(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030135
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】登録装置、会計装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240229BHJP
G07G 1/14 20060101ALI20240229BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240229BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20240229BHJP
【FI】
G07G1/00 301D
G07G1/14
G06Q30/06
G06Q20/32 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132723
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 謙
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142CA13
3E142CA17
3E142EA04
3E142GA03
3E142GA13
3E142GA16
3E142GA41
3E142JA01
5L049BB72
5L055AA64
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、顧客の会計処理を効率的に行うことが可能な登録装置、会計装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の登録装置は、商品から当該商品を識別可能な商品識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った一取引分の商品識別情報を外部装置に登録する登録手段と、前記外部装置に登録した前記商品識別情報に係る取引を識別可能な取引識別情報を、前記外部装置から取得する取得手段と、前記取引識別情報と、前記取引に係る顧客を識別可能な顧客識別情報とを含んだコードシンボルを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記コードシンボルを表示部に表示させる表示制御手段と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品から当該商品を識別可能な商品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った一取引分の商品識別情報を外部装置に登録する登録手段と、
前記外部装置に登録した前記商品識別情報に係る取引を識別可能な取引識別情報を、前記外部装置から取得する取得手段と、
前記取引識別情報と、前記取引に係る顧客を識別可能な顧客識別情報とを含んだコードシンボルを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記コードシンボルを表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える登録装置。
【請求項2】
前記生成手段は、ユーザ操作に応じて、前記顧客識別情報を無効化した前記コードシンボルを生成する、請求項1に記載の登録装置。
【請求項3】
前記顧客識別情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記生成手段は、前記記憶手段に前記顧客識別情報が複数記憶されている場合、ユーザ操作により選択された一の顧客識別情報を用いて前記コードシンボルを生成する、
請求項1に記載の登録装置。
【請求項4】
取引を識別可能な取引識別情報と、当該取引に係る顧客を識別可能な顧客識別情報とを含んだコードシンボルから、前記取引識別情報と前記顧客識別情報とを読み取る読取手段と、
前記取引識別情報に対応する取引で登録された商品の内訳を示す取引情報を、前記取引識別情報と前記取引情報とを関連付けて記憶する第1外部装置から取得する第1取得手段と、
前記顧客識別情報に対応する顧客に関する顧客情報を、前記顧客識別情報と前記顧客情報とを関連付けて記憶する第2外部装置から取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段が取得した前記取引情報及び前記第2取得手段が取得した前記顧客情報に基づき、当該取引情報の内訳に含まれた商品の会計処理を実行する会計手段と、
を備える会計装置。
【請求項5】
前記会計手段は、前記顧客情報に含まれた、前記商品の代金の支払に利用可能なポイントの値に基づいて、支払方法を選択するための画面を表示部に表示させ、当該画面から選択された支払方法を用いて前記会計処理を実行する、請求項4に記載の会計装置。
【請求項6】
登録装置のコンピュータを、
商品から当該商品を識別可能な商品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った一取引分の商品識別情報を外部装置に登録する登録手段と、
前記外部装置に登録した前記商品識別情報に係る取引を識別可能な取引識別情報を、前記外部装置から取得する取得手段と、
前記取引識別情報と、前記取引に係る顧客を識別可能な顧客識別情報とを含んだコードシンボルを生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した前記コードシンボルを表示部に表示させる表示制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、登録装置、会計装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗において顧客が買い物をする際に、顧客が所持するスマートフォン等の携帯端末を登録装置として用いることで、顧客自身が商品の登録を行うことができるPOS(Point Of Sales)システムが知られている。また、かかるシステムでは、店舗内に置かれた会計装置を用いて、登録した商品の会計を行うことが可能となっている。
【0003】
例えば、従来、携帯端末で読み取られた商品の商品コードや顧客識別情報等を、当該携帯端末からサーバ装置等の外部装置に送信することで、外部装置上で管理するシステムが存在している。また、外部装置に記憶された情報を読み出すために必要となる情報をコード化して携帯端末に表示し、当該情報を会計装置に読み取らせることで、会計装置において、会計に必要な情報を外部装置から取得する技術が提案されている。
【0004】
ところで、商品の購入金額に応じてポイント付与するポイントサービスを提供する店舗が存在している。この場合、ポイントの付与対象となる顧客を識別するため、会員番号等の顧客識別情報を会計装置に入力することが行われる。従来、顧客識別情報は会員カード等の形態で予め顧客に配布されており、顧客は、会計装置に会員カードを読み取らせることでポイントサービスを利用することが可能となる。
【0005】
