(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030262
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/80 20060101AFI20240229BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04M1/80
H04M1/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133001
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】矢川 重寿
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BA14
5K127BB11
5K127CB36
5K127EA29
5K127GD03
5K127GD15
5K127JA28
5K127JA56
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来と比べて利便性を向上させる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供する。
【解決手段】顧客対応処理手順RT1において、オペレータ端末は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部と、第1処理部において第1情報が検出されると、電話端末22で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部と、
前記第1処理部において前記第1情報が検出されると、前記電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部と
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記第1処理部は、
前記電話処理部から前記交換装置に送信される通話保留解除の指示を有する情報である第2情報を検出し、
前記第2処理部は、
前記第1処理部において前記第2情報が検出されると、前記音声再生の処理を終了する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記電話処理部と前記第1処理部とは、互いに独立した装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
ユーザにより使用される顧客装置と接続された処理装置の処理方法であって、
前記処理装置は、
電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理ステップと、
前記第1処理ステップにおいて前記第1情報が検出されると、前記電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理ステップと
を有することを特徴とする処理方法。
【請求項5】
ユーザにより使用される顧客装置と接続された処理装置を、
電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部と、
前記第1処理部において前記第1情報が検出されると、前記電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部と
して機能させるための処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関するものであり、例えば、顧客とオペレータとの間で通話を行うシステムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オペレータが顧客と通話を行うコールセンタは、CTIサーバ等の交換装置と、交換装置に接続された複数のオペレータ端末とにより構成されている。交換装置は、公衆電話網に接続された顧客電話端末から着信があると、該顧客電話端末を何れかのオペレータ端末に接続する。オペレータ端末は、通話を行う電話端末と、通話結果や顧客情報を記録及び表示するPC(Personal Computer)とにより構成されている。そのようなコールセンタにおいて、オペレータ端末であるPC又は電話端末による通話保留動作を行うものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらそのようなコールセンタにおいては、オペレータが通話保留開始操作及び通話保留解除操作をPC又は電話端末から行った場合、交換装置から顧客電話端末へ通話保留音が送信され顧客電話端末において通話保留音は再生されるものの、オペレータ端末におけるPC又は電話端末からは通話保留音の再生が行われない場合があり、通話保留中であるか否かをオペレータが直感的に判断しにくい場合があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮したものであり、従来と比べて利便性を向上させ得る処理装置、処理方法及び処理プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の処理装置においては、電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部と、第1処理部において第1情報が検出されると、電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部と設けるようにした。
【0007】
また本発明の処理方法においては、ユーザにより使用される顧客装置と接続された処理装置の処理方法であって、処理装置は、電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理ステップと、第1処理ステップにおいて第1情報が検出されると、電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理ステップとを有するようにした。
【0008】
