(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030267
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電子機器及びスタンド
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20240229BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20240229BHJP
G11B 33/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H05K5/02 B
H05K7/00 F
G11B33/02 301F
G11B33/02 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133012
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 貴之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宣夫
【テーマコード(参考)】
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
4E352AA02
4E352AA03
4E352AA16
4E352BB02
4E352BB09
4E352CC01
4E352CC07
4E352CC22
4E352CC52
4E352CC53
4E352CC56
4E352CC60
4E352DD02
4E352DD05
4E352DR02
4E352DR05
4E352DR19
4E352DR26
4E352DR40
4E352DR43
4E352FF20
4E352GG12
4E352GG15
4E352GG25
4E352GG30
4E360AA02
4E360AB42
4E360AC12
4E360AC23
4E360BD02
4E360EA22
4E360EB03
4E360EC02
4E360EC05
4E360EC12
4E360ED03
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA04
4E360GA07
4E360GA11
4E360GA24
4E360GA53
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC10
4E360GC14
(57)【要約】
【課題】放熱性及び携帯性を向上させること。
【解決手段】電子機器本体10と、電子機器本体10の厚み方向が水平となるように電子機器本体10を保持する第1の利用形態と、電子機器本体10の前面10fに対して、前面10fに垂直な方向から見て電子機器本体10の外縁の内側に収まる状態で電子機器本体10へ取り付けられる第2の利用形態と、を有するスタンド20と、を備える。スタンド20は、第1の利用形態と第2の利用形態で電子機器本体10に対する向きが異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体と、
前記電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有するスタンドと、
を備え、
前記スタンドは、前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なる、
電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記電子機器本体の厚み方向に前記電子機器本体を挟み込むことにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記電子機器本体は、前記第2の利用形態において前記スタンドを取り付け可能な孔を有する、
電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記孔は、前記面に垂直な方向に前記電子機器本体を貫通する貫通孔である、
電子機器。
【請求項5】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において前記面に垂直な方向に延び少なくとも一部が前記孔に挿入される複数の挿入部と、前記複数の挿入部を互いに接続する接続部と、を有する、
電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において、前記複数の挿入部と前記接続部とにより、前記面に対して前記電子機器本体のケーブルを固定する、
電子機器。
【請求項7】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記複数の挿入部と前記孔の内面との間の摩擦により前記電子機器本体に取り付けられる、
電子機器。
