(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030079
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電波情報提示装置
(51)【国際特許分類】
H04B 17/318 20150101AFI20240229BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240229BHJP
H04W 24/00 20090101ALI20240229BHJP
【FI】
H04B17/318
G01S5/02 Z
H04W24/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132639
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】新井 智之
(72)【発明者】
【氏名】平野 勝識
(72)【発明者】
【氏名】福留 貴浩
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC18
5J062HH08
5K067AA01
5K067DD44
5K067EE12
5K067EE32
5K067FF16
5K067FF23
5K067LL05
(57)【要約】
【課題】基地局からの電波状況を容易に知ることができるようにする。
【解決手段】電波情報提示装置(6)は、口金(653)を有する本体部(600)と、口金に対応する電力を供給するソケット部(620)と、基地局(2A~2D)からの電波及び電波強度を検知する検知部(601~604)と、発光部と、検知部で電波を検知したときに発光部を発光させる制御部(605)と、を含む。発光部は、発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子(607~610)であって、複数の基地局のそれぞれと対応する色の光を、各色を視認により識別可能な状態で発光するように配置された、複数の発光素子を有し、制御部は、検知部で検知した電波に応じて、複数の発光素子のうちの発光させる発光素子を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金を有する本体部と、
前記口金に対応する電力を供給するソケット部と、
基地局からの電波及び電波強度を検知する検知部と、
発光部と、
前記検知部で電波を検知したときに前記発光部を発光させる制御部と、
を含むことを特徴とする電波情報提示装置。
【請求項2】
前記検知部は、複数の通信条件の異なる複数の基地局のそれぞれからの電波を検知し、
前記発光部は、発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子であって、前記複数の基地局のそれぞれと対応する色の光を、各色を視認により識別可能な状態で発光するように配置された、複数の発光素子を有し、
前記制御部は、前記検知部で検知した電波に応じて、前記複数の発光素子のうちの発光させる発光素子を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電波情報提示装置。
【請求項3】
前記検知部が検知する電波は、携帯電話回線を利用して無線接続する基地局からの電波と、無線LAN技術を利用して無線接続する基地局からの電波とを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電波情報提示装置。
【請求項4】
前記ソケット部は、前記複数の基地局のそれぞれと前記発光部の発光色との組み合わせを指定するスイッチを更に含み、
前記制御部は、前記スイッチの指定に基づいて前記発光部の発光色を制御する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電波情報提示装置。
【請求項5】
前記ソケット部は、バッテリを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電波情報提示装置。
【請求項6】
外部装置と接続可能な通信インタフェースを更に含み、
前記制御部は、複数の基地局のそれぞれと前記発光部の発光色との組み合わせを指定する情報を、前記通信インタフェースを介して前記外部装置から取得し、前記情報に基づいて前記発光部の発光色を制御する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電波情報提示装置。
【請求項7】
前記発光部を保護する曲面を有するカバーを更に含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電波情報提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場における段階確認、材料確認、立会等を効率よく実施する方法として、遠隔で現場確認をする方法(以降、遠隔臨場として説明する)の導入が検討されている。遠隔臨場では、Web会議システムを利用して、建設現場の映像(画像を含む)及び音声を遠隔地にいる立会者が利用する端末にリアルタイムで配信(送信)するとともに、立会者による現場の作業員等への指示をすることができる。遠隔臨場を適用することにより、立会者が建設現場に臨場することなく段階確認、材料確認、立会等を実施することができ、例えば、一人の立会者が複数の建設現場に対する立会を効率よく実施することができる。
【0003】
