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<図1>
  • 特開-容器収容部材、及び冷蔵庫 図1
  • 特開-容器収容部材、及び冷蔵庫 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029980
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】容器収容部材、及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/04 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
F25D23/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132489
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】武下 正憲
(57)【要約】
【課題】部品点数の増加を抑制しつつ使い勝手の向上を図った容器収容部材、及び冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫内に貯蔵物を収容するための収容空間を形成する収容部に着脱可能に取付けられ容器を収容する容器収容部材であって、収容部に取付けられる取付部と、取付部に着脱可能に設けられ、取付部が収容部に取付けられた状態で収容空間を仕切る仕切部と、取付部と仕切部とを互いに接続する部分のいずれか一方に設けられ、一方に対して他方を相対的に回転可能に保持する被接続部と、取付部と仕切部とを互いに接続する部分の他方に設けられ、被接続部に保持される接続部と、を備え、被接続部は、接続部を回転可能に保持する部分の一部において接続部の回転方向に沿って開口して形成された被係合部を有し、接続部は、被係合部内に設けられて、接続部の回転方向において被係合部よりも小さい係合部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫内に貯蔵物を収容するための収容空間を形成する収容部に着脱可能に取付けられ容器を収容する容器収容部材であって、
前記収容部に取付けられる取付部と、
前記取付部に着脱可能に設けられ、前記取付部が前記収容部に取付けられた状態で前記収容空間を仕切る仕切部と、
前記取付部と前記仕切部とを互いに接続する部分のいずれか一方に設けられ、前記一方に対して他方を相対的に回転可能に保持する被接続部と、
前記取付部と前記仕切部とを互いに接続する部分の前記他方に設けられ、前記被接続部に保持される接続部と、を備え、
前記被接続部は、前記接続部を回転可能に保持する部分の一部において前記接続部の回転方向に沿って開口して形成された被係合部を有し、
前記接続部は、前記被係合部内に設けられて、前記接続部の回転方向において前記被係合部よりも小さい係合部を有する、
容器収容部材。
【請求項2】
前記仕切部は、前記容器を収容する開口部が形成された仕切部本体を有し、
前記仕切部本体は、前記開口部を複数に区画する区画部を有する、
請求項1に記載の容器収容部材。
【請求項3】
前記仕切部に設けられる前記接続部又は前記被接続部の中心軸は、前記仕切部本体の中心軸と一致している、
請求項2に記載の容器収容部材。
【請求項4】
前記仕切部本体は、前記被係合部内における前記係合部の移動によって、前記仕切部に設けられる前記接続部又は前記被接続部を中心として少なくとも左右方向に延びる第1位置と上下方向に延びる第2位置との間で回転可能である、
請求項3に記載の容器収容部材。
【請求項5】
前記仕切部本体は、前記仕切部本体における前記取付部側に位置する端面に前記取付部側とは反対側に向かって窪んで形成された凹部を更に有し、
前記取付部は、前記仕切部本体を前記第1位置及び前記第2位置に回転した状態で前記凹部と係合する凸部が設けられている、
請求項4に記載の容器収容部材。
【請求項6】
前記凸部は、前記仕切部本体を前記第1位置及び前記第2位置以外の所定の位置に回転させた場合に前記凹部と係合する位置に設けられている、
請求項5に記載の容器収容部材。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の容器収容部材を備える冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、容器収容部材、及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタンド本体に、フックを付け、ケチャップやマヨネーズなどのチューブを冷蔵庫の壁面や、ポケットに取り付け収納できるようにした、チューブスタンドが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-196550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来構成では、例えば扉内側の収容部内にチューブスタンドを設置した場合に、収容部内における容器等の収容効率を向上させる点について課題があった。そのため、従来構成では、収容部内のスペースを有効活用する等の使い勝手を向上させる点について改善の余地があった。また、チューブスタンド等の容器収容部材は、部品点数の増加を抑制した構造にすることが望ましい。
