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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030142
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】静電容量型タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240229BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 128
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132738
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】森野 慎也
(57)【要約】
【課題】静電容量の初期値のばらつきを抑制し得る静電容量型タッチパネルを提供する。
【解決手段】静電容量型タッチパネルは、第1方向(X)に伸びる第1電極21と、第1電極と接続された第1配線31と、第1方向と直交する第2方向(Y)に伸びる第2電極22と、第2電極と接続された第2配線32とを備える。第1および第2配線31,32は、互いに平行にかつ第2方向と非平行な方向に伸びる延伸部31e、32eをそれぞれ有し、第2電極は、平面視において、少なくとも一部が第1電極と重なる第1容量部と、第1容量部に隣接し、容量部22cよりも第1方向における幅が小さい第1接続部22dとを含み、第2方向における、容量部に対する接続部の位置、および、第2方向における、第1配線の延伸部に対する第2配線の延伸部の位置は、同じ側である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に配置されており、第1方向に伸びる第1電極と、
前記第1基板に配置され、前記第1電極と接続された第1配線と、
前記第1基板と対向して配置された第2基板と、
前記第2基板に配置されており、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる第2電極と、
前記第2基板に配置され、前記第2電極と接続された第2配線と、
を備えた静電容量型タッチパネルであって、
前記第1配線は第1延伸部を有し、前記第2配線は第2延伸部を有し、
前記第1延伸部および前記第2延伸部は、前記第2方向と非平行な方向に伸び、かつ、互いに平行であり、
前記第2電極は、平面視において、少なくとも一部が前記第1電極と重なる第1容量部と、前記第2方向において前記第1容量部に隣接し、前記第1容量部よりも前記第1方向における幅が小さい第1接続部とを含み、
前記第2方向における、前記第1容量部に対して前記第1接続部が隣接する方向を正方向とした場合、前記第2配線の第2延伸部は、前記第1配線の第1延伸部に対して前記第2方向における正方向に位置する、静電容量型タッチパネル。
【請求項2】
前記第1基板に配置されており、前記第1方向に伸びる複数の第3電極と、
前記第1基板に配置され、前記複数の第3電極と接続された複数の第3配線と、
をさらに備え、
前記複数の第3配線は、前記第1配線および前記第2配線の延伸部と平行であり、前記非平行な方向に伸びる延伸部をそれぞれ有し、
各第3配線の延伸部と前記第2配線の延伸部との距離は、前記第1配線の延伸部と前記第2配線の延伸部との距離よりも大きい、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル。
【請求項3】
前記第2電極は、平面視において、少なくとも一部が前記複数の第3電極とそれぞれ重なる複数の第3容量部と、前記複数の第3容量部にそれぞれ隣接する複数の第3接続部を有し、
少なくとも1つの第3接続部の前記第1方向における幅は、第3容量部の第1方向における幅よりも小さく、かつ、前記第1接続部の前記第1方向における幅よりも大きい、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル。
【請求項4】
前記複数の第3接続部の前記第1方向における幅は、前記第1接続部から前記第2方向に遠ざかるほど大きい、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル。
【請求項5】
前記第2基板に配置されており、前記第2方向に伸びる複数の第4電極と、
前記第2基板に配置され、前記複数の第4電極と接続された複数の第4配線と、
をさらに備え、
前記複数の第4配線は、前記第1配線および前記第2配線の延伸部と平行であり、前記非平行な方向に伸びる延伸部をそれぞれ有し、
各第4配線の延伸部と前記第1配線の延伸部との距離は、前記第1配線の延伸部と前記第2配線の延伸部との距離よりも大きい、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル。
【請求項6】
前記第1電極、前記第2電極および前記複数の第3電極は、前記第1基板および前記第2基板の入力領域に配置されており、
