内で遮断されることを防止することができる注水合流部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかる注水合流部材は、
高水位域にある貯留部の水又は、水及び土砂を前記高水位域より低所に位置する低地域に移動させるサイフォン送水装置に使用される注水合流部材において、
前記注水合流部材は、上流側開口部でサイフォン吸水管と下流側開口部で空気吸入部を有するサイフォン排水管に接続される直線状のサイフォン主管部材と、前記サイフォン主管部材の側面に設けた合流用の開口部に設けられ、上流側で送水機器接続管又は逆流防止装置と接続される送水機器注水用側方管部材とを備え、全体形状がカタカナの略トの字形状を形成してなることを特徴とする。
【0009】
従来の略Y字状の注水合流部材のサイフォン側通水部の形状は直線形状ではなく屈曲形状であったため、その内側には凹凸構造が形成されていた。そのため管部材10内で浮遊物が凹凸部分311に引っ掛かるのが重なって通水部分を閉ざすこととなったが、略トの字状として合流部に凹凸構造をなくすためサイフォン吸水側の管の形状を直線状として浮遊物が引っ掛かる凹凸構造をなくした。これにより浮遊物が重なった塊となって通水部を塞いでサイフォン送水作業が停止したり、塊となった閉塞部の下流側のサイフォンホースが負圧により潰れたりするなどの現象を低減することができる。
【0010】
また、本発明にかかる注水合流部材において、前記サイフォン主管部材の側面に設けた開口部と前記送水機器注水用側方管部材との合流部には、前記送水機器注水用側方管部材からの水の流れと、前記サイフォン主管部材からの水の流れを切り換える切換弁が蝶番を介して設けられていることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記切換弁は、サイフォン主管部材の側面に開口部を設ける際に切り欠かれた合流部切欠片を使用してなることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
サイフォン主管部材の合流部を切欠いた際に発生する合流部切欠片は、当然、サイフォン主管部材の側面の合流部の開口部の形状とほぼ一致するため、これを合流部の切換弁として蝶番を介して合流部に取り付けることによって、適切な大きさの切換弁とすることができる。
【0013】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記注水合流部材のサイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材により二股状を形成する一方のサイフォン主管部材の上流側開口部に開閉装置を設け、他方の送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に開閉装置又は逆流防止装置を設けたことを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、サイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材の合流部に設ける流れの方向を切り替える切換弁を省略することを可能にすることができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記送水機器注水用側方管部材は、屈曲して形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
送水機器注水用側方管部材を屈曲して設けることによって、サイフォン主管部材に接続されるサイフォン吸水管と、送水機器注水用側方管部材に接続される注水機器接続管又は逆流防止装置との角度が鋭角になり、より狭い範囲に注水合流部材を設置することができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記送水機器注水用側方管部材は、直線形状であることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
かかる直線状の管を使用することによって、送水機器注水用側方管部材の途中で角度を設ける加工費が必要なく、より安価にかつ容易に注水合流部材を作製することができる。
【0019】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記送水機器接続管又は前記逆流防止装置と接続される前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部と、前記サイフォン吸水管と接続される前記サイフォン主管部材の上流側開口部とは、開口部が同一方向を向いて平行に形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0020】