【0005】
そこで、部品点数の増加を抑制しつつ使い勝手の向上を図った容器収容部材、及び冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の容器収容部材は、冷蔵庫内に貯蔵物を収容するための収容空間を形成する収容部に着脱可能に取付けられ容器を収容する容器収容部材であって、前記収容部に取付けられる取付部と、前記取付部に着脱可能に設けられ、前記取付部が前記収容部に取付けられた状態で前記収容空間を仕切る仕切部と、前記取付部と前記仕切部とを互いに接続する部分のいずれか一方に設けられ、前記一方に対して他方を相対的に回転可能に保持する被接続部と、前記取付部と前記仕切部とを互いに接続する部分の前記他方に設けられ、前記被接続部に保持される接続部と、を備え、前記被接続部は、前記接続部を回転可能に保持する部分の一部において前記接続部の回転方向に沿って開口して形成された被係合部を有し、前記接続部は、前記被係合部内に設けられて、前記接続部の回転方向において前記被係合部よりも小さい係合部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による冷蔵庫の一例について、冷蔵室扉を開いた状態で示す正面図
図2】第1実施形態による容器収容部材の一例を概略的に示す斜視図
図3】第1実施形態による容器収容部材の一例について、取付部と仕切部とを分解して示す斜視図
図4】第1実施形態による容器収容部材の取付部の一例を概略的に示す図
図5】第1実施形態による容器収容部材の仕切部の一例を概略的に示す図
図6】第1実施形態による容器収容部材について、接続部を中心として回転させた場合の一例を示す図
図7】第1実施形態による仕切部の係合部及び凹部の配置位置の一例を示す図
図8】第1実施形態による接続部の係合部と被接続部の被係合部とが係合した状態について、図6のX8-X8線に沿って示す断面図
図9】第1実施形態による容器収容部材をドアポケットに装着した状態で仕切部本体を第1位置にした場合の一例を示す図
図10】第1実施形態による容器収容部材をドアポケットに装着した状態で仕切部本体を第2位置にした場合の一例を示す図
図11】第2実施形態による取付部に設けられた凸部の配置位置の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各構成の寸法を適宜拡大している場合があり、各構成同士の寸法比は実際と同一であるとは限らない。
【0009】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について、図1から図10を参照して説明する。
図1に示す冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2内に複数の貯蔵室を有して構成されている。以下の説明では、冷蔵庫本体2の開口側を冷蔵庫1の前側とし、開口とは反対側を冷蔵庫1の後側とする。また、冷蔵庫1を図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、冷蔵庫1の上下方向とする。冷蔵庫1を前方から見た場合における左右方向を、冷蔵庫1の左右方向つまり幅方向とし、冷蔵庫1の前後方向を、冷蔵庫1の奥行方向とする。
【0010】
冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2を主体に構成されている。冷蔵庫本体2は、前面が開口した断熱性を有する矩形の箱体で構成されている。冷蔵庫本体2は、貯蔵物を貯蔵するための複数の貯蔵室で区分されている。冷蔵庫1は、貯蔵室として、例えば冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、小冷凍室6、及び冷凍室7を備えている。冷蔵室3及び野菜室4は、いずれも冷蔵温度帯の貯蔵室であり、例えば3~5℃程度に冷却される。一方、製氷室5、小冷凍室6、及び冷凍室7は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、例えば-18℃以下に冷却される。冷蔵温度帯及び冷凍温度帯は、貯蔵物を冷蔵や冷凍して収容するのに適した温度帯である。なお、図1に示す冷蔵庫1の構成は一例であり、各貯蔵室の配置順が異なっていてもよい。
