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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030020
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】安全帯用バッグ
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20240229BHJP
   A45C 3/00 20060101ALI20240229BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A62B35/00 Z
A45C3/00 K
A45C11/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132544
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】517419146
【氏名又は名称】リンクサス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 栄治
【テーマコード(参考)】
2E184
3B045
【Fターム(参考)】
2E184KA04
3B045AA41
3B045CE07
3B045DA01
3B045DA46
3B045EA06
3B045EB10
3B045GA01
3B045GB02
3B045GC01
(57)【要約】
【課題】安全帯を運搬する際に、安全帯を構成する複数の部材が移動して部材同士が絡まるのを抑制することが可能な安全帯用バッグの提供。
【解決手段】着用者の上半身の一部に装着される第1装着部および着用者の下半身の一部に装着される第2装着部を有する安全帯を収容可能な安全帯用バッグであって、平坦に広がった展開状態と、袋状に閉じられた閉鎖状態とに形態を切り替え可能に構成されたバッグ本体1と、展開状態にあるバッグ本体の、第1方向における一方の端部12に設けられ、安全帯の第1装着部を保持する第1保持部2と、展開状態にあるバッグ本体の、第1方向における他方の端部13に設けられ、安全帯の第2装着部を保持する第2保持部3とを備え、バッグ本体は、展開状態において一方の端部12と他方の端部13とを近づけるようにバッグ本体が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返されることで閉鎖状態となるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の上半身の一部に装着される第1装着部および着用者の下半身の一部に装着される第2装着部を有する安全帯を収容可能な安全帯用バッグであって、
平坦に広がった展開状態と、袋状に閉じられた閉鎖状態とに形態を切り替え可能に構成されたバッグ本体と、
前記展開状態にある前記バッグ本体の、第1方向における一方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第1装着部を保持する第1保持部と、
前記展開状態にある前記バッグ本体の、前記第1方向における他方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第2装着部を保持する第2保持部と
を備え、
前記バッグ本体は、前記展開状態において前記一方の端部と前記他方の端部とを近づけるように前記バッグ本体が前記一方の端部と前記他方の端部との間で折り返されることで前記閉鎖状態となるように構成されている、安全帯用バッグ。
【請求項2】
前記安全帯は、前記第1装着部および前記第2装着部の間に設けられた第3装着部をさらに有し、
前記安全帯用バッグは、前記第3装着部を前記バッグ本体に保持する第3保持部をさらに備え、
前記バッグ本体は、前記展開状態における前記第1方向の中央部に、前記閉鎖状態となる際に折り返される部分となる折り返し部を有し、
前記第3保持部は、前記折り返し部に対して、前記一方の端部側または前記他方の端部側にシフトした位置に設けられる、請求項1に記載の安全帯用バッグ。
【請求項3】
前記バッグ本体は、前記閉鎖状態において所定の平坦領域を有する底部と、前記第1方向で前記底部の一方側から立ち上がって延びる第1側部と、前記第1方向で前記底部の他方側から立ち上がって延びる第2側部とを備え、
前記底部は、前記展開状態のバッグ本体において、前記第1方向の中心から前記第1方向で一方側および他方側に所定の領域で延在し、
前記バッグ本体は、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返されることで前記閉鎖状態となるように構成されている、請求項1に記載の安全帯用バッグ。
【請求項4】
前記安全帯用バッグは、
前記バッグ本体における前記安全帯が保持される側の内面との間で前記バッグ本体に取り付けられた安全帯を挟み込むように、前記内面に沿って設けられたシート状のカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記バッグ本体の閉鎖状態において、前記バッグ本体とともに折り返されたカバー部材の内側に所定の大きさの収容空間が形成されるように、前記第1保持部および前記第2保持部に保持された前記安全帯を、前記第1側部、前記底部、および前記第2側部に沿って配置された状態に保持するように構成されている、請求項3に記載の安全帯用バッグ。
【請求項5】
前記安全帯用バッグは、
前記バッグ本体の前記第1方向と直交する第2方向における一方の側縁部に設けられ、前記バッグ本体が、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返された状態で、前記底部、前記第1側部および前記第2側部の側縁部によって画定された第1開口部を閉鎖する第1蓋部と、
前記バッグ本体の前記第2方向における他方の側縁部に設けられ、前記バッグ本体が、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返された状態で、前記底部、前記第1側部および前記第2側部の側縁部によって画定された第2開口部を閉鎖する第2蓋部と
を備え、