第1開口部側のフランジと第2開口部側とのフランジを並列させて、送水機器接続管と、サイフォン吸水管を並べて連接できる構造とすることで、よりコンパクトに送水機器接続管と、サイフォン吸水管を配置することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかる注水合流部材において、前記送水機器接続管又は前記逆流防止装置と接続される前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部は、楕円形に形成されてなり、前記開口部に円形の開口部を有する逆流防止装置の接続金具が接続されていることを特徴とするものであってもよい。
【0022】
円形の開口部の円心と、送水機器接続管側となる送水機器注水用側方管部材の端部を斜めに切断したため切り口が楕円形状となった送水機器注水用側方管部材の上流部端部の開口部の円心と送水機器接続管の円心同士を合わせた状態でフランジ部材と送水機器注水用側方管部材の上流部端部の開口部とを接続固定することで、特注の開口部を有するフランジ部材を製作しなくても相互のフランジの円形開口部の円心を揃えて接続することで、送水機器接続管から送水機器注水用側方管部材への水の流れがスムーズに行えることになる。
【0023】
また、注水合流部材と、
前記注水合流部材の前記送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に直接又は短い送水機器接続管を介して送水機器の吐出部と接続してなるサイフォン送水装置を提供する。
【0024】
注水合流部材の送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に、直接送水機器の吐出部を接続することで、送水機器接続管が不要になったり、又は送水機器の吐出部と送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に短い送水機器接続管を介して接続する場合は使用する送水機器接続管を使用する長さが極端に短くなるため、資材にかかる費用を軽減する効果を有する。また、貯留部の水深が送水機器や注水合流部材を浸漬けするほど深い場合は、送水機器と共に注水合流部材も水中に浸漬けされることとなるため、注水合流部材の製作に当り溶接個所の気密性が不完全であった場合でも、水中に浸漬けされているためその空隙部から空気を吸うことはなく、水を吸いこむためサイフォン作用には全く影響が生ずることはなくサイフォン作用を続けることができることとなる効果を有する。
【0025】
さらに、前記注水合流部材のサイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材により二股状を形成する一方のサイフォン主管部材の上流側開口部に開閉装置を設け、他方の送水機器注水用側方管部材の上流側開口部に開閉装置又は逆流防止装置を設けてサイフォン主管部材と送水機器注水用側方管部材の合流部に設ける流れの方向を切り替える切換弁を省略する注水合流部材を提供する。
【0026】
さらに、上述した注水合流部材を使用したサイフォン送水装置及びこれらを使用したサイフォン送水方法をも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる注水合流部材30を使用したサイフォン送水装置200の構成の概略を示す側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかる注水合流部材30を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかる注水合流部材30を作製する方法の1例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態にかかる注水合流部材30を説明するための説明図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態にかかる注水合流部材30の別実施形態を説明するための説明図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態にかかる注水合流部材30の別実施形態の作製方法を説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態にかかる注水合流部材30の切換弁35を説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態にかかる注水合流部材30の別実施形態を説明するための説明図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態における、注水合流部材30の送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に直接又は送水機器接続管12を介して送水機器20の吐出部20aとを接続する内容を説明する説明図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態における、注水合流部材30の二股側の一方に開閉装置、他方に開閉装置又は逆流防止装置を備えた注水合流部材の内容を説明する説明図である。
【
図11】
