(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030116
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】虚像表示装置及び音響装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240229BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240229BHJP
H04R 1/34 20060101ALI20240229BHJP
H04R 1/06 20060101ALI20240229BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
G02B27/02 Z
H04R1/34 310
H04R1/06 310
H04R1/00 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132688
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100108419
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 治仁
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 和也
【テーマコード(参考)】
2H199
5D017
5D018
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA45
2H199CA46
2H199CA47
2H199CA48
2H199CA59
2H199CA91
2H199CA92
2H199CA93
5D017AE22
5D018AF16
(57)【要約】
【課題】スピーカーの音を確実に観察者の耳に伝達できる状態を維持できる虚像表示装置及び音響装置を提供すること。
【解決手段】虚像表示装置100は、表示素子と、表示素子を固定する取付部材MTと、取付部材MTに接続されるテンプル部材100Dと、取付部材MTに取り付けられるスピーカーSKbとを備え、スピーカーSKbは、取付部材MTとテンプル部材100Dとの接続箇所に出力用の開口部OPを有することで、テンプル部材100D側において音伝達のための配線不要とする等、音に関する構成を簡素化する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子と、
前記表示素子を固定する取付部材と、
前記取付部材に接続されるテンプル部材と、
前記取付部材に取り付けられるスピーカーと
を備え、
前記スピーカーは、前記取付部材と前記テンプル部材との接続箇所に音出力用の開口部を有する、虚像表示装置。
【請求項2】
前記テンプル部材は、前記スピーカーの前記開口部から出た音を導く空洞部材を有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項3】
前記接続箇所に設けられて回動するヒンジを備え、
前記テンプル部材において、前記空洞部材の導音入口は、前記ヒンジを回動させて前記テンプル部材を開いた状態で、前記開口部に当接する、請求項2に記載の虚像表示装置。
【請求項4】
前記空洞部材は、硬質性樹脂製、グラスファイバー製または金属製である、請求項2に記載の虚像表示装置。
【請求項5】
前記空洞部材の導音出口は、横長形状の孔である、請求項2に記載の虚像表示装置。
【請求項6】
前記空洞部材の導音出口は、位置調整可能である、請求項2に記載の虚像表示装置
【請求項7】
前記空洞部材は、導音路内側において撥水剤をコーティングされている、請求項2に記載の虚像表示装置。
【請求項8】
前記接続箇所を形成する板状部材を有し、
前記開口部は、前記板状部材に設けた孔に、クッション性のシール部材を貼って形成される、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項9】
前記板状部材は、前記シール部材の取付箇所に段差状の溝を有する、請求項8に記載の虚像表示装置。
【請求項10】
前記スピーカーは、前記取付部材の音響室に設けたホルダー部材により、前記取付部材に対して所定の姿勢で固定される、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項11】
前記ホルダー部材において、前記スピーカーと異なる所定の姿勢で固定され、下方向きに集音するマイクを備える、請求項10に記載の虚像表示装置。
【請求項12】
前記スピーカーは、左右一対で構成され、いずれか一方に、前記開口部用の孔に加え、ケーブル挿通用の孔を有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項13】
前記スピーカーは、防水性であるか、または、前記開口部に防水布を設けて構成されている、請求項1に記載の虚像表示装置。
【請求項14】
スピーカーと、
前記スピーカーを取り付けた取付部材と、
前記取付部材に接続されるテンプル部材と
を備え、
前記スピーカーは、前記取付部材と前記テンプル部材との接続箇所に音出力用の開口部を有する、音響装置。
【請求項15】
前記テンプル部材は、前記スピーカーの前記開口部から出た音を導く空洞部材を有する、請求項14に記載の音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響設備を有する虚像表示装置及び虚像表示装置等に適用可能な音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
虚像を表示する頭部装着型の映像表示装置として、スピーカーの音を観察者の耳に伝達するための音伝達部材を有するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に例示されるような映像表示装置では、スピーカーや音伝達部材等をテンプルに取り付ける構造となっている、すなわち耳の近くにデバイスを配置する構造となっており、この場合、例えば音を伝達するための配線をテンプル側まで長く延ばす必要が生じたり、テンプルの厚みが増えて装着性に影響したりする可能性がある。また、これに伴いスピーカーの配置等に制限が生じることも考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面における虚像表示装置は、表示素子と、表示素子を固定する取付部材と、取付部材に接続されるテンプル部材と、取付部材に取り付けられるスピーカーとを備え、スピーカーは、取付部材とテンプル部材との接続箇所に音出力用の開口部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る虚像表示装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】虚像表示装置の外観を別の角度から示す斜視図である。
【
図4】虚像表示装置の内部構造について示す分解斜視図である。
【
図5】フロントカバーの平面図、ミドルカバーの平面図、及びロアーカバーの平面図である。
【
図6】ミドルカバーの平面図、正面図及び側面図である。
【
図7】虚像表示装置のうち、一部の支持部材について構造を示す分解斜視図である。
【
図9】別の角度から見たミドルカバーの斜視図である。
【
図10】ヒンジ及びその周辺の構造を示す一部拡大図である。
【
図11】ヒンジ及びその周辺の構造を別の角度から示す一部拡大図である。
【