前記第1容量部は、前記入力領域の角に位置している、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量型タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、表示装置を備えた種々のデバイスの入力装置として広く利用されている。静電容量型タッチパネルでは、静電容量の変化によって手指や指示ペンの指示位置を検出する。特許文献1は、配線の寄生容量のばらつきを抑制し、検出感度の向上を図ることのできる静電容量型タッチパネルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-237673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電容量のばらつきは、静電容量型タッチパネルの初期値のばらつきとしても問題となる。本開示は、静電容量の初期値のばらつきを抑制し得る静電容量型タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る静電容量型タッチパネルは、第1基板と、前記第1基板に配置されており、第1方向に伸びる第1電極と、前記第1基板に配置され、前記第1電極と接続された第1配線と、前記第1基板と対向して配置された第2基板と、前記第2基板に配置されており、前記第1方向と直交する第2方向に伸びる第2電極と、前記第2基板に配置され、前記第2電極と接続された第2配線と、を備えた静電容量型タッチパネルであって、前記第1配線は第1延伸部を有し、前記第2配線は第2延伸部を有し、前記第1延伸部および前記第2延伸部は、前記第2方向と非平行な方向に伸び、かつ、互いに平行であり、前記第2電極は、平面視において、少なくとも一部が前記第1電極と重なる第1容量部と、前記第2方向において前記第1容量部に隣接し、前記第1容量部よりも前記第1方向における幅が小さい第1接続部とを含み、前記第2方向における、前記第1容量部に対して前記第1接続部が隣接する方向を正方向とした場合、前記第2配線の第2延伸部は、前記第1配線の第1延伸部に対して前記第2方向における正方向に位置する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、静電容量の初期値のばらつきを抑制し得る静電容量型タッチパネルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の静電容量型タッチパネルの一構成例であって、主要な構成要素を示す模式的平面図である。
図2図2は、図1に示す静電容量型タッチパネルの第1基板の構成を示す模式的平面図である。
図3図3は、図1に示す静電容量型タッチパネルの第2基板の構成を示す模式的平面図である。
図4図4は、図1に示すA-A線の位置における静電容量型タッチパネルの模式的断面図である。
図5図5は、図1に示すB-B線の位置における静電容量型タッチパネルの模式的断面図である。
図6図6は、第1実施形態の静電容量型タッチパネルの製造時における電極および配線の位置ずれを説明するための模式図である。
図7図7は、第1実施形態の静電容量型タッチパネルの製造時における電極および配線の位置ずれを説明するための模式図である。
図8図8は、第2実施形態の静電容量型タッチパネルの一構成例であって、主要な構成要素の一部を示す模式的平面図である。
図9図9は、第2実施形態の静電容量型タッチパネルの製造時における電極および配線の位置ずれを説明するための模式図である。
図10図10は、従来の静電容量型タッチパネルの静電容量の初期値のばらつきを計算した結果を示す一例である。
図11図11は、第1実施形態の静電容量型タッチパネルの静電容量の初期値のばらつきを計算した結果を示す一例である。
図12図12は、変形例の静電容量型タッチパネルの構成を示す模式的平面図である。
図13図13は、変形例の静電容量型タッチパネルの一構成例であって、主要な構成要素の一部を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明者が静電容量型タッチパネルの検出領域における容量値のばらつきについて、詳細に検討したところ、特定の位置において、初期容量値のばらつきが特に大きいことが分かった。例えば、矩形の入力領域における角の位置において、初期容量値のばらつきが大きい場合があることが分かった。容量値のばらつきが大きいと、作製した静電容量型タッチパネルが正常であるか否かの判定が困難となる場合がある。
【0009】
本願発明者はこのような課題に鑑み、新規な静電容量型タッチパネルを想到した。
【0010】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
[第1実施形態]
本実施形態の静電容量型タッチパネルを詳細に説明する。図1は、本実施形態の静電容量型タッチパネル101の主要な構成要素を示す模式的平面図である。図2は、図1に示す静電容量型タッチパネルの第1基板の構成を示す模式的平面図であり、図3は、図1に示す静電容量型タッチパネルの第2基板の構成を示す模式的平面図である。図4は、図1のA-A線の位置における静電容量型タッチパネル101の模式的断面図であり、図5は、図1のB-B線の位置における静電容量型タッチパネル101の模式的断面図である。
