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特開2024-30173通信制御方法、通信制御プログラムおよび通信制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030173
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】通信制御方法、通信制御プログラムおよび通信制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20240229BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20240229BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20240229BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W92/24
H04W76/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132780
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】堤 洋一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓
(72)【発明者】
【氏名】池村 あゆ美
(72)【発明者】
【氏名】米津 雅矢
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067DD26
5K067DD28
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】APN(Access Point Name)障害復旧時、APN単位ではなくAPNを分割した単位でセッション解放を中断する通信制御方法、通信制御プログラムおよび通信制御装置を提供する。
【解決手段】呼制御を行うSPGW-CP110と、SPGW-CP110にインタフェースを介して接続され、データ転送制御を行うSPGW-UP120と、に分離することができる通信制御装置100は、APNの呼制御を行い、APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、APN障害時には、CSID単位で優先度順にセッション解放し、APN障害復旧時には、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度のCSIDに対するセッション解放を中断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御方法において、
前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする通信制御方法。
【請求項2】
前記優先度は、セッション作成要求時に通知される通信品質に基づき設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項3】
前記通信品質は、MME(Mobility Management Entity)から通知されるQCI(QoS Class Identifier)とARP(Allocation Retention Priority)であり、前記QCIとARPとに基づき、セッション解放の解放優先度と解放速度とを算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信制御方法。
【請求項4】
セッション解放時の実測の解放時間と想定の解放時間との差分に基づき、セッション未解放の残セッションに対するセッション解放の解放速度を変化させる、
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項5】
呼制御を行う第1ノードと、
前記第1ノードにインタフェースを介して接続され、データ転送制御を行う第2ノードと、を含む通信制御装置の通信制御方法において、
前記第2ノードは、APN(Access Point Name)に収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション解放の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、APN障害の検知時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
前記第2ノードは、前記APN障害からの復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度以降の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項6】
前記第2ノードは、前記第1ノードに対する前記CSID単位の削除要求の送信時刻から、セッション削除の完了通知を前記第1ノードから受信するまでの想定時間を計算しておき、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション削除の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、セッション削除にかかった実測時間を計測し、当該実測時間と前記想定時間との比較結果に基づき、次の優先度で解放要求するセッション解放要求に、変更後のセッション解放の解放速度を設定して前記第1ノードへ通知し、
前記第2ノードは、通知された解放速度を目標に次回以降の解放速度を決定し、次の優先度のCSIDのセッション解放を実施し、APN障害の復旧以降は、次の優先度以降のセッション解放を中断する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通信制御方法。
【請求項7】
APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御プログラムにおいて、
前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項8】
APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御装置において、
APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理部を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項9】
呼制御を行う第1ノードと、
前記第1ノードにインタフェースを介して接続され、データ転送制御を行う第2ノードと、を含み、
前記第2ノードは、APN(Access Point Name)に収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション解放の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、APN障害の検知時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
前記第2ノードは、前記APN障害からの復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度以降の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
ことを特徴とする通信制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御方法、通信制御プログラムおよび通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯網は、4G(4th Generation)のLTE(Long Term Evolution)から5G(5th Generation)への移行期である。既存のLTE網において、5Gのアーキテクチャの一部である、CU分離(CUPS:Control and User Plane Separation)の適用が進みつつある。
【0003】
CUPSでは、従来一つの装置で行っていた、端末(UE:User Equipment)の接続を制御する呼処理(CP:C-Plane)と、UEのデータの転送処理(UP:U-Plane)とを別の装置に分けて行う。CUPSにより、CPとUPを別々にスケールすることや、CPとUPを別の地域に設置すること、例えば、CPは中央に集約し、UPは端末の近くに分散する等が可能となる。スケールについて、例えば、仮想化数の増加や、装置数を増やすスケールアップによって、処理能力向上や、ユーザデータの転送数を増加できるようになる。