前記第1蓋部および/または前記第2蓋部は、前記安全帯以外の収容物を収容可能で、かつ前記閉鎖状態において前記バッグ本体の内側に形成された収容空間を、安全帯を収容する領域と、前記安全帯以外の収容物を収容する領域とに仕切る袋体を備える、請求項3または4に記載の安全帯用バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安全帯用バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場等における高所で作業を行う際に使用される安全帯(命綱付きベルト)を作業員が運搬する際、作業員は安全帯をバッグに入れた状態で運搬することが多い。特許文献1には、安全帯を収容可能なバッグの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3004350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のバッグにおいては、安全帯を構成する複数の部材が運搬中にバッグ内で移動して、部材同士がバッグ内で絡み合う可能性がある。安全帯を構成する部材同士が絡み合った場合、作業員はバッグから安全帯を取り出した後に、絡まりを解く必要があるため、安全帯を装着するのに手間と時間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、安全帯を運搬する際に、安全帯を構成する複数の部材が移動して部材同士が絡まるのを抑制することが可能な安全帯用バッグの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の安全帯用バッグは、着用者の上半身の一部に装着される第1装着部および着用者の下半身の一部に装着される第2装着部を有する安全帯を収容可能な安全帯用バッグであって、平坦に広がった展開状態と、袋状に閉じられた閉鎖状態とに形態を切り替え可能に構成されたバッグ本体と、前記展開状態にある前記バッグ本体の、第1方向における一方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第1装着部を保持する第1保持部と、前記展開状態にある前記バッグ本体の、前記第1方向における他方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第2装着部を保持する第2保持部とを備え、前記バッグ本体は、前記展開状態において前記一方の端部と前記他方の端部とを近づけるように前記バッグ本体が前記一方の端部と前記他方の端部との間で折り返されることで前記閉鎖状態となるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の安全帯用バッグによれば、安全帯を運搬する際に、安全帯を構成する複数の部材が移動して部材同士が絡まるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る安全帯用バッグの一例を示す図にあり、バッグ本体が閉鎖状態である安全帯用バッグを示す図である。
図2図1に示される安全帯用バッグを、バッグ本体が展開した状態、カバー部材が閉鎖した状態で示す図である。
図3図1に示される安全帯用バッグを、バッグ本体が展開した状態、カバー部材が展開した状態で示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る安全帯用バッグの他の例を示す図にあり、バッグ本体が閉鎖状態である安全帯用バッグを示す正面図である。
図5図4に示される安全帯用バッグをA方向から見た矢視図である。
図6図4に示される安全帯用バッグを、一方の蓋部の一部が開いた状態(袋体は収容空間内にある)で示す正面図である。
図7図4に示される安全帯用バッグを、一方の蓋部の全部が開いた状態、他方の蓋部が開いた状態で示す(開いた蓋部を二点鎖線で示す)正面図である。
図8図4に示される安全帯用バッグを、バッグ本体が展開した状態、カバー部材が閉鎖した状態で示す図である。
図9図4に示される安全帯用バッグを、バッグ本体が展開した状態、カバー部が展開した状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る安全帯用バッグを説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明に係る安全帯用バッグは、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1図3に示されるように、本実施形態に係る安全帯用バッグSKは、着用者の上半身の一部に装着される第1装着部SB1および着用者の下半身の一部に装着される第2装着部SB2を有する安全帯SBを収容可能に構成されている。本実施形態に係る安全帯用バッグSKが収容する安全帯SBの種類は特に限定されない。安全帯用バッグSKが収容する安全帯SBは、たとえば、フルハーネス型の安全帯であってもよいし、胴ベルト型の安全帯であってもよい。以下、安全帯用バッグSKがフルハーネス型の安全帯SBを収容する場合について説明する。
【0011】
フルハーネス型の安全帯SB(以下、安全帯SBとも称する)は、着用者に装着される安全帯本体を備えている。安全帯本体は、着用者の上半身の一部に装着される第1装着部SB1(図3参照)と、着用者の下半身の一部に装着される第2装着部SB2とを有する。
【0012】
第1装着部SB1は、通常、着用者の上半身のうち、肩に装着されるように構成されるが、仕様等に応じて、上半身のうち肩以外の部位に装着されるように構成されてもよい。第1装着部SB1は、図3に示される例では、帯状に構成された肩帯であり、着用者の肩に掛け回されるように構成されている。具体的には、第1装着部SB1は、肩の前面、上面および後面に沿って延びるように逆U字状に曲げた状態で設けられている。安全帯SBは、着用者の右肩に装着される右側の第1装着部SB1と、着用者の左肩に装着される左側の第1装着部SB1とを備えている。
【0013】
第2装着部SB2は、通常、着用者の下半身のうち、太腿に装着されるように構成されるが、仕様等に応じて、下半身のうち太腿以外の部位に装着されるように構成されてもよい。第2装着部SB2は、図3に示される例では、帯状に構成された腿帯であり、着用者の太腿に巻き回されるように構成されている。具体的には、第2装着部SB2は、太腿の周囲に沿って延びるように環状に曲げた状態で設けられている。安全帯SBは、着用者の右太腿に装着される右側の第2装着部SB2と、着用者の左太腿に装着される左側の第2装着部SB2とを備えている。
【0014】
安全帯SBは、少なくとも、第1装着部SB1と、第2装着部SB2とを有していればよいが、他の部材、たとえば、第3装着部SB3をさらに有していてもよい。第3装着部SB3は、第1装着部SB1および第2装着部SB2の間に設けられる。第3装着部SB3は、安全帯本体の構成要素であり、着用者の胴体の一部に装着される。第3装着部SB3は、通常、着用者の胴体のうち腰に装着されるように構成されるが、仕様等に応じて、着用者の胴体のうち腰以外の部位に装着されるように構成されてもよい。第3装着部SB3は、図3に示される例では、帯状に構成された腰帯であり、着用者の腰に巻き回されるように構成されている。具体的には、第3装着部SB3は、腰の周囲に沿って延びるように環状に曲げた状態で設けられている。本実施形態では、第3装着部SB3は、第1装着部SB1と第2装着部SB2との間において、第2装着部SB2寄りの位置に設けられている。また、安全帯SBは、安全帯本体に取り付けられる命綱SB4をさらに備えていてもよい。命綱SB4は、紐部SB41とフック部SB42とを有している。紐部SB41の一端は安全帯本体に取り付けられ、紐部SB41の他端はフック部SB42に取り付けられている。フック部SB42は、柵や手摺などの構造物に係止されるように構成されている。