【0012】
静電容量型タッチパネル101は、第1基板11および第2基板12と、誘電体層13と、複数のドライブ電極25と、複数の検出電極26と、複数のドライブ電極用配線35と、複数の検出電極用配線36とを備える。
【0013】
第1基板11は矩形形状を有し、図4および図5に示すように、第1主面11aおよび第1主面11aと反対側に位置する第2主面11bを有する薄い板形状を備えている。同様に第2基板12も、矩形形状を有し、第1主面12aおよび第1主面12aと反対側に位置する第2主面12bを有する薄い板形状を備えている。第1基板11および第2基板12は、互いに対向するように配置されている。より具体的には、第1基板11の第2主面11bが第2基板12の第1主面12aと対向するように配置されている。なお、図2および図3では、電極および配線の平面視における位置関係を分かりやすく示すため、第1基板11および第2基板12の構造を第1主面11aおよび第1主面12a側から見た平面図で示している。
第1基板11および第2基板12は、ガラス、PET(Polyethylene terephthalate)フイルムなどの透明な材料で構成されている。
【0014】
誘電体層13は、第1基板11および第2基板12の間に位置しており、弾性および絶縁性を有する透明な材料によって構成されている。例えば、種々の透明な高分子材料を誘電体層13に用いることができ、具体的には、OCA(Optical Clear Adhesive)、OCR(Optical Clear Resin)などとして市販される材料を用いることができる。
第1基板11および第2基板12は、平面視において、検出領域Rsと検出領域の周囲に位置する周辺領域Rnとを含む。検出領域Rsには、ドライブ電極25と検出電極26とが配置され、手指や指示棒の位置および/または押圧の強さが検出される。周辺領域Rnには、後述するようにドライブ電極25および検出電極26を外部の駆動回路および検出回路と電気的に接続するための、ドライブ電極用配線35および検出電極用配線36が配置される。
【0015】
複数のドライブ電極25は静電容量を保持する一方の電極として機能する。複数のドライブ電極25は、第1基板11の第1主面11aに位置しており(図4)、検出領域Rs内に配置されている。図2に示すように、複数のドライブ電極25は、それぞれx軸方向(第1方向)に伸びており、y軸方向に配列されている。図1等に示すように、例えば、右下を原点としてx軸およびy軸を取る。
【0016】
複数のドライブ電極25は、1つの第1電極21と複数の第3電極23とを含む。第1電極21は、y方向に複数配列されたドライブ電極25のうち、最も原点に近いドライブ電極25である。各ドライブ電極25は、本実施形態では、y軸方向の幅が一定であるストライプ形状を有している。また、y軸方向における配列ピッチも同じである。ドライブ電極25は、例えば、ITOなどの透明導電性材料によって構成されている。
【0017】
図5に示すように、複数のドライブ電極用配線35は、第1基板11の第1主面11aに位置しており、周辺領域Rnに配置されている。複数のドライブ電極用配線35は、複数のドライブ電極25にそれぞれ接続されており、外部の回路からドライブ電極25に駆動電圧を印加する。このために、ドライブ電極用配線35の一端は、複数のドライブ電極25にそれぞれ接続され、他端は、第1基板11の矩形の1つの辺まで引き出される。本実施形態では、第1基板11の外形を規定する4つの辺11c、11d、11e、11fのうち、辺11dの中央近傍にまで引き出されている。
【0018】
複数のドライブ電極用配線35は、第1電極21と接続された第1配線31と、第3電極23に接続された第3配線33とを含む。
【0019】
複数のドライブ電極用配線35は、辺11dに隣接した周辺領域Rnbにおいて、y軸方向と非平行な方向に伸びる延伸部35eを有している。つまり、第1配線31は、延伸部31eを含み、第3配線33は延伸部33eを含む。本実施形態では、延伸部35eは、x軸方向と平行に伸びている。
【0020】
図2では、第3配線33は1つしか示していないが、各第3電極に第3配線33が接続されている。複数のドライブ電極用配線35は、第1基板11において互いに交差しないように配置されている。このため、延伸部35eを含む複数のドライブ電極用配線35の各部分は、互いに平行に位置している。また、ドライブ電極用配線35のうち、第1電極21と接続されている第1配線31は、最も検出領域Rs側に近接している。
【0021】
図4および図5に示すように、静電容量型タッチパネル101は、複数のドライブ電極25および複数のドライブ電極用配線35を覆って第1基板11の第1主面11aに配置されたカバー層14をさらに備えていてもよい。カバー層14は、例えば、樹脂やガラスなどによって構成される。