【請求項8】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記複数の挿入部により前記電子機器本体の厚み方向に前記電子機器本体を挟み込むことにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【請求項9】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記接続部に前記電子機器本体を載置することにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【請求項10】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記複数の挿入部は、前記第2の利用形態における前記面に垂直な方向の長さが、前記孔の深さよりも長い、
電子機器。
【請求項11】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記電子機器本体の厚み方向に延び接地する接地部を有する、
電子機器。
【請求項12】
請求項11に記載の電子機器であって、
前記接地部は、前記第2の利用形態において、前記面に平行な方向に延びる、
電子機器。
【請求項13】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記複数の挿入部の間隔は、前記電子機器本体のケーブルの太さの2倍以上である、
電子機器。
【請求項14】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において、前記電子機器本体のケーブルの一部を前記電子機器本体に固定する、
電子機器。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記電子機器本体は、通信部を有する記憶装置である、
電子機器。
【請求項16】
電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有し、
前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なる、
スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータなどの親機にケーブル接続して用いる記憶装置(電子機器)が存在する。例えば、据え置き型の記憶装置の場合、縦置きして使用する際に転倒を防止するためのスタンドが付属されていることが多い。これに対して、携帯型の記憶装置の場合、その携帯性を優先するために、スタンドが付属されていないことが多い。その場合には、転倒防止の観点から記憶装置を横置きして使用することが一般的である。
【0003】
一方で近年、記憶装置における処理のさらなる高速化が要求されているが、処理の高速化に伴い記憶装置の発熱量が増加するため、効率のよい放熱が必要になる。例えば、特許文献1には、筐体を覆うように設けられる放熱カバーと、筐体を縦置きにするためのスタンドとを備えたディスクドライブ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯型の記憶装置においても放熱性を高めるためには、記憶装置の筐体を縦置きにして外気との接触面積を増やすことが考えられる。しかしながら、筐体を縦置きにするには、上記のように例えばスタンドが必要になる。ところが、携帯型の記憶装置の場合、スタンドを付属することにより携帯性が損なわれるという問題が生じ得る。
【0006】
上記特許文献1のディスクドライブ装置には、筐体を縦置きにするためのスタンドを設けることは開示されているが、そもそもディスクドライブ装置を携帯することは考慮されていない。したがって、ディスクドライブ装置(記憶装置)を携帯する場合のスタンドの携帯性に関しては改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、放熱性及び携帯性を向上させることが可能な電子機器及びスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、電子機器本体と、前記電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有するスタンドと、を備え、前記スタンドは、前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なるように構成されたものである。
【0009】
本発明のスタンドは、電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有し、前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なるように構成されたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放熱性及び携帯性を向上させることが可能な電子機器及びスタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の電子機器における第1の利用形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す電子機器を電子機器本体の右側面側から見た図である。
