(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024029991
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20240229BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E04G21/16
E04G23/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132504
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】509146665
【氏名又は名称】有限会社フォーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】福岡 政二郎
(72)【発明者】
【氏名】高山 敬右
【テーマコード(参考)】
2E174
2E176
【Fターム(参考)】
2E174AA03
2E174BA01
2E174EA08
2E176AA01
2E176BB01
2E176BB23
2E176BB38
(57)【要約】
【課題】管状体を着脱可能に保持できる保持具を提供する。
【解決手段】保持具10は、本体部11と、第1の挿入片12と、第2の挿入片13を備える。本体部11は所定の方向へ延びており、内部に空間が形成されており、この空間は、管状体の少なくとも一部を配置可能な空間である。本体部11の一端に第1の管状体用開口部11Aが形成され、他端に第2の管状体用開口部11Bが形成されている。本体部11の側面に、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成されており、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは開口しており、本体部11の内部の空間と外部を連通している。第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ一方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から他端まで、一方の面と他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、一端から第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dへ挿入可能である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
一方向へ延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ挿入可能であり、前記一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とを備える
保持具。
【請求項2】
前記挿入片の前記一端側の部分は、同挿入片の他の部分より軟らかい
請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に前記一端側の部分の曲率が同挿入片の他の部分の曲率より大きい
請求項1に記載の保持具。
【請求項4】
前記挿入片の前記一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、同挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である
請求項1に記載の保持具。
【請求項5】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記中空部分が円弧状に湾曲していると共に同中空部分の曲率が前記中実部分の曲率より大きい
請求項4に記載の保持具。
【請求項6】
前記挿入片は前記一方の面を内側にして湾曲しており、
前記挿入片の前記一方の面の表面粗さは、同挿入片の前記他方の面の表面粗さより大きく、
前記本体部の内側面の表面粗さは、前記挿入片の前記他方の面の表面粗さと略同じである
請求項1に記載の保持具。
【請求項7】
前記挿入片は突起部を有し、該突起部は、同挿入片の前記他方の面の前記他端側に、前記一方の面とは反対方向へ突起して設けられた
請求項1に記載の保持具。
【請求項8】
前記本体部の前記側方開口部の一方の縁部から湾曲方向の所定の範囲までにおける同本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった
請求項1に記載の保持具。
【請求項9】
前記本体部が延びた方向に、2つの前記側方開口部が形成されており、
一の前記側方開口部の一方の縁部から一の湾曲方向の所定の範囲までにおける同本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に短くなっており、
他の前記側方開口部の、前記一の側方開口部の前記一方の縁部と向き合った縁部に相当する他方の縁部から、前記一の湾曲方向とは反対方向である他の湾曲方向の所定の範囲までにおける前記本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった
請求項1に記載の保持具。
【請求項10】
前記本体部は、湾曲方向に着脱自在に分割可能であり、
前記本体部は、別の部材を着脱自在に取付可能な取付部を有する
請求項1に記載の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保持具に関する。詳しくは、例えばコンクリート構造物の点検作業に用いられる点検器具を保持するための保持具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ライフサイクルコストの削減や資源の有効活用、さらに建設事業の環境影響への低減といった背景があることから、コンクリート構造物の大幅な長寿延命化が要求されている。
【0003】
こうした要求に応えるべく、コンクリート構造物の定期的な点検や調査が行われており、必要に応じて補修工事などが行われている。
【0004】
コンクリート構造物の点検作業は、構造物を主に目視して損傷例えばコンクリートの浮き、鉄筋露出、腐食が無いかを確認する作業である。
また、コンクリート構造物の点検方法として具体的には、遠望目視点検と近接目視点検がある。
【0005】
遠望目視点検とは、徒歩で移動しながら、双眼鏡などを利用してコンクリート構造物に可能な限り近づき、損傷状態や変状を目視で確認する点検方法である。
また、近接目視点検とは、はしごや足場や高所作業車などを利用して、触診作業や打音点検作業ができる距離までコンクリート構造物に近づき、損傷状態や変状を詳細に調べる点検方法である。
【0006】
例えばコンクリート構造物の近接目視点検を行う際、ハンマーでコンクリート面を打撃し、出た音の違いによって健全箇所か劣化箇所かを判断し損傷状態を調べる。
しかし、ハンマーを用いた点検作業では、一打撃ごとの繰り返しによる点検すなわち、コンクリート面を「点」で打診点検することになり、点と点の間は点検できていないので、劣化箇所を見落とし易いという問題があった。
【0007】
そこで、従来、様々な点検具が提案されている。例えば、特許文献1には
図11に示す点検具が記載されている。
すなわち、特許文献1に記載の点検具110は、伸縮式の操作棹120と、操作棹120の先端部を構成する支軸部125に回転自在に支持された転打子130とを備える。
【0008】
また、転打子130は、横断面外形が正六角形である多面体であり、その外周面は6面の円筒面からなる転打面に等分割されている。
また、操作棹120の基端側に、転打音解析ユニット155やバッテリ156を内蔵する連結ケース150が取付けられており、また、連結ケース150に円筒状の集音マイクユニット160が取付けられている。
【0009】
点検作業者は、操作棹120を手で持って転打子130をコンクリート面に押し当て、転打子130をコンクリート面に押し当てながら操作棹120を振る。
これにより、転打子130は横断面外形が正六角形であるので、60度回転するごとに転打面がコンクリート面を打撃して、打撃音を発生させ、ハンマーのような「点」での打診点検ではなく、「線」での打診点検ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
コンクリート構造物の点検作業においては、転打子の転打面でコンクリート面を打撃する打音点検作業だけでなく、打音点検作業で濁音が認められたコンクリート構造物の箇所に、チョークなどでマーキングを行うマーキング作業や、点検結果などを記録するために構造物の点検箇所を撮像する撮像作業などが行われる。
そして、これらの点検作業を行うときには、それぞれの点検作業において異なる器具を使用する。
【0012】
特許文献1に記載の点検具が備える操作棹は、最下段パイプから順次小径のパイプ及び支軸部が引き出し可能に嵌挿保持された構造となっているが、支軸部などが着脱可能に保持された構造ではないので、例えば打音点検作業からマーキング作業へ移る場合には、点検具全体を交換しなければならない。
【0013】
また、コンクリート構造物特に橋梁などの点検作業においては、足場や高所作業車の作業床などにおいて作業を行うことが多いのだが、交換のためにマーキング作業用の点検器具例えば先端にチョークが取付けられたパイプや、撮像作業用の点検器具例えば先端近くにカメラが取付けられたパイプを、足場や高所作業車の作業床に持ち込んでおかなければならない。
【0014】