【0022】
複数の検出電極26は静電容量を保持する他方の電極として機能する。複数の検出電極26は、第2基板12の第1主面12aに位置しており(図4)、検出領域Rs内に配置されている。図3に示すように、複数の検出電極26は、それぞれy軸方向(第2方向)に伸びており、x軸方向に配列されている。検出電極26も、例えば、ITOなどの透明導電性材料によって構成されている。
【0023】
複数の検出電極26は、1つの第2電極22と複数の第4電極24とを含む。第2電極22は、y方向に複数配列された検出電極26のうち、最も原点に近い検出電極26である。第2電極22は、第1容量部22cと、y方向において、第1容量部22cと隣接した第1接続部22dとを含む。
【0024】
平面視において、第1容量部22cの少なくとも一部は第1電極21と重なる。後述するように、ドライブ電極25と検出電極26との製造工程における位置ずれがない場合、つまり、設計上の位置合わせ誤差がゼロの条件では、第1容量部22c全体が第1電極21と重なる。
【0025】
第1接続部22dは、第1容量部22cに隣接している。本実施形態では、第1接続部22dは、第1容量部22cに対してy軸方向の正側(y軸の正方向)に位置している。第1接続部22dのx方向における幅は、第1容量部22cのx方向における幅よりも小さい。本実施形態では第1接続部22dおよび第1容量部22cはそれぞれ矩形形状を有している。
【0026】
第2電極22はさらに、複数の第3容量部22eと複数の第3接続部とを含む。平面視において、複数の第3容量部22eの少なくとも一部は、第3電極23と重なる。第1容量部22cと同様、ドライブ電極25と検出電極26との製造工程における位置ずれがない場合、つまり、設計上の位置合わせ誤差がゼロの条件では、第3容量部22e体が第3電極23と重なる。
【0027】
第3接続部22fは、第3容量部22eに隣接している。本実施形態では、第3接続部22fは、第3容量部22eに対してy軸方向の正側に位置している。第3接続部22fのx方向における幅は、第3容量部22eのx方向における幅と等しい。また、第3接続部22fおよび第3容量部22eはそれぞれ矩形形状を有している。このため、複数の第3容量部22eおよび複数の第3接続部22fは、一定の幅を有する一体的な短冊形状を有している。
【0028】
図5に示すように、複数の検出電極用配線36は、第2基板12の第1主面12aに位置しており、周辺領域Rnに配置されている。複数の検出電極用配線36は、複数の検出電極36にそれぞれ接続されており、外部の検出回路に接続される。このために、検出電極用配線36の一端は、複数の検出電極26にそれぞれ接続され、他端は、第2基板12の矩形の1つの辺まで引き出される。本実施形態では、ドライブ電極用配線35と同様、辺12dの中央近傍にまで引き出されている。
【0029】
複数の検出電極用配線36は、第2電極22と接続された第2配線32と、第4電極24に接続された第4配線34とを含む。
【0030】
複数の検出電極用配線36は、辺11dに隣接した周辺領域Rnbにおいて、y軸方向と非平行な方向に伸びる延伸部36eを有している。つまり、第2配線32は、延伸部32eを含み、第4配線34は延伸部34eを含む。本実施形態では、延伸部36eは、x軸方向と平行に伸びている。
【0031】
図3では、第4配線34は1つしか示していないが、各第4電極24に第4配線34が接続されている。複数の検出電極用配線36は、第2基板12において、互いに交差しないように配置されている。このため、延伸部36eを含む複数の検出電極用配線36の各部分は、互いに平行に位置している。また、検出電極用配線36のうち、第2電極22と接続されている第2配線32の延伸部は、最も辺12dに近接している。
【0032】
複数のドライブ電極用配線35および複数の検出電極用配線36はITOなどの透明導電性材料によって構成されていてもよいし、金属で構成されていてもよい。透明導電性材料によって、ドライブ電極用配線35および検出電極用配線36を構成する場合には、それぞれドライブ電極25および検出電極26と一体的に形成してもよい。
【0033】
図4および図5に示すように、第1基板11および第2基板12が誘電体層13を挟んで対向して配置される。これにより、ドライブ電極25と検出電極26が静電容量型タッチパネル101の厚さ方向において重なるように配置される。後述するように、ドライブ電極用配線35および検出電極用配線36は、静電容量型タッチパネル101の厚さ方向において重なるようには配置されていない。第2配線32の延伸部32eは、第1配線31の延伸部31eに対してy軸方向の正側(y軸の正方向)に位置している。
【0034】
次に、従来の静電容量型タッチパネルにおける初期容量値のばらつきと、本実施形態の静電容量型タッチパネル101において初期容量値のばらつきが抑制できる理由を説明する。
【0035】