さらに本発明の処理プログラムにおいては、ユーザにより使用される顧客装置と接続された処理装置を、電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部と、第1処理部において第1情報が検出されると、電話処理部で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部として機能させるようにした。
【0009】
これにより本発明は、電話処理部から交換装置に送信される通話保留の指示を有する第1情報を検出したことに基づき、通話保留音をオペレータに聴取させることにより、電話処理部が通話保留中であることをオペレータに直感的に認識させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来と比べて利便性を向上させ得る処理装置、処理方法及び処理プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】コールセンタシステムの構成を示す図である。
【
図3】顧客対応処理手順を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.コールセンタシステムの構成]
図1に示すように、コールセンタシステム1は、企業等のコールセンタ2と、顧客が操作する顧客電話端末4とにより構成されている。コールセンタ2は、顧客電話端末4に対し公衆網により接続されている。
【0014】
コールセンタ2は、交換装置10及びオペレータ端末12が設けられており、これらがネットワークである通信網14を介して相互に接続されている。交換装置10は、公衆網に接続されており、通話データや呼制御手順を中継する処理を行うことにより、顧客電話端末4とコールセンタ2とを公衆網を介して接続する。また交換装置10は、顧客電話端末4と電話端末22とで通話が開始される際、顧客電話端末4からの着信を受け付ける。因みにコールセンタ2には、複数のオペレータ端末12が設けられているが、説明の都合上、
図1においてはオペレータ端末12を1台のみ図示している。
【0015】
オペレータ端末12は、PC20及び電話端末22により構成されており、電話応対を行うオペレータにより利用される。PC20は、一般的なパーソナルコンピュータと類似した構成となっている。このPC20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶部と、ネットワークインタフェースとを有しており、CPUによりROM等から所定のプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより、通話結果や顧客情報を記録及び表示する等、種々の処理を行う。
【0016】
またPC20は、CPUの機能として、電話端末監視部30及び音声再生部32を有している。電話端末監視部30は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留開始の指示と通話保留解除の指示とを監視し続け検出する。音声再生部32は、電話端末監視部30において通話保留開始の指示が検出されると、電話端末22で保留処理が実行されている(すなわち通話保留中である)ことを示す音声である通話保留音を再生することにより、該通話保留音をスピーカから出力する。
【0017】
電話端末22は、一般的な電話機能を有する音声通話装置である。オペレータは、通話の保留を開始する際、電話端末22において例えば保留ボタンを押下する。これに応じ電話端末22は、交換装置10に通話保留開始を指示する。その後、オペレータは、通話の保留を終了する際、電話端末22において例えば保留ボタンを再度押下する。これに応じ電話端末22は、交換装置10に通話保留解除を指示する。またオペレータは、PC20を操作することにより、通話の保留を開始及び解除することも可能である。
【0018】
顧客装置としての顧客電話端末4は、顧客が使用する音声通話装置であり、コールセンタ2により提供されるコールセンタサービスを利用するための通信装置である。顧客電話端末4は、例えば固定電話端末や携帯電話端末等である。
【0019】
[2.顧客対応処理]
次に、コールセンタシステム1において、顧客電話端末4とオペレータ端末12との間で通話を行う処理である、
図3に示す顧客対応処理手順RT1について説明する。ステップSP1においてPC20の電話端末監視部30は、電話端末22の監視を開始する。ステップSP2において顧客電話端末4は、コールセンタ2へ発信を行う顧客の操作に基づき、交換装置10に着信を通知する。顧客電話端末4から着信を受け付けると、ステップSP3において交換装置10は、電話端末22に着信を通知する。交換装置10から着信を受け付けると、ステップSP4において電話端末22は、着信に応答し顧客電話端末4と通話を開始する。
【0020】
通話中に電話端末22において例えば保留ボタンがオペレータにより押下されると、ステップSP5において電話端末22は、交換装置10に通話保留開始を指示する。ステップSP6において電話端末監視部30は、電話端末22から交換装置10に送信された通話保留開始の指示を検知する。電話端末22から交換装置10に送信された通話保留開始の指示を検知したため、ステップSP7において電話端末監視部30は、音声再生部32に音声再生開始を指示する。電話端末監視部30から音声再生開始の指示を受け付けると、ステップSP8において音声再生部32は、通話保留音を再生しスピーカから出力させる。オペレータは、この通話保留音を聴取することにより、保留処理が現在実行されていることを直感的に判別できる。
【0021】
通話保留中に電話端末22において例えば保留ボタンがオペレータにより再度押下されると、ステップSP9において電話端末22は、交換装置10に通話保留解除を指示する。ステップSP10において電話端末監視部30は、電話端末22から交換装置10に送信された通話保留解除の指示を検知する。電話端末22から交換装置10に送信された通話保留解除の指示を検知したため、ステップSP11において電話端末監視部30は、音声再生部32に音声再生停止を指示する。電話端末監視部30から音声再生停止の指示を受け付けると、ステップSP12において音声再生部32は、通話保留音の再生を停止する。オペレータは、この通話保留音を聴取できなくなることにより、保留処理が解除されたことを直感的に判別できる。以降、オペレータ端末12は、電話端末22により顧客電話端末4との通話を継続する。