図11は、従来のサイフォン送水装置400を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
まず、はじめに本発明にかかる注水合流部材30が設けられるサイフォン送水装置200の例について説明する。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200が、
図1に示されている。
図1は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200の構成の概略を示す図である。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200は、主として、水を吸水するサイフォン吸水管11と、サイフォン送水装置200を起動するための水中ポンプ等の送水機器20と接続された送水機器接続管12又は逆流防止装置24と、サイフォン吸水された水を排水するための空気吸入部14を有するサイフォン排水管13からなる管部材10と、水中ポンプ等の送水機器20と、を備えている。
【0029】
サイフォン送水作業に使用される管部材10は、容易に断面形状が変形することがない硬質のホース又は管材(以下ホースと記す)が使用される。硬質な素材を使用したホースの例としては、一般的にいわれるサクションホース、硬質ポリエチレンや塩化ビニール等のホース、鋼管などが挙げられる。サイフォン吸水管11は、上流域又は高水域であるプール、池、沼、河、ダム等の貯留部90に配置されており、先端のサイフォン吸水口11aには、ゴミ除けかご15が設けられている。また、サイフォン吸水口11aは、貯留部90の中位に配置されるようにフロート16が取り付けられている。送水機器接続管12は、先端に送水機器20が配置されており、発電機22によって、送水機器20のオン/オフを行うことができる。注水合流部材30と送水機器接続管12との間には、ポンプ側への逆流防止装置24が設けられている。ポンプ側への逆流防止装置24は、軟質の素材で作成されたホースからなり、電力による強制的な送水機器20からの送水がオフになり、管頂部から下流側のサイフォン排水管13内の水が位置エネルギー(重力)により下流側先端の吐出口13aの方向へ流下する際にサイフォン吸水管11内の空気を下流側に引き込んで流れるため、サイフォン吸水管11の上流端部のサイフォン吸水口11aから貯留部の水がサイフォン吸水管11内へ吸い込まれる。注水合流部材30内を通過する際に逆流防止装置24内が閉塞されておらず空洞状態であると送水機器20側へ水が回り込むと水は送水機器を通過して貯留部へ戻ることとなる。この現象を防止するためサイフォン排水管内への注水作業を停止すると、送水機器接続管内12と逆流防止装置24内の水が重力により貯留部へ戻るため、軟質の素材で作成された逆流防止装置24のホース材が閉塞して通水を遮断することとなり逆流を防止する効果を表す。逆流防止装置内の負圧及び外部の大気圧によって逆流防止装置のホース材が閉塞することによって、サイフォンによる流水が注水合流部材内へ差し掛かってもポンプ方向(貯留部)へ逆流することを防止する。サイフォン排水管13の吐出口13aはサイフォン作用を発揮することができるように、貯留部90の水位90aより低い位置に設置されている。吐出口13aには、流量を調節するための流量調節装置13b及び空気が管部材10内に逆流することを防止するため、吐出口を吐出し口の直上流の管部材より高く設置して空気の逆流を防ぐ吐出口空気の逆流防止装置13cが設けられている。
【0030】
注水合流部材30は、
図2に示すように、サイフォン吸水管11と接続する第1開口部37、送水機器接続管12又は逆流防止装置24と接続する第2開口部38、及び空気吸入部14を有するサイフォン排水管13と接続する第3開口部39とを備えている。注水合流部材30は、第1開口部37と第2開口部38の水路が鋭角に合流するようなアルファベットの略Y字状又はカタカナの略トの字状に形成されている。注水合流部材30のそれぞれの開口部(37~39)の端部は接続機能があるフランジを備えており、従来からある管部材10のフランジと容易かつ堅固に接続することができる。
【0031】
逆流防止装置24はサイフォン送水作業を起動する際に重要な役割を果たす。素材としては柔軟性のあるサニーホース状の材質のホースを使用し製作される。その両端部に接続部材を装着して注水合流部材30や送水機器接続管12と接続される。送水機器接続管12と接続された送水機器20を使用して逆流防止部材24と注水合流部材30を介してサイフォン排水管13内へ注水作業を行う。サイフォン排水管13内が満水状態で流れるようになったら送水機器20を停止して送水作業を停止する。送水機器20からの流れを停止すると柔軟性のある素材で構成されている逆流防止装置24内の水は送水機器接続管12内の水と共に上流側の貯留部へ流下しようとするため逆流防止装置24内が負圧となるのと併せて大気圧に押されて閉塞することとなる。この作用により、送水機器20から注水された水がサイフォン排水管13の管頂部から下流側に位置するサイフォン排水管13内の水が位置エネルギーにより下流側の吐出し口に向かって流下する。この流れが上流部のサイフォン吸水口11aから貯留部の水をサイフォン吸水管11内へ吸水する作用を働かせることとなる。この作用が働く際に吸水合流部材30に流れ込んだ水が他方側に接続されている逆流防止装置24の方向へ水が流れると水は貯留部に戻ることとなるので、これを防ぐために開発されたのが逆流防止装置24である。これによりサイフォン吸水された水が注水合流部材30内で逆流防止装置24の方向へ向きを変えて流れることなく、下流方向の吐出し口13aの方向へ流れることができることとなった。
