(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029983
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】制御装置、制御装置を備える遮断弁回路、制御装置を備える空気調和装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/46 20180101AFI20240229BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20240229BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20240229BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20240229BHJP
F25B 41/24 20210101ALI20240229BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/36
F24F11/88
F25B49/02 520M
F25B41/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132492
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】足立 直也
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA32
3L260BA42
3L260BA48
3L260BA52
3L260CB77
3L260DA10
3L260FB08
3L260FC31
(57)【要約】
【課題】エネルギー効率の向上を図ることができる制御装置、制御装置を備える遮断弁回路、制御装置を備える空気調和装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置40は、外部電源22により充電される蓄電部27と、外部電源又は蓄電部から供給される電力を制御する制御部21とを備え、制御部は、外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、蓄電部の充電量が所定量以上である場合、蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷EV,SVを駆動する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源により充電される蓄電部と、
前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷を駆動する制御装置。
【請求項2】
前記蓄電部は、スーパーキャパシタである請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記負荷は、室内機の冷媒回路と室外機とを接続するユニット間配管に配置され、前記冷媒回路と前記室外機との間の冷媒の流れを遮断する遮断弁であり、
前記制御部は、前記外部電源から電力が供給されている状態において、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて前記遮断弁の開閉状態を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
冷媒の漏洩を検知する冷媒検知部を備え、
前記制御部は、前記冷媒検知部が冷媒の漏洩を検知した場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて前記遮断弁を閉状態に制御する請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の制御装置を備える遮断弁回路。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置を備える空気調和装置。
【請求項7】
外部電源により充電される蓄電部を充電する工程と、
前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御工程と
を有し、
前記制御工程において、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷を駆動するよう制御する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御装置を備える遮断弁回路、制御装置を備える空気調和装置及び制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷媒の流れを遮断する遮断弁を備えた空気調和装置において、遮断弁の制御は、外部電源より供給される電力を利用して制御されていた。
【0003】