【
図3】
図1に示す電子機器を電子機器本体の前面側から見た図である。
【
図4】
図1に示す電子機器のスタンドを示す斜視図である。
【
図5】本発明の電子機器における第2の利用形態を示す斜視図である。
【
図6】電子機器の第2の利用形態においてケーブルを固定した状態を示す図である。
【
図7】電子機器に固定されたケーブルの一例を示す図である。
【
図8】電子機器に固定されたケーブルの他の例を示す図である。
【
図10】スタンド20の第3変形例を示す斜視図である。
【
図11】スタンド20の第3変形例を右側面側から見た示す図である。
【
図12】スタンド20の第5変形例を示す斜視図である。
【
図13】スタンド20の第5変形例に対応する電子機器本体10を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
<本発明の電子機器における第1の利用形態>
図1は、本発明の電子機器1における第1の利用形態を示す斜視図である。
図1に示すように、電子機器1は、電子機器本体10と、電子機器本体10を縦置きの状態に保持することが可能なスタンド20と、を備える。
【0014】
電子機器1における第1の利用形態とは、
図1に示すように、スタンド20に電子機器本体10を縦置きの状態で保持して利用する形態のことである。なお、以下では説明の便宜上、
図1の斜視図を電子機器本体10の右斜め上方から見た前面側斜視図として説明する。また、電子機器本体10におけるそれぞれの面を前面10f、後面10b、左面10l、右面10r、上面10u、下面10dとする。
【0015】
電子機器本体10は、通信部を有する記憶装置である。記憶装置としては、例えば、ポータブルSSD(Solid State Drive)などが挙げられる。ポータブルSSDは、携帯に適した外付けタイプの記憶装置である。通信部は、例えば、USB(Universal Serial Bus)4の通信インタフェースである。電子機器本体10は、例えば、通信用のUSB4ケーブルを介してPC(Personal Computer)などの親機に接続される。
【0016】
電子機器本体10は、矩形状の前面10f、後面10b、左面10l、右面10r、上面10u、及び下面10dにより構成された直方体状に形成されている。図に示す例では、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長く、前後方向に所定の長さ(厚み)を有した板状の電子機器本体10として形成されている。電子機器本体10は、金属筐体のSSDを例えばシリコン樹脂で覆った構成とされている。電子機器本体10は、電子機器本体10の前面10fに垂直な方向へ電子機器本体10を貫通するように形成された貫通孔11を有する。貫通孔11は、電子機器本体10の厚み方向(前後方向)に電子機器本体10の前面10fから後面10bに達するように形成された孔である。前面10fは、本発明における電子機器本体10の予め定められた面の一例である。
【0017】
スタンド20は、電子機器本体10の設置場所50に対して電子機器本体10の厚み方向が水平になるような向きに電子機器本体10を保持する。電子機器本体10の厚み方向が水平となるように置かれた状態を電子機器本体10の縦置き状態という。
【0018】
図2は、
図1に示す電子機器1を電子機器本体10の右面10r側から見た図である。
図2に示すように、スタンド20は、電子機器1の第1の利用形態において、電子機器本体10の厚み方向に延びる接地部21と、電子機器本体10の上下方向に延びる挿入部22,23と、挿入部22,23間に設けられる接続部24と、を有する。
【0019】
接地部21は、設置場所50と対向するように設置場所50上に置かれ、設置場所50を通じて接地される。挿入部22,23は、接地部21から略垂直に上方向へ延びるように設けられている。接続部24は、接地部21の一部を構成するとともに、挿入部22と挿入部23とを互いに接続するように設けられている。接続部24は、接地部21と共に設置場所50を通じて接地される。挿入部22,23と接続部24は、略U字状を形成するように設けられている。
【0020】
スタンド20は、挿入部22,23と接続部24とで形成されるU字状の空間内に電子機器本体10を保持する。スタンド20は、接続部24上に電子機器本体10を載置するとともに、挿入部22,23で電子機器本体10の厚み方向から電子機器本体10を挟み込むことによって電子機器本体10をU字状の空間内に保持する。
【0021】
挿入部22,23の間隔W1は、電子機器本体10の前後方向の厚みと略同じ大きさとなるように形成されている。電子機器本体10が載置されるスタンド20は、接続部24の上面の位置が接地部21の上面の位置よりも高くなるように形成されている。スタンド20は、第1の利用形態においては、接地部21が電子機器本体10の厚み方向(前後方向)へ延びる状態で使用される。