【0032】
注水合流部材30は、
図3に示すように、直管形状のサイフォン主管部材31の側面に送水機器注水用側方管部材32を合流させて取り付けた構造になっている。この送水機器注水用側方管部材32は、直管形状のサイフォン主管部材31の側面に合流部を設けるために切り欠いた際に発生する合流部切欠片33を送水機器注水用側方管部材32との合流部に蝶番等によってサイフォン主管部材31の側面の開口部を開閉可能に取り付けるとよい。サイフォン主管部材31の合流部を切欠いた際に発生する合流部切欠片33は、当然、サイフォン主管部材31の側面に合流部の開口部の形状とほぼ一致するため、これを合流部の切換弁35として蝶番34を介して合流部に取り付けることによって、合流部の開口の形状に合致する適切な大きさの切換弁35とすることができる。なお、切換弁35としては、直管を切り抜いた断片の再利用ではなく、新たに加工したものでも良い。
【0033】
このように蝶番34を介して湾曲形状の切換弁35を備えた送水機器注水用側方管部材32は、サイフォン主管部材31の合流部に向き合わせて溶接などにより固定して一体化する。
【0034】
こうして作製された注水合流部材30は、サイフォン送水装置200で以下のように機能する。水中ポンプ等による送水機器20による注水作業により送られてきた水が、送水機器接続管12及び逆流防止装置24を介して送水機器注水用側方管部材32に流れてきたとき、送水力により湾曲した切換弁35がサイフォン吸水側の内部側に開く。これにより、合流部の通水断面を送水機器接続管12及び逆流防止装置24の断面と同等に広げて確保することができるため、送水機器接続管12の断面に応じた送水量を確保できる。
【0035】
その後、送水機器20の流れを停止させると、送水機器接続管12からの流れがサイフォン吸水管11からの流れに切り替わると、
図2の矢印に示すように、切換弁35がサイフォンの流れの水流に押されて合流部の送水機器注水用側方管部材32側の開口を塞ぐこととなる。このように切換弁35が送水機器注水用側方管部材32の合流部の内部に押されて収まると、サイフォン吸水管11から吸水された水とともに流入してきた浮遊物が引っ掛かる原因となる凹凸部形状がなくなることに加え、流れが直線状になるので、浮遊物はサイフォン吸水管11のサイフォン吸水口11aから流入し、サイフォン主管部材31の内面部に引っ掛かることなく通過し、サイフォン管部材10内を押し流されて、やがて下流端の吐出し口13aから吐出されることとなる。
【0036】
従来の注水合流部材のサイフォン側通水部内には、凹凸構造が形成されているため、管部材10内で浮遊物が凹凸部分に引っ掛かるのが重なって通水断面部分を閉ざすこととなったが、凹凸構造をなくし、流れを直線状とすることで、浮遊物が重なった塊となって通水断面部を塞いでサイフォン送水作業が停止したり、塊となった閉塞部の下流側のサイフォン管部材が負圧により潰れたりする現象を低減することができる。
【0037】
図4に示すように、注水合流部材30の逆流防止装置24側とサイフォン吸水管11側の上流側端部に備えてあるそれぞれのフランジによる角度α°を構成していることは、接続する管部材10の並びに関する影響があるが、このサイフォン送水装置200の大きな特長である送水機器20による送水とサイフォン吸水の切替え機能とは直接の関係はないため、この切換え機能についての説明をする。
図2に示すように、逆流防止装置24側から注水された水の流れがサイフォンの管部材10全体に行きわたって水が流れる状況となるのを見計らって送水機器20による注水を停止すると、サイフォン吸水管11の上流部にあるサイフォンの吸水口11aからサイフォン作用により吸水作業が開始する。この吸水された水により、注水合流部材30に設けた切換弁35が送水機器注水用側方管部材32の開口部側に押し付けられて、開口部を完全に塞ぐ効果を発揮することとなる。この現象によりサイフォンの吸水口11aからサイフォン作用で吸水されてきた水が注水合流部材30の直管形状のサイフォン主管部材31内を通過して下流側のサイフォン排水管13内に流れて行くこととなり、下流端の吐出口13aから吐出されることとなる。ちなみに、サイフォン送水作業を停止する場合は
図1に示す空気吸入部14の開閉弁を開くことでサイフォン排水管内へ空気を吸入させることでサイフォン作用を停止することができる。
【0038】
なお、サイフォン主管部材31の直管に送水機器注水用側方管部材32を合流させて一体化する際に、