遠隔臨場では、例えば、カメラ及びマイクを備えた(又はそれらが接続された)無線通信端末を建設現場の周辺に提供されている通信キャリアの基地局と無線接続する。このため、遠隔臨場では、立会者が利用する端末に配信される映像や音声が途切れたり、無線通信端末と基地局との無線接続が切断したりすることがないよう、建設現場内における無線通信環境を把握しておく必要がある。
【0004】
無線通信環境の把握に関連した技術として、例えば、Wi-Fi(登録商標)の電波強度を測定して可視化する処理をスマートフォンやパーソナルコンピュータ等に実行させるアプリケーション(ソフトウェア)がある。また、屋外で無線LAN(Local Area Network)を利用する場合の無線通信環境を気象情報と関連付けて可視化する方法等も周知であり、かつ種々の方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遠隔臨場が実施される建設現場では、例えば、地形や重機の位置等の現場内の状況が日々変化しており、現場内の状況に応じて現場内の無線通信環境も変化する。一方、無線通信環境を把握することが可能な上述したような周知技術は、一般に、リアルタイムで測定結果を可視化するものである。したがって、建設現場の無線通信環境を把握することに上述したような周知技術を適用する場合、現場内の状況の変化に応じて都度測定をすることとなり、効率的ではない。
【0006】
また、建設現場に限らず様々な場所において、無線通信端末の利用者は、自身がいる場所及びその周辺における基地局からの電波強度の状況を一覧的に知ることが難しい。
【0007】
1つの側面において、本発明は、基地局からの電波状況を容易に知ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様に係る電波情報提示装置は、口金を有する本体部と、前記口金に対応する電力を供給するソケット部と、基地局からの電波及び電波強度を検知する検知部と、発光部と、前記検知部で電波を検知したときに前記発光部を発光させる制御部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述の態様によれば、基地局からの電波状況を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る電波情報提示方法を説明する図である。
【
図2】第1の実施形態に係る電波情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】電波情報提示装置における本体部の外観構成の例を示す斜視図である。
【
図4】電波情報提示装置における本体部の外観構成の別の例を示す斜視図である。
【
図5】検出した電波と点灯させる発光素子との対応関係の設定例を説明する図である。
【
図6】電波情報提示装置の第1の設置例を説明する図である。
【
図7】電波情報提示装置のコーンへの取り付け方法の例を説明する図である。
【
図8】電波情報提示装置の第2の設置例を説明する図である。
【
図9】電波情報提示装置の第3の設置例を説明する図である。
【
図10】電波情報提示装置の第4の設置例を説明する図である。
【
図11】第2の実施形態に係る電波情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電波情報提示装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、スマートフォン等の無線通信端末と基地局との無線接続に関する周知の構成、機能、及び動作等に関する詳細な説明を省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電波情報提示方法を説明する図である。
【0013】
図1に例示した無線通信サービスエリア1は、無線接続可能な無線通信端末の条件が異なる複数の基地局2A~2Dのうちの少なくとも1つの基地局による無線通信サービスを利用可能なエリアである。
図1には、第1の基地局2A、第2の基地局2B、第3の基地局2C、及び第4の基地局2Dの無線通信サービスの異なる基地局を示している。
【0014】
第1の基地局2Aは、第1の通信キャリア(以下「通信キャリアA」と記載する)が提供する基地局であり、通信キャリアAの携帯電話回線を利用可能な無線通信端末のみと無線接続(通信)を行うことができる。第2の基地局2Bは、第2の通信キャリア(以下「通信キャリアB」と記載する)が提供する基地局であり、通信キャリアBの携帯電話回線を利用可能な無線通信端末のみと無線接続(通信)を行うことができる。第3の基地局2Cは、第3の通信キャリア(以下「通信キャリアC」と記載する)が提供する基地局であり、通信キャリアCの携帯電話回線を利用可能な無線通信端末のみと無線接続(通信)を行うことができる。第1の基地局2A、第2の基地局2B、及び第3の基地局2Cは、図示しない交換局を介してインターネット等の通信ネットワーク3に接続されている。
【0015】
第4の基地局2Dは、Wi-Fi(登録商標)による無線通信が可能な無線通信端末と無線接続(通信)を行う基地局である。第4の基地局2Dは、例えば、通信キャリアA、通信キャリアB、及び通信キャリアCのいずれかが提供するものである。また、第4の基地局2Dは、例えば、通信キャリアA、通信キャリアB、及び通信キャリアCとは別の通信キャリア、又は通信キャリアとは異なる第三者(例えば、商業施設の管理者等)が提供するものであってもよい。第4の基地局2Dは、例えば、図示しないルータ等のネットワーク機器を介して通信ネットワーク3に接続されている。
