(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003027
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】確率振幅シェーピング及び前方誤り制御コーディング
(51)【国際特許分類】
H03M 13/19 20060101AFI20231228BHJP
H03M 13/31 20060101ALI20231228BHJP
H04L 27/00 20060101ALI20231228BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H03M13/19
H03M13/31
H04L27/00 B
H04L1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023184074
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2022541000の分割
【原出願日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】62/957,522
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/140,626
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】デュン・ゴク・ドアン
(72)【発明者】
【氏名】リン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ・ヨハネス・リシャルト・ファン・ネー
(72)【発明者】
【氏名】ビン・ティアン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジョセフ・リチャードソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジェイ・シェルハマー
(57)【要約】
【課題】高いMCSに対して必要とされるSNRを取得する。
【解決手段】本開示は、コードブロックのデータビットに対して第1の符号化動作を実行して、振幅が不均一な分布を有するように得られたシンボルの振幅をシェーピングすることに関する。ある態様では、それぞれの振幅と関連付けられる確率は概ね振幅の減少とともに上昇する。例えば、シンボルの振幅の不均一な分布は概ねガウス分布であり得る。ある態様では、第1の符号化動作は0.94より大きく1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作であり、またはそれを含む。第1の符号化動作の後には第2の符号化動作が続き、これも冗長性を加えるが、データビット自体を変更することはない。ある態様では、第2の符号化動作は5/6より大きいコーディングレートと関連付けられる低密度パリティチェック符号化動作であり、またはそれを含む。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行するステップと、
前記複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックが前記複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する、ステップと、
複数のそれぞれの符号語を生成する、前記複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行するステップであって、各符号語が、前記それぞれのコードブロックの前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記第2の符号化動作から生じる1つまたは複数のパリティビットを含む、ある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である、ステップと、
前記複数の符号語の各々の前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べるステップであって、各シンボルが、前記シンボルにおいて並べられる前記それぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、前記複数のシンボルの前記振幅が不均一な分布を有するように、前記第1の符号化動作が前記複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、ステップと、
前記複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信するステップとを備える、方法。
【請求項2】
M/L=7/8である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の符号化動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の符号化動作を実行する前記ステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、前記情報ビットのサブセットと一致するビット値のパターンを選択するステップを備え、前記LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するビット値の複数のパターンを記憶し、前記複数の振幅シェーピングされたビットが、ビット値の前記選択されたパターンに対応する振幅シェーピングされたビットの前記パターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
振幅シェーピングされたビットの前記複数のパターンの各々が、確率質量関数(PMF)に基づく発生の確率を有するそれぞれの振幅レベルを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
振幅シェーピングされたビットの前記複数のパターンの各々が、PMFに基づく発生の確率を有する2つ以上の振幅レベルを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の符号化動作が、複数のシェーピングされていない情報ビットに対して実行されず、各コードブロックの前記Mビットがさらに、前記複数のシェーピングされていない情報ビットのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の符号化動作が、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記LDPCコードが7/8に等しいコーディングレートを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記LDPCコードが5/6に等しいコーディングレートを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の符号化動作を実行する前記ステップが、
前記LDPCコードに基づくそれぞれの数(N個)の符号語ビットとして各コードブロックの前記Mビットを符号化するステップと、
L=N-Kとなるように各コードブロックと関連付けられるある数(K個)の前記符号語ビットをパンクチャリングするステップとを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パンクチャリングが、前記複数の振幅シェーピングされたビットに対して実行されない、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
M=1620、N=1944、およびK≧90である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
M=1701、N=2106、およびK=162である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのモデムと連携して前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行し、
前記複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べ、各コードブロックが前記複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有し、
複数のそれぞれの符号語を生成する、前記複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行し、各符号語が、前記それぞれのコードブロックの前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記第2の符号化動作から生じる1つまたは複数のパリティビットを含む、ある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6であり、
前記複数の符号語の各々の前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べ、各シンボルが、前記シンボルにおいて並べられる前記それぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、前記複数のシンボルの前記振幅が不均一な分布を有するように、前記第1の符号化動作が前記複数の振幅シェーピングされたビットを生成し、
前記複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信する
ように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項16】
M/L=7/8である、請求項15に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項17】
前記第1の符号化動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有する、請求項15に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項18】
前記第1の符号化動作を実行する前記ステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、前記情報ビットのサブセットと一致するビット値のパターンを選択するステップを備え、前記LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するビット値の複数のパターンを記憶し、前記複数の振幅シェーピングされたビットが、ビット値の前記選択されたパターンに対応する振幅シェーピングされたビットの前記パターンを含む、請求項15に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項19】
前記第2の符号化動作を実行する前記ステップが、
低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づくそれぞれの数(N個)の符号語ビットとして各コードブロックの前記Mビットを符号化するステップと、
L=N-Kとなるように各コードブロックと関連付けられるある数(K個)の前記符号語ビットをパンクチャリングするステップとを備える、請求項15に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項20】
前記パンクチャリングが、前記複数の振幅シェーピングされたビットに対して実行されない、請求項19に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項21】
ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信するステップであって、前記複数のシンボルが複数の符号語ビットを表し、前記複数の振幅が不均一な分布を有する、ステップと、
前記複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックがある数(L個)の前記符号語ビットを含む、ステップと、
複数のそれぞれの符号語を生成する、前記複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行するステップであって、各符号語が、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットを含むある数(M)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットが、前記複数のシンボルのそれぞれのシンボルの前記振幅を示す、ステップと、
前記複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行するステップとを備える、方法。
【請求項22】
M/L=7/8である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の復号動作が、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記LDPCコードが7/8に等しいコーディングレートを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記LDPCコードが5/6に等しいコーディングレートを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の復号動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を逆にする、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の復号動作を実行する前記ステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、前記複数の符号語のそれぞれの符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットと一致するシェーピング解除されたビットのパターンを選択するステップを備え、前記LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するシェーピング解除されたビットの複数のパターンを記憶し、前記複数のシェーピング解除されたビットがシェーピング解除されたビットの前記選択されたパターンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
振幅シェーピングされたビットの前記複数のパターンの各々が、確率質量関数(PMF)に基づく発生の確率を有する前記複数の振幅のそれぞれの振幅を表す、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
振幅シェーピングされたビットの前記複数のパターンの各々が、PMFに基づく発生の確率を有する前記複数の振幅のうちの2つ以上の振幅を表す、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのモデムと連携して前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信し、前記複数のシンボルが複数の符号語ビットを表し、前記複数の振幅が不均一な分布を有し、
前記複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べ、各コードブロックがある数(L個)の前記符号語ビットを含み、
複数のそれぞれの符号語を生成する、前記複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行し、各符号語が、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットが、前記複数のシンボルのそれぞれのシンボルの前記振幅を示し、
前記複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行する
ように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項31】
M/L=7/8である、請求項30に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項32】
前記第1の復号動作が、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく、請求項30に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項33】
前記第2の復号動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を逆にする、請求項30に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項34】
前記第2の復号動作を実行する前記ステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、前記複数の符号語のそれぞれの符号語の前記複数の振幅シェーピングされたビットと一致するシェーピング解除されたビットのパターンを選択するステップを備え、前記LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するシェーピング解除されたビットの複数のパターンを記憶し、前記複数のシェーピング解除されたビットがシェーピング解除されたビットの前記選択されたパターンを含む、請求項30に記載のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全般に、ワイヤレス通信に関し、より具体的には、不均一な振幅分布を達成するためにデータを符号化することに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、局(STA)とも呼ばれるいくつかのクライアントデバイスにより使用するための共有されるワイヤレス通信媒体を提供する、1つまたは複数のアクセスポイント(AP)により形成され得る。Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)802.11規格群に準拠するWLANの基本的な要素は、APによって管理される基本サービスセット(BSS)である。各BSSは、APによりアドバタイズされる基本サービスセット識別子(BSSID)によって識別される。APは、ビーコンフレームを定期的にブロードキャストして、APのワイヤレス範囲内にあるあらゆるSTAがWLANとの通信リンクを確立または維持することを可能にする。
【0003】
送信デバイスおよび受信デバイスは、ワイヤレスチャネル条件を最適に利用するように、たとえばスループットを高め、レイテンシを減らし、または様々なサービス品質(QoS)パラメータを課すようにデータを送信して受信するための、様々な変調およびコーディング方式(MCS)の使用をサポートし得る。たとえば、既存の技術は、最大で1024-QAMの使用をサポートし、4096-QAM(「4k QAM」とも呼ばれる)も実装されることが予想される。MCSの中でもとりわけ、1024-QAMおよび4096-QAMは、低密度パリティチェック(LDPC)符号化の使用を伴う。たとえば前方誤り訂正(FEC)に冗長性を加えるために、LDPC符号化動作がコードブロックのデータビットに対して実行され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、現実世界のワイヤレスチャネルは、データが通信され得る最大のレートに制約を課すノイズを含む。Shannon-Hartley理論は、リンクの絶対的なチャネル容量、すなわち、ノイズの存在下で特定の帯域幅にわたり送信することができる単位時間当たりのエラーのない情報の最大の量を表す、上側の限界または制限(「シャノン限界」と呼ばれる)を立証している。残念ながら、LDPC符号化により達成可能なチャネル容量は、高いMCSに対しても、シャノン限界に対して大きな差がある。加えて、1024-QAMおよび4096-QAMを含む高いMCSを使用することが可能であるには、高い信号対雑音比(SNR)が必要とされるが、そのような高いMCSに対して必要とされるSNRを取得するのは難しいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの革新的な態様を有し、それらのいずれの1つも、本明細書において開示される望ましい属性を単独で担うものではない。
【0006】
本開示において説明される主題の1つの革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。方法は、ワイヤレス通信デバイスによって実行されてもよく、複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行するステップと、複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックが複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する、ステップと、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行するステップであって、各符号語が、それぞれのコードブロックの1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび第2の符号化動作に起因する1つまたは複数のパリティビットを含むある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である、ステップと、複数の符号語の各々の1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べるステップであって、各シンボルが、シンボルにおいて並べられたそれぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、複数のシンボルの振幅が不均一な分布を有するように、第1の符号化動作が複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、ステップと、複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信するステップとを含み得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、M/L=7/8である。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有する。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、複数のシェーピングされていない情報ビットに対して実行されず、各コードブロックのMビットはさらに複数のシェーピングされていないビットのうちの1つまたは複数を含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、第1の符号化動作の実行は、ルックアップテーブル(LUT)から、情報ビットのサブセットと一致するビット値のパターンを選択するステップを含み、LUTは、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するビット値の複数のパターンを記憶し、複数の振幅シェーピングされたビットは、ビット値の選択されたパターンに対応する振幅シェーピングされたビットのパターンを含む。いくつかの態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、確率質量関数(PMF)に基づく発生の確率を有するそれぞれの振幅レベルを表し得る。いくつかの他の態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する2つ以上の振幅レベルを表し得る。
【0009】
いくつかの実装形態では、第2の符号化動作は、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく。いくつかの態様では、LDPCコードは、7/8に等しいコーディングレートを有し得る。いくつかの他の態様では、LDPCコードは、5/6に等しいコーディングレートを有し得る。いくつかの実装形態では、第2の符号化動作の実行は、LDPCコードに基づくそれぞれの数(N個)の符号語ビットとして各コードブロックのMビットを符号化することと、L=N-Kとなるように各コードブロックと関連付けられるある数(K個)の符号語ビットをパンクチャリングすることとを含む。いくつかの態様では、M=1620、N=1944、およびK≧90である。いくつかの他の態様では、M=1701、N=2106、およびK=162である。いくつかの実装形態では、パンクチャリングは複数の振幅シェーピングされたビットに対して実行されない。
【0010】
本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されプロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み得る。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのプロセッサによるプロセッサ可読コードの実行は、複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行することと、複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べることであって、各コードブロックが複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する、並べることと、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行することであって、各符号語が、それぞれのコードブロックの1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび第2の符号化動作に起因する1つまたは複数のパリティビットを含むある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である、実行することと、複数の符号語の各々の1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べることであって、各シンボルが、シンボルにおいて並べられたそれぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、複数のシンボルの振幅が不均一な分布を有するように、第1の符号化動作が複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、並べることと、複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信することとを含む動作を、ワイヤレス通信デバイスに実行させる。