【0015】
安全帯用バッグSKは、バッグ本体1と、第1保持部2と、第2保持部3とを備えている。なお、安全帯用バッグSKは、少なくとも、バッグ本体1と、第1保持部2と、第2保持部3とを備えていればよいが、他の部材、たとえば、第3保持部4をさらに備えていてもよい。また、安全帯用バッグSKは、カバー部材5をさらに備えていてもよい。
【0016】
バッグ本体1は、平坦に広がった展開状態(図2および図3参照)と、袋状に閉じられた閉鎖状態(図1参照)とに形態を切り替え可能に構成されている。本明細書において、「平坦に広がった展開状態」とは、安全帯SBをバッグ本体1に取り付ける作業を行い得る程度に展開された状態を意味する。本明細書において、「袋状に閉じられた閉鎖状態」とは、展開状態にあるバッグ本体1の一方の端部12と他方の端部13とを近づけるようにバッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返された状態を意味する。「袋状に閉じられた閉鎖状態」は、バッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返された状態であれば、バッグ本体1の周縁部16が線ファスナー等の留め具1Eによって閉じられていてもよいし、閉じられていなくてもよい。以下、バッグ本体1が閉鎖状態のときにバッグ本体1の内側に位置する面14(図3参照)を、閉鎖状態および展開状態の双方において「バッグ本体1の内面14」とも称する。また、バッグ本体1が閉鎖状態のときにバッグ本体1の外側に位置する面15(図1参照)を、閉鎖状態および展開状態の双方において「バッグ本体1の外面15」とも称する。バッグ本体1は、図2および図3に示されるように、展開状態における第1方向D1の中央部に、閉鎖状態となる際に折り返される部分となる折り返し部11を有する。本実施形態では、バッグ本体1は、折り返し部11を介して繋がっている第1側部18および第2側部19を備えている。第1側部18と第2側部19とは、閉鎖状態において対向するように構成されている。なお、本明細書において、「第1方向D1」は、第1保持部2と第2保持部3とを結ぶ方向である。本実施形態では、第1方向D1は、バッグ本体1を展開状態から閉鎖状態へ移行させる際に折り返される部分となる折り返し部11に対して直交する方向であり、展開状態のバッグ本体1の長手方向である。また、「第2方向D2」は、第1方向D1に垂直な方向である。本実施形態では、第2方向D2は、折り返し部11に沿う方向であり、展開状態のバッグ本体1の短手方向である。
【0017】
バッグ本体1は、展開状態において第1方向D1で一方の端部12と他方の端部13とを近づけるようにバッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返されることで閉鎖状態となるように構成されている。図1および図2に示される例では、バッグ本体1は、バッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間にある折り返し部11で折り返されることで閉鎖状態となるように構成されている。本実施形態では、折り返し部11は、バッグ本体1における第1方向D1の中央部に位置しており、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って延びている。すなわち、バッグ本体1は、閉鎖状態において、折り返し部11を介して二つ折りの状態となるように構成されている。なお、図2および図3に示される例では、折り返し部11は第2方向D2に沿った線状の部分であるが、これに限定されない。たとえば、折り返し部11は、第2方向D2に沿って延び、かつ第1方向D1に所定の幅で広がる領域であってもよい。また、折り返し部11において折り返される角度(平坦に延びた状態から折り返される角度)は、特に限定されないが、たとえば、約180°である。
【0018】
本実施形態では、バッグ本体1は、バッグ本体1を閉鎖状態に維持するための留め具1Eを備えている。本実施形態では、留め具1Eは、バッグ本体1の周縁部16に設けられた線ファスナーである。バッグ本体1は、折り返し部11で折り返された状態で、第1側部18の周縁部16と第2側部19の周縁部16とを留め具1Eによって連結することにより、バッグ本体1を閉鎖状態で維持することができる。なお、留め具1Eは、バッグ本体1を閉鎖状態に維持することができれば、線ファスナーに限定されず、ボタンや面ファスナー等、他の留め具であってもよい。
【0019】
本実施形態では、バッグ本体1は、外面15において、バッグ本体1の一方の端部12および/または他方の端部13に把手1Fを備えている。バッグ本体1の一方の端部12および/または他方の端部13に把手1Fが設けられることにより、バッグ本体1の一方の端部12および他方の端部13が折り返し部11の上方に位置した状態で、ユーザは安全帯用バッグSKを持つことができる。換言すると、後述の第1保持部2および第2保持部3が折り返し部11の上方に位置した状態(図1の状態)で、ユーザは安全帯用バッグSKを持つことができる。これにより、安全帯SBは、第1装着部SB1および第2装着部SB2が第3装着部SB3よりも上方に位置する状態で安全帯用バッグSKに収容されて運搬される。本実施形態では、後述するように、第1装着部SB1および第2装着部SB2は、それぞれ、第1保持部2および第2保持部3に保持されている(吊り下げられる)ので、第1装着部SB1および第2装着部SB2がバッグ本体1内で落下することが防止され、安全帯SBを構成する複数の部材同士が運搬中等に絡まるのを抑制することができる。
【0020】
なお、図1に示される例では、バッグ本体1は、折り返し部11の外面(安全帯用バッグSKの使用状態で下方)にも、第2方向D2に沿って把手1Fを備えている。バッグ本体1の折り返し部11の外面に把手1Fが設けられることにより、折り返し部11がバッグ本体1の一方の端部12および他方の端部13の上方に位置した状態で、ユーザは安全帯用バッグSKを持つことができる。換言すると、折り返し部11が後述の第1保持部2および第2保持部3の上方に位置した状態で、ユーザは安全帯用バッグSKを持つことができる。これにより、安全帯SBは、第3装着部SB3が第1装着部SB1および第2装着部SB2よりも上方に位置する状態で安全帯用バッグSKに収容されて運搬される。本実施形態では、後述するように、第3装着部SB3は、第3保持部4に保持されている(吊り下げられる)ので、第3装着部SB3がバッグ本体1内で落下することが防止され、安全帯SBを構成する複数の部材同士が運搬中等に絡まるのを抑制することができる。
