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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030109
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】スイッチユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/04 20060101AFI20240229BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20240229BHJP
   H01H 13/16 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
H01H13/04 C
H01H9/02 Z
H01H13/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132679
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】岸 昇示
(72)【発明者】
【氏名】並川 敏洋
【テーマコード(参考)】
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5G052AA12
5G052BB01
5G052HA01
5G052HC01
5G206AS08N
5G206AS09N
5G206GS28
5G206HS02
5G206KS03
5G206NS02
(57)【要約】
【課題】スイッチ操作の検出精度の低下を解決する。
【解決手段】本発明のスイッチ装置は、一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置10と、スイッチ装置10の一端側が挿入される挿入孔22が形成されており、挿入孔22に対してスイッチ装置10が挿入されて取り付けられると共に、固定部材30に形成された固定部材側挿入孔31に対して挿入されて固定部材30に対して固定される取付部材20と、を備える。そして、スイッチ装置10は、取付部材20の挿入孔22に挿入される部位の外形が、挿入孔22の中心を対称点として非対称に形成されており、取付部材20は、スイッチ装置10が挿入される挿入孔22を形成する内形、及び、固定部材30の固定部材側挿入孔31に対して挿入される部位の外形が、それぞれ対称点を中心として非対称に形成されている。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定される取付部材と、
を備え、
前記スイッチ装置は、前記取付部材の前記挿入孔に挿入される部位の外形が、当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成されており、
前記取付部材は、前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
スイッチユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の内形は、前記スイッチ装置が1つの特定の回転角度で挿入可能なよう、当該スイッチ装置の外形に対応して前記対称点を中心として非対称に形成されており、
前記取付部材の外形は、前記固定部材側挿入孔に対して1つの特定の回転角度で挿入可能なよう、当該固定部材側挿入孔の形状に対応して前記対称点を中心として非対称に形成されている、
スイッチユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材は、外形を形成する外周の少なくとも一部が外側に向かって突出する凸部が形成された部位と、内形を形成する内周の少なくとも一部が窪んだ凹部が形成された部位とが、それぞれ前記対称点を中心として対応する部位に対して非対称な形状に形成されている、
スイッチユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチユニットであって、
前記スイッチ装置の外形を形成する外周の少なくとも一部が外側に向かって突出するスイッチ側凸部が形成された部位が、前記対称点を中心として対応する部位に対して非対称な形状に形成されており、
前記スイッチ装置の前記スイッチ側凸部が、前記取付部材の内形に形成された前記凹部の位置に対応する回転角度で挿入可能なよう構成されており、
前記取付部材の前記凸部が、前記固定部材側挿入孔の内形に形成された固定部材側凹部の位置に対応する回転角度で挿入可能なよう構成されている、
スイッチユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材は、前記凸部と前記凹部とが相互に近接した位置に形成されている、
スイッチユニット。
【請求項6】