しかし、足場や高所作業車の作業床は限られた領域であるので、持ち込まれる点検器具の数が多くなると限られた領域内で場所を取り、点検作業に支障をきたすおそれがある。
そこで本発明者らは、パイプの先端側のみを交換可能にするべく検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、管状体を着脱可能に保持できる保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明の保持具は、管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、一方向へ延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ挿入可能であり、前記一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とを備える。
【0017】
ここで、管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、所定の方向の少なくとも一端に空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部によって、管状体用開口部を通して管状体の少なくとも一部を、本体部の内部の空間に配置したり本体部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0018】
またここで、本体部の「所定の方向へ延びており」とは、直線状に延びる場合だけでなく、曲がって延びる場合も含まれる。
また、本発明で言う「管状体」は、内部が中空のものだけでなく、内部が中実のものも含むものとする。
【0019】
また、側面に開口していると共に空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、一方向へ延びており、延びた方向の一端から一端とは反対側の他端まで、一方の面と、一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、一端から側方開口部へ挿入可能であり、一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とによって、挿入片の一端から他端まで傾斜が設けられているので、本体部の内部の空間に配置された、管状体の少なくとも一部と本体部の内側面との間に形成された隙間に挿入片が入り込み、挿入片の楔作用によって、本体部が延びた方向と同じ方向へ管状体を動かなくすることができる。
【0020】
また、本発明の保持具において、挿入片の一端側の部分は、挿入片の他の部分より軟らかい構成とすることができる。
【0021】
この場合、本体部の内部の空間に配置された管状体の少なくとも一部と本体部の内側面とに、側方開口部から本体部の内部の空間に挿入された挿入片の一端側の部分が挟まれて押しつぶされ、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間に形成された隙間に、挿入片の一端側の部分が入り込み易くなる。
そして、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間に形成された隙間に、挿入片の一端側の部分が入り込んだ時点で管状体を回転させることで、挿入片をこの隙間にさらに引き込み、本体部が延びた方向と同じ方向へさらに管状体を安定して動かなくすることができる。
【0022】
また、本発明の保持具において、挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、挿入片の一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に一端側の部分の曲率が挿入片の他の部分の曲率より大きい構成とすることができる。
【0023】
この場合、挿入片の一端側の部分と管状体の少なくともの一部と本体部の内側面とが互いに強く接触し合い、挿入片の一端側の部分の形状が、管状体の少なくとも一部の形状となじむように変形して、挿入片の一端側の部分が管状体の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、管状体の回転を抑えることができる。
また、この場合、一定の曲率で湾曲した挿入片よりも、挿入片を側方開口部へ挿入したり側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
【0024】
また、本発明の保持具において、挿入片の一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である構成とすることができる。
【0025】
この場合、本体部の内部の空間に配置された管状体の少なくとも一部と本体部の内側面とに、側方開口部から本体部の内部の空間に挿入された挿入片の一端側の中空部分が挟まれて押しつぶされ、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間に形成された隙間に挿入片の中空部分が入り込み易くなる。
そして、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間の隙間に挿入片の中空部分が入り込んだ時点で管状体を回転させることで、挿入片をこの隙間にさらに引き込み、本体部が延びた方向と同じ方向へさらに管状体を安定して動かなくすることができる。
【0026】
また、本発明の保持具において、挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、挿入片の中空部分が円弧状に湾曲していると共に中空部分の曲率が中実部分の曲率より大きい構成とすることができる。
【0027】
この場合、挿入片の中空部分と管状体の少なくともの一部と本体部の内側面とが互いに強く接触し合い、挿入片の中空部分の形状が、管状体の少なくとも一部の形状となじむように変形して、挿入片の中空部分が管状体の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、管状体の回転を抑えることができる。
また、この場合、一定の曲率で湾曲した挿入片よりも、挿入片を側方開口部へ挿入したり側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
【0028】
また、本発明の保持具において、挿入片は一方の面を内側にして湾曲しており、挿入片の一方の面の表面粗さは、挿入片の他方の面の表面粗さより大きく、本体部の内側面の表面粗さは、挿入片の他方の面の表面粗さと略同じである構成とすることができる。
【0029】
この場合、挿入片を本体部の内部へ強く挿入しなくても、本体部の内部の空間に配置された、管状体の少なくとも一部を回転させるだけで、挿入片が、管状体の回転に伴って、本体部が延びた方向と同じ方向への管状体の移動を抑止する位置まで本体部の内部へ引き込まれたり、管状体の移動抑止を解除する位置まで本体部の外部へ押し出されたりし易くなる。
【0030】
また、本発明の保持具において、挿入片は突起部を有し、突起部は、挿入片の他方の面の他端側に、一方の面とは反対方向へ突起して設けられた構成とすることができる。
【0031】
この場合、使用者は突起部に指を引掛けて、本体部の側方開口部へ挿入片を挿入したり、側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
またこの場合、挿入片の挿入及び引き出しを繰り返すことによって挿入片が摩耗し、挿入片の挿入域が増大して、挿入片を側方開口部へ挿入したときの挿入片の他端側と側方開口部の縁部との間の距離が縮まっていくが、他端側に設けられた突起部が目印となって挿入片の摩耗度合を目視で確認し易い。
【0032】
また、本発明の保持具において、本体部の側方開口部の一方の縁部から湾曲方向の所定の範囲までにおける本体部の中心から本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった構成とすることができる。
【0033】
この場合、本体部の内部の空間に管状体の少なくとも一部が配置されたときにできる、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間の隙間の形状を、挿入片の外形に対応させることができ、挿入片を挿入し易い。
【0034】
また、本発明の保持具において、本体部が延びた方向に、2つの側方開口部が形成されており、一の側方開口部の一方の縁部から一の湾曲方向の所定の範囲までにおける本体部の中心から本体部の内側面までの距離が徐々に短くなっており、他の側方開口部の、一の側方開口部の一方の縁部と向き合った縁部に相当する他方の縁部から、一の湾曲方向とは反対方向である他の湾曲方向の所定の範囲までにおける本体部の中心から本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった構成とすることができる。
【0035】
ここで、「一方の縁部と向き合った縁部に相当する」とは、一の側方開口部と他の側方開口部を同様に例えば正面視したときに、一方の縁部と向き合った縁部と同じ位置関係にあることを意味する。
すなわち、例えば正面視したときに一の側方開口部の一方の縁部が左側に位置していれば、他の側方開口部の右側に位置する縁部を意味する。
【0036】
この場合、本体部が延びた方向に2つの側方開口部が形成されているので、挿入片を2つの側方開口部それぞれに挿入して、本体部の内部の空間に配置された、2つの管状体それぞれの少なくとも一部と本体部の内側面との間に形成された隙間に挿入片が入り込み、本体部が延びた方向と同じ方向へ、2つの管状体それぞれを動かなくすることができる。