【0021】
第1保持部2は、展開状態にあるバッグ本体1の、第1方向D1における一方の端部12に設けられ、安全帯SBの第1装着部SB1を保持するように構成されている。本実施形態では、第1保持部2は、バッグ本体1の内面14のうち、第1方向D1における一方の端部12に設けられている。また、本実施形態では、第1保持部2は、安全帯SBの第1装着部SB1を、バッグ本体1に対して着脱可能に保持するように構成されている。第1保持部2の構造は、安全帯SBの第1装着部SB1をバッグ本体1における一方の端部12に着脱可能に保持することができれば特に限定されない。本実施形態では、第1保持部2は、帯状に構成されているが、第1保持部2は紐状であってもよいし、棒状であってもよい。
【0022】
第1保持部2は、バッグ本体1における第1方向D1の一方の端部12において、第2方向D2に沿って延びるように設けられている。本実施形態では、第1保持部2には、第1装着部SB1が第1保持部2に対して第1方向D1で係合できるように装着可能に構成されている。具体的には、第1保持部2は、逆U字状に延びる第1装着部SB1の内面と係合するように、第1装着部SB1の内側に挿入されることによって、第1装着部SB1を保持する。本実施形態では、第1保持部2の両端部が、バッグ本体1の内面14に固定されている。
【0023】
また、第1保持部2は、長さ方向における中央部において、分割可能に構成され、第1装着部SB1が第1保持部2に取り付けられた後に、中央部が連結されることで、第1装着部SB1が第1保持部2に保持される。具体的には、第1保持部2は、一端側バンド2Aと、他端側バンド2Bと、連結部材2Cとを備えている。一端側バンド2Aは、一端側バンド2Aの一方の端部(図3における右側の端部)がバッグ本体1の内面14の、第2方向D2における一方の側縁部(図3における右側の側縁部)に固定された帯状の部材である。他端側バンド2Bは、他端側バンド2Bの一方の端部(図3における左側の端部)がバッグ本体1の内面14の、第2方向D2における他方の側縁部(図3における左側の側縁部)に固定された帯状の部材である。連結部材2Cは、一端側バンド2Aの他方の側縁部(図3における左側の側縁部)と他端側バンド2Bの他方の側縁部(図3における右側の側縁部)とを分離可能に連結する部材である。本実施形態では、たとえば、連結部材2Cによる連結を解除した状態で、一端側バンド2Aを右側の第1装着部SB1の内側に通し、他端側バンド2Bを左側の第1装着部SB1の内側に通す。そして、連結部材2Cによって一端側バンド2Aと他端側バンド2Bとを連結することにより、右側の第1装着部SB1および左側の第1装着部SB1を、バッグ本体1における第1方向D1の一方の端部12に保持することができる。なお、第1保持部2は、本実施形態では、第2方向D2の中央部においてバックルで連結される2つの帯状体によって構成されているが、第2方向D2の一方の側縁部または他方の側縁部において、バッグ本体1に連結される1つの帯状体であってもよい。
【0024】
第2保持部3は、展開状態にあるバッグ本体1の、第1方向D1における他方の端部13に設けられ、安全帯SBの第2装着部SB2を保持するように構成されている。本実施形態では、第2保持部3は、バッグ本体1の内面14のうち、第1方向D1における他方の端部13に設けられている。また、本実施形態では、第2保持部3は、安全帯SBの第2装着部SB2を、バッグ本体1に対して着脱可能に保持するように構成されている。第2保持部3の構造は、安全帯SBの第2装着部SB2をバッグ本体1における他方の端部13に着脱可能に保持することができれば特に限定されない。本実施形態では、第2保持部3は、帯状に構成されているが、第2保持部3は紐状であってもよいし、棒状であってもよい。
【0025】
第2保持部3は、バッグ本体1における第1方向D1の他方の端部13において、第2方向D2に沿って延びるように設けられている。本実施形態では、第2保持部3には、第2装着部SB2が第2保持部3に対して第1方向D1で係合できるように装着可能に構成されている。具体的には、第2保持部3は、環状の第2装着部SB2の内面と係合するように、第2装着部SB2の内側に挿入されることによって、第2装着部SB2を保持する。本実施形態では、第2保持部3の両端部が、バッグ本体1の内面14に固定されている。
【0026】
また、第2保持部3は、長さ方向における中央部において、分割可能に構成され、第2装着部SB2が第2保持部3に取り付けられた後に、中央部が連結されることで、第2装着部SB2が第2保持部3に保持される。具体的には、第2保持部3は、一端側バンド3Aと、他端側バンド3Bと、連結部材3Cとを備えている。一端側バンド3Aは、一端側バンド3Aの一方の端部(図3における右側の端部)がバッグ本体1の内面14の、第2方向D2における一方の側縁部(図3における右側の側縁部)に固定された帯状の部材である。他端側バンド3Bは、他端側バンド3Bの一方の端部(図3における左側の端部)がバッグ本体1の内面14の、第2方向D2における他方の側縁部(図3における左側の側縁部)に固定された帯状の部材である。連結部材2Cは、一端側バンド3Aの他方の端部(図3における左側の端部)と他端側バンド3Bの他方の端部(図3における右側の端部)とを分離可能に連結する部材である。本実施形態では、たとえば、連結部材3Cによる連結を解除した状態で、一端側バンド3Aを右側の第2装着部SB2の内側に通し、他端側バンド3Bを左側の第2装着部SB2の内側に通す。そして、連結部材3Cによって一端側バンド3Aと他端側バンド3Bとを連結することにより、右側の第2装着部SB2および左側の第2装着部SB2を、バッグ本体1における第1方向D1の他方の端部13に保持することができる。第1保持部2により安全帯SBの第1装着部SB1をバッグ本体1における一方の端部12に保持し、第2保持部3により安全帯SBの第2装着部SB2をバッグ本体1における他方の端部13に保持することにより、安全帯SBの両端部をバッグ本体1に保持することができる。これにより、安全帯用バッグSKに収容された安全帯SBを運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が安全帯用バッグSK内で移動して部材同士が絡まるのを抑制することができる。なお、第2保持部3は、本実施形態では、第2方向D2の中央部においてバックルで連結される2つの帯状体によって構成されているが、第2方向D2の側縁部において、バッグ本体1に連結される1つの帯状体であってもよい。