特許文献1において説明されているように、ドライブ電極用配線および検出電極用配線の長さは、これらの配線が接続される電極の位置に依存するため、配線間で寄生容量の値が異なり得る。しかし、配線パターンを決定すれば、各配線の長さは、静電容量型タッチパネルの製造工程によってばらつき難い。また、複数のドライブ電極用配線は、同一マスクで同時に形成されるため、複数のドライブ電極用配線間の間隔もばらつき難い。このため、複数のドライブ電極用配線間で生じる寄生容量も変化しにくい。
【0036】
これに対して、ドライブ電極用配線と検出電極用配線とは異なる基板に支持されているので、2つの基板を貼り合わせる際、ドライブ電極用配線と検出電極用配線との位置合わせには誤差が生じ得る。このため、ドライブ電極用配線と検出電極用配線との間に生じる寄生容量は、静電容量型タッチパネルの製造工程によってばらつく。このような位置合わせ誤差は、x軸方向およびy軸方向の両方に生じ得る。
【0037】
ドライブ電極用配線と検出電極用配線とは、これらの配線を外部の回路を接続するための端子を設ける領域において近接する。本実施形態では、辺11d、辺12dに隣接する周辺領域の周辺領域Rnbにおいて、ドライブ電極用配線と検出電極用配線とが近接する。静電容量型タッチパネル101が液晶表示装置の画面上に配置される場合には、周辺領域は小さい方が好ましい。また、配線の長さが長くなることによる寄生容量が増大するという点を考慮すれば、図1に示すように、周辺領域Rnbのy方向の長さはx方向の長さより小さい方が好ましい。つまり、各ドライブ電極用配線および検出電極用配線は、周辺領域Rnbにおいて、y軸方向の長さよりもx軸方向の長さの方が大きい。したがって、ドライブ電極用配線と検出電極用配線との間で生じる寄生容量は、各配線のx方向に伸びる延伸部間の距離が変わることによって変動することが分かる。
【0038】
また、ドライブ電極用配線と検出電極用配線との間で寄生容量ができるだけ生じないようにするためには、ドライブ電極用配線と検出電極用配線とが平面視において重ならないように配置することが好ましい。この場合、ドライブ電極用配線と検出電極用配線との間で互いの延伸部が最も近接するのは、検出領域Rsの角の容量を形成する2つの電極である、ドライブ電極の第1電極に接続された第1配線の延伸部と、検出電極の第2電極に接続された第2配線の延伸部とである。
【0039】
図6は、ドライブ電極25が位置する第1基板11と、検出電極26が位置する第2基板12とが位置ずれすることなく、設計された位置で配置される場合における、ドライブ電極25の第1電極21および第1配線31と、検出電極26の第2電極22および第2配線32との位置を示す。平面視において、第2電極22の第1容量部22c全体が第1電極21と重なっている。この時の第1電極21と第2電極22との重なりにより形成される検出部容量をCtとし、第1配線31の延伸部31eと第2配線32の延伸部32eとによって形成される寄生容量をCpとし、第1配線31の延伸部31eと第2配線32の延伸部32eとの距離をLとする。
【0040】
図7は、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の負の方向に位置ずれした状態を示す。位置ずれによって、第1配線31の延伸部31eと第2配線32の延伸部32eとの間の距離は、L’となり、距離Lよりも小さくなる(L’<L)。このため、第1配線31の延伸部31eと第2配線32の延伸部32eとによって形成される寄生容量Cp’は、寄生容量Cpよりも大きくなる(Cp’>Cp)。
【0041】
一方、位置ずれにより、第1電極21は、第2電極22の第1容量部22cの一部および第1接続部22dの一部と重なっている。接続部22fのx軸方向における幅が、第1容量部22cのx軸方向における幅よりも小さいため、この時の第1電極21と第2電極22との重なりにより形成される容量Ct’は、Ctよりも小さくなるCt’<Ct)。
【0042】
このように、y軸において、第1接続部22dは、第1容量部22cに対して正方向に位置し、第2配線32の延伸部32eは、第1配線31の延伸部31eに対して正方向に位置している。言い換えれば、y軸方向における第1容量部22cに対する第1接続部22d、および、y軸方向における第1配線31の延伸部31eに対する第2配線32の延伸部32eが、同じ側に位置していることによって、位置ずれによって寄生容量Cpが増大すれば、検出部の容量Ctは減少する。その結果、初期容量値のばらつきを抑制することができる。
【0043】
Ct+Cp=Ct’+Cp’を満たせば、位置ずれによる寄生容量の増大を検出部における容量の減少で完全に相殺させることができる。しかし、寄生容量の増大と、検出部の容量の減少とは、完全に相殺し合う関係でなくても、寄生容量の増大による初期値のばらつきを抑制するという効果は得られる。
【0044】
第1容量部22cのx軸方向における幅は、初期値のばらつきをどの程度抑制するかを決定し、誘電体層13の材質、厚さ、第1配線31および第2配線32全体の長さおよび延伸部の長さ、第1配線31と第2配線32との距離、第1配線31および第2配線32の抵抗等の値を用いて計算することによって求めることができる。
【0045】