図12】ヒンジ及びその周辺の構造について示す分解斜視図である。
【
図14】表示装置の光学系的な内部構造を説明する側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、
図1等を参照して、本発明に係る虚像表示装置(画像表示装置)の一実施形態について説明する。
【0008】
図1は、虚像表示装置(画像表示装置)の一態様であるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する。)200の外観について一例を示す斜視図であり、
図2は、HMD200の外観を別の角度から示す斜視図である。また、
図3は、HMD200の正面図である。HMD200は、これを装着する観察者又は装着者に虚像としての映像を認識させる。
図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、HMD200又は虚像表示装置100を装着した観察者又は装着者の両眼の並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、装着者にとっての両眼の並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、+Z方向は、装着者にとっての前方向又は正面方向に相当する。±Y方向は、鉛直軸又は鉛直方向に平行になっている。
【0009】
HMD200は、右眼用の第1表示装置100Aと、左眼用の第2表示装置100Bと、表示装置100A,100Bを支持する支持装置である一対のテンプル部材100C,100Dと、情報端末であるユーザー端末90とを備える。第1表示装置100Aは、単独で虚像表示装置として機能し、上部に配置される第1表示駆動部102aと、メガネレンズ状で眼前を覆う第1コンバイナー103aと、コンバイナー103aをその前方から覆う光透過カバー104aとで構成される。第2表示装置100Bも同様に、単独で虚像表示装置として機能し、上部に配置される第2表示駆動部102bと、メガネレンズ状で眼前を覆う第2コンバイナー103bと、コンバイナー103bをその前方から覆う光透過カバー104bとで構成される。テンプル部材100C,100Dは、装着者の頭部に装着される装着部材であり、外観上一体化されている表示駆動部102a,102bを介して一対のコンバイナー103a,103bの上端側と、一対の光透過カバー104a,104bの上端側とを支持している。本明細書において、第1コンバイナー103a及び第2コンバイナー103bの一方をコンバイナー103と呼ぶこともある。一対の表示駆動部102a,102bを組み合わせたものを駆動装置102と呼ぶ。一対の光透過カバー104a,104bを組み合わせたものをシェード104と呼ぶ。
【0010】
第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとは、光学的に同一又は左右反転させたものであり、第2表示装置100Bについては、詳細な説明を省略する。
【0011】
図2及び
図3を参照して、駆動装置102は、外観を構成する外装ケース7又はカバー部材70として、フロントカバー71と、ミドルカバー72と、ロアーカバー73とを有する。フロントカバー71は、駆動装置102の前部と上部とを覆う上部ケースである。フロントカバー71とシェード104とは、接合され一体化されている。ミドルカバー72は、駆動装置102に内蔵された光学部材等を両端で支持し、内蔵部品を主に前方から覆う下部ケースを構成する部材の1つである。ロアーカバー73は、駆動装置102に内蔵された光学部材を主に後方や下方から覆う下部ケースを構成する部材の1つである。ミドルカバー72の両端には、ヒンジ74が取り付けられており、一対の支持装置であるテンプル部材100C,100Dを折り曲げ可能に支持している。すなわち、ヒンジ74は、虚像表示装置100の本体側とテンプル部材100C,100Dとの接続箇所に設けられて回動することで、テンプル部材100C,100Dを開いた状態としたり、閉じた状態としたりすることを可能とする部材となっている。
【0012】
ここでは、ヒンジ74を回動させて、
図1に示すような装着可能な状態とした場合を、テンプル部材100C,100Dを開いた状態と呼び、ヒンジ74を回動させて、テンプル部材100C,100Dを折り畳んだ被装着時の状態とした場合を、テンプル部材100C,100Dを閉じた状態と呼ぶ。例えば、ヒンジ74を回動させてテンプル部材100C,100Dを開いた状態では、ミドルカバー72の側端部がテンプル部材100C,100Dの端部に設けた板状部材PTに当接した状態となっている、ということになる。なお、この場合、板状部材PTは、ヒンジ74とともに、テンプル部材100C,100Dとの接続箇所(少なくともその一部)を形成するものとなっている。
【0013】
また、虚像表示装置100の本体側とテンプル部材100C,100Dとの接続に関して、虚像表示装置100の本体側における外装ケース7又はカバー部材70等は、第1表示装置100Aと第2表示装置100B等の各部を取り付けて、これらを固定するための取付部材MTと捉えることができる。この場合、テンプル部材100C,100Dは、側方側において取付部材MTに接続される部材であり、さらに、取付部材MTに接続されることで、取付部材MTを支持するための部材として機能する、と見ることができる。なお、取付部材MTには、つまり虚像表示装置100の本体側には、第1表示装置100Aや第2表示装置100Bのほか、例えば表示装置100A,100Bに表示される画像に合わせて音声を発する音響設備が取り付けられる構成となっている。これについては、例えば
図2に示すように、ヒンジ74を設けた取付部材MTとテンプル部材100C,100Dとの接続箇所において、取付部材MTの側方端部に内蔵されるスピーカー(図示略)の音出力用の開口部OPをヒンジ74の外側に有する構成となっているが、これについて詳しくは、後述する。
【0014】
ここで、上記のような本実施形態のHMD200又は虚像表示装置100において、テンプル部材100C,100Dは、本体側のスピーカー(図示略)から発生される音声を伝達すべく、空洞部材HLc,HLdを有する構成となっている。すなわち、空洞部材HLc,HLdは、空洞構造を有しており、例えば観察者の耳元に相当する位置に、横長形状の孔が導音出口GEとして設けられていることで、本体側からの音が、空洞部材HLc,HLdを介して観察者の耳元まで伝達されるものとなっている。
【0015】
図4は、HMD200又は虚像表示装置100の分解斜視図である。画像形成の光学的な基幹部分である光学装置101は、ミドルカバー72に下側から挿入され、軸受部材59aを用いてミドルカバー72の両端に固定されている。光学装置101において、第1金属フレーム52aと第2金属フレーム52bとは連結され、上側や側面がシールド部材87aに覆われ、第1金属フレーム52aと第2金属フレーム52bとの繋ぎ目も、シールド部材87aに覆われる。シールド部材87aは、電磁的干渉を防止する。第1金属フレーム52aとシールド部材87aとの間には、第1回路部材(回路基板)80aが配置され、第2金属フレーム52bとシールド部材87aとの間には、部分的に露出する状態で第2回路部材(回路基板)80bが配置される。光学装置101は、第1及び第2回路部材80a,80bを、シールド部材87aと第1及び第2金属フレーム52a,52bとで挟む配置となり、回第1及び第2回路部材80a,80bの防水性を高めることができる。第1回路部材80aと第2回路部材80bとは、FPC(Flexible Printed Circuits)部材82aによって電気的に通信可能に接続される。光学装置101の下側には、ロアーカバー73が組付けられる。ロアーカバー73の中央部に対しては、ノーズパッド部材76が下方から固定される。光学装置101を保持したミドルカバー72の上部には、付属部品回路部材(回路基板)80cが固定され、付属部品回路部材80cから延びるFPC部材82dは、第2回路部材80bや不図示のカメラ装置や音響設備等に接続されている。