図4のように、送水機器注水用側方管部材32の途中に屈曲角として角度β°が設けてある場合、一般的に送水機器注水用側方管部材32に逆流防止装置24に対して90°の角度でフランジを備えているので、同じくサイフォン吸水管11に設けたフランジとはα°の角度が発生することとなる。この現象をなくすには、β角度を90°にすることで解決できるが、管部材10内での水の流れに対して90°の角度に折れて流れるのは流れに抵抗を与えることとなり、管部材10内の流速の大幅な減速現象を起こさせることとなるので好ましくない。そこで、
図1及び
図4に示すように、逆流防止装置24側とサイフォン吸水管11の上流側端部に備えてあるそれぞれのフランジによる角度がα°の角度を構成している。このような場合はサイフォン主管部材31のサイフォン吸水口11a側に接続したサイフォン吸水管11はサイフォン吸水口11a側の直管と同じ方向の延長線上に設置できるが、送水機器接続管12の上流側端部に接続した管部材10は、サイフォン吸水管11とはα°の角度で開いて設置され設置場所が広く必要となる。このような場合、送水機器注水用側方管部材32の途中でβ°を設ける加工費が余分に必要となるので製造コストが上昇することとなる。
【0039】
そこで、
図5に示す注水合流部材30の送水機器注水用側方管部材32のように、直管構造としてもよい。併せて第1開口部37側のフランジと第2開口部38側のフランジとを並列させて、逆流防止装置24と、サイフォン吸水管11を並べて連接できる構造としてもよい。
【0040】
図5に示すように、第2開口部38側に固定したフランジは規格に沿った汎用品を使用することができる。送水機器注水用側方管部材32の上流側端部は、斜めに切揃えてあるため楕円形状の開口部32aとなり、逆流防止装置24の横断面が円形の開口部24aとなっている。
【0041】
図6に示すように、直線状のサイフォン主管部材31の側面に、送水機器注水用側方管部材32を合流させる構造とする。サイフォン主管部材31の側面に配置される送水機器注水用側方管部材32の開口部(合流部)の形状となる幅、長さの楕円形となる開口部を設けることとなる。その合流部切欠片33は、
図7に示すように、送水機器注水用側方管部材32の開口部の形状であるため、楕円形の切換弁35として利用することができる。合流部切欠片33の端部には蝶番を介して送水機器注水用側方管部材32の開口部(合流部)に取り付けて切換弁35として使用する。
【0042】
切換弁35は、横断面は当然、サイフォン主管部材31と同じように湾曲した形状となっている。これによりサイフォン吸水時には切換分がサイフォン吸水管の内部壁の一部となって通水断面を形成することとなる。
【0043】
図8Aは、注水合流部材30の第1開口部37と第2開口部38にフランジを備えたサイフォン吸水管11、逆流防止装置24又は送水機器接続管12など管部材10を接続した状況を表す断面図である。切換弁35の端部には蝶番34を取り付けて、直線状のサイフォン主管部材31と送水機器注水用側方管部材32の合流部に取り付けて直管状のサイフォン主管部材31と送水機器注水用側方管部材32の合流部の流れの方向を切換る作業をおこなう切換弁35として使用する。
【0044】
図8Bは
図8Aの拡大図であり、B-B断面図、C-C断面図、D-D断面図は
図8Bの各横断の断面図を表す。
図8Cは、
図8BのC-C断面図の拡大図である。第1開口部37及び第2開口部38に接続した汎用品のフランジ部材には、第2開口部38の断面と同じ大きさの円形の開口部12bを有しており、この円形の開口部12bの円心と、送水機器注水用側方管部材32の端部を斜めに切断したため切り口が楕円形状となった送水機器注水用側方管部材32の上流部端部の開口部12aの円心とを、円心同士を合わせた状態でフランジ部材と送水機器注水用側方管部材32の上流部端部の開口部12aとを溶接等で固定することで、特注の開口部を有するフランジ部材を製作しなくても相互のフランジの円形開口部の円心を揃えて接続することで、フランジ部に備えられたボルト用孔の位置は双方が同じ場所に設けてあるため接続を容易にすることができるため、送水機器接続管12から送水機器注水用側方管部材32への水の流れがスムーズに行えることになる。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるサイフォン送水装置200の一部を構成する注水合流部材30の接続例が
図9に示されている。第2実施形態にかかるサイフォン送水装置200の一部を構成する注水合流部材30は、水中ポンプ等の送水機器20に直接、又は送水機器接続管を介して接続してなり、送水機器20と一緒に水中に設置してなる点が第1実施形態を異なる。これ以外は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
送水機器20の吐出部20aに直接に注水合流部材30を接続するか、