【0022】
図3は、
図1に示す電子機器1を電子機器本体10の前面10f側から見た図である。
図3に示すように、スタンド20に保持された電子機器本体10は、接続部24に載置された部分が接続部24の高さ分だけ設置場所50から離隔し、傾斜した状態となって保持される。電子機器本体10の貫通孔11は、左右方向の幅が横幅D1となり、上下方向の幅が縦幅D2となるように形成されている。貫通孔11及びその横幅D1と縦幅D2については、電子機器1の第2の利用形態(
図5以降)で後述する。
【0023】
図4は、スタンド20を示す斜視図である。
図4に示すように、スタンド20の接地部21は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長く形成された板状の部材である。挿入部22,23は、互いに対向した状態で接地部21から上方向へ延びる板状の部材である。スタンド20は、金属部材で構成されている。なお、スタンド20を構成する部材は、例えば、木材や樹脂部材であってもよいし、ゴム等の弾性部材であってもよい。
【0024】
挿入部22,23における左右方向の長さd1は、接地部21の左右方向の長さd3と同じ長さとなるように形成されている。ただし、挿入部22,23における左右方向の長さd1は、接地部21の左右方向の長さd3未満の長さであってもよい。挿入部22の後面から挿入部23の前面までの長さは長さd2となるように形成されている。長さd1は貫通孔11の横幅D1(
図3参照)との関係で設定される。長さd2は貫通孔11の縦幅D2(
図3参照)との関係で設定される。挿入部22,23の長さd1,d2については、電子機器1の第2の利用形態(
図5以降)で後述する。
【0025】
<本発明の電子機器における第2の利用形態>
図5は、本発明の電子機器1における第2の利用形態を示す斜視図である。
図5に示すように、電子機器1における第2の利用形態とは、電子機器本体10を親機に接続しないで、例えばユーザによって携帯される際等に、スタンド20を電子機器本体10の貫通孔11に取り付けた状態で利用する形態のことである。なお、以下においても説明の便宜上、電子機器本体10の前面10f、後面10b、左面10l、右面10r、上面10u、及び下面10dは
図1で示した各面と同じ面として表示する。
【0026】
電子機器1の第2の利用形態において、電子機器本体10に形成されている貫通孔11は、スタンド20を電子機器本体10に取り付けるための孔として用いられる。スタンド20は、少なくとも挿入部22,23の一部が貫通孔11に挿入された状態で電子機器本体10に取り付けられる。スタンド20は、電子機器本体10の前面10f側から挿入部22,23が貫通孔11へ挿入されることにより取り付けられる。
【0027】
スタンド20の挿入部22,23における左右方向の長さd1(
図4参照)は、電子機器本体10の貫通孔11における左右方向の横幅D1(
図3参照)よりも僅かに大きく形成されている。上述したように電子機器本体10は金属筐体がシリコン樹脂で覆われている。これにより、挿入部22,23を貫通孔11に挿入する際に、シリコン樹脂で覆われた貫通孔11側が少し変形し、挿入部22,23と貫通孔11の内面との間の摩擦によりスタンド20が電子機器本体10に取り付けられる。
【0028】
図6は、電子機器1の第2の利用形態においてスタンド20によりケーブル30を電子機器本体10に固定した状態を示す図である。ケーブル30は、電子機器本体10を親機に接続するためのUSB4ケーブルである。
【0029】
図6に示すように、スタンド20の挿入部22,23は、接続部24からの長さL1が電子機器本体10の貫通孔11の深さL2よりも長くなるように形成されている。このため、スタンド20の挿入部22,23を電子機器本体10の貫通孔11に挿入させて、例えば挿入部22,23における接続部24側の付根端部とは反対側の先端部を電子機器本体10の後面10bの位置に揃えた場合、挿入部22,23における接続部24側の一部が貫通孔11に挿入されず、スタンド20の接続部24と電子機器本体10の前面10fとの間に隙間25ができる。この隙間25にケーブル30が挿入されることにより、ケーブル30がスタンド20の接続部24と挿入部22,23とによって、電子機器本体10の前面10fに固定される。
【0030】
挿入部22,23の間隔W1は、ケーブル30の太さW2の2倍以上となるように形成されている。電子機器本体10に取り付けられたスタンド20の接地部21は、電子機器本体10の前面10fに平行な方向に延びる。
【0031】
図7は、電子機器1に固定されたケーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、ケーブル30Aは、スタンド20と電子機器本体10の間に挟まれたケーブル30Aの一部分がスタンド20により電子機器本体10に固定される。ケーブル30Aにおける固定された一部分以外の部分は、例えば、電子機器本体10の前面10f上に載置されるように前面10fに沿って取り付けられる。
