(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030198
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】災害時避難喚起ボード
(51)【国際特許分類】
G09F 7/02 20060101AFI20240229BHJP
G09F 7/08 20060101ALI20240229BHJP
G09F 7/14 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G09F7/02 G
G09F7/08
G09F7/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022132845
(22)【出願日】2022-08-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】522336731
【氏名又は名称】株式会社上田商事
(74)【代理人】
【識別番号】100149696
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】上田 嘉夫
(57)【要約】
【課題】災害時に避難を喚起する技術を提供する。
【解決手段】災害時避難喚起ボード(1)は、板状のボード本体(10)を有し、ボード本体(10)の表側の面において、複数の災害種のうち対象住居が被災する可能性のある一以上の災害種を戸別に災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で提示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のボード本体を有し、対象住居に設置される災害時避難喚起ボードであって、
前記ボード本体の表側の面において、複数の災害種のうち前記対象住居が被災する可能性のある一以上の災害種を戸別に災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で提示する、
災害時避難喚起ボード。
【請求項2】
前記ボード本体に設けられており、複数の災害種カードの一枚を前記ボード本体の表側から着脱自在にそれぞれ支持可能な複数のカード支持部、
を更に備え、
前記複数の災害種カードの各々は、表側の面の背景色が災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色でそれぞれ着色されている、
請求項1に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項3】
前記カード支持部は、
前記カード本体の表側の主面に対して窪んだ凹部と、
前記凹部の底面が、前記凹部の開口よりも大きく、前記主面の背側に入り込むように設けられていることで、前記主面と該底面との間に形成された間隙部と、
を含み、
前記凹部の開口の縦方向の長さが、前記災害種カードの縦方向の長さよりも小さく、
前記間隙部は、前記凹部における縦方向の上方及び下方にそれぞれ設けられており、
上方の前記間隙部のほうが下方の前記間隙部よりも縦方向の長さが長くなっており、
前記間隙部に前記災害種カードの少なくとも上辺縁部及び下辺縁部を挿入した状態で前記災害種カードを支持する、
請求項2に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項4】
前記ボード本体は、表側の主面を形成する表側紙層、裏面を形成する裏側紙層、及び該表側紙層と該裏側紙層との間で該表側紙層及び該裏側紙層に接着されている中間紙層が積層されてなり、
前記表側紙層及び前記中間紙層は、前記複数のカード支持部の前記凹部を形成する複数の貫通孔をそれぞれ有しており、
前記裏側紙層は、前記中間紙層に接着される表側の面で前記凹部の底面を形成し、
前記中間紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さが前記表側紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さよりも長くなっている、
請求項3に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項5】
前記複数のカード支持部の各々の前記凹部の底面から前記ボード本体の裏面まで貫通する複数の操作孔を更に備え、
前記複数の操作孔の各開口は、前記凹部の開口よりも小さくかつユーザの手指を挿入可能な大きさをそれぞれ有しており、前記凹部の開口の中央部にそれぞれ配置されている、
請求項3に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項6】
前記ボード本体の表側の主面の背景色は、前記複数のカード支持部の前記凹部の底面とは異なる色とされており、
前記複数のカード支持部の前記凹部の底面は、白色以外の色とされている、
請求項3に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項7】
前記ボード本体の上部中央に設けられており、他部材を介して前記ボード本体を前記対象住居に着脱自在に取り付け可能とする取付孔、
を更に備え、
前記ボード本体は、紙製の縦長形状を有しており、
前記複数のカード支持部は、前記ボード本体の表側の主面に縦方向に一列に並んで設けられている、
請求項2に記載の災害時避難喚起ボード。
【請求項8】
前記災害種カードは、