【0011】
本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。方法は、ワイヤレス通信デバイスによって実行されてもよく、複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信するステップであって、複数のシンボルが複数の符号語ビットを表し、複数の振幅が不均一な分布を有する、ステップと、複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックがある数(L個)の符号語ビットを含む、ステップと、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行するステップであって、各符号語が、複数の振幅シェーピングされたビットのおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットが、複数のシンボルのそれぞれのシンボルの振幅を示す、ステップと、複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行するステップとを含み得る。
【0012】
いくつかの実装形態では、M/L=7/8である。いくつかの実装形態では、第1の復号動作はLDPCコードに基づく。いくつかの態様では、LDPCコードは、7/8に等しいコーディングレートを有し得る。いくつかの他の態様では、LDPCコードは、5/6に等しいコーディングレートを有し得る。
【0013】
いくつかの実装形態では、第2の復号動作は、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を逆にする。いくつかの実装形態では、第2の復号動作の実行は、LUTから、複数の符号語のそれぞれの符号語の複数の振幅シェーピングされたビットと一致するシェーピング解除されたビットのパターンを選択することを含み、LUTは、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するシェーピング解除されたビットの複数のパターンを記憶し、複数のシェーピング解除されたビットはシェーピング解除されたビットの選択されたパターンを含む。いくつかの態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する複数の振幅のそれぞれの振幅を表し得る。いくつかの他の態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する複数の振幅のうちの2つ以上の振幅を表し得る。
【0014】
本開示において説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されプロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み得る。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのプロセッサによるプロセッサ可読コードの実行は、複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信することであって、複数のシンボルが複数の符号語ビットを表し、複数の振幅が不均一な分布を有する、受信することと、複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べることであって、各コードブロックがある数(L個)の符号語ビットを含む、並べることと、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行することであって、各符号語が、複数の振幅シェーピングされたビットのおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットが、複数のシンボルのそれぞれのシンボルの振幅を示す、実行することと、複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行することとを含む動作を、ワイヤレス通信デバイスに実行させる。
【0015】
本開示において説明される主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなろう。以下の図の相対的な寸法は一定の縮尺で描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図である。
【
図2A】アクセスポイント(AP)といくつかの局(STA)との間の通信に使用可能である例示的なプロトコルデータユニット(PDU)を示す図である。
【
図2B】
図2AのPDUの中の例示的なフィールドを示す図である。
【
図3】APといくつかのSTAとの間の通信に使用可能である別の例示的なPDUを示す図である。
【
図4】例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
【
図5A】例示的なアクセスポイント(AP)のブロック図である。
【
図5B】例示的な局(STA)のブロック図である。
【
図6】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図7A】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフローの図である。
【
図7B】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフローの図である。
【
図8A】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする振幅値の例示的な分布を示す図である。
【
図8B】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする振幅値の例示的な分布を示す図である。
【
図8C】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする振幅値の例示的な分布を示す図である。
【
図8D】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする振幅値の例示的な分布を示す図である。
【
図9】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする例示的なルックアップテーブル(LUT)を示す図である。
【
図10】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図11A】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフローの図である。
【
図11B】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフローの図である。
【
図12】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフローの別の図である。
【
図13】いくつかの実装形態による、低密度パリティチェック(LDPC)コードのための例示的なパリティチェック行列を示す図である。
【
図15】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図16】いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図17】いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
【
図18】いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0018】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的でいくつかの特定の実装形態を対象としている。しかしながら、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを当業者は容易に認識されよう。説明される実装形態は、とりわけ、Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802.11規格、IEEE 802.15規格、Bluetooth Special Interest Group (SIG)により定められるようなBluetooth(登録商標)規格、または、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))により公布されるLong Term Evolution (LTE)、3G、4G、もしくは5G(New Radio (NR))規格のうちの1つまたは複数に従って、高周波(RF)信号を送信して受信することが可能な、任意のデバイス、システム、またはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態は、以下の技術または技法、すなわち、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、シングルユーザ(SU)多入力多出力(MIMO)、およびマルチユーザ(MU) MIMOのうちの1つまたは複数に従って、RF信号を送信して受信することが可能な、任意のデバイス、システム、またはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態はまた、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、またはinternet of things (IOT)ネットワークのうちの1つまたは複数において使用するのに適した、他のワイヤレス通信プロトコルまたはRF信号を使用して実装され得る。
【0019】
様々な態様は全般に、望ましい振幅分布を達成するようにワイヤレス通信のためのデータを符号化すること、より具体的には、振幅が不均一な分布を有するように得られたシンボルの振幅をシェーピングするために、コードブロックのデータビットに対する第1の符号化動作を実行することに関する。いくつかの態様では、それぞれの振幅と関連付けられる確率は概ね、振幅の減少とともに上昇する。たとえば、シンボルの振幅の不均一な分布は、概ねガウス分布であり得る。いくつかの態様では、第1の符号化動作は、0.94より大きいが1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作であり、またはそれを含む。たとえば、第1の符号化動作は、データビットの全体の数を増やすことによって、入力データビットに冗長性を加え得る。第1の符号化動作の後には第2の符号化動作が続き、これも冗長性を加えるが、データビット自体を変更することはない。いくつかの態様では、第2の符号化動作は、7/8などの5/6より大きいコーディングレートと関連付けられる低密度パリティチェック(LDPC)符号化動作であり、またはそれを含む。
【0020】
本開示において説明される主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。いくつかの実装形態では、説明される技法は、たとえば、得られた振幅分布が概ねガウス分布となるように振幅を符号化することによって、送信デバイスにより実際に得られるチャネル容量と理論的なシャノン限界との差を埋めるために使用され得る。本実装形態では、ワイヤレス通信のスペクトル効率は、第1の符号化動作のコーディングレート、ならびに第2の符号化動作のコーディングレートにより影響を受ける。上で説明されたように、第1の符号化動作は、1未満の実効コーディングレートを有する。第1の符号化動作を、7/8のコーディングレートを有する第2の符号化動作と組み合わせることによって、本開示の態様は、約5/6の全体のコーディングレートを達成し得る(これは、IEEE 802.11規格の既存のバージョンに従ったピークスペクトル効率を可能にする)。
【0021】
図1は、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100のブロック図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100は、Wi-Fiネットワークなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の例であり得る(以後WLAN100と呼ばれる)。たとえば、WLAN100は、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格群(限定はされないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはそれらの改正により定義されるものなど)のうちの少なくとも1つを実装するネットワークであり得る。WLAN100は、アクセスポイント(AP)102および複数の局(STA)104などの多数のワイヤレス通信デバイスを含み得る。1つだけのAP102が示されているが、WLANネットワーク100は複数のAP102も含み得る。
【0022】
STA104の各々は、様々な可能性の中でもとりわけ、移動局(MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(AT)、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、または加入者ユニットとも呼ばれ得る。STA104は、様々な可能性の中でもとりわけ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ディスプレイデバイス(たとえば、とりわけTV、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽もしくは他のオーディオもしくはステレオデバイス、リモートコントロールデバイス(「リモート」)、プリンタ、キッチン家電または他の家電、キーフォブ(たとえば、パッシブキーレスエントリおよびスタート(PKES)システムのための)などの、様々なデバイスを表し得る。
【0023】
単一のAP102およびSTA104の関連するセットは基本サービスセット(BSS)と呼ばれることがあり、これはそれぞれのAP102によって管理される。加えて、
図1は、WLAN100の基本サービスエリア(BSA)を表し得る、AP102の例示的なカバレッジエリア106を示す。BSSは、サービスセット識別子(SSID)によりユーザに対して、ならびに基本サービスセット識別子(BSSID)によって他のデバイスに対して識別されることがあり、BSSIDはAP102の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであることがある。AP102は、BSSIDを含むビーコンフレーム(「ビーコン」)を定期的にブロードキャストして、AP102のワイヤレス範囲内にあるあらゆるSTA104が、AP102に「アソシエート」または再アソシエートして、それぞれの通信リンク108(以後「Wi-Fiリンク」とも呼ばれる)を確立し、またはAP102との通信リンク108を維持することを可能にする。たとえば、ビーコンは、それぞれのAP102によって使用されるプライマリチャネルを識別するもの、ならびに、AP102とのタイミング同期を確立または維持するためのタイミング同期機能を含み得る。AP102は、それぞれの通信リンク108を介して、WLANの中の様々なSTA104に外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。
【0024】
AP102との通信リンク108を確立するために、STA104の各々は、1つまたは複数の周波数帯域(たとえば、2.4GHz、5GHz、6GHz、または60GHzの帯域)の中の周波数チャネル上で、受動的なまたは能動的なスキャン動作(「スキャン」)を実行するように構成される。受動スキャンを実行するために、STA104はビーコンを聴取し、ビーコンは、目標ビーコン送信時間(TBTT)(時間単位(TU)で測定され、1TUは1024マイクロ秒(μs)に等しいことがある)と呼ばれる定期的な時間間隔でそれぞれのAP102によって送信される。能動スキャンを実行するために、STA104は、プローブ要求を生成し、スキャンされるべき各チャネル上でそれらを逐次送信し、AP102からのプローブ応答を聴取する。各STA104は、受動スキャンまたは能動スキャンを通じて得られたスキャン情報に基づいて、アソシエートすべきAP102を特定または選択し、選択されたAP102との通信リンク108を確立するために、認証およびアソシエーション動作を実行するように構成され得る。AP102は、アソシエーション動作の最後にアソシエーション識別子(AID)をSTA104に割り当て、AP102はAIDを使用してSTA104を追跡する。
【0025】
ワイヤレスネットワークの遍在性が高まった結果として、STA104には、STAの範囲内にある多数のBSSのうちの1つを選択する機会、または、複数の接続されたBSSを含む拡張サービスセット(ESS)を一緒に形成する複数のAP102の中から選択する機会があり得る。WLAN100と関連付けられる拡張ネットワーク局は、複数のAP102がESSなどにおいて接続されることを可能にし得る有線またはワイヤレス配信システムに接続され得る。したがって、STA104は、1つより多くのAP102によりカバーされることが可能であり、異なる送信のために異なる時間に異なるAP102にアソシエートすることができる。加えて、AP102とのアソシエーションの後で、STA104はまた、アソシエートすべきより適切なAP102を見つけるために、その周りを定期的にスキャンするように構成され得る。たとえば、アソシエートされたAP102に対して相対的に移動しているSTA104は、「ローミング」スキャンを実行して、より大きい受信信号強度インジケータ(RSSI)またはより低いトラフィック負荷などのより望ましいネットワーク特性を有する別のAP102を見つけてもよい。
【0026】
いくつかの場合、STA104は、AP102またはSTA104自体以外の他の機器なしでネットワークを形成し得る。そのようなネットワークの一例は、アドホックネットワーク(またはワイヤレスアドホックネットワーク)である。代替として、アドホックネットワークは、メッシュネットワークまたはピアツーピア(P2P)ネットワークと呼ばれることがある。いくつかの場合、アドホックネットワークは、WLAN100などのより大きいワイヤレスネットワーク内で実装され得る。そのような実装形態では、STA104は、通信リンク108を使用してAP102を通じて互いに通信することが可能であり得るが、STA104はまた、直接のワイヤレスリンク110を介して互いに直接通信することもできる。加えて、2つのSTA104は、両方のSTA104が同じAP102にアソシエートされて同じAP102によりサービスされるかどうかにかかわらず、直接の通信リンク110を介して通信してもよい。そのようなアドホックシステムでは、STA104のうちの1つまたは複数が、BSSの中のAP102により満たされる役割を引き受け得る。そのようなSTA104は、グループ所有者(GO)と呼ばれることがあり、アドホックネットワーク内の送信を調整し得る。直接のワイヤレスリンク110の例は、Wi-Fi Direct接続、Wi-Fi Tunneled Direct Link Setup(TDLS)リンクを使用することにより確立される接続、および他のP2Pグループ接続を含む。
【0027】
AP102およびSTA104は、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格群(限定はされないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはそれらの改正により定義されるものなど)に従って、機能および通信する(それぞれの通信リンク108を介して)ことができる。これらの規格は、WLAN無線と、PHYおよび媒体アクセス制御(MAC)層のためのベースバンドプロトコルとを定義する。AP102およびSTA104は、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)の形態で、互いとの間でワイヤレス通信(以後「Wi-Fi通信」とも呼ばれる)を送信して受信する。WLAN100の中のAP102およびSTA104は、免許不要スペクトルを介してPPDUを送信してもよく、免許不要スペクトルは、2.4GHz帯域、5GHz帯域、60GHz帯域、3.6GHz帯域、および900MHz帯域などの、従来はWi-Fi技術によって使用される周波数帯域を含むスペクトルの一部分であってもよい。本明細書において説明されるAP102およびSTA104のいくつかの実装形態はまた、6GHz帯域などの他の周波数帯域において通信してもよく、これは免許通信と免許不要通信の両方をサポートすることがある。AP102およびSTA104はまた、共有される免許周波数帯域などの他の周波数帯域を介して通信するように構成されてもよく、この場合、複数の事業者が、同じまたは重複する1つまたは複数の周波数帯域において運用を行う免許を有し得る。
【0028】
周波数帯域の各々は、複数のサブバンドまたは周波数チャネルを含み得る。たとえば、IEEE 802.11n、802.11ac、および802.11ax規格の改正に準拠するPPDUは、各々が複数の20MHzチャネルへと分割される、2.4GHz帯域および5GHz帯域を介して送信され得る。したがって、これらのPPDUは、20MHzの最低の帯域幅を有する物理チャネルを介して送信されるが、チャネル接合を通じてより大きいチャネルを形成することができる。たとえば、PPDUは、複数の20MHzチャネルを一緒に接合することによって、40MHz、80MHz、160MHz、または320MHzの帯域幅を有する物理チャネルを介して送信され得る。
【0029】
各PPDUは、PLCPサービスデータユニット(PSDU)の形態でPHYプリアンブルおよびペイロードを含む複合構造である。プリアンブルにおいて提供される情報は、PSDUの中の後続のデータを復号するために受信デバイスによって使用され得る。PPDUが接合されたチャネルを介して送信される事例では、プリアンブルフィールドは、複数のコンポーネントチャネルの各々において複製され送信され得る。PHYプリアンブルは、レガシー部分(または「レガシープリアンブル」)と非レガシー部分(または「非レガシープリアンブル」)の両方を含み得る。レガシープリアンブルは、用途の中でもとりわけ、パケット検出、自動利得制御、およびチャネル推定のために使用され得る。レガシープリアンブルは一般に、レガシーデバイスとの互換性を維持するためにも使用され得る。プリアンブルの非レガシー部分のフォーマット、そのコーディング、およびそれにおいて提供される情報は、ペイロードを送信するために使用されるべき特定のIEEE 802.11プロトコルに基づく。
【0030】
図2Aは、APといくつかのSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能である例示的なプロトコルデータユニット(PDU)200を示す。たとえば、PDU200はPPDUとして構成され得る。示されるように、PDU200は、PHYプリアンブル202およびPHYペイロード204を含む。たとえば、プリアンブル202は、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシー短訓練フィールド(L-STF)206と、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシー長訓練フィールド(L-LTF)208と、2つのBPSKシンボルからなり得るレガシー信号フィールド(L-SIG)210とをそれ自体が含む、レガシー部分を含み得る。プリアンブル202のレガシー部分は、IEEE 802.11aワイヤレス通信プロトコル規格に従って構成され得る。プリアンブル202はまた、たとえば、IEEE 802.11ac、802.11ax、802.11be、またはそれ以降のワイヤレス通信プロトコル規格などのIEEEワイヤレス通信プロトコルに準拠する、1つまたは複数の非レガシーフィールド212を含む非レガシー部分を含み得る。
【0031】
L-STF206は一般に、受信デバイスが自動利得制御(AGC)および粗いタイミングと周波数の推定を実行することを可能にする。L-LTF208は一般に、受信デバイスが、精密なタイミングと周波数の推定を実行することを可能にし、ワイヤレスチャネルの初期推定を実行することも可能にする。L-SIG210は一般に、受信デバイスが、PDU上での送信を避けるように、PDUの時間長を決定することおよび決定された時間長を使用することを可能にする。たとえば、L-STF206、L-LTF208、およびL-SIG210は、二位相偏移変調(BPSK)変調方式に従って変調され得る。ペイロード204は、BPSK変調方式、直交BPSK(Q-BPSK)変調方式、直交振幅変調(QAM)変調方式、または別の適切な変調方式に従って変調され得る。ペイロード204は、データフィールド(DATA)214を含むPSDUを含んでもよく、そしてデータフィールド214は、たとえば媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)またはアグリゲートMPDU(A-MPDU)の形態で、より高次の層のデータを搬送してもよい。
【0032】
図2Bは、