請求項4に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の前記挿入孔は、前記スイッチ装置が挿入された状態で当該スイッチ装置が回転可能な形状に形成されており、
前記スイッチ装置の外形を形成する外周の前記対称点を中心として相互に対称となる2箇所に、前記取付部材の前記挿入孔に挿入された状態で回転されたときに当該挿入孔に螺合するネジ部が形成されており、
前記スイッチ装置の前記スイッチ側凸部は、前記ネジ部から延設されている、
スイッチユニット。
【請求項7】
請求項6に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の前記凹部は、前記スイッチ装置が前記挿入孔に挿入された状態で回転されたときに当該スイッチ装置の前記ネジ部が螺合する部位とは異なる部位に形成されている、
スイッチユニット。
【請求項8】
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定され、
前記挿入孔に挿入される部位の外形が当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成された前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
取付部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるスイッチ装置として、特許文献1に記載のように、ブレーキペダルを踏みこんだ際にストップランプを点灯させるスイッチ装置がある。特許文献1では、ブレーキペダルの上方に設けられた検出体の揺動位置を検出するスイッチ装置を開示している。そして、特許文献1のスイッチ13は、特許文献1の図5乃至図10に記載されているように、スイッチ13の取付部材14を介してブラケット12の取付穴12bに取り付けられる。具体的には、まず、取付部材14がブラケット12の取付穴12bに挿入されて取り付けられ、そして、ブラケット12に取り付けられた取付部材14の取付穴14cに、スイッチ13のケース51で形成された取付部51が挿入されることで、スイッチ13が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6203141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1に記載のスイッチは、スイッチ自体が取り付けられる取付部材の取付穴、及び、取付部材が取り付けられるブラケットの取付穴が、それぞれ略円形状に形成されており、また、各取付穴に挿入されるスイッチ自体や取付部材の外形がほぼ点対称に形成されている。このため、スイッチ自体や取付部材自体が、各取付穴に対して、予め設定された回転角度に対して180度回転した状態で取り付けることが可能となってしまう。その結果、スイッチ装置が予め設定された取付角度とは異なる角度に取り付けれることにより、スイッチ操作の検出精度が低下するという問題が生じる。
【0005】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、スイッチ操作の検出精度が低下することを解決することができるスイッチユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態であるスイッチユニットは、
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定される取付部材と、
を備え、
前記スイッチ装置は、前記取付部材の前記挿入孔に挿入される部位の外形が、当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成されており、
前記取付部材は、前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
という構成をとる。
【0007】
また、本発明の一形態である取付部材は、
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定され、
前記取付部材の前記挿入孔に挿入される部位の外形が当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成された前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、スイッチ操作の検出精度が低下することを抑制することができるスイッチユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスイッチユニットの分解図である。
図2図1に開示したスイッチユニットを組み付けたときの状態を示す図である。
図3】スイッチユニットを構成するスイッチ装置の構成を示す図である。
図4】スイッチユニットを構成するアジャスタの構成を示す図である。
図5】スイッチユニットを構成するスイッチ装置及びアジャスタの形状を示す図である。
図6】スイッチユニットを構成する固定部材の構成を示す図である。