特許文献1には、外部電源と、遮断弁と、外部電源により充電される蓄電部とを備える空気調和装置において、外部電源の供給が停止した場合に、蓄電部の電力により遮断弁を動作させて冷媒の流れを遮断することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載されているような外部電源の電力供給が長期間に亘って維持される場合、蓄電部は外部電源によって充電される一方であり、蓄電部に充電された電力は遮断弁の制御に利用されることがないため、蓄電部の待機状態において無駄な電力消費が発生するという問題があった。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エネルギー効率の向上を図ることができる制御装置、制御装置を備える遮断弁回路、制御装置を備える空気調和装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係る制御装置は、外部電源により充電される蓄電部と、前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷を駆動する。
【0008】
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係る遮断弁回路は、上記制御装置を備える。
【0009】
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係る空気調和装置は、上記制御装置を備える。
【0010】
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係る制御方法は、外部電源により充電される蓄電部を充電する工程と、前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御工程とを有し、前記制御工程において、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷を駆動するよう制御する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、所定の条件に応じて蓄電部に充電されている電力を消費することにより、待機電力を低減しエネルギー効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係る制御装置が利用される空気調和システムの概略構成図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る遮断弁キットの概略を示した回路図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の運転条件に対する遮断弁の状態を示した図表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の一実施形態に係る制御装置及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本開示の一実施形態に係る制御装置が利用される空気調和装置の概略構成図である。空気調和装置1は、室外機2と、室外機用電源3と、遮断弁キット6と、複数の室内機4(4-1~4-3)と、室内機用電源5とを備える。各室内機4は、室外機2に対して並列に接続されている。また、各室内機4は、対応する室内機4へ運転指令を入力するリモコン7(7-1~7-3)と電気通信可能である。また、各室内機4は、対応する室内機4内部を流れる冷媒の漏洩を検知する冷媒センサ8(8-1~8-3)と電気通信可能である。
図1では、便宜上、1台の室外機2に、3台の室内機4が接続されている構成を例示しているが、室外機2の設置台数及び室内機4の接続台数については限定されない。
【0015】
室外機2と各室内機4とは、遮断弁キット6、液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11を介して接続されており、冷媒の搬送が双方向で行われる。また、室外機2と室内機4は、電気通信線で接続され、双方向通信が可能である。また、室内機4と遮断弁キット6は、電気通信線で接続され、双方向通信が可能である。
【0016】
室外機2は、例えば、冷媒を圧縮して送出する圧縮機(不図示)と、冷媒の循環方向を切り換える四方弁(不図示)と、冷媒と外気との間で熱交換を行う室外熱交換器(不図示)と、室外ファン(不図示)と、冷媒の気液分離等を目的として圧縮機の吸入側配管に設けられたアキュムレータ(不図示)と、及び室外機制御装置(不図示)とを備えている。室外機2を運転するための電力は、室外機用電源3から供給される。
【0017】
室内機4は、室内熱交換器(不図示)と、室内ファン(不図示)と、電子膨張弁(不図示)と、及び室内機制御装置(不図示)等を備えている。室内機4を運転するための電力は、室内機用電源5から供給される。
室内機4の運転条件は、ユーザがリモコン7を用いて入力する指令に基づいて室内機制御装置によって制御される。
【0018】
室外機制御装置及び室内機制御装置は、互いに情報の送受信が可能な構成とされ、情報の授受を行いながら空気調和装置1を制御する。室外機制御装置は、例えば、圧縮機の回転数制御や室外ファンの回転数制御などを行う。室内機制御装置は、例えば、室内ファンの回転数制御や電子膨張弁の弁開度制御等を行う。なお、空気調和装置の動作については公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
遮断弁キット6は、室外機2及び室内機4と液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11を介して接続されている。また、遮断弁キット6は、空気調和装置1の運転条件に基づいてガス冷媒用配管11内又は液冷媒用配管10内を流れる冷媒の流れを遮断する各弁の開閉を切替える。空気調和装置1の運転条件とは、例えば、冷房運転、暖房運転、空気調和装置1内を循環する冷媒の温度、冷媒の漏洩有無を総合的に判断したものである。