図2AのPDU200の中の例示的なL-SIG210を示す。L-SIG210は、データレートフィールド222、予備ビット224、長さフィールド226、パリティビット228、およびテイルフィールド230を含む。データレートフィールド222はデータレートを示す(データレートフィールド212において示されるデータレートは、ペイロード204において搬送されるデータの実際のデータレートではないことがあることに留意されたい)。長さフィールド226は、たとえばシンボルまたはバイトの単位で、パケットの長さを示す。パリティビット228は、ビットエラーを検出するために使用され得る。テイルフィールド230は、デコーダ(たとえば、ビタビデコーダ)の動作を打ち切るために受信デバイスによって使用され得るテイルビットを含む。受信デバイスは、データレートフィールド222および長さフィールド226において示されるデータレートおよび長さを利用して、たとえばマイクロ秒(μs)または他の時間単位の単位でパケットの時間長を決定し得る。
【0033】
図3は、APといくつかのSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能である別の例示的なPDU350を示す。PDU350は、MU-OFDMAまたはMU-MIMO送信のために使用され得る。PDU350は、レガシー部分352および非レガシー部分354を含むPHYプリアンブルを含む。PDU350はさらに、たとえばDATAフィールド374を含むPSDUの形態のプリアンブルの後に、PHYペイロード356を含み得る。レガシー部分352は、L-STF358、L-LTF360、およびL-SIG362を含む。プリアンブルの非レガシー部分354およびDATAフィールド374は、それぞれ、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に対するIEEE 802.11ax改正に従って、High Efficiency (HE)WLANプリアンブルおよびフレームとしてフォーマットされ得る。非レガシー部分354は、反復レガシー信号フィールド(RL-SIG)364、第1のHE信号フィールド(HE-SIG-A)366、HE-SIG-A366とは別に符号化される第2のHE信号フィールド(HE-SIG-B)368、HE短訓練フィールド(HE-STF)370、およびいくつかのHE長訓練フィールド(HE-LTF)372を含む。L-STF358、L-LTF360、およびL-SIG362のように、RL-SIG364およびHE-SIG-A366の中の情報は、接合されたチャネルの使用を伴う事例では20MHzコンポーネントチャネルの各々において複製され送信され得る。対照的に、HE-SIG-B368は、各々の20MHzチャネルに固有であってもよく、特定のSTA104を標的にしてもよい。
【0034】
RL-SIG364は、PPDUがHE PPDUであることをHE適合STA104に示し得る。AP102は、HE-SIG-A366を使用して、複数のSTA104を特定し、APがそれらの複数のSTA104のためのULリソースまたはDLリソースをスケジューリングしたことを複数のSTA104に知らせ得る。HE-SIG-A366は、AP102によってサービスされる各HE適合STA104によって復号され得る。HE-SIG-A366は、関連するHE-SIG-B368を復号するために各々の特定されたSTA104によって使用可能な情報を含む。たとえば、HE-SIG-A366は、様々な可能性の中でもとりわけ、HE-SIG-B368の位置および長さ、利用可能なチャネル帯域幅、変調およびコーディング方式(MCS)を含む、フレームフォーマットを示し得る。HE-SIG-A366はまた、特定されたいくつかのSTA104以外のSTA104によって使用可能なHE WLANシグナリング情報を含み得る。
【0035】
HE-SIG-B368は、たとえばユーザごとのMCS値およびユーザごとのRU割振り情報などの、STA固有のスケジューリング情報を搬送し得る。DL MU-OFDMAの文脈では、そのような情報は、関連するデータフィールドの中の対応するRUをそれぞれのSTA104が特定して復号することを可能にする。各HE-SIG-B368は、共通のフィールドおよび少なくとも1つのSTA固有の(「ユーザ固有の」)フィールドを含む。共通のフィールドは、様々な可能性の中でもとりわけ、RU分布を複数のSTA104に示し、周波数領域におけるRUの割り当てを示し、どのRUがMU-MIMO送信のために割り振られ、どのRUがMU-OFDMA送信に対応するか、および割振りにおけるユーザの数を示し得る。共通のフィールドは、共通のビット、CRCビット、およびテイルビットで符号化され得る。ユーザ固有のフィールドは、特定のSTA104に割り当てられ、特定のRUをスケジューリングし、そのスケジューリングを他のWLANデバイスに示すために使用され得る。各々のユーザ固有のフィールドは、複数のユーザブロックフィールド(この後にパディングが続き得る)を含み得る。各ユーザブロックフィールドは、2つのそれぞれのSTAがDATAフィールド374の中のそれぞれのRUペイロードを復号するための情報を含む、2つのユーザフィールドを含み得る。
【0036】
上で説明されたように、AP102およびSTA104は、マルチユーザ(MU)通信、すなわち、あるデバイスから複数のデバイスの各々への同時送信(たとえば、AP102から対応するSTA104への複数の同時ダウンリンク(DL)通信)、または複数のデバイスから単一のデバイスへの同時送信(たとえば、対応するSTA104からAP102への複数の同時アップリンク(UL)送信)をサポートすることができる。MU送信をサポートするために、AP102およびSTA104は、マルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)およびマルチユーザ直交周波数分割多元接続(MU-OFDMA)技法を利用し得る。
【0037】
MU-OFDMA方式では、ワイヤレスチャネルの利用可能な周波数スペクトルは、各々がいくつかの異なる周波数サブキャリア(「トーン」)を含む複数のリソースユニット(RU)へと分割され得る。異なるRUは、特定の時間にAP102によって異なるSTA104に割り振られ、または割り当てられ得る。RUのサイズおよび分布は、RU割振りと呼ばれ得る。いくつかの実装形態では、RUは2MHzの間隔で割り振られ得るので、最小のRUは、24個のデータトーンおよび2個のパイロットトーンからなる26個のトーンを含み得る。結果として、20MHzのチャネルにおいて、最高で9個のRU(2MHz、26トーンのRUなど)が割り振られ得る(いくつかのトーンは他の目的のために確保されるので)。同様に、160MHzのチャネルでは、最高で74個のRUが割り振られ得る。より大きい52個のトーン、106個のトーン、242個のトーン、484個のトーン、および996個のトーンのRUも割り振られ得る。たとえば、隣接するRU間の干渉を減らし、受信機のDCオフセットを減らすために、および送信中心周波数の漏れを避けるために、隣接するRUはヌルサブキャリア(DCサブキャリアなど)により離隔され得る。
【0038】
UL MU送信のために、AP102は、複数のSTA104からAP102へのUL MU-OFDMAまたはUL MU-MIMO送信を開始して同期するために、トリガフレームを送信することができる。したがって、そのようなトリガフレームは、複数のSTA104がULトラフィックをAP102へ同時に送信することを可能にし得る。トリガフレームは、それぞれのアソシエーション識別子(AID)を通じて1つまたは複数のSTA104をアドレス指定してもよく、ULトラフィックをAP102に送信するために使用され得る1つまたは複数のRUを各AID(およびしたがって各STA104)に割り当ててもよい。APはまた、スケジューリングされていないSTA104が競合し得る1つまたは複数のランダムアクセス(RA)RUを指定し得る。
【0039】
図4は、例示的なワイヤレス通信デバイス400のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス400は、
図1を参照して説明されるSTA104のうちの1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスの例であり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス400は、
図1を参照して説明されるAP102などのAPにおいて使用するためのデバイスの例であり得る。ワイヤレス通信デバイス400は、ワイヤレス通信(たとえば、ワイヤレスパケットの形態の)を送信(または送信のために出力)して受信することが可能である。たとえば、ワイヤレス通信デバイスは、限定はされないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはその改正によって定義されるものなどの、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に準拠する、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)および媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の形態でパケットを送信して受信するように構成され得る。
【0040】
ワイヤレス通信デバイス400は、チップ、システムオンチップ(SoC)、チップセット、1つまたは複数のモデム402、たとえばWi-Fi(IEEE 802.11準拠)モデムを含むパッケージまたはデバイスであってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のモデム402(集合的に「モデム402」)は加えて、WWANモデム(たとえば、3GPP 4G LTEまたは5G準拠モデム)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス400はまた、1つまたは複数の無線404(集合的に「無線404」)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス406はさらに、1つまたは複数のプロセッサ、処理ブロックまたは処理要素406(集合的に「プロセッサ406」)、および1つまたは複数のメモリブロックまたは要素408(集合的に「メモリ408」)を含む。
【0041】
モデム402は、様々な可能性の中でもとりわけ、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)などの、インテリジェントハードウェアブロックまたはデバイスを含み得る。モデム402は一般に、PHY層を実装するように構成される。たとえば、モデム402は、パケットを変調し、ワイヤレス媒体を介して送信するために、変調されたパケットを無線404に出力するように構成される。モデム402は同様に、無線404によって受信される変調されたパケットを取得し、パケットを復調して復調されたパケットを提供するように構成される。変調器および復調器に加えて、モデム402はさらに、デジタル信号処理(DSP)回路、自動利得制御(AGC)、コーダ、デコーダ、マルチプレクサ、およびデマルチプレクサを含み得る。たとえば、送信モードにある間、プロセッサ406から取得されるデータはコーダに提供され、コーダはデータを符号化して符号化されたビットを提供する。符号化されたビットは次いで、変調コンステレーションの中の点に(選択されたMCSを使用して)マッピングされ、変調されたシンボルを提供する。変調されたシンボルは次いで、ある数(NSS個)の空間ストリームまたはある数(NSTS個)の空間-時間ストリームにマッピングされ得る。それぞれの空間ストリームまたは空間-時間ストリームの中の変調されたシンボルは次いで、多重化され、逆高速フーリエ変換(IFFT)ブロックを介して変換され、続いて、TX窓掛けおよびフィルタリングのためにDSP回路に提供され得る。デジタル信号は次いで、デジタルアナログコンバータ(DAC)に提供され得る。得られたアナログ信号は次いで、周波数アップコンバータに、最終的に無線404に提供され得る。ビームフォーミングを伴う実装形態では、それぞれの空間ストリームの中の変調されたシンボルは、IFFTブロックへの提供の前にステアリング行列を介してプリコーディングされる。
【0042】
受信モードにある間、無線404から受信されたデジタル信号はDSP回路に提供され、これは、たとえば信号の存在を検出して初期のタイミングおよび周波数オフセットを推定することによって、受信された信号を獲得するように構成される。DSP回路はさらに、たとえば、チャネル(狭帯域)フィルタリング、アナログ障害調整(I/Qの不均衡の修正など)を使用し、デジタル利得を適用して最終的に狭帯域信号を取得することによって、デジタル信号をデジタル的に調整するように構成される。次いで、DSP回路の出力はAGCに供給されてもよく、これは、たとえば、1つまたは複数の受信された訓練フィールドにおいて、適切な利得を決定するために、デジタル信号から抽出された情報を使用するように構成される。DSP回路の出力は復調器とも結合され、これは、信号から変調されたシンボルを抽出し、たとえば、各空間ストリームの中の各サブキャリアの各ビット位置に対する対数尤度比(LLR)を計算するように構成される。復調器はデコーダと結合され、これはLLRを処理して復号されたビットを提供するように構成され得る。次いで、空間ストリームのすべてからの復号されたビットが、多重化解除のためにデマルチプレクサに供給される。次いで、多重化解除されたビットは、スクランブリング解除され、処理、評価、または解釈のためにMAC層(プロセッサ406)に提供され得る。
【0043】
無線404は一般に、少なくとも1つの無線(RF)送信機(または「送信機チェーン」)および少なくとも1つのRF受信機(または「受信機チェーン」)を含み、これらは1つまたは複数のトランシーバへと組み合わせられ得る。たとえば、RF送信機および受信機は、それぞれ、少なくとも1つの電力増幅器(PA)および少なくとも1つの低雑音増幅器(LNA)を含む様々なDSP回路を含み得る。そして、RF送信機および受信機は、1つまたは複数のアンテナに結合され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス400は、複数の送信アンテナ(各々が対応する送信チェーンを伴う)および複数の受信アンテナ(各々が対応する受信チェーンを伴う)を含んでもよく、またはそれらと結合されてもよい。モデム402から出力されるシンボルは無線404に提供され、無線404は次いで、結合されたアンテナを介してシンボルを送信する。同様に、アンテナを介して受信されたシンボルは無線404によって取得され、無線404は次いで、シンボルをモデム402に提供する。
【0044】
プロセッサ406は、たとえば、処理コア、処理ブロック、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明される機能を実行するように設計されるそれらの任意の組合せなどの、インテリジェントハードウェアブロックまたはデバイスを含み得る。プロセッサ406は、無線404およびモデム402を通じて受信される情報を処理し、ワイヤレス媒体を通じた送信のためにモデム402および無線404を通じて出力されるべき情報を処理する。たとえば、プロセッサ406は、MPDU、フレーム、またはパケットの生成と送信に関する様々な動作を実行するように構成される、制御プレーンおよびMAC層を実装し得る。MAC層は、様々な動作または技法の中でもとりわけ、フレームの符号化および復号、空間多重化、空間-時間ブロックコーディング(STBC)、ビームフォーミング、ならびにOFDMAリソース割振りを、実行または促進するように構成される。いくつかの実装形態では、プロセッサ406は一般に、モデムに上で説明された様々な動作を実行させるようにモデム402を制御し得る。
【0045】
メモリ404は、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み出し専用メモリ(ROM)、またはこれらの組合せなどの、有形記憶媒体を含み得る。メモリ404はまた、プロセッサ406によって実行されると、MPDU、フレーム、またはパケットの生成、送信、受信、および解釈を含む、ワイヤレス通信のために本明細書において説明される様々な動作をプロセッサに実行させる命令を含む、非一時的プロセッサまたはコンピュータ実行可能ソフトウェア(SW)コードを記憶することができる。たとえば、本明細書において開示されるコンポーネントの様々な機能、または、本明細書において開示される方法、動作、プロセス、もしくはアルゴリズムの様々なブロックもしくはステップは、1つまたは複数のコンピュータプログラムの1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0046】
図5Aは、例示的なAP502のブロック図を示す。たとえば、AP502は、
図1を参照して説明されるAP102の例示的な実装形態であり得る。AP502は、ワイヤレス通信デバイス(WCD)510を含む(しかし、AP502自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとして全般に言及されることもある)。たとえば、ワイヤレス通信デバイス510は、
図4を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス4000の例示的な実装形態であり得る。AP502はまた、ワイヤレス通信を送信して受信するためにワイヤレス通信デバイス510と結合される複数のアンテナ520を含む。いくつかの実装形態では、AP502は加えて、ワイヤレス通信デバイス510と結合されるアプリケーションプロセッサ530、およびアプリケーションプロセッサ530と結合されるメモリ540を含む。AP502はさらに、AP502がコアネットワークまたはバックホールネットワークと通信してインターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを得ることを可能にする、少なくとも1つの外部ネットワークインターフェース550を含む。たとえば、外部ネットワークインターフェース550は、有線(たとえば、イーサネット)ネットワークインターフェースおよびワイヤレスネットワークインターフェース(WWANインターフェースなど)の一方または両方を含み得る。前述のコンポーネントのうちのいくつかが、少なくとも1つのバスを介して、直接または間接的にそれらのコンポーネントのうちの他のものと通信することができる。AP502はさらに、ワイヤレス通信デバイス510、アプリケーションプロセッサ530、メモリ540、ならびにアンテナ520および外部ネットワークインターフェース550の少なくとも一部を包含する、ハウジングを含む。
【0047】
図5Bは、例示的なSTA504のブロック図を示す。たとえば、STA504は、
図1を参照して説明されるSTA104の例示的な実装形態であり得る。STA504は、ワイヤレス通信デバイス515を含む(しかし、STA504自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとして全般に言及されることもある)。たとえば、ワイヤレス通信デバイス515は、
図4を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス400の例示的な実装形態であり得る。STA504はまた、ワイヤレス通信を送信して受信するためにワイヤレス通信デバイス515と結合される1つまたは複数のアンテナ525を含む。STA504は加えて、ワイヤレス通信デバイス515と結合されるアプリケーションプロセッサ535、およびアプリケーションプロセッサ535と結合されるメモリ545を含む。いくつかの実装形態では、STA504はさらに、ユーザインターフェース(UI)555(タッチスクリーンまたはキーパッドなど)およびディスプレイ565を含み、それらは、UI555と統合されてタッチスクリーンディスプレイを形成し得る。いくつかの実装形態では、STA504はさらに、たとえば、1つまたは複数の慣性センサ、加速度計、温度センサ、気圧センサ、または高度センサなどの、1つまたは複数のセンサ575を含み得る。前述のコンポーネントのうちのいくつかが、少なくとも1つのバスを介して、直接または間接的にそれらのコンポーネントのうちの他のものと通信することができる。STA504はさらに、ワイヤレス通信デバイス515、アプリケーションプロセッサ535、メモリ545、ならびにアンテナ525、UI555、およびディスプレイ565の少なくとも一部を包含する、ハウジングを含む。
【0048】
送信デバイスおよび受信デバイスは、ワイヤレスチャネル条件を最適に利用するように、たとえばスループットを高め、レイテンシを減らし、または様々なサービス品質(QoS)パラメータを課すようにデータを送信して受信するための、様々な変調およびコーディング方式(MCS)の使用をサポートし得る。たとえば、既存の技術は、最大で1024-QAMの使用をサポートし、4096-QAM(「4k QAM」とも呼ばれる)も実装されることが予想される。MCSの中でもとりわけ、1024-QAMおよび4096-QAMは、低密度パリティチェック(LDPC)符号化の使用を伴う。たとえば、送信デバイスのPHY層は、PSDUの形態で送信デバイスのMAC層から1つまたは複数のMPDUまたはA-MPDUを受信し得る。PSDUは複数のコードブロックへと並べられてもよく、それらの各々が、情報ビットの形態でMPDUのうちの1つまたは複数の一部またはすべてを表す主要な情報(または「システマティック情報」)を含む。コードブロックの中の情報ビット(「振幅ビット」とも本明細書では呼ばれる)のいくつかは、変調され受信デバイスに送信されるべきシンボルの振幅を決定するために使用される。LDPC符号化動作が、たとえば前方誤り訂正に冗長性を加えるようにデータビットを符号化するために、コードブロックの中の情報ビットに対して実行され得る。LDPC符号化はシステマティック符号化の例であるので、LDPC符号化動作はデータビットを変更せず、むしろ、LDPCエンコーダから出力される振幅ビットは、LDPCエンコーダに入力される振幅ビットと同じである。言い換えると、変調のために使用される振幅ビットの値は、初期のコードブロックに直接由来するものである。
【0049】
一般に、現実世界のワイヤレスチャネルは、データが通信され得る最大のレートに制限を課すノイズを含む。Shannon-Hartley理論は、リンクの絶対的なチャネル容量、すなわち、ノイズの存在下で特定の帯域幅にわたり送信することができる単位時間当たりのエラーのない情報の最大の量を表す、上側の限界または制限(「シャノン限界」と呼ばれる)を立証している。以下の式(1)は、Shannon-Hartley理論の1つの表現を示す。
C=B log2(1+SNR) (1)
式(1)において、Cはビット毎秒単位のチャネル容量を表し、Bはヘルツ単位の帯域幅を表し、SNRは雑音および干渉の平均電力に対する平均受信信号電力の比として定義される信号対雑音比を表す。残念ながら、LDPC符号化により達成可能なチャネル容量は、高いMCSに対しても、シャノン限界に対して大きな差がある。加えて、1024-QAMおよび4096-QAMを含む高いMCSを使用することが可能であるには、高いSNRが必要とされるが、そのような高いMCSに対して必要とされるSNRを得るのは難しいことがある。
【0050】
様々な実装形態は全般に、望ましい振幅分布を達成するためにワイヤレス通信のためのデータを符号化することに関する。より具体的には、いくつかの実装形態は、1つまたは複数のMPDUからの情報ビットに対して第1の符号化動作を実行して、振幅が不均一な分布を有するように得られたシンボルの振幅をシェーピングすることに関する。不均一な分布のいくつかの実装形態では、それぞれの振幅と関連付けられる確率は概ね、振幅の減少とともに上昇する。たとえば、シンボルの振幅の不均一な分布は、概ねガウス分布であり得る。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、算術符号化動作、プレフィックス符号化動作、もしくは情報ビットの数を拡大することによって入力情報ビットに冗長性を加える他の符号化動作であり、またはそれらを含む。上で説明されたように、特定の実装形態において、振幅のより小さいシンボルへと入力データビットを符号化することと関連付けられる確率が、振幅のより大きいシンボルへと入力データビットを符号化することと関連付けられる確率より大きくなるように、冗長性が加えられる。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作の後には第2の符号化動作、たとえばLDPC符号化動作が続き、これも冗長性を加えるが、情報ビット自体を変更することはない。
【0051】
本開示において説明される主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施され得る。いくつかの実装形態では、説明される技法は、たとえば、得られた振幅分布が概ねガウス分布となるように振幅を符号化することによって、送信デバイスにより実際に得られるチャネル容量と理論的なシャノン限界との差を埋めるために使用され得る。いくつかの実装形態はまた、MPDU境界の追跡が、受信デバイスによる復号の成功を促進することを可能にする。追加または代替として、いくつかの実装形態は、振幅シェーピングを実行した後のパケット長の決定を可能にし、これは、送信デバイスが、ペイロードに追加すべきパディングビットの数を決定することと、受信デバイスがパケットの時間長を決定できるようにパケット長を受信デバイスにシグナリングすることとを可能にする。
【0052】
図6は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス600を示すフローチャートを示す。プロセス600の動作は、本明細書において説明されるような送信デバイスまたはそのコンポーネントによって実施され得る。たとえば、プロセス600は、
図4を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス400などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス600は、それぞれ
図1および
図5Aを参照して説明されるAP102および502のうちの1つなどの、APとして動作する、またはAP内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの他の実装形態では、プロセス600は、それぞれ
図1および