【0004】
CUPSの技術では、CU分離前の技術(Non-CUPSと称する)に対し、APN(Access Point Name)障害時の呼解放(UEセッション解放)の方式が変更される。Non-CUPSの技術では、SPGWがAPNの障害を自身で検知し、関連するUEのセッションをすべて解放している。これに対し、CUPSでは、APN障害はUPのSPGWで検出する。UPのSPGWは、セッション解放要求をCPのSPGWに送信し、CPのSPGWがAPNに関連するUEのセッションを解放する。SPGWは、Serving and PDN GateWayの略である。PDNは、Packet Data Networkの略である。
【0005】
先行技術としては、例えば、コアネットワーク側の障害発生時、呼切断処理部が受信したU-Planeのパケットの接続呼のみを切断し、接続されているすべての接続個を切断しないことで、コアネットワークの輻輳や各装置の処理負荷を抑える技術がある。また、例えば、P2P通信を行う通信端末からセッション切断要求の受信により、他の通信端末にセッション切断要求を送信し、他の通信端末からセッション切断要求に応じる応答受信により、他の通信端末との間のセッションを切断する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-187560号公報
【特許文献2】特開2012-138864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
APN障害の発生時には収容している大量のUEのセッション解放が発生するが、一斉に解放すると網内の輻輳が発生する。このため、解放を一定レートで実施すると、すべての解放が終わるまでには時間がかかる。従来技術では、APN障害でセッション解放の実施中にAPN障害が復旧した場合でも、解放の中断ができず、APNに収容されている未解放のセッションもすべて解放されてしまう。
【0008】
一つの側面では、本発明は、APN障害復旧時、APN単位ではなくAPNを分割した単位でセッション解放の中断が可能なことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、APNの呼制御を行う通信制御方法において、前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、ことを要件とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、APN障害復旧時、APN単位ではなくAPNを分割した単位でセッション解放の中断が可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態にかかる通信制御方法の一実施例を示す説明図である。
図2図2は、Non-CUPSとCUPSにおけるセッション解放の説明図である。
図3図3は、CUPSのセッション解放で生じる不具合の説明図である。
図4図4は、CSIDの分割の処理の説明図である。
図5図5は、分割されたCSID毎のセッション解放の処理の説明図である。
図6図6は、セッション解放時間に応じた解放速度の変更の説明図である。(その1)
図7図7は、セッション解放時間に応じた解放速度の変更の説明図である。(その2)
図8図8は、実施の形態にかかる通信制御装置の機能ブロック図である。
図9図9は、セッション管理DBのセッション情報例を示す図表である。
図10図10は、優先度管理DBの優先度情報例を示す図表である。
図11図11は、通信制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図12図12は、CSIDの分割の処理例を示すフローチャートである。
図13図13は、分割されたCSID毎のセッション解放の処理例を示すフローチャートである。
図14図14は、セッション解放時間に応じた解放速度の変更の処理例を示すフローチャートである。
図15A図15Aは、分割されたCSID毎のセッション解放の処理を示すシーケンス図である。(その1)
図15B図15Bは、分割されたCSID毎のセッション解放の処理を示すシーケンス図である。(その2)
図15C図15Cは、APN障害復旧時の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、開示の通信制御方法、通信制御プログラムおよび通信制御装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態にかかる通信制御方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる通信制御方法の一実施例を示す説明図である。図1(a)は通信制御装置100の構成例を示す。通信制御装置100は、CUPSによって互いに機能分離されたノード、例えば、SPGW-CP(呼処理部)110と、SPGW-UP(データ転送処理部)120とを含む。SPGW-CP110は、呼処理を行う第1ノードである。SPGW-UP120は、データ転送処理を行う第2ノードである。
【0014】
SPGW-CP110は、MME(Mobility Management Entity)150に、例えば、S11インタフェースを介して接続される。SPGW-CP110と、SPGW-UP120との間は、例えば、Sxインタフェースを介して接続される。
【0015】
SPGW-UP120は、例えば、Volte(電話)やインターネット等のIPサービスのAPN(APN1)160に接続される。また、SPGW-UP120は、eNB(基地局装置)170に、例えば、S1-uインタフェースを介して接続される。eNB170は、ユーザの端末装置(UE)180に無線接続される。
【0016】
(CUPSでのセッション解放の不具合について)
ここで、CUPSでのセッション解放の不具合について説明しておく。はじめに、Non-CUPSと、CUPSにおけるセッション解放について説明する。
【0017】
図2は、Non-CUPSとCUPSにおけるセッション解放の説明図である。図2(a)は、Non-CUPS、(b)は、CUPSを示す。Non-CUPSからCUPSに変わることで、APN障害時の呼解放(UEセッション解放)の方式が変更となる。
【0018】
図2(a)のNon-CUPSでは、SPGW200がAPN#1(210)の障害を自身で検知し、関連するUE220のセッションをすべて解放する。例えば、APN#1が障害となった場合、SPGW200は、APN#1に接続している、すべてのUE220のセッション(UE#1~UE#n)を解放する。
【0019】
図2(b)のCUPSの場合、APN#1(160)の障害は、SPGW-UP120が検出する。SPGW-UP120は、セッション解放要求SRをSPGW-CP110に送信し、SPGW-CP110側でAPN#1(160)に関連するUE180のセッション(UE#1~UE#n)を解放する。
【0020】
ここで、Non-CUPSのSPGW200、およびCUPSのSPGW-CP110のいずれにおいても、収容するUEの数は、数百万台と非常に多い。この数百万台のUE180を同時にセッション解放すると、Non-CUPSおよびCUPSのいずれにおいても網内で輻輳が発生してしまう。この輻輳は、例えば、図2(b)のCUPSの場合、SPGW-UP120とSPGW-CP110との間の輻輳を含む。このため、セッション解放時には、解放レートの制御等が必要となる。
【0021】
図2(b)で説明したCUPSにおいて、APN障害が発生した場合、SGPW-CP110は、APN#1に収容されているセッションを解放する。
【0022】
図3は、CUPSのセッション解放で生じる不具合の説明図である。CUPSでは、セッション解放は、CSID単位で実施される。CSID(PDN Connection Set Identifier)は、各ノードが関連する複数PDNセッションのまとまりに対して一意に付与する識別子である。ノードの部分故障発生時等、CSIDを指定し対向ノードに解放指令を行うことで、影響があるPDNセッションのみを解放可能となる。
【0023】
ここで、図3に示すように、APN#1とAPN#2のうち、(a)APN#1で障害が発生したとする。SPGW-UP120は、CSIDをAPN単位で管理している。この場合、(b)SPGW-UP120は、APN#1収容のU-Planeセッション(CSID1)を削除する。そして、(c)SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、U-Planeセッションに関連するC-Planeセッション群を解放要求する(セッション解放要求SR)。