表側の面に、該災害種カードの前記背景色とは異なる色の領域であって避難先を含む避難情報を提示可能な情報提示領域を有しており、
裏面の背景色が前記情報提示領域と同じ色とされており、裏側の面に、日付、電話番号及び氏名を含む防災担当者情報を提示可能な領域を有している、
請求項2から7のいずれか一項に記載の災害時避難喚起ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時に避難を喚起するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全国各地で自然災害が多発し、甚大な被害が生じている。台風や豪雨、地震等に伴う土砂災害、洪水、浸水等の被害が毎年のように発生しており、大規模な地震、津波により未曾有の被害を生じさせた東日本大震災も記憶に新しいところである。
【0003】
このような災害の頻発から各地では防災のための各種試みが行われている。例えば、自治体等では災害種ごとのハザードマップが作成されている。ハザードマップでは、災害の危険性のある地域が地図上で示されている。
【0004】
また、下記特許文献では、設置済みの道路標識に事後的に取り付け可能であって道路標識の視認性の向上と災害発生時の通知とを両立する避難警告付標識照明装置が提案されている。この装置は、標識面を照射する標識照射部と、災害発生時に警告を発する警告発光部とを備えており、警告発光部が、災害発生時に災害の種類に応じた輝度、色度、発光態様の少なくとも一つで発光することで道路標識を視認する視認者へ災害発生を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
災害時には、テレビやラジオ、防災無線、有線放送等、様々な手段で災害情報が通知される。上述の特許文献1の装置も災害情報の通知手段の一つである。また、上述したとおり、ハザードマップを配布して災害危険性の認知促進を図る自治体もある。
【0007】
ところが、各種手段を使って災害情報の通知や避難の呼びかけが行われても、実際の避難行動につながらない場合も少なくない。
本発明者らは、調査等を行うことにより、正常性バイアスが悪い方向に働くことや当事者意識の希薄さが上述のような実態の主な原因であることを見出し、「避難をしなければならないのはあなたですよ!」と指差しされているような心持ちを持たせることが必要であり、これにより避難行動を喚起できると考えた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、災害時に避難を喚起する技術を提供する。
本発明における「災害」とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害、即ち自然災害を主に示すが、原子力発電所や化学工場等の事故等による放射線災害や化学災害、火災のような人的災害も含む広い意味で用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、板状のボード本体を有し、対象住居に設置される災害時避難喚起ボードであって、ボード本体の表側の面において、複数の災害種のうち当該対象住居が被災する可能性のある一以上の災害種を戸別に災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で提示する災害時避難喚起ボードが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、災害時に避難を喚起する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】災害種カードが装着された状態の本実施形態に係る災害時避難喚起ボードを表側から視た図である。
【
図2】災害種カードが装着されていない状態の本実施形態に係る災害時避難喚起ボードを表側から視た図である。
【
図4】本実施形態における災害種カードを示す図である。
【
図5】災害種カードをボード本体に装着する手順を示す図である。
【
図6】本実施例における災害時避難喚起ボードの設計図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0013】
本実施形態の詳細を説明する前に、まずは、本実施形態の概要を説明する。
本実施形態に係る災害時避難喚起ボード(以降、本ボードと略称される場合もある)は、板状のボード本体を有し、対象住居に設置される。例えば、本ボードは、各住居に一つずつ配布され設置される。
ここでの「対象住居」とは本ボードが設置された住居を意味する。
【0014】
本ボードは、ボード本体の表側の面において、複数の災害種のうち本ボードが設置された住居(対象住居)が被災する可能性のある一以上の災害種を戸別に災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で提示する。
【0015】
ここでの「災害種」とは、個々の災害の種類を意味し、例えば、土砂災害、洪水、浸水、津波、高潮、噴火、放射線(放射能)災害、化学災害等のような相互に異なる災害の種類のうちの一つを意味する。但し、一つの災害種の範囲については限定されない。例えば、洪水、浸水等のように共通の自然現象により生じ得る類似の災害種については一つの災害種として扱われてもよい。
