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特開2024-30288車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーター
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  • 特開-車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030288
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーター
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20240229BHJP
   B66B 17/20 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B66B5/02 G
B66B17/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133062
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】中野 秀幸
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304EA00
3F304EA36
3F304EB00
(57)【要約】
【課題】かごの内壁への車両の衝突を抑制することができる車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーターを得る。
【解決手段】車両用エレベーターの車輪止め装置7には、かご2の床面201に敷かれているスマート布地71と、かご2に設けられている車輪止め部材74と、車輪止め部材74を移動させる駆動力を発生する駆動装置73と、駆動装置73を制御する制御部5とが含まれている。車輪止め部材74は、スマート布地71に載った車両の車輪を止める使用位置と、使用位置から外れた待避位置との間でかご2に対して移動可能になっている。スマート布地71は、スマート布地71に載った車両の位置に応じた検出信号を発生する。制御部5は、スマート布地71からの信号に基づいて、駆動装置73を制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を昇降するかごの床面に敷かれており、導電性を有する繊維が織り込まれたスマート布地と、
前記かごに設けられている車輪止め部材と、
前記車輪止め部材を移動させる駆動力を発生する駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御部と
を備え、
前記車輪止め部材は、前記スマート布地に載った車両の車輪を止める使用位置と、前記使用位置から外れた待避位置との間で前記かごに対して移動可能になっており、
前記スマート布地は、当該スマート布地に載った前記車両の位置に応じた検出信号を発生するようになっており、
前記制御部は、前記スマート布地からの前記検出信号に基づいて、前記駆動装置を制御する車両用エレベーターの車輪止め装置。
【請求項2】
前記床面には、前記車輪止め部材が通過可能な開口部が設けられており、
前記車輪止め部材は、前記待避位置にあるとき、前記床面から上方へ突出せずに前記開口部の少なくとも一部を塞いでいる請求項1に記載の車両用エレベーターの車輪止め装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車輪止め部材を前記使用位置へ移動させる制御を前記駆動装置に対して行う場合、前記スマート布地からの前記検出信号に基づいて、前記使用位置を決定する請求項1又は請求項2に記載の車両用エレベーターの車輪止め装置。
【請求項4】
前記かごと、
前記かごに設けられた請求項1又は請求項2に記載の車輪止め装置と
を備えている車両用エレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かご室の床に2つの車止めが固定されている自動車用エレベーターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-186175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来技術では、車両がかご室に進入するときに車両が車止めを乗り越える勢いで車両がかご室の壁にぶつかることがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、かごの内壁への車両の衝突を抑制することができる