【0024】
図3に示すように、APN障害時は、障害が発生した対象のAPN#1に収容されているCSID1のセッションが一斉解放されることとなる。そして、セッション解放の中断は実施不可である。そのため、例えば、セッション解放中にAPN#1障害が復旧した場合であってもセッション解放を中断できず、APN#1に収容されているCSID1のすべてのセッションが解放されてしまう。
【0025】
上記の不具合を解消するための実施の形態について図1に戻り説明する。図1(b)は、従来のCSID単位でのセッション解放を示す図である。上述したように、APN#1にCSID1が収容されているとする。この場合、図1(c)のセッション解放状態に示すように、APN#1に障害が発生すると、SPGW-UP120は、APN#1に収容されているCSID1のセッションを解放する。ここで、従来は、一旦セッション解放を実施すると、セッション中断を行うことができず、セッション解放中にAPN#1の障害が復旧した場合でも、CSID1のセッションを全解放してしまう。
【0026】
図1(d)は、実施の形態による分割したCSIDを示す図である。実施の形態では、APN#1に収容されているCSIDを複数に分割する。例えば、セッション解放の解放優先度や解放速度を元に、予め通信制御装置100は、CSIDを優先度順にグルーピングし、セッション解放の単位を小分けに分割する。例えば、図1(d)の例では、CSID分割情報(DI)190として、APN#1に収容されるCSIDを3分割しCSID1~3としている。CSIDの分割は、解放優先度と解放速度(Session/s)とを組み合わせた優先度を有する。
【0027】
図1(d)の例では、解放優先度が高い順にA,Bで分割し、解放速度が速い順に1000,100で分割している。例えば、CSID1は、解放優先度「A」、解放速度「1000」であり優先度が最も高い。CSID2は、解放優先度「A」、解放速度「100」であり優先度が次に高い。CSID3は、解放優先度「B」、解放速度「100」であり優先度が最も低い。
【0028】
通信制御装置100は、図1(d)に示すCSID分割情報(DI)190を予めメモリに記憶しておく。そして、図1(e)は、分割したセッション単位でのセッション解放状態を示す図である。図1(e)に示すように、通信制御装置100(SPGW-UP120)は、APN#1の障害発生時に、CSID分割情報(DI)190を参照し、分割したCSID単位でセッション解放を行う。図1(e)の例では、APN#1に障害が発生した場合、通信制御装置100(SPGW-UP120)は、優先度が最も高いCSID1をセッション解放し、次に優先度が高いCSID2をセッション解放する。
【0029】
ここで、APN#1の障害が復旧したとする。この場合、通信制御装置100(SPGW-UP120)は、障害復旧時に未解放であったCSID3については、セッションは、セッション解放することなく、継続利用可能となる。
【0030】
このように、実施の形態によれば、APN障害時には、CSID単位でセッション解放を行い、APN障害の復旧時には、セッション未解放のCSIDのセッション解放を中断可能となる。セッション解放しないCSIDに収容の端末装置(UE)180は、通信が継続利用可能である。
【0031】
(実施の形態の処理例)
実施の形態の通信制御装置100は、下記(1)~(3)の処理を行う。
(1)CSIDの分割
(2)分割されたCSID毎のセッション解放
(3)セッション解放時間に応じた解放速度の変更
【0032】
(1)CSIDの分割
図4は、CSIDの分割の処理の説明図である。図4(a)はCUPSによるCSIDの分割の説明図である。図4(b)は優先度情報(PI)410の例、図4(c)はCSID分割情報(DI)190の例を示す図表である。
【0033】
セッション作成時、通信制御装置100のSPGW-CP110は、MME150のセッション作成要求(ステップS401)を受ける。セッション作成要求は、通信品質情報、例えば、QCIおよびARPの値を含む。SPGW-CP110は、セッション作成要求時のQCIの値X、ARPの値Yに基づき、セッションの優先度である解放優先度と、解放速度を求める(ステップS402)。QCIは、QoS Class Identifierの略であり、ARPは、Allocation Retention Priorityの略である。ここで、QCI、ARPの値が小さいほど優先度(解放優先度、解放速度)が高くなるが、QCIとARPにそれぞれ所定の重みを付与して優先度を求めることとしてもよい。
【0034】
SPGW-CP110は、通知されたQCI値とARP値、および求めた解放優先度および解放速度の各情報を、図4(b)に示す優先度情報(PI)410としてメモリに記憶する。
【0035】
次に、SPGW-CP110は、優先度情報(PI)410に含まれる解放優先度と解放速度の情報をSPGW-UP120に通知する(ステップS403)。
【0036】
次に、SPGW-UP120は、SPGW-CP110から通知された解放優先度と速度の情報に基づき、CSIDをグルーピングする。SPGW-UP120は、このグルーピング時、セッション解放の単位を優先順位毎に分割したCSID分割情報(CI)190を求める。SPGW-UP120は、求めたCSID分割情報(CI)190をメモリに記憶する。
【0037】
次に、SPGW-UP120は、CSID分割情報(CI)190に基づき、U-Planeセッションを確立する(ステップS404)。この後、SPGW-UP120は、設定したCSIDをSPGW-CP110に通知する(ステップS405)。
【0038】
(2)分割されたCSID毎のセッション解放
CUPSにおいて、C-Plane/U-PlaneセッションはSPGW-CP110と、SPGW-UP120とで個別で管理していることから、セッション解放も各ノード単位で実施する。そのため、セッション解放を実施する際は、各ノード間でリソース整合が必要となる。
【0039】
図5は、分割されたCSID毎のセッション解放の処理の説明図である。図5(a)はCUPSによる分割されたCSID毎のセッション解放の説明図である。図5(b)はCSID分割情報(DI)190の例を示す図表である。
【0040】
図5(b)に示す例のCSID分割情報(DI)190では、CSIDが1,2の2つに分割されている。CSID1は、解放優先度が高く「A」、CSID2の解放優先度が低い「B」の例である。また、解放速度は、CSID1,2ともに「100」であるとする。
【0041】
図5(a)に示すように、APN#1で障害が発生したとする(ステップS501)。この場合、SPGW-UP120は、優先度(解放優先度)が高いCSID1のU-Planeセッションを削除する(ステップS502)。次に、SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、CSID1に関連するC-Planeセッション群の解放を要求する(ステップS503)。
【0042】
SPGW-CP110は、SPGW-UP120からのセッション解放要求により、C-Planeセッション群を削除する(ステップS504)。SPGW-CP110は、セッション解放を実施後、セッション解放完了通知をSPGW-UP120に通知する(ステップS505)。例えば、SPGW-CP110は、セッション解放通知の値を「CSID:0」として通知する。例えば、SPGW-CP110は、通常のセッション作成時に使用しない値「CSID:0」をセッション解放通知に用いることができる。
【0043】
このように、SPGW-CP110がセッション解放完了通知をSPGW-UP120に通知することで、C-Planeセッション解放完了を通知でき、SPGW-CP110と、SPGW-UP120間のリソース整合が行える。SPGW-UP120は、C-Planeセッションの解放完了通知を受信後、次優先度のCSID2のセッション群の削除を実施する(ステップS506)。
【0044】
(3)セッション解放時間に応じた解放速度の変更
図6図7は、セッション解放時間に応じた解放速度の変更の説明図である。SPGW-UP120は、SPGW-CP110からの解放完了通知の受信後、下記のように、実測の解放時間T1と、想定した解放時間T2とを比較する。
【0045】
解放時間[実測]T1:C-Planeセッションの削除要求の送信から完了通知を受信するまでの時間。