なお、図6に示すように、第2電極22の第1容量部22c全体が第1電極21と重なっている状態を、位置ずれがゼロであるとする設計の場合、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の正の方向に位置ずれが生じると、寄生容量Cpは減少し、検出部の容量Ctは変化しない。したがって、図6に示す第1電極21および第2電極22の配置は、特に、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の負の方向にのみ位置ずれする可能性がある場合に適している。
【0046】
第1電極21に対して、第2電極22がy軸の負の方向にも正の方向にも位置ずれする可能性がある場合には、例えば、図7に示す配置、つまり、第2電極の第1容量部22cの一部および第1接続部22dの一部が第1電極21と重なる状態を、位置ずれがゼロであるとする設計を行えばよい。この場合、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の負の方向に位置ずれすれば、寄生容量Cpは増大し、検出部の容量Ctは減少する。また、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の正の方向に位置ずれすれば、寄生容量Cpは減少し、検出部の容量Ctは増大する。したがって、第1電極21に対して、第2電極22が、いずれの方向に位置ずれしても、初期容量値のばらつきを抑制することができる。
【0047】
なお、図2に示すように、ドライブ電極25には第1電極21以外に複数の第3電極23が含まれる。したがって、複数の第3電極23に接続された第3配線33と第2配線32との間に生じる寄生容量も、第1基板11と第2基板12との位置ずれによる寄生容量のばらつきが生じ得る。
【0048】
しかし、図7に示すように、第3電極23に接続された第3配線33の延伸部33eと第2配線32の延伸部32eとの距離Mは、第1配線21の延伸部31eと第2配線22の延伸部32eとの距離Lよりも大きい。図7には1本の第3配線33のみを示しているが、複数の第3電極23に接続されたいずれの第3配線33についてもこの関係を満たしている。配線の延伸部間による寄生容量は、延伸部間の距離に反比例するので、ドライブ電極25のうち、複数の第3電極23に接続された第3配線33と第2配線32との間に生じる寄生容量の初期値およびそのばらつきは、上述した第1配線31と第2配線32との間に生じる寄生容量よりも小さい。
【0049】
同様に、検出電極26には、第2電極22以外に複数の第4電極24が含まれる。しかし、複数の第4電極24に接続され第4配線34と、第1配線31との寄生容量の初期値およびそのばらつきは小さい。
【0050】
したがって、静電容量型タッチパネル101の製造時の2つの基板の位置合わせ誤差に起因する寄生容量の初期値のばらつきは、ドライブ電極用配線35の第1配線31と、検出電極用配線36の第2配線32とによる寄生容量を、上述した構造によって制御することによって効果的に抑制できることが分かる。
【0051】
[第2実施形態]
本実施形態の静電容量型タッチパネルを詳細に説明する。図8は、本実施形態の静電容量型タッチパネル102の主要な構成要素の一部を示す模式的平面図である。本実施形態の静電容量型タッチパネルは、第2電極22における、複数の第3接続部22fのうち、少なくとも1つの第3接続部のx軸方向における幅が、第3容量部のx軸方向の幅よりも小さく、かつ、第1接続部22dのx軸方向の幅よりも大きい点で第1の実施形態と異なる。
【0052】
図8に示すように、複数の第3容量部22eおよび第3接続部を第1接続部22dに近い側から、第3容量部22e、22e、22e・・・とし、第3接続部22f、22f、22f・・・とする。また第3配線33の延伸部を第1配線31の延伸部31eに近い側から、延伸部33e、33e、33e・・・とする。
図8に示す形態では、第3接続部22f、22f、22fの幅は、それぞれ第3容量部のx軸方向の幅よりも小さく、かつ、第1接続部22dのx軸方向の幅よりも大きい。また、第3接続部22fの幅は、第3接続部22fの幅よりも小さく、第3接続部22fの幅は、第3接続部22fの幅よりも小さい。
【0053】
図8に示す配置がドライブ電極25と検出電極26との位置ずれがゼロである設計された配置である場合、複数の第3電極23と、第1電極21との重なりによって形成される検出部の容量を、それぞれ、Ct、Ct、Ct・・・・とするといずれもCtの値に等しい。一方、複数の第3配線33の延伸部33e、33e、33e・・・は、順に第2配線32の延伸部32eから遠ざかるため、第3配線33の延伸部33e、33e、33e・・・と第2配線32の延伸部32eとによって形成される寄生容量Cp、Cp、Cpは、この順番で小さくなる。
【0054】
図9は、第1電極21および第3電極23に対して、第2電極22がy軸の負の方向に位置ずれした状態を示す。第1実施形態で説明したように、位置ずれによる第1配線31の寄生容量のCpからCp’への増大を検出部の容量がCtからCt’へ減少することによって、初期容量値のばらつきが抑制される。