【0037】
また、この場合、本体部の内部の空間に管状体の少なくとも一部が配置されたときにできる、本体部の内側面と管状体の少なくとも一部との間の隙間の形状を、挿入片の外形に対応させることができ、挿入片を挿入し易い。
【0038】
さらにこの場合、一の側方開口部への挿入片の挿入方向と、他の側方開口部への挿入片の挿入方向とが互いに逆方向となり、2つの管状体を例えば左右の手で掴んで互いに逆方向へ回転させて、本体部が延びた方向と同じ方向への管状体の移動を抑止する位置まで挿入片を本体部の内部へ引き込んだり、管状体の移動抑止を解除する位置まで挿入片を本体部の外部へ押し出したりできる。
【0039】
また、本発明の保持具において、本体部は、湾曲方向に着脱自在に分割可能であり、本体部は、別の部材を着脱自在に取付可能な取付部を有する構成とすることができる。
【0040】
この場合、管状体の両端に部材が取付けられるなどして塞がっていても、本体部の内部の空間に管状体を配置することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る保持具は、管状体を着脱可能に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1A】本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す前方概略斜視図である。
【
図1B】本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す後方概略斜視図である。
【
図2A】
図1Aの本体部をA-A線で切断した概略断面図である。
【
図2B】
図1Aの本体部をB-B線で切断した概略断面図である。
【
図3】本発明を適用した保持具が備える挿入片の一例を拡大して示す概略図である。
【
図4A】本発明を適用した第1の実施形態の保持具が管状体を保持する前の状態の一例を示す概略図である。
【
図4B】本発明を適用した第1の実施形態の保持具が管状体を保持した状態の一例を示す概略図である。
【
図5A】
図4Aの本体部と挿入片をC-C線で切断した概略断面図である。
【
図5B】
図4Bの本体部と挿入片と管状体をD-D線で切断した概略断面図である。
【
図6】本発明を適用した第2の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す概略斜視図である。
【
図7A】一端にチョークが着脱可能に取付けられた操作パイプに、本発明を適用した第2の実施形態の保持具を利用してカメラを取付ける様子の一例を示す概略図である。
【
図7B】一端にチョークが着脱可能に取付けられた操作パイプに、本発明を適用した第2の実施形態の保持具を利用してカメラを取付けて構造物を撮像する状態の一例を示す概略図である。
【
図8】本発明を適用した保持具が備える略T字形状の本体部の一例を示す概略図である。
【
図9】本発明を適用した保持具が備える略Y字形状の本体部の一例を示す概略図である。
【
図10】本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える本体部の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1Aは、本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す前方概略斜視図であり、
図1Bは、本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す後方概略斜視図である。
【0044】
図1A及び
図1Bに示す本発明の第1の実施形態の保持具10は、本体部11を備える。
本体部11は所定の方向へ延びており、本体部11の内部には空間が形成されている。
本体部11の内部に形成された空間は、管状体例えばパイプ、円柱形状のチョーク、打診棒の操作パイプ、またはハンマーの持ち手部分の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、本体部11が延びた方向に対して略直交する方向における本体部11の断面形状は略円形であり、本体部11の内側面は湾曲している。
【0045】
また、本体部11は一体的に成形されたものであり、樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部11の材質が制限されないことは勿論である。
【0046】
また、本体部11が延びた方向の一端に、第1の管状体用開口部11Aが形成されており、第1の管状体用開口部11Aが形成された一端とは反対側の、本体部11の他端に、第2の管状体用開口部11Bが形成されている。
【0047】
また、第1の管状体用開口部11Aと第2の管状体用開口部11Bは、本体部11の内部に形成された空間と本体部11の外部とを連通している。
【0048】
また、
図1A及び
図1Bに示すように、本体部11が延びた方向に、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成されている。
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは、開口していると共に本体部11の内部の空間と本体部11の外部とを連通している。
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは本体部11の側面に形成されており、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは、第1の管状体用開口部11Aまたは第2の管状体用開口部11Bが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0049】
図2Aは、
図1Aの本体部をA-A線で切断した概略断面図であり、
図2Bは、
図1Aの本体部をB-B線で切断した概略断面図である。
【0050】
図2Aに示すように、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部から一の湾曲方向の所定の範囲例えば第1の側方開口部11Cの反対側の位置までにおける、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなっている。
【0051】
すなわち、本体部11の中心から、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部に近い方の内側面の箇所までの距離R1よりも、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部から遠い方の内側面の箇所までの距離R2の方が短い。
従って、図示していないが、本体部11の中心から、距離R1が定まる本体部11の内側面の箇所と距離R2が定まる本体部11の内側面の箇所との間に位置する箇所までの距離は、R1より短く、R2よりも長い。
【0052】
一方、
図2Bに示すように、本体部11の第2の側方開口部11Dの片方の縁部から湾曲方向の所定の範囲例えば第2の側方開口部11Dの反対側の位置までにおける、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなっている。
【0053】
ここで、本体部11の第2の側方開口部11Dの片方の縁部は、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部と向き合った縁部に相当する他方の縁部である。
すなわち、
図2A及び
図2Bに示すように、本体部11を断面視したときに、第1の側方開口部11Cの一方の縁部が左側に位置しているので、本体部11の第2の側方開口部11Dの他方の縁部は右側に位置する。
【0054】
また、第2の側方開口部11Dの他方の縁部からの湾曲方向は、第1の側方開口部11Cの一方の縁部からの一の湾曲方向とは反対方向である他の湾曲方向である。
【0055】
また、本体部11の中心から、本体部11の第2の側方開口部11Dの他方の縁部に近い方の内側面の箇所までの距離R3よりも、本体部11の第2の側方開口部11Dの他方の縁部から遠い方の内側面の箇所までの距離R4の方が短い。
従って、図示していないが、本体部11の中心から、距離R3が定まる本体部11の内側面の箇所と距離R4が定まる本体部11の内側面の箇所との間に位置する箇所までの距離は、R3より短く、R4よりも長い。
【0056】
図3は、本発明を適用した保持具が備える挿入片の一例を拡大して示す概略図である。
本発明の第1の実施形態の保持具10は、第1の挿入片12と第2の挿入片13を備える。
第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ一方向へ延びている。
【0057】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、第1の挿入片12及び第2の挿入片13の材質が制限されないことは勿論である。
【0058】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ、延びた方向の一端から、この一端とは反対側の他端まで、一方の面と、この一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大している。
【0059】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ、一端から第1の側方開口部11C及び第2の側方開口部11Dへ挿入可能である。