また、本ボードで対象とされる「複数の災害種」としては、各住居の立地環境によって各住居の被災可能性を前もって予測可能な災害種が適しており、例えば、土砂災害、洪水、浸水、津波、高潮、噴火、放射線(放射能)災害、化学災害等が好適である。一方で、暴風、豪雨、豪雪、台風や線状降水帯、竜巻等のように各住居の立地環境によっては被災可能性が前もって予測困難な災害種は不適となる場合がある。
【0016】
「戸別に提示する」とは、ハザードマップのように多数の住居等に対して被災する可能性のある災害種をまとめて提示する形態とは区別する意図であり、本ボードが設置された対象住居のみに対してその住居が被災する可能性のある災害種のみを提示することを意味する。
【0017】
各災害種に対応する色は、災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色であればよく、その具体的な色は限定されない。但し、人の色覚多様性(色覚特性)に対応可能となるような色に決められることが望ましい。
【0018】
色による提示形態には様々な形態がある。例えば、詳細は後述するが、本実施形態のように、表側の面の背景色が災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色でそれぞれ着色されているカード(災害種カード)を利用する形態がある。また、発光体(LED等)や表示装置を各災害種に対応する色で発光させる形態もある。
但し、本カードは、多くの住居に常時設置されることが望ましく、かつ災害時であっても確実に災害種を色で提示していることが望ましいため、製造コストや稼働コストが低くかつ壊れ難いことが望まれる。このため、可能な限り電気等のエネルギーを使わない形態が望ましい。
【0019】
本ボードをボード本体の表側の面が視認可能となるように住居に設置しておくことで、常に、その住居が被災する可能性のある一以上の災害種が各災害種に対応する色で提示されることになる。これにより、暮らしの中で自然に本ボードが目に入るため、住人は、自然と自身にとって被災可能性のある災害種を色で把握することになる。
結果、災害時には「赤色の住民の方々は避難してください」というように災害種に対応する色を指定して避難を呼び掛けることで、指定された色を被災可能性のある災害種の色として把握している住人にとって指差しされているような心持ちとなり、当事者意識が高まることから、住人に避難を喚起することができる。
なお、本ボードの好ましい運用方法の例については後述する。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る災害時避難喚起ボード(本ボード)1及び災害種カード(以降、カードと略称する場合もある)5の詳細を説明する。
図1は、災害種カード5が装着された状態の本実施形態に係る災害時避難喚起ボード1を表側から視た図であり、
図2は、災害種カード5が装着されていない状態の本実施形態に係る災害時避難喚起ボード1を表側から視た図であり、
図3は、
図2のA-A線で切断した断面図である。
【0021】
本明細書では、本ボード1の想定設置状態を基準にして本ボード1及びカード5に対する各方向を指し示すこととする。また、想定設置状態の本ボード1にカード5が装着された状態を基準にしてカード5に対する各方向を指し示す。
具体的には、想定設置状態に基づいて、本ボード1の壁側(壁面と対向する側)を本ボード1の「裏側」と表記し、その反対側を本ボード1の「表側」と表記し、本ボード1の表裏方向を「厚み方向」と表記し、本ボード1の上下方向を「上下方向」又は「縦方向」と表記し、左右方向を「左右方向」又は「横方向」と表記する。カード5における「表側」、「裏側」、「厚み方向」、「上下方向」、「縦方向」、「左右方向」及び「横方向」は、カード5が本ボード1に装着された状態に基づいて本ボード1と同様の方向を指し示す。
【0022】
[災害時避難喚起ボード]
本実施形態において災害時避難喚起ボード1は、薄板状のボード本体10を有しており、そのボード本体10の表側に、表側の面の背景色が災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色でそれぞれ着色されている災害種カード5を装着することにより、対象住居が被災する可能性のある一以上の災害種を色で提示する。
まずは、本ボード1の詳細について以下に説明することとする。
【0023】
ボード本体10は、薄板状であればよく、その表側の主面及び裏側の主面(裏面とも表記される)の形状は、
図1等に例示される形状に限定されない。
本実施形態においてボード本体10は、
図1等に示されるように薄板状で縦長形状を有しており、ボード本体10の上部中央には取付孔18が一つだけ設けられている。取付孔18は、ボード本体10を厚み方向に貫通しており、他部材を介してボード本体10を住居に着脱自在に取り付け可能としている。例えば、住居の壁面、扉面等に取り付けられたフックを取付孔18に通し掛けることで、本ボード1を住居の壁面、扉面等にぶら下げるようにして設置することができる。他部材は、フックのみに限られず、画鋲のようなピンであってもよいし、ストラップ、バックル、紐状体、帯状体等であってもよい。
【0024】
このようにボード本体10を薄板状で縦長形状とし、その上部中央に取付孔18を設けることで、本ボード1を住居の壁面、扉面等に他部材で引っ掛けてぶら下げるようにして取り付けることができる。置き型とした場合には、設置場所が限られること、地震等によって倒れ易いこと、邪魔になり他の置物に取り替えられ易いこと等のようなデメリットがあるところ、本実施形態によれば、本ボード1を住居内のどこにでも設置し易くなる等、上述のようなデメリットをすべて解消することができる。