解放時間[想定]T2:解放速度から算出される、C-Planeセッションの解放時間。
【0046】
図6(a)は、解放時間[実測]T1算出のデータ例であり、CSID毎の削除要求送信時刻(A)、完了通知受信時刻(B)、解放時間[実測]T1(B-A)を示す。例えば、SPGW-UP120は、CSID1の削除要求送信時刻(A)を「00:00」に送信し、SPGW-CP110からセッション解放完了通知(B)を「00:02」に受信したとする。この場合、SPGW-UP120は、解放時間[実測]T1(B-A)として、「120(s)」を算出する。SPGW-UP120は、CSID毎に算出した解放時間[実測]T1のデータをメモリに保持する。
【0047】
図6(b)は、解放時間[想定]T2のデータ例であり、CSID毎のセッション数(a)、解放速度(b)、解放時間[想定]T2(a/b)を示す。例えば、SPGW-UP120は、CSID1について、セッション数(a)「10000」、解放速度(b)「100(session/s)」の場合、解放時間[想定]T2(a/b)を「100(s)」を算出する。SPGW-UP120は、CSID毎に算出した解放時間[想定]T2のデータをメモリに保持する。
【0048】
SPGW-UP120は、実測と想定の解放時間の比較結果に応じて下記1.2.いずれかの処理を行う。
【0049】
1.T1<T2の場合
SPGW-UP120は、SPGW-CP110のリソース(CPU、メモリ等)に余裕があると判断し、残セッションに関連するCSIDの解放速度を上げる。
【0050】
図7(a)に示すように、CSID1について、実測の解放時間T1が「8000(s)」、想定の解放速度T2が「10000(s)」であったとする(T1<T2)。この場合、SPGW-UP120は、図7(b)に示すように、残セッションであるCSID2の解放速度を上げる。例えば、CSID2の解放速度を「100」から「200」に変更する。解放速度を上げることで、その分セッションを早く解放させることができる。ここで、従来、APN単位でのセッション解放では、数百万台のUEが同時に解放されることとなり、負荷増大となるが、実施の形態では、APNを分割したCSID単位でセッション解放することで、負荷増大を抑えることができる。
【0051】
この後、SPGW-UP120は、SPGW-CP110への残セッション(CSID2)の削除要求時に、併せて変更後の解放速度を通知する。
【0052】
2.T1>T2の場合
SPGW-UP120は、SPGW-CP110のリソース(CPU、メモリ等)に余裕なしと判断し、残セッションに関連するCSIDの解放速度を下げる。この後、SPGW-UP120は、SPGW-CP110へのセッション(CSID2)の削除要求時に、併せて変更後の解放速度を通知する。
【0053】
(通信制御装置の機能構成例)
図8は、実施の形態にかかる通信制御装置の機能ブロック図である。通信制御装置100は、図8(a)に示すSPGW-CP110と、図8(b)に示すSPGW-UP120とで同様の機能を有する。
【0054】
図8(a)に示すSPGW-CP110は、信号処理部810、セッション管理部820、優先度制御部825、データ処理部830、セッション管理データベース(DB)841、優先度管理DB842を含む。
【0055】
信号処理部810は、対向装置との間で信号の送受信および解析を行う。信号処理部810は、例えば信号プロトコル別の処理を行うGTP(GPRS Tunneling Protocol)部811と、PFCP(Packet Forwarding Control Protocol)部812とを含む。信号処理部810は、MME150や、対向するSPGW-UP120からのセッション確立/解放要求を受信し、セッション管理部820に要求内容を通知する。
【0056】
セッション管理部820は、GTP部821と、PFCP部822とを含み、それぞれセッション情報を管理する。GTP部821とPFCP部822は、セッション数と、状態を管理する。また、PFCP部822は、CSIDを管理する。セッション管理部820は、信号処理部810や、優先度制御部825からの要求に応じ、セッション情報をデータ処理部830を経由して、セッション管理DB841への書き込み、および情報取得を行う。
【0057】
優先度制御部825は、PFCPセッションの優先制御を行う。ここで、SPGW-CP110の優先度制御部825は、セッション確立時に、データ処理部830を経由して優先度管理DB842にアクセスする。そして、優先度制御部825は、優先度管理DB842内の優先制御リストと、対向ノードから受信したQCI/ARP値を比較し、解放優先度と解放速度とを決定する。優先度制御部825は、決定した解放優先度/解放速度を、データ処理部830を経由して優先度管理DB842に書き込む。
【0058】
データ処理部830は、PFCPとGTPのセッション制御部831と、PFCPの優先制御部832とを含む。データ処理部830は、セッション管理部820および優先度制御部825からの要求に従い、セッション管理DB841および優先度管理DB842に対するデータの読み込み/書き込みを行う。
【0059】
セッション管理DB841および優先度管理DB842は、データ処理部830からの要求に従い、内部データの保持および管理を行う。セッション管理DB841は、セッションに関する情報を保持および管理する。優先度管理DB842は、優先制御情報を保持および管理する。優先度管理DB842のQCI/ARP値と、解放優先度/解放速度のマッピング情報は、事前に優先度管理DB842に登録しておく。
【0060】
図8(b)に示すSPGW-UP120は、信号処理部850、セッション管理部860、優先度制御部865、データ処理部870、セッション管理データベース(DB)881、優先度管理DB882を含む。SPGW-UP120の信号処理部850~優先度管理DB882の各機能は、図8(a)に示したSPGW-CP110の信号処理部810~優先度管理DB842と同様である。
【0061】
SPGW-UP120の優先度制御部865は、PFCPセッションの優先制御を行う。ここで、SPGW-UP120の優先度制御部865は、セッション確立時に、データ処理部870を経由し、優先度管理DB882にアクセスし、優先制御リストと受信した解放優先度/解放速度を比較し、CSIDを決定する。決定した解放優先度/解放速度は、データ処理部870を経由して優先度管理DB882に書き込む。
【0062】
(セッション確立時の処理)
図8に示した通信制御装置100のセッション確立時の処理を処理順に説明する。
【0063】
1.SPGW-CP110の処理
SPGW-CP110は、MME150からセッション作成要求(Create Session Request)を受信する。これにより、SPGW-CP110は、信号処理部810(GTP部811)でセッション確立要求を受信し、要求内容をチェックする。信号処理部810(GTP部811)は、受信したセッション確立要求の内容に異常が無ければセッション管理部820(GTP部821)に情報を通知する。
【0064】
セッション管理部820(GTP部821)は、信号処理部810(GTP部811)から情報を受信すると、データ処理部830(セッション制御部831)を介してセッション管理DB841にセッション情報を書き込む。
【0065】
次に、信号処理部810(PFCP部812)にてSPGW-UP120に対するセッション確立要求メッセージ(Session Establishment Request)を作成する。信号処理部810(PFCP部812)は、セッション確立要求メッセージの作成時、メッセージ内に付与する優先度情報を取得する。このため、信号処理部810(PFCP部812)は、優先度制御部825に対し、上記受信したGTP要求(セッション作成要求)に設定されたQCI/ARP値をキーに解放優先度と解放速度の情報を要求する。
【0066】
そして、優先度制御部825は、信号処理部810(PFCP部812)からの要求を受信すると、データ処理部830(優先制御部832)を介して優先度管理DB842にアクセスする。優先度制御部825は、受信したQCI/ARP値に対応した解放優先度と解放速度を取得し、信号処理部810(PFCP部812)に通知する。
【0067】
信号処理部810(PFCP部812)は、作成したセッション作成要求メッセージ(Session Establishment Request)に優先度制御部825から受信した解放優先度と解放速度を設定し、SPGW-UP120に送信する。信号処理部810(PFCP部812)は、解放優先度と解放速度の送信後、セッション管理部820(PFCP部822)に情報を通知する。
