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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030037
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】作業機械のフックブロック
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/54 20060101AFI20240229BHJP
   B66C 15/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B66D1/54 E
B66C15/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132580
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大塚 弘之
(72)【発明者】
【氏名】市川 靖生
(72)【発明者】
【氏名】山崎 翔平
【テーマコード(参考)】
3F204
【Fターム(参考)】
3F204BA02
(57)【要約】
【課題】隣り合う板部材にブラケットを取り付ける際の組立て性を向上させることが可能な作業機械のフックブロックを提供する。
【解決手段】シーブ12の径方向におけるシーブ12の側方に配置されたブラケット13を有する。ブラケット13は、所定方向Bにおいて、シーブ12の外周面に対向しない位置に配置された1以上のプレート21と、プレート21の中間部に形成されて、過巻防止装置の重錘に下方から当接可能な当接面と、プレート21の一端が固定されて、所定方向Bに延び、両端部がそれぞれ板部材11の上に載置される載置プレート23と、隣り合う板部材11の一方に形成された穴11a、プレート21に形成された穴、隣り合う板部材11の他方に形成された穴11aの順に挿通されるピン24と、を有する。巻上ロープは、プレート21と板部材11との間の空間、または、隣り合うプレート21同士の間の空間を挿通する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板面同士が対向するように所定方向に並んで配置された複数の板部材と、
隣り合う前記板部材同士の間に配置されて、前記所定方向に延びるシーブピンを軸とし、巻上ロープが掛け回された1以上のシーブと、
隣り合う前記板部材同士の間において、前記シーブの径方向における前記シーブの側方に配置されたブラケットと、
を有し、
前記ブラケットは、
前記所定方向において、前記シーブの外周面に対向しない位置に配置された1以上のプレートと、
前記プレートの中間部に形成されて、過巻防止装置の重錘に下方から当接可能な当接面と、
前記プレートの一端が固定されて、前記所定方向に延び、両端部がそれぞれ前記板部材の上に載置される載置プレートと、
隣り合う前記板部材の一方に形成された穴、前記プレートに形成された穴、隣り合う前記板部材の他方に形成された穴の順に挿通されるピンと、
を有し、
前記巻上ロープは、前記プレートと前記板部材との間の空間、または、隣り合う前記プレート同士の間の空間を挿通することを特徴とする作業機械のフックブロック。
【請求項2】
前記載置プレートは板状であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械のフックブロック。
【請求項3】
前記載置プレートは、その両端部の各々に、前記所定方向に直交する方向かつ前記板部材の上面に平行な方向に延びる延設部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械のフックブロック。
【請求項4】
前記ブラケットは、
前記載置プレートに一対設けられ、それぞれが、隣り合う前記板部材同士の内側から前記板部材に当接する当接部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械のフックブロック。
【請求項5】
前記当接部材は、前記載置プレートの一部を折り曲げることで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の作業機械のフックブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過巻防止装置の重錘に衝突する部材を備えた、作業機械のフックブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の側板の間に配置されたブラケットを有する作業機械のフックブロックが開示されている。ブラケットが有する一対のプレートの間を巻上ロープが挿通する。プレートの中間部には、過巻防止装置の重錘に下方から当接可能な当接面が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-65940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のフックブロックでは、隣り合う側板(板部材)にブラケットを取り付ける際に、プレートの上端部および下端部をそれぞれ側板に固定している。しかし、組立て性をより向上させることが望まれる。