しかしながら、会員カードを読み取らせる操作は煩雑であり、顧客が会員カードを忘れることもあるため、利便性の上で改善の余地がある。また、上述した従来のシステムでは、商品コードとともに顧客識別情報が外部装置上で一元的に管理される構成であるため、携帯端末を操作する顧客にとって自由度が低く、利便性の上で更なる改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、顧客の会計処理を効率的に行うことが可能な登録装置、会計装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の登録装置は、商品から当該商品を識別可能な商品識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った一取引分の商品識別情報を外部装置に登録する登録手段と、前記外部装置に登録した前記商品識別情報に係る取引を識別可能な取引識別情報を、前記外部装置から取得する取得手段と、前記取引識別情報と、前記取引に係る顧客を識別可能な顧客識別情報とを含んだコードシンボルを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した前記コードシンボルを表示部に表示させる表示制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るPOSシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る取引管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る取引管理ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る会計装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る会員管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る会員管理ファイルのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る携帯端末、取引管理サーバ、会計装置及び会員管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の携帯端末と取引管理サーバとの間で行われる商品登録に係る動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、実施形態の携帯端末が行うコードシンボル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態の取引管理サーバ、会計装置及び会員管理サーバの間で行われる会計処理に係る動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る支払方法選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態の登録装置、会計装置及びプログラムについて説明する。以下では、顧客が所持する携帯装置を用いて商品の登録を行い、登録された商品の会計を店舗内に設けられた会計装置を用いて行う形態のPOSシステムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係るPOSシステムの構成の一例を模式的に示す図である。本実施形態のPOSシステム1は、例えばスーパーマーケット等の商品を販売する店舗に適用される。POSシステム1は、携帯端末2と、取引管理サーバ3と、会計装置4と、会員管理サーバ5とを有する。携帯端末2、取引管理サーバ3、会計装置4、及び会員管理サーバ5は、ルータ等の通信装置を介してネットワークNに接続される。
【0011】
携帯端末2は、登録装置の一例である。携帯端末2は、顧客Cが所持するスマートフォン等の携帯端末である。携帯端末2は、例えば、予め導入されたアプリケーションプログラム(以下、「買物アプリ」ともいう)を実行することで、登録装置として機能する。例えば、携帯端末2は、ネットワークNに接続し、ネットワークNを介して取引管理サーバ3と通信を行う。また、携帯端末2は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルから当該商品を識別可能な商品コードを読み取り、一取引に係る商品の商品コードとして取引管理サーバ3に登録する。また、携帯端末2は、顧客の操作に応じて、登録した商品の取引を識別可能な取引番号と、当該顧客を識別可能な会員番号とを含んだコードシンボルCSを生成し、表示部25(
図2参照)に表示させる。なお、ショッピングカートSCは、例えば店舗の売り場に設置され、顧客Cが購入する商品の運搬に用いられる。
【0012】
取引管理サーバ3は、外部装置、第1外部装置の一例である。取引管理サーバ3は、例えば店舗サーバ等のサーバ装置であり、店舗内に設けられる。取引管理サーバ3は、携帯端末2から送信される商品コードを、取引番号と関連付けて記憶する。具体的には、取引管理サーバ3は、携帯端末2の端末IDやIPアドレス等の端末識別子、又は携帯端末2との通信セッションに基づき、同一の携帯端末2から送信される商品コードに、固有の取引番号を関連付けて記憶する。
【0013】
会計装置4は、会計装置の一例である。会計装置4は、店舗内に設けられ、携帯端末2を用いて商品を登録した顧客により使用される。会計装置4は、携帯端末2に表示されるコードシンボルCSを読み取り、コードシンボルCSに含まれた取引番号に対応する情報を取引管理サーバ3から取得する。また、会計装置4は、コードシンボルCSに含まれた会員番号に対応する情報を会員管理サーバ5から取得する。そして、会計装置4は、取得した情報に基づいて会計処理を行う。
【0014】
会員管理サーバ5は、第2外部装置の一例である。会員管理サーバ5は、予め会員登録した顧客(以下、会員ともいう)に関する情報を記憶・管理するサーバ装置である。会員管理サーバ5は、会計装置4から会員番号を指定した問い合わせを受け付けると、指定された会員番号に対応する会員の情報を会計装置4に提供する。なお、
図1では、会員管理サーバ5を店舗内に設けた例を示しているが、これに限らず、ネットワークNを介してアクセス可能な、インターネット等の外部ネットワーク上に設けられてもよい。
【0015】
上述したPOSシステム1において、顧客Cは、例えばショッピングカートSCを運搬しながら店舗内を回り、購入を所望する商品のピックアップを行う。この際、顧客Cは、携帯端末2を操作することで買物アプリを起動し、取引管理サーバ3との通信を確立する。また、自己が所持する携帯端末2を用いることで、購入を所望する商品の商品コードの読み取りを行う。
【0016】
なお、顧客Cは、買物アプリの起動時(例えば初回起動時)や会計操作の開始時等に、自己の予め割り当てられた固有の会員番号を入力することで、携帯端末2内に会員番号が保持されるものとする。会員番号は、例えば会員カード等のカード媒体等に印字されて配布されてもよいし、買物アプリ等を介して配布されてもよい。また、携帯端末2内に複数の会員番号が記憶されている場合には、顧客Cは、買物アプリの起動時や会計操作の開始時に使用する会員番号を選択する構成としてもよい。
【0017】
携帯端末2は、商品から商品コードを読み取ると、読み取った商品コードを取引管理サーバ3に送信することで、一取引に係る商品の登録を行う。また、携帯端末2は、当該取引の取引番号を取引管理サーバ3から取得する。
【0018】