【0016】
無線通信サービスエリア1内にいる無線通信端末4の利用者5は、使用する無線通信端末4が無線接続可能な基地局に無線接続されることにより、通信ネットワーク3上で提供される各種サービスを利用することができる。無線通信端末4が携帯電話回線及びWi-Fiを利用可能な端末である場合、その無線通信端末4は、第1の基地局2A、第2の基地局2B、及び第3の基地局2Cのいずれかを介して、又は第4の基地局2Dを介して、通信ネットワーク3に接続することができる。
【0017】
なお、第1の基地局2A、第2の基地局2B、第3の基地局2C、及び第4の基地局2Dの各基地局の数は、
図1に例示した1つずつに限定されない。
【0018】
無線通信サービスエリア1内では、無線通信端末4が基地局との距離が離れるほど無線通信端末4が検出できる電波強度が弱くなり、無線接続(通信)が不安定になる。利用者5は、例えば、無線通信端末4の画面に表示される無線通信端末4が検出した電波強度の状況を示すアイコンをみて、基地局からの電波強度を判断する。しかしながら、無線通信端末4の画面に表示されるのは、利用者5がいる位置での電波状況であり、電波強度が弱い場合にどの方向に移動すれば電波強度が強くなるかを知ることはできない。
【0019】
本実施形態の電波情報提示装置6は、無線通信サービスエリア1内に設置され、設置位置における各基地局2A~2Dからの電波の強度を視認により識別可能な状態で提示する装置である。
図1には、第1の電波情報提示装置6Aと第2の電波情報提示装置6Bの2つの電波情報提示装置を示している。なお、第1の電波情報提示装置6Aと、第2の電波情報提示装置6Bと、を区別しない場合には「電波情報提示装置6」として説明する。
【0020】
図1で示すように、無線通信サービスエリア1内の左端側に設置されている第1の電波情報提示装置6Aは、第1の基地局2Aとの距離が最も近く、第4の基地局2Dとの距離が最も遠い。このため、第1の電波情報提示装置6Aは、第1の基地局2A、第2の基地局2B、及び第3の基地局2Cの各基地局からの電波を検知し、第4の基地局2Dからの電波を検知できない場合がある。この場合、第1の電波情報提示装置6Aは、第1の基地局2A、第2の基地局2B、及び第3の基地局2Cの各基地局との無線接続(通信)が可能であることを示す情報を提示する。例えば、第1の電波情報提示装置6Aは、第1の基地局2A、第2の基地局2B、及び第3の基地局2Cがそれぞれと対応付けられた色の光を点灯させて情報を提示する。
【0021】
一方、無線通信サービスエリア1内の右端側に設置されている第2の電波情報提示装置6Bは、第4の基地局2Dとの距離が最も近く、第1の基地局2Aとの距離が最も遠い。このため、第2の電波情報提示装置6Bは、第4の基地局2D、第3の基地局2C、及び第2の基地局2Bの各基地局からの電波を検知し、第1の基地局2Aからの電波を検知できない場合がある。この場合、第2の電波情報提示装置6Bは、第4の基地局2D、第3の基地局2C、及び第2の基地局2Bの各基地局との無線接続(通信)が可能であることを示す情報を提示する。例えば、第2の電波情報提示装置6Bは、第2の基地局2B、第3の基地局2C、及び第4の基地局2Dのそれぞれと対応付けられた色の光を点灯させて情報を提示する。
【0022】
上述したように、無線通信端末4を有する第1の利用者5Aは、第1の電波情報提示装置6Aが提示する情報から、第1の電波情報提示装置6Aの近傍では第4の基地局2Dとの無線接続ができないことを容易に知ることができる。また、第1の利用者5Aは、第2の電波情報提示装置6Bが提示する情報から、第2の電波情報提示装置6Bの近くに移動することにより、第4の基地局2Dとの無線接続が可能になることを容易に知ることができる。つまり、第1の利用者5Aは、電波情報提示装置を視認するだけで無線接続させたいキャリアの電波の受信状況及び電波強度を容易に把握することができる。
【0023】
また、無線通信端末4を有する第2の利用者5Bは、第2の電波情報提示装置6Bが提示する情報から、第2の電波情報提示装置6Bの近傍では第1の基地局2Aとの無線接続ができないことを容易に知ることができる。また、第2の利用者5Bは、第1の電波情報提示装置6Aが提示する情報から、第1の電波情報提示装置6Aの近くに移動することにより第1の基地局2Aとの無線接続が可能になることを容易に知ることができる。
【0024】
図2は、第1の実施形態に係る電波情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
図3は、色指定スイッチの設定例を示す図である。
【0025】
図2に例示した電波情報提示装置6は、本体部600と、ソケット部620とを含む。
【0026】
本体部600は、基地局2(2A~2D)からの電波を検知した場合に検知した電波と対応付けられた色の光を点灯させる制御を行う。本体部600は、4つの検知回路601~604と、制御回路605と、駆動回路606と、4つの発光素子607~610と、電源制御回路611とを含む。
【0027】
検知回路601~604は、基地局2A~2Dのそれぞれからの電波及び電波強度を検知する回路である。例えば、第1の検知回路601は第1の基地局2Aからの電波を検知し、第2の検知回路602は第2の基地局2Bからの電波を検知し、第3の検知回路603は第3の基地局2Cからの電波を検知し、第4の検知回路604は第4の基地局2Dからの電波を検知する。
【0028】