【0016】
図5は、外観を構成するカバー部材70の構成部品の平面図である。
図5中で、領域AR1は、フロントカバー71の平面図であり、領域AR2は、ミドルカバー72の平面図であり、領域AR3は、ロアーカバー73の平面図である。フロントカバー71は、SUS等の金属で形成されるが、樹脂材で形成されてもよい。ミドルカバー72は、樹脂材で形成されているが、金属で形成されてもよい。ロアーカバー73は、SUS等の金属で形成されるが、樹脂材で形成されてもよい。
【0017】
フロントカバー71は、
図4も参照して、天板71aと前板71bとを有する。天板71aは、中央で前後幅が広く左右両端で前後幅が徐々に減少している。前板71bは、左右両端で上下幅が増加している。前板71bの中央には、カメラ等の付属部品を露出させる開口78aが形成されている。フロントカバー71は、一様な厚みを有し、フロントカバー71の平面視の輪郭は、ミドルカバー72の輪郭と略等しくなっている。
【0018】
ミドルカバー72は、
図4も参照して、前板72aと後枠72bと後板72cと端部72dと下板領域72fとを有する。前板72aは、略一様な上下幅を有する。前板72aの中央には、裏面から-Z側に張り出すように、カメラ等の付属部品を収納するための複数の収納室77aが設けられている。前板72aは、上端側において、フロントカバー71の前板71bと当接又は嵌合する。後枠72bは、上端側に設けられ、フロントカバー71の天板71aの後縁と当接又は嵌合する。後枠72bに形成された一対のピン状の突起72iは、
図4に示す付属部品回路部材80cを固定するためのものである。前板72aの中央と後枠72b中央とはブリッジ72pによって連結されている。後板72cは、後枠72bから下方すなわち-Y側に張り出すように設けられている。後板72cは、2か所に切欠き72jを有し、切欠き72jにおいて上下幅が減少している。端部72dは、前板72aの両端に接続され、後枠72b又は後板72cの両端に接続されている。特に、本実施形態では、端部72dには、スピーカーSKa,SKb(
図7参照)等を収納する空間として凹部が形成され、当該凹部が、音響室77cとして機能している。端部72dには、フロントカバー71やロアーカバー73と連結するための締結部72mと、ロアーカバー73と連結するための締結部72nとが設けられている。また、締結部72nによって、光学装置101の軸受部材59aは下面側に固定される。下板領域72fは、前板72aの中央部の下端から後方すなわち-Z側に延びている。ミドルカバー72には、平面視で2つの開口AP1が形成され、支持構造150の第1金属フレーム52aや第2金属フレーム52bを収納可能になっている。
【0019】
ロアーカバー73は、
図4も参照して、中央部73aとバレル収納部73bと端部73cとを有する。中央部73aは、底壁73hと後壁73iとを有する。底壁73hには、突出領域73dが形成されている。突出領域73d及びその根元側の辺部分は、ミドルカバー72の下板領域72fと部分的に重複して配置され、下板領域72fと当接又は嵌合する。突出領域73dには、ロアーカバー73をミドルカバー72の下板領域72fに固定するための締結部73pが設けられている。底壁73hの本体には、ロアーカバー73にノーズパッド部材76やジョイント50cを固定するための締結部73qも設けられている。後壁73iは、ミドルカバー72の後板72cの外側の近傍に配置され、或いは後板72cの外側と当接又は嵌合する。バレル収納部73bは、中央部73aを挟むように一対で設けられており、下方突出部73sと、後方突出部73tとを有する。バレル収納部73bは、第1投射光学系12a又は第2投射光学系12bのバレル41を覆うよう部分であり、開口AP2を有する。開口AP2は、バレル41の出射口41oに対応して設けられており、画像光を通過させる。後方突出部73tの上端73kは、ミドルカバー72の後枠72bと当接又は嵌合する。端部73cには、ロアーカバー73をフロントカバー71の天板71a等に固定するための締結部73mが設けられ、ロアーカバー73をミドルカバー72の端部72d等に固定するための締結部73nが設けられている。
【0020】
以下、
図6等を参照して、上記したカバー部材70のうち、ミドルカバー72の構造の詳細のうち、特に、テンプル部材100C,100D(
図2等参照)との接続箇所について説明する。
【0021】
図6中で、領域BR1は、ミドルカバー72の平面図であり、
図5中のミドルカバー72の平面図に等しい。
図6中で、領域BR2は、ミドルカバー72の正面図であり、領域BR3は、ミドルカバー72の側面図である。また、
図7中で、領域CR1は、
図4に示す虚像表示装置100の分解斜視図のうちミドルカバー72を含む箇所を抽出した斜視図であり、領域CR2は、領域CR1で抜き出した箇所についての分解斜視図である。さらに、
図8は、ミドルカバー72の斜視図であり、
図9は、別の角度から見たミドルカバー72の斜視図である。
【0022】
図示のように、また、既述のように、ミドルカバー72は、取付部材MT(
図2等参照)としてのカバー部材70のうち、テンプル部材100C,100Dと接続する箇所となっている。このため、ミドルカバー72及びその周辺には、
図6~9に示すように、特に±X方向についての端部側において、音響のための設備やこれらを収納するための設備、さらには、音を伝達するための設備が設けられている。具体的には、ミドルカバー72において左右(±X側)の両端に音響室77cが設けられており、また、
図7の領域CR2に示すスピーカーSKa,SKbと、マイクMCa,MCbが、ホルダー部材HDa,HDbに組付けられた状態で、音響室77cに格納される。
【0023】
また、ミドルカバー72のうち、テンプル部材100C,100Dと接続する端面には、金属製の板状部材PTが設けられている。板状部材PTには、スピーカーSKa,SKbから発する音を、本体外に向けて出力するための出力用(音出力用)の開口部OPを設けるべく、孔H1が形成されている。なお、
図7に示す一例では、テンプル部材100C,100Dのうち、電源や画像情報音声情報等の各種信号通信のためのケーブルCBを挿通させる側であるテンプル部材100D側について示されており、この場合、板状部材PTは、
図7の領域CR2、あるいは、
図6の領域BR3に示すように、開口部OP用の孔H1に加え、ケーブルCBの挿通用の孔H2(あるいは切り欠き等の挿通用の孔に相当するもの)を孔H1の上方側に有している。孔H2を孔H1の上方側に設けることで、開口部OPやヒンジ74との干渉を確実に回避しつつケーブルCBの配線を行うことが可能となっている。さらに、この場合、開口部OPとして導音に必要な面積の確保もできている。また、以上について、スピーカー本体(音源)であり左右一対で構成されるスピーカーSKa,SKbに加え、開口部OPを設けた板状部材PT等までをスピーカー付随物と見た場合、すなわちスピーカーSKa等のほか板状部材PT等までを含めたものをスピーカーと見做した広義の意味でのスピーカーでは、左右一対のうちいずれか一方に、開口部用の孔H1に加え、ケーブル挿通用の孔H2が設けられるものとなっている。