【0005】
本発明の目的は、隣り合う板部材にブラケットを取り付ける際の組立て性を向上させることが可能な作業機械のフックブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、板面同士が対向するように所定方向に並んで配置された複数の板部材と、隣り合う前記板部材同士の間に配置されて、前記所定方向に延びるシーブピンを軸とし、巻上ロープが掛け回された1以上のシーブと、隣り合う前記板部材同士の間において、前記シーブの径方向における前記シーブの側方に配置されたブラケットと、を有し、前記ブラケットは、前記所定方向において、前記シーブの外周面に対向しない位置に配置された1以上のプレートと、前記プレートの中間部に形成されて、過巻防止装置の重錘に下方から当接可能な当接面と、前記プレートの一端が固定されて、前記所定方向に延び、両端部がそれぞれ前記板部材の上に載置される載置プレートと、隣り合う前記板部材の一方に形成された穴、前記プレートに形成された穴、隣り合う前記板部材の他方に形成された穴の順に挿通されるピンと、を有し、前記巻上ロープは、前記プレートと前記板部材との間の空間、または、隣り合う前記プレート同士の間の空間を挿通することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ブラケットの載置プレートの両端部がそれぞれ板部材の上に載置される。ブラケットのピンは、隣り合う板部材の一方に形成された穴、プレートに形成された穴、隣り合う板部材の他方に形成された穴の順に挿通される。載置プレートを板部材の上に載置し、ピンを複数の穴に挿通することで、隣り合う板部材にブラケットを取り付けることができる。よって、特許文献1のように、プレートの上端部および下端部をそれぞれ板部材に固定しなくてもよい。これにより、隣り合う板部材にブラケットを取り付ける際の組立て性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】クレーンの側面図である。
図2A】フック装置の正面図である。
図2B図2AをA方向から見た図である。
図3】第1実施形態におけるブラケットの斜視図である。
図4】フックブロックの斜視図である。
図5】第2実施形態におけるブラケットの斜視図である。
図6A】第3実施形態におけるブラケットの斜視図である。
図6B図6AをC方向から見た図である。
図7】第4実施形態におけるブラケットの斜視図である。
図8】2枚の板部材の間に4つのシーブが配置されたフックブロックの斜視図である。
図9】2枚の板部材の間に4つのシーブが配置された別のフックブロックの斜視図である。
図10】中央の2枚の板部材の間に4つのシーブが配置され、左側の2枚の板部材の間、および、右側の2枚の板部材の間に2つのシーブがそれぞれ配置されたフックブロックの斜視図である。
図11】中央の2枚の板部材の間に5つのシーブが配置され、左側の2枚の板部材の間、および、右側の2枚の板部材の間に3つのシーブがそれぞれ配置されたフックブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
[第1実施形態]
(クレーンの構成)
本発明の第1実施形態における作業機械のフックブロック(フックブロック)は、作業機械であるクレーンに設けられている。クレーン30の側面図である図1に示すように、クレーン30は、クローラ式の下部走行体31に上部旋回体32が旋回可能に搭載された構成となっている。なお、クレーン30は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。また、作業機械は、クレーン30に限定されない。
【0011】
上部旋回体32は、旋回フレーム33と、ブーム34と、ガントリ36と、下部スプレッダ38と、フック用ウインチ(図示せず)と、ブーム起伏用ウインチ(図示せず)と、カウンタウエイト39と、を有している。
【0012】
旋回フレーム33は、旋回ベアリング(図示せず)を介して下部走行体31に取り付けられている。ブーム34は、旋回フレーム33の前部に、旋回フレーム33に対して起伏可能に連結されている。ブーム34の先端には、ブームガイライン49の一端が接続されている。
【0013】
ブーム34の先端には、ポイントシーブ41が設けられている。このポイントシーブ41からは巻上ロープ42を介してフック装置43が吊り下げられている。なお、ブーム34の先端にジブが取り付けられ、ジブの先端に設けられたポイントシーブ41から巻上ロープ42を介してフック装置43が吊り下げられた構成であってもよい。
【0014】
ガントリ36は、旋回フレーム33の後部に取り付けられている。なお、ガントリ36の代わりにマストが設けられた構成であってもよい。下部スプレッダ38は、ガントリ36の上端に取り付けられている。下部スプレッダ38と、ブームガイライン49の他端に連結した上部スプレッダ50との間には、ブーム起伏ロープ51が掛け渡されている。