【0011】
冷蔵室3は、冷蔵庫本体2の最上段に設けられている。野菜室4は、冷蔵室3の下方に設けられている。製氷室5及び小冷凍室6は、野菜室4の下方にあって、左右に並べて設けられている。そして、冷凍室7は、製氷室5及び小冷凍室6の下方、つまり冷蔵庫本体2の最下段に設けられている。また、冷蔵室3内には、複数の棚板8a、8b、8c、8dが設けられている。棚板8a、8b、8c、8dは、例えば合成樹脂製で、高い断熱性を有さない部材で構成されている。棚板8a、8b、8c、8dは、冷蔵室3内を上下方向に区画しており、その最下段には、図示しないチルド室及び製氷タンクが配置されている。
【0012】
冷蔵庫1は、右側冷蔵室扉3a、左側冷蔵室扉3b、野菜室扉4a、製氷室扉5a、小冷凍室扉6a、及び冷凍室扉7aを備えている。各扉3a、3b、4a、5a、6a、7aは、詳細は図示しないが、例えば金属製又は合成樹脂製の枠部材の内部に断熱材を充填して構成されている。右側冷蔵室扉3a及び左側冷蔵室扉3bは、例えば観音開きのヒンジ開閉式扉であって、冷蔵室3の前側の開口を開閉する。冷蔵庫1は、観音式の扉3a、3bを備える構成に限らず、いわゆる片開き式の扉を備える構成であっても良い。
【0013】
野菜室扉4a、製氷室扉5a、小冷凍室扉6a、及び冷凍室扉7aは、いずれも引出し式であって、それぞれ野菜室4、製氷室5、小冷凍室6、及び冷凍室7の前側の開口を開閉する。また、扉3a、3bの裏面側には、図1に示すように、複数のドアポケット10が設けられている。ドアポケット10は、例えば容器状に形成され、貯蔵物や飲料容器等を収容するための収容空間Sが形成されている。ドアポケット10は、貯蔵物や飲料容器等を収容することができる。本実施形態では、ドアポケット10は、収容部として機能する。
【0014】
冷蔵庫1は、容器収容部材20を備えている。容器収容部材20は、例えば冷蔵庫の付属品又は別売品として構成することができる。容器収容部材20は、各ドアポケット10に着脱可能に構成されている。ユーザは、いずれのドアポケット10に容器収容部材20を装着するかを適宜選択することができる。この場合、容器収容部材20は、例えばからし、すりおろしショウガ、すりおろしにんにく、マヨネーズ、及びソース等の内容物を貯蔵した容器Cを収容した状態で冷蔵庫内に配置される。容器Cに貯蔵される内容物は、調味料に限らず、化粧品や接着剤等であっても良い。
【0015】
容器収容部材20は、例えば合成樹脂製で構成されている。容器収容部材20の幅方向の寸法は、ドアポケット10内の収容空間Sの幅方向の寸法よりも小さい寸法で設定されている。また、容器収容部材20の長さ寸法の寸法は、ドアポケット10内の収容空間Sの奥行方向の寸法よりも小さい寸法で設定されている。すなわち、容器収容部材20は、未使用状態つまりドアポケット10に装着されていない状態でドアポケット10内に収容しておくことができる。
【0016】
容器収容部材20は、図2に示すように、取付部30及び仕切部40を有している。取付部30は、例えばドアポケット10の前壁上端101に着脱可能に取付けられ、この前壁上端101を左右方向に摺動可能に構成されている。取付部30は、ドアポケット10の前壁上端101に取付けられる構成に限らず、ドアポケット10の側壁上端に取付けても良い。
【0017】
取付部30は、図3に示すように、取付部本体31、被接続部32、及び凸部33を有している。取付部本体31は、取付部30の主体を構成している。取付部本体31は、例えば略逆U字状に形成されており、ドアポケット10の前壁上端101に係合可能に構成されている。この場合、取付部本体31の前部311は、鉛直方向に対して後方に傾斜して延びている。一方、取付部本体31の後部312は、略鉛直に延びている。そして、取付部本体31をドアポケット10の前壁上端101に装着した場合に、ドアポケット10の前壁上端101を前部311の内面と後部312の内面との間で挟持することで、容器収容部材20をドアポケット10に保持させることができる。
【0018】
被接続部32は、取付部30に対して仕切部40を相対的に回転可能に保持する機能を有する。被接続部32は、取付部30側に設ける構成に限らず、仕切部40側に設けても良い。被接続部32は、例えば円筒状に形成され、取付部本体31の後部312の外面312aに設けられる。外面312aは、取付部30がドアポケット10に装着された状態で、収容空間S内に位置する。この場合、外面312aは、被接続面として機能する。被接続部32は、図3及び図4に示すように、例えば外面312aの幅方向の中央部分に位置し、外面312aの高さ方向の上部寄りに位置している。被接続部32は、円筒状に限らず、例えば楕円筒状や角筒状等の筒状の他の形状に形成することができる。
【0019】