続いて、顧客Cは、登録した商品の会計に際して、商品登録の終了を指示する操作又は会計の開始を指示する操作を携帯端末2に行う。携帯端末2は、顧客Cの操作を受けて、取引番号及び会員番号を含んだコードシンボルCSを表示させる。次いで、顧客Cは、携帯端末2に表示されたコードシンボルCSを会計装置4に読み取らせる。
【0019】
会計装置4は、コードシンボルCSの読み取りにより得られた取引番号及び会員番号に基づき、これらの番号に対応する情報を取引管理サーバ3及び会員管理サーバ5から取得する。そして、会計装置4は、取得した情報に基づき一取引分の会計処理を実行する。これにより、顧客Cは、登録した商品の会計を会計装置4で行うことが可能となる。
【0020】
なお、会計装置4での購入金額の支払方法は特に問わず、現金の他、電子マネーやクレジットカード等のキャッシュレスによる支払であってもよい。また、会員番号の照合により会員であることが確認された場合には、会員にのみ許可された支払方法(例えば、ポイントによる支払等)を用いてもよい。
【0021】
次に、上述した各装置の構成について説明する。まず、
図2~
図8を参照して、上述した各装置のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図2は、携帯端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、携帯端末2は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23とを備える。
【0023】
CPU21は、プロセッサの一例であり、携帯端末2の各部を統括的に制御する。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0024】
CPU21、ROM22、及びRAM23は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部20を構成する。制御部20では、CPU21が記憶部24に記憶されRAM23に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0025】
また、携帯端末2は、記憶部24、表示部25、操作部26、撮像部27、及び通信部28等を備える。
【0026】
記憶部24は、記憶手段の一例であり、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部24は、CPU21が実行可能な各種の制御プログラム241や各種の設定情報を記憶する。例えば、制御プログラム241は、基本ソフトウェアの他、上述した買物アプリ等の応用ソフトウェアを含む。また、記憶部24は、携帯端末2を操作する顧客の会員番号242を記憶する。なお、記憶部24が記憶する会員番号242の個数は1に限らず、複数であってもよい。例えば、携帯端末2を家族等の複数人で使用する場合、記憶部24は、各人用の会員番号242を記憶してもよい。
【0027】
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。表示部25は、CPU21の制御の下、各種の情報を表示する。例えば、表示部25は、コードシンボルCS等を表示する。
【0028】
操作部26は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部26は、操作者となる顧客から受け付けた操作内容をCPU21に出力する。なお、操作部26は、表示部25の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0029】
撮像部27は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタルカメラである。撮像部27は、撮像によって得られた撮像データをCPU21に出力する。本実施形態では、撮像部27は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルを読み取る際に使用される。
【0030】
通信部28は、ネットワークNに接続することが可能な無線の通信インタフェースである。通信部28は、CPU21の制御の下、ネットワークNに接続された取引管理サーバ3等との間で各種データの送受信を行う。
【0031】
図3は、取引管理サーバ3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、取引管理サーバ3は、CPU31と、ROM32と、RAM33とを備える。
【0032】
CPU31は、プロセッサの一例であり、取引管理サーバ3の各部を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0033】
CPU31、ROM32、及びRAM33は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部30を構成する。制御部30では、CPU31が記憶部34に記憶されRAM33に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0034】
また、取引管理サーバ3は、記憶部34及び通信部35等を備える。
【0035】
記憶部34は、HDDやSSD等の補助記憶装置である。記憶部34は、CPU31が実行可能な各種の制御プログラム341や各種の設定情報を記憶する。例えば、制御プログラム341は、基本ソフトウェアの他、データベースアプリケーションや、ウェブアプリケーション等の応用ソフトウェアを含む。
【0036】
また、記憶部34は、商品マスタ342、取引管理ファイル343等を記憶する。
【0037】
商品マスタ342は、店舗で販売される商品に関する情報を記憶したマスタファイルである。例えば、商品マスタ342は、
図4に示すデータ構成を有する。
図4は、商品マスタ342のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、商品マスタ342は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品の商品情報を記憶する。商品コードは、商品を識別可能な商品識別情報の一例である。商品情報は、商品コードに対応する商品の商品名、価格等の情報を含む。
【0038】
取引管理ファイル343は、携帯端末2から送信される商品コードを取引単位で記憶・管理するためのデータファイルである。例えば、取引管理ファイル343は、
図5に示すデータ構成を有する。
図5は、取引管理ファイル343のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、取引管理ファイル343は、取引番号に関連付けて、当該取引番号に対応する取引の取引情報を記憶する。取引番号は、各取引を識別可能な取引識別情報の一例である。取引情報は、取引番号の取引で登録した商品の商品コード、当該商品コードに対応する商品の登録点数(点数)等の情報を含む。
【0039】
図3に戻り、通信部35は、ネットワークNに接続することが可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部35は、CPU31の制御の下、ネットワークNに接続された携帯端末2及び会計装置4等との間で各種データの送受信を行う。
【0040】
図6は、会計装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、会計装置4は、CPU41と、ROM42と、RAM43とを備える。