【0024】
なお、
図7の領域CR2に示すように、テンプル部材100Dにおける空洞部材HLdは、例えば複数の構成部品PP1,PP2の間において中空の部分を有するような構成となっていることで、導音を行うための導音路SGが形成される。より具体的には、構成部品PP1が、全体を覆って外観形状を形成するカバー部材であり、構成部品PP2が、構成部品PP1の中に組み込まれる内部側部材として、導音路SGを形成している。なお、空洞部材HLdは、当該導音路SGの内側(内面側)において撥水剤をコーティングされているものとしてもよい。
【0025】
また、上記では、ケーブルCBを挿通させるテンプル部材100Dにおける構成について説明したが、もう一方のテンプル部材100CすなわちケーブルCBの挿通を要しない側(右側;-X側)の構成においては、例えば
図7や
図8、あるいは
図9等に示すように、開口部OP用の孔H1を有し、挿通用の孔H2を有しないものとなっている。
【0026】
以下、
図10等を参照して、スピーカー等の音響設備の一構成例に関して、より詳しく説明する。
図10は、ヒンジ74及びその周辺の構造を示す一部拡大図であり、
図11は、これを別の角度から示す一部拡大図である。具体的には、
図10がケーブルCBを挿通させるテンプル部材100D側(装着者にとっての左耳側)における構成について一例を示しているのに対して、
図11がケーブルCBの挿通を要しないテンプル部材100C側(装着者にとっての右耳側)における構成について一例を示している。また、
図12は、
図11の状態に対応する分解斜視図である。なお、
図10に示すように、ケーブルCBには、板状部材PTに設けた挿通用の孔H2に対応する箇所に、防水のためのブッシュBSが設けられている。
【0027】
まず、
図10に示す一例では、スピーカーSKbとマイクMCbとが、ホルダー部材HDbに組付けられて一体化した状態で、ミドルカバー72の音響室77cに収納されている。なお、図示では、ミドルカバー72(あるいは音響室77c)側に収納されている範囲を、ハッチングで示している。
【0028】
また、図示の一例では、スピーカーSKbは、ホルダー部材HDbにより、所定の姿勢で固定されているが、特に、矩形の板状のスピーカーSKbの表面が、開口部OPを設けた板状部材PTに対して、斜めになるように配置されている。この場合、スピーカーSKbのサイズをある程度以上に維持することで出力音量を確保しつつ、本体側における音の出口部分が必要以上に大きくならないような構成にできる。また、ホルダー部材HDbは、スピーカーSKbとともにマイクMCbを収納しているが、図示の一例では、マイクMCbは、スピーカーSKbと異なる所定の姿勢として、下方向きに、すなわち-Z向きに面して集音するように取り付けられている。この場合、矩形の板状のマイクMCbは、スピーカーSKbに対してほぼ垂直な配置となっている。なお、詳しい図示や説明等は省略するが、反対側(装着者にとっての右耳側)についても、同様の構成で、スピーカーSKaとマイクMCaとが、ホルダー部材HDa(
図7参照)に対して組み付けられ、テンプル部材100C側(右側;-X側)の音響室77cに収納されている。例えば、
図11において、一点鎖線で示すように、スピーカーSKaが開口部OPを設けた板状部材PTに対して、斜めになるように配置されている。
【0029】
次に、板状部材PTに設けた開口部OPについては、種々の態様とすることが想定されるが、
図10等に示す一例では、開口部OPが既述の通りヒンジ74の外側に位置するように、板状部材PTのうち、ヒンジ74の外側に円形状の孔H1を設け、設けた孔H1に、クッション性の部材(例えば紙製や布製)でシールして開口部OPが形成されている。つまり、開口部OPは、板状部材PTに設けた孔H1に、クッション性を有するシール部材SLを貼って形成されている。シールを確実に行うために、例えば、図中において破線で囲って示す範囲内において一部拡大して示す断面図にあるように、まず、図中上段にあるように、板状部材PTにおいて、シール部材SLの取付箇所である円形状の孔H1の縁部分に段差状の溝DTを形成するようにしておく、すなわち板状部材PTが溝DTを有するようにしておく。この上で、図中下段にあるように、溝DTにおいてシール部材SLを貼り付けるようにしてシールすることで、開口部OPは、音(振動)は伝導させつつ、ミドルカバー72(あるいは音響室77c)の内部への埃等の侵入を防止又は抑制できる構造となっている。なお、シール部材SLについては、例えば防水布のようなものとすることも考えられる。すなわち、開口部OPに防水布としてのシール部材SLを設けて構成されているものとしてもよい。あるいは、開口部OPを構成するシール部材SLを、防塵布のようなもので構成することも考えられる。より具体的には、ゴアテックス(登録商標)のような多層重ね布材料のような防水透湿素材を用いることが想定される。これにより、仮に完全に防水構造により密閉してしまったような場合には、気圧の変化や標高差により密閉が破れてしまうつまりシール部材SLが破れてしまう、というおそれがあるが、防水透湿素材を用いることで、かかる事態を回避できる。また、この場合、開口部OPは、シール部材SLとして、いわば気圧変化に対するリリース構造を有するものとなっている、とも言える。
【0030】
また、スピーカーSKa,SKbそのものが、防水性である態様とすることも考えられる。
【0031】
さらに、開口部OPに設けるクッション性の部材について、クッション性をより樹脂する場合には、例えばウレタン製の素材等を使用することも考えられる。
【0032】
次に、テンプル部材100C,100Dの空洞部材HLc,HLdは、既述のように、また、
図10~12に示すように、テンプル部材100C,100Dのうち、最も本体側すなわち取付部材MT側に設けられた中空の筒状部材であり、当該中空の部分が、導音路SGを形成している。空洞部材HLc,HLdについては、種々の材料で作成することが考えられるが、例えば硬質性樹脂製、グラスファイバー製または金属製であるものとすることが考えられる。これらの材料を採用することで、音の伝達時にノイズ音(ビビり音)が混じって音質が劣化してしまうことを回避又は抑制できる。なお、
図11及び
図12では、空洞部材HLcの内部構造を例示しており、
図11では、空洞部材HLcの外観部分を形成するカバー部材である構成部品PP1を実線で示し、内部の導音路SGを形成する内部側部材である構成部品PP2を破線で示している。一方、
図12では、これとは逆に、構成部品PP1を破線で示し、内部の導音路SGを形成する構成部品PP2実線で示している。このように、空洞部材HLc,HLdは、開口部OP側から装着者の耳元へ向けて延びるチューブ状の構成となっていることで、スピーカーSKa,SKbから開口部OPを介して出力される音を、装着者に向けて伝達している。
【0033】
導音路SGの入口すなわち導音入口ENは、例えば
図10に示すように、ヒンジ74を回動させて、テンプル部材100C,100D(
図10ではテンプル部材100Dを例示)を閉じた状態(あるいは閉じかけにした状態)では、開口部OPから離間している。これに対して、例えば
図11に示すように、ヒンジ74を回動させて、テンプル部材100C,100D(