制御回路605は、検知回路601~604による電波及び電波強度の検知結果を用いて4つの発光素子607~610の消灯と点灯(発光)及び強弱(明暗)とを制御する。例えば、4つの発光素子607~610は、発光色が各々異なるLED(Light Emitting Diode)である。
図2に例示した電波情報提示装置6では、第1の発光素子607が赤色発光LEDであり、第2の発光素子608が緑色発光LEDであり、第3の発光素子609が青色発光LEDであり、第4の発光素子610が黄色発光LEDである。なお、発光素子607~610の発光色の組み合わせ及び個数は、これに限定されない。
【0029】
各発光素子607~610は、駆動回路606から駆動電流が印加されると発光する。駆動回路606は、例えば、制御回路605からの制御信号に基づいて、電波を検知した基地局と対応付けられた発光素子を点灯させる。
【0030】
制御回路605は、電波を検知した基地局を識別する情報と、その基地局と対応付けられた発光素子を示す情報とに基づいて、発光素子を点灯(発光)させるための制御信号を生成して駆動回路606に与えることができる。本実施形態の電波情報提示装置6において、基地局と対応付けられた点灯色の情報は、ソケット部620の色指定スイッチ621(622~625)により指定することができる。なお、制御回路605から駆動回路606に与えられる制御信号は、電波を検知された基地局と対応する点灯色を常時発光(点灯)させる制御信号であってもよいし、もしくは、所定の時間間隔で点滅させる制御信号であってもよい。また、制御回路605から駆動回路606に与えられる制御信号は、例えば、電波を検知した基地局と対応する発光素子を所定の順序で1色ずつ点滅させる制御信号であってもよい。
【0031】
電源制御回路611は、本体部600内の各構成要素を動作させるために、ソケット部620のバッテリ626から供給される電力を各構成要素に印加する。
【0032】
ソケット部620は、色指定スイッチ621(622~625)と、バッテリ626と、電源スイッチ627と、BMS(Battery Management System)628とを含む。BMS628は、バッテリ626の残量を検出できるため点滅、パターン点灯によりバッテリ626の残量を通知することができる。
【0033】
色指定スイッチ621は、本体部600の4つの発光素子607~610がそれぞれどの基地局2A~2Dと対応付けるかを指定することができる。色指定スイッチ621は、第1のスイッチ622、第2のスイッチ623、第3のスイッチ624、及び第4のスイッチ625を含む。例えば、スイッチ622~625が、それぞれ、
図3に例示したように、出力を4通りに切替可能であり、それぞれの出力は発光させる発光素子607~610と対応付けることができる。
図3に例示した各スイッチ622~625の右側に示した「R」、「G」、「B」、及び「Y」は、それぞれ、発光素子の発光色「赤」、「緑」、「青」、及び「黄」と対応する。
【0034】
第1のスイッチ622は第1の検知回路601が電波を検知した場合に発光(点灯)させる発光素子を指定することに利用する。第2のスイッチ623は第2の検知回路602が電波を検知した場合に発光(点灯)させる発光素子を指定することに利用する。第3のスイッチ624は第3の検知回路603が電波を検知した場合に発光(点灯)させる発光素子を指定することに利用する。第4のスイッチ625は第4の検知回路604が電波を検知した場合に発光(点灯)させる発光素子を指定することに利用する。
図3の例では、第1のスイッチ622は第1の発光素子607を指定し、第2のスイッチ623は第2の発光素子608を指定し、第3のスイッチ624は第3の発光素子609を指定し、第4のスイッチ625は第4の発光素子610を指定している。
【0035】
本体部600の制御回路605は、第1の検知回路601から電波を検知したことを示す信号が与えられた場合、第1のスイッチ622により指定されている発光素子(
図3の例では第1の発光素子607)を発光させる制御信号を駆動回路606に出力する。制御回路605は、第2の検知回路602から電波を検知したことを示す信号が与えられた場合、第2のスイッチ623により指定されている発光素子(
図3の例では第2の発光素子608)を発光させる制御信号を駆動回路606に出力する。制御回路605は、第3の検知回路603から電波を検知したことを示す信号が与えられた場合、第3のスイッチ624により指定されている発光素子(
図3の例では第3の発光素子609)を発光させる制御信号を駆動回路606に出力する。制御回路605は、第4の検知回路604から電波を検知したことを示す信号が与えられた場合、第4のスイッチ625により指定されている発光素子(
図3の例では第4の発光素子610)を発光させる制御信号を駆動回路606に出力する。
【0036】
なお、各スイッチ622~625による発光素子607~610の指定は、
図3に例示した組み合わせに限定されない。また、各スイッチ622~625は、
図3に例示したようなスライドスイッチに限らず、ロータリスイッチ等であってもよい。
【0037】
バッテリ626は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池などが好ましい、ただしバッテリの種類は限定しない。電源スイッチ627は、電源制御回路611を介して本体部600へのバッテリ626からの電力の供給を制御することができる。物理的スイッチを設けることで、待機電力を遮断し電力の消費を押さえることができる。BMS628は、バッテリ626の充放電等の監視、制御等を行う。
【0038】