【0055】
同様に第3配線33の延伸部33e、33e、33e・・・においても、寄生容量は増大し、Cp’、Cp’、Cp’となる。しかし、第2配線32の延伸部32eから延伸部33e、33e、33e・・・までの距離は、第2配線32の延伸部32eから第1配線31の延伸部31eまでの距離よりも大きいため、寄生容量の増大量も小さくなる。
【0056】
これに対応して、位置ずれによって、複数の第3電極23は、第3接続部22f、22f、22fの一部とそれぞれ重なるようになり、検出部の容量は、Ct’、Ct’、Ct’・・・となる。第3接続部22f、22f、22fのx軸方向における幅は、第3容量部22e、22e、22e・・・のx軸方向の幅よりも小さく、かつ、第1接続部22dのx軸方向の幅よりも大きいため、Ct’、Ct’、Ct’・・・は、Ct’よりも大きく、検出部の容量の減少は第1配線の検出部での容量の減少よりも小さい。したがって、このような構造によれば、複数の第3電極23の位置に応じて、検出部の容量が減少し、寄生容量の増大による初期容量値のばらつきを抑制することができる。
【0057】
なお、図9および図10に示す例では、第3接続部22f、22f、22fのx軸方向の幅が、第3容量部のx軸方向の幅よりも小さい。しかし、少なくとも1つの第3接続部のx軸方向の幅が、第3容量部のx軸方向の幅よりも小さければよい。第2配線32の延伸部32eと第3配線33の延伸部33eとにより形成される寄生容量は、これらの配線間の距離が大きくなるほど小さくなり、位置ずれによる寄生容量の変化も小さくなるからである。
【0058】
また、第1実施形態で説明したように、第1電極21に対して、第2電極22がy軸の負の方向にも正の方向にも位置ずれする可能性がある場合には、例えば、図9に示す配置、つまり、第1電極21が、第2電極の第1容量部22cの一部および第1接続部22dの一部と重なり、複数の第3電極23が、第3容量部22e、22e、22e・・・の一部および、第3接続部22f、22f、22fの一部とそれぞれ重なる状態を、位置ずれがゼロであるとする設計を行えばよい。
【0059】
[実施例]
従来のタッチパネルおよび第1実施形態のタッチパネルにおける初期容量値のばらつきを計算によって求めた結果を示す。図10は従来のタッチパネルの計算例を示し、図11は第1実施形態のタッチパネルの計算例を示す。従来のタッチパネルは、第2電極22が、第4電極と同様の形状をしている点で第1実施形態のタッチパネルと異なる。これらの図において、x軸およびy軸は、図1等と同じ方向に取っている。またz軸は、初期容量値を示す。図10に示すように、従来のタッチパネルでは、特定の位置、例えば、原点に最も近い検出部の初期容量値のばらつきが大きく、その値は、17%程度である。これに対し、図11に示すように、第1実施形態のタッチパネルでは、原点に最も近い検出部の初期容量値のばらつきが11%程度に抑制されている。
【0060】
このように第1実施形態のタッチパネルによれば、製造時の電極の位置合わせのばらつきによって生じる寄生容量のばらつきを効果的に抑制し、初期容量値のばらつきを小さくできることが分かる。
【0061】
[他の形態]
本開示の静電容量型タッチパネルは、上記実施形態に限られず、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、ドライブ電極および検出電極に接続された配線は図面において、タッチパネル構成する矩形の基板の下側の辺外部の端子に接続されるように構成されている。しかし、配線を外部の回路へ接続するための端子を設ける位置は、例えば、矩形の基板の上側の辺であってもよいし、左右に位置する辺であってもよい。この場合、検出部の容量の初期値のばらつきが大きい位置は、変わり得るが、いずれの場合でも、検出領域の四隅のいずれかに最も近い位置で容量の初期値のばらつきが大きくなる。このため、容量の初期値のばらつきが最も大きくなる角に隣接したドライブ電極および検出電極が第1電極および第2電極となる。
【0062】
また、図12に示すように、第1配線31の延伸部31e、第2配線32の延伸部32e、第3配線33の延伸部33eおよび第4配線34の延伸部34eの伸びる方向は、x軸に平行でなくてもよい。この場合、各延伸部の傾きはx軸に対して45°以下であることが好ましい。
【0063】
また、第1接続部22dのx軸方向の幅は、y軸方向において一定でなくてもよい。例えば、図13に示すように、第1接続部22dのx軸方向の幅は、第1容量部22cとの境界からy軸の正の方向に向かうにつれて、x軸方向の幅が小さくなっていてもよい。
【0064】
また、本開示の静電容量型タッチパネルは、インセル型、オンセル型、アウトセル型等の種々の形態であってもよい。また、本開示の静電容量型タッチパネルは、ドライブ電極および検出電極以外の電極を備えていてもよい。
【0065】
また、ドライブ電極および検出電極は、いずれが第1基板に配置されていてもよい。ドライブ電極、検出電極、ドライブ電極用配線および検出電極用配線は、手指や指示棒の位置を適切に検出できる限り、第1基板の第第2主面11bに設けられていてもよいし、第2基板の第2主面12bに設けられていてもよい。