【0015】
フック用ウインチ、および、ブーム起伏用ウインチは、旋回フレーム33の中央部にそれぞれ配置されている。フック用ウインチは、巻上ロープ42を巻き取り又は繰り出してフック装置43の巻き上げ又は巻き下げを行う。ブーム起伏用ウインチは、ブーム起伏ロープ51を巻き取り又は繰り出すことで、ブーム34を、その支点であるブームフットピン回りに起伏させる。
【0016】
カウンタウエイト39は、旋回フレーム33の後部に搭載されている。
【0017】
(フックブロックの構成)
フック装置43の正面図である図2A、および、図2AをA方向から見た図である図2Bに示すように、フック装置43は、フックブロック1と、フック2と、を有している。本実施形態のフック装置43は、例えば、70tフックである。
【0018】
フックブロック1は、複数の板部材11を有している。図2Bに示すように、本実施形態において、板部材11の数は2である。2枚の板部材11は、板面同士が対向するように所定方向Bに並んで配置されている。2枚の板部材11同士の間には、複数のスペーサ14が配置されている。スペーサ14は、2枚の板部材11同士の間を所定の間隔に保つものである。スペーサ14は中空であり、一方の板部材11の穴、スペーサ14、他方の板部材11の穴の順にピン(図示せず)が挿通されることで、スペーサ14を挟んで2枚の板部材11同士が連結される。図2Aに示すように、後述するシーブ12の下半分の外周に沿って、4つのスペーサ14が並んで設けられている。
【0019】
2枚の板部材11の間には、トラニオンピン15とシーブピン16とが支持されている。トラニオンピン15は、板部材11の下端部に配置されており、所定方向Bに延びている。シーブピン16は、板部材11の中央部に配置されており、所定方向Bに延びている。フック2は、トラニオンピン15に回転および揺動自在に支持されている。
【0020】
また、フックブロック1は、1以上のシーブ12を有している。本実施形態において、シーブ12の数は3である。図2Bに示すように、3つのシーブ12は、隣り合う板部材11同士の間に配置されており、それぞれがシーブピン16を軸としている。3つのシーブ12の各々には、巻上ロープ42が掛け回されている。
【0021】
図2Aに示すように、シーブ12の下半分は、シーブガード17で覆われている。シーブガード17には、4つのスペーサ14がそれぞれ取り付けられている。
【0022】
また、フックブロック1は、ブラケット13を有している。ブラケット13は、隣り合う板部材11同士の間において、シーブ12の径方向におけるシーブ12の側方に配置されている。
【0023】
(ブラケットの構成)
ブラケット13の斜視図である図3に示すように、ブラケット13は、1以上のプレート21と、当接面22と、載置プレート23と、ピン24と、当接部材25と、を有している。
【0024】
本実施形態において、プレート21の数は2である。図2Bに示すように、2枚のプレート21の各々は、所定方向Bにおいて、シーブ12の外周面に対向しない位置に配置されている。具体的には、2枚のプレート21の各々は、所定方向Bにおいて、隣り合うシーブ12同士の間に配置されている。図2Aに示すように、プレート21は、シーブ12に干渉しないように、斜めに延びている。図3に示すように、プレート21には、ピン24が通る穴21aが形成されている。
【0025】
図2Bに示すように、中央のシーブ12に掛け回された巻上ロープ42は、隣り合うプレート21同士の間の空間を挿通する。左右のシーブ12に掛け回された巻上ロープ42は、プレート21と板部材11との間の空間を挿通する。そのため、ブラケット13に巻上ロープ42が擦れにくい。その結果、過巻防止装置の重錘に衝突する部材であるブラケット13の摩耗を抑制することができる。これにより、ブラケット13の交換頻度を低減させることができる。
【0026】
図3に示すように、当接面22は、プレート21の中間部に形成されている。当接面22は、過巻防止装置の重錘(図示せず)に下方から当接可能である。
【0027】
載置プレート23は、所定方向Bに延びている。本実施形態において、載置プレート23は板状であるが、これに限定されず、棒状などであってもよい。載置プレート23には、2枚のプレート21の各々の一端(上端)が固定(溶接)されている。載置プレート23は、所定方向Bに直交する方向かつ板部材11(図2B参照)の上面に平行な方向に延びる延伸部23aを有している。
【0028】
まず、板状の接続部材26の両端に、プレート21がそれぞれ溶接されることで、2枚のプレート21が一体化される。その後、2枚のプレート21の各々の上端が延伸部23aから載置プレート23の本体にわたって溶接される。なお、プレート21と載置プレート23とは、鋳造や鍛造、削り出し等により一体に形成されていてもよい。載置プレート23は、両端部がそれぞれ板部材11の上に載置される(図4参照)。このとき、載置プレート23が板状なので、板部材11の上に載置プレート23が面接触する。