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13はそれぞれ、延びた方向である一方向と同じ方向へ湾曲している。
【0060】
また、第1の挿入片12の一端側の部分は、内部に空間が形成されて中空になった第1の中空部分12Aである。
また、第1の挿入片12の他の部分は、内部に空間が形成されておらず中実になった第1の中実部分12Bである。
【0061】
また、同じく第2の挿入片13の一端側の部分は、内部に空間が形成されて中空になった第2の中空部分13Aである。
また、同じく第2の挿入片13の他の部分は、内部に空間が形成されておらず中実になった第2の中実部分13Bである。
【0062】
ここで、第1の挿入片12の一端側の部分及び第2の挿入片13の一端側の部分はそれぞれ、一端から、挿入片が延びた全体の長さの例えば2/5までの範囲に相当するが、これに限定されないことは勿論である。
【0063】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13は、クロソイド曲線状に湾曲している。
また、
図3から判るように、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aと、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aは、円弧状に湾曲している。
また、第1の中空部分12Aの曲率は第1の中実部分12Bの曲率より大きい。
また、第2の中空部分13Aの曲率は第2の中実部分13Bの曲率より大きい。
【0064】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13は、一方の面を内側にして湾曲している。
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの一方の面の表面粗さは、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さより大きい。
【0065】
また、本体部11の内側面の表面粗さは、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さと略同じである。
【0066】
また、第1の挿入片12は第1の突起部12Cを有する。
第1の突起部12Cは、第1の挿入片12の他方の面の他端側に、第1の挿入片12の一方の面とは反対方向へ突起して設けられている。
【0067】
また、第2の挿入片13は第2の突起部13Cを有する。
第2の突起部13Cは、第2の挿入片13の他方の面の他端側に、第2の挿入片13の一方の面とは反対方向へ突起して設けられている。
【0068】
本発明の保持具10が備える本体部11には、必ずしも第1の管状体用開口部11Aと第2の管状体用開口部11Bが形成されていなくてもよく、いずれか一方のみが形成された構成とすることができる。
その場合、管状体用開口部が形成された本体部の端部とは反対側の端部には、例えば打診棒とチョークホルダとを有する点検具が取付けられていてもよい。本発明の保持具の本体部をこのような構成とすることで、操作パイプの先端に、打診棒とチョークホルダとを有する点検具を着脱可能に取付けることができる。
また、本体部には、このような点検具以外にも様々な部材が取付けられていてもよい。本体部には、本体部を他の部材などに引掛けることができるよう例えばフック部材が取付けられていてもよい。
【0069】
また、チョークホルダ自体にも本発明の保持具が適用され、点検具が有する管状体にチョークホルダを着脱可能に取付けることができる。なお、チョークをチョークホルダに着脱可能に取付けできることは勿論である。
また、本発明の保持具が適用されたチョークホルダの本体はすなわち、本発明の保持具の本体部であるが、本体部の側面に側方開口部以外の貫通穴が形成され、この貫通穴に指などを入れて、本体部内に埋まってしまったチョークを管状体用開口部へ向けて押し出すこともできる。
【0070】
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dのいずれか一方のみが本体部に形成された構成とすることができ、これに伴い、本発明の保持具は、挿入片を1つのみ備える構成とすることができる。
さらに、本体部が延びた方向に、3つ以上の側方開口部を形成することもでき、側方開口部の数に制限が無いことは勿論である。
また、本発明の保持具は、側方開口部の数に応じた数の挿入片を備えることができ、挿入片の数に制限が無いことは勿論である。
【0071】
本体部11の両端に第1の管状体用開口部11Aと第2の管状体用開口部11Bがそれぞれ形成され、本体部11に第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成され、さらに本発明の保持具10が第1の挿入片12及び第2の挿入片13を備えていれば、2つの管状体それぞれの少なくとも一部を本体部11の内部の空間に配置して、本体部11が延びた方向と同じ方向へ2つの管状体を動かなくすることができるので好ましい。
【0072】
また、第1の側方開口部11Cが形成された本体部11の箇所の内径と、第2の側方開口部11Dが形成された本体部11の箇所の内径は、互いに同一であっても相違していてもよい。
【0073】
また、必ずしも、本体部11の中心から、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部に近い方の内側面の箇所までの距離R1よりも、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部から遠い方の内側面の箇所までの距離R2の方が短くなくてもよく、また、必ずしも、本体部11の中心から、本体部11の第2の側方開口部11Dの他方の縁部に近い方の内側面の箇所までの距離R3よりも、本体部11の第2の側方開口部11Dの他方の縁部から遠い方の内側面の箇所までの距離R4の方が短くなくてもよく、本体部の中心から内側面までの距離は、どの箇所においても全て同じである構成とすることができる。
【0074】
しかし、このように、本体部11の一端側と他端側とにおいて、本体部11の中心から内側面までの距離が、2つの側方開口部それぞれの縁部から所定の範囲まで、互いに逆方向の湾曲方向へ徐々に短くなっていることで、2つの管状体を例えば左右の手で掴んで互いに逆方向へ回転させて、本体部が延びた方向と同じ方向への管状体の移動を抑止する位置まで挿入片を本体部の内部へ引き込んだり、管状体の移動抑止を解除する位置まで挿入片を本体部の外部へ押し出したりできるので好ましい。
【0075】
また、本発明の保持具10において、必ずしも第1の挿入片12の一端側の部分は第1の中空部分12Aでなくてもよく、必ずしも第1の挿入片12の他の部分は第1の中実部分12Bでなくてもよく、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっていてもよい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0076】
しかし、第1の挿入片12に第1の中空部分12Aと第1の中実部分12Bが設けられていれば、第1の側方開口部11Cから本体部11の内部の空間に挿入された第1の挿入片12の一端側の第1の中空部分12Aが、本体部11の内部の空間に配置された、管状体の少なくとも一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面と管状体の少なくとも一部との間に形成された隙間に第1の挿入片12の第1の中空部分12Aが入り込み易くなるので好ましい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0077】
また、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっている構成において、第1の挿入片12の一端側の部分が、第1の挿入片12の他の部分より軟らかいという構成とすることもできる。
例えば、第1の挿入片12の一端側の部分はゴムなどの弾性部材で構成され、第1の挿入片12の他の部分はプラスチック部材で構成されることができる。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0078】
また、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっている構成において、第1の挿入片12がクロソイド曲線状に湾曲しており、第1の挿入片12の一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に一端側の部分の曲率が、第1の挿入片12の他の部分の曲率より大きいという構成とすることもできる。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0079】
また、本発明の保持具10において、第1の挿入片12は、必ずしもクロソイド曲線状に湾曲していなくてもよく、また、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aは、必ずしも円弧状に湾曲していなくてもよく、さらに、第1の中空部分12Aの曲率は、必ずしも第1の中実部分12Bの曲率より大きくなくてもよい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0080】