【0041】
CPU41は、プロセッサの一例であり、会計装置4の各部を統括的に制御する。ROM42は、各種プログラムを記憶する。RAM43は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0042】
CPU41、ROM42、及びRAM43は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部40を構成する。制御部40では、CPU41が記憶部44に記憶されRAM43に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0043】
また、会計装置4は、記憶部44、表示部45、操作部46、コードスキャナ部47、及び通信部48等を備える。
【0044】
記憶部44は、HDDやSSD等の補助記憶装置である。記憶部44は、CPU41が実行可能な各種の制御プログラム441や各種の設定情報を記憶する。例えば、制御プログラム441は、基本ソフトウェアの他、会計処理を実行するためのアプリケーション等の応用ソフトウェアを含む。
【0045】
また、記憶部44は、上述した商品マスタ342等を記憶してもよい。例えば、会計装置4は、自装置の起動時等の所定のタイミングで、取引管理サーバ3から商品マスタ342を取得し、取得した商品マスタ342を記憶部44に記憶する構成としてもよい。
【0046】
表示部45は、LCD等の表示デバイスである。表示部45は、CPU41の制御の下、各種の情報を表示する。例えば、表示部45は、後述する支払方法選択画面(
図13参照)等を表示する。
【0047】
操作部46は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作部46は、操作者となる顧客から受け付けた操作内容をCPU41に出力する。なお、操作部46は、表示部45の表示画面に設けられたタッチパネルであってもよい。
【0048】
コードスキャナ部47は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取ることが可能な読取装置である。コードスキャナ部47は、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有して構成される。
【0049】
コードスキャナ部47は、コードシンボルをデコードすることで、当該コードシンボルに保持された情報を読み取り、読み取った情報をCPU41に出力する。例えば、コードスキャナ部47は、携帯端末2の表示部25に表示されたコードシンボルCSから、取引番号及び会員番号を読み取る。
【0050】
なお、コードスキャナ部47が読み取りを行うコードシンボルは、コードシンボルCSに限らないものとする。例えば、コードスキャナ部47は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルから商品コードを読み取ってもよい。
【0051】
通信部48は、ネットワークNに接続することが可能な無線の通信インタフェースである。通信部48は、CPU41の制御の下、ネットワークNに接続された取引管理サーバ3及び会員管理サーバ5等との間で各種データの送受信を行う。
【0052】
なお、会計装置4のハードウェア構成は上記例に限らないものとする。例えば、会計装置4は、紙幣及び硬貨の受付と、釣銭の払い出しを行うことが可能な釣銭機を備えてもよい。また、会計装置4は、クレジットカードによるクレジット決済を実行することが可能なクレジット決済装置や、非接触型の電子マネーカードが備えるICタグから情報の読み取りを行うことが可能なリーダライタ装置等を備えてもよい。
【0053】
図7は、会員管理サーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7に示すように、会員管理サーバ5は、CPU51と、ROM52と、RAM53とを備える。
【0054】
CPU51は、プロセッサの一例であり、会員管理サーバ5の各部を統括的に制御する。ROM52は、各種プログラムを記憶する。RAM53は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0055】
CPU51、ROM52、及びRAM53は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部50を構成する。制御部50では、CPU51が記憶部54に記憶されRAM53に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0056】
また、会員管理サーバ5は、記憶部54及び通信部55等を備える。
【0057】
記憶部54は、HDDやSSD等の補助記憶装置である。記憶部54は、CPU51が実行可能な各種の制御プログラム541や各種の設定情報を記憶する。例えば、制御プログラム541は、基本ソフトウェアの他、データベースアプリケーションや、ウェブアプリケーション等の応用ソフトウェアを含む。
【0058】
また、記憶部54は、会員管理ファイル542等を記憶する。会員管理ファイル542は、会員に関する情報を記憶・管理するためのデータファイルである。例えば、会員管理ファイル542は、
図8に示すデータ構成を有する。
図8は、会員管理ファイル542のデータ構成の一例を示す図である。
図8に示すように、会員管理ファイル542は、会員番号に関連付けて、当該会員番号に対応する会員の会員情報を記憶する。会員番号は、各会員(顧客)を識別可能な顧客識別情報の一例である。会員情報は、会員番号に対応する会員の氏名や累積ポイント等の情報を含む。
【0059】
ここで累積ポイントは、顧客が購入した商品の合計金額等に応じて付与されるサービスポイントの累積値である。本実施形態に係る店舗では、取引毎に購入された商品の合計金額に応じたポイントを付与するサービスを提供しているものとする。また、本実施形態に係る店舗では、累積されたポイントを代金の支払いに利用することが可能なサービスを提供しているものとする。なお、会員管理ファイル542は、取引が行われた日時と、その取引で付与又は利用されたポイント値とを関連付けた情報を会員情報に含めて記憶する構成としてもよい。
【0060】
図7に戻り、通信部55は、ネットワークNに接続することが可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部55は、CPU51の制御の下、ネットワークNに接続された会計装置4等との間で各種データの送受信を行う。
【0061】
次に、携帯端末2、取引管理サーバ3、会計装置4及び会員管理サーバ5の機能構成について説明する。
図9は、携帯端末2、取引管理サーバ3、会計装置4及び会員管理サーバ5の機能構成の一例を示す図である。なお、
図9では、各装置において直接又は間接的に関係する機能構成同士を破線で接続している。
【0062】
携帯端末2は、商品登録部201と、コードシンボル生成部202と、表示制御部203とを機能構成として備える。具体的には、携帯端末2の制御部20(CPU21)は、記憶部24に記憶された制御プログラム241を実行することで上述した機能構成を実現する。なお、本実施形態では、上述の機能構成は、携帯端末2のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0063】