車両用エレベーターの車輪止め装置及び車両用エレベーターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両用エレベーターの車輪止め装置は、昇降路内を昇降するかごの床面に敷かれており、導電性を有する繊維が織り込まれたスマート布地と、かごに設けられている車輪止め部材と、車輪止め部材を移動させる駆動力を発生する駆動装置と、駆動装置を制御する制御部とを備え、車輪止め部材は、スマート布地に載った車両の車輪を止める使用位置と、使用位置から外れた待避位置との間でかごに対して移動可能になっており、スマート布地は、当該スマート布地に載った車両の位置に応じた検出信号を発生するようになっており、制御部は、スマート布地からの検出信号に基づいて、駆動装置を制御する。
【0007】
本開示に係る車両用エレベーターは、かごと、かごに設けられた車輪止め装置とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、かごの内壁への車両の衝突を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における車両用エレベーターを示す概略の構成図である。
図2図1のかごに設けられている車輪止め装置を示す図である。
図3図2のC-C矢視図である。
図4図2のD-D矢視図である。
図5図2のスマート布地による車輪検知機能を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における車両用エレベーターを示す概略の構成図である。建物には、昇降路1が設けられている。昇降路1内には、かご2及び釣合おもり3が設けられている。
【0011】
昇降路1の上には、機械室1aが設けられている。機械室1aには、巻上機4と、制御部としての制御装置5とが設けられている。巻上機4は、かご2及び釣合おもり3を移動させる駆動力を発生する。巻上機4の駆動綱車には、主ロープ6が巻き掛けられている。
【0012】
主ロープ6の一端部には、かご2が接続されている。主ロープ6の他端部には、釣合おもり3が接続されている。これにより、かご2及び釣合おもり3は、昇降路1内に吊り下げられている。
【0013】
巻上機4の駆動綱車の回転は、制御装置5から巻上機4への制御指令によって制御される。かご2及び釣合おもり3は、巻上機4の駆動綱車の回転によって昇降路1内を昇降する。即ち、かご2及び釣合おもり3の昇降は、制御装置5によって制御される。
【0014】
昇降路1の内壁には、中継箱10が固定されている。中継箱10内には、図示しない中継端子が収容されている。中継端子は、固定側制御ケーブル11を介して制御装置5に電気的に接続されている。また、中継端子は、可動側制御ケーブル12を介してかご2に電気的に接続されている。制御装置5は、固定側制御ケーブル11、中継端子、及び可動側制御ケーブル12を介してかご2に電気的に接続されている。
【0015】
各階の乗場14には、乗場出入口14aが設けられている。また、各階の乗場14には、乗場出入口14aを開閉する乗場ドア15が設けられている。
【0016】
かご2は、図示しないかご枠と、かご室22aと、かごドア22bとを有している。かご室22aは、かご枠に支持されている。かご室22aには、かご出入口22cが設けられている。かごドア22bは、かご出入口22cを開閉する。
【0017】
かご2が停止している階では、かごドア22bが開閉動作すると、乗場ドア15がかごドア22bに連動して開閉動作する。
【0018】
図2は、図1のかご2に設けられている車輪止め装置7を示す図である。車輪止め装置7は、スマート布地71a、スマート布地71b、車輪止め部材74a、車輪止め部材74b、駆動装置73a、駆動装置73b、及び制御装置5を備えている。
【0019】
なお、車輪止め部材74a、及び、車輪止め部材74bを総称する場合、車輪止め部材74と称する。また、駆動装置73a、及び、駆動装置73bを総称する場合、駆動装置73と称する。
【0020】
かご室22aの床面201には、溝211a、溝211b、及び、溝211cが設けられている。
【0021】
溝211aは、かご室22aの奥行方向におけるかご室22aの中央よりも、図1のかご出入口22cに近い位置に、かご室22aの幅方向に平行に設けられている。かご室22aの奥行方向は、かご室22aを真上から見て、かご出入口22cに直交する方向であり、図2の上下方向である。かご室22aの幅方向は、かご室22aを真上から見て、奥行方向に直交する方向であり、図2の左右方向である。
【0022】
溝211aには、床面201と面一に開口部212aが設けられている。開口部212aの形状は、車輪止め部材74aが通過可能な形状に形成されている。