しかし、第1の挿入片12が、このように湾曲していれば、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aと管状体の少なくともの一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aの形状が、管状体の少なくとも一部の形状となじむように変形して、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aが管状体の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、管状体の回転を抑えることができるので好ましい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0081】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの一方の面の表面粗さは、必ずしも第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さより大きくなくてもよい。
また、本体部11の内側面の表面粗さは、必ずしも第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さと略同じでなくてもよい。
【0082】
しかし、本体部11の内側面の表面粗さと、第1の挿入片12の表面粗さがこのようなものであれば、第1の挿入片12を本体部11の内部へ強く挿入しなくても、本体部11の内部の空間に配置された、管状体の少なくとも一部を回転させるだけで、第1の挿入片12が、管状体の回転に伴って、本体部11が延びた方向と同じ方向への管状体の移動を抑止する位置まで本体部11の内部へ引き込まれたり、管状体の移動抑止を解除する位置まで本体部11の外部へ押し出されたりし易くなるので好ましい。
また、第2の挿入片13の表面粗さについても同様である。
【0083】
また、第1の挿入片12は必ずしも第1の突起部12Cを有していなくてもよく、また、第2の挿入片13は必ずしも第2の突起部13Cを有していなくてもよい。
【0084】
しかし、第1の挿入片12が第1の突起部12Cを有して入れば、使用者は、第1の突起部12Cに指を引掛けて、本体部11の第1の側方開口部11Cへ第1の挿入片12を挿入したり、第1の側方開口部11Cから第1の挿入片12を引き出したりし易いので好ましい。
また、第1の挿入片12が第1の突起部12Cを有して入れば、第1の挿入片12の挿入及び引き出しを繰り返すことによって第1の挿入片12が摩耗し、第1の挿入片12の挿入域が増大して、第1の挿入片12を第1の側方開口部11Cへ挿入したときの第1の挿入片12の他端側と第1の側方開口部11Cの縁部との間の距離が縮まっていくが、他端側に設けられた第1の突起部12Cが目印となって第1の挿入片12の摩耗度合を目視で確認し易いので好ましい。
【0085】
次に、本発明の第1の実施形態の保持具10を使用した例を説明する。
図4Aは、本発明を適用した第1の実施形態の保持具が管状体を保持する前の状態の一例を示す概略図であり、
図4Bは、本発明を適用した第1の実施形態の保持具が管状体を保持した状態の一例を示す概略図である。
また、
図5Aは、
図4Aの本体部と挿入片をC-C線で切断した概略断面図であり、
図5Bは、
図4Bの本体部と挿入片と管状体をD-D線で切断した概略断面図である。
【0086】
ここでは、管状体として、チョークと操作パイプを例に挙げて説明するが、管状体がこれらに限定されないことは勿論である。
【0087】
本発明の保持具10が備える本体部11の第1の管状体用開口部11Aを通して、チョーク20の一部すなわち下端部を、本体部11の内部に形成された空間に配置する。
このとき、
図5Aに示されているように、第1の挿入片12は、その一端が第1の側方開口部11Cに少し挿入された程度であり、第1の挿入片12は、ほとんど第1の側方開口部11Cへ挿入されていない。
【0088】
そして、チョーク20の一部が本体部11の内部の空間に配置された状態で、第1の挿入片12を第1の挿入方向14へ動かし、第1の側方開口部11Cへ挿入する。
このとき、
図5Bに示されているように、本体部11の内部の空間に配置された、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間に、第1の挿入片12が入り込み、第1の挿入片12の楔作用によって、本体部11が延びた方向と同じ方向へチョーク20を動かなくすることができる。
【0089】
また、第1の挿入片12の一方の面の表面粗さが、第1の挿入片12の他方の面の表面粗さより大きく、また、本体部11の内側面の表面粗さは、第1の挿入片12の他方の面の表面粗さと略同じであるので、第1の挿入片12を強く挿入しなくても、チョーク20を右回転させて第1の挿入片12を、本体部11の内側面とチョーク20の一部との間の隙間にさらに引き込む。
【0090】
またこのとき、第1の挿入片12の一端側に設けられた第1の中空部分12Aが、チョーク20の一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面とチョーク20の一部との間に形成された隙間に、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aが入り込み易くなっている。
【0091】
その結果、チョーク20を、本体部11が延びた方向と同じ方向へさらに安定して動かなくすることができる。
【0092】
また、第1の挿入片12はクロソイド曲線状に湾曲しており、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aは、円弧状に湾曲しており、第1の中空部分12Aの曲率は第1の中実部分12Bの曲率より大きいので、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aとチョーク20の一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aの形状が、チョーク20の一部の形状となじむように変形する。
そして、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aがチョーク20の一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、チョーク20の回転を抑える。
【0093】
従って、チョーク20が自然に左回転して、本体部11が延びた方向と同じ方向へのチョーク20の移動抑止を解除する位置まで、第1の挿入片12を本体部11の外部へ押し出すことを抑える。
【0094】
一方、本発明の保持具10が備える本体部11の第2の管状体用開口部11Bを通して、操作パイプ21の一部すなわち上端部を、本体部11の内部に形成された空間に配置する。
このとき、第2の挿入片13は、その一端が第2の側方開口部11Dに少し挿入された程度であり、第2の挿入片13は、ほとんど第2の側方開口部11Dへ挿入されていない。
【0095】
そして、操作パイプ21の一部が本体部11の内部の空間に配置された状態で、第2の挿入片13を第2の挿入方向15へ動かし、第2の側方開口部11Dへ挿入する。
このとき、本体部11の内部の空間に配置された、操作パイプ21の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間に、第2の挿入片13が入り込み、第2の挿入片13の楔作用によって、本体部11が延びた方向と同じ方向へ操作パイプ21を動かなくすることができる。
【0096】
また、
図4Bから明らかなように、第1の挿入片12を第1の側方開口部11Cへ挿入するときの第1の挿入方向14と、第2の挿入片13を第2の側方開口部11Dへ挿入するときの第2の挿入方向15とは互いに逆方向である。
なお、第1の挿入片12と第2の挿入片13の挿入方向は一例であり、これに限定されないことは勿論である。例えば、第1の挿入片12の挿入方向と第2の挿入片13の挿入方向は互いに同じ方向とすることもできる。
【0097】
また、第2の挿入片13の一方の面の表面粗さが、第2の挿入片13の他方の面の表面粗さより大きく、また、本体部11の内側面の表面粗さは、第2の挿入片13の他方の面の表面粗さと略同じであるので、第2の挿入片13を強く挿入しなくても、操作パイプ21を左回転させて第2の挿入片13を、本体部11の内側面と操作パイプ21の一部との間の隙間にさらに引き込む。
【0098】
またこのとき、第2の挿入片13の一端側に設けられた第2の中空部分13Aが、操作パイプ21の一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面と操作パイプ21の一部との間に形成された隙間に、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aが入り込み易くなっている。
【0099】
その結果、操作パイプ21を、本体部11が延びた方向と同じ方向へさらに安定して動かなくすることができる。
【0100】
また、第2の挿入片13はクロソイド曲線状に湾曲しており、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aは、円弧状に湾曲しており、第2の中空部分13Aの曲率は第2の中実部分13Bの曲率より大きいので、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aと操作パイプ21の一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aの形状が、操作パイプ21の一部の形状となじむように変形する。