【0020】
冷媒センサ8は、各室内機4にそれぞれ設けられ、室内機4内部又は室内機4の設置環境下に冷媒が漏洩しているか否かを検知する。具体的には、一例として、室内機4内部の冷媒の濃度が予め定められた所定量よりも大きい場合に、冷媒センサ8は、室内機4内部に冷媒が漏洩していることを検知する。
冷媒センサ8は、具体的には漏洩センサである。なお、冷媒センサ8は、冷媒の漏洩検知を行える手段であれば良く、機械式、電気式、光学式のいずれの方式を用いてもよい。
【0021】
(遮断弁キットの構成)
図2は、本開示の一実施形態に係る遮断弁キットの概略を示した回路図である。
遮断弁キット6は、供給される電力の電力制御及び電気的に接続されるアクチュエータの駆動制御を行う制御部21と、外部電源22と、整流回路23と、SW電源24と、スイッチング回路25と、トランジスタTr2と、定電流回路26と、蓄電部27と、駆動用電源28とを備える。
【0022】
遮断弁キット6は、室外機2及び各室内機4を循環する冷媒の流れを遮断する遮断弁である電動弁(電子膨張弁)EV及び電磁弁SVの各開閉を切替えるものである。遮断弁キット6は、
図1に示す電磁弁SV及び電動弁EVの開閉を切替える際に、蓄電部27の充電量に基づいて、蓄電部に充電された電力と外部電源22から供給される電力のいずれを用いるかが異なる。
【0023】
制御部21は、後述の外部電源22からの電力供給の有無と、後述の蓄電部27の充電量とに基づいて、後述のスイッチング回路25のON/OFFを切替える。制御部21が、スイッチング回路25のON/OFFを切替えることにより、制御部21を駆動するための電力源が切替わる。
制御部21は蓄電部27と電気通信可能であり、制御部21は蓄電部27の充電量を検知する。また、制御部21は、遮断弁キット6外部のセンサ又はアクチュエータ等の電子機器と電気通信可能に接続されている。
制御部21は、後述するように蓄電部27に充電された電力を用いて電動弁EV及び電磁弁SVの開閉状態を切替えることができる。ここで、
図2に示すように、制御部21及び蓄電部27を備える構成を制御装置40とする。
【0024】
図3は、本開示の一実施形態に係る制御部21のハードウェア構成の一例を示した図である。
制御部21は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU31と、CPU31が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)32と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)33と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)34と、ネットワーク等に接続するための通信部35とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)等の他の記憶装置を用いることとしてもよい。これら各部は、バス38を介して接続されている。
【0025】
また、制御部21は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。
【0026】
図2の説明に戻り、外部電源22は、遮断弁キット6へ電力を供給する電力源である。遮断弁キット6は、制御部21を駆動するための駆動用電源28を備え、制御部21は、駆動用電源28へ供給される電力を用いて駆動する。また、後述の蓄電部27は、充電量が所定量未満の場合、外部電源22から供給される電力によって充電される。
【0027】
整流回路23は、外部電源22に対して並列接続されており、外部電源22より供給された交流電圧を整流する。例えば、整流回路23は、整流ダイオードを用いたブリッジ整流回路等で構成され、外部電源22から供給された交流電圧を全波整流する。なお、整流方式については、半波整流等の他の整流方式としてもよい。整流回路23の出力ラインには、整流回路23出力に対して脈流成分を抑制するための平滑コンデンサが後述のSW電源24と並列に接続されている。
【0028】
SW電源24は、スイッチング素子のデューティ比を制御することにより、交流電圧から変換した直流電圧の出力を安定化する電源である。SW電源24は、例えば、DC/DCコンバータ、発振器からなるスイッチングレギュレータ、分圧抵抗等を備えるものであってもよい。
また、SW電源24の出力側には整流ダイオードと平滑コンデンサがそれぞれ接続されている。
【0029】
スイッチング回路25は、制御部21から出力される制御信号に基づいて、スイッチとして機能するトランジスタTr1のON/OFFを切替える回路である。また、スイッチング回路25のトランジスタTr1のON/OFFが切替わることにより、遮断弁キット6が備えるトランジスタTr2のON/OFFが切替わる。このように、スイッチング回路25は、制御部21によって後述の駆動用電源28へ電力を供給する電力源の切換制御を行う。
なお、
図2の抵抗r1及び抵抗r2は、それぞれトランジスタTr1及びトランジスタTr2の故障を防止するとともに、トランジスタTr1及びトランジスタTr2に印加する電圧を調整するための素子である。