商品登録部201は、読取手段、登録手段及び取得手段の一例である。商品登録部201は、顧客が購入する商品の登録処理を実行する。具体的には、商品登録部201は、買物アプリの起動等により取引の開始が指示されると、撮像部27と協働することで、商品に付されたコードシンボルから商品コードの読み取りを行う。次いで、商品登録部201は、読み取った商品コードを取引管理サーバ3に送信することで、当該商品コードを取引管理サーバ3に登録する。そして、商品登録部201は、商品コードを読み取るごとに、登録処理を実行することで、一取引分の商品コードを取引管理サーバ3に登録する。
【0064】
また、商品登録部201は、操作部26等を介して商品登録の終了指示を受け付けると、商品登録の終了を取引管理サーバ3に通知し、当該取引に係る取引番号を取引管理サーバ3から取得する。そして、商品登録部201は、記憶部24等の取引番号を記憶する。
【0065】
なお、本実施形態では、商品登録部201は、商品の登録終了時に取引番号を取得する形態とするが、取引番号を取得するタイミングはこれに限らないものとする。例えば、商品登録部201は、最初の商品の登録時に取引番号を取得する形態としてもよい。
【0066】
コードシンボル生成部202は、生成手段の一例である。コードシンボル生成部202は、取引番号と会員番号とを含んだコードシンボルCSを生成する。例えば、コードシンボル生成部202は、操作部26を介して、会計を行うことが指示されると、記憶部24等に記憶された取引番号と会員番号とに基づき、これらの情報を含んだ二次元コード等のコードシンボルCSを生成する。
【0067】
なお、コードシンボル生成部202がコードシンボルCSを生成するタイミングは、会計が指示された際に限らないものとする。例えば、コードシンボル生成部202は、商品の登録終了時にコードシンボルCSを生成してもよい。
【0068】
また、記憶部24に複数の会員番号が記憶されている場合、コードシンボル生成部202は、操作部26を介し、操作者となる顧客が選択した一の会員番号を用いてコードシンボルCSを生成する。この場合、コードシンボル生成部202は、複数の会員情報の中から使用する一の会員情報を選択可能な画面を表示部25に表示させてもよい。
【0069】
また、記憶部24に会員番号が記憶されていない場合、或いは操作者が会員番号を使用しないことを指示した場合、コードシンボル生成部202は、会員番号を空(ヌル)等とすることで会員番号を無効化し、取引番号のみを有効化したコードシンボルCSを生成してもよい。
【0070】
表示制御部203は、表示制御手段の一例である。表示制御部203は、コードシンボル生成部202が生成したコードシンボルCSを表示部25に表示させる。例えば、表示制御部203は、操作部26を介して、会計を行うことが指示されると、コードシンボル生成部202が生成したコードシンボルCSを表示部25に表示させる。
【0071】
携帯端末2を操作する顧客は、表示部25に表示されたコードシンボルCSを会計装置4のコードスキャナ部47に読み取らせることで、当該会計装置4において商品の会計を行うことができる。
【0072】
取引管理サーバ3は、
図9に示すように、取引管理部301と、問合受付部302とを機能構成として備える。具体的には、取引管理サーバ3の制御部30(CPU31)は、記憶部34に記憶された制御プログラム341を実行することで上述した機能構成を実現する。なお、本実施形態では、上述の機能構成は、取引管理サーバ3のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0073】
取引管理部301は、同一の携帯端末2から送信される商品コードを、一取引係る商品コードとして取引管理ファイル343に記憶し管理する。具体的には、取引管理部301は、携帯端末2から商品コードを受け付けると、その商品コードを一取引に係る取引情報として取引管理ファイル343に記憶する。また、取引管理部301は、同一の携帯端末2から同一の商品コードを複数受け付けると、受け付けた個数を当該商品コードの点数として記憶する。なお、デフォルトの点数は「1」であるものとする。
【0074】
また、取引管理部301は、取引毎に固有の取引番号を生成し、取引情報と関連付けて記憶する。例えば、取引管理部301は、携帯端末2から登録終了の指示が通知されると取引番号を生成し、生成した取引番号を、当該携帯端末2の取引に係る取引情報に関連付けて記憶する。また、取引管理部301は、生成した取引番号を、登録終了を通知した携帯端末2に送信する。
【0075】
なお、取引管理部301が取引番号を生成するタイミングは、上記例に限らないものとする。例えば、取引管理部301は、携帯端末2の各々から最初の商品コードを受け付けたタイミングで取引番号を生成し、生成した取引番号を取引情報(商品コード)と関連付けて記憶してもよい。
【0076】
また、取引管理部301は、携帯端末2から送信された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ342から読み出し、送信元の携帯端末2に送信する形態としてもよい。この場合、携帯端末2の商品登録部201は、送信した商品コードに対する回答として取引管理サーバ3から商品情報を受信し、当該商品情報に基づいた登録完了画面を表示部25に表示させる。例えば、商品登録部201は、登録した商品の商品名、価格等を含んだ登録完了画面を表示させる。これにより、携帯端末2を操作する顧客は、登録する商品の商品コードの読み取りを行う毎に、その商品の商品情報や登録結果を確認することができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0077】
問合受付部302は、会計装置4から、取引番号を指定した取引情報の問い合わせを受ける。具体的には、問合受付部302は、会計装置4から取引情報の問い合わせを受け付けると、当該問い合わせで指定された取引番号に対応する取引情報を取引管理ファイル343から読み出す。そして、問合受付部302は、読み出した取引情報を、問い合わせ元の会計装置4に送信する。なお、問合受付部302は、取引情報に含まれた商品コードの各々に対応する商品情報を商品マスタ342から読み出し、読み出した商品情報を、取引情報とともに又は取引情報に含めて会計装置4に送信してもよい。
【0078】
会計装置4は、
図9に示すように、コードシンボル読取部401と、取引情報取得部402と、会員情報取得部403と、会計処理部404とを機能構成として備える。具体的には、会計装置4の制御部40(CPU41)は、記憶部44に記憶された制御プログラム441を実行することで上述した機能構成を実現する。なお、本実施形態では、上述の機能構成は、会計装置4のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0079】
コードシンボル読取部401は、読取手段の一例である。コードシンボル読取部401は、コードスキャナ部47と協働することでコードシンボルの読み取りを行う。例えば、コードシンボル読取部401は、携帯端末2の表示部25に表示されたコードシンボルCSの読み取りを行う。
【0080】