そして、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aが操作パイプ21の一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、操作パイプ21の回転を抑える。
【0101】
従って、操作パイプ21が自然に右回転して、本体部11が延びた方向と同じ方向への操作パイプ21の移動抑止を解除する位置まで、第2の挿入片13を本体部11の外部へ押し出すことを抑える。
【0102】
また、第1の挿入片12を第1の側方開口部11Cへ挿入するときの第1の挿入方向14と、第2の挿入片13を第2の側方開口部11Dへ挿入するときの第2の挿入方向15とは互いに逆方向であるので、チョーク20を例えば左手で掴み、操作パイプ21を例えば右手で掴んで互いに逆方向へ回転させて、本体部11が延びた方向と同じ方向への、チョーク20及び操作パイプ21それぞれの移動を抑止する位置まで、第1の挿入片12及び第2の挿入片13を本体部11の内部へ引き込んだり、チョーク20及び操作パイプ21それぞれの移動抑止を解除する位置まで、第1の挿入片12及び第2の挿入片13を本体部11の外部へ押し出したりできる。
【0103】
また、
図4A及び
図4Bに示す例は、チョーク20と操作パイプ21という2つの管状体を本発明の保持具10が保持する例であるが、本発明の保持具10が1つの管状体を保持できることは勿論である。
すなわち、1つの管状体の一部が本体部11の内部の空間に配置され、本体部11の第1の管状体用開口部11Aと第2の管状体用開口部11Bとを通って本体部11から1つの管状体が突出した状態で、第1の挿入片12と第2の挿入片13とによって、本発明の保持具10は1つの管状体を保持できる。
【0104】
また、本発明の保持具10が1つの管状体を保持した場合は、この管状体の一部と本体部11の内側面との間の隙間から第1の挿入片12及び第2の挿入片13を抜き出すことで、本体部11の内部の空間内を管状体が移動できる状態となるので、管状体に対する本体部11の位置を変えることができる。
【0105】
また、1つの管状体を、第1の挿入片12及び第2の挿入片13のように互いに挿入方向が異なる2つの挿入片によって保持するので、1つの挿入片によって保持する場合よりも管状体の保持が解除され難い。
【0106】
図6は、本発明を適用した第2の実施形態の保持具が備える、本体部と挿入片の一例を示す概略斜視図である。
【0107】
図6に示す本発明の第2の実施形態の保持具30は、本体部31を備える。
また、本体部31は、第1の本体構成部31Aと、第2の本体構成部31Bとで構成されている。
また、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bは互いに結合したり分離したりできるよう構成されている。
また、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bが結合したり分離したりできるのであれば、どのような結合構造であってもよく、例えば磁力による結合構造や凹凸による結合構造を採用できる。
【0108】
また、本体部31すなわち、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bは樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部31(第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31B)の材質が制限されないことは勿論である。
【0109】
また、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bが互いに結合した本体部31は、所定の方向へ延びており、本体部31の内部には空間が形成されている。
また、本体部31の内部に形成された空間は、パイプ、円柱形状のチョークなど管状体の少なくとも一部を配置可能な空間である。
【0110】
すなわち、本体部31が延びた方向に対して略直交する方向における本体部31の断面形状は略円形であり、本体部31の内側面は湾曲している。
また、すなわち、本体部31は、湾曲方向に着脱自在に、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bとに分割可能である。
【0111】
また、本体部31が延びた方向の一端に、第1の管状体用開口部31Cが形成されており、第1の管状体用開口部31Cが形成された一端とは反対側の、本体部31の他端に、第2の管状体用開口部31Dが形成されている。
【0112】
また、第1の管状体用開口部31Cと第2の管状体用開口部31Dは、本体部31の内部に形成された空間と本体部31の外部とを連通している。
【0113】
また、本体部31は、第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bが互いに結合して構成されているので、第1の本体構成部31Aの両端と第2の本体構成部の両端の形状はそれぞれ略半円形である。
【0114】
また、
図6に示すように、第1の本体構成部31Aに、側方開口部31Eが形成されている。
また、側方開口部31Eは、開口していると共に本体部31の内部の空間と本体部31の外部とを連通している。
【0115】
また、本体部31は、別の部材を着脱自在に取付可能な取付部33を有する。
すなわち、
図6に示すように、第2の本体構成部31Bの外側面に取付部33が設けられている。
図6に示す例は、別の部材としてカメラ36を取付ける場合の例であるが、本体部31に取付けられる別の部材はカメラに限定されないことは勿論であり、例えば集音マイクや黒板を取付けることもできる。
【0116】
カメラ36には、一定方向へ延びたアーム部35の一端が取付けられている。
アーム部35は塑性変形可能であり、カメラ36を様々な方向へ向け、その状態を維持することができる。
【0117】
また、カメラ36に取付けられた一端とは反対側のアーム部35の他端に、挿し込み部34が取付けられている。
また、挿し込み部34は、本体部31すなわち第2の本体構成部31Bに設けられた取付部33に着脱自在に挿し込み可能である。
【0118】
従って、本発明の第2の実施形態の保持具30が備える本体部31に、挿し込み部34とアーム部35とを介してカメラ36を取付けることができる。
【0119】
また、取付部33は、他の部材を着脱自在に取付可能であれば、必ずしも
図6に示すような挿し込み口の構造でなくてもよく、例えば平板状の突出片の構造とし、突出片を挟んでネジ止めするものでもよい。
【0120】
また、本体部31の取付部33にカメラ36など別の部材を着脱自在に取付けることができるのであれば、必ずしもアーム部35や挿し込み部34を使用しなくてもよく、カメラ36など別の部材を直接、取付部33に取付けるようにすることでもできる。
【0121】
また、本発明の第2の実施形態の保持具30は、挿入片32を備える。
挿入片32は、一方向へ延びている。
また、挿入片32は樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、挿入片32の材質が制限されないことは勿論である。
【0122】
また、挿入片32は、挿入片32が延びた方向である一方向と同じ方向へ湾曲している。
また、挿入片32は、一方の面を内側にして湾曲している。
【0123】
また、挿入片32は、突起部32Aを有する。
突起部32Aは、挿入片32の他方の面の一方の端部側に、一方の面とは反対方向へ突起して設けられている。
【0124】
また、挿入片32の構造は、本発明の第1の実施形態の保持具10が備える第1の挿入片12及び第2の挿入片13の構造と同じなので詳細な説明は省略する。
【0125】
図7Aは、一端にチョークが着脱可能に取付けられた操作パイプに、本発明を適用した第2の実施形態の保持具を利用してカメラを取付ける様子の一例を示す概略図であり、
図7Bは、一端にチョークが着脱可能に取付けられた操作パイプに、本発明を適用した第2の実施形態の保持具を利用してカメラを取付けて構造物を撮像する状態の一例を示す概略図である。
【0126】
図7A及び
図7Bに示す本発明の第1の実施形態の保持具10は、チョーク20と操作パイプ21を保持した状態であるが、この状態は実質的に、操作パイプ21の先端にチョーク20が着脱可能に取付けられたマーキング作業用の点検器具と同じである。
【0127】
図7Aに示すように、橋梁の横桁40にチョーク20でマーキングを行い、そのまま撮像作業を行うべく、本発明の第2の実施形態の保持具30が備える、第1の本体構成部31Aと、カメラ36が取付けられた第2の本体構成部31Bとで、操作パイプ21を挟むようにする。
【0128】
第1の本体構成部31Aと、カメラ36が取付けられた第2の本体構成部31Bとで、操作パイプ21を挟んだ状態で第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31Bとを結合し、さらに、挿入片32を、第1の本体構成部31Aに形成された側方開口部31Eへ挿入して、本発明の保持具30の本体部31(第1の本体構成部31Aと第2の本体構成部31B)が延びた方向と同じ方向へ操作パイプ21を動かなくする。
すなわち、本発明の保持具30を介してカメラ36を操作パイプ21に取付ける。
【0129】
そして、
図7Bに示すように、横桁40のマーキングされた箇所をカメラ36で撮像する。