【0027】
第3保持部4は、第3装着部SB3をバッグ本体1に保持するように構成されている。これにより、安全帯SBの両端部および両端部の間の部分(中間部)とをバッグ本体1に保持することができる。これにより、安全帯用バッグSKに収容された安全帯SBを運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が安全帯用バッグSK内で移動して部材同士が絡まるのをより一層抑制することができる。本実施形態では、第3保持部4は、第1方向D1で折り返し部11に対して、他方の端部13側にシフトした位置に設けられている。これにより、バッグ本体1を折り返し部11で折り返す際に、第3保持部4、および第3保持部4に保持された第3装着部SB3が折り返しを阻害しない。したがって、バッグ本体1を折り返し部11で容易に折り返すことができる。なお、第3保持部4は、折り返し部11に対して、一方の端部12側にシフトした位置に設けられていてもよい。
【0028】
本実施形態では、第3保持部4は、バッグ本体1の内面14に設けられている。また、本実施形態では、第3保持部4は、安全帯SBの第3装着部SB3を、バッグ本体1に対して着脱可能に保持するように構成されている。第3保持部4の構造は、安全帯SBの第3装着部SB3をバッグ本体1に着脱可能に保持することができれば特に限定されない。本実施形態では、第3保持部4は、環状に巻くことが可能な帯状のバンド4Aと、バンド4Aに設けられ、バンド4Aを環状に巻かれた状態に保持する連結部4Bとを備えている。連結部4Bは、バンド4Aの一端と他端とを連結し得るように構成されている。バンド4Aは、連結部4Bによる連結が解除された状態で、第1方向D1に沿って延びるように、バッグ本体1に取り付けられている。これにより、第3装着部SB3が第2方向D2に沿って配置されている場合に、環状に連結されたバンド4Aの内面で第3装着部SB3を保持することができる。
【0029】
カバー部材5(図2および図3参照)は、バッグ本体1における安全帯SBが保持される側の内面14との間でバッグ本体1に取り付けられた安全帯SBを挟み込むように、内面14に沿って設けられたシート状の部材である。カバー部材5の構造は、カバー部材5がバッグ本体1の内面14との間でバッグ本体1に取り付けられた安全帯SBを挟み込むことができれば、特に限定されない。本実施形態では、カバー部材5は、一端側カバー部5Aと、他端側カバー部5Bとを備えている。一端側カバー部5Aは、バッグ本体1の内面14の、第2方向D2における一方側(図3における右側)を覆うように構成されている。一端側カバー部5Aは、バッグ本体1の第2方向D2における一方の側縁部(図3における右側の側縁部)に取り付けられている。一端側カバー部5Aは、バッグ本体1の第2方向D2における一方の側縁部を中心として回動可能(開閉可能)に構成されている。同様に、他端側カバー部5Bは、バッグ本体1の内面14の、第2方向D2における他方側(図3における左側)を覆うように構成されている。他端側カバー部5Bは、バッグ本体1の第2方向D2における他方の側縁部(図3における左側の縁部)に取り付けられている。他端側カバー部5Bは、バッグ本体1の第2方向D2における他方の側縁部を中心として回動可能(開閉可能)に構成されている。
【0030】
一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bの第2方向D2における長さは、一端側カバー部5Aの他方側の端部(図3における左側端部)と他方側カバー部5Bの他端側とが重なり合うような長さである。本実施形態では、一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bは、互いに重なり合う部分に、面ファスナー等の留め具5Cを備えている。一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bは、留め具5Cによって、重なり合った状態を維持することができるとともに、互いの位置関係がずれるのを抑制することができる。したがって、一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bは、バッグ本体1との間に安全帯SBを挟み込んだ状態を維持することができ、安全帯SBがバッグ本体1内で位置がずれるのをより一層抑制することができる。よって、安全帯用バッグSKは、安全帯SBを運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が移動して部材同士が絡まるのをより確実に抑制することができる。なお、カバー部材5は、1枚でバッグ本体1の第2方向D2における全体を覆うように構成されていてもよい。この場合、カバー部材5は、バッグ本体1の第2方向D2における一方の側縁部または他方の側縁部に取り付けられる。
【0031】
なお、本実施形態では、安全帯用バッグSKは、図2および図3に示されるように、さらに、補助カバー部材51を備えていてもよい。補助カバー部材51は、バッグ本体1の内面14との間で第2保持部3を挟み込むように、内面14に沿って設けられたシート状の部材である。補助カバー部材51は、カバー部材5に対して、第1方向D1における他方の端部13側(図2および図3における下側)に設けられている。本実施形態では、補助カバー部材51は、バッグ本体1の第1方向D1における他方の端部13において、第2方向D2における一方の側縁部から他方の側縁部まで延びている。補助カバー部51は、補助カバー部51の第1方向D1における一方の端部12側が開放され、バッグ本体1の1方向D1における他方の端部13および第2方向D2の両縁部に沿って接続されている。補助カバー部材51は、第2保持部3と、第2保持部3に保持された第2装着部SB2とを、バッグ本体1の内面14との間で挟み込む。これにより、安全帯用バッグSKは、第2装着部SB2がバッグ本体1内で位置がずれるのをより一層抑制することができる。よって、安全帯用バッグSKは、安全帯SBを運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が移動して部材同士が絡まるのをより確実に抑制することができる。
【0032】