【0068】
セッション管理部820(PFCP部822)は、信号処理部810(PFCP部812)から情報を受信すると、データ処理部830を介してセッション管理DB841にセッション情報を書き込む。
【0069】
2.SPGW-UP120の処理
SPGW-UP120は、SPGW-CP110からセッション確立要求を受信すると、信号処理部850(PFCP部852)でセッション確立要求を受信し、内容をチェックする。信号処理部850(PFCP部852)は、セッション確立要求の内容に異常が無ければセッション管理部860(PFCP部862)に情報を通知する。
【0070】
セッション管理部860(PFCP部862)は、信号処理部850(PFCP部852)から情報を受信すると、データ処理部870を介してセッション管理DB881にセッション情報を書き込む。
【0071】
次に、信号処理部850(PFCP部852)にてSPGW-CP110に対する応答メッセージを作成する。信号処理部850(PFCP部852)は、応答メッセージの生成時、メッセージ内に付与するCSID情報を取得するために、優先度制御部865に対して解放優先度と解放速度をキーとしてCSIDの情報を要求する。
【0072】
優先度制御部865は、信号処理部850(PFCP部852)からの要求を受信すると、データ処理部870(優先制御部872)を介して優先度管理DB882にアクセスする。そして、優先度制御部865は、受信した解放優先度と解放速度に対応したCSIDを設定し、信号処理部850(PFCP部852)に通知する。
【0073】
信号処理部850(PFCP部852)は、SPGW-CP110に対する応答メッセージに、優先度制御部865から受信したCSID設定し、SPGW-CP110に送付する。また、セッション管理部860(PFCP部862)は、信号処理部850(PFCP部852)から情報を受信すると、データ処理部870を介してセッション管理DB881にセッション情報を書き込む。
【0074】
3.SPGW-CP110の処理
SPGW-CP110は、SPGW-UP120からセッション作成要求に対する応答を受信すると、信号処理部810(PFCP部812)で応答を受信し、内容をチェックする。信号処理部810(PFCP部812)は、応答の内容に異常が無ければ、セッション管理部820(PFCP部822)に情報を通知する。
【0075】
セッション管理部820(PFCP部822)は、信号処理部810(PFCP部812)から情報を受信後、データ処理部830を介してセッション管理DB841にセッション情報を書き込む。
【0076】
次に、信号処理部810(GTP部811)にてMME150に対する応答メッセージ(CreateSessionResponse)を作成し、送付する。セッション管理部820(GTP部821)は、信号処理部810(GTP部811)から情報を受信後、データ処理部830を介してセッション管理DB841にセッション情報を書き込む。
【0077】
(APN障害発生時の処理)
図8に示した通信制御装置100のAPN障害発生時の処理を処理順に説明する。
【0078】
1.SPGW-UP120の処理
SPGW-UP120は、APN障害を検知すると、信号処理部850(PFCP部852)が対向のAPN160からのエラーメッセージに基づき、APN障害を検知する。SPGW-UP120は、APN障害検知後、セッション管理部860(PFCP部862)に対して障害検知APNに紐づくセッション情報(CSID)の取得を要求する。
【0079】
セッション管理部860(PFCP部862)は、データ処理部870(セッション制御部871)を介してセッション管理DB881にアクセスする。そして、セッション管理部860(PFCP部862)は、障害検知したAPNに紐づくセッション情報(CSID)を取得し、信号処理部850(PFCP部852)に通知する。
【0080】
そして、信号処理部850(PFCP部852)は、優先度制御部865に対し、取得したセッション情報(CSID)に対応した解放優先順位情報の取得要求を行う。優先度制御部865は、データ処理部870(優先制御部872)を介して優先度管理DB882にアクセスし、セッション情報(CSID)をキーに優先順位情報を取得し、信号処理部850(PFCP部852)に通知する。
【0081】
信号処理部850(PFCP部852)は、取得した優先順位に基づいて、SPGW-CP110に対して最優先のセッション群(CSID)から、セッション削除要求(Session Set Deletion Request)を行う。
【0082】
2.SPGW-CP110の処理
SPGW-CP110は、信号処理部810(PFCP部812)でセッション削除要求を受信する。信号処理部810(PFCP部812)は、メッセージ内容をチェックし、内容に異常が無ければSPGW-UP120に応答メッセージ(Session Set Deletion Response)を生成し、返却する。
【0083】
次に、信号処理部810(PFCP部812)は、CSIDに紐づくPFCPセッション解放を行い、信号処理部810(GTP部811)に関連GTPセッション解放要求を行う。そして、信号処理部810(GTP部811)は、要求されたGTPセッションを順次解放し、解放後、セッション管理部820(GTP部821)に情報を通知する。
【0084】
次に、セッション管理部820(GTP部821)は、信号処理部810(GTP部811)から情報を受信すると、データ処理部830を介してセッション管理DB841から削除したセッションの情報を削除する。信号処理部810(GTP部811)は、信号処理部810(PFCP部812)にGTPセッション解放を通知する。そして、信号処理部810(PFCP部812)は、セッション管理部820(PFCP部822)にセッション解放の情報を通知する。
【0085】
セッション管理部820(PFCP部822)は、信号処理部810(PFCP部812)が削除したセッションの情報を削除する。信号処理部810(PFCP部812)は、SPGW-UP120にセッション削除完了を通知するために、CSID値を0としてセッション削除要求完了通知(Session Set Deletion Request)を送付する。
【0086】
3.SPGW-UPの処理
SPGW-UP120は、信号処理部850(PFCP部852)がSPGW-CP110からセッション削除完了通知(CSID:0)を受信する。このセッション削除完了通知(CSID:0)の受信時にAPN障害が継続中の場合、信号処理部850は、SPGW-CP110に対して次優先のセッション群(CSID)の削除要求(Session Set Deletion Request)を送付する。
【0087】
一方、このセッション削除完了通知(CSID:0)の受信時、APN障害が復旧している場合は、信号処理部850は、障害APNに関連するセッションの削除を中断する。そして、信号処理部850は、次優先のセッション群(CSID)削除前に、解放時間[実測]と、解放時間[想定]を優先度制御部825に通知する。
【0088】
そして、優先度制御部865は、実測と想定の解放時間の比較を行い、比較結果により、残セッション群(CSID)の解放速度を変更し、データ処理部870(優先制御部872)経由で優先度管理DB882に解放速度を書き込む。その後、優先度制御部865は、再設定した解放速度を信号処理部850(PFCP部852)に通知する。
【0089】
信号処理部850(PFCP部852)は、新たに通知された解放速度に基づいてSPGW-CP110に対し、次優先のセッション群(CSID)の削除要求(Session Set Deletion Request)を送付する。セッション管理部860(PFCP部862)は、信号処理部850(PFCP部852)から情報を受信すると、データ処理部870を介してセッション管理DB881にアクセスし、削除したセッションの情報を削除する。
【0090】
この後、信号処理部850(PFCP部852)は、APN障害が継続中の場合には、SPGW-CP110に対して次優先のセッション群(CSID)の削除要求(Session Set Deletion Request)を送付する。そして、APN障害が解消するまで、2.SPGW-CP110の処理、および3.SPGW-UP120の処理を繰り返し実施する。
【0091】
(DBの構成例)
図9は、セッション管理DBのセッション情報例を示す図表である。セッション管理DBは、セッション作成、および削除毎にセッション情報を更新する。
【0092】