被接続部32は、被係合部321を有している。被係合部321は、被接続部32の周方向の一部に開口して形成されている。被係合部321は、例えば被接続部32の外周面に周方向に沿って溝状に形成されている。被係合部321の被接続部32の外周面に沿う長さは、例えば被接続部32の外周面の円周の少なくとも1/4の長さよりも大きく設定されている。被係合部321は、図4に示すように、被接続部32の中心を挟んで、径方向において対向する位置に複数この場合2つ設けられている。被係合部321は、複数設けられる構成に限らず、1つであっても良い。
【0020】
凸部33は、取付部本体31の後部312の外面312aから外方に向かって突出して形成されており、所定の長さを有して構成されている。凸部33は、図3及び図4に示すように、複数例えば2つ設けられており、2つの凸部331、332は、互いに直交する方向に配置されている。複数の凸部331、332は、例えば被接続部32の中心から同心円上に、略90度の間隔で形成されている。容器収容部材20がドアポケット10に装着された状態で、取付部30を収容空間S側から見た場合に、一方の凸部331は、被接続部32の中心より左側に位置し、左右方向に略水平に延びている。他方の凸部332は、被接続部32の中心より下方に位置し、上下方向に略鉛直に延びている。
【0021】
仕切部40は、取付部30に着脱可能に設けられている。仕切部40は、取付部30に装着された状態で、取付部本体31の後部312の外面312aに対して直交する方向に延びる。そして、仕切部40は、取付部30がドアポケット10に取付けられた状態で、収容空間Sを水平方向に仕切る。
【0022】
仕切部40は、仕切部本体41、接続部42、及び凹部43を有している。仕切部本体41は、全体として略矩形板状に形成されている。仕切部本体41の幅寸法は、取付部30の幅寸法よりも大きく設定されている。仕切部本体41は、図3図5等にも示すように、平面部411及び壁部412を有している。平面部411は、仕切部本体41の中央部を構成する。壁部412は、平面部411の外周部全周から外方に立ち上がって形成されている。平面部411は、例えば数mm程度の厚さで構成されている。平面部411は、開口部411aを有している。開口部411aは、平面部411を厚み方向に貫通して形成されている。
【0023】
本実施形態では、開口部411aは、複数の区画部413によって複数の領域411bに区画されている。複数の領域411bは、例えば格子状に配置されている。図2に示すように、区画された各領域411bには、容器Cを立てた状態で収容することができる。区画された各領域の大きさは、それぞれ異なっていても良いし、一部又は全部が同じであっても良い。容器Cを立てた状態とは、容器Cが略鉛直な状態に限らず、容器収容部材20が装着されたドアポケット10の底面に容器Cの下端面が対向する状態を意味する。
【0024】
接続部42は、仕切部本体41における取付部30側に位置する基端側であって、仕切部本体41の幅方向の中央部分に設けられている。接続部42の中心軸は、仕切部本体41の中心軸と一致している。接続部42は、例えば先端側が閉鎖して基端側が開口した筒状に形成されている。接続部42は、取付部30の被接続部32に対して相対的に回転可能に取付けられる。接続部42と被接続部32とが相対的に回転して接触する部分において、被接続部32には接続部42の回転方向に沿って形成されている壁体すなわち周壁を有する。当該周壁は、接続部42を回転可能に保持する部分である。なお、被接続部32を仕切部40側に設けた場合は、接続部42を取付部30側に設けることができる。接続部42の中心軸は、被接続部32の中心軸と一致している。接続部42の内径は、被接続部32の外径よりもやや大きく設定されている。そして、容器収容部材20は、図6に示すように、接続部42を中心として回転させることで、仕切部本体41を取付部30に対して相対的に回転させることができる。
【0025】
接続部42は、係合部421を有している。図7に示すように、係合部421は、接続部42の内周面から接続部42の径方向内側に向かって突出して形成されている。係合部421は、接続部42の中心を挟んで、径方向において対向する位置に複数この場合2つ設けられている。係合部421は、複数設けられる構成に限らず、1つであっても良い。係合部421は、図8に示すように、被接続部32の被係合部321と係合可能に構成されている。係合部421は、被接続部32の周方向この場合接続部42の回転方向において被係合部321よりも小さく設定されている。係合部421は、被係合部321と係合することで、取付部30に対する仕切部40の取外し方向への移動を規制する。
【0026】