【0030】
トランジスタTr2のエミッタ側は、定電流回路26に接続される経路と駆動用電源28に接続される経路とが並列に接続されている。各径路には、電流が逆方向に流れることを防止するための整流ダイオードが接続されている。
【0031】
定電流回路26は、トランジスタTr2のエミッタ側と接続され、蓄電部27に定電流を供給する。定電流回路26は、例えば3端子レギュレータICなどを用いて構成され、定電流を生成する。
定電流回路26の出力側と整流ダイオードの間には、蓄電部27が接続されている。
【0032】
蓄電部27は、電力の蓄電を行う素子である。蓄電部27は、充電量が所定量未満である場合には、外部電源22から供給される電力を充電する。また、充電量が所定量以上である場合には、後述の制御により制御部21を駆動するための駆動用電源28へ電力を供給する電力源となる。なお、蓄電部27は制御部21と電気通信可能であり、蓄電部27の充電量は制御部21により検知される。
【0033】
蓄電部27は、具体的には、例として、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)である。スーパーキャパシタは、充電時間が短時間で満充電となり、また、充放電を繰り返し行われても劣化しづらいとの特性がある。蓄電部27は、その他に、金属水素電池、リチウム電池、リチウムイオン電池等の二次電池とすることにより、蓄電容量の大容量化を図ってもよい。
【0034】
駆動用電源28は、制御部21を駆動するための電力を供給する電源である。駆動用電源28は、蓄電部27の充電量が所定量未満である場合には、外部電源22から供給される電力を用いて制御部21を駆動する。また、蓄電部27の充電量が所定量以上である場合には、蓄電部27から供給される電力を用いて制御部21を駆動する。
【0035】
(電力源の切換え制御)
【0036】
制御部21は、蓄電部27の充電量が所定量未満のとき、トランジスタTr1のベースへの制御信号の出力を停止する。このとき、蓄電部27は、定電流回路26を介して外部電源22から供給される電力により充電される。
また、制御部21を駆動するための駆動用電源28には外部電源22から電力が供給される。
【0037】
制御部21は、蓄電部27の充電量が所定量以上である場合に、トランジスタTr1のベースへ制御信号を出力する。
トランジスタTr1のベースに制御信号が入力される場合、トランジスタTr1のスイッチがON状態となり、トランジスタTr1のコレクタから流れる電流は、トランジスタTr2へ流れず、トランジスタTr1のエミッタへ流れる。
【0038】
トランジスタTr1のスイッチがON状態であるとき、トランジスタTr2のベースには電圧が印加されない。すなわち、トランジスタTr2のスイッチがOFF状態となる。
トランジスタTr2のスイッチがOFF状態になると、制御部21を駆動するための駆動用電源28が外部電源22から電力を供給するための供給経路が遮断される。
【0039】
これにより、トランジスタTr1のスイッチがON状態であるとき、制御部21を駆動するための駆動用電源28は、外部電源22から電力が供給されず、蓄電部27に充電された電力が供給されることにより駆動する。また、制御部21は、外部電源22から電力が供給されなくとも、蓄電部27に充電された電力を利用することにより、遮断弁キット6の外部に設けられた遮断弁等のアクチュエータの駆動を制御することができる。
そして、制御部21は、蓄電部27の充電量が所定量未満となるまで、蓄電部27に充電された電力を利用して駆動される。
【0040】
制御部21は、蓄電部27の充電量が所定量未満になると、トランジスタTr1のベースへの制御信号の出力を停止する。
トランジスタTr1のベースに制御信号が入力されない場合、トランジスタTr1のスイッチがOFF状態となり、トランジスタTr1のコレクタ側に接続された電源から流れる電流は、トランジスタTr1のエミッタへ流れず、トランジスタTr2のベースへ流れる。
【0041】
トランジスタTr1のスイッチがOFF状態であるとき、トランジスタTr2のベースには電圧が印加される。すなわち、トランジスタTr2のスイッチがON状態となる。
トランジスタTr2のスイッチがON状態になると、制御部21を駆動するための駆動用電源28が外部電源22から電力を供給するための供給経路が接続される。
【0042】
このように、制御部21を駆動するための駆動用電源28は、蓄電部27の充電量に応じて外部電源22と蓄電部27のいずれから電力供給されるかが切替わる。
これにより、蓄電部27に充電された電力を所定条件下において使用することにより電力消費を効率化し、ランニングコストが低減することができる。
【0043】
(空気調和装置における遮断弁キットの利用)
次に、遮断弁キット6を用いて空気調和装置1が備える電動弁EV及び電磁弁SVの開閉を切替える制御について、
図4を参照して説明する。
図4は、空気調和装置1の運転条件に対する遮断弁(電動弁EV及び電磁弁SV)の状態を示した図表である。
遮断弁キット6が備える制御部21は、具体的には、空気調和装置1の運転状態又は、蓄電部27の充電量に基づいて、空気調和装置1が備える液冷媒用配管10に設けられる電動弁EV及びガス冷媒用配管11に設けられる電磁弁SVの各弁の開閉を切替える。これにより、空気調和装置1の冷媒回路を循環する冷媒の流れを制御する。
【0044】