即ち、本実施形態によれば、本ボード1を住人の目に留まり易い住居の出入口等に長い間設置することも容易となり、本ボード1が提示する被災可能性のある災害種の色を住人に常に認識させるようにすることができる。
このように取付孔18を使って住居の壁面、扉面等にぶら下げ設置している状態が上述の「想定設置状態」となる。
【0025】
本実施形態では、取付孔18は、ボード本体10の上部中央に一つだけ設けられたが、ボード本体10の上部の左右の端に2つ設けられてもよいし、中央と左右の3つ設けられてもよい。また、取付孔18は、ボード本体10に貫設されてなくてもよく、ボード本体10に付設された部材に設けられていてもよい。
【0026】
ボード本体10には、複数のカード5の一枚をボード本体10の表側から着脱自在にそれぞれ支持可能な複数のカード支持部11が設けられている。
複数のカード支持部11が設けられているのは、複数の災害種に被災する可能性のある住居も存在し得るからである。対象住居ごとに被災する可能性のある災害種に応じて一つ又は複数のカード5がカード支持部11に装着される。カード5を装着する必要のない残りのカード支持部11には、何も装着されなくてもよいし、災害種を示さない残余カードが装着されてもよい。残余カードは、例えば、災害種カード5と同形状とされ、災害種を示す色以外の色(例えば白色)の背景色とされる。
図1の例では、「土砂災害」を示すカード5a、「洪水・浸水」を示すカード5b、「津波」を示すカード5c、「放射能災害」を示すカード5d、及び残余カード5eがボード本体10に装着されている。なお、
図1では、図面の制約から各カード5の背景色の違いがパターン柄で示されている。
【0027】
また、カード5が表側から着脱自在に支持されることにより、カード5の着脱操作が容易となる。カード5の着脱操作の必要性については本ボード1の好ましい運用方法として後述する。
一方、カード5をボード本体10の側面からスライド挿入する形態も考えられるが、この形態では、ボード本体10の揺れ等により、側面からカード5が滑り落ちてしまう可能性が高まる。
【0028】
本実施形態では、5つのカード支持部11がボード本体10の表側の主面に縦方向に一列に並んで設けられている。
このようなカード支持部11の配置により、ボード本体10を横幅を狭くし縦長形状にすることができるため、想定設置状態において本ボード1の安定性を高めることができる。
【0029】
本実施形態におけるカード支持部11は、
図3に示されるように、ボード本体10の表側の主面に対して窪んだ凹部110と、凹部110の底面112が凹部110の開口よりも大きく、ボード本体10の表側の主面の背側に入り込むように設けられていることで、当該主面と底面112との間に形成された間隙部とを有している。
凹部110の開口111は、ボード本体10の表側の主面に開設されたカード5と略同形状の開口であり、その開口111の縦方向の長さは、カード5の縦方向の長さよりも小さくなっている。本実施形態では、カード5は、薄い略矩形の形状を有しており、横長の状態でボード本体10に装着される(カード支持部11に支持される)ため、カード5の縦方向の長さはカード5の短辺の長さに該当する。但し、カード5が縦長の状態でボード本体10に装着される形態では、カード5の縦方向の長さはカード5の長辺の長さに該当することになる。
【0030】
カード支持部11の間隙部は、凹部110の底面112と、凹部110の壁面113と、凹部110の側壁面とにより画定された空間である。壁面113は、ボード本体10の表側の主面の背側に該主面と厚み方向反対向きに形成されており、底面112と対向する。凹部110の側壁面は、底面112の周縁から延び壁面113の縁と連接する。
当該間隙部は、本実施形態において、凹部110における縦方向の上方及び下方にそれぞれ設けられており、上方の間隙部が上方間隙部114と表記され、下方の間隙部が下方間隙部115と表記される。
カード支持部11は、上方間隙部114にカード5の上辺縁部が挿入され下方間隙部115にカード5の下辺縁部が挿入された状態でカード5を支持することができる。具体的には、カード支持部11は、上方間隙部114及び下方間隙部115の壁面113と底面112とでカード5を厚み方向に挟持し、凹部110の下方の側壁面でカード5を下方から支持する。
このようなカード支持部11の支持構造により、カード5を表側から着脱自在とすることができ、更に、強固に支持し本ボード1の落下や揺れによってカード5がボード本体10から外れてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0031】
更に、本実施形態では、
図3に示されるように、上方間隙部114のほうが下方間隙部115よりも縦方向の長さが長くなっている。
これにより、カード5が簡単に外れないようにカード支持部11に強固に支持させることができると共に、ボード本体10へのカード5の着脱操作を容易にすることができる。この着脱操作の詳細については後述する。
【0032】
但し、カード支持部11によるカード5の支持構造は、本実施形態の構造に限定されない。例えば、カード5又はカード支持部11に設けられた磁石の磁力により、カード支持部11はカード5を着脱自在に支持するようにしてもよい。
また、カード支持部11は、面ファスナ或いはテープ等の粘着剤によりカード5を着脱自在に支持するようにしてもよい。
【0033】
更に、本実施形態では、ボード本体10に複数の操作孔118が設けられている。