図5Bを参照して説明されるSTA104および504のうちの1つなどの、STAとして動作する、またはSTA内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0053】
ブロック602において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のシンボルの振幅を示す複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の振幅ビットに対する第1の符号化動作を実行する。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、複数の振幅ビットを符号化して、振幅が不均一な分布を有するように複数の振幅シェーピングされたビットを生成する。ブロック604において、ワイヤレス通信デバイスは、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数の振幅シェーピングされたビットに少なくとも一部基づく複数のパリティビットを含む符号語を生成する、複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の符号化動作を実行する。ブロック606において、ワイヤレス通信デバイスは、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べ、シンボルの各々のそれぞれの振幅は、シンボルにおいて配列されたそれぞれの振幅シェーピングされたビットに少なくとも一部基づく。ブロック608において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のサブキャリア上の複数のシンボルをワイヤレスパケットにおいて少なくとも1つの受信デバイスに送信する。
【0054】
いくつかの実装形態では、ブロック602における第1の符号化動作の実行(「振幅シェーピング符号化動作」または単に「振幅シェーピング動作」とも本明細書では呼ばれる)は、シンボルの振幅の不均一な分布が、それぞれの振幅と関連付けられる確率が全般に振幅の減少とともに上昇するような分布となるように、複数の振幅シェーピングされたビットを生成するために複数の振幅ビットを符号化する。たとえば、不均一な分布は概ね、変調コンステレーションの中心点(0,0)を中心とするガウス分布であり得る。上で説明されたように、そのような振幅シェーピングは、SNRおよびチャネル容量を増大させて、より大きいスループットを可能にするために使用され得る。
【0055】
いくつかの実装形態では、ブロック602において第1の符号化動作を実行する前に、ワイヤレス通信デバイスのMAC層は、複数のMPDUを含むA-MPDUを生成する。各MPDUは、複数の情報ビット(「ペイロードビット」とも呼ばれる)ならびに複数の制御ビットまたは複数のシグナリングビット(たとえば、MACシグナリングビット)を含む、複数のデータビットを含む。第1の符号化動作は、MPDUの中のデータビットのすべてまたはサブセットに対してブロック602において実行され得る。たとえば、各MPDUの中の情報ビットは、シンボルの振幅を決定するために使用されるべき複数のビット(振幅ビット)であってもよく、またはそれを含んでもよい。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、振幅ビットだけに対してブロック602において実行され得る。加えて、いくつかの実装形態では、複雑さを下げるために、または得られた実効コーディングレートにより、たとえば振幅ビットの最上位ビット(MSB)だけに対して、ブロック602において第1の符号化動作を実行することで十分であり、またはそれが有利であり得る(たとえば、シンボルの振幅成分を符号化するために4ビットが普通は使用される場合、MSBの数は各シンボルに対して3であり得る)。そのような実装形態では、第1の符号化動作は、振幅ビットの残りの最下位ビット(LSB)に対して実行されない。
【0056】
送信のために選択されるMCSに基づいて、PHY層は、MDPU(ブロック602における第1の符号化動作の実行の前または後のいずれか)の中のデータビットを、M個のシンボルを使用して送信されるべきコードブロックへとパッケージングし得る。M個のシンボルの各々は最終的に、シンボルの少なくとも1つの振幅を示すn個の振幅ビットのセットを含む。いくつかの実装形態では、各シンボルに対するn個の振幅ビットのセットの第1のn/2ビットは、変調コンステレーションの実数軸に沿ったシンボルの振幅の第1の振幅成分を示してもよく、M個のシンボルの各シンボルに対するn個の振幅ビットのセットの第2のn/2ビットは、変調コンステレーションの虚数軸に沿ったシンボルの振幅の第2の振幅成分を示してもよい。したがって、各シンボルの第1の(実数の)振幅成分の2n/2個のあり得る第1の振幅レベルがあってもよく、各シンボルの第2の(虚数の)振幅成分の2n/2個のあり得る第2の振幅レベルがあってもよい。
【0057】
M個のシンボルの各々はさらに、それぞれの振幅の符号を示す振幅成分の各々に対する符号ビットを含み得る。たとえば、QAMを使用するとき、各QAMシンボルに対する符号ビットのペアの第1の符号ビットは、実数軸に沿ったそれぞれの第1の振幅成分(同相(i)成分)が正であるか負であるかを示してもよく、符号ビットのペアの第2の符号ビットは、虚数軸に沿ったそれぞれの第2の振幅成分(直交(q)成分)が正であるか負であるかを示してもよい。したがって、第1および第2の振幅成分は合わさって、それぞれのQAMシンボルの振幅全体をもたらし、第1および第2の符号ビットは合わさって、振幅全体が入る変調コンステレーションの象限を示す。たとえば、1024-QAMを使用するとき、各シンボルは10個の符号化されたビットを含んでもよく、それらのビットの最初の4つが第1(実数)の振幅を示し、それらのビットの別の4つが第2(虚数)の振幅を示し、それらのビットの別の1つが第1の振幅の符号(正または負)を示し、それらのビットの別の1つが第2の振幅の符号(正または負)を示す。
【0058】
図7Aおよび
図7Bは、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフロー700の図を示す。たとえば、フロー700はプロセス600の態様を示し得る。示される例では、情報ブロック702は、シェーピングエンコーダ710がブロック602における第1の符号化動作を実行する複数の振幅ビットを取得するために、プリシェーピングパーサ704に提供される。たとえば、プリシェーピングパーサ704は、情報ブロック702の中の符号ビット708から振幅ビット706を分離または分割することができる。いくつかの実装形態では、パーサはまた、振幅ビットをMSB706aおよびLSB706bへと分離または分割する。いくつかの実装形態では、シェーピングエンコーダ710に提供される複数の振幅ビットは、振幅ビット706のMSB706aのみを含む。いくつかの他の実装形態では、複数の振幅ビットは、振幅ビット706のすべてを含み得る。示される例では、シェーピングエンコーダ710は、ブロック602においてMSB706aに対して第1の符号化動作を実行し、振幅シェーピングされたビット712を生成する。
【0059】
いくつかの実装形態では、ブロック602における第1の符号化動作を実行するために、特に、第1および第2の振幅成分を示すn個の振幅ビット(1024-QAMの例では8個)のセットを取得するために、プリシェーピングパーサ704(またはシェーピングエンコーダ710自体)がさらに、複数の振幅ビット(たとえば、MSB706a)を、コーディングされるとシンボルの第1の振幅成分を定義する振幅ビットの第1のストリーム、およびコーディングされるとシンボルの第2の振幅成分を定義する振幅ビットの第2のストリームへとパースし得る。たとえば、いくつかの実装形態では、QAMフローは、2つの独立のパルス振幅変調(PAM)フローを介して実施される。いくつかのそのような実装形態では、シェーピングエンコーダ710は、第1のPAMシンボルストリームを提供するために振幅ビットの第1のストリームに対して第1の符号化動作を実行することと、第2のPAMシンボルストリーム(これはQAMシンボルストリームを取得するために最終的に第1のPAMシンボルストリームと組み合わせられ得る)を提供するために振幅ビットの第2のストリームに対して第1の符号化動作を独立に実行することとを並行して行ってもよい。
【0060】
いくつかの実装形態では、ブロック602における第1の符号化動作の実行は、振幅シェーピングされたビット712がシェーピングエンコーダ710に入力される複数の振幅ビットより多くのビットを含むように、振幅シェーピングされたビット712を生成するために、冗長性を複数の振幅ビット(
図7Aおよび
図7Bの例ではMSB706a)に加える。冗長性を加えることによって、シェーピングエンコーダ710は、関連するシンボルの振幅が不均一な分布、および特に、ガウス分布などの、それぞれの振幅と関連付けられる確率が全般に振幅の減少とともに上昇するような分布を有するように、振幅シェーピングされたビット712を生成するためにMSB706aを符号化し得る。
【0061】
いくつかの実装形態では、ブロック602において実行される第1の符号化動作は、算術符号化動作であり、またはそれを含む。いくつかのそのような実装形態では、ブロック602における算術符号化動作の実行は、M個の第1の(実数の)振幅の第1の分布を2b/2個のビンへと定義することを含み、各ビンは、2b/2個のあり得る振幅レベルのそれぞれ1つと関連付けられ、関連するサイズを有する(たとえば、サイズはビンの中のそれぞれの振幅レベルの振幅のインスタンスの数に等しい)。同様に、算術符号化動作の実行はまた、M個の第2の(虚数の)振幅の第2の分布を2b/2個のビンへと定義することを含み、各ビンは、2b/2個のあり得る振幅レベルのそれぞれ1つと関連付けられ、関連するサイズを有する(たとえば、サイズはビンの中のそれぞれの振幅レベルの振幅のインスタンスの数に等しい)。そのような実装形態では、シェーピングエンコーダ706に提供される複数の振幅ビットがコードブロックの中の振幅ビットのすべてを含む場合、bはnに等しい。しかしながら、複数の振幅ビットがコードブロックの中のデータビットのすべてより少ないデータビット、たとえば、振幅ビット706のMSB706aのみを備える場合、bは各シンボルに対するnビットのMSBの数に等しいことがある(たとえば、1024-QAMでは、nが8に等しいとき、bは6に等しくてもよいので、実数の振幅成分に対する4つの振幅ビットのうちの3つが第1の符号化動作のために選択され、虚数の振幅成分に対する4つの振幅ビットのうちの3つが第1の符号化動作のために選択される)。
【0062】
いくつかの実装形態では、振幅の不均一な分布を達成するために、第1の分布におけるビンのサイズは最初は均一ではなく、第2の分布におけるビンのサイズは最初は均一ではない。それぞれの振幅と関連付けられる確率が全般に振幅の減少とともに上昇するような不均一な分布を達成するために、第1および第2の分布の各々におけるビンの少なくとも最低のビンのサイズは、第1および第2の分布のそれぞれ1つにおけるビンの少なくとも最高のビンのサイズより大きくなるように構成される。しかしながら、以下で説明されるように、ブロック602において実行される算術符号化動作の間に、ビンのサイズは、振幅がビンから選択されるにつれて動的に変化し得る。
【0063】
図8A~
図8Dは、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする振幅値の例示的な分布800を示す。たとえば、分布800は、ブロック602において算術コーディング動作を実行するときに使用される、実数軸に対する振幅の第1の分布および虚数軸に対する振幅の第2の分布の各々の例であり得る。
図8A~
図8Dでは、分布800は、4つのビン802、804、806、および808において並べられるM個の振幅のインスタンスを含む。言い換えると、最低のビン802は、すべてが第1の最低の振幅レベルを有するいくつかの選択可能な振幅を含み、2番目に低いビン804は、すべてが第2の振幅レベルを有するいくつかの選択可能な振幅を含み、2番目に高いビン806は、すべてが第3の振幅レベルを有するいくつかの選択可能な振幅を含み、最高のビン808は、すべてが第4の最高の振幅レベルを有するいくつかの選択可能な振幅を含む。
【0064】
上で説明されたように、それぞれの振幅値と関連付けられる確率は概ね、振幅の増大とともに低下する。これを達成するために、少なくとも最低のビン802のサイズは、少なくとも最高のビン808のサイズより大きい。示される例では、関連するビン802、804、806、および808のサイズが異なるので、振幅レベルの各々と関連付けられる確率は異なる。実際に、示される例では、2番目に低いビン804は最低のビン802より小さく、2番目に高いビン806は2番目に低いビン804より小さく、最高のビン808は2番目に高いビン806より小さい。さらなる例示のために、100個のシンボルがブロック602における第1の符号化動作によって符号化されることになる場合(すなわち、Mは100に等しい)、第1のビンは、たとえば、第1の振幅レベルを有する50個の振幅のインスタンスを有してもよく、第2のビンは、たとえば、第2の振幅レベルの25個の振幅のインスタンスを有してもよく、第3のビンは、たとえば、第3の振幅レベルの15個の振幅のインスタンスを有してもよく、第4のビンは、たとえば、第4の振幅レベルの10個の振幅のインスタンスを有してもよい。ビンの各々のサイズは、ビンから選択され得るそれぞれの振幅レベルのそれぞれの数の振幅のインスタンスによって定義されるので、それぞれの振幅レベルと関連付けられる確率は、振幅の増大とともに低下する。
【0065】
図6および
図7を参照してそれぞれ説明されるプロセス600およびフロー700に戻ると、ブロック602における算術符号化動作の実行は、M個のシンボルの各シンボルに対して、第1の振幅成分のために、第1の分布におけるビンのうちの1つから第1の(実数の)振幅を選択することと、第2の振幅成分のために、第2の分布におけるビンのうちの1つから第2の(虚数の)振幅を選択することとを含む。たとえば、ブロック602において算術符号化動作の間に、シェーピングエンコーダ710は、第1の分布から(およびしたがって、実数の振幅成分のために)、振幅ビットの第1のストリームの第1のビットの値に基づいて、分布の上半分または下半分のいずれかを選択し得る。同様に、シェーピングエンコーダ710は、第2の分布から(およびしたがって、虚数の振幅成分のために)、振幅ビットの第2のストリームの第1のビットの値に基づいて、分布の上半分または下半分のいずれかを選択し得る。たとえば、
図8Bに移ると、シェーピングエンコーダ710は、振幅ビット706の第1のビット(たとえば、MSB706a)が「1」という値を有する場合、分布800の上半分UHを選択し、第1のビットが「0」という値を有する場合、下半分LHを選択し得る。
図8Bに示される例では、第1のビットは1という値を有し、結果として、シェーピングエンコーダ710は上半分UHを選択する。このようにして、振幅ビットの第1および第2のストリームの所与の1つの各入力データビットは、二値の選択を定義する。言い換えると、それぞれの振幅成分と関連付けられる振幅分布は2分の1に縮小し、シンボルごとの各々の追加の入力データビットは、振幅ビットのそれぞれのストリームによって提供される。
【0066】
それぞれの分布の上半分UHまたは下半分LHを選択したことに応答して、ブロック602において実行される算術符号化動作はさらに、分布の選択された半分がそれぞれの分布のビンのうちの単一のビンの中にあるかどうかを決定することを含み得る。選択された半分がビンのうちの単一のビンの中にあると決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、それぞれの実数または虚数の振幅成分に対する振幅レベルを示すビットのセットを出力し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ710は、それぞれのPAMシンボルに対するb/2個の振幅シェーピングされたビット712を出力して、単一のビンと関連付けられるそれぞれの振幅レベルを示し得る(ここで、やはり、第1の符号化動作がデータビットのすべてに対して実行される場合、bはnに等しく、他の場合には、bはMSBの数に等しくてもよい)。そのような場合、1つだけの入力データビットが、それぞれのPAMシンボルに対して符号化され得る。
【0067】
しかしながら、選択された半分がビンのうちの単一のビンの中にないと決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、符号化されるべき振幅ビットのそれぞれのストリームの次のビットの値を決定する。1つだけの振幅が、各シンボルに対する第1および第2の分布の各々から選択され得るので、シェーピングエンコーダ710は、振幅の選択がそれぞれの分布から行われ得る前に、符号化されるべき振幅ビットのそれぞれのストリームの少なくとも1つの後続のビットの値を決定する必要があり得る。たとえば、
図8Bが示すように、あり得る振幅の数は、第1のビットの値に基づいて分布800の上半分UHの中にある振幅に減らされるが、振幅はそれでも、ビン804、806、および808のいずれかから選択され得る。最低のビン802のみが、選択することができるあり得る振幅から除外され、それは、最低のビン802が分布800の下半分LHの中に完全に位置しているからである。したがって、シェーピングエンコーダ710は、振幅を選択し、それによりそれぞれの入力データビットを符号化するために、より多くの情報(それぞれのストリームの中の少なくとも1つの次のデータビット)を必要とする。
【0068】
たとえば、選択された半分がビンのうちの単一のビンの中にないと決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は次いで、振幅ビットのそれぞれのストリームの第2のビットの値に基づいて、上四半分UQ(選択された半分の上半分)または下四半分LQ(選択された半分の下半分)のいずれかを選択し得る。それぞれの分布の上四半分UQまたは下四半分LQを選択したことに応答して、ブロック602において実行される算術符号化動作はさらに、分布の選択された得られた四半分がそれぞれの分布のビンのうちの単一のビンの中にあるかどうかを決定することを含み得る。選択された四半分がビンのうちの単一のビンの中にあると決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、それぞれの実数または虚数の成分に対する振幅レベルを示すビットのセットを出力し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ710は、それぞれのPAMシンボルのためにb/2個の振幅シェーピングされたビット712を出力し、単一のビンと関連付けられるそれぞれの振幅レベルを示し得る。そのような場合、2つの入力データビットが、それぞれのPAMシンボルに対して符号化される。
【0069】
一方、選択された四半分がビンのうちの単一のビンの中にないと決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、振幅の選択がそれぞれの分布から行われ得る前に、符号化されるべき振幅ビットのそれぞれのストリームの次のビットの値を決定する。たとえば、
図8Cが示すように、あり得る振幅の数は、第2のビットの値に基づいて分布800の下四半分LQの中にある振幅に減らされるが、振幅はそれでも、ビン804、および806のいずれかから選択され得る。最低のビン802および最高のビン808だけが、選択することができるあり得る振幅から除外される。したがって、シェーピングエンコーダ710は、振幅を選択し、それによりそれぞれの入力データビットを符号化するために、より多くの情報(それぞれのストリームの中の少なくとも1つの次のデータビット)を必要とする。
【0070】
たとえば、選択された四半分がビンのうちの単一のビンの中にないと決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は次いで、振幅ビットのそれぞれのストリームの第3のビットの値に基づいて、上8分の1UE(選択された四半分の上半分)または下8分の1LE(選択された四半分の下半分)のいずれかを選択し得る。それぞれの分布の上8分の1UEまたは下8分の1LEを選択したことに応答して、ブロック602において実行される算術符号化動作はさらに、分布の選択された得られた8分の1がそれぞれの分布のビンのうちの単一のビンの中にあるかどうかを決定することを含み得る。選択された8分の1がビンのうちの単一のビンの中にあると決定したことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、それぞれの実数または虚数の成分に対する振幅レベルを示すビットのセットを出力し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ710は、それぞれのPAMシンボルのためにb/2個の振幅シェーピングされたビット712を出力し、単一のビンと関連付けられるそれぞれの振幅レベルを示し得る。たとえば、
図8Dが示すように、あり得る振幅の数は、第3のビットの値に基づいて分布800の下8分の1LEの中の振幅へと減らされる。下8分の1LEは、単一のビン804内のみにあるので、シェービングエンコーダ710は、ビン804から振幅を選択する。そのような場合、3つの入力データビットが、それぞれのPAMシンボルに対して符号化される。このプロセスは、単一の振幅へと収束させるために、ビンのうちの1つを選択するために追加のビットが必要とされる限り、続き得る。
【0071】
いくつかの実装形態では、それぞれの分布における振幅の各々が確実に一度だけ選択されるようにするために、振幅が符号化されるとき、シェービングエンコーダ710は、それぞれのビンからの振幅のそれぞれのインスタンスを取り除き、それにより、それぞれのビットサイズを減らす(言い換えると、シェービングエンコーダ710は置換なしで図を実践する)。このようにして、ビンから振幅が選択された後で、ビンの各々から振幅を選択する相対的な確率が変化する。いくつかのそのような実装形態では、M個の振幅のすべてが確実に一度だけ生成されることがあり、それは、ブロック602における算術符号化動作の最後におけるビンの各々のサイズは0であるから(ビンのすべてが選択を通じて空にされたから)である。このようにして、一定の数の振幅シェーピングされたビット712、および一定の数(M個)の出力シンボルが常に、ブロック602における算術符号化動作から生じ得る。
【0072】
上で説明されたように、M個のシンボルに必要なM個の振幅を符号化するために実際に必要とされる振幅ビットの数は、振幅ビットの特定の値に基づいて変化し得る。たとえば、いくつかの事例では、振幅ビットの値に基づいて、コードブロックの中には複数の振幅ビットの中のビットがもはや残されていないが、ビンの1つまたは複数の中には振幅のインスタンスがまだ残っているということがあり得る。いくつかのそのような実装形態では、シェーピングエンコーダ710は、入力情報ブロックまたはコードブロック702にゼロパディングビットを追加して、ブロック602の第1の符号化動作においてM個のシンボルを取得するのに十分な、符号化すべきビットを取得し得る。
【0073】
いくつかの他の実装形態では、ブロック602における算術符号化動作の開始時の各分布内のビンのすべての合計サイズは、Mより大きいことがある。このようにすると、選択できる潜在的な振幅がより多く、同じ数の振幅に対してより多くのビットが符号化され得るので、算術符号化動作の効率が向上し得る。
【0074】
いくつかの実装形態では、ブロック602において算術符号化動作を実行することはさらに、算術符号化動作の間に得られたシンボルの合計電力を測定または監視することと、合計電力に基づいて第1の分布と第2の分布の一方または両方におけるビンのうちの1つまたは複数のサイズを動的に調整する(および結果として、振幅レベルと関連付けられる相対的な確率を修正する)こととを備える。たとえば、合計電力に対する電力尺度が、選択された振幅または選択された振幅の二乗の合計を追跡することによって取得され得る。たとえば、合計電力が第1の閾値を超えることの標示を、シェーピングエンコーダ710が受信する場合、またはそのことを別様に決定する場合、シェーピングエンコーダ710は、最高の振幅レベルのビンのうちの1つまたは複数のサイズを小さくし得る。これは、振幅レベルが高いシンボルの数を減らし、結果として合計電力を減らす。一方、合計電力が第2の閾値(これは第1の閾値と同じであることがあり、または異なることがある)未満であるとシェーピングエンコーダ710が決定する場合、シェーピングエンコーダ710は、振幅レベルが高いビンのうちの1つまたは複数のサイズを大きくし得る。これは、振幅レベルが高いシンボルの数を増やすので、より多くのビットをより振幅の大きいシンボルへと符号化することができ、これは、算術コーディング動作の効率を高め得る。
【0075】
いくつかの他の実装形態では、ブロック602において実行される第1の符号化動作は、プレフィックス符号化動作であり、またはそれを含む。いくつかのそのような実装形態では、ブロック602におけるプレフィックス符号化動作の実行は、M個のシンボルの各シンボルに対して、および第1の(実数の)振幅成分および第2の(虚数の)振幅成分の各々に対して、様々な長さのビット値の2b/2個のパターンのセットのうちの1つまたは複数のパターンを、シェーピングエンコーダ710に入力される複数の振幅ビットのビットと比較することを含む。やはり、そのような実装形態では、シェーピングエンコーダ706に提供される複数の振幅ビットがコードブロックの中のデータビットのすべてを含む場合、bはnに等しい。しかしながら、複数の振幅ビットが、コードブロックの中のデータビットのすべてよりも少ないデータビット、たとえば振幅ビット706のMSB706aだけを備える場合、bは各シンボルに対するnビットのMSBの数に等しいことがある。パターンのセットの中のパターンの各々は、2b/2個のあり得る第1の(実数の)振幅レベルまたは2b/2個のあり得る第2の(虚数の)振幅レベルのそれぞれの振幅レベルと関連付けられ得る。このようにして、振幅レベルの各々が、確率質量関数と関連付けられるそれぞれの発生の確率と関連付けられる。いくつかの実装形態では、パターンのセットおよび関連する確率質量関数は、Huffmanアルゴリズムに基づく。いくつかの実装形態では、確率質量関数は二項分布であり、すなわち、確率質量関数におけるすべての確率が2の負のべき乗である。