次に、図1図3に示される安全帯用バッグSKの使用方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。ここでは、安全帯用バッグSKは、初期状態において、安全帯用バッグSK内に安全帯SBが収容されておらず、閉鎖状態であるものとする。まず、閉鎖状態にある安全帯用バッグSK(図1参照)の留め具1Eの連結が解除される。次に、バッグ本体1の第1方向D1における一方の端部12と他方の端部13とが離間するように、バッグ本体1が平坦に展開される(図2参照)。安全帯用バッグSKを展開して安全帯用バッグSK内に安全帯SBを収容する作業は、たとえば、安全帯用バッグSKを水平な平坦面の上に置いた状態で行われてもよいし、バッグ本体1の一方の端部12に設けられた把手1Fを壁やロッカーに設けられたフックに引っ掛けた状態で行われてもよい。次に、カバー部材5の留め具5Cの連結が解除され、カバー部材5が展開される(図3参照)。次に、第1保持部2、第2保持部3、および第3保持部4を用いて、安全帯SBがバッグ本体1の内面14に保持される。具体的には、第1装着部SB1および命綱SB4のフック部42が第1保持部2に保持され、第2装着部SB2が第2保持部3に保持され、第3装着部SB3が第3保持部4に保持される。第1保持部2および第2保持部3によって、安全帯SBの両端部がバッグ本体1の内面14に保持されることで、バッグ本体1に対する安全帯SBの移動が抑制される。これにより、安全帯SBを安全帯用バッグSKに収納された状態で運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が安全帯用バッグSK内で移動して部材同士が絡まるのを抑制することができる。
【0033】
次に、安全帯SBを覆うように一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bが閉じられ、留め具5Cによって一端側カバー部5Aと他端側カバー部5Bとが連結される。これにより、安全帯SBは、カバー部材5とバッグ本体1との間に挟み込まれる。安全帯SBがカバー部材5とバッグ本体1との間に挟み込まれることにより、バッグ本体1に対する安全帯SBの移動がより一層抑制される。これにより、安全帯SBを安全帯用バッグSKに収納された状態で運搬する際に、安全帯SBを構成する複数の部材が安全帯用バッグSK内で移動して部材同士が絡まるのをより確実に抑制することができる。次に、展開状態にあるバッグ本体1の一方の端部12と他方の端部13とを近づけるようにバッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返されることで、バッグ本体1が閉鎖状態とされる。次に、留め具1Eによって、バッグ本体1の第1側部18の周縁部16と、バッグ本体1の第2側部19の周縁部16とが連結される。これにより、安全帯SBは、折り返し部11に対応する位置で折り返された状態で、かつ、両端部(第1装着部SB1および第2装着部SB2)ならびに中央部(第3装着部SB3)がバッグ本体1に保持された状態で、安全帯用バッグSKに収容される。安全帯用バッグSKは、第1装着部SB1および第2装着部SB2が第3装着部SB3よりも上方に位置する状態で運搬される。第1装着部SB1および第2装着部SB2は、それぞれ、第1保持部2および第2保持部3に保持されているので、第1装着部SB1および第2装着部SB2がバッグ本体1内で落下することが防止され、安全帯SBを構成する複数の部材同士が運搬中等に絡まるのを抑制することができる。
【0034】
本実施形態に係る安全帯用バッグSKは、図1図3に示される形態以外に、たとえば、図4図9に示されるような形態であってもよい。図4図9に示される安全帯用バッグSK1は、基本的な構造は、図1図3に示される安全帯用バッグSKと同様であるが、一部の構成が異なっている。以下、図4図9に示される安全帯用バッグSK1について、図1図3に示される安全帯用バッグSKとは異なる点を中心に説明する。なお、図1図3に示される安全帯用バッグSKと同様の構成については、説明を省略する。
【0035】
図4図9に示される安全帯用バッグSK1は、安全帯SBに加えて、安全帯SB以外の収容物8を収容可能に構成されている。収容物8の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、安全帯SBと一緒に使用される物である。本実施形態では、収容物8は、たとえば、ヘルメット、安全靴等である。
【0036】
安全帯用バッグSK1のバッグ本体1は、図5に示されるように、閉鎖状態において所定の平坦領域を有する底部17と、第1方向D1で底部17の一方側から立ち上がって延びる第1側部18と、第1方向D1で底部17の他方側から立ち上がって延びる第2側部19とを備えている。すなわち、安全帯用バッグSK1のバッグ本体1では、第1側部18と第2側部19とは、所定の平坦領域を有する底部17を介して繋がっている。底部17の形状および大きさは、後述する収容物8の形状および大きさに応じて適宜変更され得る。底部17、第1側部18、および第2側部19は、展開状態では、同一平面上に位置するように平坦に展開され得る。
【0037】
底部17は、図9に示されるように、展開状態のバッグ本体1において、第1方向D1の中心C1から第1方向D1で一方側および他方側に所定の領域で延在する。また、本実施形態では、展開状態のバッグ本体1において、第2方向D2の中心C2から第2方向D2で一方側および他方側に所定の領域で延在する。
【0038】
本実施形態では、第1保持部2は第1側部18に設けられ、第2保持部3は第2側部19に設けられている。また、第3保持部4は、底部17に設けられている。図9に示される例では、第1保持部2は、バッグ本体1の第1方向D1における一方の端部12において、第2方向D2に沿って延びるように設けられた帯状の部材である。第1保持部2の一端部および他端部は、バッグ本体1の内面14に着脱可能に保持されている。また、第2保持部3は、バッグ本体1の第1方向D1における他方の端部13において、第2方向D2に沿って延びるように設けられた帯状の部材である。第2保持部3の一端部および/または他端部は、バッグ本体1の内面14に、ボタンなどの留め具によって取り外し可能に固定されている。同様に、第3保持部4は、バッグ本体1の内面14に取り外し可能に固定されている。
【0039】
バッグ本体1は、図9に示されるように、底部17と第1側部18との間、および、底部17と第2側部19との間で折り返されることで閉鎖状態となるように構成されている。図9に示される例では、バッグ本体1は、底部17と第1側部18との間の折り返し部11a、および、底部17と第2側部19との間の折り返し部11bで折り返されることで閉鎖状態となるように構成されている。なお、図9に示される例では、折り返し部11a、11bは第2方向D2に沿った線状の部分であるが、これに限定されない。たとえば、折り返し部は、第2方向D2に沿って延び、かつ第1方向D1に所定の幅で広がる折り返し領域であってもよい。
【0040】