取引情報取得部402は、第1取得手段の一例である。取引情報取得部402は、取引番号を指定した取引情報の問い合わせを取引管理サーバ3に行うことで、取引番号に対応する取引情報を取引管理サーバ3から取得する。具体的には、取引情報取得部402は、コードシンボルCSの読み取りにより得られた取引番号に基づき、当該取引番号を指定した問い合わせを取引管理サーバ3に送信する。そして、取引情報取得部402は、問い合わせに対する回答として取引管理サーバ3から送信された取引情報を取得する。
【0081】
会員情報取得部403は、第2取得手段の一例である。会員情報取得部403は、会員番号を指定した会員情報の問い合わせを会員管理サーバ5に行うことで、会員番号に対応する会員情報を会員管理サーバ5から取得する。具体的には、会員情報取得部403は、コードシンボルCSの読み取りにより得られた会員番号に基づき、当該会員番号を指定した問い合わせを会員管理サーバ5に送信する。そして、会員情報取得部403は、問い合わせに対する回答として会員管理サーバ5から送信された会員情報を取得する。
【0082】
なお、会員情報取得部403は、コードシンボルCSの読み取りにより会員番号が得られなかった場合、会員番号が入力されていないことを報知する画面を表示部45に表示させてもよい。例えば、会員情報取得部403は、会員番号を入力するか否かを確認するための操作子を表示部45に表示させ、入力することが指示された場合に、操作部46やコードスキャナ部47を介して、会員番号の入力を受け付けてもよい。この場合、会員情報取得部403は、入力された会員番号に基づき会員管理サーバ5への問い合わせを行うものとする。また、会員番号の入力が指示されない場合には、会員情報取得部403は、会員情報の取得をスキップし、非会員として取り扱ってもよい。
【0083】
会計処理部404は、会計手段の一例である。会計処理部404は、取引情報取得部402及び会員情報取得部403が取得した情報に基づき、登録された商品の会計処理を実行する。具体的には、会計処理部404は、取引情報取得部402が取得した取引情報に含まれる取引の内訳に基づき、商品の合計金額、合計点数を算出する。ここで、合計金額は、取引情報に含まれた商品コードに対応する商品の価格に当該商品の点数を乗算した金額を、取引情報に含まれた全商品分で加算することで算出することができる。
【0084】
なお、商品コードに対応する商品の価格は、取引管理サーバ3が保持する商品マスタ342を参照して特定してもよいし、商品マスタ342をローカルに保持する場合には、その商品マスタ342を参照して特定してもよい。また、取引情報とともに商品情報が取引管理サーバ3から送信された場合には、当該商品情報に基づき商品コードに対応する商品の価格を特定してもよい。
【0085】
また、会計処理部404は、会員情報取得部403が取得した会員情報に基づき、会計に係る設定を行う。例えば、会計処理部404は、累積ポイント数に応じて支払方法を変更したり、累積ポイント数を利用可能ポイントとして表示させたりする。一例として、会計処理部404は、累積ポイント数が所定の閾値以上である場合、ポイントによる支払を指示することが可能な操作子を表示部45に表示させる。ここで、累積ポイントの閾値は任意に設定することが可能である。例えば、累積ポイントの閾値は、1ポイント以上としてもよいし、300ポイント以上等としてもよい。
【0086】
なお、会員情報取得部403が会員情報を取得することができなかった場合には、会計処理部404は、非会員として取り扱い、ポイントによる支払を指示することが可能な操作子は無効化又は非表示とする。
【0087】
次いで、会計処理部404は、算出した合計金額を、顧客から指示された支払方法で決済する会計処理を実行する。なお、会計処理部404は、会計処理にあたり支払方法を選択するための画面(以下、支払方法選択画面)を表示部45に表示させる。上述した、ポイントによる支払を指示することが可能な操作子は、例えば支払方法選択画面に表示される。支払方法選択画面については後述する。
【0088】
そして、会計処理部404は、会計処理が完了すると、会計処理が完了した取引の取引番号を指定した完了通知を取引管理サーバ3に送信する。取引管理サーバ3の取引管理部301は、会計装置4から完了通知を受け付けると、当該完了通知で指定された取引番号に係る取引管理ファイル343のエントリにフラグを付与したり、当該エントリを別のデータファイルに移動したりすることで、管理対象から除外する。
【0089】
また、会計処理部404は、支払方法がポイント支払以外であった場合、合計金額に応じたポイント数を算出し、当該ポイント数の加算と会員番号とを指示したポイント操作指示を会員管理サーバ5に送信する。これにより、会員管理サーバ5では、ポイント操作指示で指示された会員番号の累積ポイントに対し、指示されたポイント数を加算する処理が行われる。また、支払方法がポイント支払であった場合、会計処理部404は、支払に利用されたポイント数分の減算と会員番号とを指示したポイント操作指示を会員管理サーバ5に送信する。これにより、会員管理サーバ5では、ポイント操作指示で指示された会員番号の累積ポイントから、指示されたポイント数分を減算する処理が行われる。
【0090】
このように、会計装置4では、携帯端末2に表示されたコードシンボルCSから取引番号及び会員番号を読み取ることで、該当する取引情報及び会員情報を取得し、会計処理を実行する。そのため、携帯端末2を所持する顧客は、会計装置4にコードシンボルCSを提示することで、会計装置4に取引情報及び会員情報を引き渡すことができ、当該会計装置4において登録した商品の会計処理を行うことができる。したがって、POSシステム1では、会員登録された顧客の会計処理を効率的に行うことができる。
【0091】
また、会員管理サーバ5は、
図9に示すように、会員管理部501と、問合受付部502とを機能構成として備える。具体的には、会員管理サーバ5の制御部50(CPU51)は、記憶部54に記憶された制御プログラム541を実行することで上述した機能構成を実現する。なお、本実施形態では、上述の機能構成は、会員管理サーバ5のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0092】
会員管理部501は、各会員に関する会員情報を会員管理ファイル542に記憶し管理する。具体的には、会員管理部501は、各会員を識別する会員番号に関連付けて、当該会員番号に対応する会員の会員情報を会員管理ファイル542に記憶する。
【0093】
また、会員管理部501は、会計装置4から送信されるポイント操作指示に応じて、ポイント操作指示で指示された会員番号の累積ポイントに対し、指示されたポイント数を付与(加算)したり、指示されたポイント数を減算したりする。
【0094】
問合受付部502は、会計装置4から、会員番号を指定した会員情報の問い合わせを受ける。具体的には、問合受付部502は、会計装置4から会員情報の問い合わせを受け付けると、当該問い合わせで指定された会員番号に対応する会員情報を会員管理ファイル542から読み出す。そして、問合受付部502は、読み出した会員情報を、問い合わせ元の会計装置4に送信する。なお、問合受付部502は、会員番号に対応する会員情報に含まれた累積ポイントを会計装置4に送信してもよい。
【0095】
以下、
図10~
図13を参照して、上記した構成のPOSシステム1の動作例について説明する。
【0096】
まず、
図10を参照して、携帯端末2と取引管理サーバ3との間で行われる商品登録に係る動作例について説明する。ここで、