【0023】
溝211bは、かご室22aの奥行方向におけるかご室22aの中央よりもかご出入口22cから遠い位置に、かご室22aの幅方向に平行に設けられている。溝211bには、床面201と面一に開口部212bが設けられている。開口部212bの形状は、車輪止め部材74bが通過可能な形状に形成されている。
【0024】
なお、開口部212a、及び、開口部212bを総称する場合、開口部212と称する。
【0025】
溝211cは、かご室22aの奥行方向に沿って、溝211aの中央部と、溝211bの中央部とをつないでいる。
【0026】
つまり、真上から床面201を見たとき、溝211a、溝211b、及び、溝211cは、H字形に配置されている。
【0027】
かご2の床面201には、スマート布地71a、及び、スマート布地71bが敷かれている。
【0028】
スマート布地71aは、図示しない車両のかご室22aへの進入方向Kに対して、溝211cの左手側に敷かれている。
【0029】
スマート布地71bは、車両のかご室22aへの進入方向Kに対して、溝211cの右手側に敷かれている。
【0030】
スマート布地71a、及び、スマート布地71bを総称する場合、スマート布地71と称する。
【0031】
スマート布地71に車両が載ると、スマート布地71は、車両の位置に応じた信号を発生する。この信号は、制御装置5に送信される。
【0032】
スマート布地71の詳細については、図5を用いて後述する。
【0033】
溝211aの中央部から溝211cの中央部に向かって、ロッド75aが設けられている。ロッド75aには、一定ピッチでネジ切り加工が施されている。
【0034】
溝211bの中央部から溝211cの中央部に向かって、ロッド75bが設けられている。ロッド75bには、一定ピッチでネジ切り加工が施されている。
【0035】
駆動装置73aは、ロッド75aに支持されている。ロッド75aは、駆動装置73aを貫通している。駆動装置73aは、ロッド75aに沿って移動可能に構成されている。
【0036】
駆動装置73bは、ロッド75bに支持されている。ロッド75bは、駆動装置73bを貫通している。駆動装置73bは、ロッド75bに沿って移動可能に構成されている。
【0037】
駆動装置73a上には、車輪止め部材74aが床面201に対して上下方向に移動可能に設けられている。駆動装置73aは、車輪止め部材74aを移動させる駆動力を発生する。
【0038】
駆動装置73b上には、車輪止め部材74bが床面201に対して上下方向に移動可能に設けられている。駆動装置73bは、車輪止め部材74bを移動させる駆動力を発生する。
【0039】
図3は、図2のC-C矢視図である。
【0040】
駆動装置73bの上部には、回転駆動部77bが設けられている。回転駆動部77bは、図示しない小型モーターを有している。回転駆動部77bには、平歯車78bが取り付けられている。
【0041】
車輪止め部材74bの中央部の下面側には、小ロッド76bが設けられている。小ロッド76bには、一定ピッチでネジ切り加工が施されている。小ロッド76bは、平歯車78bとかみ合っている。よって、回転駆動部77bからの回転駆動力が平歯車78bに伝達され、平歯車78bの回転駆動力が小ロッド76bに伝達可能となっている。従って、車輪止め部材74bは、平歯車78bの回転によって、図2の床面201に対して上下方向に移動可能に構成されている。
【0042】
駆動装置73bの下部には、回転駆動部79bが設けられている。回転駆動部79bは、図示しない小型モーターを有している。回転駆動部79bには、平歯車80bが取り付けられている。これらの詳細については、図4を用いて後述する。
【0043】
ここで、車輪止め部材74bの使用位置は、車輪止め部材74bが床面201よりも上に突出した位置であって、スマート布地71に載った車両の車輪を止める位置に設定されている。車輪止め部材74aの使用位置も、車輪止め部材74bの使用位置と同様に設定されている。
【0044】
一方、車輪止め部材74bの待避位置は、使用位置から外れた位置であって、車輪止め部材74bが車両の車輪に干渉しない位置に設定されている。
【0045】
つまり、車輪止め部材74bの待避位置は、車両がかご2に進入する経路から下方へ外れた位置に設定されている。従って、車輪止め部材74bは、待避位置にあるとき、床面201から上方へ突出せずに開口部212bの少なくとも一部を塞いでいる。車輪止め部材74aの待避位置も、車輪止め部材74bの待避位置と同様に設定されている。
【0046】
このように、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれは、図1のかご室22aに対して移動可能になっている。