【0032】
ケーブル30Aを固定するスタンド20は、電子機器本体10の貫通孔11に挿入部22,23を挿入させて電子機器本体10に取り付けられたとき、貫通孔11が形成されている電子機器本体10の前面10fに対して、前面10fに垂直な前方向から見たときに電子機器本体10の外縁の内側に収まる状態で電子機器本体10に取り付けられる。スタンド20は、第2の利用形態では、接地部21が電子機器本体10の前面10fに沿って上面10u側から下面10d側(上下方向)へ延びる状態で使用される。スタンド20は、第1の利用形態と第2の利用形態で電子機器本体10に対する向きが異なった状態で使用される。
【0033】
図8は、電子機器1に固定されたケーブルの他の例を示す図である。
図8に示すように、ケーブル30Bは、
図7に示すケーブル30Aよりも長さが長いケーブルである。ケーブル30Bの場合にも、ケーブル30Aと同様に、スタンド20と電子機器本体10の間に挟まれたケーブル30Bの一部分がスタンド20により電子機器本体10に固定される。ケーブル30Bにおける固定された一部分以外の部分は、二重巻きにされた状態で電子機器本体10の前面10f上に載置されるように前面10fに沿って取り付けられる。なお、ケーブルの長さがさらに長い場合には、ケーブルにおける固定された一部分以外の部分を例えば三重巻き等にしてもよい。これにより、多種のケーブルの固定が可能になる。
【0034】
以上に説明したように、電子機器1は、電子機器本体10の厚み方向が水平となるように電子機器本体10を縦置きに保持するスタンド20の第1の利用形態と、電子機器本体10の前面10fに対して、前面10fに垂直な方向から見て電子機器本体10の外縁の内側に収まる状態で電子機器本体10へ取り付けられるスタンド20の第2の利用形態と、でスタンド20の電子機器本体10に対する向きが異なる。この構成によれば、電子機器本体10をスタンド20で縦置きに保持することにより、電子機器本体10における広い面積の前面10f及び後面10bから放出される熱を効率よく放出することができる。また、電子機器1をユーザが携帯する際には、電子機器本体10の外縁の内側に収まるようにスタンド20を電子機器本体10へ取り付けることができるので、スタンド20が邪魔にならず電子機器1の携帯性を高めることができる。
【0035】
また、電子機器1によれば、スタンド20が第1の利用形態において、電子機器本体10の厚み方向に電子機器本体10を挟み込むことにより電子機器本体10を縦置き状態に保持する。このため、電子機器1をPCに接続し机上に設置して使用する場合に、机上における電子機器1の占有面積を小さくすることができる。
【0036】
また、電子機器1によれば、スタンド20の接続部24と挿入部22,23とで形成されるU字状の空間において、接続部24に電子機器本体10を載置するとともに、挿入部22,23の間に電子機器本体10を挟み込むことにより電子機器本体10を保持する。これにより、電子機器本体10を縦置きにして使用する場合でも、安定して保持することができる。また、スタンド20には電子機器本体10が載置される接続部24から電子機器本体10の厚み方向に延びる接地部21が設けられているので、さらに安定して電子機器本体10を保持することができる。
【0037】
また、電子機器1によれば、電子機器本体10に形成される貫通孔11は、電子機器本体10の前面10fに垂直な方向へ電子機器本体10を貫通するように形成された貫通孔11である。電子機器本体10を貫通するように貫通孔11を形成することで、電子機器本体10の表面積を大きくすることができ放熱性を高めることができる。
【0038】
また、電子機器1によれば、スタンド20の挿入部22,23における左右方向の長さd1を電子機器本体10の貫通孔11における左右方向の横幅D1よりも僅かに大きくすることで、挿入部22,23を貫通孔11に挿入する際に貫通孔11の表面部のシリコン樹脂が少し変形し、挿入部22,23と貫通孔11の内面との間の摩擦によりスタンド20が電子機器本体10に取り付けられる。これにより、スタンド20を電子機器本体10の貫通孔11に対して容易且つ確実に取り付けることができる。
【0039】
また、電子機器1によれば、スタンド20が電子機器本体10に取り付けられたとき、スタンド20は、接地部21が電子機器本体10の前面10fに平行な方向に延びるように構成されている。このため、スタンド20を電子機器本体10に取り付けた状態から、接地部21を持って容易にスタンド20を取り外すことができる。
【0040】
また、電子機器1によれば、スタンド20の挿入部22,23は、接続部24からの長さL1が電子機器本体10の貫通孔11の深さL2よりも長くなるように構成されている。これにより、スタンド20と電子機器本体10との間にケーブル30を保持した状態でも、挿入部22,23を十分に貫通孔11に挿入させることができ、電子機器本体10にケーブル30を確実に固定することができる。また、様々な太さのケーブルの保持が可能である。このため、電子機器1をユーザが携帯する際に、ケーブル30を電子機器本体10に装着させておくことができ、電子機器1に接続して使用するケーブル30の携帯性を高めることができる。