図7】アジャスタを固定部材に組み付けるときの様子を示す図である。
図8】スイッチ装置をアジャスタに組み付けるときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至図6は、スイッチユニットの構成を説明するための図であり、図7乃至図8は、スイッチユニットを組み付けるときの様子を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本発明におけるスイッチユニットは、車両に搭載され、車両に配置された操作体に対する操作を検出するためのものである。一例として、本実施形態におけるスイッチユニットは、車両に搭載されたブレーキペダルに対する踏み込み操作を検出し、かかる踏み込み操作に対してストップランプを点灯させるためのものである。但し、スイッチユニットは、必ずしも車両に搭載されることに限定されず、いかなる装置に搭載されてもよく、いかなる操作体に対する操作を検出するものであってもよい。
【0012】
スイッチユニットは、図1の分解図に示すように、スイッチ装置10と、アジャスタ20と、固定部材30と、を備えており、図2に示すように組み付けられて構成される。ここで、固定部材30は、車両のブレーキペダルの近辺に設置され、車両自体に固定されている部材である。そして、固定部材30には固定部材側挿入孔31が形成されており、かかる固定部材側挿入孔31に対して、後述するようにアジャスタ20が挿入されて固定され、さらにアジャスタ20にスイッチ装置10を取り付けることで、スイッチ装置10自体が車両に取り付けられることとなる。このとき、スイッチ装置10の軸部材15の一端側は、車両のブレーキペダルのアームによって押圧される部位である。以下、各構成について詳述する。
【0013】
図1及び図2に示すように、スイッチ装置10は、ケースを有しており、その内部に、軸部材15と、軸部材15によって押圧される移動体(図示せず)と、移動体の移動に応じたスイッチ操作を検出する検出器と、を備えている。スイッチ装置10は、軸部材15の一端側がブレーキペダルのアームによって押圧されることで移動体が図1における下方に移動し、かかる移動を検出器が検出することで、ブレーキペダルの操作を検出するよう構成されている。但し、スイッチ装置10は、いかなる構成であってもよく、例えば、検出器を備えていなくてもよい。一例として、スイッチ装置10は、移動体の移動に応じた接点の接触・非接触により直接開閉される回路を備え、かかる回路の開閉に応じてブレーキランプを直接点灯・消灯するよう構成されてもよい。なお、本実施形態では、スイッチ装置10の内部の構成の詳細については、説明を省略する。
【0014】
ここで、図1及び図3を参照して、スイッチ装置10のケースの構成を説明する。図3は、スイッチ装置10のケースのみを図示しており、左図は斜視図であり、右図は上方から見た平面図である。スイッチ装置10のケースは、所定の長さを有する筒状体にて形成されており、長手方向の中央付近を境として、アジャスタ20に組み付けられる側となる一端側に位置する第一部位11と、他端側に位置する第二部位12と、を有する。ケースの第一部位11は、略円筒形状に形成されており、中空となっている内部には軸部材15が収容される。また、ケースの第二部位12は、外部形状及び内部形状が第一部位11よりも大きく形成されており、略直方体形状に形成されている。そして、第二部位12の中空となっている内部は、第一部位11の内部と連通しており、移動体及び検出器が収容される。
【0015】
図3に示すように、スイッチ装置10のケースの第一部位11は、外形が略円形状に形成されており、円周上の2箇所においてさらに外側に向かって突出するネジ部13,14が形成されている。2箇所のネジ部13,14は、それぞれ長手方向に沿って所定の幅を有する直線状の凸状に形成されており、その突出端となる表面にはおねじ部位が形成されている。なお、スイッチ装置10の第一部位11は、後述するようにアジャスタ20に形成された挿入孔22に挿入された状態で回転されることとなるが、その際に2か所のネジ部13,14に形成されたおねじ部位が、アジャスタ20の挿入孔22の内壁に形成されためねじ部位と螺合することとなる。
【0016】
本実施形態では、ネジ部13,14は、図3の右図に示すように、外形が略円形状である第一部位11の中心Cを対称点として相互に対称となる2箇所にそれぞれ形成されている。但し、2箇所のネジ部13,14は、一端側つまり上方から見た外形が、対称点Cを中心として非対称に形成されている。具体的に、ネジ部13,14のうち一方の第一ネジ部13の凸状部分の幅が、他方の第二ネジ部14の凸状部分の幅よりも広く形成されている。つまり、第一ネジ部13は、図5の左図の点線で示す部位であるスイッチ側凸部13a箇所において、対称点Cを中心として対称となる箇所に位置する第二ネジ部14よりも、さらに外側に突出して延設された形状に形成されている。そして、スイッチ側凸部13aの突出端である表面にも、おねじ部位が形成されている。このように、第一ネジ部13は、スイッチ側凸部13aが延設されていることで、第二ネジ部14とは異なる形状に形成されており、第一部位11はその中心Cを対称点として非対称に形成されている。なお、第一部位11は、後述するようにアジャスタ20に挿入されて回転されるが、その中心Cは回転中心でもある。