【0029】
本実施形態において、プレート21の板厚は、載置プレート23の板厚と同じであるが、これに限定されない。プレート21の板厚は、シーブ12同士の間の距離に応じて厚くされたり薄くされたりしてよい。
【0030】
図3に示すように、ピン24は、隣り合う板部材11の一方に形成された穴11a(図4参照)、2枚のプレート21の各々に形成された穴21a、隣り合う板部材11の他方に形成された穴11a(図4参照)の順に挿通される。板部材11に形成された穴11aは、従来のストライカを固定するためのものである。ストライカは、過巻防止装置の重錘に下方から当接可能な部材であるが、本実施形態では、プレート21がこれに相当する。
【0031】
図3に示すように、当接部材25は、載置プレート23に一対設けられている。当接部材25は、載置プレート23から、所定方向Bに直交する方向かつ板部材11(図2B参照)の上面に平行な方向に延びている。当接部材25の先端部は、シーブ12側(下方)に折り曲げられている。一対の当接部材25の各々は、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接する。つまり、所定方向Bにおいて、一対の当接部材25の一方の外面から他方の外面までの距離は、2枚の板部材11の一方の内面から他方の内面までの距離に等しいか、若干短い。
【0032】
上記の構成において、以下の手順で、隣り合う板部材11にブラケット13が取り付けられる。フックブロック1の斜視図である図4に示すように、まず、載置プレート23の両端部がそれぞれ板部材11の上に載置される。このとき、当接部材25の各々が、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接する。次に、ピン24が、隣り合う板部材11の一方に形成された穴11a、2枚のプレート21の各々に形成された穴21a、隣り合う板部材11の他方に形成された穴11aの順に挿通される。以上の手順で、隣り合う板部材11にブラケット13が取り付けられる。
【0033】
このように、載置プレート23を板部材11の上に載置し、ピン24を複数の穴に挿通することで、隣り合う板部材11にブラケット13を取り付けることができる。よって、特許文献1のように、プレートの上端部および下端部をそれぞれ板部材11に固定しなくてもよい。これにより、隣り合う板部材11にブラケット13を取り付ける際の組立て性を向上させることができる。
【0034】
また、載置プレート23が板状であるので、板部材11の上に載置プレート23が面接触する。これにより、ピン24を中心としてブラケット13が回動するのを抑制することができる。
【0035】
また、当接部材25の各々を、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接させることで、所定方向Bへのブラケット13の移動を防止することができる。
【0036】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るフックブロック1によれば、ブラケット13の載置プレート23の両端部がそれぞれ板部材11の上に載置される。ブラケット13のピン24は、隣り合う板部材11の一方に形成された穴11a、プレート21に形成された穴21a、隣り合う板部材11の他方に形成された穴11aの順に挿通される。載置プレート23を板部材11の上に載置し、ピン24を複数の穴に挿通することで、隣り合う板部材11にブラケット13を取り付けることができる。よって、特許文献1のように、プレートの上端部および下端部をそれぞれ板部材に固定しなくてもよい。これにより、隣り合う板部材11にブラケット13を取り付ける際の組立て性を向上させることができる。
【0037】
また、載置プレート23は板状である。よって、板部材11の上に載置プレート23が面接触する。これにより、ピン24を中心としてブラケット13が回動するのを抑制することができる。
【0038】
また、載置プレート23に一対設けられた当接部材25の各々が、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接する。これにより、所定方向Bへのブラケット13の移動を防止することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のフックブロックについて、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0040】
(ブラケットの構成)
ブラケット113の斜視図である図5に示すように、本実施形態のブラケット113は、第1実施形態のブラケット13の構成に加えて、以下の構成を有している。すなわち、本実施形態のブラケット113の載置プレート23は、その両端部の各々に、所定方向Bに直交する方向かつ板部材11(図2B参照)の上面に平行な方向に延びる延設部23bを有している。本実施形態において、延設部23bが延びる方向は、プレート21が延びる方向であるが、その反対方向に延びていてもよい。