本実施形態の電波情報提示装置6における本体部600及びソケット部620は、特定の外観構成(外形)のものに限定されない。例えば、本体部600の外観構成を周知のLED電球と類似した口金を有する外観構成にし、ソケット部620の外観構成を本体部600の口金を取り付け可能なソケットを有する外観構成にすることができる。
【0039】
図4は、電波情報提示装置における本体部の外観構成の例を示す斜視図である。
図5は、電波情報提示装置の外観構成の別の例を示す斜視図である。
【0040】
図4に例示した本体部600は、発光部の外観が球状のものであり、略半球状の筐体650内に設けられた平坦面651に、点灯色が異なる4つの発光素子607~610が、それぞれ平坦面651の法線方向を中心として放射状に光を出射するように搭載されている。平坦面651には、発光素子607~610を覆う透明又は半透明のカバー652が取り付けられる。
図4では、破線で示した略半球状のカバー652を例示しているが、カバー652の形状は、特定の形状に限定されない。カバー652は、発光部を保護し、さらに、少なくても一部に曲面を有することで視認性を向上させる。筐体650における平坦面651とは反対側の端部には、電球用のソケットの形状と対応した形状の口金653が設けられている。筐体650及び口金653の内部空間には、電源制御回路611、検知回路601~604、制御回路605、駆動回路606等が収容されている。
【0041】
図5に例示した本体部600は、発光部の外観が直方体(四角柱)状のものであり、筐体654における平坦面655上に、発光色が異なる4つの発光素子607~610の層がスペーサ層657~660を介して積層されている。4つの発光素子607~610の層は、それぞれ、発光部の4つの側面のそれぞれから光が出射するように構成されている。なお、角部は曲面を有し、曲面によって視認性を向上させ、さらに外部からの衝撃を緩和させる機能を有する。筐体654の平坦面655には、発光素子607~610を覆う箱型の透明又は半透明のカバー656が取り付けられる。
図5では、外形が直方体状のカバー656を例示しているが、カバー656の形状は特定の形状に限定されない。筐体654における平坦面655とは反対側の端部には、電球用のソケットの形状と対応した形状の口金653が設けられている。筐体654及び口金653の内部空間には、電源制御回路611、検知回路601~604、制御回路605、駆動回路606等が収容されている。
【0042】
図4及び
図5に例示したような口金653が設けられた本体部600は、その口金653の形状と対応した形状の電球用のソケットと類似した外観構成であるソケット部620に取り付けて使用することができる。ソケット部620は、本体部600の口金653を取り付け可能なソケットが設けられた筐体と、筐体に取り付けられた色指定スイッチ621、バッテリ626、電源スイッチ627、及びBMS628とを含む。本体部600の口金653とソケット部620のソケットとは、電源制御回路611とバッテリ626と接続する導電経路の他に、色指定スイッチ621の設定を制御回路605に伝達する導電経路が確立されるように構成される。
【0043】
なお、本体部600の外観構成は、
図4及び
図5に例示したものに限定されない。例えば、本体部600におけるソケット部620との接続部分の外観構成は、口金653とは別の形状のであってもよい。また、ソケット部620の外観構成は、口金653を取り付けるソケットに、色指定スイッチ621、バッテリ626、BMS628等の部品が外付けされた構成であってもよい。
【0044】
図6は、電波情報提示装置の第1の設置例を説明する図である。
図7は、電波情報提示装置のコーンへの取り付け方法の例を説明する図である。
【0045】
図6には、本実施形態の電波情報提示装置6を建設現場7に設置する例を示している。建設現場7では、段階確認、材料確認、立会等を遠隔臨場により実施することが増えつつある。遠隔臨場では、建設現場7にいる作業員が使用する無線通信端末を用いて建設現場7の周囲にある基地局2A~2Cを介して遠方にいる立会者と行うための電波状況を把握する必要がある。
【0046】
遠隔臨場により立会等を実施する場合、映像や音声をリアルタイムで配信(送受信)することが望まれている。このため、基地局からの電波強度が弱いエリアが存在する建設現場7内での作業に対しては、直接建設現場に臨場して立会等を実施する、又は電波の強度を増強させる等の対策が必要となっていた。また、建設現場7内では、作業の進捗に応じて建機(重機)の位置や地形が変化し、それに伴い電波強度が変化することがある。加えて、建設現場7内の作業員は、作業に必要な工具等を手に持っていることが多い。このため、遠隔臨場により立会等を実施する際に、建設現場7にいる作業員が無線通信端末を操作し建設現場内の電波状況を確認することは難しい。
【0047】
また、建設現場7内では、無線接続(通信)をする無線通信端末と基地局2A~2Cとの間にクレーン8Aや油圧ショベル8B等の重機が存在する場合に、重機が電波を遮ることにより電波強度が低下することがある。しかしながら、重機の存在が電波強度に与える影響は一意的ではないので、基地局と重機との位置関係から電波状況を精度よく予測することは難しい。重機が電波強度に与える影響を反映した建設現場7内の電波状況を容易に知る方法として、例えば、
図6に示したように、重機(クレーン8A及び油圧ショベル8B)の周囲に複数の電波情報提示装置6A~6Kを配置することが挙げられる。