【0017】
次に、図4を参照して、アジャスタ20(取付部材)について説明する。図4の左図は斜視図であり、右図は上方から見た平面図である。アジャスタ20は、2つの略半円弧状の部材が嵌め合わさって、所定の長さを有する筒形状にて形成されている。具体的に、アジャスタ20は、略円筒形状の本体部21に挿入孔22が形成されており、上述したスイッチ装置10のケースの第一部位11が挿入可能な内形に形成されている。このため、アジャスタ20の挿入孔22を形成する内形は、スイッチ装置10のケースの第一部位11の外形に対応して形成されており、図4の右図に示す挿入孔22の中心Cを対称点として非対称に形成されている。
【0018】
具体的に、アジャスタ20の挿入孔22を形成する内形は、図4の右図に示すように、この図における上下方向において対となる内壁箇所が、それぞれ略平面にて形成されており、左右方向において対となる内壁箇所である内周部23,24が、それぞれ凹状の略円弧面にて形成されている。そして、内周部23,24のそれぞれの壁面において、周方向の中央を境として反時計回り方向側にはめねじ部位23b,24bが形成されている。つまり、一方の内周部23は、図4の上方側の部位23aが凹凸のない円弧面にて形成されており、図4の下方側の部位23bがめねじ部位にて形成されている。また、他方の内周部24は、図4の下方側の部位24aが凹凸のない円弧面にて形成されており、図4の上方側の部位24bがめねじ部位にて形成されている。これらめねじ部位23b、24bには、後述するように挿入されたスイッチ装置10の第一部位11のネジ部13,14に形成されたおねじ部位が螺合することとなる。
【0019】
また、アジャスタ20の挿入孔22の内形のうち、一方の内周部23側は、上述したスイッチ装置10の第一部位11の第一ネジ部13が挿入される部位となるため、一方の内周部23の方が他方の内周部24よりも広く形成されている。具体的に、一方の内周部23のうち凹凸のない部位23aにおける図5の右図の点線で示す部位である凹部23aa箇所が、対称点Cを中心として対称となる箇所に位置する他方の内周部24よりもさらに窪んだ形状に形成されている。このように、一方の内周部23と他方の内周部24とは、内形が略円形状である挿入孔22の中心Cを対称点として相互に対称となる2箇所にそれぞれ形成されているが、一方の内周部23は、さらに凹部23aaが形成されていることで、一端側から見た内形が対称点Cを中心として非対称に形成されている。なお、挿入孔22にはスイッチ装置10の第一部位11が挿入されて回転されるが、その中心Cは回転中心でもある。
【0020】
以上のように、アジャスタ20の挿入孔22を形成する内形を、当該挿入孔22の中心Cを対称点として非対称の形状とし、さらに、スイッチ装置10の第一部位11の外形も中心Cを対称点として非対称とすることで、スイッチ装置10が1つの特定の回転角度でのみアジャスタ20の挿入孔22に挿入可能となる。
【0021】
また、アジャスタ20の本体部21の外形は、略円形状に形成されており、さらに図4の右図の左右方向における側部に、アジャスタ20を構成する2つの部材を連結する連結部が左右方向にそれぞれ突出して形成されている。これに加え、本体部21の外形は、図4の右図の左右方向の両側部付近つまり上述した両連結部付近に、図4において上方に突出する凸部25,26がそれぞれ設けられて形成されている。このため、アジャスタ20の本体部21の外形は、挿入孔22の中心Cを対称点として非対称に形成されている。なお、一方の凸部25は、図5の右図に示すように、挿入孔22に形成された凹部23aaと近接した位置に形成されることとなる。これにより、凸部25と凹部23aaとが相互に近接した位置において、本体部21の肉厚を確保することができる。
【0022】
次に、図6を参照して、固定部材30について説明する。固定部材30は板状の部材にて形成されており、図6ではその一部を示している。つまり、固定部材30は実際には車両の所定部位に固定されて装備されており、図6に示すように外形が略正方形であることに限定されない。そして、固定部材30には、固定部材側挿入孔31が形成されており、その内形は、上述したアジャスタ20の本体部21の外形とほぼ同一の形状に形成されている。つまり、固定部材30の固定部材側挿入孔31の内形は、略円形状であり、両側部がそれぞれ左右方向に窪んでおり、さらに、両側部付近にそれぞれ上方に窪む固定部材側凹部32,33が形成されておる。この固定部材側凹部32,33は、上述したアジャスタ20の本体部21に形成された凸部25,26に対応した形状に形成されている。このため、固定部材30の固定部材側挿入孔31を形成する内形は、固定部材側挿入孔31の中心Cを対称点として非対称に形成されている。なお、固定部材側挿入孔31には、アジャスタ20が挿入され、さらにアジャスタ20にはスイッチ装置10が挿入されて回転されることで組み付けられるが、その回転中心が固定部材側挿入孔31の中心Cでもある。