図9(a)は、SPGW-CP110のセッション管理DB841のセッション情報例である。SPGW-CP110のセッション管理DB841は、user(ユーザ)別のapn、qci/arp、CSIDの値を保持する。例えば、user2は、apn「yyy」、qci「9」/arp「15」、CSID「3」である。
【0093】
図9(b)は、SPGW-UP120のセッション管理DB881のセッション情報例である。SPGW-UP120のセッション管理DB881は、user(ユーザ)別のapn、CSIDの値を保持する。例えば、user2は、apn「yyy」、CSID「3」である。
【0094】
図10は、優先度管理DBの優先度情報例を示す図表である。図10(a)は、SPGW-CP110の優先度管理DB842の優先度情報例である。優先度管理DB842には、QCI/ARP値に応じた解放優先度と解放速度が事前登録される。SPGW-CP110の優先度管理DB842は、QCI、ARP、解放優先度、解放速度(Session/s)の値を保持する。例えば、QCI「1」、ARP「6」の場合、解放優先度「A」、解放速度「1000」が登録される。
【0095】
図10(b)は、SPGW-UP120の優先度管理DB882の優先度情報例である。優先度管理DB882には、SPGW-CP110から通知されたQCI/ARP値に応じた解放優先度と解放速度を登録する。SPGW-UP120の優先度管理DB882は、セッション作成毎、およびセッション削除毎に更新される。この優先度管理DB882は、CSID毎のAPN、解放優先度、解放速度(Session/s)の値を保持する。例えば、CSID「1」には、ARP「APN#1」、解放優先度「A」、解放速度「1000」である。
【0096】
(通信制御装置のハードウェア構成例)
図11は、通信制御装置のハードウェア構成例を示す図である。通信制御装置100であるSPGW-CP110と、SPGW-UP120は、それぞれ図11に示すハードウェアにより構成できる。例えば、通信制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ1101と、メモリ1102と、ネットワークIF1103と、記録媒体IF1104と、記録媒体1105とを有する。また、各構成部は、バス1100によってそれぞれ接続される。
【0097】
ここで、プロセッサ1101は、通信制御装置100全体の制御を司る制御部である。プロセッサ1101は、複数のコアを有していてもよい。メモリ1102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMが制御プログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがプロセッサ1101のワークエリアとして使用される。メモリ1102に記憶されるプログラムは、プロセッサ1101にロードされることで、コーディングされている処理をプロセッサ1101に実行させる。
【0098】
ネットワークIF1103は、ネットワークNWと装置内部とのインタフェースを司り、他の通信装置からのデータの入出力を制御する。一方の通信制御装置100であるSPGW-CP110と、他方の通信制御装置100であるSPGW-CP110は、例えば、Sxインタフェース等のネットワークNWを介して接続される。このほか、SPGW-CP110は、S11インタフェース等のネットワークNWを介してMME150に接続される。また、SPGW-IP120は、S1-uインタフェース等のネットワークNWを介してeNB170に接続され、SGiインタフェース等のネットワークNWを介してAPN160に接続される。
【0099】
記録媒体IF1104は、プロセッサ1101の制御に従って記録媒体1105に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体1105は、記録媒体IF1104の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0100】
なお、通信制御装置100は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを、IFを介して接続可能としてもよい。
【0101】
図11に記載のプロセッサ1101は、プログラム実行により、図8に示したSPGW-CP110のセッション管理部820、優先度制御部825、データ処理部830の機能を実現できる。また、図11に記載のプロセッサ1101は、プログラム実行により、図8に示したSPGW-UP120のセッション管理部860、優先度制御部865、データ処理部870の機能を実現できる。
【0102】
また、図11に記載のネットワークIF1103は、図8に示したSPGW-CP110の信号処理部810の機能を実現できる。また、図11に記載のネットワークIF1103は、図8に示したSPGW-UP120の信号処理部850の機能を実現できる。
【0103】
また、図11に示したメモリ1102と記録媒体1104は、図8に示したSPGW-CP110のセッション管理DB841、優先度管理DB842の機能を実現できる。また、図11に示したメモリ1102と記録媒体1104は、図8に示したSPGW-UP120のセッション管理DB881、優先度管理DB882の機能を実現できる。
【0104】
(通信制御装置の処理例)
(1)CSIDの分割
図12は、CSIDの分割の処理例を示すフローチャートである。主にSPGW-CP110の処理と、関連するSPGW-UP120の処理を示す。
【0105】
はじめに、SPGW-CP110は、MME150からセッション作成要求を受信する(ステップS1201)。セッション作成要求には、QCIの値「X]、ARPの値「Y」が含まれる。
【0106】
次に、SPGW-CP110は、QCIとARP値から解放優先度と、解放速度を算出等により確定する(ステップS1202)。次に、SPGW-CP110は、解放優先度と解放速度をSPGW-UP120に通知する(ステップS1203)。例えば、解放優先度は「A」、解放速度は「100」の値を有する。
【0107】
これにより、SPGW-UP120は、通知された解放優先度と解放速度を基にCSIDを設定し、U-Planeセッションを確立する(ステップS1211)。次に、SPGW-UP120は、設定したCSIDをSPGW-CP110に通知する(ステップS1212)。
【0108】
SPGW-CP110は、SPGW-UP120からCSIDを受信すると(ステップS1204)、セッション作成要求への応答をMME150に送付し、C-Planeセッションを確立し(ステップS1205)、以上の処理を終了する。
【0109】
(2)分割されたCSID毎のセッション解放
図13は、分割されたCSID毎のセッション解放の処理例を示すフローチャートである。主に、SPGW-UP120の処理と、関連するSPGW-CP110の処理を示す。
【0110】
SPGW-UP120は、APN障害を検知したとする(ステップS1301)。すると、SPGW-UP120は、優先度管理DB882から最優先のCSIDを取得し(ステップS1302)、最優先のCSIDに紐づくU-Planeセッション群を削除する(ステップS1303)。次に、SPGW-UP120は、削除したセッション情報をDB(セッション管理DB881)から削除する(ステップS1304)。そして、SPGW-UP120は、SPGW-UP120に、最優先のCSIDに紐づくC-Planeセッション群の解放要求を行う(ステップS1305)。
【0111】
これにより、SPGW-CP110は、通知されたC-Planeセッション群を削除する(ステップS1311)。そして、SPGW-CP110は、セッション解放完了通知(例えば、CSID:0)をSPGW-UP120に送信する(ステップS1312)。
【0112】
そして、SPGW-UP120は、SPGW-CP110からセッション解放完了通知(CSID:0)を受信する(ステップS1306)。SPGW-UP120は、セッション解放完了通知(CSID:0)の受信時に、APN障害継続中か否かを判断する(ステップS1307)。SPGW-UP120は、判断結果がAPN障害継続中であれば(ステップS1307:Yes)、ステップS1308の処理に移行し、APN障害復旧であれば(ステップS1307:No)、以上の処理を終了する。
【0113】
ステップS1308では、SPGW-UP120は、APN障害に紐づく残セッションが存在するか否かを判断する(ステップS1308)。SPGW-UP120は、判断結果、残セッションがあれば(ステップS1308:Yes)、ステップS1302の処理に戻り、残セッションが無ければ(ステップS1308:No)、以上の処理を終了する。