図6に示した基地局2A~2C内の「A」、「B」、及び「C」は、その基地局を提供する通信キャリアが、それぞれ通信キャリアA、通信キャリアB、及び通信キャリアCであることを表している。また、
図6には、Wi-Fiを利用して無線接続する第4の基地局2Dが建設現場7内の事務所に設置されている例を示しているが、第4の基地局2Dは、建設現場7外に設置されていてもよい。また、
図6に示した電波情報提示装置6A~6K内の「R」、「G」、「B」、及び「Y」は、それぞれ、発光させた発光素子の発光色(すなわち電波情報提示装置を見たときに視認される光の色)を示している。各電波情報提示装置6A~6Kにおける色指定スイッチ621の設定は、
図3を参照して上述した設定になっているとする。
【0048】
例えば、クレーンの左側に配置された3つの電波情報提示装置6A~6Cは、第3の基地局2Cからの電波がクレーン8Aにより遮られるため、青色(B)の光を発していない。また、クレーン8Aの左側に配置された3つの電波情報提示装置6A~6Cは、例えば、事務所内に設置された第4の基地局2Dからの距離が長く電波が届かないため、黄色(Y)の光を発していない。したがって、これらの電波情報提示装置6の近くにいる作業員(図示せず)等は、装置が発している光の色から、無線通信端末4を第3の基地局2C及び第4の基地局2Dとは無線接続させることができないことを知ることができる。
【0049】
また、クレーン8Aの右側にいる作業員(図示せず)等は、自身の近くに設置された電波情報提示装置6E~6Kのそれぞれが発している光の色から、無線通信端末4を無線接続させることが可能な基地局を知ることができる。更に、作業員等は、電波情報提示装置6A~6Kが発している光の色から、無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることが可能な建設現場内のエリアを知ることができる。
【0050】
建設現場7内に電波情報提示装置6を配置する場合には、例えば、
図7に示したように、コーン9と呼ばれる工事用保安用品の頂部(上端)900に電波情報提示装置6を取り付けて配置することができる。より具体的には、コーン9の頂部900に色指定スイッチ621の設定をしたソケット部620を取り付け、ソケット部620のソケットに電球型の本体部600の口金653をはめ込む。このように、本体部600がコーン9の頂部900から上方に延伸するように電波情報提示装置6を取り付ける場合、本体部600の外観構成は、例えば、
図5に例示したような発光素子607~610を積層させた構成にすることで、電波情報提示装置6から任意の方向にいる作業員等に対して電波状況を提示することができる。
【0051】
電波情報提示装置6をコーン9に取り付けて建設現場7内に設置することで、例えば、重機の位置や地形の変化に応じて、電波情報提示装置6の設置位置や設置数を容易に変更することができる。また、保安用具として建設現場7内に設置するコーン9に電波情報提示装置6を取り付けることで、電波情報提示装置6が設置されている建設現場7内の位置を容易に把握することができる。このため、重機の位置や地形の変化により電波情報提示装置6の設置位置が変更された場合にも、電波情報提示装置6を容易に見つけて電波状況を確認することができる。
【0052】
なお、電波情報提示装置6を建設現場7内に設置する場合、
図7に例示したコーン9に限らず、他の保安用品に取り付けてもよい。
【0053】
図8は、電波情報提示装置の第2の設置例を説明する図である。
【0054】
図8には、本実施形態の電波情報提示装置6を駅のホーム10に設置する例を示している。
図8に示した例では、複数の電波情報提示装置6A~6Cが、ホーム10の長さ方向(線路の延伸方向)に沿って、ホーム10の屋根から下方に向けて本体部が延伸するように設置されている。
【0055】
駅のホーム10では複数の基地局2A~2Dが設置されているが、ホーム10の長さ(線路の延伸方向の寸法)は100mを超えることが多い。このため、基地局が設置されている位置によっては、例えば、ホームの長さ方向の端部まで電波が届かず、無線通信端末4を無線接続させることができない場合がある。
図8に示した例では、ホーム10の左端寄りの位置に設置された第1の基地局2Aからの電波がホーム10の右端寄りの位置に設置された電波情報提示装置6B、6Cまで届いていない。これにより、ホーム10上の利用者(乗客)5は、自身がいる位置で無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることができるか否か、どこまで移動すれば無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることができるかを容易に知ることができる。例えば、無線通信端末4を第2の基地局2Bと無線接続させたい場合、利用者5は、第2の基地局2Bと対応する緑色(G)の光を発している電波情報提示装置6Bの近くに移動しなければならないことを容易に知ることができる。
【0056】
図9は、電波情報提示装置の第3の設置例を説明する図である。
【0057】
図9には、本実施形態の電波情報提示装置6をトンネル11内に設置する例を示している。トンネル11は、例えば、道路や鉄道等の敷設のためのものである。また、トンネル11は、工事中のものであってもよいし、工事が完了して利用されているものであってもよい。
【0058】
トンネル11内ではトンネル11外の開放された空間に設置されている基地局からの電波が奥方まで届きにくく、また、トンネル11内に設置される基地局は、トンネル11外に設置されている基地局と比べて無線接続可能な無線通信端末の種類が少ないことが多い。例えば、