図11ではテンプル部材100Cを例示)を開いた状態とする、すなわち虚像表示装置100を装着可能な状態にすると、導音路SGの導音入口ENは、開口部OPに当接し、導音路SGにおいて効率的な音の伝達がなされ、装着者の耳元に配置される導音出口GEから出力されるものとなる。導音出口GEは、Z方向(装着者にとっての前後方向)について延びる横長形状の孔で形成されている。これにより、例えば前後方向に関する装着者の耳の位置に差異があってもこれに対応しやすい構成となっている。
【0034】
ここで、上記のような導音路SGの形状については、図示した態様のもの以外にも、種々の態様とすることが考えられるが、例えば
図13において概念的に示すように、スピーカーSKa,SKb側のサイズすなわち導音入口EN側のサイズを相対的に小さくし、装着者の耳側すなわち導音出口GE側のサイズを相対的に大きくするようにして、音量を大きくする(拡声する)作用をもたせてもよい。
【0035】
また、上記の場合、導音路SGの形状を種々のものとする、すなわち、空洞部材HLc,HLdの構成について種々のものとすることができる。この場合、例えば空洞部材HLc,HLdの位置や姿勢を調整可能とし、これにより、内部の導音路SGの位置や、導音出口GEの角度等を適宜調整できるものとしてもよい。また、テンプル部材100C,100D(
図10等参照)において、例えば空洞部材HLc,HLdを取替え可能な構成とすることも考えられる。また、導音に関する角度調整については、全体の構造等との関係からも、種々の態様が想定され、例えば板状部材PTや、板状部材PTに設けた開口部OPの姿勢や角度が適宜調整されていてもよい。あるいは、光学装置101が、画像を見る位置を調整するためにX軸に平行に延びる回転軸の周りに回転可能になっていて、これに伴って開口部OPの位置や角度(姿勢)が変化する場合に、これに応じて、テンプル部材100C,100Dあるいは空洞部材HLc,HLdが姿勢調整可能であるものとしてもよい。なお、例えば、
図6のうち領域BR1において一点鎖線で示すように、板状部材PTが施されるべき箇所(面)PT1は、二点鎖線で示す装着者の眼の並ぶ方向DD1(±X方向)に対してなす角が鈍角となっている。すなわち図中における角αが鈍角となっている。このような状態に対して、装着者の耳に確実に導音をすべく、調整が可能となっている。
【0036】
以下、
図14を参照して、表示装置100A,100Bにおける表示動作に関して、一例を説明する。なお、ここでは、代表して、第1表示装置100Aについて説明し、第2表示装置100Bについては。同様であるので、説明等を省略する。
【0037】
図14は、第1表示装置100Aの光学的構造を説明する側方断面図である。第1表示装置100Aは、第1表示素子11aと第1表示部20aと第1回路部材80aとを備える。第1表示素子11aは、画像光生成装置である。第1表示部20aは、虚像を形成する結像光学系であり、投射レンズ21と、プリズムミラー22と、シースルーミラー23とを一体化した状態で有する。第1表示部20aのうち、投射レンズ21とプリズムミラー22とは、第1表示素子11aからの画像光MLが入射する第1投射光学系12aとして機能し、シースルーミラー23は、上記第1投射光学系12aから出射される画像光MLを瞳位置PP又は眼EYに向けて部分的に反射する部分透過ミラー123として機能する。第1投射光学系12aを構成する投射レンズ21及びプリズムミラー22は、映像光又は画像光MLが入射される第1光学部材及び第2光学部材にそれぞれ対応する。また、第1表示素子11aと投射レンズ21とプリズムミラー22とは、
図1に示す第1表示駆動部102aを構成する光学要素であり、シースルーミラー23は、
図1に示す第1コンバイナー103aに対応する。シースルーミラー23は、外側に凸の外形を有する。第1投射光学系12aを構成する投射レンズ21及びプリズムミラー22は、第1表示素子11aとともに相互にアライメントされた状態でバレル41内に固定されている。バレル41は、第1投射光学系12aを位置決めした状態で収納する光学ケースCAである。
【0038】
投射レンズ21等を構成する光学素子を収納したバレル41又は光学ケースCAは、第1金属フレーム52aに支持され、第1金属フレーム52aの下側に配置されている。第1金属フレーム52aは、カバー部材70によって覆われ、バレル41も、カバー部材70によって全体的に覆われている。第1金属フレーム52aは、金属材料で形成されている。バレル41とカバー部材70とは、遮光性の樹脂材料で形成され、バレル41の出射口41oにおいて、プリズムミラー22の一面を露出させている。バレル41は、上部41tが第1金属フレーム52aに嵌合するように当接し、第1金属フレーム52aに吊るされた状態で固定されている。結果的に、第1表示部20aは、バレル41の上部41tが第1金属フレーム52aに嵌合するように当接してネジ止めされることにより、第1金属フレーム52aに吊るされた状態で固定されている。第1金属フレーム52aは、第1回路部材80aを配置するための凹所REを上側に有する。カバー部材70は、バレル41等と組み合わせることで密閉性を高めた内部空間ESを有し、この内部空間ESにおいて、第1回路部材80aの上方に付属部品回路部材80cを収納する。
【0039】
第1表示装置100Aにおいて、第1表示素子11aは、自発光型の画像光生成装置である。第1表示素子11aは、画像光MLを第1投射光学系12aに出射する。バレル41は、投射レンズ21等の光学素子とともに第1表示素子11aを収納して支持する。第1表示素子11aは、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)ディスプレイであり、2次元の表示面11dにカラーの静止画又は動画を形成する。第1表示素子11aは、第1回路部材80a、具体的には表示制御装置88に駆動されて表示動作を行う。第1表示素子11aは、有機ELディスプレイに限らず、無機EL、有機LED、LEDアレイ、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等を用いた表示デバイスに置き換えることができる。第1表示素子11aは、自発光型の画像光生成装置に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。第1表示素子11aとして、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
【0040】
本実施形態の場合、第1表示部20aは、2つの反射面を含み、シースルーミラー23及びプリズムミラー22によって光路の折り曲げが行われる。第1表示部20aは、軸外し光学系OSとなっている。投射レンズ21、プリズムミラー22、及びシースルーミラー23は、非軸対称に配置され、非軸対称な光学面を有する。この第1表示部20aでは、YZ面に平行な軸外し面内(すなわち基準面)内で光軸AXの折り曲げを行うことで、かかる軸外し面に沿って光学素子21,22,23が配列されている。具体的には、YZ面に平行な軸外し面(すなわち基準面)において、投射レンズ21から内反射面22bまでの光路部分P1と、内反射面22bからシースルーミラー23までの光路部分P2と、シースルーミラー23から瞳位置PPまでの光路部分P3とが、Z字状に2段階で折り返される配置となっている。結果的に、シースルーミラー23において光軸AXが交差する中央箇所の法線は、Z方向に対してθ=40~50°程度の角度をなす。この第1表示部20aでは、第1表示装置100Aを構成する光学素子21,22,23が縦方向に高さ位置を変えて配列されることになり、第1表示装置100Aの横幅の増大を防止することができる。さらに、プリズムミラー22等での反射による光路の折り畳みによって、光路部分P1~P3がZ字状に2段階で折り返される配置となっており、かつ、光路部分P1,P3が比較的水平に近いため、第1表示部20aを上下方向や前後方向に関しても小型化することできる。また、シースルーミラー23の中央箇所の傾斜角θが40~50°であることから、視線に対応する光路部分P3の傾きが一定とした場合、光路部分P2のZ軸に対する傾きが70°から90°となり、虚像表示装置100のZ方向の厚みを低減することが容易になる。