操作孔118はカード支持部11と同数分設けられており、各操作孔118は、各カード支持部11の凹部110の底面112からボード本体10の裏面までボード本体10の厚み方向に貫通する貫通孔である。また、各操作孔118の開口は、各凹部110の開口よりも小さくかつユーザの手指を挿入可能な大きさをそれぞれ有しており、各凹部110の開口の中央部にそれぞれ配置されている。
この操作孔118によれば、ボード本体10へのカード5の着脱操作を容易にすることができる。この着脱操作の詳細については後述する。
本実施形態において操作孔118の開口は円形に形成されているが、その開口の形状は、ユーザの一本以上の手指を挿入することができるのであれば、円形のみに制限されず、楕円形や矩形であってもよい。
【0034】
本実施形態では本ボード1はすべて紙製である。
これにより製造コストを低減し、軽量化を実現している。軽量化により本ボード1の設置場所の制限をなくすことができ、かつ想定設置状態における本ボード1の安定性を高めることができる。
より具体的には、本実施形態におけるボード本体10は、
図3に示されるように、表側の主面を形成する表側紙層101、裏面を形成する裏側紙層105、及び表側紙層101と裏側紙層105との間でそれらに接着されている中間紙層103が積層されることで形成されている。表側紙層101、中間紙層103及び裏側紙層105はそれぞれ一枚の紙シートで形成されていてもよいし、それぞれ複数枚の紙シートで形成されていてもよい。
【0035】
また、本実施形態において、表側紙層101及び中間紙層103は、複数のカード支持部11の凹部110を形成する複数の貫通孔をそれぞれ有しており、裏側紙層105は、中間紙層103に接着される表側の面でカード支持部11の凹部110の底面112を形成している。そして、中間紙層103の各貫通孔の開口の縦方向の長さが表側紙層101の各貫通孔の開口の縦方向の長さよりも長くなっている。
本実施形態では、このような表側紙層101、中間紙層103及び裏側紙層105の積層構造により、カード支持部11の凹部110及び間隙部(上方間隙部114及び下方間隙部115)が形成されている。具体的には、表側紙層101及び中間紙層103の各貫通孔によりカード支持部11の凹部110が形成され、表側紙層101と中間紙層103との各貫通孔の開口の縦方向の長さの違いによりカード支持部11の間隙部が形成されている。
更に、裏側紙層105は、各操作孔118をそれぞれ形成する複数の貫通孔を有している。操作孔118を形成する各貫通孔は、裏側紙層105を厚さ方向にそれぞれ貫通している。
このように本実施形態によれば、カード支持部11及び操作孔118を簡易な製造工程により形成することができるため、製造コストを低減させることができる。
【0036】
また、表側紙層101、中間紙層103及び裏側紙層105は、次のような厚みとされることが好ましい。即ち、表側紙層101及び中間紙層103はそれぞれカード5よりも厚く、裏側紙層105は表側紙層101及び中間紙層103を合わせた厚さよりも厚いことが好ましい。
中間紙層103をカード5よりも厚くすることにより、間隙部にカード5を挿入し易くすることができる。また、表側紙層101をカード5よりも厚くすることによりボード本体10の表側の強度を上げることができる。更に、裏側紙層105を上述のように最大の厚みとすることにより表側紙層101に或る程度の柔軟性を持たせながら底面112の強度を上げることに繋がり、ひいては、カード支持部11に対するカード5の着脱操作を行い易くすることができる。
【0037】
本ボード1の色、特にボード本体10の表側の主面の色は、カード5を視認し難くしなければ特に制限されないが、次のような色とされることが好ましい。
即ち、ボード本体10の表側の主面の背景色は、複数のカード支持部11の凹部110の底面112とは異なる色とされ、当該底面112は、白色以外の色とされていることが好ましい。
ここで「ボード本体10の表側の主面の背景色」とは、ボード本体10の表側の主面の主たる色を意味し、当該主面の色の中で最も広い領域を占める色(主たる色)を意味する。
【0038】
カード支持部11の底面112は、カード5又は残余カードが装着されていない場合に表側に露出し、それらカードが装着されている場合には表側に露出されない。一方で、残余カードは白色とされる可能性がある。このため、底面112を白色以外の色としかつボード本体10の表側の主面の背景色とも異なる色とすることで、カード支持部11に何らかのカードが装着されているか否かを把握し易くすることができる。
例えば、ボード本体10の表側の主面の背景色は、住居のインテリアに馴染み易くするためにクリーム色とし、底面112は灰色とされる。なお、底面112は見栄えをよくするために黒色以外の色とされることが好ましい。
【0039】
[災害種カード]
次に、本実施形態における災害種カード5の詳細について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態における災害種カード5を示す図であり、
図4(a)は災害種カード5の表側の面を示しており、
図4(b)は災害種カード5の裏側の面(裏面)を示している。
カード5は、略矩形の形状を有しており、横長の状態でボード本体10に装着される。また、災害種カード5は、表側の面の背景色が災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で着色されている。