カバー部材5は、バッグ本体1における安全帯SBが保持される側の内面14(図9参照)との間でバッグ本体1に取り付けられた安全帯SBを挟み込むように、内面14に沿って設けられたシート状の部材である。カバー部材5は、バッグ本体1の閉鎖状態において、バッグ本体1とともに折り返されたカバー部材5の内側に所定の大きさの収容空間SP1(たとえば、図5において破線で示されるカバー部材5によって囲まれた領域)が形成されるように、第1保持部2および第2保持部3に保持された安全帯SBを、第1側部18、底部17、および第2側部19に沿って配置された状態に保持するように構成されている。すなわち、図5に示される例では、閉鎖状態において、底部17の幅Wに対応する幅を有する収容空間SP1がカバー本体5の内側に形成される。また、カバー部材5とバッグ本体1との間には、安全帯SBが収容される空間SP2が形成される。収容空間SP1は、カバー部材5によって空間SP2に対して仕切られており、カバー部材5は安全帯SBを扁平な空間SP2内で保持している。したがって、収容空間SP1は所定の大きさおよび形状を確保することができ、上述の収容物8を収容することが可能となる。したがって、安全帯用バッグSK1は、安全帯SBに加えて、安全帯SB以外の収容物8を容易に収容することができる。
【0041】
本実施形態では、安全帯用バッグSKは、図5図8に示されるように、第1蓋部6と、第2蓋部7とをさらに備えている。第1蓋部6は、図8に示されるように、バッグ本体1の第1方向D1と直交する第2方向D2における一方の側縁部1Aに設けられている。第1蓋部6は、バッグ本体1が、底部17(図9参照)と第1側部18との間(たとえば折り返し部11a)、および、底部17と第2側部19との間(たとえば折り返し部11b)で折り返された状態で、底部17、第1側部18および第2側部19の側縁部1Aによって画定された第1開口部1C(図7参照)を閉鎖するように構成されている。本実施形態では、第1蓋部6の外周、および第1開口部1Cを形成する第1側部18および第2側部19の側縁部1Aには、線ファスナー等の留め具1Eが設けられている。留め具1Eは、第1蓋部6の外周(図8参照)を第1側部18および第2側部19の側縁部1Aに対して連結することができる。
【0042】
第2蓋部7は、図5図8に示されるように、バッグ本体1の第2方向D2における他方の側縁部1Bに設けられている。第2蓋部7は、バッグ本体1が、底部17(図9参照)と第1側部18との間(たとえば折り返し部11a)、および、底部17と第2側部19との間(たとえば折り返し部11b)で折り返された状態で、底部17、第1側部18および第2側部19の側縁部1B(図8参照)によって画定された第2開口部1D(図7参照)を閉鎖するように構成されている。本実施形態では、第2蓋部7の外周、および第2開口部1Dを形成する第1側部18および第2側部19の側縁部1Bには、線ファスナー等の留め具1Eが設けられている。留め具1Eは、第2蓋部7の外周(図8参照)を第1側部18および第2側部19の側縁部1Bに対して連結することができる。
【0043】
第1蓋部6および/または第2蓋部7は、袋体9(図4図6図8参照)を備えていてもよい。袋体9は、図4に示されるように、安全帯SB以外の収容物8を収容可能で、かつ閉鎖状態においてバッグ本体1の内側に形成された収容空間SPを、安全帯SBを収容する領域AR1と、安全帯SB以外の収容物8を収容する領域AR2とに仕切るように構成されている。安全靴等の収容物8を袋体9内の領域AR2に収容することで、カバー部材5の有無に関わらず、安全靴等の収容物8が、領域AR1内の安全帯SBと直接接触するのを防止することができる。したがって、たとえば、靴などの汚れた収容物8が安全帯SBに直接接触するのを防止して、安全帯SBが汚れたりするのを防止することができる。なお、本実施形態では、カバー部材5の内側に形成された収容空間SP1が、袋体9によって、袋体9の内側の領域AR2と、袋体9の外側の領域AR3とに仕切られている。袋体9の外側の領域AR3には、安全帯SB以外の収容物8(たとえばヘルメット)を収容することができる。袋体9内(領域AR2)に収容物8を入れることにより、領域AR2内の収容物8(たとえば靴)が領域AR3内の収容物8と直接接触することが防止される。これにより、領域AR2内の収容物8が汚れている場合であっても、領域AR3内の収容物8が汚れたりするのを防止することができる。また、袋体9内(領域AR2)に収容物8を入れることにより、袋体9内に複数の収容物8(たとえば左右一組の靴)を纏まりよく収容することができる。
【0044】
本実施形態では、第1蓋部6は、袋体9の内部に収容物8を出し入れするための第3開口部1G(図5参照)と、第3開口部1Gを閉鎖する補助蓋部61とを備えている。これにより、第3開口部1Gを通じて収容物8を袋体9内に出し入れすることができる。また、補助蓋部61によって第3開口部1Gを開閉することができる。本実施形態では、第1蓋部6は、補助蓋部61の外周と、第1蓋部6において補助蓋部61の外周に対向する部分とに線ファスナー等の留め具1Eを備えている。留め具1Eは、補助蓋部61の外周を、第1蓋部6において補助蓋部61の外周に対向する部分に対して連結することができる。
【0045】
次に、図4図9に示される安全帯用バッグSK1の使用方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。ここでは、安全帯用バッグSK1は、初期状態において、安全帯用バッグSK1内に安全帯SBおよび収容物8が収容されておらず、閉鎖状態であるものとする。まず、閉鎖状態にある安全帯用バッグSK1(図5参照)の留め具1Eの連結が解除される。次に、バッグ本体1の第1方向D1(図8参照)における一方の端部12と他方の端部13とが離間するように、バッグ本体1が平坦に展開される(図8参照)。次に、カバー部材5の留め具5Cの連結が解除され、カバー部材5が展開される(図9参照)。次に、第1保持部2、第2保持部3、および第3保持部4を用いて、安全帯SBがバッグ本体1の内面14に保持される。具体的には、第1装着部SB1および命綱SB4のフック部42が第1保持部2に保持され、第2装着部SB2が第2保持部3に保持され、第3装着部SB3が第3保持部4に保持される。次に、安全帯SBを覆うように一端側カバー部5Aおよび他端側カバー部5Bが閉じられ、留め具5Cによって一端側カバー部5Aと他端側カバー部5Bとが連結される。
【0046】