【0041】
第1表示部20aのうち、投射レンズ21から内反射面22bまでの光路部分P1は、視点を基準とする後方に向かってやや斜め上方向又はZ方向に平行に近い方向に延びている。内反射面22bからシースルーミラー23までの光路部分P2は、前方に向かって斜め下方向に延びている。水平面方向(XZ面)を基準とした場合、光路部分P2の傾斜が光路部分P1の傾斜よりも大きくなっている。シースルーミラー23から瞳位置PPまでの光路部分P3は、後方に向かってやや斜め上方向又はZ方向に平行に近い方向に延びている。図示の例では、光軸AXのうち光路部分P3に対応する部分は、+Z方向に向かって、下向きを負として、-10°程度となっている。つまり、部分透過ミラー123は、光軸AX又は光路部分P3が所定角度上向き、つまり10°程度上向きとなるように画像光MLを反射する。結果的に、光軸AXのうち光路部分P3に対応する部分を延長した出射光軸EXは、前方の+Z方向に平行な中心軸HXに対して10°程度下向きに傾いて延びる。これは、人間の視線が水平方向より下側に約10°傾いた若干の伏し目状態で安定するからである。なお、瞳位置PPに対して水平方向に延びる中心軸HXは、第1表示装置100Aを装着した装着者USが直立姿勢でリラックスして正面に向いて水平方向又は水平線を注視した場合を想定したものとなっている。
【0042】
第1表示部20aのうち、投射レンズ21は、第1レンズ21o、第2レンズ21p、及び第3レンズ21qを含む。投射レンズ21は、第1表示素子11aから出射された画像光MLを受けて、プリズムミラー22に入射させる。投射レンズ21は、第1表示素子11aから出射された画像光MLを平行光束に近い状態に集光する。投射レンズ21を構成する第1レンズ21o、第2レンズ21p、及び第3レンズ21qの光学面すなわち入射面及び出射面は、自由曲面又は非球面であり、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。第1レンズ21o、第2レンズ21p、及び第3レンズ21qは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。投射レンズ21を構成する第1レンズ21o、第2レンズ21p、及び第3レンズ21qの光学面には、反射防止膜を形成することができる。
【0043】
プリズムミラー22は、ミラーとレンズとを複合させた機能を有する屈折反射機能を有する光学部材であり、投射レンズ21からの画像光MLを屈折させつつ反射する。プリズムミラー22は、入射部に対応する入射面22aと、反射部に対応する反射面である内反射面22bと、出射部に対応する出射面22cとを有する。プリズムミラー22は、前方から入射する画像光MLを、入射方向を反転させた方向(プリズムミラー22から見た光源の方向)に対して下方に傾斜した方向に折り返すように出射する。プリズムミラー22を構成する光学面である入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。プリズムミラー22の光学面、つまり入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、例えば自由曲面である。入射面22aと内反射面22bと出射面22cとは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。プリズムミラー22は、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。内反射面22bについては、全反射によって画像光MLを反射するものに限らず、金属膜又は誘電体多層膜からなる反射面とすることもできる。この場合、内反射面22b上に、例えばAl、Agのような金属で形成された単層膜又は多層膜からなる反射膜を蒸着等によって成膜し、或いは金属で形成されたシート状の反射膜を貼り付ける。詳細な図示は省略するが、入射面22a及び出射面22c上には、反射防止膜を形成することができる。
【0044】
シースルーミラー23すなわち第1コンバイナー103aは、凹の表面ミラーとして機能する湾曲した板状の反射光学部材であり、プリズムミラー22からの画像光MLを反射するとともに外界光OLを部分的に透過させる。シースルーミラー23は、第1投射光学系12aの出射領域に配置されたプリズムミラー22からの画像光MLを瞳位置PPに向けて反射する。シースルーミラー23は、反射面23cと外側面23oとを有する。
【0045】
シースルーミラー23は、画像光MLを部分的に反射し、プリズムミラー22の出射面22cの光出射側に形成された中間像を拡大する。シースルーミラー23は、眼EY又は瞳孔が配置される瞳位置PPを覆うとともに瞳位置PPに向かって凹形状を有し、外界に向かって凸形状を有する凹面ミラーである。瞳位置PP又はその開口PPaは、アイポイント又はアイボックスと呼ばれる。瞳位置PP又は開口PPaは、第1表示部20aの出射側における射出瞳EPに相当する。シースルーミラー23は、コリメーターであり、表示面11dの各点から出射された画像光MLの主光線であって、第1投射光学系12aのプリズムミラー22の出射側近傍に結像した後で一旦広がった画像光MLの主光線を瞳位置PPに収束させる。シースルーミラー23は、凹面ミラーとして、画像光生成装置である第1表示素子11aに形成され第1投射光学系12aによって再結像された中間像(不図示)を拡大視することを可能にする。より詳細には、シースルーミラー23は、視野レンズと同様に機能し、プリズムミラー22の出射面22cの後段に形成された中間像(不図示)の各点からの画像光MLをコリメートした状態で瞳位置PPに全体として集めるように入射させる。シースルーミラー23は、中間像と瞳位置PPとの間に配置される観点で、画角(眼の正面方向に延びる光軸AXを基準として上下左右における視野角を合わせたもの)に相当する有効領域EA以上の広がりを有することが必要となる。シースルーミラー23において、有効領域EAよりも外側に延びる外領域については、結像に直接影響しないので、任意の面形状とすることができるが、メガネレンズ状の外観を確保する観点からは、有効領域EAの外縁の面形状の曲率と同じ、又は当該外縁から連続的に変化するものであることが望ましい。
【0046】
シースルーミラー23は、板状体23bの裏面上に透過性反射膜23aを形成した構造を有する半透過型のミラー板である。シースルーミラー23の反射面23cは、YZ面に平行で光軸AXと交差する縦方向に関して、光軸AXを挟んで非対称性を有し、横方向又はX方向に関して光軸AXを挟んで対称性を有する。シースルーミラー23の反射面23cは、例えば自由曲面である。反射面23cは、自由曲面に限らず、非球面とすることもできる。反射面23cは、有効領域EA以上の広がりを有する必要がある。反射面23cが有効領域EAよりも広い外領域に形成されている場合、有効領域EAの背後からの外界像と、上記外領域の背後からの外界像とに関して、見え方の差が生じにくくなる。
【0047】