【0114】
(3)セッション解放時間に応じた解放速度の変更
図14は、セッション解放時間に応じた解放速度の変更の処理例を示すフローチャートである。主に、SPGW-UP120の処理と、関連するSPGW-CP110の処理を示す。
【0115】
はじめに、SPGW-UP120は、SPGW-CP110からの解放完了通知を受信すると(ステップS1401)、APN障害継続中であるか否かを判断する(ステップS1402)。SPGW-UP120は、APN障害が継続中であれば(ステップS1402:Yes)、ステップS1403の処理に移行し、APN障害復旧時であれば(ステップS1402:No)、以上の処理を終了する。
【0116】
ステップS1403では、SPGW-UP120は、APN障害に紐づく残セッションが存在するか否かを判断する(ステップS1403)。SPGW-UP120は、APN障害に紐づく残セッションが存在していれば(ステップS1403:Yes)、ステップS1404の処理に移行し、APN障害に紐づく残セッションが存在しなければ(ステップS1403:No)、以上の処理を終了する。
【0117】
ステップS1404では、SPGW-UP120は、解放時間[実測]と解放時間[想定]とを比較する(ステップS1404)。SPGW-UP120は、比較の結果、解放時間[実測]>解放時間[想定]であれば(ステップS1404:Case1)、ステップS1405の処理に移行する。一方、解放時間[実測]<解放時間[想定]であれば(ステップS1404:Case2)、SPGW-UP120は、ステップS1406の処理に移行する。
【0118】
ステップS1405では、SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、解放速度を高速に変更通知する(ステップS1405)。この際、SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、残セッションの中で最優先のCSIDに紐づくC-Planeセッション群の削除要求を行う。
【0119】
一方、ステップS1406では、SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、解放速度を低速に変更通知する(ステップS1406)。この際、SPGW-UP120は、SPGW-CP110に対し、残セッションの中で最優先のCSIDに紐づくC-Planeセッション群の削除要求を行う。
【0120】
ステップS1405またはステップS1406による解放速度の変更通知の実行後、SPGW-CP110は、C-Planeセッション群を削除する(ステップS1411)。そして、SPGW-CP110は、セッション解放完了通知(CSID:0)をSPGW-UP120に送信する(ステップS1412)。これにより、通信制御装置100全体としての処理は、ステップS1401(SPGW-UP120におけるSPGW-CP110からの解放完了通知の受信待ち)に戻る。
【0121】
(通信制御システム全体のシーケンス)
図15A図15Cは、通信制御装置を含む通信制御システム全体の処理例のシーケンス図である。これら図15A図15Cを用いて、通信制御装置100を含む通信制御システム全体の処理例について説明する。これらのシーケンス図には、主に、通信制御システムを構成する通信制御装置100(SPGW-CP110、SPGW-UP120)と、MME150との間で送受する通信コマンド例を記載してある。
【0122】
図15A図15Bは、分割されたCSID毎のセッション解放の処理を示すシーケンス図である。はじめに、MME150は、セッション作成要求(Create Session Request)をSPGW-CP110に送信する(ステップS1501)。これにより、SPGW-CP110は、QCIとARP値からセッションの解放優先度と解放速度を算出し、解放優先度と解放速度をSession Establishment RequestでSPGW-UP120に通知する(ステップS1502)。
【0123】
SPGW-UP120は、通知された解放優先度と解放速度を基にCSIDをグルーピングし(ステップS1503)、U-Planeセッションを確立する。そして、SPGW-UP120は、設定したCSIDをSession Establishment ResponceでSPGW-CP110に通知する(ステップS1504)。
【0124】
SPGW-CP110は、SPGW-UP120からのCSIDの受信により、セッション作成要求への応答(Create Session Responce)をMME150に送信し(ステップS1505)、C-Planeセッションを確立する。
【0125】
このセッション確立の際、MME150は、Modify Bearer RequestをSPGW-CP110に送信する(ステップS1506)。そして、SPGW-CP110は、Session Modification RequestをSPGW-UP120に送信する(ステップS1507)。SPGW-UP120は、Session Modification ResponceをSPGW-CP110に送信する(ステップS1508)。そして、SPGW-CP110は、Modify Bearer ResponceをMME150に応答する(ステップS1509)。
【0126】
この後、APN障害が発生し、SPGW-UP120がAPN障害を検知したとする。この場合、図15Bに示すように、SPGW-CP110とSPGW-UP120との間で処理を行う。
【0127】
はじめに、SPGW-UP120は、優先度高のCSIDに紐づくU-Planeセッションを削除する(ステップS1510)。そして、SPGW-UP120は、優先度高のCSIDに紐づくC-Planeセッション群の解放要求(Session Set Deletion Request)をSPGW-CP110に送信する(ステップS1511)。
【0128】
SPGW-CP110は、Session Set Deletion ResponceをSPGW-UP120に送信し(ステップS1512)、優先度高のCSIDに紐づくC-Planeセッションを削除する(ステップS1513)。そして、SPGW-CP110は、セッション解放完了通知(Session Set Deletion Requestに(CSID:0)を設定し、SPGW-UP120に送信する(ステップS1514)。
【0129】
SPGW-UP120は、セッション解放完了通知の応答(Session Set Deletion Responce)をSPGW-CP110に送信する(ステップS1515)。以上の処理がAPN障害時に行う、CSID単位(例えば、CSID1)のセッション削除シーケンス1である。
【0130】
ここで、SPGW-UP120は、APN障害継続中か否かを判断し、APN障害継続中であれば、APN障害に紐づく残セッションがあれば残セッションに対し、CSID単位のセッション削除シーケンス2を実施する。
【0131】
CSID単位(例えば、CSID2)のセッション削除シーケンス2(ステップS1520~ステップS1525)は、基本的にCSID単位(例えば、CSID1)のセッション削除シーケンス1(ステップS1510~ステップS1515)と同様である。また、SPGW-UP120は、解放時間[実測]と[想定]とを比較し(ステップS1516)、比較結果に応じた解放速度の変更(図14参照)の処理を行う。その後、CSID単位のセッション削除シーケンス2のステップS1520では、SPGW-UP120は、次優先度CSIDに紐づくU-Planeセッションの削除を行う。また、ステップS1521では、SPGW-UP120は、優先度高のCSIDに紐づくC-Planeセッション群の解放要求と、変更後の解放速度と、をSPGW-UP120に送信する。
【0132】
同様に、CSID単位のセッション削除シーケンス2の後、SPGW-UP120は、解放時間[実測]と[想定]とを比較する処理(ステップS1526)を行う。また、SPGW-UP120は、残セッションがあれば、次優先度CSID単位のセッション削除シーケンス3相当の処理(ステップS1530)を、APN障害の期間中継続して繰り返し実施する。
【0133】
図15Cは、APN障害復旧時の処理を示すシーケンス図である。図15Cにおいて、APN障害発生までの処理(ステップS1501~A1509)は、図15Aと同様である。また、ANP障害の発生後におけるCSID単位のセッション削除の処理(ステップS1510~ステップS1515)は、図15Bと同様である。