【0130】
また、
図7A及び
図7Bは、例えば打診棒を用いて打音点検作業が行われた橋梁の横桁40に、チョーク20でマーキングを行なっている様子を示しているが、打音点検作業も、本発明の保持具10がチョーク20ではなく打診棒の操作パイプを保持して行うことができる。
【0131】
またさらに、本発明の保持具30を介して集音マイクや黒板を、操作パイプ21に取付けることもできる。
【0132】
図8は、本発明を適用した保持具が備える略T字形状の本体部の一例を示す概略図である。
図8において、挿入片の図示を省略する。
【0133】
図8に示す本発明の保持具50は、略T字形状の本体部51を備える。
ここで、本体部51は、第1の本体部51Aと第2の本体部51Bとで構成されており、第1の本体部51Aと第2の本体部51Bは互いに一体的に成形されている。
【0134】
また、第1の本体部51Aは所定の方向へ延びており、第1の本体部51Aの内部には空間が形成されている。
また、第2の本体部51Bは、第1の本体部51Aが延びた方向に対して略直交する方向へ延びており、第2の本体部51Bの内部には空間が形成されている。
【0135】
また、第2の本体部51Bは、第1の本体部51Aの略中間部分に接合されている。
また、第1の本体部51Aの内部の空間と第2の本体部51Bの内部の空間は互いに連通している。
【0136】
また、第1の本体部51Aの内部に形成された空間及び第2の本体部51Bの内部に形成された空間は、パイプなど管状体の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、第1の本体部51Aが延びた方向に対して略直交する方向における第1の本体部51Aの断面形状は略円形であり、第1の本体部51Aの内側面は湾曲している。
また、第2の本体部51Bが延びた方向に対して略直交する方向における第2の本体部51Bの断面形状も略円形であり、第2の本体部51Bの内側面は湾曲している。
【0137】
また、本体部51(第1の本体部51Aと第2の本体部51B)は樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部51の材質が制限されないことは勿論である。
【0138】
また、第1の本体部51Aが延びた方向の一端に、第1の管状体用開口部51Cが形成されており、第1の管状体用開口部51Cが形成された一端とは反対側の、第1の本体部51Aの他端に、第2の管状体用開口部51Dが形成されている。
また、第1の管状体用開口部51Cと第2の管状体用開口部51Dは、第1の本体部51Aの内部に形成された空間と第1の本体部51Aの外部とを連通している。
【0139】
また、第2の本体部51Bが延びた方向の一端に、第3の管状体用開口部51Eが形成されている。
また、第1の本体部51Aの内部の空間と第2の本体部51Bの内部の空間は互いに連通しており、これはすなわち、第3の管状体用開口部51Eが形成された一端とは反対側の、第2の本体部51Bの他端にも管状体用開口部が形成されていることを示している。
【0140】
また、第3の管状体用開口部51Eや他端の管状体用開口部は、第2の本体部51Bの内部に形成された空間と第2の本体部51Bの外部とを連通している。
【0141】
また、
図8に示すように、第1の本体部51Aが延びた方向に、第1の側方開口部51Fと第2の側方開口部51Gが形成されている。
また、第1の側方開口部51Fと第2の側方開口部51Gは、開口していると共に第1の本体部51Aの内部の空間と第1の本体部51Aの外部とを連通している。
また、第1の側方開口部51Fと第2の側方開口部51Gは第1の本体部51Aの側面に形成されており、第1の側方開口部51Fと第2の側方開口部51Gは、第1の管状体用開口部51Cまたは第2の管状体用開口部51Dが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0142】
また、
図8に示すように、第2の本体部51Bに、第3の側方開口部51Hが形成されている。
また、第3の側方開口部51Hは、開口していると共に第2の本体部51Bの内部の空間と第2の本体部51Bの外部とを連通している。
また、第3の側方開口部51Hは第2の本体部51Bの側面に形成されており、第3の側方開口部51Hは、第3の管状体用開口部51Eが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0143】
図9は、本発明を適用した保持具が備える略Y字形状の本体部の一例を示す概略図である。
図9において、挿入片の図示を省略する。
【0144】
図9に示す本発明の保持具60は、略Y字形状の本体部61を備える。
ここで、本体部61は、第1の本体部61Aと第2の本体部61Bとで構成されており、第1の本体部61Aと第2の本体部61Bは互いに一体的に成形されている。
【0145】
また、第1の本体部61Aは、所定の方向へ略直角に曲がって延びており、第1の本体部61Aの内部には空間が形成されている。
また、第2の本体部61Bは、第1の本体部61Aが延びた方向に対して交差する方向へ延びており、第2の本体部61Bの内部には空間が形成されている。
【0146】
また、
図9に示すように、第2の本体部61Bは、第1の本体部61Aの略中間部分の凸状に湾曲した箇所に接合されている。
また、第1の本体部61Aの内部の空間と第2の本体部61Bの内部の空間は互いに連通している。
【0147】
また、第1の本体部61Aの内部に形成された空間及び第2の本体部61Bの内部に形成された空間は、パイプなど管状体の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、第1の本体部61Aが延びた方向に対して略直交する方向における第1の本体部61Aの断面形状は略円形であり、第1の本体部61Aの内側面は湾曲している。
また、第2の本体部61Bが延びた方向に対して略直交する方向における第2の本体部61Bの断面形状は略円形であり、第2の本体部61Bの内側面は湾曲している。
【0148】
また、本体部61(第1の本体部61Aと第2の本体部61B)は樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部61の材質が制限されないことは勿論である。
【0149】
また、第1の本体部61Aが延びた方向の一端に、第1の管状体用開口部61Cが形成されており、第1の管状体用開口部61Cが形成された一端とは反対側の、第1の本体部61Aの他端に、第2の管状体用開口部61Dが形成されている。
また、第1の管状体用開口部61Cと第2の管状体用開口部61Dは、第1の本体部61Aの内部に形成された空間と第1の本体部61Aの外部とを連通している。
【0150】
また、第2の本体部61Bが延びた方向の一端に、第3の管状体用開口部61Eが形成されている。
また、第1の本体部61Aの内部の空間と第2の本体部61Bの内部の空間は互いに連通しており、これはすなわち、第3の管状体用開口部61Eが形成された一端とは反対側の、第2の本体部61Bの他端にも管状体用開口部が形成されていることを示している。
【0151】
また、第3の管状体用開口部61Eや他端の管状体用開口部は、第2の本体部61Bの内部に形成された空間と第2の本体部61Bの外部とを連通している。
【0152】
また、
図9に示すように、第1の本体部61Aが曲がって延びた方向に、第1の側方開口部61Fと第2の側方開口部61Gが形成されている。
また、第1の側方開口部61Fと第2の側方開口部61Gは、開口していると共に第1の本体部61Aの内部の空間と第1の本体部61Aの外部とを連通している。
また、第1の側方開口部61Fと第2の側方開口部61Gは第1の本体部61Aの側面に形成されており、第1の側方開口部61Fと第2の側方開口部61Gは、第1の管状体用開口部61Cまたは第2の管状体用開口部61Dが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0153】
また、
図9に示すように、第2の本体部61Bに、第3の側方開口部61Hが形成されている。
また、第3の側方開口部61Hは、開口していると共に第2の本体部61Bの内部の空間と第2の本体部61Bの外部とを連通している。
また、第3の側方開口部61Hは第2の本体部61Bの側面に形成されており、第3の側方開口部61Hは、第3の管状体用開口部61Eが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0154】
図10は、本発明を適用した第1の実施形態の保持具が備える本体部の変形例を示す概略図である。
図10において、挿入片の図示を省略する。
【0155】
図10に示す本発明の保持具70は、略L字形状の本体部71を備える。
すなわち、本体部71は、所定の方向へ略直角に曲がって延びており、本体部71の内部には空間が形成されている。
【0156】
また、本体部71の内部に形成された空間は、パイプなど管状体の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、本体部71が延びた方向に対して略直交する方向における本体部71の断面形状は略円形であり、本体部71の内側面は湾曲している。
【0157】
また、本体部71は樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部71の材質が制限されないことは勿論である。
【0158】