【0076】
たとえば、シェーピングエンコーダ710は、複数の振幅ビットのビット(たとえば、MSB706a)を、確率質量関数を実装するパターンのセットを含むルックアップテーブル(LUT)へと入力し得る。いくつかのそのような実装形態では、シェーピングエンコーダ710は、振幅ビットの第1のストリームに基づいて第1のPAMシンボルストリームの第1の(実数の)振幅成分を決定するための第1のLUTと、振幅ビットの第2のストリームに基づいて第2のPAMシンボルストリームの第2の(虚数の)成分を決定するための第2のLUTとを含む。いくつかの実装形態では、第1および第2のLUTは最初は同一であり得る。しかしながら、以下で説明されるように、プレフィックス符号化動作がブロック602において進行するにつれて、第1および第2のLUTは各々、独立に、動的に調整され、またはより望ましいLUTと交換されてもよい。
【0077】
図9は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートする例示的なLUT900を示す。示される例では、LUT900は8つの行902a~902hを含み、各行は、確率質量関数と関連付けられる8つの振幅レベルのそれぞれ1つに対応するビット値のパターンを示す。たとえば、第1の(最低の)振幅レベルと関連付けられる第1の行902aは、1/4という発生の確率と関連付けられるビット値の第1のパターン00を含み、第2の振幅レベルと関連付けられる第2の行902bは、1/4という発生の確率と関連付けられるビット値の第2のパターン01を含み、第3の振幅レベルと関連付けられる第3の行902cは、1/8という発生の確率と関連付けられるビット値の第3のパターン111を含み、第4の振幅と関連付けられる第4の行902dは、1/8という発生の確率と関連付けられるビット値の第4のパターン100を含み、第5の振幅と関連付けられる第5の行902eは、1/8という発生の確率と関連付けられるビット値の第5のパターン101を含み、第6の振幅レベルと関連付けられる第6の行902fは、1/16という発生の確率と関連付けられるビット値の第6のパターン1101を含み、第7の振幅レベルと関連付けられる第7の行902gは、1/32という発生の確率と関連付けられるビット値の第7のパターン11000を含み、第8の(最高の)振幅レベルと関連付けられる第8の行902hは、1/32という発生の確率と関連付けられるビット値の第8のパターン11001を含む。
【0078】
いくつかの実装形態では、ブロック602におけるプレフィックス符号化動作の実行はさらに、複数の振幅ビットのビット(たとえば、MSB706a)とパターンのうちの1つとの一致を特定することを含む。たとえば、シェーピングエンコーダ710は、複数の振幅ビットの連続するビットをLUT900の中のパターンと比較し得る。一般に、LUT900に入力される一致する追加のデータビットがあるたびに、潜在的な一致パターンの数は、パターンのうちの1つだけが残るまで減少し、そしてその残ったパターンがシェーピングエンコーダ710によって選択される。言い換えると、シェーピングエンコーダ710は、ブロック602において、振幅ビットのそれぞれのストリームの次の連続する入力ビットの数を、LUT900の中のそれぞれのパターンのうちの1つ、いくつか、またはすべてと比較し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ710は、最初の2ビットを行902aおよび902bの中のパターンの一方または両方と比較し、最初の3ビットを行902c、902d、および902eの中のパターンのうちの1つ、2つ、またはすべてと比較し、最初の4ビットを行902fの中のパターンと比較し、または最初の5ビットを行902gおよび902hの中のパターンの一方または両方と比較し得る。一致を見つけたことに応答して、シェーピングエンコーダ710は、それぞれのパターンと関連付けられる振幅レベルを示す、それぞれのPAMシンボルのためのb/2個の振幅シェーピングされたビット712のセットを出力し得る。いくつかの実装形態では、シェーピングエンコーダ710は一般に、以下の式(2)において定義されるような、PAMシンボル当たりの振幅シェーピングされたビット712の平均の数を出力し得る。
【0079】
【0080】
式(2)において、pkは入力データビットのそれぞれの数kと関連付けられる確率である。たとえば、LUT900と関連付けられる確率質量関数に基づいて、PAMシンボルごとに出力された振幅シェーピングされたビット712の数は2.6875ビットである。すなわち、8つの異なる振幅レベルを符号化するための実効コーディングレートは、振幅シェーピングの結果として、通常必要とされる3から2.6875に減少する。
【0081】
いくつかの実装形態では、一般の算術符号化動作とは異なり、プレフィックス符号化動作の実行は並列化され得る。様々な利益の中でもとりわけ、そのような並列化は、より低いクロックレートの使用を可能にし、または高いデータレートを達成し得る。たとえば、いくつかの実装形態では、プリシェーピングパーサ704またはシェーピングエンコーダ710自体が、複数の振幅ビットを振幅ビットの別々のストリームへと(たとえば、ラウンドロビン方式で)分離または分割し、振幅ビットのストリームの各々に対して独立のプレフィックス符号化動作を並列に実行し得る。いくつかのそのような実装形態では、上の例を続けると、プリシェーピングパーサ704はさらに、第1のPAMシンボルストリームに対する振幅ビットの第1のストリームをm個の並列データストリームへと分割し得る。同様に、プリシェーピングパーサ704はさらに、第2のPAMシンボルストリームに対する振幅ビットの第2のストリームをm個の並列データストリームへと分割し得る。シェーピングエンコーダ710は、2m個のストリームを並列に符号化するために2m個のプレフィックスエンコーダを含み得る。しかしながら、特定の振幅ビットの値に応じて、各プレフィックスエンコーダは、それぞれのストリームから0個からK-1個の残されたビットを有し得る(KはそれぞれのLUTにおける最大のパターンのビットのサイズである)。いくつかの実装形態では、残されたビットを符号化するために、シェーピングエンコーダ710は、各振幅成分に対するm個のプレフィックス符号化動作の各々から残されたビットを特定し、残されたビットを連結し、振幅ビットの第1および第2のストリームの各々からの残されたビットのすべてがそれぞれのPAMシンボルへと符号化されるようにパディングビットを連結された残されたビットに追加する(シンボルを完全に符号化するために必要である場合)。
【0082】
上で説明されたように、ブロック602において複数の振幅ビット(たとえば、MSB706a)に対して第1の符号化動作を実行して振幅シェーピングされたビット712を生成した後、第2の符号化動作は次いで、ブロック604において振幅シェーピングされたビット712に対して実行され得る。たとえば、第2のエンコーダ716は、振幅シェーピングされたビット712を含むコードブロックを受信し、コードブロックに対してブロック604における第2の符号化動作を実行し、第2の複数のコーディングされたデータビット720を含む符号語718を生成し得る。示される例では、第2のエンコーダ716は、振幅シェーピングされたビット712(MSB706aに基づく)ならびにLSB706bおよび符号ビット708に対してブロック604の第2の符号化動作を実行する。加えて、シェーピングエンコーダがシグナリングビット714を生成する実装形態では、そのようなシグナリングビットはまた、第2のエンコーダ716に入力されブロック604の第2の符号化動作において符号化され得る。
【0083】
いくつかの実装形態では、第2のエンコーダ716は、第2のエンコーダ716から出力されるビットが第2のエンコーダに入力されるものと一致するように、ブロック604のシステマティック符号化動作を実行するシステマティックエンコーダである。たとえば、いくつかのそのような実装形態では、実行される第2の符号化動作は、低密度パリティチェック(LDPC)符号化動作であり、またはそれを含む(およびしたがって、第2のエンコーダ716は以後「LDPCエンコーダ716」と呼ばれ得る)。したがって、得られた第2の複数のコーディングされたデータビット720は、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびシグナリングビット714を含み得る。
【0084】
ブロック604におけるLDPC符号化動作の実行は、たとえば、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびシグナリングビット714に基づいて複数のパリティビット722を生成することによって、冗長性をデータに加える。パリティビット722は、データを変更することなく、たとえば前方誤り訂正を目的に、冗長性をデータに加える。したがって、LDPCエンコーダ716に入力される各コードブロックに対して、得られた符号語718は、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびシグナリングビット714(集合的に第2の複数のコーディングされたデータビット720)を含むシステマティック部分と、パリティビット722を含むパリティ部分とを含む。
【0085】
ブロック604の第2の符号化動作を実行して符号語718を生成すると、ワイヤレス通信デバイスは、ブロック606において、各シンボルが変調コンステレーションの中の振幅を示すnビットのセットを含むように、第2の複数のコーディングされたデータビット720および複数のパリティビット722のビットをM個の(たとえば、QAM)シンボル726へと配列する(または「並べる」)。たとえば、
図7Bに示されるように、配列(または「再配列」)モジュール724は、符号語718を受信し、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびパリティビット722からのビットをM個のシンボル726へと並べ得る。いくつかのそのような実装形態では、配列モジュール724は、第1のPAMシンボルストリームおよび第2のPAMシンボルストリームの両方と関連付けられる、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびパリティビット722を受信し、単一のQAMシンボルストリームへと再配列する。そのうちのb=6個がMSBであるn=8個の振幅ビットを含む10ビットを各シンボル726が含む、1つの1024-QAMの例では、配列モジュール724は、符号語718から、シンボル726の各々に対して、第1の(実数の)振幅成分を取得するために、振幅ビットの第1のストリームから符号化された振幅シェーピングされたビット712からの3つの振幅ビットのセット、ならびに振幅ビットの第1のストリームと関連付けられるLSB706bからの振幅ビットを取り込み得る。同様に、配列モジュール724は、符号語718から、シンボル726の各々に対して、第2の(虚数の)振幅成分を取得するために、振幅ビットの第2のストリームから符号化された振幅シェーピングされたビット712からの3つの振幅ビットのセット、ならびに振幅ビットの第2のストリームと関連付けられるLSB706bからの振幅ビットを取り込み得る。
【0086】
上で説明されたように、シンボル726の各々はさらに、振幅が位置する変調コンステレーションの中の4つの象限のうちの1つを示す符号ビットのペアを含み得る。いくつかの実装形態では、配列モジュール724は、パリティビット722からのシンボル726に対して必要とされる符号ビットのすべてを取り込もうとし得る。上で説明されたように、符号ビットは電力に影響しないので、振幅ビット706だけに、およびいくつかの実装形態では、MSB706aだけに対して振幅シェーピング動作を実行することが、一般に満足のいくものであることがある。たとえば、選択されたMCSに基づいて、シェーピングエンコーダ710は、コードブロックごとに、いくつのパリティビットがLDPCエンコーダ716によって生成されるかを認識している。したがって、シェーピングエンコーダ710は、第1の符号化動作の前に一部のデータビットが符号ビットのために使用される必要があるかどうかを知っている。たとえば、LDPCコーディングレートおよびQAMコンステレーションサイズに応じて、パリティビット722のすべて、ならびにいくつかのシェーピングされていないデータビット(たとえば、符号ビット708)が、シンボル726の中の符号ビットとして使用されることが可能であり得る。これは、M個のシンボル726のすべての振幅がシェーピングされ得ることを意味するので、望ましいことがある。専用の符号ビット708が必要である場合、それらは、上で説明されたように、第1の符号化動作の前にコードブロックの残りからパースされ、LDPCエンコーダ716に直接渡され得る。代替として、パリティビット722の数がシンボル726に必要な符号ビットの数より多いので、いくつかのパリティビット722がシンボル726のための振幅ビットとして使用されなければならないことがあり得る。そのような事例では、シェーピングエンコーダ710は、ブロック602において、シンボル726のすべてに対するすべての振幅成分に第1の符号化動作を、したがって振幅シェーピングを実行することが可能ではないことがある。したがって、達成可能なSNR利得が下がることがある。
【0087】
ブロック608において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のサブキャリア上のM個のシンボル726をワイヤレスパケットにおいて受信デバイスに送信する。いくつかの実装形態では、ブロック610においてシンボル726の各々を送信するために、コンステレーションマッパ(たとえば、QAMマッパ)728は、シンボル726の各々を(たとえば、QAM)変調コンステレーションの中の点にマッピングし、たとえば、シンボル726の振幅と位相を示す複素数表現730を取得する。いくつかの実装形態では、コンステレーションマッパ728は、シンボル726の複数のストリームの各々に対して1つずつ、複数のコンステレーションマッパを含む。
【0088】
いくつかの実装形態では、配列モジュール724はまた、シンボル726を複数の空間ストリームへとパースする空間ストリームパーサを含み得る。いくつかのそのような実装形態では、空間ストリームパーサは、ビットが異なる空間ストリームの中のシンボルへと適切に並べられることを確実にするために、空間ストリームの各々に対して別々に、振幅シェーピングされたビット712、LSB706b、符号ビット708、およびパリティビット722をパースする。いくつかの実装形態では、配列モジュール724は加えて、空間ストリームからのシンボル726を異なる帯域幅セグメント(たとえば、160MHzまたは320MHzの接合されたチャネルの異なる80MHzのサブチャネル)へとパースする、複数の帯域幅セグメントパーサを含む。空間ストリームのパースおよび帯域幅セグメントのパース(実行される場合)の後で、複素数表現730のそれぞれのストリームを取得するために、パースされたシンボル726の異なるストリームの各々が、シンボルを変調コンステレーションの中の点へとマッピングするコンステレーションマッパのそれぞれ1つに提供され得る。
【0089】
変調器732は次いで、複素数表現730によって示される振幅および位相に基づいてワイヤレスチャネルの帯域幅セグメントのサブキャリアを変調して、変調されたシンボル734を生成することができ、これらは次いで、結合された送信チェーンおよびアンテナを介して受信デバイスに送信される。たとえば、上で提示された例を続けると、コンステレーションマッピングの後で、複素数表現730のストリームは、複素数表現をワイヤレスチャネルのそれぞれのサブキャリア(または「トーン」)にマッピングする、変調器732のそれぞれのトーンマッパに提供され得る。いくつかの実装形態では、変調器732はさらに、異なる帯域幅セグメントストリームをシンボルの複数の空間ストリームへとデパースする、帯域幅セグメントデパーサを含む。空間ストリームは次いで、シンボルに対して空間マッピングを実行する空間マルチプレクサに提供され得る。空間マッピングされたストリームは次いで、たとえば、それぞれのストリームの中のシンボルに対して逆離散フーリエ変換を実行する変換ブロックに提供され得る。得られたシンボルは次いで、送信のためにアナログおよびRFブロックに提供され得る。いくつかの実装形態では、均一な平均送信電力を確保するために、アナログおよびRFブロックは、第1の符号化動作において実行される振幅シェーピングの量に基づいて、ワイヤレスチャネルを介した送信の前にブロック608において電力スケーリング係数を変調されたシンボル734に適用し得る。
【0090】
いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、変調されたシンボル734を含むPSDUペイロードの前にPHY層プリアンブルを含むPPDUの形態でワイヤレスパケットを生成し得る。ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信プロトコル規格のIEEE 802.11群(限定はされないが、802.11axおよび802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはその改正により定義されるものなど)のうちの1つまたは複数に準拠するSU-MIMO、MU-MIMO、およびOFDMA技法を含む、任意の適切な技法を利用して、ワイヤレスパケットを受信デバイスに送信し、または送信のために出力し得る(以後「送信する」と交換可能に使用される)。いくつかの実装形態では、ワイヤレスチャネルは、1つまたは複数の連続する部分または非連続部分を含む、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、または320MHzチャネルであり得る。
【0091】
いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ブロック608において、変調されたシンボル734を含む同じワイヤレスパケットの中で、第1の符号化動作の標示も受信デバイスに送信し得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイスは、シグナリングフィールドなどの中の(たとえば、EHT-SIG-AフィールドまたはEHT-SIG-CフィールドなどのETH-SIGフィールドの中の)、ワイヤレスパケットのプリアンブルにおいてその標示を送信し得る。いくつかのそのような実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ブロック604において第2の符号化動作を実行する際に使用されるコーディングレート(たとえば、LDPCコーディングレート)、変調(たとえば、QAM)コンステレーションサイズ、および第1の符号化動作の1つまたは複数の標示を示す、パケットのプリアンブルにおいてMCSフィールド(EHT-SIG-Aフィールドの中にあり得る)を送信し得る。いくつかの他の実装形態では、第1の符号化動作の1つまたは複数の標示は、MCSフィールドとは別の第2のシグナリングフィールドにおいて(たとえば、EHT-SIG-AまたはEHT-SIG-C内の別のサブフィールドにおいて)送信され得る。いくつかの実装形態では、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドはまた、ブロック608において変調されたシンボルに適用される電力スケーリング係数の標示を含む。いくつかの実装形態では、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドはさらに、第1の符号化動作がブロック602においてそれに対して実行された、シェーピングエンコーダ710に入力されるコードブロックのサイズ(またはコードブロックのグループに対するコードブロックのサイズおよび数の標示)を示し得る。いくつかの他の実装形態では、電力スケーリング係数とコードブロックサイズの一方または両方が、暗黙的にシグナリングされ得る。
【0092】
第1の符号化動作を示すために、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドは、第1の符号化動作が実行されたかどうかを示す第1のビットと、振幅の不均一な分布を定義する第1の符号化動作と関連付けられる1つまたは複数の振幅シェーピングパラメータを示す1つまたは複数の第2のビットとを含み得る。言い換えると、振幅シェーピングパラメータは、振幅と関連付けられるシェーピングの量および確率シェーピングレートを定義し得る。たとえば、確率シェーピングパラメータは、各MCSのための第1の符号化動作と関連付けられる確率質量関数の標示を含み得る。いくつかの特定の例では、振幅シェーピングパラメータは、算術符号化動作において使用されるビンと関連付けられるサイズおよび振幅レベルに関する情報、またはプレフィックス符号化動作において使用されるLUTに関する情報を含み得る。上で説明されたように、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドは、シグナリングビットも含み得る。
【0093】
図10は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1000を示すフローチャートを示す。プロセス1000の動作は、本明細書において説明されるような受信デバイスまたはそのコンポーネントによって実施され得る。たとえば、プロセス1000は、
図4を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス400などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1000は、それぞれ
図1および
図5Aを参照して説明されるAP102および502のうちの1つなどの、APとして動作する、またはAP内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの他の実装形態では、プロセス1000は、それぞれ
図1および
図5Bを参照して説明されるSTA104および504のうちの1つなどの、STAとして動作する、またはSTA内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0094】
ブロック1002において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のサブキャリア上の複数の変調されたシンボルを含むワイヤレスパケットを受信する。各々の受信されたシンボルは、シンボルの振幅を示す振幅ビットのセットを含む。いくつかの実装形態では、復調されたシンボルの振幅は不均一な分布を有する。各々の受信されたシンボルはさらに、それぞれの振幅が位置する変調コンステレーションの中の象限を示す少なくとも1つの符号ビットを含む。ブロック1004において、ワイヤレス通信デバイスは、シンボルのすべてに対する振幅ビットおよび符号ビットのセットを、少なくとも複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットへと再配列する。ブロック1006において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のパリティビットに基づいて少なくとも複数の振幅シェーピングされたビットに対して第1の復号動作を実行し、第1の複数の復号されたデータビットを生成する。ブロック1008において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のシェーピング解除された振幅ビットを生成する第1の複数の復号されたデータビットに対して第2の復号動作を実行する。
【0095】
図11Aおよび
図11Bは、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフロー1100の図を示す。たとえば、フロー1100はプロセス1000の態様を示し得る。プロセス1000およびフロー1100はさらに、
図6~
図9を参照して説明されるプロセス600およびフロー700に関して以下で提示される。たとえば、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、ブロック1002において、プロセス600のブロック608において送信側ワイヤレス通信デバイスから送信された複数の変調されたシンボル734を含むワイヤレスパケット1102を受信する。
【0096】
いくつかの実装形態では、復調器1104は、結合されたアンテナおよび受信チェーンを介して変調されたシンボル734を受信し、ブロック1002における検出された振幅および位相に基づいてサブキャリアを復調して、理想的には複素数表現730と同一であるシンボルの振幅および位相を示す複素数表現1106の形態で復調されたシンボルを生成し得る。たとえば、復調器1104は、1つまたは複数の結合されたアンテナを介して1つまたは複数の帯域幅セグメントの中の複数のトーンにまたがる複数の空間ストリームを介して、ワイヤレスパケット1102および変調されたシンボルを受信する、アナログおよびRFブロックを含み得る。受信されたシンボルは次いで、たとえば、ストリームの中のシンボルに対して離散フーリエ変換を実行する復調器1104の変換ブロックに提供され得る。いくつかの実装形態では、復調器732はさらに、異なる帯域幅セグメントストリームをパースする帯域幅セグメントパーサを含む。次いで、復調器732のトーン逆マッパが、トーンを逆マッピングして、帯域幅セグメントの各々に対する複数の空間ストリームを(もしあれば)取得し得る。
【0097】