図9Aに示すように、短い送水機器接続管12を送水機器20の吐出部20aに取り付けた後、注水合流部材30が取り付けられる。このように、注水合流部材30の送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に直接送水機器20の吐出部20aと接続することで送水機器接続管12が不要になったり、又は送水機器20の吐出部20aと送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に短い送水機器接続管12を介して接続する場合は使用する送水機器接続管12の長さが極端に短くなるため資材にかかる費用を軽減する効果を有する。また、貯留部の水深が送水機器20や注水合流部材30を浸漬けする深さの場合は、送水機器20と共に水中に浸漬けされることとなるため、注水合流部材30の製作に当り溶接個所の気密性が完全でなく製作した場合でも水中に浸漬けされているため、溶接の空隙部から空気を吸うのではなく水を吸い込むためサイフォン作用には全く影響が生ずることはなくサイフォン作用を続けることができることとなる効果を有する。なお、送水機器20と注水合流部材30の一部又は全部が水中に浸漬されている場合で、かつ送水機器20と送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部との間に逆流防止装置24が構成されていない場合において、サイフォン起動時に送水機器20から注水後に送水作業を停止してサイフォン送水作業に切り替わるが、その後も送水機器20からサイフォン作用による吸水作業が並行して作用することとなる。ただし送水機器20の吸水部の細かな吸水ストレーナ(孔)構造20bや内部のモーター構造により通水断面積が狭小であるためサイフォン吸水量は少量となる。サイフォン作用による吸水及び送水作業量の殆どがサイフォン吸水口11aから吸水された水が注水合流部材30の直線状のサイフォン主幹部材31側を通過してサイフォン排水管13に至り下流側へ流れて吐出口13aから吐出されサイフォン送水作業を行うこととなる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態にかかる注水合流部材が
図10に図示されている。第3実施形態にかかる注水合流部材30が、
図10に示すように、直管形状のサイフォン主管部材31の側面に送水機器注水用側方管部材32を合流させて取り付けた構造になっている点は、第1実施形態と同様である。第3実施形態にかかる注水合流部材30は、二股状を形成するサイフォン主管部材31と送水機器注水用側方管部材32の一方のサイフォン主管部材31の上流側開口部に開閉装置40を設けたサイフォン吸水側と、他方の送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に開閉装置40(
図10A及び
図10B)又は逆流防止装置24(
図10C及び
図10D)を設けてある送水機器注水側により構成されて成り、他方の送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に開閉装置40を設けた場合には、
図10A及び
図10Bに示すように、サイフォン起動時には、まず送水機器注水側の開閉装置40を開き、サイフォン吸水側の開閉装置40を閉じておき、送水機器20からの水を注水する。低地域側からの排水が確認されたら、送水機器注水側の開閉装置40を閉じ、サイフォン吸水側の開閉装置40を開くことでサイフォンによる送水が起動する。一方、他方の送水機器注水用側方管部材32の上流側開口部に逆流防止装置24を設けた場合には、
図10C及び
図10Dに示すように、サイフォン起動時には、まずサイフォン吸水側の開閉装置40を閉じておき、送水機器注水側から送水機器20の水を注水する。低地域側からの排水が確認されたら、サイフォン吸水側の開閉装置40を開くことで逆流防止装置24のホースが閉塞する。これにより、サイフォンによる送水が起動する。このように、第3実施形態によれば、
図2~
図7に示すサイフォン主管部材31と送水機器注水用側方管部材22の合流部に設ける流れの方向を切り替える切換弁35(33)を備えることを省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上述した実施の形態で示すように、河川、湖沼、土砂ダムや氷河湖等の貯留部の水を安全に安価に効率よく排水する装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
10…管部材、11…サイフォン吸水管、11a…サイフォン吸水口、12…送水機器接続管、12a、12b…開口部、13…サイフォン排水管、13a…吐出口、13b…流量調節装置、13c…吐出口空気の逆流防止装置、14…空気吸入部、15…かご、16…フロート、20…送水機器、20a…吐出部、20b…吸水ストレーナ(孔)構造、22…発電機、24…逆流防止装置、24a…開口部、30…注水合流部材、31…サイフォン主管部材、32…送水機器注水用側方管部材、32a…楕円形状の開口部、33…合流部切欠片、34…蝶番、35…切換弁、37…第1開口部、38…第2開口部、39…第3開口部、40…開閉装置、90…貯留部、90a…水位、200…サイフォン送水装置、300…従来の注水合流部材、400…従来のサイフォン送水装置