図4(a)で示されるカード5aの表側の面の背景色は、災害種「土砂災害」を示す色として予め決められた色とされている。
ここで、カード5の「表側の面の背景色」とは、カード5の表側の面の主たる色を意味し、当該表側の面の色の中で最も広い領域を占める色(主たる色)を意味する。
本実施形態によれば、対象住居で被災可能性のある災害種の色を背景色とする一以上のカード5がボード本体10に装着されることで、被災可能性のある災害種が色で提示されることになる。
【0040】
更に、本実施形態においてカード5は、一つの災害種を示す文字列(
図4(a)の例では「土砂災害」)を背景色とは異なる色で表示している。これにより、本実施形態によれば、色だけではなく、文字表記によっても被災可能性のある災害種が提示されるため、住人に災害種をより容易に把握させることができる。
なお、災害種を示す文字列は、背景色との関係で見え難くなる色ではなく、色覚多様性にも対応可能な色とされる。
【0041】
また、カード5は、
図4(a)に示されるように、表側の面に、その背景色とは異なる色の領域であって避難先を含む避難情報を提示可能な情報提示領域51を有している。本実施形態では、情報提示領域51は、避難場所を書き込み可能に白色とされている。但し、情報提示領域51における避難場所の提示方法は、書き込みに限られず、避難場所を表示するシールの貼付等であってもよい。
また、本実施形態において情報提示領域51は、災害種を示す文字列の下方であって縦方向の中央より下方の位置に設けられており、横長の帯状にカード5の左右に亘って設けられている。
このようにカード5の表側の面に情報提示領域51を設けることにより、被災可能性のある災害種を色で提示しながら、その色に対応する災害時の避難場所を提示することもできる。結果、住人に被災可能性のある災害種を把握させると共に対応する避難場所も合わせて把握させることができ、ひいては、避難を喚起することができる。
【0042】
カード5の裏面は、背景色が情報提示領域51と同じ色とされており、日付、電話番号及び氏名を含む防災担当者情報を提示可能な領域を有している。本実施形態では、カード5の裏面の背景色は、情報提示領域51と同じ白色とされており、設置年月日、防災担当者の所属、電話番号及び氏名を記入可能とされている。もちろん、カード5裏面のこのような情報は、シールを貼付することで提示されてもよい。
このようなカード5の裏面の利用方法については本ボード1の好ましい運用方法として後述する。
【0043】
[災害種カードの脱着操作方法]
図5は、災害種カード5をボード本体10に装着する手順を示す図である。この手順は、
図5(a)、
図5(b)の順に進められることが好ましい。
カード5をボード本体10に装着する際には、まず、カード5の上辺縁部をボード本体10の表側の面からカード支持部11の凹部110の上方間隙部114に差し込み、カード5をボード本体10の表側の面に対して水平にしながらカード5を上方にスライドさせ、カード5が上方間隙部114の上端に当接して止まるところまで差し込んでいく(
図5(a)参照)。これにより、カード5は、カード支持部11の凹部110に完全にはまった状態となる。
【0044】
次に、カード5の下辺縁部を凹部110の下方間隙部115に差し込み、カード5を下方にスライドさせていく(
図5(b)参照)。カード5が下方間隙部115の下端に当接して止まるところまでカード5を差し込むと、カード5は、上辺縁部が上方間隙部114に挿入されており、下辺縁部が下方間隙部115に挿入された状態でカード支持部11にしっかりと支持され、外れない状態に固定される。
【0045】
一方、カード5をボード本体10から取り外す際には、基本的には装着時の逆の操作を行えばよい。即ち、ボード本体10の表側の面からカード5をボード本体10に対して水平に上方にスライドさせる。カード5が上方間隙部114の上端に当接して止まるところまでスライドさせたら、ボード本体10の裏面から操作孔118に手指を差し込みカード5を前方に優しく押し出す。これにより、カード5の下方が前方に押し出されるため、ボード本体10の表側からカード5の下方を手指でつまんで、カード5を前方斜め下方向に引き出すことで、カード5をボード本体10から取り外すことができる。
【0046】
[運用方法]
最後に、防災における本ボード1及びカード5の好ましい運用方法について説明する。但し、以下に述べる運用方法は一例に過ぎず、本ボード1及びカード5の利用の仕方は下記例に限定されない。また、上述の本ボード1及びカード5の構成は下記運用方法の例に制限を受けない。
防災において何より大事なのは人命を守ることであり、災害時に避難が必要な人に確実に避難させることが重要である。そのためには、平時において、被災する可能性のある各住居の住人に被災可能性があること及びその災害種を認識させ、災害に対する当事者意識を植え付けておくことが重要である。
そこで、本ボード1及びカード5は、例えば、次のように活用される。
【0047】
まず、平時に、各地の防災担当者が、被災する可能性のある対象住居を一軒ずつ訪問して、住人に対して各住居の被災可能性及びその災害種について説明を行う。
このとき、当該担当者は、各住居に本ボード1を配布し、その住居が被災する可能性のある災害種を示すカード5をボード本体10に装着する。土砂災害と洪水に被災する可能性のある住居に対しては、土砂災害のカード5と洪水のカード5とをボード本体10に装着する。
【0048】