シースルーミラー23の反射面23cは、画像光MLの反射に際して一部の光を透過させる。これにより、外界光OLがシースルーミラー23を通過するので、外界のシースルー視が可能になり、外界像に虚像を重ねることができる。この際、板状体23bが数mm程度以下に薄ければ、外界像の倍率変化を小さく抑えることができる。反射面23cの画像光MLや外界光OLに対する反射率は、画像光MLの輝度確保や、シースルーによる外界像の観察を容易にする観点で、想定される画像光MLの入射角範囲(有効領域EAに相当)において10%以上50%以下とする。シースルーミラー23の基材である板状体23bは、例えば樹脂で形成されるが、ガラス製とすることもできる。板状体23bは、これを周囲から支持する支持板61と同一の材料で形成され、支持板61と同一の厚みを有する。透過性反射膜23aは、例えば膜厚を調整した複数の誘電体層からなる誘電体多層膜で形成される。透過性反射膜23aは、膜厚を調整したAl、Ag等の金属の単層膜又は多層膜であってもよい。透過性反射膜23aは、例えば蒸着を利用した積層によって形成できるが、シート状の反射膜を貼り付けることによっても形成できる。板状体23bの外側面23oには、反射防止膜が形成されている。
【0048】
シースルーミラー23の前方には、光透過カバー104aが配置されている。光透過カバー104aは、高い光透過性を有する薄板状の部材であり、その上端は、カバー部材70、具体的には
図2等に示すフロントカバー71に支持されている。光透過カバー104aは、外界に向かって凸形状を有し、一様な厚みを有する。光透過カバー104aは、画像光MLの結像に影響せず、その曲率は、シースルーミラー23と干渉しない範囲で、任意に設定することができる。光透過カバー104aは、数mm程度以下に薄く、外界像の観察に殆ど影響を与えない。光透過カバー104aは、例えば樹脂で形成され、表面に反射防止膜やハードコート層を形成してもよい。
【0049】
光路について説明すると、第1表示素子11aからの画像光MLは、投射レンズ21に入射して略コリメートされた状態で投射レンズ21から出射される。投射レンズ21を通過した画像光MLは、プリズムミラー22に入射して入射面22aを屈折されつつ通過し、内反射面22bによって100%に近い高い反射率で反射され、再度出射面22cで屈折される。プリズムミラー22からの画像光MLは、一旦中間像を形成した後、シースルーミラー23に入射し、反射面23cによって50%程度以下の反射率で反射される。シースルーミラー23で反射された画像光MLは、装着者USの眼EY又は瞳孔が配置される瞳位置PPに入射する。瞳位置PPには、光透過カバー104aを透過し、シースルーミラー23やその周囲の支持板61を通過した外界光OLも入射する。つまり、第1表示装置100Aを装着した装着者USは、外界像に重ねて、画像光MLによる虚像を観察することができる。
【0050】
図14に示す第1回路部材80aは、表示制御装置88を含む。表示制御装置88は、表示制御回路であり、第1表示素子11a等に対して画像に対応する駆動信号を出力し第1表示素子11a等の表示動作を制御する。表示制御装置88は、例えばIF回路、信号処理回路等を備え、外部から受け取った画像データ又は画像信号に応じて、第1表示素子11a等に2次元的な画像表示を行わせる。表示制御装置88は、第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとを統括するメイン基板を含むものであってもよい。メイン基板は、
図1に示すユーザー端末90との間で通信を行いユーザー端末90から受信した信号に対して信号変換を行うインターフェース機能や、第1表示装置100Aの表示動作と第2表示装置100Bの表示動作とを連携させる統合機能を有するものとすることができる。なお、第1回路部材80a又はその一部、あるいはユーザー端末90を備えないHMD200又は虚像表示装置100も虚像表示装置である。
【0051】
図14に示す付属部品回路部材80cは、表示制御装置88の制御下で動作し、
図3等に示す付属部品であるカメラ3a、照度センサー3b、近接センサー3cを動作させ、
図2に示す近接センサー3d等を動作させる。具体的には、付属部品回路部材80cは、例えばカメラ3aによってHMD200の前方を撮影し、前方画像を取得する。また、付属部品回路部材80cは、照度センサー3bによってHMD200の周囲環境の明るさを検知し、例えば表示輝度の制御のための情報として表示制御装置88に出力する。付属部品回路部材80cは、近接センサー3cによってHMD200に前方から近接する物体を検知し、近接センサー3dによってHMD200に後方から近接する物体(具体的には装着者)を検知し表示制御装置88に出力する。
【0052】
以上のようにして、第1表示装置100Aにおいて、広画角な画像表示を高精度に行うこと等が可能となっている。
【0053】
なお、上記のうち、例えば付属部品回路部材80cについては、例えば上記カメラ3a等を動作させるための回路基板であるとともに、これに加えて、スピーカーSKa,SKbと、マイクMCa,MCbを動作させるための回路基板であるものとすることができる。
【0054】
また、例えば、虚像表示装置100において、上記のような第1表示装置100A等による表示動作を行わず、スピーカーSKa,SKbによる音声出力のみを行う場合、虚像表示装置100を、音響装置SEと捉えることもできる。
【0055】
また、例えば
図1等に示すように、テンプル部材100C,100Dには、先端側(取付部材MTから最も離れる側)に、バランサーとしての錘WGが設けられている。本実施形態では、上記のように、テンプル部材100C,100Dに設ける音を伝達するための構造を簡易で軽量なものとすることができるので、錘WGを利用した虚像表示装置100の重心位置の調整を的確に行うことが可能となる。
【0056】
以上のように、本実施形態の虚像表示装置100は、表示素子11a(表示素子11aを含む第1表示装置100A)と、表示素子11aを固定する取付部材MTと、取付部材MTに接続されるテンプル部材100C,100Dと、取付部材MTに取り付けられるスピーカーSKa,SKbとを備え、スピーカーSKa,SKbは、取付部材MTとテンプル部材100C,100Dとの接続箇所に音出力用の開口部OPを有する。上記虚像表示装置100では、スピーカーSKa,SKbを装置の本体側を構成する取付部材MTに取り付けることで、例えばテンプル部材100C,100D側に音伝達のための配線をする等が不要となり、テンプル部材100C,100D及びその周辺における音に関する構成を簡素化でき、また、スピーカーSKa,SKbの音出力用の開口部OPを取付部材MTとテンプル部材100C,100Dとの接続箇所に設けることで、スピーカーSKa,SKbの音を確実に観察者の耳に伝達できる状態を維持できる。
【0057】
例えば、上記態様とは異なり、耳の近くに音響用のデバイスを配置した場合、上記態様と比較して、防水構造の難易度が上がり、テンプルの部分における厚みが増える等の事態が生じる可能性がある。また、このような場合、テンプルの部分においてしなりが使えない、あるいは使いにくくなることで、装着性に影響する可能性もある。これに対して、本実施形態では、上述のように、簡易な構成を維持しつつ、防水性の向上や、小型化、省電力等への対応等が可能なものとなっている。
【0058】
〔変形例その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0059】
以上では、第1表示装置100A等を伴う虚像表示装置(画像表示装置)において、本願発明を適用するものとしているが、これに限らず映像表示を伴わないが音の伝達を行う装置について、すなわち音声提供を行う音響装置について、本願を適用することも可能である。
