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特開2024-30146タイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法
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  • 特開-タイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030146
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】タイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20240229BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240229BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20240229BHJP
   G06T 7/60 20170101ALN20240229BHJP
【FI】
G01M17/02
G06T7/00 610Z
B60C19/00 H
B60C19/00 J
G06T7/60 200C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132744
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
(74)【代理人】
【識別番号】100194124
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 まゆみ
(72)【発明者】
【氏名】岸武 俊行
(72)【発明者】
【氏名】山本 和幸
(72)【発明者】
【氏名】安味 憲一
【テーマコード(参考)】
3D131
5L096
【Fターム(参考)】
3D131BC55
3D131LA22
5L096AA06
5L096BA03
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA01
5L096DA02
5L096EA35
5L096FA04
5L096FA26
5L096FA62
5L096FA68
5L096HA09
5L096HA11
(57)【要約】
【課題】簡単に短時間で判別することができるタイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法を提供する。
【解決手段】タイヤ仕様判別装置1は、例えば、タイヤM1の側面を撮影する撮影手段10と、撮影手段10により得られた撮影画像において、タイヤM1のホイールの外周の内側に対応する第1円と、ホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円とにより囲まれた領域の画像を判別画像として切り出す切出手段20と、切出手段20により切り出した判別画像に基づき、タイヤM1の仕様を判別する判別手段30とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの側面を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により得られた撮影画像において、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、前記ホイールの外周よりも半径が大きくかつ前記第1円を内側に含む第2円との間の領域の画像を判別画像として切り出す切出手段と、
前記切出手段により切り出した判別画像に基づき、タイヤの仕様を判別する判別手段と
を備えたことを特徴とするタイヤ仕様判別装置。
【請求項2】
前記切出手段は、前記撮影手段により得られた撮影画像において、ホイールの外周の中心座標及び半径を算出し、ホイールの中心座標を前記第1円及び前記第2円の中心とすると共に、前記第1円の半径をホイールの半径に所定の定数を掛けてホイールの半径よりも小さい値とし、かつ、前記第2円の半径をホイールの半径に所定の定数を掛けてホイールの半径よりも大きい値として、前記第1円と前記第2円との間の円環領域の画像を判別画像として切り出すことを特徴とする請求項1記載のタイヤ仕様判別装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記切出手段により切り出した判別画像を直線帯状に投影変換して帯状展開画像とする帯状展開手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ仕様判別装置。
【請求項4】
タイヤの側面を撮影する撮影手順と、
前記撮影手順により得られた撮影画像において、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、前記ホイールの外周よりも半径が大きくかつ前記第1円を内側に含む第2円との間の領域の画像を判別画像として切り出す切出手順と、
前記切出手順により切り出した判別画像に基づき、タイヤの仕様を判別する判別手順と