更に、当該担当者は、被災可能性のある災害種ごとに避難場所を住人に説明しながら、そのカード5の表側の面の情報提示領域51に避難場所を記入する。複数のカード5が装着される場合には、災害種ごとに避難場所が異なる場合があるので、カード5ごとにその災害種に対応する避難場所が記入される。
また、当該担当者は、カード5の裏面に、そのときの年月日、当該担当者の所属、電話番号、氏名等を記載しておく。
【0049】
そして、当該担当者は、装着するカード5を指し示しながら、災害時に避難が必要となった場合にはこのカード5の色を指定して避難指示報知がなされること、その報知に応じてそのカード5の情報提示領域51に提示されている避難場所に避難することを説明しておく。また、不明点等があった場合には、裏面に記載した情報を参照して当該担当者に連絡をする旨、お願いしておく。
【0050】
このように、防災担当者が対象住居を訪問して、住人に対してその住居の被災可能性等を説明することが住人に当事者意識を持たせるのに重要であり、その際に本ボード1及びカード5を活用することでその活動の効果を一層高めることができる。本ボード1及びカード5を利用すれば、当該担当者は対象住居へ訪問し易くかつ説明もし易く、住人にとっても理解し易いからである。
更に、住人に対して災害種ごとに避難場所も容易に把握させることができ、災害時の連絡先として防災担当者の連絡情報をお知らせしておくことができる。
【0051】
災害時には、災害種ごとに予め決められた色を指定して避難を指示するようにする。例えば、「●●地区の●●色の災害種カードの方々、直ちに避難してください」と報知する。
本ボード1及びカード5で各住居の住人に被災可能性のある災害種を色で把握させることができるため、このように色を指定した避難指示により、その色のカード5が装着された本ボード1を持つ住人は自身を指差して避難を呼びかけられているような心持ちとなり、避難行動を掻き立てられることになる。
このようにして本ボード1及びカード5を活用することで、被災する可能性のある各住居の住人に災害時に避難を喚起することができる。
【0052】
一方で、防災担当者にとっては、全世帯に訪問する必要はなく、被災可能性が前もって予測可能な対象住居のみに本ボード1を配布すればよい。このような対象住居群は、例えば、防災担当組織において調査等を通じて決めておくことが望まれる。更に、防災担当組織では、本ボード1の「設置チェックシート」を作成しておき、各対象住居に関して、カード5の色、訪問年月日、担当者情報等をそれぞれ管理することが望まれる。
また、本ボード1及びカード5の配布後に各住居の周辺環境の変化が考えられるため、例えば、カード5の有効期限を5年程度として、5年ごとに実地調査、訪問等が行われることが好ましい。そして、カード5の保守として、最新の被災可能性予測に応じて、本ボード1に装着されるカード5の変更が行われることが好ましい。
【実施例0053】
以下に実施例を挙げ、上述の実施形態を更に詳細に説明する。本発明及び上述の実施形態は以下の実施例から何ら限定を受けない。
上述の本実施形態に係る災害時避難喚起ボード1は、例えば、
図6に示される設計図で製作可能である。以下、
図6に示される設計図で製作される災害時避難喚起ボード1を実施例ボード1と表記するものとする。
図6は、本実施例における災害時避難喚起ボード(実施例ボード1)の設計図である。
図6に例示される寸法はmm単位の数値で示されている。
【0054】
実施例ボード1は、6枚の紙シートが積層接着されることで形成されている。本実施例では、表側紙層101及び中間紙層103がそれぞれ1枚の紙シートで構成されており、裏側紙層105が4枚の紙シート(105a、105b、105c、105d)が積層されて構成されている。
また、6枚の各紙シートはそれぞれ同じ厚さの同じ紙材を使用することで製造コストを低減させている。但し、実施例ボード1の表側の面となる表側紙層101の紙シートの一方の面及び実施例ボード1の裏面となる紙シート105dの一方の面は少なくとも着色されており、色落ちし難い表面加工が施されている。
【0055】
表側紙層101及び中間紙層103の各紙シートには5つの貫通孔111s及び111tがそれぞれ設けられており、裏側紙層105の各紙シート(105a、105b、105c、105d)には、貫通孔111s及び111tよりも小さい開口の5つの貫通孔118a、118b、118c及び118dがそれぞれ設けられている。
これにより、5つのカード支持部11の凹部110及び5つの操作孔118が形成されている。
ここで、凹部110の開口111は、横方向の長さが85mm、縦方向の長さが28mmの横長の長方形に形成されており、操作孔118の開口は、直径20mmの円に形成されており、各凹部110の底面112は、裏側紙層105の紙シート105aにおける中間紙層103の紙シートと接着される側の面により形成される。
【0056】
また、中間紙層103の紙シートの貫通孔111tの開口は、表側紙層101の紙シートの貫通孔111sの開口に対して、上下方向に7mm大きくされており左右方向には同じ幅とされている。そして、貫通孔111tの開口の上辺縁が貫通孔111sの開口の上辺縁よりも上方に5mmずれた位置に配置され、貫通孔111tの開口の下辺縁が貫通孔111sの開口の下辺縁よりも下方に2mmずれた位置に配置され、両開口の左右の辺縁どうしが合うように、位置合わせされ重ねられる。