【0134】
そして、APN障害の発生により、CSID単位のセッション削除の処理、例えば、CSID1のセッション削除を行っている期間中にAPN障害が復旧したとする。この場合、SPGW-UP120は、次優先度高CSID(例えば、CSID2)に紐づくU-Planeセッションを削除しない。例えば、SPGW-UP120は、図15Bに示したCSID単位(例えば、CSID2)のセッション削除シーケンス2(ステップS1520~ステップS1525)を実行しない。これにより、次優先度高CSID2に紐づくU-Planeセッションが継続利用可能となる(ステップS1540)。
【0135】
以上説明した実施の形態の通信制御装置100は、セッション解放の優先度/速度を元にCSIDを複数に分割することで、セッション解放の単位をAPN単位ではなく、APNに収容されるCSIDを小分けした単位にできる。そして、通信制御装置100は、APN障害時、分割したCSIDの優先度順にセッション解放する。よって、APN障害からの復旧時には、CSID単位のセッション解放を中断することが可能となる。そして、呼処理を行う第1ノード(SPGW-CP)と、データ転送処理を行う第2ノード(SPGW-UP)とを分離し、例えば、CPは中央に集約し、UPは端末の近くに分散する等が可能となり、仮想化数の増加や、装置数を増やすスケールアップによって、処理能力向上や、ユーザデータの転送数を増加できるようになる。
【0136】
なお、本発明の実施の形態で説明した通信制御方法は、予め用意されたプログラムを通信制御装置のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本方法は、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0137】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0138】
(付記1)APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御方法において、
前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする通信制御方法。
【0139】
(付記2)前記優先度は、セッション作成要求時に通知される通信品質に基づき設定する、
ことを特徴とする付記1に記載の通信制御方法。
【0140】
(付記3)前記通信品質は、MME(Mobility Management Entity)から通知されるQCI(QoS Class Identifier)とARP(Allocation Retention Priority)であり、前記QCIとARPとに基づき、セッション解放の解放優先度と解放速度とを算出する、
ことを特徴とする付記2に記載の通信制御方法。
【0141】
(付記4)セッション解放時の実測の解放時間と想定の解放時間との差分に基づき、セッション未解放の残セッションに対するセッション解放の解放速度を変化させる、
処理を含むことを特徴とする付記1に記載の通信制御方法。
【0142】
(付記5)呼制御を行う第1ノードと、
前記第1ノードにインタフェースを介して接続され、データ転送制御を行う第2ノードと、を含む通信制御装置の通信制御方法において、
前記第2ノードは、APN(Access Point Name)に収容されるCSIDを複数に分割し、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション解放の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、APN障害の検知時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
前記第2ノードは、前記APN障害からの復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度以降の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【0143】
(付記6)前記第2ノードは、前記第1ノードに対する前記CSID単位の削除要求の送信時刻から、セッション削除の完了通知を前記第1ノードから受信するまでの想定時間を計算しておき、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション削除の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、セッション削除にかかった実測時間を計測し、当該実測時間と前記想定時間との比較結果に基づき、次の優先度で解放要求するセッション解放要求に、変更後のセッション解放の解放速度を設定して前記第1ノードへ通知し、
前記第2ノードは、通知された解放速度を目標に次回以降の解放速度を決定し、次の優先度のCSIDのセッション解放を実施し、APN障害の復旧以降は、次の優先度以降のセッション解放を中断する、
ことを特徴とする付記5に記載の通信制御方法。
【0144】
(付記7)APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御プログラムにおいて、
前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【0145】
(付記8)APN(Access Point Name)の呼制御を行う通信制御装置において、
前記APNに収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
APN障害時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
APN障害復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
処理部を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【0146】
(付記9)呼制御を行う第1ノードと、
前記第1ノードにインタフェースを介して接続され、データ転送制御を行う第2ノードと、を含み、
前記第2ノードは、APN(Access Point Name)に収容されるCSID(PDN Connection Set Identifier)を複数に分割し、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション解放の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、APN障害の検知時、前記CSID単位で優先度順にセッション解放し、
前記第2ノードは、前記APN障害からの復旧時、セッション未解放の残セッションがある場合、次の優先度以降の前記CSIDに対するセッション解放を中断する、
ことを特徴とする通信制御装置。
【0147】
(付記10)前記第2ノードは、前記第1ノードに対する前記CSID単位の削除要求の送信時刻から、セッション削除の完了通知を前記第1ノードから受信するまでの想定時間を計算しておき、
前記第1ノードは、前記第2ノードからのセッション解放要求を受信してセッションの解放を実施後、前記第2ノードに対してセッション削除の処理完了を通知し、
前記第2ノードは、セッション削除にかかった実測時間を計測し、当該実測時間と前記想定時間との比較結果に基づき、次の優先度で解放要求するセッション解放要求に、変更後のセッション解放の解放速度を設定して前記第1ノードへ通知し、
前記第2ノードは、通知された解放速度を目標に次回以降の解放速度を決定し、次の優先度のCSIDのセッション解放を実施し、APN障害の復旧以降は、次の優先度以降のセッション解放を中断する、
ことを特徴とする付記9に記載の通信制御装置。
【符号の説明】
【0148】
100 通信制御装置
110 SPGW-CP
120 SPGW-UP
150 MME
160 APN
170 eNB
180 UE
810,850 信号処理部
820,860 セッション管理部
825,865 優先度制御部
830,870 データ処理部
841,881 セッション管理DB
842,882 優先度管理DB
1101 プロセッサ
1102 メモリ
1103 ネットワークIF
1105 記録媒体
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
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図14
図15A
図15B
図15C