を含むことを特徴とするタイヤ仕様判別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの仕様を判別するタイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の生産ラインでは、完成車両について、取り付けられたタイヤの仕様が正しいかどうかを検査する検査工程がある。従来は、この検査工程を自動化するために、例えば、完成車両のタイヤを回転させながらレーザー変位計でタイヤの刻印文字の高さを測定して三次元化し、高さに応じた濃淡画像を作成して刻印文字を判別することが試みられている。また、例えば、タイヤのトレッドパターンの画像から縦横比の異なる画像を複数生成し、AI学習させてタイヤの種類を判別する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-64282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タイヤを回転させながらレーザー変位計で測定する方法では、車幅や車高に合わせて計測位置の調整が必要であり、しかも、タイヤ側面のレーザー走査にはタイヤを1回転させる分の時間がかかるという問題があった。また、特許文献1に記載の方法では、タイヤのトレッドパターンは黒背景に黒文字であるので検出が難しく、更に、回転角度で位置が変わるトレッドパターンを正確に検出するには、様々な回転角度での撮影画像をAI学習させる必要があるために、膨大な教師画像、例えば8000枚以上の教師画像が必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、簡単に短時間で判別することができるタイヤ仕様判別装置及びタイヤ仕様判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタイヤ仕様判別装置は、タイヤの側面を撮影する撮影手段と、撮影手段により得られた撮影画像において、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、ホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円との間の領域の画像を判別画像として切り出す切出手段と、切出手段により切り出した判別画像に基づき、タイヤの仕様を判別する判別手段とを備えたものである。
【0007】
本発明のタイヤ仕様判別方法は、タイヤの側面を撮影する撮影手順と、撮影手順により得られた撮影画像において、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、ホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円との間の領域の画像を判別画像として切り出す切出手順と、切出手順により切り出した判別画像に基づき、タイヤの仕様を判別する判別手順とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タイヤの側面を撮影した撮影画像から、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、ホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円との間の領域を判別画像として切り出し、切り出した判別画像に基づいてタイヤの仕様を判別するようにしたので、車種や車高、車幅に関係なく、タイヤの側面を撮影することによりタイヤの仕様を判別することができる。よって、車種情報が不要であり、また、車種により撮影手段の位置を調整する必要もなく、簡単にタイヤの仕様を判別することができる。更に、タイヤの側面を1回撮影するのみでよいので、判別にかかる時間を短縮することができる。
【0009】
加えて、円環状の判別画像を直線帯状に投影変換するようにしたので、文字列を全て水平にすることができる。よって、例えば、正例となる学習画像を学習させた学習モデルを用いて文字列を検出する場合には、水平の文字列のみの学習画像を準備すればよく、必要な学習画像の枚数を少なくすることができ、簡単に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係るタイヤ仕様判別装置の構成を表す図である。
図2図1に示した切出手段により撮影画像から判別画像を切り出す手順を表す図である。
図3図1に示した判別手段により判別画像に基づきタイヤの仕様を判別する手順を表す図である。
図4図1に示した切出手段、及び、判別手段のハードウェアの一構成例を表す図である。
図5】本発明の一実施の形態に係るタイヤ仕様判別方法の流れを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係るタイヤ仕様判別装置1の構成を表すものである。このタイヤ仕様判別装置1は、タイヤM1の側面に刻印された仕様を表す文字列を検出してタイヤM1の仕様を判別するものであり、例えば、自動車Mの生産ラインにおいて自動車Mに取り付けたタイヤM1が正しい仕様のものであるかを検査する際に用いることができる。なお、本実施の形態では、自動車Mの生産ラインにおいて、自動車Mに取り付けられたタイヤM1の仕様を判別する場合を例に挙げて説明する。
【0013】
タイヤ仕様判別装置1は、例えば、タイヤM1の側面を撮影する撮影手段10と、撮影手段10により得られた撮影画像において、タイヤM1のホイールの外周の内側に対応する第1円と、タイヤM1のホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円とにより囲まれた領域の画像を判別画像として切り出す切出手段20と、切出手段20により切り出した判別画像に基づき、タイヤM1の仕様を判別する判別手段30と、表示手段40とを備えている。
【0014】