図9に示したトンネル11内には、第3の基地局2C及び第4の基地局2Dのみが設置されている。この例では、第1の基地局2Aと無線接続可能な無線通信端末4、又は第2の基地局2Bと無線接続可能な無線通信端末4は、Wi-Fiによる第4の基地局2Dとの無線接続をすることになる。そのため、例えば、
図9に示したように、トンネル11内の壁面に本実施形態の電波情報提示装置6を設置することで、トンネル11内にいる利用者5は、自身がいる位置で無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることができるか否か、どこまで移動すれば無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることができるかを容易に知ることができる。例えば、
図9のトンネル11内であれば、通信キャリアCとは別の通信キャリア(例えば、通信キャリアA、通信キャリアB等)の携帯電話回線を利用する無線通信端末4の利用者は、トンネル11内では無線通信端末4をWi-Fiにより第4の基地局2Dと無線接続させなければならないことを容易に知ることができる。
【0059】
図10は、電波情報提示装置の第4の設置例を説明する図である。
【0060】
図10には、本実施形態の電波情報提示装置6を商業施設12内に設置する例を示している。商業施設12では、例えば、ある特定のエリア内で無線通信端末4を無線接続させることが可能な基地局を、ある特定の条件の基地局のみに制限することが望ましい場合がある。
図10に例示した商業施設12には、第1の基地局2A、第2の基地局2B、第3の基地局2C、及び第4の基地局2Dの全ての基地局を利用可能な非制限エリアと、第4の基地局2Dのみを利用可能な制限エリアとを含む。
【0061】
このように、本実施形態の電波情報提示装置6は、無線接続可能な無線通信端末4の条件が異なる複数の基地局のうちの電波を検知した基地局を光の色で提示することにより、無線通信端末4等の表示を確認することなく、自身がいる位置の電波状況を容易に知ることができる。また、電波情報提示装置6により提示されている情報に基づいて、どの方向にどれだけ移動すれば、無線通信端末4を所望の基地局と無線接続させることができるかを容易に知ることができる。
【0062】
なお、本実施形態の電波情報提示装置6を設置する場所は、第1の設置例~第4の設置例として上述した場所に限定されない。例えば、電波情報提示装置6は、病院のような、大きな建物であって、無線通信端末4を利用可能なエリアが制限されている施設に設置されてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、無線接続可能な無線通信端末4の条件が異なる複数の基地局として4つの基地局を例示したが、複数の基地局は、これに限らず、2つ以上であればよい。
【0064】
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態で説明した電波情報提示装置6とは別の方法で、電波を検知した基地局と発光素子の発光色とを対応付ける方法の例を説明する。
【0065】
図11は、第2の実施形態に係る電波情報提示装置の機能構成を示すブロック図である。
【0066】
図11に例示した本実施形態の電波情報提示装置6は、本体部670と、ソケット部680とを含む。
【0067】
本実施形態の電波情報提示装置6の本体部670は、4つの検知回路601~604と、制御回路605と、駆動回路606と、4つの発光素子607~610と、電源制御回路611と、通信インタフェース671とを含む。本体部670の4つの検知回路601~604と、制御回路605と、駆動回路606と、4つの発光素子607~610と、電源制御回路611とは、第1の実施形態で例示した本体部600で説明したものと同じであって良い。なお、本実施形態の電波情報提示装置6における制御回路605は、通信インタフェース671を介して外部装置13から取得した、電波を検知した基地局と、その基地局と対応付けられた発光素子を示す情報とに基づいて、例えば、点灯(発光)させる発光素子を示す情報を含む制御信号を生成する。
【0068】
通信インタフェース671は、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)等の周知の近距離無線通信規格に従った無線通信のためのハードウェアインタフェースである。この種の通信インタフェース671を備えた電波情報提示装置6は、周知の近距離無線通信規格に従って外部装置13と無線接続され、無線通信を行うことができる。なお、通信インタフェース671は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の伝送ケーブルのコネクタを有し、伝送ケーブルを介して外部装置13と接続されるものを含んでもよい。通信インタフェース671は、外部装置13と接続可能な接続部の例である。
【0069】
ソケット部680は、例えば、第1の実施形態で説明したソケット部620から色指定スイッチ621を省略した構成である。また、ソケット部680は、例えば、リチウムイオン電池等のバッテリ626の代わりに、既存の電球ソケットを介してAC電源から電波情報提示装置6の動作電力を供給する構成であってもよい。
【0070】