【0066】
本開示の静電容量型タッチパネルは、以下のようにも説明することができる。
【0067】
第1の構成に係る静電容量型タッチパネルは第1基板と、第1基板に配置されており、第1方向に伸びる第1電極と、第1基板に配置され、第1電極と接続された第1配線と、
第1基板と対向して配置された第2基板と、第2基板に配置されており、第1方向と直交する第2方向に伸びる第2電極と、第2基板に配置され、第2電極と接続された第2配線と、を備えた静電容量型タッチパネルであって、第1配線は第1延伸部を有し、第2配線は第2延伸部を有し、第1延伸部および第2延伸部は、第2方向と非平行な方向に伸び、かつ、互いに平行であり、第2電極は、平面視において、少なくとも一部が第1電極と重なる第1容量部と、第2方向において第1容量部に隣接し、第1容量部よりも第1方向における幅が小さい第1接続部とを含み、第2方向における、第1容量部に対して第1接続部が隣接する方向を正方向とした場合、第2配線の第2延伸部は、第1配線の第1延伸部に対して第2方向における正方向に位置する。言い換えると、第1配線および第2配線は、第2方向と非平行な方向に伸びる延伸部であって、互いに平行な延伸部をそれぞれ有し、第2電極は、平面視において、少なくとも一部が第1電極と重なる第1容量部と、第1容量部に隣接し、容量部よりも第1方向における幅が小さい第1接続部とを含み、第2方向における、容量部に対する第1接続部の位置、および、第2方向における、第1配線の延伸部に対する第2配線の延伸部の位置は、同じ側である。
【0068】
第1の構成によれば、第1基板と第2基板とを貼り合わせる際、第1電極と第2電極との間に位置合わせのずれが生じることによって、第1配線と第2配線との間の寄生容量が増大すれば、第1電極と第2電極によって形成される検出部の容量は減少する。その結果、初期容量値のばらつきを抑制することができる。
【0069】
第2の構成に係る静電容量型タッチパネルは、第1の構成において、第1基板に配置されており、第1方向に伸びる複数の第3電極と、第1基板に配置され、複数の第3電極と接続された複数の第3配線と、をさらに備え、複数の第3配線は、第1配線および第2配線の延伸部と平行であり、非平行な方向に伸びる延伸部をそれぞれ有し、各第3配線の延伸部と第2配線の延伸部との距離は、第1配線の延伸部と第2配線の延伸部との距離よりも大きくてもよい。
【0070】
第3の構成に係る静電容量型タッチパネルは、第1または第2の構成において、第2電極は、平面視において、少なくとも一部が複数の第3電極とそれぞれ重なる複数の第3容量部と、複数の第3容量部にそれぞれ隣接する複数の第3接続部を有し、少なくとも1つの第3接続部の第1方向における幅は、第3容量部の第1方向における幅よりも小さく、かつ、第1接続部の第1方向における幅よりも大きくてもよい。
【0071】
第4の構成に係る静電容量型タッチパネルは、第1~第3のいずれかの構成において、複数の第3接続部の第1方向における幅は、第1接続部から第2方向に遠ざかるほど大きくてもよい。
【0072】
第5の構成に係る静電容量型タッチパネルは、第1~第4のいずれかの構成において、第2基板に配置されており、第2方向に伸びる複数の第4電極と、第2基板に配置され、複数の第4電極と接続された複数の第4配線と、をさらに備え、複数の第4配線は、第1配線および第2配線の延伸部と平行であり、非平行な方向に伸びる延伸部をそれぞれ有し、各第4配線の延伸部と第1配線の延伸部との距離は、第1配線の延伸部と第2配線の延伸部との距離よりも大きくてもよい。
【0073】
第6の構成に係る静電容量型タッチパネルは、第1~第5のいずれかの構成において、第1電極、第2電極および複数の第3電極は、第1基板および第2基板の入力領域に配置されており、第1容量部は、入力領域の角に位置していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示の静電容量型タッチパネルは、種々の分野および用途に用いられるタッチパネルに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0075】
11…第1基板、11a,12a…第1主面、11b,12b…第2主面、11c~11f…辺、12…第2基板、13…誘電体層、21…第1電極、22…第2電極、22c…第1容量部、22d…第1接続部、22e…第3容量部、22e1…第3容量部、22e2…第3容量部、22e3…第3容量部、22f,22f,22f,22f…第3接続部、23…第3電極、24…第4電極、25…ドライブ電極、26…検出電極、31…第1配線、31e,32e,33e,33e1~33e1,34e,35e,36e…延伸部、32…第2配線、33…第3配線、34…第4配線、…延伸部、35…ドライブ電極用配線、36…検出電極用配線、101…静電容量型タッチパネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13