撮影手段10は、例えば、CCDカメラ等のカメラにより構成され、生産ラインを搬送される自動車MのタイヤM1の側面を撮影するように固定して配設されている。撮影手段10の撮影範囲は、例えば、タイヤM1の全体が含まれるように設定することが好ましく、配設位置や設定を変えることなく複数の車種に対応できるように設定することが好ましい。
【0015】
切出手段20は、例えば、コンピュータにより構成することができ、プログラムを実行することにより、切出手段20として機能するように構成されている。図2に、切出手段20により撮影画像から判別画像を切り出す手順を示す。図2(A)は、撮影手段10により撮影した撮影画像の一例、図2(B)は、撮影画像においてホイールとして検出された箇所を白破線で示した概念図、図2(C)は、撮影画像におけるホイールの中心座標Oと半径Rを示す概念図、図2(D)は、中心座標Oを中心とする第1円及び第2円を黒破線で示す概念図である。切出手段20は、例えば、撮影手段10により得られた撮影画像において、ホイールの外周の中心座標O及び半径Rを算出し、ホイールの中心座標Oを第1円及び第2円の中心とすると共に、第1円の半径R1をホイールの半径Rに所定の定数a1を掛けてホイールの半径Rよりも小さい値とし、かつ、第2円の半径R2をホイールの半径Rに所定の定数a2を掛けてホイールの半径よりも大きい値として、第1円と第2円との間の円環領域の画像を判別画像として切り出すように構成されることが好ましい。
【0016】
具体的には、切出手段20は、例えば、撮影手段10に接続され、撮影手段10により得られた撮影画像からホイールを検出するホイール検出手段21と、ホイール検出手段21により検出したホイールの画像について、ホイールの中心座標Oと半径Rを求める中心座標・半径算出手段22と、中心座標・半径算出手段22により求めたホイールの中心座標O及び半径Rに基づき、中心座標O、半径R1=a1R(R1<R)とする第1円と、中心座標O、半径R2=a2R(R2>R)とする第2円とを求め、第1円と第2円との間の円環領域の画像を判別画像として切り出す円環領域切出手段23とを有していることが好ましい。定数a1は、例えば、0.90≦a1≦0.99とすることが好ましく、定数a2は、例えば、1.25≦a2≦1.35とすることが好ましい。
【0017】
ホイール検出手段21は、例えば、公知の物体検知技術を用いることができ、例えば、検出するホイールの正例となる学習画像を用いた機械学習を実行することにより、判別対象のタイヤの仕様ごとにホイールの特徴を学習させたホイール検出学習モデルを用いることが好ましい。ホイール検出学習モデルは、例えば、判別対象の複数種のタイヤM1の側面を撮影した撮影画像からホイール部分の画像を切り取った正例となる学習画像を複数枚用意し、深層学習(ディープラーニング;Deep learning)により特徴を抽出するホイール検出学習モデル生成手段により生成することができる。深層学習には、畳み込みニーラルネットワーク(CNN;Convolutional neural network)を用いることが好ましい。中心座標・半径算出手段22及び円環領域切出手段23は、例えば、公知の処理技術を用いることができる。
【0018】
判別手段30は、例えば、コンピュータにより構成することができ、プログラムを実行することにより、判別手段30として機能するように構成されている。判別手段30は、例えば、切出手段20により切り出した判別画像を複数の分割画像に分割し、分割画像毎にタイヤM1の仕様を表す文字列を検出して、タイヤの仕様を判別するようにすることが好ましい。
【0019】
図3に、判別手段30により判別画像に基づきタイヤM1の仕様を判別する手順を示す。図3(A)は、円環状の判別画像を直線帯状に投影変換した帯状展開画像の一例、図3(B)は、帯状展開画像を複数に分割した分割画像の一例、図3(C)は、分割画像から検出された文字列を黒破線で示した概念図である。判別手段30は、例えば、円環領域切出手段23により切り出した円環状の判別画像を直線帯状に投影変換して帯状展開画像とする帯状展開手段31と、帯状展開手段31により展開した帯状展開画像を長さ方向において複数に分割して分割画像とする分割手段32と、分割手段32により分割した各分割画像について、文字列を検出し判別する文字列検出・判別手段33とを有していることが好ましい。
【0020】
分割手段32は、例えば、帯状展開画像をタイヤM1の仕様を表す文字列が全て収まる所定の長さに分割する。さらに、分割位置の間隔を分割画像の長さよりも短くして、隣接する分割画像において一部が重なるように分割することが好ましい。タイヤM1の仕様を表す文字列が分割されて検出できなくなることを防止するためである。
【0021】
文字列検出・判別手段33は、例えば、検出する文字列の正例となる学習画像を用いた機械学習を実行することにより、判別対象のタイヤM1の仕様ごとに文字列の特徴を学習させた文字列学習モデルを用いることが好ましい。文字列学習モデルは、例えば、判別対象の複数種のタイヤM1の側面を撮影した撮影画像から仕様を表す文字列の画像を切り取り、直線帯状に投影変換した正例となる学習画像を複数枚用意し、深層学習により特徴を抽出する文字列学習モデル生成手段により生成することができる。深層学習には、畳み込みニーラルネットワークを用いることが好ましい。これにより、文字列検出・判別手段33は、分割画像から検出した文字列が表すタイヤM1の仕様を判別できるように構成されている。
【0022】
表示手段40は、例えば、文字列検出・判別手段33により判別されたタイヤM1の仕様を表示するように構成されていることが好ましい。
【0023】