【0023】
以上のように、固定部材30の固定部材側挿入孔31を形成する内形を、中心Cを対称点として非対称の形状とし、さらに、アジャスタ20の本体部21の外形も中心Cを対称点として非対称とすることで、アジャスタ20が1つの特定の回転角度でのみ固定部材30の固定部材側挿入孔31に挿入可能となる。
【0024】
[組み付け]
次に、上述したスイッチユニットを組み付けるときの動作を説明する。まず、図1に示すように、固定部材30の固定部材側挿入孔31に、アジャスタ20を挿入する。このとき、図7に示すように、固定部材30の固定部材側挿入孔31に対して、アジャスタ20を1つの特定の回転角度に回転させて挿入する。具体的に、アジャスタ20の本体部21に形成された凸部25,26が、固定部材側挿入孔31に形成された固定部材側凹部32,33の位置に対応するよう、アジャスタ20を回転させた回転角度で、アジャスタ20の本体部21を固定部材30の固定部材側挿入孔31に挿入する。これにより、図7に示すように、アジャスタ20が固定部材30に組み付けられた状態となる。なお、アジャスタ20と固定部材30とは、例えば、アジャスタ20を固定部材30の固定部材側挿入孔31に挿入することで嵌合される爪部を設けることで組み付けられてもよく、いかなる構造で組み付けられてもよい。
【0025】
続いて、図1に示すように、固定部材30に組み付けられたアジャスタ20の挿入孔22に、スイッチ装置10のケースの第一部位11を挿入する。このとき、図5及び図8の左図に示すように、アジャスタ20の挿入孔22に対して、スイッチ装置10を1つの特定の回転角度に回転させて挿入する。具体的に、スイッチ装置10のケースの第一部位11に形成されたスイッチ側凸部13aが、アジャスタ20の挿入孔22に形成された凹部23aaの位置に対応するよう、スイッチ装置10を回転させた回転角度で、スイッチ装置10の第一部位11をアジャスタ20の挿入孔22に挿入する。これにより、図8の左図に示すように、スイッチ装置10の第一部位11の第一ネジ部13が、アジャスタ20の挿入孔22の一方の内周部23のうち凹凸のない部位23aに対向して位置し、スイッチ装置10の第一部位11の第二ネジ部14が、アジャスタ20の挿入孔22の他方の内周部24のうち凹凸のない部位24aに対向して位置した状態となる。なお、図8では、アジャスタ20が組み付けられた固定部材30を点線で示すこととする。
【0026】
その後、図8の右図に示すように、スイッチ装置10を、アジャスタ20に挿入された状態で反時計回りRに回転させる。すると、スイッチ装置10の第一部位11の第一ネジ部13が、アジャスタ20の挿入孔22の一方の内周部23のうちめねじ部位23bに螺合し、スイッチ装置10の第一部位11の第二ネジ部14が、アジャスタ20の挿入孔22の他方の内周部24のうちめねじ部位24bに螺合した状態となる。これにより、アジャスタ20にスイッチ装置10が組み付けられた状態となり、図2に示すように、スイッチ装置10、アジャスタ20、固定部材30を組み付けたスイッチユニットが構成される。
【0027】
以上のように、本実施形態におけるスイッチユニットは、アジャスタ20が1つの特定の回転角度で固定部材30の固定部材側挿入孔31に挿入されて組み付けられ、また、スイッチ装置10が1つの特定の回転角度でアジャスタ20の挿入孔22に挿入されて組み付けられる。このため、スイッチ装置10が予め設定された取付角度で取り付けれられることとなり、取付角度が間違えて取り付けられることを防止することができる。その結果、スイッチ操作の検出精度の低下を抑制することができる。また、図5等に示すように、スイッチ装置10の第二部位12の外形のように、第一部位11の中心Cつまり回転中心Cに対して対称ではない形状に形成されていた場合であっても、誤った取付角度で取り付けられることにより想定していない配置となることを抑制することができる。その結果、スイッチ操作の検出精度の低下や部品間の物理的な干渉を抑制することができる。
【0028】
また、アジャスタ20の本体部21において、外側に突出する凸部25と、挿入孔22を形成する凹部23aaと、を近隣に設けることで、本体部21の肉厚を確保でき、強度の低下を抑制することができる。
【0029】
なお、本実施形態では、アジャスタ20に対してスイッチ装置10を挿入して回転させることで組み付ける構成としているが、必ずしも回転させて組み付ける構成であることに限定されない。例えば、スイッチ装置10をアジャスタ20に挿入することで嵌合される爪部を設け、挿入することのみで組み付ける構成であってもよい。
【0030】