コンステレーション逆マッパ(たとえば、QAM逆マッパ)1108は次いで、(たとえば、QAM)変調コンステレーションの中のそれぞれの点からの複素数表現1106を逆マッピングして、復調されたシンボル1110を取得し得る。たとえば、上で提示された例を続けると、複素数表現1106の得られたストリームは、復調されたシンボル1110のそれぞれの空間ストリームを提供するそれぞれのコンステレーションデマッパに提供され得る。復調されたシンボル1110の各々は最終的に、シンボルの振幅を示すn個の振幅ビットのセットを含む。プロセス600およびフロー700に関連して上で説明されたように、各々の復調されたシンボル1110に対するn個の振幅ビットのセットの第1のn/2ビットは、変調コンステレーションの実数軸に沿ったシンボルの振幅の第1の振幅成分を示してもよく、各々の復調されたシンボル1110に対するn個の振幅ビットのセットの第2のn/2ビットは、変調コンステレーションの虚数軸に沿ったシンボルの振幅の第2の振幅成分を示してもよい。したがって、第1の(実数の)振幅成分の2n/2個の潜在的な第1の振幅レベル、および各々の復調されたシンボル1110の第2の(虚数の)振幅成分の2n/2個の潜在的な第2の振幅レベルがある。上で説明されたように、復調されたシンボル1110の各々はさらに、それぞれの振幅の符号を示す振幅成分の各々に対する符号ビットを含み得る。
【0098】
上で説明されたように、ブロック1004において、ワイヤレス通信デバイスは、シンボルのすべてに対する振幅ビットおよび符号ビットのセットを、少なくとも複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットへと再配列する。たとえば、振幅シェーピングされたビットはMSB706aを含み得る。いくつかのそのような例では、振幅ビットのセットはさらに、たとえばLSB708を含む、複数のシェーピングされていないビットを含み得る。いくつかの実装形態では、復調されたシンボル1110はさらに、複数の符号ビットまたはシグナリングビットを含み得る。いくつかの実装形態では、再配列モジュール1112は、振幅ビットのすべて(振幅シェーピングされたビットおよびあらゆるシェーピングされていないビットを含む)およびパリティビットを含む、復調されたシンボル1110を受信し、それらを符号語1114へと組み立て直し得る。たとえば、上で提示された例を続けると、再配列モジュール1112はまた、それぞれの帯域幅セグメントストリームからシンボル1110をデパースする複数の帯域幅セグメントデパーサを含み得る。いくつかの実装形態では、再配列モジュール1112はまた、得られた空間ストリームの中のシンボルをビットの単一のストリームへとデパースする、空間ストリームデパーサを含み得る。上で説明されたように、再配列モジュール1112は次いで、復調されたシンボルからのビットを符号語1114へと再配列し得る。
【0099】
上で説明されたように、ブロック1006において、ワイヤレス通信デバイスは、複数のパリティビットに基づいて少なくとも複数の振幅シェーピングされたビットに対して第1の復号動作を実行し、第1の複数の復号されたデータビットを生成する。たとえば、
図11Bに示されるように、第1のデコーダ1116は、符号語1114を受信し、ブロック1008における符号語1114に対する第1の復号動作を実行して、振幅シェーピングされたビットに基づいて少なくとも第1の複数の復号されたデータビットを提供し得る。第1のデコーダ1116は、パリティビットの助けにより振幅ビットを復号することを試みるシステマティックデコーダ(たとえば、LDPCデコーダ)であり得る。上で説明されたように、符号語1114はまた、シェーピングされていない振幅ビット(たとえば、LSBまたは符号ビット)を含み得る。したがって、符号語1114の復号に基づいて、第1のデコーダ1116は、復号された振幅シェーピングされたビット(たとえば、MSB)1118、復号されたLSB1120、復号された符号ビット1122、および復号されたシグナリングビット1124を含む、復号されたコードブロックを出力し得る。
【0100】
上で説明されたように、ワイヤレス通信デバイスは、振幅シェーピングされたビット1118に対してブロック1008における第2の復号動作を実行し、シェーピング解除された振幅ビットを生成する。いくつかの実装形態では、シェーピングデコーダ1126は、第2の復号動作(「振幅シェーピング解除動作」とも本明細書では呼ばれる)を実行して、シェーピング解除された振幅ビット1128の数(数値的な量)が振幅シェーピングされたビット1118の数より少なくなるように、振幅シェーピングされたビット1118から冗長性を取り除き、シェーピング解除された振幅ビット1128を生成する。複数の復号されたデータビットがシェーピングされていないビット(たとえば、LSB1120、符号ビット1122、またはシグナリングビット1124)を含むいくつかの実装形態では、第2の復号動作は、ブロック1008において振幅シェーピングされたビット1118だけに対して実行される。振幅シェーピング解除動作は、それぞれのシンボルと関連付けられる振幅が実質的に均一な分布へと戻るように、送信側デバイスにおいて実行された対応する振幅シェーピング動作を取り消す。
【0101】
いくつかの実装形態では、ブロック1008において実行される第2の復号動作は、算術復号動作であり、またはそれを含む。たとえば、シェーピングデコーダ1126は、基本的にプロセス600のブロック602を参照して説明される算術符号化動作の逆である、ブロック1008における算術復号動作を実行し得る。いくつかの他の実装形態では、ブロック1008において実行される第2の復号動作は、プレフィックス復号動作であり、またはそれを含む。たとえば、シェーピングデコーダ1126は、基本的にプロセス600のブロック602を参照して説明されるプレフィックス符号化動作の逆である、ブロック1008におけるプレフィックス復号動作を実行し得る。上で説明されたように、いくつかの実装形態では、プレフィックス復号動作の実行は並列化され得る。
【0102】
示される例では、デパーサ1130は、シェーピング解除されたビット(たとえば、MSB)1128および任意のLSB1120または符号ビット1122を1つまたは複数の情報ブロック1132へと組み立て直す。情報ブロック1132は次いで、対応するMPDUを復号するために、ワイヤレス通信デバイスのMAC層によって処理され得る。
【0103】
上で説明されたように、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、変調されたシンボルを含む同じワイヤレスパケット1102において、ブロック1002において送信デバイスから第2の復号動作の標示も受信し得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイスは、シグナリングフィールドなどにおいて(たとえば、EHT-SIG-AフィールドまたはEHT-SIG-CフィールドなどのETH-SIGフィールドにおいて)、ワイヤレスパケット1102のプリアンブルにおいてその標示を受信し得る。上で説明されたように、プリアンブルは、コーディングレート(たとえば、ブロック1006におけるLDPC復号動作を実行するためにLDPCデコーダ1116により必要とされるLDPCコーディングレート)、変調(たとえば、QAM)コンステレーションサイズ、および第2の復号動作の1つまたは複数の標示を示す、MCSフィールド(EHT-SIG-Aフィールドの中にあり得る)を含み得る。いくつかの他の実装形態では、第2の復号動作の1つまたは複数の標示は、MCSフィールドとは別の第2のシグナリングフィールドにおいて(たとえば、EHT-SIG-AまたはEHT-SIG-C内の別のサブフィールドにおいて)受信され得る。たとえば、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドは、第1の符号化(振幅シェーピング)動作が送信デバイスによって実行されたかどうかを示す第1のビットと、振幅の不均一な分布を定義する第1の符号化動作と関連付けられる1つまたは複数の振幅シェーピングパラメータを示す1つまたは複数の第2のビットとを含み得る。
【0104】
上で説明されたように、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドはまた、変調されたシンボルをスケーリング解除する際に復調器1104により使用するための、変調されたシンボルに適用される電力スケーリング係数の標示を含み得る。上でさらに説明されたように、MCSフィールドまたは第2のシグナリングフィールドは、第1の符号化(振幅シェーピング)動作がそれに対して送信デバイスによって実行されたコードブロックのサイズ(またはコードブロックのグループに対するコードブロックのサイズおよび数の標示)を示し得る。いくつかの他の実装形態では、電力スケーリング係数とコードブロックサイズの一方または両方が、暗黙的にシグナリングされ得る。
【0105】
それぞれ
図6、
図7A、
図7B、
図8A~
図8D、および
図9に関して説明された、プロセス600、フロー700、分布800、およびLUT900に関して説明されたように、振幅シェーピング符号化動作は、具体的には、シェーピングエンコーダから出力された振幅シェーピングされたビットの数がシェーピングエンコーダに入力される振幅ビットの数より大きくなるように、シェーピングエンコーダに入力される振幅ビットに冗長性を加える。振幅シェーピング符号化動作では、従来達成され得るものと同じ数のシンボルを取得するために符号化する情報ビットがより少なくなるので、振幅シェーピング符号化動作は、MPDUの実効コーディングレートの低減をもたらす。シェーピングエンコーダから出力される振幅シェーピングされたビットの数は内容に依存し得るので(シェーピングエンコーダに入力されるビットの値に依存する)、シェーピングエンコーダの実効コーディングレートは本質的に可変であり得る。加えて、上で説明されたように、シェーピングエンコーダから出力された振幅シェーピングされたビットの数も変化し得る。たとえば、本明細書において説明されるいくつかの算術符号化動作とは異なり、振幅シェーピングを実行するためにプレフィックス符号化動作を使用するとき、シェーピングエンコーダから出力される振幅シェーピングされたビットの数は可変であり得る。
【0106】
IEEE 802.11規格の既存のバージョンは、5/6というコーディングレートで(MCS13の)ピークスペクトル効率を考慮する。すなわち、符号化されたデータの6個のビットが、有用な情報の5個のビットごとに送信され得る。一部のワイヤレス通信デバイスは、レート5/6のLDPCコードを使用したLDPC符号化を通じてピークスペクトル効率を達成し得る。たとえば、IEEE 802.11規格の既存のバージョンに従って動作するワイヤレス通信デバイスは、5/6のコーディングレートで、長さ1944ビットのLDPC符号語を生成し得る。LDPC符号化プロセスは、1620個の情報ビットごとに324個のパリティビットを生成する。より小さい符号語の長さ(1944ビット未満)も、IEEE 802.11規格の既存のバージョンについて利用可能であるが、一般に、符号語の長さがより長くなると、コーディング利得はより高くなる。
【0107】
本実装形態では、スペクトル効率は、システマティック符号化動作(
図7Aのシステマティックエンコーダ716によって実行されるものなど)のコーディングレート、ならびに確率振幅シェーピング動作(
図7Aのシェーピングエンコーダ710によって実行されるものなど)のコーディングレートにより影響を受ける。上で説明されたように、確率振幅シェーピング動作は、1未満の実効コーディングレートを有する。振幅シェーピング動作が既存のIEEE 802.11規格(レート5/6のLDPCコードなど)によって定義されるシステマティック符号化動作と組み合わせられ、全体の実効コーディングレートは5/6未満である。
【0108】
本開示の態様は、振幅シェーピング動作を、コーディングレートが5/6より大きいシステマティック符号化動作と組み合わせることによって、振幅シェーピングを実行するときにスペクトル効率を改善し得る。いくつかの実装形態では、振幅シェーピング動作は、0.94より大きいが1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化であってもよく、またはそれを含んでもよい。いくつかの態様では、0.95という実効コーディングレートを有する振幅シェーピング動作を7/8というコーディングレートを有するシステマティック符号化動作と組み合わせることによって、ピークスペクトル効率が達成(または維持)され得る。たとえば
図7Aを参照すると、シェーピングエンコーダ710は、0.95という実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を実施してもよく、システマティックエンコーダ716は、7/8という実効コーディングレートを有するLDPC符号化動作を実施してもよい。結果として、フロー700は約5/6の全体のコーディングレートを達成し得る。言い換えると、フロー700は、(情報ブロック702の)5個の情報ビットごとに(符号語718の)6個の符号語ビットを生成し得る。
【0109】
いくつかの実装形態では、システマティック符号化動作は、元来7/8のコーディングレートを有するLDPCコードを使用して、7/8という実効コーディングレートを達成し得る。言い換えると、レート7/8のLDPCコードを実装する生成行列は、7個の情報ビットごとに8個の符号語ビットを生成し得る。たとえば、生成行列は、1701個の情報ビットを含む情報ブロックを長さ1944のLDPC符号語へと(243個のパリティビットを情報ブロックに追加することによって)符号化し得る。4096QAMのために構成されるいくつかのプレフィックス符号化の実装形態では、関連するシンボルの同相(I)成分または直交(Q)成分に対する32個のそれぞれの振幅レベルに対応する振幅ビットの32個の異なるシーケンスまたはパターンがあり得る。振幅ビットの各パターンは、長さが5ビットであり得る。したがって、長さ1944の符号語は、324個のPAM振幅を使用して符号化され得る(1944個の符号語ビット/(5個の振幅ビット+1個の符号ビット)=324個のPAM振幅)。1701個のシステマティックビットが符号化されて各LDPC符号語とともに送信されるので、システマティックビットのうちの1620個が、すべての324個のPAM振幅(324個のPAM振幅*5個の振幅ビット/シェーピングされた振幅=1620個)をシェーピングするために使用されてもよく、残りの81個のシェーピングされていないシステマティックビットが、符号ビットとして再利用されてもよい。プレフィックス符号化動作が0.95という実効コーディングレートを有すると仮定すると、システムの全体の実効コーディングレートは、(1620*0.95+81)/1944=5/6である。
【0110】
いくつかの他の実装形態では、システマティック符号化動作は、元来7/8未満のコーディングレートを有するLDPCコードによって生成される1つまたは複数の符号語ビットをパンクチャリングすることによって、7/8という実効コーディングレートを達成し得る。いくつかの態様では、レガシーLDPCコード(IEEE 802.11規格の既存のバージョンによって定義されるものなど)を使用して生成されるLDPC符号語の1つまたは複数のビットをパンクチャリングすることによって、より高い実効コーディングレートが達成され得る。たとえば、レート7/8の符号語は、長さ1944のレート5/6の符号語の93ビットをパンクチャリングすることによって導出され得る。別の例は、長さ1944のレート5/6の符号語の96ビットをパンクチャリングすることであり、7/8に近いコーディングレートをもたらす。96ビットをパンクチャリングすることは、パンクチャリングされるビットの数が変調シンボルの中のビットの倍数である(4096QAMでは、各QAMシンボルは12ビットを搬送する)ことが望ましい場合に実施され得る。さらに別の例は、長さ1944のレート5/6の符号語の90ビットをパンクチャリングすることであり、(4096QAMでは)7.5個のQAMパンクチャリングされたシンボルをもたらす。実質的に、2つの符号語ごとに15個のQAMシンボルがパンクチャリングされる。
図12に関してより詳しく説明されるように、パンクチャリングされたビットは、情報ビット、パリティビット、またはこれらの任意の組合せを含み得る。
【0111】
いくつかの他の態様では、より高い実効コーディングレートは、より高いコードレート(レート7/8など)に対して最適化される、生成されたLDPC符号語の1つまたは複数のビットをパンクチャリングすることによって達成され得る。たとえば、新しいLDPCコードは、所与の符号語の長さに対して(レガシーLDPCコードと比較して)より多数のパリティビットを符号化するために最適化され得る。いくつかの実装形態では、新しいLDPCコードを使用して生成されたパリティビットの数により、得られる符号語が望ましい符号語の長さを超えることがある。たとえば、LDPC符号化プロセスは、1701個の情報ビットを含む情報ブロックに405のパリティビットを追加し、長さ2106の符号語(望ましい符号語の長さが1944であるとき)をもたらし得る。したがって、望ましい実効コーディングレートを達成するために、得られた符号語の1つまたは複数のビットがパンクチャリングされ得る。
図12に関してより詳しく説明されるように、パンクチャリングされたビットは、情報ビット、パリティビット、またはこれらの任意の組合せを含み得る。
【0112】
図12は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするフロー1200の別の図を示す。たとえば、フロー1200は、
図7Aにおいて図示されるフロー700の別の実装形態であり得る。
図12の例では、情報ブロック1202はシェーピングエンコーダ1210に提供される。いくつかの実装形態では、情報ブロック1202のビットの1204のサブセット(シェーピングされていない情報ビットまたはLSB)は、シェーピングされていない情報ビットとして、システマティックエンコーダ1220に直接提供されてもよく、それにより、シェーピングエンコーダ1210を迂回する。たとえば、ビット1204のサブセットは、プリシェーピングパーサ(
図7Aのプリシェーピングパーサ704など)によって情報ブロック1202からパースされ得る。結果として、シェーピングエンコーダ1210は、情報ブロック1202のビットのサブセットのみを受信し得る。いくつかの態様では、システマティックエンコーダ1220に直接送信されるビット1204の数は、符号語パンクチャラ1240によって実行されるパンクチャリング動作に依存し得る。いくつかの他の実装形態では、情報ブロック1202の各ビットは、シェーピングエンコーダ1210に提供され得る。
【0113】
シェーピングエンコーダ1210は、
図7Aのシェーピングエンコーダ710の一例であり得る。したがって、シェーピングエンコーダ1210は、関連するシンボルの振幅が不均一な分布、および特に、それぞれの振幅と関連付けられる確率が全般に振幅の減少とともに上昇するような分布(ガウス分布など)を有するように、振幅シェーピングされたビット1212を生成するために情報ブロック1202の1つまたは複数のビットを符号化し得る。いくつかの実装形態では、シェーピングエンコーダ1210は、約0.95の実効コーディングレートを有するプレフィックスエンコーダであり、またはそれを含む。
【0114】
上で説明されたように、プレフィックス符号化動作の実行は、情報ブロック1202の連続するビットのシーケンスを、不均一な長さを有するビット値のパターンのセットのビット値の1つまたは複数のパターンと比較することを含み得る。より具体的には、ビット値のパターンの各々が、情報ブロック1202における発生の関連する確率を有し、その結果、比較的低いシンボル振幅と関連付けられるビット値のパターンが、比較的高いシンボル振幅と関連付けられるビット値のパターンより、比較的高い発生の確率を有するように、ビット値のパターンが定義され得る。4096QAMのために構成されるいくつかの実装形態では、プレフィックス符号化動作のためにシェーピングエンコーダ1210に入力され得る、情報ビットの最大で32個の潜在的なシーケンスがあり得る。
【0115】
たとえば、Table 1-4(表1-4)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210によって出力され得る振幅ビットの32個のシーケンスまたはパターンがある。振幅ビットの各シーケンスは、関連するシンボルの振幅の同相(I)成分または直交(Q)成分のいずれかの大きさを表す5ビットの値からなり得る。振幅ビットのシーケンスの各々は、それぞれのシンボル振幅と関連付けられる。たとえば、振幅ビットの32個の異なる潜在的なシーケンス、および1から63にわたる関連する振幅レベル値(奇数のみ)がある。
【0116】
【0117】
Table 1(表1)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの32個の潜在的なシーケンスがある。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、確率質量関数(PMF)と関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 1, 1, 1]/128である。たとえば式(2)を参照すると、プレフィックス符号化テーブルの実効コーディングレートは、振幅シェーピングされたビットの平均の数(ビットの数)を振幅ビットの各シーケンスの長さ(5)で割ることによって導かれ得る。したがって、上のプレフィックス符号化テーブル(Table 1(表1))は、0.9500という実効コーディングレートを有する。
【0118】
【0119】
Table 2(表2)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの30個の潜在的なシーケンスがある。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 0, 0]/128である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 2(表2))は、0.9500という実効コーディングレートを有する。
【0120】
【0121】
Table 3(表3)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの31個の潜在的なシーケンスがある。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 1, 0]/128である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 3(表3))は、0.9469という実効コーディングレートを有する。
【0122】
【0123】
Table 4(表4)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの31個の潜在的なシーケンスがある。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 1, 0]/128である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 4(表4))は、0.9531という実効コーディングレートを有する。
【0124】
4096QAMでは振幅レベルの各々を符号化するために5ビットが使用され得るが、約0.95の実効コーディングレートを達成するために5ビットすべてが振幅シェーピングされる必要はないことを、本開示の態様は認める。Table 5-7(表5-7)に示されるように、0.95に近い実効コーディングレートは、5ビットのうちの4ビット(MSB)だけをシェーピングすることによって達成され得る。言い換えると、情報ビットの各々の固有のシーケンスが、振幅ビットのそれぞれ4ビットのシーケンスにマッピングされ得る。残りの1ビット(LSB)は、振幅シェーピングにおいて使用されず、振幅シェーピングされたビットのシーケンスと関連付けられる対応する振幅レベルを決定するために使用され得る。Table 8および9(表8および9)に示されるように、約0.95の実効コーディングレートはまた、5ビットのうちの3ビット(MSB)だけをシェーピングすることによって達成され得る。言い換えると、情報ビットの各々の固有のシーケンスが、振幅ビットのそれぞれ3ビットのシーケンスにマッピングされ得る。残りの2ビット(LSB)は、振幅シェーピングにおいて使用されず、振幅シェーピングされたビットのシーケンスと関連付けられる対応する振幅レベルを決定するために使用され得る。
【0125】
【0126】
Table 5(表5)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの16個の潜在的なシーケンスがある。情報ビットの各シーケンスが、振幅ビットの4ビットのシーケンスにマッピングされる。振幅ビット(MSB)の各シーケンスはさらに、2つの振幅レベルと関連付けられる。したがって、2つの振幅レベルを区別するために、残りのシェーピングされていないビット(LSB)が使用され得る。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 1, 1, 1, 1]/64である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 5(表5))は、0.9219という元来のコーディングレートを有する。実効コーディングレート(Reff)は、振幅シェーピングされたビット(MSB)の数、シェーピングされていない振幅ビット(LSB)の数、および元来のコーディングレート(R)の関数として決定され得る。
【0127】
【0128】
したがって、上のプレフィックス符号化テーブル(Table 5(表5))は、0.9375((4*0.9219+1)/5=0.9375)という実効コーディングレートを有する)。
【0129】
【0130】
Table 6(表6)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの16個の潜在的なシーケンスがある。情報ビットの各シーケンスが、振幅ビットの4ビットのシーケンスにマッピングされる。振幅ビット(MSB)の各シーケンスはさらに、2つの振幅レベルと関連付けられる。したがって、2つの振幅レベルを区別するために、残りのシェーピングされていないビット(LSB)が使用され得る。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 2, 2, 1, 1]/64である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 6(表6))は、0.9297という元来のコーディングレートおよび0.9438という実効コーディングレートを有する。