【0022】
[3.PCの機能構成]
ここで、PC20における顧客対応処理に関係する基本的な機能を機能ブロック図により表すと、
図2のようになる。
【0023】
第1処理部40は、電話端末監視部30(
図1)と対応しており、電話処理部としての電話端末22から交換装置10に送信される通話保留開始の指示を有する情報である第1情報を監視し検出する。また第1処理部40は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留解除の指示を有する情報である第2情報を監視し検出する。
【0024】
第2処理部42は、音声再生部32(
図1)と対応しており、第1処理部40において第1情報が検出されると、電話端末22で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う。また第2処理部42は、第1処理部40において第2情報が検出されると、音声再生の処理を終了する。
【0025】
[4.効果等]
以上の構成においてオペレータ端末12は、電話端末22と顧客電話端末4との通話中にオペレータの操作に応じて電話端末22から交換装置10に送信される通話保留開始の指示をPC20の電話端末監視部30により監視し、通話保留開始の指示を検出すると、通話保留音を音声再生部32により再生するようにした。このためオペレータ端末12は、通話保留音をオペレータに聴取させることにより、保留処理が現在実行されている(すなわち通話保留中である)ことをオペレータに直感的に認識させることができる。
【0026】
その後、オペレータ端末12は、電話端末22と顧客電話端末4との通話保留中にオペレータの操作に応じて電話端末22から交換装置10に送信される通話保留解除の指示をPC20の電話端末監視部30により監視し、通話保留解除の指示を検出すると、通話保留音の再生を音声再生部32により停止するようにした。このためオペレータ端末12は、通話保留音をオペレータに聴取させないことにより、保留処理が現在実行されなくなった(すなわち通話保留が終了した)ことをオペレータに直感的に認識させることができる。
【0027】
このようにオペレータ端末12は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留開始の指示を検出してから通話保留解除の指示を検出するまでの間、通話保留音を再生するようにした。このためオペレータ端末12は、通話保留音が再生されている最中のみ、電話端末22と交換装置10とが通話保留中であることをオペレータに直感的に認識させることができる。
【0028】
以上の構成によればオペレータ端末12は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留の指示を有する情報である第1情報を検出する第1処理部40と、第1処理部40において第1情報が検出されると、電話端末22で保留処理が実行されていることを示す音声再生の処理を行う第2処理部42とを設けるようにした。
【0029】
これによりオペレータ端末12は、電話端末22から交換装置10に送信される通話保留の指示を有する第1情報を検出したことに基づき、通話保留音をオペレータに聴取させることにより、電話端末22が通話保留中であることをオペレータに直感的に認識させることができる。
【0030】
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においてオペレータ端末12は、PC20と電話端末22とを互いに独立した装置により構成する場合について述べた。本発明はこれに限らずオペレータ端末12は、電話端末22を、PC20の一部であるソフトフォンにより構成しても良い。その場合、電話処理部は、PC20のソフトフォンとなる。
【0031】
また上述した実施の形態においてオペレータ端末12は、通話保留中であることを検出すると、音声再生部32により通話保留音の再生を行う場合について述べた。本発明はこれに限らずオペレータ端末12は、音声再生部32による通話保留音の再生に代えて、又は、音声再生部32による通話保留音の再生と共に、例えばオペレータ端末12に接続された装置において目視で確認可能なLED(Light Emitting Diode)等を光らせることにより、通話保留中であることをオペレータに通知しても良い。
【0032】
また上述した実施の形態においては、処理システムの具体例であるコールセンタシステム1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、コールセンタシステム1とは異なる構成の処理システムに本発明を適用しても良い。さらに上述した実施の形態においては、処理装置の具体例であるオペレータ端末12に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、オペレータ端末12とは異なる構成の処理装置に本発明を適用しても良い。
【0033】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また、本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0034】
さらに上述した実施の形態においては、第1処理部としての第1処理部40と、第2処理部としての第2処理部42とによって、処理装置としてのオペレータ端末12を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1処理部と、第2処理部とによって、処理装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、コールセンタシステム等の顧客対応システムで広く利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1……コールセンタシステム、2……コールセンタ、4……顧客電話端末、10……交換装置、12……オペレータ端末、14……通信網、20……PC、22……電話端末、30……電話端末監視部、32……音声再生部、40……第1処理部、42……第2処理部。