【0047】
図4は、図2のD-D矢視図である。
【0048】
車輪止め部材74aの中央部の下面側には、小ロッド76aが設けられている。小ロッド76aには、一定ピッチでネジ切り加工が施されている。小ロッド76aは、平歯車78aとかみ合っている。よって、回転駆動部77aからの回転駆動力が平歯車78aに伝達され、平歯車78aの回転駆動力が小ロッド76aに伝達可能となっている。従って、車輪止め部材74aは、平歯車78aの回転によって、図2の床面201に対して上下方向に移動可能に構成されている。
【0049】
駆動装置73aの下部には、回転駆動部79aが設けられている。回転駆動部79aは、図示しない小型モーターを有している。回転駆動部79aには、平歯車80aが取り付けられている。
【0050】
平歯車80aは、ロッド75aとかみ合っている。よって、回転駆動部79aからの回転駆動力が平歯車80aに伝達され、平歯車80aの回転駆動力がロッド75aに伝達可能となっている。従って、車輪止め部材74aは、平歯車80aの回転によって、図2の溝211cに沿って移動可能に構成されている。
【0051】
なお、車輪止め部材74aと同様の構成により、車輪止め部材74bは、平歯車80bの回転によって、図2の溝211cに沿って移動可能に構成されている。
【0052】
図5は、図2のスマート布地71aによる車輪検知機能を説明するための説明図である。
【0053】
スマート布地71aは、複数の繊維91a、複数のセンサ92a、座標検出素子93a、座標検出素子94aを有している。
【0054】
各繊維91aは、導電性を有している。各繊維91aは、スマート布地71aに織り込まれている。各センサ92aは、2本の繊維91aが交差する箇所に取り付けられている。各センサ92aは、電極と、コンデンサとを有している。各センサ92aにおいて、被検出物体としての車輪が電極の上を通過するとき、電極の静電容量Cxが変化し、電極の静電容量Cxとコンデンサの静電容量C0との合成静電容量Cも変化する。よって、各センサ92aは、合成静電容量Cの変化を検出信号として、座標検出素子93a、及び、座標検出素子94aに出力する。座標検出素子93a、及び、座標検出素子94aは、センサ92aからの検出信号を制御装置5に送信する。
【0055】
これにより、複数のセンサ92aのうち、どのセンサ92aからの検出信号であるかが座標検出素子93a、及び、座標検出素子94aにより判明されるため、制御装置5は、車輪の位置を判断することができる。なお、センサ92a間の検出信号の運搬は、例えば、図示しないシフトレジスタにより行われればよい。
【0056】
次に、動作について説明する。
【0057】
車両が進入方向Kに沿って、かご2に進入すると、車両の車輪はスマート布地71との接触を開始する。スマート布地71は検出信号を制御装置5に送信する。制御装置5は、スマート布地71からの検出信号に基づいて、車両の車輪の位置の変化を観測する。制御装置5は、車両の車輪の位置の変化が停止し、予め定めた時間が経過すると、車両がかご2内で停止したと判定する。
【0058】
次に、制御装置5は、スマート布地71からの検出信号に基づいて、駆動装置73を制御する。まず、制御装置5は、スマート布地71からの検出信号に基づいて、車輪止め部材74の使用位置を決定する。次に、制御装置5は、決定した使用位置へ車輪止め部材74を移動させる。
【0059】
具体的には、制御装置5は、駆動装置73aに対して平歯車78aの回転数の指令を出す。駆動装置73aは平歯車78aの回転数の指令に基づいて平歯車78aを回転させ、車輪止め部材74aを開口部212aから上方へ突出させる。次に、制御装置5は、駆動装置73aに対して平歯車80aの回転数の指令を出す。駆動装置73aは平歯車80aの回転数の指令に基づいて平歯車80aを回転させ、車輪止め部材74aを溝211cに沿って移動させる。
【0060】
一方、制御装置5は、駆動装置73bに対して平歯車78bの回転数の指令を出す。駆動装置73bは平歯車78bの回転数の指令に基づいて平歯車78bを回転させ、車輪止め部材74bを開口部212bから上方へ突出させる。次に、制御装置5は、駆動装置73bに対して平歯車80bの回転数の指令を出す。駆動装置73bは平歯車80bの回転数の指令に基づいて平歯車80bを回転させ、車輪止め部材74bを溝211cに沿って移動させる。
【0061】
この結果、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれは、車両の車輪に接触して停止する。
【0062】