係合部421は、被係合部321内を被接続部32の周方向に沿って移動可能に構成されている。つまり、被係合部321は、被接続部32が接続部42を回転可能に保持する部分の一部において、接続部42の回転方向に沿って開口して形成されている。被係合部321内に係合部421が装着された状態で、仕切部本体41を回転させて、被係合部321の側壁に係合部421の側壁が接触すると、仕切部本体41の回転が規制される。つまり、仕切部本体41は、被係合部321内における係合部421の被接続部32の周方向への移動が規制されることにより、取付部30に対する回転角度θが規制される。
【0027】
仕切部40の接続部42を中心とした回転は、被係合部321内を係合部421が移動可能な範囲に規制されている。図6に示すように、ドアポケット10に取付部30が装着された状態で、例えば仕切部本体41が左右方向に延びて略水平となる第1位置P1と仕切部本体41が上下方向に延びて略鉛直となる第2位置P2とを含んだ範囲つまり仕切部40の接続部42を中心とした回転角度θが略90度の範囲内で回転可能になっている。略水平とは、厳密な意味である必要はなく、水平面に対して若干傾斜していることまで含む。略鉛直とは、厳密な意味である必要はなく、鉛直面に対して若干傾斜していることまで含む。また、略90度とは、80度から100度程度の角度を含む。仕切部40の接続部42を中心とした回転角度の範囲は、略90度に限らず、略90度以上であっても良い。
【0028】
凹部43は、仕切部本体41における取付部30側この場合基端側に位置する端面に取付部30側とは反対側に向かって窪んで形成されている。凹部43は、取付部30の凸部33と係合可能に構成されている。凹部43の長さは、凸部33の長さよりも大きく設定されている。凹部43は、凸部33と係合することで、取付部30に対する仕切部本体41の回転方向への移動を規制する。凹部43は、図7に示すように、接続部42を挟んで複数この場合2つ形成されている。複数の凹部431、432のうち、一方の凹部431は、仕切部本体41が左右方向に延びる第1位置P1に位置した状態で一方の凸部331と係合する。また、他方の凹部432は、仕切部本体41が上下方向に延びる第2位置P2に位置した状態で他方の凸部332と係合する。
【0029】
そして、容器収容部材20は、図9に示すように、例えば仕切部本体41を第1位置P1に規定することで、容器Cを立てて収容するラックとして使用可能であり、一方、図10に示すように、例えば仕切部本体41を第2位置P2に規定することで、収容空間Sの仕切として使用可能である。
【0030】
以上説明した実施形態によれば、容器収容部材20は、冷蔵庫1内に貯蔵物を収容するための収容空間Sを形成するドアポケット10に着脱可能に取付けられて、容器Cを収容する。容器収容部材20は、取付部30と、仕切部40と、被接続部32と、接続部42と、を備える。取付部30は、ドアポケット10に取付けられる。仕切部40は、取付部30に着脱可能に設けられ、取付部30がドアポケット10に取付けられた状態で収容空間Sを仕切る。
【0031】
被接続部32は、取付部30と仕切部40とを互いに接続する部分のいずれか一方に設けられ、一方に対して他方を相対的に回転可能に保持する。接続部42は、取付部30と仕切部40とを互いに接続する部分の他方に設けられ、被接続部32に保持される。被接続部32は、接続部42を回転可能に保持する部分の一部において接続部42の回転方向に沿って開口して形成された被係合部321を有する。そして、接続部42は、被係合部321内に設けられて、接続部42の回転方向において被係合部321よりも小さい係合部421を有する。
【0032】
これによれば、被接続部32の被係合部321と接続部42の係合部421とを係合させることで、例えば取付部30に対する仕切部40の取外し方向への移動の規制及び回転角度の規制を行うことができる。これにより、取付部30に対する仕切部40の取外し方向への移動の規制と取付部30に対する仕切部40の回転角度の規制とを行うために、それぞれ別個の部材を設ける必要がなくなるため、容器収容部材20の部品点数を少なくすることができる。そして、被係合部321内に配置された係合部421を移動させることで、例えば容器収容部材20をドアポケット10から一旦取り外して容器収容部材20の向きを変える等の操作を要することなく、仕切部40の姿勢を容易に変更することができる。仕切部40の姿勢を容易に変更できることによって、ドアポケット10によって形成される収容空間Sのスペースをより活用しやすくすることができる。よって、部品点数の増加を抑制しつつ使い勝手の向上を図ることができる。
【0033】
仕切部40は、仕切部本体41を有する。仕切部本体41は、容器Cを収容する開口部411aが形成されている。仕切部本体41は、区画部413を有する。区画部413は、開口部411aを複数に区画する。これによれば、区画部413によって形成された複数の区画のそれぞれに容器Cを収容することができる。これにより、容器収容部材20の使い勝手の向上を図ることができる。
【0034】