【0041】
また、電子機器1によれば、スタンド20における挿入部22と23の間隔W1は、電子機器本体10のケーブル30の太さW2の2倍以上である。これにより、ケーブル30を丸めた状態でケーブル30の両端をスタンド20の挿入部22,23と接続部24によって囲むようにして電子機器本体10の前面10fに固定することができる。
【0042】
また、電子機器1によれば、スタンド20でケーブル30の一部を固定することにより、ケーブル30全体を電子機器本体10に装着させることができるので、コンパクトなスタンド20を実現できる。
【0043】
[スタンドの第1変形例]
図9は、スタンド20の第1変形例を示す図である。
図9に示すように、第1変形例のスタンド20Aは、例えば、ゴムや木材等の弾性部材により構成されている。また、スタンド20Aは、接地部21から上方へ向けて延びる挿入部22A,23Aが接地部21の垂直方向に対して内側に傾斜するように形成されている。具体的には、接続部24(接地部21)と挿入部22Aで形成される角度θ1及び接続部24(接地部21)と挿入部23Aで形成される角度θ2が90度未満となるように形成されている。これにより、スタンド20Aは、接続部24上に電子機器本体10を載置するとともに、挿入部22Aと23A間に挟み込まれた電子機器本体10を電子機器本体10の厚み方向から弾性保持することができる。なお、挿入部22A,23Aの互いに対向する面(内側面)に弾性部材からなる突起を設け、挿入部22Aと23A間に挟み込まれた電子機器本体10を当該突起の弾性により保持するようにしてもよい。
【0044】
[スタンドの第2変形例]
上記実施形態における
図4のスタンド20では、挿入部22,23における左右方向の長さd1を電子機器本体10の貫通孔11における左右方向の横幅D1よりも僅かに大きく形成して、挿入部22,23の横方向と貫通孔11の内面との間の摩擦によりスタンド20を電子機器本体10に取り付ける場合を説明したが、これに限定されない。例えば、
図4のスタンド20において、挿入部22の後面から挿入部23の前面までの長さd2を電子機器本体10の貫通孔11における縦幅D2よりも僅かに大きく形成してもよい。この場合には、挿入部22,23を貫通孔11に挿入する際に、貫通孔11の表面部のシリコン樹脂が縦幅方向に少し変形し、挿入部22,23と貫通孔11の内面との間の摩擦によりスタンド20を電子機器本体10に取り付けることができる。さらに、第2変形例の構成において、挿入部22の後面から挿入部23の前面までの長さd2が、上方向(挿入部22,23の先端方向)にいくほど長くなるように、接地部21から上方へ向けて延びる挿入部22,23が接地部21の垂直方向に対して外側に傾斜するように形成されていてもよい。これにより、第2の利用形態においてスタンド20を電子機器本体10に強固に取り付け、電子機器1の携帯時等における電子機器本体10からのスタンド20の脱落を防止することができる。
【0045】
[スタンドの第3変形例]
図10は、スタンド20の第3変形例を示す斜視図である。
図11は、スタンド20の第3変形例を右側面側から見た図である。
図10,
図11に示すように、第3変形例のスタンド20Bは、挿入部22,23及び接続部24における、第1の利用形態において電子機器本体10を保持する面には弾性部材20bが形成されていてもよい。弾性部材20bは、例えばシリコン樹脂やゴムなどにより構成される。弾性部材20bは、例えば接地部21、挿入部22,23、及び接続部24からなるスタンド20の本体部とは別に形成され、スタンド20の本体部に対して篏合させることによる構成される。又は、スタンド20の本体部に対してシート状の弾性部材を貼り付けることにより弾性部材20bを構成してもよい。弾性部材20bにより、弾性部材20bの変形による電子機器本体10の弾性保持を行うことができる。また、弾性部材20bにより、スタンド20と電子機器本体10との衝突や摩擦による傷の防止を図ることができる。
【0046】
[スタンドの第4変形例]
上記実施形態では、
図6において説明したように、スタンド20の挿入部22,23が、接続部24からの長さL1が電子機器本体10の貫通孔11の深さL2よりも長くなるように形成されている構成について説明したが、このような構成に限らない。すなわち、スタンド20の挿入部22,23の長さは、第1の利用形態において電子機器本体10の筐体を保持可能であり、第2の利用形態においてスタンド20が脱落しない長さであればよい。例えば、スタンド20の挿入部22,23の接続部24からの長さL1が電子機器本体10の貫通孔11の深さL2と等しくてもよい。
【0047】
[スタンドの第5変形例]
図12は、スタンド20の第5変形例を示す斜視図である。