また、本体部71が延びた方向の一端に、第1の管状体用開口部71Aが形成されており、第1の管状体用開口部71Aが形成された一端とは反対側の、本体部71の他端に、第2の管状体用開口部71Bが形成されている。
また、第1の管状体用開口部71Aと第2の管状体用開口部71Bは、本体部71の内部に形成された空間と本体部71の外部とを連通している。
【0159】
また、
図10に示すように、本体部71が曲がって延びた方向に、第1の側方開口部71Cと第2の側方開口部71Dが形成されている。
また、第1の側方開口部71Cと第2の側方開口部71Dは、開口していると共に本体部71の内部の空間と本体部71の外部とを連通している。
また、第1の側方開口部71Cと第2の側方開口部71Dは本体部71の側面に形成されており、第1の側方開口部71Cと第2の側方開口部71Dは、第1の管状体用開口部71Aまたは第2の管状体用開口部71Bが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0160】
以上のように、本発明の保持具10が備える本体部11には、第1の管状体用開口部11Aや第2の管状体用開口部11Bが形成されているので、第1の管状体用開口部11Aや第2の管状体用開口部11Bを通して、チョーク20の一部や操作パイプ21の一部を、本体部11の内部の空間に配置できる。
【0161】
また、本発明の保持具10は第1の挿入片12を備えるので、本体部11の内部の空間に配置された、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間の隙間に第1の挿入片12が入り込み、本体部11が延びた方向と同じ方向へチョーク20を動かなくすることができる。
また、本発明の保持具10は第2の挿入片13を備えるので、本体部11の内部の空間に配置された、操作パイプ21の一部と本体部11の内側面との間の隙間に第2の挿入片13が入り込み、本体部11が延びた方向と同じ方向へ操作パイプ21を動かなくすることができる。
【0162】
従って、チョーク20や操作パイプ21を本体部11が延びた方向と同じ方向へ動くようにする場合には、第1の挿入片12や第2の挿入片13を隙間から抜き出せばよく、本発明の保持具10は、チョーク20や操作パイプ21など管状体を着脱可能に保持できる。
【0163】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13を隙間から抜き出し、さらに第1の側方開口部11C及び第2の側方開口部11Dからも抜き出して、チョーク20と、操作パイプ21と、本体部11と、第1の挿入片12及び第2の挿入片13とに分離できるので、例えば本体部11の内部を清掃できたり、第1の挿入片12または第2の挿入片13を新しい挿入片と交換できたり、チョーク20を新しい違う色のチョークと交換できたり、操作パイプ21を新しい操作パイプと交換できたりする。
【0164】
また、本発明の第1の実施形態の保持具10や第2の実施形態の保持具30を、点検器具に使用した例を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、窓清掃用具に本発明の保持具を使用して、ウォッシャーまたはシャンプーと呼ばれる部材のホルダー部分と操作パイプとを着脱可能に保持したり、スクイージーと呼ばれる部材のホルダー部分と操作パイプとを着脱可能に保持したりすることができる。
また例えば、キャンプテントの支柱に本発明の保持具を使用して、支柱同士を着脱可能に保持して、支柱の長さを調整することもできる。
【符号の説明】
【0165】
10 保持具
11 本体部
11A 第1の管状体用開口部
11B 第2の管状体用開口部
11C 第1の側方開口部
11D 第2の側方開口部
12 第1の挿入片
12A 第1の中空部分
12B 第1の中実部分
12C 第1の突起部
13 第2の挿入片
13A 第2の中空部分
13B 第2の中実部分
13C 第2の突起部
14 第1の挿入方向
15 第2の挿入方向
20 チョーク
21 操作パイプ
30 保持具
31 本体部
31A 第1の本体構成部
31B 第2の本体構成部
31C 第1の管状体用開口部
31D 第2の管状体用開口部
31E 側方開口部
32 挿入片
32A 突起部
33 取付部
34 挿し込み部
35 アーム部
36 カメラ
40 横桁
50 保持具
51 本体部
51A 第1の本体部
51B 第2の本体部
51C 第1の管状体用開口部
51D 第2の管状体用開口部
51E 第3の管状体用開口部
51F 第1の側方開口部
51G 第2の側方開口部
51H 第3の側方開口部
60 保持具
61 本体部
61A 第1の本体部
61B 第2の本体部
61C 第1の管状体用開口部
61D 第2の管状体用開口部
61E 第3の管状体用開口部
61F 第1の側方開口部
61G 第2の側方開口部
61H 第3の側方開口部
70 保持具
71 本体部
71A 第1の管状体用開口部
71B 第2の管状体用開口部
71C 第1の側方開口部
71D 第2の側方開口部
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能な挿入片とを備える
保持具。
【請求項2】
前記挿入片の前記一端側の部分は、同挿入片の他の部分より軟らかい
請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に前記一端側の部分の曲率が同挿入片の他の部分の曲率より大きい
請求項1に記載の保持具。
【請求項4】
前記挿入片の前記一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、同挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である
請求項1に記載の保持具。
【請求項5】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記中空部分が円弧状に湾曲していると共に同中空部分の曲率が前記中実部分の曲率より大きい
請求項4に記載の保持具。
【請求項6】
前記挿入片は前記一方の面を内側にして湾曲しており、
前記挿入片の前記一方の面の表面粗さは、同挿入片の前記他方の面の表面粗さより大きく、
前記本体部の内側面の表面粗さは、前記挿入片の前記他方の面の表面粗さと略同じである
請求項1に記載の保持具。
【請求項7】
前記挿入片は突起部を有し、該突起部は、同挿入片の前記他方の面の他端側に、前記一方の面とは反対方向へ突起して設けられた
請求項1に記載の保持具。
【請求項8】
前記本体部の前記側方開口部の一方の縁部から湾曲方向の所定の範囲までにおける同本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった
請求項1に記載の保持具。
【請求項9】
前記本体部は、湾曲方向に着脱自在に分割可能であり、
前記本体部は、別の部材を着脱自在に取付可能な取付部を有する
請求項1に記載の保持具。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能な挿入片とを備え、
前記本体部の前記側方開口部の一方の縁部から湾曲方向の所定の範囲までにおける同本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に短くなった
保持具。
【請求項2】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能な挿入片とを備え、
前記挿入片は前記一方の面を内側にして湾曲しており、
前記挿入片の前記一方の面の表面粗さは、同挿入片の前記他方の面の表面粗さより大きく、
前記本体部の内側面の表面粗さは、前記挿入片の前記他方の面の表面粗さと略同じである
保持具。
【請求項3】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能な挿入片とを備え、
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に前記一端側の部分の曲率が同挿入片の他の部分の曲率より大きい
保持具。
【請求項4】
管状体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成されており、所定の方向へ延びており、同所定の方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した管状体用開口部が形成されており、側面に開口していると共に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成されており、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向の一端から該一端とは反対側の他端まで、一方の面と、該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大しており、前記一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能な挿入片とを備え、
前記挿入片の前記一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、同挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である
保持具。
【請求項5】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記中空部分が円弧状に湾曲していると共に同中空部分の曲率が前記中実部分の曲率より大きい
請求項4に記載の保持具。