室内機群100の運転時、電動弁EV及び電磁弁SVの開閉制御を行うための電力源は、蓄電部27の充電量に基づいて切替わる。
図4の例では、蓄電部27の充電量が所定量以上(キャパシタ充電電圧が6[V]以上)の場合、電動弁EV及び電磁弁SVは、蓄電部27に充電された電力を利用して電動弁EV及び電磁弁SVを開状態にする。また、蓄電部27の充電量が所定量未満(キャパシタ充電電圧が6[V]未満)の場合、電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態にする。なお、蓄電部27の充電量が所定量未満の場合、蓄電部27は、定電流回路26を介して外部電源22から供給される電力によって充電される。
【0045】
室内機群100と同様の構成を備えた室内機群200は、室外機2と室内機群100の遮断弁キット6の間を接続される液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11のそれぞれは、電動弁EV又は電磁弁SVと室外機との間で分岐し、室内機群200へ接続される。このように、室外機に接続された液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11が分岐することにより、各室内機群100,200のそれぞれが備える各室内機4と室外機2の間で冷媒が循環する。
【0046】
電動弁EV及び電磁弁SVが開状態であると場合において、室内機群200が冷房運転を行うと、室外機と室内機群100との間を循環する冷媒の流れと、室外機と室内機群200との間を循環する冷媒の流れとが混在し、室外機が備える圧縮機へ冷媒が逆流してしまう現象(液バック)が発生し、室外機の圧縮機を破損させてしまう可能性がある。
【0047】
このとき、室外機の圧縮機へ冷媒が逆流することを防ぐため、室内機群100の遮断弁キット6が備える制御部21は、電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態に切替える。
【0048】
制御部21は、蓄電部27の充電量を検知し、蓄電部27の充電量が所定量以上であれば、蓄電部27に充電された電力を駆動用電源28に供給するようスイッチング回路25を制御する。そして、制御部21は、蓄電部27から駆動用電源28に電力が供給されることにより電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態に切替えることができる。
【0049】
制御部21は、蓄電部27の充電量を検知し、蓄電部27の充電量が所定量未満であれば、蓄電部27に充電された電力は用いず、外部電源22から供給される電力を駆動用電源28に供給するようスイッチング回路25を制御する。そして、制御部21は、外部電源22から駆動用電源28に電力が供給されることにより電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態に切替える。その間、蓄電部27は、充電量が所定量以上になるまで外部電源22から供給される電力によって充電される。
【0050】
このように、制御部21は、他の室内機群200の運転条件と蓄電部27の充電量に対応して、外部電源22と蓄電部27のいずれを電力源として、電動弁EV及び電磁弁SVの開閉制御を行うかを切替えることができる。これにより、蓄電部27が充分に充電された状態において蓄電部27の待機電力を低減し、電力消費を効率化することができる。
【0051】
(冷媒漏洩検知時の遮断弁の切替え制御)
また、室内機群100の複数の室内機4は、室内機4毎に対応した冷媒センサ8を備える。各冷媒センサ8は、対応する各室内機4内部又は各室内機4の設置環境下における冷媒漏洩の有無を検知する。
【0052】
各冷媒センサ8は、対応する室内機4内部又は室内機4の設置環境下における冷媒漏洩の検知結果を室内機4に出力する。そして、冷媒漏洩を検知した冷媒センサ8に対応する室内機4は、冷媒漏洩を検知したことを遮断弁キット6の制御部21へ出力する。
【0053】
室内機4内部又は室内機4の設置環境下において冷媒漏洩を検知したことを受信した制御部21は、蓄電部27の充電量を検知し、蓄電部27の充電量が所定量以上である場合、蓄電部27に充電された電力を駆動用電源28に供給するようスイッチング回路25を制御する。そして、制御部21は、蓄電部27から駆動用電源28に電力が供給されることにより電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態に切替えることができる。
【0054】
室内機4内部又は室内機4の設置環境下において冷媒漏洩を検知したことを受信した制御部21は、蓄電部27の充電量を検知し、蓄電部27の充電量が所定量未満であれば、蓄電部27に充電された電力は用いず、外部電源22から供給される電力を駆動用電源28に供給するようスイッチング回路25を制御する。そして、制御部21は、外部電源から駆動用電源28に電力が供給されることにより電動弁EV及び電磁弁SVを閉状態に切替える。その間、蓄電部27は、充電量が所定量以上になるまで外部電源22から供給される電力によって充電される。
【0055】
このように、制御部21は、冷媒センサ8によって室内機4内部又は室内機4の設置環境下おいて冷媒漏洩を検知した場合、蓄電部27の充電量に対応して、外部電源22と蓄電部27の何れを電力源として、電動弁EV及び電磁弁SVの開閉制御を行うかが切替えることができる。これにより、蓄電部27が充分に充電された状態における待機電力を低減し、電力消費を効率化することができる。