図13は、スタンド20の第5変形例に対応する電子機器本体10を示す図である。
図12に示すように、第5変形例のスタンド20Cにおいては、挿入部22のうち第2の利用形態において電子機器本体10の貫通孔11と接する部分に凹部22a,22bが形成されている。同様に、挿入部23のうち第2の利用形態において電子機器本体10の貫通孔11と接する部分に凹部23a,23bが形成されている。
図12の例では、凹部22a,22b,23a,23bは、スタンド20Cの前後方向に延びる溝であるが、凹部22a,22b,23a,23bの形状はこれに限らず、半球形状の穴などであってもよい。
【0048】
図13に示すように、電子機器本体10の貫通孔11の内壁には、第2の利用形態においてスタンド20Cの凹部22a,22bと嵌合する形状の凸部11a,11bが形成されている。同様に、図示を省略するが、電子機器本体10の貫通孔11の内壁には、第2の利用形態においてスタンド20Cの凹部23a,23bと嵌合する形状の凸部が形成されている。凹部22a,22bと嵌合する貫通孔11の凸部11aと、凹部23aと嵌合する貫通孔11の凸部とは一体の凸部(例えば上下方向に延びる突起)であってもよい。
【0049】
上記のように、電子機器本体10の表面は弾性部材となっており、貫通孔11の内壁に設けられた突起(例えば凸部11a,11b)も弾性部材とする。これにより、貫通孔11に挿入されたスタンド20Cを当該突起の弾性により保持することができる。これにより、第2の利用形態においてスタンド20Cを電子機器本体10に強固に取り付け、電子機器1の携帯時等における電子機器本体10からのスタンド20Cの脱落を防止することができる。また、当該突起と嵌合する凹部22a,22b,23a,23bをスタンド20Cに設けることで、第2の利用形態においてスタンド20Cを電子機器本体10にさらに強固に取り付け、電子機器1の携帯時等における電子機器本体10からのスタンド20Cの脱落を防止することができる。
【0050】
なお、第5変形例においては、電子機器本体10の貫通孔11に凸部(例えば凸部11a,11b)を設け、スタンド20Cの挿入部22,23に凹部22a,22b,23a,23bを設ける構成としたが、電子機器本体10の貫通孔11に凹部を設け、スタンド20Cの挿入部22,23にその凹部と嵌合する凸部を設ける構成としてもよい。
【0051】
[他の変形例]
上述した実施形態では、電子機器本体10に形成される貫通孔11が電子機器本体10の前面10fから後面10bまで貫通する例を説明したが、これに限定されない。電子機器本体10に形成される孔は、例えば、貫通しない孔であってもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、スタンド20を取り付ける貫通孔11を電子機器本体10の厚み方向(前後方向)に前面10fから後面10bに向けて形成する例を説明したが、これに限定されない。例えば、左面10l、右面10r、上面10u、下面10dのいずれかに、電子機器本体10の厚み方向と直交する方向へスタンド20を取り付ける孔を形成するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、単数のスタンド20を設ける例を説明したが、これに限定されない。例えば、複数のスタンドを設けるようにしてもよい。この場合、スタンドを取り付けるための電子機器本体10の孔は、複数設けるようにしてもよいし、複数のスタンドを取り付けることが可能な大きな孔を単数設けるようにしてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、電子機器本体10を矩形状の前面10f、後面10b、左面10l、右面10r、上面10u、及び下面10dで構成する例を説明したが、これに限定されない。電子機器本体10は、例えば、各面同士により形成される端部(角部)が面取りされた形状であってもよい。スタンド20の場合も同様であり、接地部21、挿入部22,23、及び接続部24の端部(角部)が面取りされた形状であってもよい。また、電子機器本体10に形成される貫通孔11の形状は、スタンド20の形状に合わせて適宜変更してもよい。
【0055】
また、電子機器本体10の通信インタフェースとしてUSB4.0の通信インタフェースについて説明したが、電子機器本体10の通信インタフェースはUSB4.0の通信インタフェースに限らず、USB3.0やUSB3.2などの他のUSBの通信インタフェースや、USB以外の通信インタフェースであってもよい。
【0056】
また、隙間25の大きさは、採用するケーブル30の太さによって適宜調整されてもよい。ケーブル30の太さは、例えば電子機器本体10の通信インタフェースによって異なる。例えば、USB3.2に対応するケーブル30は、USB4.0に対応するケーブル30より細いため、電子機器本体10の通信インタフェースとしてUSB3.2の通信インタフェースを採用する場合は、隙間25をUSB3.2の通信インタフェースに合わせて小さくしてもよい。
【0057】