【0131】
【0132】
Table 7(表7)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの16個の潜在的なシーケンスがある。情報ビットの各シーケンスが、振幅ビットの4ビットのシーケンスにマッピングされる。振幅ビット(MSB)の各シーケンスはさらに、2つの振幅レベルと関連付けられる。したがって、2つの振幅レベルを区別するために、残りのシェーピングされていないビット(LSB)が使用され得る。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 8, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2, 2, 1, 1]/64である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 7(表7))は、0.9453という元来のコーディングレートおよび0.9562という実効コーディングレートを有する。
【0133】
【0134】
Table 8(表8)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの8個の潜在的なシーケンスがある。情報ビットの各シーケンスが、振幅ビットの3ビットのシーケンスにマッピングされる。振幅ビット(MSB)の各シーケンスはさらに、4つの振幅レベルと関連付けられる。したがって、4つの振幅レベルを区別するために、残りの2つのシェーピングされていないビット(LSB)が使用され得る。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 8, 4, 4, 4, 2, 1, 1]/32である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 8(表8))は、0.8958という元来のコーディングレートおよび0.9375という実効コーディングレートを有する。
【0135】
【0136】
Table 9(表9)に示されるように、シェーピングエンコーダ1210へと入力され得る情報ビットの8個の潜在的なシーケンスがある。情報ビットの各シーケンスが、振幅ビットの3ビットのシーケンスにマッピングされる。振幅ビット(MSB)の各シーケンスはさらに、4つの振幅レベルと関連付けられる。したがって、4つの振幅レベルを区別するために、残りの2つのシェーピングされていないビット(LSB)が使用され得る。この例では、振幅ビットの各シーケンスは、PMFと関連付けられる発生の確率を有し、PMF=[8, 4, 4, 4, 4, 4, 2, 2]/32である。上のプレフィックス符号化テーブル(Table 9(表9))は、0.9583という元来のコーディングレートおよび0.9751という実効コーディングレートを有する。Table 1-9(表1-9)のいずれかの中の情報ビットの入力シーケンスを(1を0で置き換え、0を1で置き換えることによって)反転させることができ、対応するテーブルと同一のPMFを伴う新しいプレフィックス符号化テーブルが得られることに留意されたい。
【0137】
情報ビットのシーケンスをプレフィックス符号化テーブルの中のビット値のパターンのうちの1つと照合した後、シェーピングエンコーダ1210は次いで、ビット値のパターンと関連付けられる振幅ビット1212のシーケンスを出力し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ1210によって符号化されるべき次の4つの情報ビットが0110であると仮定する。情報ビットのこのシーケンスに基づいて、シェーピングエンコーダ1210は、ビット値のパターンのセットを含むLUTの中でパターン0110を特定し得る。たとえば、LUTはTable 1(表1)を実装し得る。シェーピングエンコーダ1210は次いで、7という関連する振幅レベルを有するパターン10010を有する振幅ビットの対応するシーケンスにパターン0110にマッピングし、振幅ビットのシーケンスをシステマティックエンコーダ1220に出力し得る。
【0138】
システマティックエンコーダ1220は、
図7Aのシステマティックエンコーダ716の一例であり得る。したがって、システマティックエンコーダ1220は、システマティックエンコーダ1220から出力されるビットがシステマティックエンコーダ1220に入力されるビットと一致するように、振幅ビット1212のシーケンスに対してシステマティック符号化動作を実行し得る。いくつかの実装形態では、システマティックエンコーダ1220はLDPCエンコーダであり、またはそれを含む。したがって、システマティックエンコーダ1220に入力される各コードブロックに対して、システマティックエンコーダ1220は、システマティック部分1232およびパリティ部分1234を含む、結果として生じる符号語1230を生成する。システマティック部分は、振幅ビット1212、ならびに、システマティックエンコーダ1220に入力されるコードブロックとともに含まれ得る任意のLSB、符号ビット、またはシグナリングビット(簡潔のために示されない)を含む。パリティ部分1234は、符号語1230に冗長性を加えるいくつかのパリティビットを含み、符号語1230の復号において使用され得る。
【0139】
いくつかの実装形態では、システマティックエンコーダ1220は、5/6というコーディングレートを有するレガシーLDPCコード(IEEE 802.11規格の既存のバージョンにより記述されるものなど)を使用して、符号語1230を生成し得る。たとえば、システマティックエンコーダ1220は、入力として1620ビットのコードブロックを受信し、長さ1944の符号語を出力し得る。上で説明されたように、ピークスペクトル効率は、5/6のコーディングレートで達成され得る。しかしながら、振幅シェーピング動作は1未満の実効コーディングレートを有するので、システマティックエンコーダ1220(レート5/6のLDPCコードを実装する)によって出力される、得られた符号語1230は、5/6未満の全体のコーディングレートを有する。いくつかの実装形態では、システマティックエンコーダ1220の実効コーディングレートは、パンクチャリングを通じて改善され得る(または向上し得る)。たとえば、符号語1230は、符号語パンクチャラ1240に入力として提供され得る。
【0140】
符号語パンクチャラ1240は、符号語1230の1つまたは複数のビットをパンクチャリングして、入力符号語1230より長さが実質的に短いパンクチャリングされた符号語1250を生成し得る。より具体的には、パンクチャリングされた符号語1250は、QAMシンボルへと送信または符号化されないいくつかのパンクチャリングされたビット1252を含み得る。たとえば
図7Bを参照すると、パンクチャリングされたビット1252は、配列モジュール724に入力される符号語718から除外され得る。たとえば、システマティックエンコーダ1220がレガシーLDPCコードを使用するとき、符号語パンクチャラ1240は、得られた符号語1230の93ビットをパンクチャリングし得る。したがって、全体で1944個の符号語ビットのうち、符号語ビットのうちの1851ビットのみが、QAMシンボルへと送信または符号化され得る。結果として、パンクチャリングされた符号語1250は、1620/1851=0.875(または7/8)に等しい実効コーディングレートを有する。パンクチャリングされたビット1252は、削除箇所として扱われ、それにより、受信デバイスのLDPCデコーダによって訂正または復元され得る。いくつかの実装形態では、パンクチャリングされたビット1252は、情報ビット、パリティビット、またはこれらの任意の組合せを含み得る。
【0141】
上で説明されたように、パンクチャリングされたビット1252の数は、パンクチャリングされたビットの数がQAMシンボルにより搬送されるビットの数の半分の倍数になるような、変調次数の関数であり得る。レガシーのLDPCコードを仮定すると、別の例は1944個の符号語ビットのうちの96ビットをパンクチャリングすることであり、長さ1848のパンクチャリングされた符号語が得られる。パンクチャリングされた符号語の実効コーディングレートは、1620/1848=0.8766(これはレート7/8に近い)である。96ビットをパンクチャリングすることは、パンクチャリングされるビットの数が変調シンボルの中のビットの倍数である(4096QAMでは、各QAMシンボルは12ビットを搬送する)ことが望ましい場合に実施され得る。さらに別の例は、長さ1944のレート5/6の符号語の90ビットをパンクチャリングすることであり、(4096QAMでは)7.5個のQAMパンクチャリングされたシンボルをもたらす。実質的に、2つの符号語ごとに15個のQAMシンボルがパンクチャリングされる。
【0142】
いくつかの他の実装形態では、システマティックエンコーダ1220は、より高いコーディングレートに対して最適化される新しいLDPCコード(「非レガシーLDPCコード」とも本明細書では呼ばれる)を使用して、符号語1230を生成し得る。たとえば、非レガシーLDPCコードは、所与の符号語の長さに対して(レガシーLDPCコードと比較して)より多数のパリティビットを符号化するために最適化され得る。いくつかの実装形態では、非レガシーLDPCコードは、準巡回(QC)パリティチェック行列に基づき得る。そのようなコードは、QC LDPCコードと呼ばれ得る。QC LDPCコードのためのパリティチェック行列は、基本行列および基本行列の要素を拡大するための拡大部分行列により表され得る。パリティチェック行列の各部分行列は、すべてが0の行列、または1以上の巡回重みを有する巡回置換行列(「巡回行列」とも呼ばれる)に対応し得る。1という巡回重みを伴う巡回置換行列では、巡回置換行列の各行および各列は、1つしか0ではない要素を含まないことがある。
【0143】
図13は、LDPCコードのための例示的なパリティチェック行列1300を示す。いくつかの実装形態では、パリティチェック行列1300は、レート7/8のLDPC符号語に対して最適化され得る。たとえば
図12を参照すると、パリティチェック行列1300(またはパリティチェック行列1300に基づく生成行列)が、符号語1230を生成するためにシステマティックエンコーダ1220によって使用され得る。より具体的には、システマティックエンコーダ1220は、入力コードブロックのある数(M個)の情報ビットに対するいくつかのパリティビットを生成するために、パリティチェック行列1300を使用し得る。符号語1230を表すある数(L個)の符号語ビットを生成するために、パリティビットがシステマティックビットに追加される。LDPCデコーダは、同じパリティチェック行列1300を使用して、受信された符号語の個々のビットを妥当性検証して修正し得る。より具体的には、LDPCデコーダは、次の条件、すなわち、H
c
T=0(Hはパリティチェック行列1300を表し、cは符号語を表すベクトルである)が満たされる場合、受信された符号語が有効な符号語であると決定し得る。
【0144】
いくつかの実装形態では、パリティチェック行列1300は、QC LDPCコードの基本行列に対応し得る。
図13に示されるように、基本行列は、5個の行(下付き文字「R」とともに表記される)および26個の列(下付き文字「C」とともに表記される)を含む。パリティチェック行列1300の各行および各列の交点は、次元ZxZの部分行列にある。たとえば、パリティチェック行列500の中の各々の「-1」のエントリは、すべてが0の部分行列に拡大されてもよく、パリティチェック行列500の中の各「P」は、1以上の巡回重みを有する巡回置換行列に拡大されてもよい。
図13に示されるように、すべてが0の部分行列は、パリティチェック行列1300の、行1と列1、2、9、10、16、21、23、24、および26の各々の交点、行2と列8、12、14、18、20、24、25、および26の各々の交点、行3と列3、6、13、17、19、22、および26の各々の交点、行4と列4、5、7、11、15、22、23、および26の各々の交点、ならびに行5と列1~20および22~24の各々の交点にある。
【0145】
いくつかの実装形態では、パリティチェック行列1300の各巡回置換行列Pは、1に等しい巡回重みを有し得る。言い換えると、巡回置換行列Pの各行および各列は、0ではない値(1に等しい)を1つしか含まない。
図14Aは、1に等しい巡回重みおよびサイズ0の回転を有する例示的な3x3の巡回置換行列1400を示す。巡回置換行列1400は3x3の識別行列であることに留意されたい。
図14Bは、1に等しい巡回重みおよびサイズ1の回転を有する例示的な3x3の巡回置換行列1410を示す。たとえば
図14Aを参照すると、巡回置換行列1410は、巡回置換行列1400の各列を1列だけ右にシフトまたは「回転」することによって生成され得る。
図14Cは、1に等しい巡回重みおよびサイズ2の回転を有する例示的な3x3の巡回置換行列1420を示す。たとえば
図14Aを参照すると、巡回置換行列1420は、巡回置換行列1400の各列を2列だけ右にシフトまたは回転することによって生成され得る。
【0146】
いくつかの実装形態では、パリティチェック行列1300の中の各エントリは、次元81x81の部分行列(Z=81)に対応し得る。システマティックエンコーダ1220は、パリティチェック行列1300(またはパリティチェック行列1300に基づく生成行列)を使用して、1701個の情報ビットを長さ1944のLDPC符号語へと符号化し、たとえば7/8のコードレートを達成し得る。しかしながら、符号化プロセスは、1701個の情報ビットごとに405個のパリティビットを生成し、全体で2106個の符号語ビットをもたらす。したがって、符号語パンクチャラ1240は、得られたパンクチャリングされた符号語が1944という実効的な長さを有するように、2106ビットの符号語の162個の符号語ビットをパンクチャリングし得る。いくつかの実装形態では、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、162個の情報ビットからなり得る。いくつかの他の実装形態では、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、81個のパリティビットおよび81個の情報ビットを含み得る。またさらに、いくつかの実装形態では、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、任意の数の情報ビット、パリティビット、またはこれらの組合せを含み得る。1つまたは複数の情報ビットが2106ビット長の符号語からパンクチャリングされる場合、得られるパンクチャリングされたコードは「準システマティック」と呼ばれることがあり、このとき、システマティックビットの数は情報ビットの数より少ない。
【0147】
上で説明されたように、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、送信されず、またはQAMシンボルへと符号化されない。したがって、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、QAMシンボルの振幅レベルに影響を与えず、したがって振幅シェーピングのために使用することができない。いくつかの実装形態では、シェーピングエンコーダ1210の動作または構成は、パンクチャリングされた符号語ビット1252の数およびタイプに少なくとも一部依存し得る。たとえば、シェーピングエンコーダ1220が、非レガシーLDPCコードを使用して、1701個の情報ビットごとに405個のパリティビットを生成し(
図13に関して説明されたものなど)、符号語パンクチャラ1240が情報ビットのうちの162ビットをパンクチャリングするとき、システマティックエンコーダ1220に入力される1701ビットのうちの最大で1539ビット(「システマティックビット」と本明細書で呼ばれる)は、振幅シェーピングのために使用され得る。言い換えると、プリシェーピングパーサ(
図7Aのプリシェーピングパーサ704など)は、ビット1204のサブセットとして、システマティックエンコーダ1220に直接提供されるべき、情報ブロック1202からの少なくとも162ビットをパースし得る。
【0148】
シェーピングエンコーダ1210が各振幅レベル(Table 1-4(表1-4)に示されるものなど)を表すために5つの振幅ビットのシーケンスを使用する実装形態では、1539個のシステマティックビットのうちの1535個が、シェーピングエンコーダ1210によってシェーピングされまたは出力され得る。残りの4つのシステマティックビットは、振幅シェーピングには不十分であり、したがって符号ビットとして使用され得る。4つのシェーピングされていないシステマティックビットは、162個のパンクチャリングされたビットと組み合わせられて、全体で166個のシェーピングされていない情報ビットを生む。一方、1535個のシェーピングされたビットは、1535/5=307個のシェーピングされたPAM振幅をもたらす。長さ1944の符号語は324個のPAM振幅を含むので、PAM振幅のうちの17個はシェーピングされない。システマティックエンコーダ1210が0.95という実効コーディングレートを有すると仮定すると、システムの全体の実効コーディングレートは (1535*0.95+166)/1944=0.8355であり、これは5/6のコーディングレートよりわずかに大きい。
【0149】
本開示の態様は、シェーピングのために必要とされる振幅ビットの数を減らすことによって、PAM振幅のうちのさらに多くがシェーピングされ得ることを認める。たとえば、シェーピングエンコーダ1210が各振幅レベル(Table 5-7(表5-7)に示されるものなど)を表すために4つの振幅ビットのシーケンスを使用する実装形態では、すべての324個のPAM振幅をシェーピングするために、1539個のシステマティックビットのうちの1296個しか必要とされない(324個のPAM振幅*4個のMSB/シェーピングされた振幅=1296)。これは、243個のシステマティックビットをシェーピングされないままにする。243個のシェーピングされていないシステマティックビットは、162個のパンクチャリングされたビットと組み合わせられて、全体で409個のシェーピングされていない情報ビットを生む。システマティックエンコーダ1210が0.95という実効コーディングレートを有すると仮定すると、システムの全体の実効コーディングレートは、(1296*0.95+409)/1944=0.8437である。
【0150】
上で説明されたように、パンクチャリングされた符号語ビット1252は、削除部分として扱われるので、システマティックエンコーダ1220と同じLDPCコードを使用する従来のLDPC復号プロセスを通じて復元または訂正され得る。したがって、
図11Aおよび
図11Bに関して上で説明されたフロー1100は、パンクチャリングされた符号語1250を復号するために使用され得る。具体的には、システマティックデコーダ1116は、システマティックエンコーダ1220によって使用されるのと同じLDPCコードを使用して、受信された符号語1114を復号し得る。さらに、シェーピングデコーダ1126は、シェーピングエンコーダ1210によって使用されるのと同じプレフィックス符号化テーブルを使用して、振幅シェーピングされたビット1118を復号(またはシェーピング解除)し得る。
【0151】
図15は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1500を示すフローチャートを示す。いくつかの実装形態では、プロセス1500は、それぞれ
図1および
図5Bを参照して上で説明されたSTA104または504のうちの1つなどの、ネットワークノードとして動作する、またはネットワークノード内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの他の実装形態では、プロセス1500は、それぞれ
図1および
図5Aを参照して上で説明されるAP102または502のうちの1つなどの、APとして動作する、またはAP内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0152】
いくつかの実装形態では、プロセス1500は、複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行することで、ブロック1502において開始する。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有する。いくつかの実装形態では、第1の符号化動作は、複数のシェーピングされていない情報ビットに対して実行されず、各コードブロックのMビットはさらに複数のシェーピングされていない情報ビットのうちの1つまたは複数を含む。
【0153】
いくつかの実装形態では、第1の符号化動作の実行は、LUTから、情報ビットのサブセットと一致するビット値のパターンを選択するステップを含み、LUTは、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するビット値の複数のパターンを記憶し、複数の振幅シェーピングされたビットは、ビット値の選択されたパターンに対応する振幅シェーピングされたビットのパターンを含む。いくつかの態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有するそれぞれの振幅レベルを表し得る。いくつかの他の態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する2つ以上の振幅レベルを表し得る。
【0154】
ブロック1504において、プロセス1500は、複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べることに進み、各コードブロックは複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する。ブロック1506において、プロセス1500は、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行することに進み、各符号語は、それぞれのコードブロックの1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび第2の符号化動作から生じる1つまたは複数のパリティビットを含む、ある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である。いくつかの実装形態では、M/L=7/8である。いくつかの実装形態では、第2の復号動作はLDPCコードに基づく。いくつかの態様では、LDPCコードは、7/8に等しいコーディングレートを有し得る。いくつかの他の態様では、LDPCコードは、5/6に等しいコーディングレートを有し得る。
【0155】
いくつかの実装形態では、第2の符号化動作の実行は、LDPCコードに基づくそれぞれの数(N個)の符号語ビットとして各コードブロックのMビットを符号化することと、L=N-Kとなるように各コードブロックと関連付けられるある数(K個)の符号語ビットをパンクチャリングすることとを含む。いくつかの態様では、M=1620、N=1944、およびK≧90である。いくつかの他の態様では、M=1701、N=2106、およびK=162である。いくつかの実装形態では、パンクチャリングは複数の振幅シェーピングされたビットに対して実行されない。
【0156】
ブロック1508において、プロセス1500は、複数の符号語の各々の1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べることに進み、各シンボルは、シンボルにおいて並べられるそれぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、複数のシンボルの振幅が不均一な分布を有するように、第1の符号化動作は複数の振幅シェーピングされたビットを生成する。ブロック1510において、プロセス1500は、複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信することに進む。
【0157】
図16は、いくつかの実装形態による、振幅シェーピングをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1600を示すフローチャートを示す。いくつかの実装形態では、プロセス1600は、それぞれ
図1および
図5Bを参照して上で説明されたSTA104または504のうちの1つなどの、ネットワークノードとして動作する、またはネットワークノード内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの他の実装形態では、プロセス1600は、それぞれ
図1および
図5Aを参照して上で説明されるAP102または502のうちの1つなどの、APとして動作する、またはAP内のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0158】
いくつかの実装形態では、プロセス1600は、複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信することでブロック1602において開始し、複数のシンボルは複数の符号語ビットを表し、複数の振幅は不均一な分布を有する。ブロック1604において、プロセス1600は、複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べることに進み、各コードブロックはある数(L個)の符号語ビットを含む。ブロック1606において、プロセス1600は、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対して第1の復号動作を実行することに進み、各符号語は、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットは、複数のシンボルのそれぞれのシンボルの振幅を示す。いくつかの実装形態では、M/L=7/8である。いくつかの実装形態では、第1の復号動作はLDPCコードに基づく。いくつかの態様では、LDPCコードは、7/8に等しいコーディングレートを有する。いくつかの他の態様では、LDPCコードは、5/6に等しいコーディングレートを有する。
【0159】