【0041】
本実施形態において、載置プレート23は板状なので、延設部23bも板状である。よって、延設部23bは板部材11に面接触する。これにより、ピン24を中心としてブラケット113が回動するのをより抑制することができる。
【0042】
その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0043】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るフックブロック1によれば、載置プレート23は、その両端部の各々に、所定方向Bに直交する方向かつ板部材11の上面に平行な方向に延びる延設部23bを有している。延設部23bを板部材11に当接させることで、ピン24を中心としてブラケット113が回動するのを抑制することができる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のフックブロックについて、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0045】
(ブラケットの構成)
第1実施形態のブラケット13、および、第2実施形態のブラケット113では、一対の当接部材25は、載置プレート23から、所定方向Bに直交する方向かつ板部材11の上面に平行な方向に延びて、その先端部がシーブ12側(下方)に折り曲げられていた(図3図5参照)。これに対して、本実施形態のブラケット213では、ブラケット213の斜視図である図6A、および、図6AをC方向から見た図である図6Bに示すように、一対の当接部材225は、その一端(上端)が載置プレート23の下面に固定(溶接)されて、シーブ12側(図中下方)に延びている。なお、当接部材225と載置プレート23とは、鋳造や鍛造、削り出し等により一体に形成されていてもよい。また、当接部材225は、載置プレート23の一部を折り曲げることで形成されていてもよい。
【0046】
このような当接部材225も、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接する。ここで、当接部材225と板部材11との当接が妨げられないように、当接部材225における板部材11と当接する側とは反対側が溶接される。
【0047】
なお、本実施形態において、プレート21の板厚は、載置プレート23の板厚よりも厚い。そのため、本実施形態では、プレート21同士を繋ぐ接続部材26(図3図5参照)は用いられていない。また、本実施形態において、当接面22は、板部材11の上面の方(図中上方)に、凸状または半円状に盛り上がっているが、これに限定されない。また、本実施形態において、当接面22の幅は、プレート21の板厚と同じであるが、これに限定されない。
【0048】
その他の構成は第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0049】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のフックブロックについて、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0050】
(ブラケットの構成)
第1実施形態のブラケット13、および、第2実施形態のブラケット113では、一対の当接部材25は、載置プレート23から所定方向Bに直交する方向かつ板部材11の上面に平行な方向に延びて、その先端部がシーブ12側(下方)に折り曲げられていた(図3図5参照)。これに対して、本実施形態のブラケット313では、ブラケット313の斜視図である図7に示すように、第2実施形態および第3実施形態と同様に、載置プレート23の両端部の各々に延設部23bが設けられている。そして、延設部23bの一部がシーブ12の方に折り曲げられることで、当接部材325が形成されている。このような当接部材325も、隣り合う板部材11同士の内側から板部材11に当接する。
【0051】
延設部23bの一部で当接部材325を形成することで、載置プレート23とは別体の当接部材を用意しなくてもよいので、部品点数を削減することができる。また、載置プレート23とは別体の当接部材を載置プレート23に固定する作業が不要なので、加工費用を削減することができる。
【0052】
その他の構成は第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0053】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るフックブロック1によれば、当接部材325は、載置プレート23の一部を折り曲げることで形成されている。これにより、載置プレート23とは別体の当接部材を用意しなくてもよいので、部品点数を削減することができる。また、載置プレート23とは別体の当接部材を載置プレート23に固定する作業が不要なので、加工費用を削減することができる。