【0060】
また、上記では、HMD200が第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとを備えるとしたが、HMD200又は虚像表示装置100は、単一の第1表示装置100A又は第2表示装置100Bをテンプル部材100C,100Dによって眼前に支持するようなものであってもよい。
【0061】
第1金属フレーム52aや第2金属フレーム52bは、マグネシウム合金に限らず、アルミニウム合金その他の金属で形成することができる。
【0062】
下部ケースは、中枠72とロアーカバー73とに分ける必要はなく、これららを一部品とすることができる。
【0063】
カメラ3a、照度センサー3b、近接センサー3c、スピーカー等の部品は、用途に応じて適宜省略することができる。スピーカーの周辺に防水構造を設けてもよい。
【0064】
具体的な態様における虚像表示装置は、表示素子と、表示素子を固定する取付部材と、取付部材に接続されるテンプル部材と、取付部材に取り付けられるスピーカーとを備え、スピーカーは、取付部材とテンプル部材との接続箇所に音出力用の開口部を有する。
【0065】
上記虚像表示装置では、スピーカーを装置の本体側を構成する取付部材に取り付けることで、例えばテンプル部材側に音伝達のための配線をする等が不要となり、テンプル部材及びその周辺における音に関する構成を簡素化でき、また、スピーカーの音出力用の開口部を取付部材とテンプル部材との接続箇所に設けることで、スピーカーの音を確実に観察者の耳に伝達できる状態を維持できる。
【0066】
具体的な側面において、テンプル部材は、スピーカーの開口部から出た音を導く空洞部材を有する。この場合、テンプル部材に空洞構造を設けることで、スピーカーの開口部から出力される音を観察者の耳元まで導く際の設計等の自由度を上げることができる。
【0067】
具体的な側面において、接続箇所に設けられて回動するヒンジを備え、テンプル部材において、空洞部材の導音入口は、ヒンジを回動させてテンプル部材を開いた状態で、開口部に当接する。この場合、音の伝達が効率的になされる。
【0068】
具体的な側面において、空洞部材は、硬質性樹脂製、グラスファイバー製または金属製である。この場合、音の伝達時にノイズ音が混じって音質が劣化してしまうことを回避又は抑制できる。
【0069】
具体的な側面において、空洞部材の導音出口は、横長形状の孔である。この場合、耳元までの伝達をより確実にできる。
【0070】
具体的な側面において、空洞部材の導音出口は、位置調整可能である。この場合、個体差に応じて音伝達を良好に維持できる。
【0071】
具体的な側面において、空洞部材は、導音路内側において撥水剤をコーティングされている。この場合、装置の簡素化や軽量化を維持しつつ、耐水性の向上を図れる。
【0072】
具体的な側面において、接続箇所を形成する板状部材を有し、開口部は、板状部材に設けた孔に、クッション性のシール部材を貼って形成される。この場合、シールにより、防塵や防水性を持たせつつ、良好な音伝達を維持できる。
【0073】
具体的な側面において、板状部材は、シール部材の取付箇所に段差状の溝を有する。この場合、シール部材の貼付毛を的確に行える。
【0074】
具体的な側面において、スピーカーは、取付部材の音響室に設けたホルダー部材により、取付部材に対して所定の姿勢で固定される。この場合、
【0075】
具体的な側面において、ホルダー部材において、スピーカーと異なる所定の姿勢で固定され、下方向きに集音するマイクを備える。この場合、マイクにおいてスピーカーの音を拾ってしまうことを回避しつつ、装着者の声を的確に捉えることができる。
【0076】
具体的な側面において、スピーカーは、左右一対で構成され、いずれか一方に、開口部用の孔に加え、ケーブル挿通用の孔を有する。この場合、簡易でありながらコンパクトな構成とすることができる。
【0077】
具体的な側面において、スピーカーは、防水性であるか、または、開口部に防水布を設けて構成されている。この場合、簡易な構成を維持しつつ、防水性を高めることができる。
【0078】
具体的な態様における音響装置は、スピーカーと、スピーカーを取り付けた取付部材と、取付部材に接続されるテンプル部材とを備え、スピーカーは、取付部材とテンプル部材との接続箇所に音出力用の開口部を有する。
【0079】
上記音響装置では、スピーカーを取付部材に取り付けることで、例えばテンプル部材側に音伝達のための配線をする等が不要となり、テンプル部材及びその周辺における音に関する構成を簡素化でき、また、スピーカーの音出力用の開口部を取付部材とテンプル部材との接続箇所に設けることで、スピーカーの音を確実に観察者の耳に伝達できる状態を維持できる。
【0080】
具体的な側面において、テンプル部材は、スピーカーの開口部から出た音を導く空洞部材を有する。この場合、テンプル部材に空洞構造を設けることで、スピーカーの開口部から出力される音を観察者の耳元まで導く際の設計等の自由度を上げることができる。
【符号の説明】
【0081】
3a…カメラ、3b…照度センサー、3c,3d…近接センサー、7…外装ケース、11a…表示素子、11d…表示面、12b,12a…投射光学系、20a…表示部、21…投射レンズ、21o…第1レンズ、21p…第2レンズ、21q…第3レンズ、22…プリズムミラー、22a…入射面、22b…内反射面、22c…出射面、22c…再度出射面、23…シースルーミラー、23a…透過性反射膜、23b…板状体、23c…反射面、23o…外側面、41…バレル、41o…出射口、41t…上部、50c…ジョイント、52a,52b…金属フレーム、59a…軸受部材、61…支持板、70…カバー部材、71…フロントカバー、71a…天板、71b…前板、72…ミドルカバー、72…中枠、72a…前板、72b…後枠、72c…後板、72d…端部、72f…下板領域、72i…突起、72j…切欠き、72m…締結部、72n…締結部、72p…ブリッジ、73…ロアーカバー、73a…中央部、73b…バレル収納部、73c…端部、73d…突出領域、73h…底壁、73i…後壁、73k…上端、73m…締結部、73n…締結部、73p…締結部、73q…締結部、73s…下方突出部、73t…後方突出部、74…ヒンジ、76…ノーズパッド部材、77a…収納室、77c…音響室、78a…開口、80a,80b…回路部材(回路基板)、80c…付属部品回路部材(回路基板)、82a,82d…FPC部材、87a…シールド部材、88…表示制御装置、90…ユーザー端末、100…虚像表示装置、100A…第1表示装置、100B…第2表示装置、100C,100D…テンプル部材、101…光学装置、102…駆動装置、102a,102b…表示駆動部、103…コンバイナー、103a,103b…コンバイナー、104…シェード、104a,104b…光透過カバー、123…部分透過ミラー、150…支持構造、AP1,AP2…開口、AX…光軸、CA…光学ケース、CB…ケーブル、DT…溝、EA…有効領域、EN…導音入口、EP…射出瞳、ES…内部空間、EX…出射光軸、EY…眼、GE…導音出口、H1,H2…孔、HDa,HDb…ホルダー部材、HLc,HLd…空洞部材、HX…中心軸、MCa,MCb…マイク、ML…画像光、MT…取付部材、OL…外界光、OP…開口部、OS…光学系、P1~P3…光路部分、PP…瞳位置、PP1,PP2…構成部品、PPa…開口、PT…板状部材、RE…凹所、SE…音響装置、SG…導音路、SKa,SKb…スピーカー、SL…シール部材、US…装着者、WG…錘、θ…傾斜角