よって、車両のかご2への進入中には、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれはかご2に進入する経路から外れた待避位置にあるため、車両の進行を妨げることがない。よって、車両が車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bを乗り越えることがない。このため、かご2の内壁への車両の衝突を抑制することができる。
【0063】
また、車輪止め部材74は、待避位置にあるとき、床面201から上方へ突出せずに開口部212の少なくとも一部を塞いでいるため、車両の車輪が溝211a,211bに引っかかることがない。これにより、車両をかご2内にスムーズに進入させることができ、かご2の内壁への車両の衝突をより確実に抑制することができる。
【0064】
また、制御装置5は、車輪止め部材74を使用位置へ移動させるときには、スマート布地71からの検出信号に基づいて、使用位置を決定する。よって、使用位置をより正確に決定することができる。
【0065】
なお、上記の実施の形態1においては、制御装置5が、かご2及び釣合おもり3の制御と、駆動装置73の制御とを行う一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、かご2に設けられている制御部であるかご上ステーションによって駆動装置73が制御されてもよい。
【0066】
また、床面201上だけでなく、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれにスマート布地が設けられてもよい。この場合、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれの補助スマート布地が車両の車輪に接触したことを検知することができる。従って、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bのそれぞれの補助スマート布地が車輪に接触したときに、車輪止め部材74a及び車輪止め部材74bの移動を停止させればよい。
【0067】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0068】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0069】
(付記1)
昇降路内を昇降するかごの床面に敷かれており、導電性を有する繊維が織り込まれたスマート布地と、
前記かごに設けられている車輪止め部材と、
前記車輪止め部材を移動させる駆動力を発生する駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御部と
を備え、
前記車輪止め部材は、前記スマート布地に載った前記車両の車輪を止める使用位置と、前記使用位置から外れた待避位置との間で前記かごに対して移動可能になっており、
前記スマート布地は、当該スマート布地に載った前記車両の位置に応じた検出信号を発生するようになっており、
前記制御部は、前記スマート布地からの前記検出信号に基づいて、前記駆動装置を制御する車両用エレベーターの車輪止め装置。
(付記2)
前記床面には、前記車輪止め部材が通過可能な開口部が設けられており、
前記車輪止め部材は、前記待避位置にあるとき、前記床面から上方へ突出せずに前記開口部の少なくとも一部を塞いでいる付記1に記載の車両用エレベーターの車輪止め装置。
(付記3)
前記制御部は、前記車輪止め部材を前記使用位置へ移動させる制御を前記駆動装置に対して行う場合、前記スマート布地からの前記検出信号に基づいて、前記使用位置を決定する付記1又は付記2に記載の車両用エレベーターの車輪止め装置。
(付記4)
前記かごと、
前記かごに設けられた付記1から付記3までのいずれか1項に記載の車輪止め装置と
を備えている車両用エレベーター。
【符号の説明】
【0070】
1 昇降路、1a 機械室、2 かご、3 釣合おもり、4 巻上機、5 制御装置(制御部)、6 主ロープ、7 車輪止め装置、10 中継箱、11 固定側制御ケーブル、12 可動側制御ケーブル、14 乗場、14a 乗場出入口、15 乗場ドア、22a かご室、22b かごドア、22c かご出入口、71,71a,71b スマート布地、73,73a,73b 駆動装置、74,74a,74b 車輪止め部材、75a,75b ロッド、76a,76b 小ロッド、77a,77b、79a,79b 回転駆動部、78a,78b,80a,80b 平歯車、91,91a,91b 繊維、92,92a,92b センサ、93,93a,93b,94,94a,94b 座標検出素子、201 床面、211a,211b,211c 溝、212,212a,212b 開口部、K 進入方向。
図1
図2
図3
図4
図5