ブロック1608において、プロセス1600は、複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行することに続く。いくつかの実装形態では、第2の復号動作は、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を逆にする。いくつかの実装形態では、第2の復号動作の実行は、LUTから、複数の符号語のそれぞれの符号語の複数の振幅シェーピングされたビットと一致するシェーピング解除されたビットのパターンを選択することを含み、LUTは、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するシェーピング解除されたビットの複数のパターンを記憶し、複数のシェーピング解除されたビットはシェーピング解除されたビットの選択されたパターンを含む。いくつかの態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する複数の振幅のそれぞれの振幅を表し得る。いくつかの他の態様では、振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々は、PMFに基づく発生の確率を有する複数の振幅のうちの2つ以上の振幅を表す。
【0160】
図17は、いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイス1700のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1700は、
図15を参照して上で説明されたプロセス1500を実行するように構成される。ワイヤレス通信デバイス1700は、
図4を参照して上で説明されるワイヤレス通信デバイス400の例示的な実装形態であり得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイス1700は、チップ、SoC、チップセット、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのモデム(たとえば、Wi-Fi(IEEE 802.11)モデムまたはセルラーモデム)を含むパッケージまたはデバイスであり得る。
【0161】
ワイヤレス通信デバイス1700は、受信コンポーネント1710、通信マネージャ1720、および送信コンポーネント1730を含む。通信マネージャ1720はさらに、パルス振幅符号化コンポーネント1722、コードブロック構成コンポーネント1724、システマティック符号化コンポーネント1726、およびシンボル構成コンポーネント1728を含む。コンポーネント1722~1728のうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアまたはファームウェアで少なくとも一部実装され得る。いくつかの実装形態では、コンポーネント1722~1728のうちの少なくともいくつかは、メモリに記憶されているソフトウェア(メモリ408など)として少なくとも一部実装される。たとえば、コンポーネント1722~1728のうちの1つまたは複数の一部は、それぞれのコンポーネントの機能または動作を実行するようにプロセッサ(プロセッサ406など)によって実行可能である非一時的命令(または「コード」)として実装され得る。
【0162】
受信コンポーネント1710は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスから、ワイヤレスチャネルを介してRX信号を受信するように構成される。通信マネージャ1720は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスとの通信を制御または管理するように構成される。いくつかの実装形態では、パルス振幅符号化コンポーネント1722は、複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行してもよく、コードブロック構成コンポーネント1724は、複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べてもよく、各コードブロックは複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有し、システマティック符号化コンポーネント1726は、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行してもよく、各符号語は、それぞれのコードブロックの1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび第2の符号化動作に起因する1つまたは複数のパリティビットを含むある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6であり、シンボル構成コンポーネント1728は、複数の符号語の各々の1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べてもよく、各シンボルは、シンボルにおいて並べられたそれぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、複数のシンボルの振幅が不均一な分布を有するように、第1の符号化動作が複数の振幅シェーピングされたビットを生成する。送信コンポーネント1730は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスにTX信号を送信するように構成される。いくつかの実装形態では、TX信号は、複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを含み得る。
【0163】
図18は、いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイス1800のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1800は、
図16を参照して上で説明されたプロセス1600を実行するように構成される。ワイヤレス通信デバイス1800は、
図4を参照して上で説明されるワイヤレス通信デバイス400の例示的な実装形態であり得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイス1800は、チップ、SoC、チップセット、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのモデム(たとえば、Wi-Fi(IEEE 802.11)モデムまたはセルラーモデム)を含むパッケージまたはデバイスであり得る。
【0164】
ワイヤレス通信デバイス1800は、受信コンポーネント1810、通信マネージャ1820、および送信コンポーネント1830を含む。通信マネージャ1820はさらに、コードブロック構成コンポーネント1822、システマティック復号コンポーネント1824、およびパルス振幅復号コンポーネント1826を含む。コンポーネント1822~1826のうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアまたはファームウェアで少なくとも一部実装され得る。いくつかの実装形態では、コンポーネント1822~1826のうちの少なくともいくつかは、メモリに記憶されているソフトウェア(メモリ408など)として少なくとも一部実装される。たとえば、コンポーネント1822~1826のうちの1つまたは複数の一部は、それぞれのコンポーネントの機能または動作を実行するようにプロセッサ(プロセッサ406など)によって実行可能である非一時的命令(または「コード」)として実装され得る。
【0165】
受信コンポーネント1810は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスから、ワイヤレスチャネルを介してRX信号を受信するように構成される。いくつかの実装形態では、RX信号は、複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを含んでもよく、複数のシンボルは複数の符号語ビットを表し、複数の振幅は不均一な分布を有する。通信マネージャ1820は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスとの通信を制御または管理するように構成される。いくつかの実装形態では、コードブロック構成コンポーネント1822は、複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べてもよく、各コードブロックはある数(L個)の符号語ビットを含み、システマティック復号コンポーネント1824は、複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行してもよく、各符号語は、複数の振幅シェーピングされるビットおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、パルス振幅復号コンポーネント1826は、複数の符号語の各々のための複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行してもよい。送信コンポーネント1830は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスにTX信号を送信するように構成される。
【0166】
以下の番号付きの条項において、実装形態の例が説明される。
1. ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行するステップと、
複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックが複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する、ステップと、
複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行するステップであって、各符号語が、それぞれのコードブロックの1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび第2の符号化動作から生じる1つまたは複数のパリティビットを含む、ある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である、ステップと、
複数の符号語の各々の1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび1つまたは複数のパリティビットを複数のシンボルへと並べるステップであって、各シンボルが、シンボルにおいて並べられるそれぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、複数のシンボルの振幅が不均一な分布を有するように、第1の符号化動作が複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、ステップと、
複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信するステップとを含む、方法。
2. M/L=7/8である、条項1の方法。
3. 第1の符号化動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有する、条項1または2のいずれかの方法。
4. 第1の符号化動作を実行するステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、情報ビットのサブセットと一致するビット値のパターンを選択するステップを含み、LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するビット値の複数のパターンを記憶し、複数の振幅シェーピングされたビットが、ビット値の選択されたパターンに対応する振幅シェーピングされたビットのパターンを含む、条項1から3のいずれかの方法。
5. 振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々が、確率質量関数(PMF)に基づく発生の確率を有するそれぞれの振幅レベルを表す、条項1から4のいずれかの方法。
6. 振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々が、PMFに基づく発生の確率を有する2つ以上の振幅レベルを表す、条項1から4のいずれかの方法。
7. 第1の符号化動作が、複数のシェーピングされていない情報ビットに対して実行されず、各コードブロックのMビットがさらに、複数のシェーピングされていない情報ビットのうちの1つまたは複数を含む、条項1から6のいずれかの方法。
8. 第2の符号化動作が、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく、条項1から7のいずれかの方法。
9. LDPCコードが7/8に等しいコーディングレートを有する、条項1から8のいずれかの方法。
10. LDPCコードが5/6に等しいコーディングレートを有する、条項1から8のいずれかの方法。
11. 第2の符号化動作を実行するステップが、
LDPCコードに基づくそれぞれの数(N個)の符号語ビットとして各コードブロックのMビットを符号化するステップと、
L=N-Kとなるように各コードブロックと関連付けられるある数(K個)の符号語ビットをパンクチャリングするステップとを備える、条項1から8または10のいずれかの方法。
12. パンクチャリングが、複数の振幅シェーピングされたビットに対して実行されない、条項1から8、10、または11のいずれかの方法。
13. M=1620、N=1944、およびK≧90である、条項1から8または10から12のいずれかの方法。
14. M=1701、N=2106、およびK=162である、条項1から8または10から12のいずれかの方法。
15. ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードは、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、条項1から14のうちのいずれか1つまたは複数の方法を実行するように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
16. ワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
複数の振幅を有する複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを受信するステップであって、複数のシンボルが複数の符号語ビットを表し、複数の振幅が不均一な分布を有する、ステップと、
複数の符号語ビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックがある数(L個)の符号語ビットを含む、ステップと、
複数のそれぞれの符号語を生成する、複数のコードブロックに対する第1の復号動作を実行するステップであって、各符号語が、複数の振幅シェーピングされたビットおよび複数のパリティビットを含むある数(M個)のビットを有し、M/L>5/6であり、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットが、複数のシンボルのそれぞれのシンボルの振幅を示す、ステップと、
複数の符号語の各々に対する複数のそれぞれのシェーピング解除されたビットを生成する、各符号語の複数の振幅シェーピングされたビットに対する第2の復号動作を実行するステップとを含む、方法。
17. M/L=7/8である、条項16の方法。
18. 第1の復号動作が、低密度パリティチェック(LDPC)コードに基づく、条項16または17のいずれかの方法。
19. LDPCコードが7/8に等しいコーディングレートを有する、条項16から18のいずれかの方法。
20. LDPCコードが5/6に等しいコーディングレートを有する、条項16から18のいずれかの方法。
21. 第2の復号動作が、0.5以上であり1未満である実効コーディングレートを有するプレフィックス符号化動作を逆にする、条項16から20のいずれかの方法。
22. 第2の復号動作を実行するステップが、
ルックアップテーブル(LUT)から、複数の符号語のそれぞれの符号語の複数の振幅シェーピングされたビットと一致するシェーピング解除されたビットのパターンを選択するステップを含み、LUTが、振幅シェーピングされたビットのそれぞれの複数のパターンに対応するシェーピング解除されたビットの複数のパターンを記憶し、複数のシェーピング解除されたビットがシェーピング解除されたビットの選択されたパターンを含む、条項16から21のいずれかの方法。
23. 振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々が、確率質量関数(PMF)に基づく発生の確率を有する複数の振幅のそれぞれの振幅を表す、条項16から22のいずれかの方法。
24. 振幅シェーピングされたビットの複数のパターンの各々が、PMFに基づく発生の確率を有する複数の振幅のうちの2つ以上の振幅を表す、条項16から22のいずれかの方法。
25. ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードは、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、条項16から24のうちのいずれか1つまたは複数の方法を実行するように構成される、ワイヤレス通信デバイス。
【0167】
本明細書で使用される場合、項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。たとえば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbの組合せ、aとcの組合せ、bとcの組合せ、ならびにa、bおよびcの組合せという可能性を包含することが意図される。
【0168】
本明細書において開示される実装形態に関連して説明される、様々な説明のためのコンポーネント、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、およびアルゴリズムプロセスは、本明細書において開示される構造およびそれらの構造的な均等物を含む、電子的なハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェアの組合せとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性は、全般に機能の観点で説明されており、上で説明された様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスにおいて示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれとして実装されるかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0169】
本開示において説明された実装形態の様々な修正が当業者には容易に明らかになることがあり、本明細書において定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書において示されている実装形態に限定されるものではなく、本開示、本明細書において開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0170】
加えて、別個の実装形態の文脈で本明細書において説明される様々な特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実装形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実装形態において別々に、または任意の適切な部分組合せにおいて実装され得る。したがって、特徴は、特定の組合せで働くものとして上で説明され、そのようなものとして最初に特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除されることがあり、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形を対象とすることがある。
【0171】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序でもしくは順次に実行されること、またはすべての図示された動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフローチャートまたは流れ図の形で概略的に示し得る。しかしながら、示されていない他の動作が、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、示された動作のいずれかの前に、後に、それと同時に、またはそれらの間に、1つまたは複数の追加の動作が実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上で説明された実装形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において一緒に統合され得るか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0172】
102 アクセスポイント
104 局
106 カバレッジエリア
108 通信リンク
202 プリアンブル
204 PHYペイロード
206 L-STF
208 L-LTF
210 L-SIG
212 非レガシーフィールド
214 データフィールド
222 データレートフィールド
224 予備ビット
226 長さフィールド
228 パリティビット
230 テイルフィールド
352 レガシー部分
354 非レガシー部分
356 PHYペイロード
358 L-STF
360 L-LTF
362 L-SIG
364 RL-SIG
366 HE-SIG-A
368 HE-SIG-B
370 HE-STF
372 HE-LTF
374 DATAフィールド
400 ワイヤレス通信デバイス
402 モデム
404 無線
406 プロセッサ
408 メモリ
502 AP
504 STA
510 WCD
515 WCD
520 アンテナ
525 アンテナ
530 アプリケーションプロセッサ
535 アプリケーションプロセッサ
540 メモリ
545 メモリ
550 外部ネットワークインターフェース
555 ユーザインターフェース
565 ディスプレイ
575 センサ
702 情報ブロック
704 プリシェーピングパーサ
706 振幅ビット
710 シェーピングエンコーダ
712 振幅シェーピングされたビット
714 シグナリングビット
716 システマティックエンコーダ
718 符号語
720 コーディングされたデータビット
722 パリティビット
724 配列モジュール
726 シンボル
728 コンステレーションマッパ
730 複素数表現
732 変調器
734 復調されたシンボル
802 ビン
804 ビン
806 ビン
808 ビン
900 LUT
1102 ワイヤレスパケット
1104 復調器
1106 複素数表現
1108 コンステレーション逆マッパ
1110 復調されたシンボル
1112 再配列モジュール
1114 符号語
1116 システマティックデコーダ
1118 振幅シェーピングされたビット
1120 LSB
1122 符号ビット
1124 シグナリングビット
1126 シェーピングデコーダ
1128 シェーピング解除された振幅ビット
1130 シェーピング解除後デパーサ
1132 情報ブロック
1202 情報ブロック
1204 ビット
1210 シェーピングエンコーダ
1212 振幅シェーピングされたビット
1220 システマティックエンコーダ
1230 符号語
1232 システマティック部分
1234 パリティ部分
1240 符号語パンクチャラ
1250 符号語
1252 パンクチャリングされたビット
1700 ワイヤレス通信デバイス
1710 受信コンポーネント
1720 通信マネージャ
1722 パルス振幅符号化コンポーネント
1724 コードブロック構成コンポーネント
1726 システマティック符号化コンポーネント
1728 シンボル構成コンポーネント
1730 送信コンポーネント
1800 ワイヤレス通信デバイス
1810 受信コンポーネント
1820 通信コンポーネント
1822 コードブロック構成コンポーネント
1824 システマティック復号コンポーネント
1826 パルス振幅復号コンポーネント
1830 送信コンポーネント
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスにおけるワイヤレス通信のための方法であって、
複数の振幅シェーピングされたビットを生成する、複数の情報ビットに対する第1の符号化動作を実行するステップと、
前記複数の振幅シェーピングされたビットを複数のコードブロックへと並べるステップであって、各コードブロックが前記複数の振幅シェーピングされたビットのうちの1つまたは複数を含むある数(M個)のビットを有する、ステップと、
複数のそれぞれの符号語を生成する、前記複数のコードブロックに対する第2の符号化動作を実行するステップであって、各符号語が、前記それぞれのコードブロックの前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記第2の符号化動作から生じる1つまたは複数のパリティビットを含む、ある数(L個)のビットを有し、M/L>5/6である、ステップと、
前記複数の符号語の各々の前記1つまたは複数の振幅シェーピングされたビットおよび前記1つまたは複数のパリティビットを所定の変調方式に基づく変調処理により複数のシンボルへと並べるステップであって、各シンボルが、前記シンボルにおいて並べられる前記それぞれの振幅シェーピングされたビットに基づく振幅を有し、前記複数のシンボルの前記振幅が不均一な分布を有するように、前記第1の符号化動作が前記複数の振幅シェーピングされたビットを生成し、前記所定の変調方式は直交振幅変調を含む、ステップと、
前記複数のシンボルを含むワイヤレスパケットを少なくとも1つの受信デバイスに送信するステップとを備える、方法。
【外国語明細書】