図10は、携帯端末2と取引管理サーバ3との間で行われる商品登録に係る動作の一例を示すシーケンス図である。
【0097】
携帯端末2の商品登録部201は、買物アプリの起動等により取引開始の指示を受け付けると(ステップS11)、撮像部27を制御し商品コードの読み取りが可能な状態とする。商品登録部201は、商品コードを読み取ると(ステップS12)、当該商品コードを取引管理サーバ3に送信する(ステップS13)。取引管理サーバ3の取引管理部301は、携帯端末2から商品コードを受け付けると、当該商品コードを一取引に係る取引情報として取引管理ファイル343に登録(記憶)する(ステップS14)。また、携帯端末2及び取引管理サーバ3は、商品コードが読み取られる毎にステップS12~S14の処理を実行する。
【0098】
続いて、携帯端末2の商品登録部201は、商品登録の終了指示を受け付けると(ステップS15)、取引管理サーバ3に登録終了を通知する(ステップS16)。取引管理サーバ3の取引管理部301は、登録終了の通知に応じて取引番号を生成し(ステップS17)、当該取引番号を通知元の携帯端末2に係る取引情報に関連付けて記憶する。また、取引管理部301は、生成した取引番号を通知元の携帯端末2に送信する(ステップS18)。
【0099】
そして、携帯端末2の商品登録部201は、取引管理サーバ3から送信された取引番号を取得すると、当該取引番号を記憶部24等に記憶する(ステップS19)。これにより、携帯端末2は、登録した商品の会計に以降することが可能な状態となる。
【0100】
次に、
図11を参照して、携帯端末2が行うコードシンボルの表示に係る動作例について説明する。ここで、
図11は、携帯端末2が行うコードシンボル表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、携帯端末2は商品登録完了後の状態、つまり会計番号を記憶部24等に保持した状態にあるものとする。
【0101】
まず、コードシンボル生成部202は、会計開始の指示を受け付けると(ステップS21)、記憶部24等から取引番号と会員番号とを読み出す(ステップS22)。次いで、コードシンボル生成部202は、読み出した取引番号と会員番号とを含んだ二次元コード等のコードシンボルCSを生成する(ステップS23)。
【0102】
なお、会員番号が複数存在する場合には、コードシンボル生成部202は、使用する一の会員番号を選択可能な画面を表示部25に表示させ、操作者に選択を促す形態としてもよい。また、コードシンボル生成部202は、会員番号が存在しない場合、或いは操作者から会員番号を使用しないことが指示された場合、会員番号を空(ヌル)等とすることで、会員番号を無効化したコードシンボルCSを生成してもよい。
【0103】
続いて、表示制御部203は、ステップS23で生成されたコードシンボルCSを表示部25に表示させ(ステップS24)、処理を終了する。
【0104】
これにより、携帯端末2の操作者は、携帯端末2の表示部25に表示されたコードシンボルCSを用いることで、何れか一の会計装置4において会計を行うことができる。
【0105】
次に、
図12を参照して、取引管理サーバ3、会計装置4及び会員管理サーバ5の間で行われる会計処理に係る動作例について説明する。ここで、
図12は、取引管理サーバ3、会計装置4及び会員管理サーバ5の間で行われる会計処理に係る動作の一例を示すシーケンス図である。
【0106】
まず、会計装置4のコードシンボル読取部401は、携帯端末2に表示されたコードシンボルCSから取引番号及び会員番号を読み取る(ステップS31)。次いで、会計装置4の取引情報取得部402は、ステップS31で読み取られた取引番号に基づき、当該取引番号を指定した問い合わせを取引管理サーバ3に行う(ステップS32)。
【0107】
取引管理サーバ3の問合受付部302は、会計装置4からの問い合わせに応じて、当該問い合わせで指定された取引番号に対応する取引情報を取引管理ファイル343から読み出す(ステップS33)。次いで、問合受付部302は、読み出した取引情報を、問い合わせ元の会計装置4に送信する(ステップS34)。そして、会計装置4の取引情報取得部402は、取引管理サーバ3から送信された取引情報を取得する。
【0108】
なお、問合受付部302は、取引情報とともに、当該取引情報に含まれる商品コードに対応する商品の商品情報を会計装置4に送信してもよい。
【0109】
また、会計装置4の会員情報取得部403は、ステップS31で読み取られた会員番号に基づき、当該会員番号を指定した問い合わせを会員管理サーバ5に行う(ステップS35)。
【0110】
会員管理サーバ5の問合受付部502は、会計装置4からの問い合わせに応じて、当該問い合わせで指定された会員番号に対応する会員情報を会員管理ファイル542から読み出す(ステップS36)。次いで、問合受付部502は、読み出した会員情報を、問い合わせ元の会計装置4に送信する(ステップS37)。そして、会計装置4の会員情報取得部403は、会員管理サーバ5から送信された会員情報を取得する。
【0111】
なお、会員情報取得部403は、ステップS31で会員番号が読み取られなかった場合には、ステップS35をスキップし、会員情報が存在しない非会員として処理する。
【0112】
続いて、会計装置4の会計処理部404は、取引情報取得部402及び会員情報取得部403が取得した情報に基づき、支払方法を選択するための支払方法選択画面を表示部45に表示させる(ステップS38)。
【0113】
ここで、
図13は、支払方法選択画面の一例を示す図である。
図13に示すように、支払方法選択画面Gaは、領域Gb~Geの4つの領域を有する。ここで、領域Gbには、支払方法の選択を促すメッセージ等が表示される。
【0114】
領域Gcには、複数の支払方法から、一の支払方法を選択することが可能な操作子が表示される。
図13では、支払方法として、「現金」、「クレジット」、「ポイント」、「電子マネー」、「コード決済」を選択することが可能な操作子(例えばボタン)を表示した例を示している。
【0115】
ここで、「現金」は、商品の代金を現金で支払うことを指示するための操作子である。「クレジット」は、商品の代金をクレジットカードで支払うことを指示するための操作子である。「電子マネー」は、商品の代金を電子マネーで支払うことを指示するための操作子である。「コード決済」は、商品の代金を、バーコード等を用いたコード決済で支払うことを指示するための操作子である。コード決済が選択された場合、例えば、会計装置4は、携帯端末2に表示されるコード決済用のコードシンボルを読み取ることで、キャッシュレス決済を行う。
【0116】
また、「ポイント」は、会員情報に含まれた累積ポイントを利用して商品の代金を支払うことを指示するための操作子である。会計処理部404は、例えば、会員情報取得部403が取得した会員情報に含まれる累積ポイントの値が所定の閾値以上の場合に、領域Gcに「ポイント」の操作子を表示させることで、選択可能な状態とする。また、例えば、会計処理部404は、累積ポイントの値が閾値未満や非会員の場合、「ポイント」の操作子を無効化したり、非表示としたりすることで、選択不可の状態とする。
【0117】
なお、ポイントを金額に換算する換算レートは特に問わず、任意に設定することが可能であるとする。例えば、会員のグレードに応じて換算レートを変更可能な形態としてもよい。この場合、会員のグレードは、会員情報に含めて会員毎に記憶し管理することが好ましい。