本実施形態の電波情報提示装置6は、電波を検知した基地局と発光させる発光素子との組み合わせを示す情報を外部装置13から取得する。外部装置13は、通信インタフェース671を利用した電波情報提示装置6との接続(通信)が可能であり、かつ電波を検知した基地局と発光させる発光素子との組み合わせを設定するためのアプリケーションを実施可能である、任意の情報処理装置である。外部装置13は、例えば、タブレット型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、スマートフォン等である。
【0071】
図11に例示した外部装置13は、タブレット型コンピュータであり得、タッチパネルディスプレイ1301には、電波を検知した基地局と点灯色(発光させる発光素子)との組み合わせを設定する画面が表示されている。この画面における装置ID1302は、外部装置13と接続された電波情報提示装置6を識別する情報である。
【0072】
タッチパネルディスプレイ1301に表示された画面における検出キャリアは、電波情報提示装置6で検知可能な電波の種類を表す。画面内の「A社」、「B社」、及び「C社」は、それぞれ、第1の基地局2Aを提供する通信キャリア(通信キャリアA)、第2の基地局2Bを提供する通信キャリア(通信キャリアB)、及び第3の基地局2Cを提供する通信キャリア(通信キャリアC)と対応する。検出キャリアは、固定されていてもよいし、外部装置13の利用者が外部装置13を操作して入力・変更可能であってもよい。
【0073】
画面内の点灯色指定部1303~1306は、それぞれ、対応する検出キャリアの基地局からの電波を検知した場合に点灯(発光)させる発光素子の発光色を指定可能なプルダウンメニューになっている。例えば、点灯色指定部1303内(より具体的には、右端の三角形の部分)をタッチ又はタップすると、赤、緑、青、黄のいずれかを指定可能なメニューが表示され、メニュー内の赤、緑、青、黄のいずれかを指定すると、指定した色(
図11では「赤」)が点灯色指定部1303内に表示される。点灯色指定部1303~1306のプルダウンメニューは、排他的な構成、例えば、ある検出キャリアに対する色が指定されている場合にはその他の検出キャリアに対するプルダウンメニューでその色が指定不可になる構成であってもよい。
図11に示した例では、「B社」の点灯色を指定する場合、点灯色指定部1304のメニューは、すでに他のキャリアに対して指定されている「赤」及び「黄」を指定できないようになっていてもよい。
【0074】
タッチパネルディスプレイ1301の画面における下方に表示されたセットボタン(「Set」)1307は、検出キャリア(電波を受信した基地局)と点灯色との設定情報を確定して本体部670に送信する処理を外部装置13に実行させるボタンである。クリアボタン(「Clear」)1308は、現在画面上で設定されている検出キャリアと点灯色との設定情報を破棄し、初期状態又は未設定の状態にする処理を外部装置13に実行させるボタンである。キャンセルボタン(「Cancel」)1309は、例えば、現在画面上で設定されている検出キャリアと点灯色との設定情報を破棄し、アプリケーションを終了する処理を外部装置13に実行させるボタンである。
【0075】
なお、外部装置13のタッチパネルディスプレイ1301に表示する画面は、
図11に例示した構成に限らず、適宜変更可能である。例えば、外部装置13に表示する画面は、Wi-Fiの電波のうちの第4の基地局2Dからの電波を識別するための情報(第4の基地局2DのSSID、IPアドレス等)を閲覧及び/又は設定可能な要素を含んでもよい。
【0076】
このように、本実施形態の電波情報提示装置6は、外部装置13により設定された、電波を検知した基地局と発光素子の発光色との対応関係を示す情報を取得し、その情報に従って電波を検知した基地局を提示する。このため、本実施形態の電波情報提示装置6は、第1の実施形態で説明した色指定スイッチ621をソケット部620から省略することができる。したがって、本実施形態の電波情報提示装置6は、色指定スイッチ261を備えていない既知である種々のソケットをソケット部620として利用することが可能となり、汎用性がより一層高くなる。
【0077】
また、本実施形態の電波情報提示装置6によれば、電波を検知した基地局と発光素子の発光色との対応関係を設定した外部装置13を、複数の電波情報提示装置6の各々と接続して設定した情報を転送することにより、複数の電波情報提示装置6における電波を検知した基地局と発光素子の発光色との対応関係を容易に同じ関係にすることができる。
【0078】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0079】
1 無線通信サービスエリア
2A 第1の基地局
2B 第2の基地局
2C 第3の基地局
2D 第4の基地局
3 通信ネットワーク
4 無線通信端末
5、5A、5B 利用者
6、6A~6K 電波状態提示装置
600、670 本体部
601、602、603、604 検知回路
605 制御回路
606 駆動回路
607、608、609、610 発光素子
611 電源制御回路
671 通信インタフェース
620、680 ソケット部
621 色指定スイッチ
622、623、624、625 スイッチ
626 バッテリ
627 電源スイッチ
628 BMS
650、654 筐体
651、655 平坦面
652、656 カバー
653 口金
657、658、659、660 スペーサ層
7 建設現場
8A クレーン
8B 油圧ショベル
9 コーン
900 頂部
10 ホーム
11 トンネル
12 商業施設
13 外部装置
1301 タッチパネルディスプレイ
1302 装置ID
1303、1304、1305、1306 点灯色指定部