次に、展開状態にあるバッグ本体1の一方の端部12と他方の端部13とを近づけるようにバッグ本体1が一方の端部12と他方の端部13との間で折り返されることで、バッグ本体1が閉鎖状態とされる。次に、留め具1Eによって、バッグ本体1の第1側部18の周縁部16と、バッグ本体1の第2側部19の周縁部16と、第1蓋部6の周縁部と、第2蓋部7の周縁部とが連結される。これにより、安全帯SBは、折り返し部11a、11bに対応する位置で折り返された状態で、かつ、両端部(第1装着部SB1および第2装着部SB2)ならびに中央部(第3装着部SB3)がバッグ本体1に保持された状態で、安全帯用バッグSK1に収容される。そして、閉鎖状態において、留め具E1の連結を解除して補助蓋部61を開くことにより(図6参照)、第3開口部1Gを通じて袋体9内に安全帯SB以外の収容物8を収容することができる。また、閉鎖状態において、留め具E1の連結を解除して第1蓋部6および/または第2蓋部7を開くことにより(図7参照)、第1開口部1Cおよび/または第2開口部1Dを通じて収容空間SP1内に安全帯SB以外の収容物8を収容することができる(図4参照)。安全帯用バッグSK1は、たとえば、第1装着部SB1および第2装着部SB2が第3装着部SB3よりも上方に位置する状態で運搬される。安全帯用バッグSK1は、閉鎖状態において、底部17の幅Wに対応する幅を有する収容空間SP1(図5参照)がカバー本体5の内側に形成される。したがって、安全帯用バッグSK1は、安全帯SBに加えて、安全帯SB以外の収容物8を収容することができる。しかも、収容空間SP1には、カバー部材5によって安全帯SBが進入しないようになっている。このため、安全帯SB以外の収容物8を収容空間SP1に容易に収容することができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0048】
(1)着用者の上半身の一部に装着される第1装着部および着用者の下半身の一部に装着される第2装着部を有する安全帯を収容可能な安全帯用バッグであって、
平坦に広がった展開状態と、袋状に閉じられた閉鎖状態とに形態を切り替え可能に構成されたバッグ本体と、
前記展開状態にある前記バッグ本体の、第1方向における一方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第1装着部を保持する第1保持部と、
前記展開状態にある前記バッグ本体の、前記第1方向における他方の端部に設けられ、前記安全帯の前記第2装着部を保持する第2保持部と
を備え、
前記バッグ本体は、前記展開状態において前記一方の端部と前記他方の端部とを近づけるように前記バッグ本体が前記一方の端部と前記他方の端部との間で折り返されることで前記閉鎖状態となるように構成されている、安全帯用バッグ。
【0049】
(2)前記安全帯は、前記第1装着部および前記第2装着部の間に設けられた第3装着部をさらに有し、
前記安全帯用バッグは、前記第3装着部を前記バッグ本体に保持する第3保持部をさらに備え、
前記バッグ本体は、前記展開状態における前記第1方向の中央部に、前記閉鎖状態となる際に折り返される部分となる折り返し部を有し、
前記第3保持部は、前記折り返し部に対して、前記一方の端部側または前記他方の端部側にシフトした位置に設けられる、(1)に記載の安全帯用バッグ。
【0050】
(3)前記バッグ本体は、前記閉鎖状態において所定の平坦領域を有する底部と、前記第1方向で前記底部の一方側から立ち上がって延びる第1側部と、前記第1方向で前記底部の他方側から立ち上がって延びる第2側部とを備え、
前記底部は、前記展開状態のバッグ本体において、前記第1方向の中心から前記第1方向で一方側および他方側に所定の領域で延在し、
前記バッグ本体は、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返されることで前記閉鎖状態となるように構成されている、(1)または(2)に記載の安全帯用バッグ。
【0051】
(4)前記安全帯用バッグは、
前記バッグ本体における前記安全帯が保持される側の内面との間で前記バッグ本体に取り付けられた安全帯を挟み込むように、前記内面に沿って設けられたシート状のカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記バッグ本体の閉鎖状態において、前記バッグ本体とともに折り返されたカバー部材の内側に所定の大きさの収容空間が形成されるように、前記第1保持部および前記第2保持部に保持された前記安全帯を、前記第1側部、前記底部、および前記第2側部に沿って配置された状態に保持するように構成されている、(1)~(3)のいずれか1つに記載の安全帯用バッグ。
【0052】
(5)前記安全帯用バッグは、
前記バッグ本体の前記第1方向と直交する第2方向における一方の側縁部に設けられ、前記バッグ本体が、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返された状態で、前記底部、前記第1側部および前記第2側部の側縁部によって画定された第1開口部を閉鎖する第1蓋部と、
前記バッグ本体の前記第2方向における他方の側縁部に設けられ、前記バッグ本体が、前記底部と前記第1側部との間、および、前記底部と前記第2側部との間で折り返された状態で、前記底部、前記第1側部および前記第2側部の側縁部によって画定された第2開口部を閉鎖する第2蓋部と
を備え、
前記第1蓋部および/または前記第2蓋部は、前記安全帯以外の収容物を収容可能で、かつ前記閉鎖状態において前記バッグ本体の内側に形成された収容空間を、安全帯を収容する領域と、前記安全帯以外の収容物を収容する領域とに仕切る袋体を備える、(1)~(4)のいずれか1つに記載の安全帯用バッグ。
【符号の説明】
【0053】
1 バッグ本体
11、11a、11b 折り返し部
12 一方の端部
13 他方の端部
14 内面
15 外面
16 周縁部
17 底部
18 第1側部
19 第2側部
1A 一方の側縁部
1B 他方の側縁部
1C 第1開口部
1D 第2開口部
1E 留め具
1F 把手
1G 第3開口部
2 第1保持部
2A 一端側バンド
2B 他端側バンド
2C 連結部材
3 第2保持部
3A 一端側バンド
3B 他端側バンド
3C 連結部材
4 第3保持部
4A バンド
4B 連結部
5 カバー部材
51 補助カバー部材
5A 一端側カバー部
5B 他端側カバー部
5C 留め具
6 第1蓋部
61 補助蓋部
7 第2蓋部
8 収容物
9 袋体
D1 第1方向
D2 第2方向
SB 安全帯
SB1 第1装着部
SB2 第2装着部
SB3 第3装着部
SB4 命綱
SB41 紐部
SB42 フック部
SK、SK1 安全帯用バッグ
SP バッグ本体の内側の収容空間
SP1 カバー部材の内側の収容空間
SP2 バッグ本体とカバー部材との間の収容空間
AR1 安全帯が収容される領域
AR2 袋体の内側の領域
AR3 袋体の外側の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9