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
【0058】
(1)
電子機器本体と、
前記電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有するスタンドと、
を備え、
前記スタンドは、前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なる、
電子機器。
【0059】
(2)
(1)に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記電子機器本体の厚み方向に前記電子機器本体を挟み込むことにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【0060】
(3)
(1)又は(2)に記載の電子機器であって、
前記電子機器本体は、前記第2の利用形態において前記スタンドを取り付け可能な孔を有する、
電子機器。
【0061】
(4)
(3)に記載の電子機器であって、
前記孔は、前記面に垂直な方向に前記電子機器本体を貫通する貫通孔である、
電子機器。
【0062】
(5)
(3)又は(4)に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において前記面に垂直な方向に延び少なくとも一部が前記孔に挿入される複数の挿入部と、前記複数の挿入部を互いに接続する接続部と、を有する、
電子機器。
【0063】
(6)
(5)に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において、前記複数の挿入部と前記接続部とにより、前記面に対して前記電子機器本体のケーブルを固定する、
電子機器。
【0064】
(7)
(5)又は(6)に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記複数の挿入部と前記孔の内面との間の摩擦により前記電子機器本体に取り付けられる、
電子機器。
【0065】
(8)
(5)から(7)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記複数の挿入部により前記電子機器本体の厚み方向に前記電子機器本体を挟み込むことにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【0066】
(9)
(5)から(8)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記接続部に前記電子機器本体を載置することにより前記電子機器本体を保持する、
電子機器。
【0067】
(10)
(5)から(9)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記複数の挿入部は、前記第2の利用形態における前記面に垂直な方向の長さが、前記孔の深さよりも長い、
電子機器。
【0068】
(11)
(5)から(10)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第1の利用形態において、前記電子機器本体の厚み方向に延び接地する接地部を有する、
電子機器。
【0069】
(12)
(11)に記載の電子機器であって、
前記接地部は、前記第2の利用形態において、前記面に平行な方向に延びる、
電子機器。
【0070】
(13)
(5)から(12)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記複数の挿入部の間隔は、前記電子機器本体のケーブルの太さの2倍以上である、
電子機器。
【0071】
(14)
(1)から(13)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記スタンドは、前記第2の利用形態において、前記電子機器本体のケーブルの一部を前記電子機器本体に固定する、
電子機器。
【0072】
(15)
(1)から(14)のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記電子機器本体は、通信部を有する記憶装置である、
電子機器。
【0073】
(16)
電子機器本体の厚み方向が水平となるように前記電子機器本体を保持する第1の利用形態と、前記電子機器本体の予め定められた面に対して、前記面に垂直な方向から見て前記電子機器本体の外縁の内側に収まる状態で前記電子機器本体へ取り付けられる第2の利用形態と、を有し、
前記第1の利用形態と前記第2の利用形態で前記電子機器本体に対する向きが異なる、
スタンド。
【符号の説明】
【0074】
1 電子機器
10 電子機器本体
10f 前面
11 貫通孔
11a,11b 凸部
20,20A~20C スタンド
20b 弾性部材
21 接地部
22,22A,23,23A 挿入部
22a,22b,23a,23b 凹部
25 隙間
24 接続部
30,30A,30B ケーブル
50 設置場所