また、仕切部40に設けられる接続部42又は被接続部32の中心軸は、仕切部本体41の中心軸と一致している。これによれば、仕切部40に設けられる接続部42又は被接続部32の中心軸が仕切部本体41の中心軸とずれている場合に比べて、取付部30に対する仕切部本体41の回転半径を抑えることができる。これにより、仕切部40によって仕切られた収容空間Sの左右方向の有効スペースに偏りが生じることを防ぐことができる。よって、容器収容部材20の使い勝手の向上を図ることができる。
【0035】
仕切部本体41は、被係合部321内における係合部421の移動によって、仕切部40に設けられる接続部42又は被接続部32を中心として少なくとも左右方向に延びる第1位置P1と上下方向に延びる第2位置P2との間で回転可能である。これによれば、仕切部本体41を第1位置P1とした場合に、仕切部本体41の開口部411aに容器Cを立てやすくすることができ、一方仕切部本体41を第2位置P2とした場合に、容器収容部材20を収容空間Sの水平方向の仕切りとして利用しやすくすることができる。これにより、取付部30に対して仕切部本体41を略90度回転可能にすることで、仕切部本体41を水平状態と垂直状態とに容易に切り替えることができる。よって、容器収容部材20の使い勝手を良くすることができる。
【0036】
また、仕切部本体41は、凹部43を更に有している。凹部43は、仕切部本体41における取付部30側に位置する端面に取付部30側とは反対側に向かって窪んで形成されている。取付部30は、凸部33を有している。凸部33は、仕切部本体41を第1位置P1及び第2位置P2に回転した状態で凹部43と係合する。
【0037】
これによれば、仕切部本体41の位置を第1位置P1又は第2位置P2に変更した場合に、凸部33と凹部43とが係合することで、取付部30に対して仕切部40を安定して取付けることができる。また、凸部33と凹部43とが係合した際に生じる例えばクリック感によって、ユーザは仕切部本体41の位置を適切に変更できたことを直感的に知ることができる。結果として、容器収容部材20の使い勝手の向上を図ることができる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図11も参照して説明する。この第2実施形態は、上記第1実施形態と取付部30の構成が異なる。具体的には、上記第1実施形態では、取付部30に設けられた複数の凸部331、332は、仕切部本体41の位置を第1位置P1又は第2位置P2に配置した場合に、凹部431、432と係合する位置に設けられていた。これに対し、本実施形態では、凸部33は、凸部331、332に加えて凸部333を有している。凸部333は、仕切部本体41を第1位置P1及び第2位置P2以外の所定の位置に回転させた場合に、凹部43と係合する位置に設けられている。
【0039】
この場合、図11に示すように、凸部333は、例えば仕切部本体41の位置を第1位置P1又は第2位置P2から回転角度θを略45度で回転させた場合に、凹部432と係合する位置に設けられている。凸部333の設置位置は、仕切部本体41の位置を第1位置P1又は第2位置P2から略45度回転させた位置に限らず、略30度や略60度等の他の角度に回転させた位置であっても良い。また、凸部331、332と凸部333との形状や寸等は、同じであっても良いし異なっていても良い。
【0040】
このような第2実施形態によれば、仕切部本体41を例えば第1位置P1よりも傾斜した状態で姿勢を維持することができる。これにより、仕切部本体41を例えば容器Cを立てて収容するラックとして使用する際に、ドアポケット10の収容空間Sの左右方向において仕切部本体41が占有する領域W2を、仕切部本体41を第1位置P1とした場合に仕切部本体41が占有する領域W1と比較して小さくすることができる。よって、収容空間Sのスペースをより活用しやすくすることができる。
【0041】
また、仕切部本体41を左右方向に傾斜して配置させることで、仕切部本体41の左右方向における各領域411bの位置に高低差を生じさせることができる。これにより、低い位置の領域411bと高い位置の領域411bとに差し込まれた容器Cを上下方向で段違いにして収容することができる。そのため、ユーザに対して、仕切部本体41の各領域411bに差し込まれたそれぞれの容器Cを上方から見やすくすることができる。
【0042】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…冷蔵庫、10…ドアポケット(収容部)、20…容器収容部材、30…取付部、32…被接続部、321…被係合部、33…凸部、40…仕切部、41…仕切部本体、413…区画部、42…接続部、421…係合部、43…凹部、S…収容空間
図1
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図11