【0054】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のフックブロックについて、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0055】
(フックブロックの構成)
第1~4実施形態では、フックブロック1は、2枚の板部材11の間に3つのシーブ12が配置された構成であった。これに対して、本実施形態のフックブロック101,201,301,401は、フックブロックの斜視図である図8図11に示すように、板部材11の数や、シーブ12の数が異なる。
【0056】
図8に示すフックブロック101、および、図9に示すフックブロック201では、2枚の板部材11の間に4つのシーブ12が配置されている。図8に示すフックブロック101を備えたフック装置43は、例えば、100tフックである。図9に示すフックブロック201を備えたフック装置43は、例えば、150tフックである。なお、図9に示すフックブロック201では、2枚の板部材11の上方において、所定方向Bの左右に、シーブ12が1つずつ設けられている。
【0057】
これらフックブロック101,201が有するブラケット413において、プレート21の数は3である。3枚のプレート21の各々は、所定方向Bにおいて、シーブ12の外周面に対向しない位置に配置されている。中央の2つのシーブ12の各々に掛け回された巻上ロープ42(図示せず)は、隣り合うプレート21同士の間の空間を挿通する。左右のシーブ12に掛け回された巻上ロープ42(図示せず)は、プレート21と板部材11との間の空間を挿通する。
【0058】
図10に示すフックブロック301では、4枚の板部材11を有している。中央の2枚の板部材11の間には、4つのシーブ12が配置されている。また、図中左側の2枚の板部材11の間、および、図中右側の2枚の板部材11の間には、2つのシーブ12がそれぞれ配置されている。このフックブロック301を備えたフック装置43は、例えば、200tフックである。
【0059】
中央の2枚の板部材11の間には、トラニオンピン15(図2A参照)が支持されている。つまり、フック2は、中央の2枚の板部材11の間で支持されている。
【0060】
このフックブロック301が有するブラケット513は、図中左側の2枚の板部材11の間、および、図中右側の2枚の板部材11の間にそれぞれ配置されている。ブラケット513は、1枚のプレート21を有している。このプレート21は、所定方向Bにおいて、2つのシーブ12同士の間に配置されている。2つのシーブ12の各々に掛け回された巻上ロープ42(図示せず)は、プレート21と板部材11との間の空間を挿通する。
【0061】
図11に示すフックブロック401では、4枚の板部材11を有している。中央の2枚の板部材11の間には、5つのシーブ12が配置されている。また、図中左側の2枚の板部材11の間、および、図中右側の2枚の板部材11の間には、3つのシーブ12がそれぞれ配置されている。このフックブロック401を備えたフック装置43は、例えば、250tフックである。
【0062】
中央の2枚の板部材11の間には、トラニオンピン15(図2A参照)が支持されている。つまり、フック2は、中央の2枚の板部材11の間で支持されている。
【0063】
このフックブロック401が有するブラケット613は、図中左側の2枚の板部材11の間、および、図中右側の2枚の板部材11の間にそれぞれ配置されている。ブラケット613は、2枚のプレート21を有している。2枚のプレート21の各々は、所定方向Bにおいて、シーブ12の外周面に対向しない位置に配置されている。中央のシーブ12に掛け回された巻上ロープ42(図示せず)は、隣り合うプレート21同士の間の空間を挿通する。左右のシーブ12に掛け回された巻上ロープ42(図示せず)は、プレート21と板部材11との間の空間を挿通する。
【0064】
なお、本実施形態のブラケット413,513,613の具体的な構成は、プレート21の数以外は、第1~4実施形態のブラケット13,113,213,313のいずれであってもよい。
【0065】
その他の構成は第1~4実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0067】
1,101,201,301,401 フックブロック
2 フック
11 板部材
12 シーブ
13,113,213,313,413,513,613 ブラケット
14 スペーサ
15 トラニオンピン
16 シーブピン
17 シーブガード
21 プレート
22 当接面
23 載置プレート
23a 延伸部
23b 延設部
24 ピン
25,225,325 当接部材
26 接続部材
30 クレーン
31 下部走行体
32 上部旋回体
33 旋回フレーム
34 ブーム
36 ガントリ
38 下部スプレッダ
39 カウンタウエイト
41 ポイントシーブ
42 巻上ロープ
43 フック装置
49 ブームガイライン
50 上部スプレッダ
51 ブーム起伏ロープ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11