【0056】
なお、電動弁EV及び電磁弁SVを設ける位置については、上述の実施形態では、室外機と遮断弁キット6の間の液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11のそれぞれに設けられているが、この例に限らず、各室内機4と遮断弁キット6の間の液冷媒用配管10及びガス冷媒用配管11において、各室内機4側に近い位置にそれぞれ設けられてもよい。
【0057】
以上、本開示について実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0058】
本開示の第1態様に係る制御装置(40)は、外部電源(22)により充電される蓄電部(27)と、前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御部(21)とを備え、前記制御部は、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷(EV,SV)を駆動する。
【0059】
本開示に係る制御装置によれば、制御部は、外部電源から電力が供給されている状態においても、蓄電部に所定量以上の電圧が充電されている場合、蓄電部に充電されている電力を消費することができるため、待機電力を低減しエネルギー効率の向上を図ることができる。
なお、外部電源から電力が供給されている状態とは、例えば、予め設定された最大定格値に対して任意の割合以上の電力が外部電源から供給されている状態である。
【0060】
本開示の第2態様に係る制御装置(40)は、前記第1態様において、前記蓄電部は、スーパーキャパシタである。
【0061】
蓄電部がスーパーキャパシタである場合、完全放電が可能であるため、蓄電部の端子間を測定することにより充電量の残量を正確に測定することができる。また、スーパーキャパシタは、充放電を繰り返し行う場合においても劣化が少ないため、当該制御装置を備える系のメンテナンスの頻度を低減することができる。
【0062】
本開示の第3態様に係る制御装置(40)は、前記第1態様又は前記第2態様において、前記負荷は、室内機の冷媒回路と室外機とを接続するユニット間配管に配置され、前記冷媒回路と前記室外機との間の冷媒の流れを遮断する遮断弁であり、前記制御部は、前記外部電源から電力が供給されている状態において、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて前記遮断弁の開閉状態を制御する。
【0063】
制御部は、外部電源から電力が供給されている状態においても、蓄電部の充電量が所定量以上である場合、蓄電部に充電された電力を優先的に使用するため、系の消費電力を効率化することができる。
また、当該制御装置が空気調和機に備えられ、空気調和機が冷房運転している場合、制御部は、蓄電部に充電された電力を用いることにより、遮断弁を閉じることができる。これにより、室内機の冷媒回路と室外機とを接続する配管内においてミスト状の冷媒が逆流することを防止し、室内機、室外機及び室外機が備える圧縮機等の機器が故障する可能性を低減することができる。
【0064】
本開示の第4態様に係る制御装置(40)は、前記第1態様から前記第3態様のいずれかにおいて、冷媒の漏洩を検知する冷媒検知部を備え、前記制御部は、前記冷媒検知部が冷媒の漏洩を検知した場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて前記遮断弁を閉状態に制御する。
【0065】
制御部は、冷媒検知部が冷媒漏洩を検知した場合、蓄電部に充電された電力を用いて遮断弁を閉状態に制御することができるため、外部電源からの電力が供給の有無に関わらず、冷媒の漏洩を速やかに止めることができ、制御装置の故障や火災事故の発生を抑制することができる。
【0066】
本開示の第5態様に係る遮断弁回路(6)は、前記第1態様から前記第4態様のいずれかの制御装置を備える。
【0067】
本開示の第6態様に係る空気調和装置(1)は、前記第1態様から前記第4態様のいずれかの制御装置を備える。
【0068】
本開示の第7態様に係る制御方法は、外部電源により充電される蓄電部を充電する工程と、前記外部電源又は前記蓄電部から供給される電力を制御する制御工程とを有し、前記制御工程において、前記外部電源から電力が供給されている状態であり、かつ、前記蓄電部の充電量が所定量以上である場合、前記蓄電部に充電された電力を用いて外部に接続される負荷を駆動するよう制御する。
【符号の説明】
【0069】
1 :空気調和装置
2 :室外機
3 :室外機用電源
4 :室内機
5 :室内機用電源
6 :遮断弁キット(遮断弁回路)
7 :リモコン
8 :冷媒センサ
10 :液冷媒用配管
11 :ガス冷媒用配管
21 :制御部
22 :外部電源
23 :整流回路
24 :SW電源
25 :スイッチング回路
26 :定電流回路
27 :蓄電部
28 :駆動用電源
31 :CPU
32 :ROM
33 :RAM
34 :ハードディスクドライブ
35 :通信部
38 :バス
40 :制御装置
100、200 :室内機群
EV :電動弁
SV :電磁弁
Tr1、Tr2 :トランジスタ
r1,r2 :抵抗