これによりカード支持部11の間隙部が形成される。具体的には、当該間隙部は、紙シート105aの一方の面で形成される凹部110の底面112と、表側紙層101の紙シートの裏面で形成される凹部110の壁面113と、中間紙層103の紙シートの貫通孔111tの上端面で形成される凹部110の側壁面とで画定される。更に、上方間隙部114のほうが下方間隙部115よりも縦方向の長さが3mm長くなるように構成される。
【0057】
上述の実施形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
また、上記の実施形態及び変形例の一部又は全部は、以下の付記のようにも特定され得る。但し、実施形態及び変形例が以下の記載に限定されるものではない。
【0058】
(付記1)
板状のボード本体を有し、対象住居に設置される災害時避難喚起ボードであって、
前記ボード本体の表側の面において、複数の災害種のうち前記対象住居が被災する可能性のある一以上の災害種を戸別に災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色で提示する、
災害時避難喚起ボード。
(付記2)
前記ボード本体に設けられており、複数の災害種カードの一枚を前記ボード本体の表側から着脱自在にそれぞれ支持可能な複数のカード支持部、
を更に備え、
前記複数の災害種カードの各々は、表側の面の背景色が災害種ごとに相互に異なるように予め決められた色でそれぞれ着色されている、
付記1に記載の災害時避難喚起ボード。
(付記3)
前記カード支持部は、
前記カード本体の表側の主面に対して窪んだ凹部と、
前記凹部の底面が、前記凹部の開口よりも大きく、前記主面の背側に入り込むように設けられていることで、前記主面と該底面との間に形成された間隙部と、
を含み、
前記凹部の開口の縦方向の長さが、前記災害種カードの縦方向の長さよりも小さく、
前記間隙部は、前記凹部における縦方向の上方及び下方にそれぞれ設けられており、
上方の前記間隙部のほうが下方の前記間隙部よりも縦方向の長さが長くなっており、
前記間隙部に前記災害種カードの少なくとも上辺縁部及び下辺縁部を挿入した状態で前記災害種カードを支持する、
付記2に記載の災害時避難喚起ボード。
(付記4)
前記ボード本体は、表側の主面を形成する表側紙層、裏面を形成する裏側紙層、及び該表側紙層と該裏側紙層との間で該表側紙層及び該裏側紙層に接着されている中間紙層が積層されてなり、
前記表側紙層及び前記中間紙層は、前記複数のカード支持部の前記凹部を形成する複数の貫通孔をそれぞれ有しており、
前記裏側紙層は、前記中間紙層に接着される表側の面で前記凹部の底面を形成し、
前記中間紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さが前記表側紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さよりも長くなっている、
付記3に記載の災害時避難喚起ボード。
(付記5)
前記表紙紙層及び前記中間紙層はそれぞれ前記災害種カードよりも厚く、
前記裏側紙層は、前記表紙紙層及び前記中間紙層を合わせた厚さよりも厚い、
付記4に記載の災害時避難喚起ボード。
(付記6)
前記複数のカード支持部の各々の前記凹部の底面から前記ボード本体の裏面まで貫通する複数の操作孔を更に備え、
前記複数の操作孔の各開口は、前記凹部の開口よりも小さくかつユーザの手指を挿入可能な大きさをそれぞれ有しており、前記凹部の開口の中央部にそれぞれ配置されている、
付記3から5のいずれか一つに記載の災害時避難喚起ボード。
(付記7)
前記ボード本体の表側の主面の背景色は、前記複数のカード支持部の前記凹部の底面とは異なる色とされており、
前記複数のカード支持部の前記凹部の底面は、白色以外の色とされている、
付記3から6のいずれか一つに記載の災害時避難喚起ボード。
(付記8)
前記ボード本体の上部中央に設けられており、他部材を介して前記ボード本体を前記対象住居に着脱自在に取り付け可能とする取付孔、
を更に備え、
前記ボード本体は、紙製の縦長形状を有しており、
前記複数のカード支持部は、前記ボード本体の表側の主面に縦方向に一列に並んで設けられている、
付記2から7のいずれか一つに記載の災害時避難喚起ボード。
(付記9)
前記災害種カードは、
表側の面に、該災害種カードの前記背景色とは異なる色の領域であって避難先を含む避難情報を提示可能な情報提示領域を有しており、
裏面の背景色が前記情報提示領域と同じ色とされており、裏側の面に、日付、電話番号及び氏名を含む防災担当者情報を提示可能な領域を有している、
付記2から8のいずれか一つに記載の災害時避難喚起ボード。
1 災害時避難喚起ボード(本ボード)、5 災害種カード(カード)、10 ボード本体、11 カード支持部、18 取付孔、51 情報提示領域、101 表側紙層、103 中間紙層、105 裏側紙層、110 凹部、111 開口、112 底面、113 壁面、114 上方間隙部、115 下方間隙部、118 操作孔
前記ボード本体は、表側の主面を形成する表側紙層、裏面を形成する裏側紙層、及び該表側紙層と該裏側紙層との間で該表側紙層及び該裏側紙層に接着されている中間紙層が積層されてなり、
前記表側紙層及び前記中間紙層は、前記複数のカード支持部の前記凹部を形成する複数の貫通孔をそれぞれ有しており、
前記裏側紙層は、前記中間紙層に接着される表側の面で前記凹部の底面を形成し、
前記中間紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さが前記表側紙層の前記貫通孔の開口の縦方向の長さよりも長くなっている、
請求項3に記載の災害時避難喚起ボード。