【0118】
領域Gdには、取引情報の内訳として、登録された商品の合計点数と、合計金額とが表示される。また、領域Geには、会員情報に含まれた累積ポイントの値が、利用可能ポイントとして表示される。なお、累積ポイントの値が閾値未満の場合には、会計処理部404は、「利用可能ポイント」の文言を「累積ポイント」等に変更して表示させてもよい。また、非会員の場合には、会計処理部404は、領域Gdを非表示としてもよい。
【0119】
会計装置4を操作する顧客は、支払方法選択画面の領域Gcに表示された支払方法の中から、所望の支払方法を選択することができる。つまり、会員である顧客は、自己の会員情報に含まれる累積ポイントに基づいた支払方法を選択することができる。操作子の操作により支払方法が選択されると、会計処理部404は、選択された支払方法を受け付ける。
【0120】
図12に戻り、会計装置4の会計処理部404は、支払方法選択画面で選択された支払方法を用いて、商品の代金(合計金額)を決済する会計処理を実行する(ステップS39)。
【0121】
そして、会計処理部404は、会計処理が完了すると、当該取引に係る取引番号を指示した完了通知を取引管理サーバ3に送信する(ステップS40)。取引管理サーバ3の取引管理部301は、会計装置4から完了通知を受け付けると、当該完了通知で指示された取引番号に対応するエントリを管理対象から除外する除外処理を実行する(ステップS41)。
【0122】
また、会計処理部404は、支払方法に応じて加算又は減算するポイント値を算出し、当該ポイント値の操作内容と会員番号とを指示したポイント操作指示を会員管理サーバ5に送信する(ステップS42)。会員管理サーバ5の会員管理部501は、会計装置4からポイント操作指示を受け付けると、当該ポイント操作指示に基づき、指示された会員番号の累積ポイントに、ポイントの加算又は減算を行うポイント操作を実行する(ステップS43)。なお、非会員の場合には、会計処理部404は、ステップS42をスキップすることで、ポイント操作を不要とする。
【0123】
以上のように、本実施形態の携帯端末2は、商品から当該商品を識別可能な商品コードを読み取り、読み取った一取引分の商品コードを取引管理サーバ3に登録し、登録した商品コードに係る取引を識別可能な取引番号を、取引管理サーバ3から取得する。また、携帯端末2は、取引番号と、前記取引に係る顧客を識別可能な顧客番号とを含んだコードシンボルCSを生成し、生成したコードシンボルCSを表示部25に表示させる。
【0124】
これにより、顧客は携帯端末2に表示されたコードシンボルCSを会計装置4に読み取らせることで、取引情報と顧客情報とを会計装置4に取得させることができる。したがって、携帯端末2は、顧客の会計処理を効率的に行うことができる。また、携帯端末2は、ローカルに記憶された顧客情報を含めてコードシンボルCSを生成することができるため、顧客情報の入力に係る顧客の自由度を向上させることができる。
【0125】
例えば、携帯端末2は、ユーザ操作に応じて、顧客番号を無効化したコードシンボルCSを生成することができる。また、携帯端末2は、顧客番号が複数記憶されている場合、ユーザ操作により選択された一の顧客番号を用いてコードシンボルCSを生成することができる。これにより、顧客は、非会員として会計を行ったり、携帯端末2を複数人で使用するような場合に、各人の会員情報に基づいた会計を行ったりすることができる。
【0126】
また、本実施形態の会計装置4は、取引番号と会員番号とを含んだコードシンボルCSから取引番号と会員番号とを読み取り、取引番号に対応する取引で登録された商品の内訳を示す取引情報を取引管理サーバ3から取得するとともに、会員番号に対応する会員の会員情報を会員管理サーバ5から取得する。そして、会計装置4は、取得した取引情報及び顧客情報に基づき、当該取引情報の内訳に含まれた商品の会計処理を実行する。
【0127】
これにより、顧客は携帯端末2に表示されたコードシンボルCSを会計装置4に読み取らせることで、取引情報及び顧客情報に基づく会計処理を会計装置4で行うことができる。したがって、会計装置4は、顧客の会計処理を効率的に行うことができる。
【0128】
また、会計装置4は、顧客情報に含まれた、商品の代金の支払に利用可能な累積ポイントの値に基づいて、支払方法を選択するための支払方法選択画面を表示部45に表示し、当該画面から選択された支払方法を用いて会計処理を実行する。これにより、顧客は自己に付与された累積ポイントに応じた支払方法で、商品の代金を支払うことが可能となる。したがって、会計装置4は、会員である顧客の会計処理を効率的に行うことができる。
【0129】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0130】
(変形例1)
上述の実施形態では、取引管理サーバ3と会員管理サーバ5とを異なる装置としたが、取引管理サーバ3と会員管理サーバ5とは一体のサーバ装置であってもよい。また、取引管理サーバ3と会員管理サーバ5とは、単体のサーバ装置に限らず、複数のサーバ装置で構成されるクラウドサーバ等であってもよい。
【0131】
(変形例2)
上述の実施形態では、携帯端末2は、取引番号と会員番号とを含むコードシンボルCSを生成する形態としたが、例えば、取引番号の代わりに、携帯端末2で登録した一取引分の商品コード、つまり取引情報を含めてコードシンボルCSを生成してもよい。この場合、会計装置4は、コードシンボルCSを読み取ることで得られた取引情報をそのまま用いて会計処理を行うことができる。したがって、会計装置4は、顧客の会計処理を効率的に行うことができる。
【0132】
(変形例3)
上述の実施形態では、会計の対象となる商品の合計点数及び合計金額を会計装置4が算出する形態としたが、これに限らず、取引管理サーバ3が実施する形態としてもよい。
【0133】
この場合、取引管理サーバ3の問合受付部302は、会計装置4から問い合わせを受けたタイミングで、指定された取引番号に対応する取引情報を取引管理ファイル343から読み出し、当該取引情報の内訳に基づいて商品の合計点数及び合計金額を算出する。そして、問合受付部302は、算出した合計点数及び合計金額を、問い合わせ元の会計装置4に送信する。或いは、問合受付部302は、算出した合計点数及び合計金額を、取引情報とともに、問い合わせ元の会計装置4に送信する。本変形例の構成においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0134】
なお、上述した実施形態において、各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0135】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
1 POSシステム
2 携帯端末
3 取引管理サーバ
4 会計装置
5 会員管理サーバ
201 商品登録部
202 コードシンボル生成部
203 表示制御部
301 取引管理部
302 問合受付部
401 コードシンボル読取部
402 取引情報取得部
403 会員情報取得部
404 会計処理部
501 会員管理部
502 問合受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0137】