図4は、切取手段20、及び、判別手段30のハードウェア構成の一例を表すものである。切取手段20、及び、判別手段30は、例えば、CPU(Center Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53と、HDD(ハードディスクドライブ)54と、操作インターフェース(操作I/F)55とを有している。CPU51は、ROM52に記録されている各種プログラム、又は、HDD54からRAM53にロードされた各種プログラムに従って各種の処理を実行するものである。RAM53には、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶されている。HDD54には、各種データが記憶されている。
【0024】
このタイヤ仕様判別装置1は、例えば、次のようにして用いられる。図5はタイヤ仕様判別装置1を用いたタイヤ仕様判別方法の流れを表すものである。まず、準備手順として、例えば、ホイール検出学習モデル生成手段によりホイール検出学習モデルを生成すると共に、文字列学習モデル生成手段により文字列学習モデルを生成する(準備手順;ステップS110)。
【0025】
具体的には、例えば、自動車の生産ラインにおいて、判別対象である複数種のタイヤM1の側面を撮影手段10により撮影し、得られた撮影画像からホイール部分の画像を切り取った正例となる学習画像を複数用意し、深層学習によりホイール検出学習モデルを生成する。また、例えば、撮影手段10の撮影画像から切り取ったホイール部分の画像から仕様を表す文字列の画像を切り取り、直線帯状に投影変換した正例となる学習画像を複数枚用意し、深層学習により文字列学習モデルを生成する。
【0026】
次いで、例えば、生産ラインを搬送される自動車に取り付けられたタイヤM1の仕様を次のようにして判別する。まず、例えば、撮影手段10によりタイヤM1の側面を撮影する(撮影手順;ステップS121(図2(A)参照))。その際、上述したように、タイヤM1の全体が含まれるように撮影する。次に、例えば、ホイール検出手段21により、ホイール検出学習モデルを用いて、撮影手段10により得られた撮影画像からホイールを検出する(ホイール検出手順;ステップS122(図2(B)参照)。続いて、例えば、中心座標・半径算出手段22により、ホイール検出手段21で検出したホイールの画像からホイールの中心座標Oと半径Rを求める(中心座標・半径算出手順;ステップS123(図2(C)参照))。次いで、例えば、円環領域切出手段23により、中心座標・半径算出手段22で求めたホイールの中心座標O及び半径Rに基づき、中心座標O、半径R1=a1R(R1<R)とする第1円と、中心座標O、半径R2=a2R(R2>R)とする第2円とを求め、第1円と第2円とで囲まれた円環領域の画像を判別画像として切り出す(円環領域切出手順;ステップS124(図2(D)参照))。
【0027】
次に、例えば、帯状展開手段31により、円環領域切出手段23で切り出した円環状の判別画像を直線帯状に投影変換して帯状展開画像とする(帯状展開手順;ステップS125(図3(A)参照))。続いて、例えば、分割手段32により、帯状展開手段31で投影変換した帯状展開画像を長さ方向において複数に分割して分割画像とする(分割手順;ステップS126(図3(B)参照))。次いで、文字列検出・判別手段33により、分割手段32で分割した各分割画像から文字列学習モデルを用いて文字列を検出し判別する(文字列検出・判別手順;ステップS127(図3(C)参照))。そののち、表示手段40により、文字列検出。判別手段33で判別したタイヤM1の仕様を表示する(表示手順;ステップS128)。
【0028】
このように本実施の形態によれば、タイヤM1の側面を撮影した撮影画像から、ホイールの外周の内側に対応する第1円と、ホイールの外周よりも半径が大きくかつ第1円を内側に含む第2円との間の領域を判別画像として切り出し、切り出した判別画像に基づいてタイヤM1の仕様を判別するようにしたので、車種や車高、車幅に関係なく、タイヤM1の側面を撮影することによりタイヤM1の仕様を判別することができる。よって、車種情報が不要であり、また、車種により撮影手段10の位置を調整する必要もなく、簡単にタイヤM1の仕様を判別することができる。更に、タイヤM1の側面を1回撮影するのみでよいので、判別にかかる時間を短縮することができる。
【0029】
加えて、円環状の判別画像を直線帯状に投影変換するようにしたので、文字列を全て水平にすることができる。よって、例えば、正例となる学習画像を学習させた文字列学習モデルを用いて文字列を検出する場合に、水平の文字列のみの学習画像を準備すればよく、必要な学習画像の枚数を少なくすることができ、簡単に検出することができる。
【0030】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、各構成要素の具体的な構造や形状は異なっていてもよく、また、上述した構成要素を全て備えていなくてもよく、他の構成要素を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…タイヤ仕様判別装置、10…撮影手段、20…切出手段、21…ホイール検出手段、22…中心座標・半径算出手段、23…円環領域切出手段、30…判別手段、31…帯状展開手段、32…分割手段、33…文字列検出・判別手段、40…表示手段、51…CPU、52…ROM、53…RAM、54…HDD、55…操作インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5