なお、上述したスイッチ装置は、ブレーキペダルを踏みこんだ際にストップランプを点灯させるためのスイッチ装置である場合を説明したが、本発明におけるスイッチ装置は、いかなるスイッチ操作を行うものにも適用可能である。例えば、アクセルペダルやクラッチペダルを踏みこむことでスイッチ操作を行うスイッチ装置や、ペダルに限らずいかなる操作部を操作するによってスイッチ操作を行ういかなるスイッチ装置にも適用可能である。
【0031】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるスイッチ装置の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定される取付部材と、
を備え、
前記スイッチ装置は、前記取付部材の前記挿入孔に挿入される部位の外形が、当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成されており、
前記取付部材は、前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
スイッチユニット。
(付記2)
付記1に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の内形は、前記スイッチ装置が1つの特定の回転角度で挿入可能なよう、当該スイッチ装置の外形に対応して前記対称点を中心として非対称に形成されており、
前記取付部材の外形は、前記固定部材側挿入孔に対して1つの特定の回転角度で挿入可能なよう、当該固定部材側挿入孔の形状に対応して前記対称点を中心として非対称に形成されている、
スイッチユニット。
(付記3)
付記1に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材は、外形を形成する外周の少なくとも一部が外側に向かって突出する凸部が形成された部位と、内形を形成する内周の少なくとも一部が窪んだ凹部が形成された部位とが、それぞれ前記対称点を中心として対応する部位に対して非対称な形状に形成されている、
スイッチユニット。
(付記4)
付記3に記載のスイッチユニットであって、
前記スイッチ装置の外形を形成する外周の少なくとも一部が外側に向かって突出するスイッチ側凸部が形成された部位が、前記対称点を中心として対応する部位に対して非対称な形状に形成されており、
前記スイッチ装置の前記スイッチ側凸部が、前記取付部材の内形に形成された前記凹部の位置に対応する回転角度で挿入可能なよう構成されており、
前記取付部材の前記凸部が、前記固定部材側挿入孔の内形に形成された固定部材側凹部の位置に対応する回転角度で挿入可能なよう構成されている、
スイッチユニット。
(付記5)
付記3に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材は、前記凸部と前記凹部とが相互に近接した位置に形成されている、
スイッチユニット。
(付記6)
付記4に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の前記挿入孔は、前記スイッチ装置が挿入された状態で当該スイッチ装置が回転可能な形状に形成されており、
前記スイッチ装置の外形を形成する外周の前記対称点を中心として相互に対称となる2箇所に、前記取付部材の前記挿入孔に挿入された状態で回転されたときに当該挿入孔に螺合するネジ部が形成されており、
前記スイッチ装置の前記スイッチ側凸部は、前記ネジ部から延設されている、
スイッチユニット。
(付記7)
付記6に記載のスイッチユニットであって、
前記取付部材の前記凹部は、前記スイッチ装置が前記挿入孔に挿入された状態で回転されたときに当該スイッチ装置の前記ネジ部が螺合する部位とは異なる部位に形成されている、
スイッチユニット。
(付記8)
一端側に配置された操作体に対する操作を検出する所定の長さを有するスイッチ装置の一端側が挿入される挿入孔が形成されており、当該挿入孔に対して前記スイッチ装置が挿入されて当該スイッチ装置が取り付けられると共に、前記操作体が装備された装置における固定部材に形成された固定部材側挿入孔に対して挿入されて前記固定部材に対して固定され、
前記挿入孔に挿入される部位の外形が当該挿入孔の中心を対称点として非対称に形成された前記スイッチ装置が挿入される前記挿入孔を形成する内形、及び、前記固定部材の前記固定部材側挿入孔に対して挿入される部位の外形が、それぞれ前記対称点を中心として非対称に形成されている、
取付部材。
【0032】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0033】
10 スイッチ装置
11 第一部位
12 第二部位
13 第一ネジ部
14 第二ネジ部
15 軸部材
20 アジャスタ
21 本体部
22 挿入孔
23,24 内周部
23aa 凹部
23b,24b めねじ部位
25,26 凸部
30 固定部材
31 固定部材側挿入孔
32,33 固定部材側凹部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8