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特開2024-30295サーマルプリンタ、印刷方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030295
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】サーマルプリンタ、印刷方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/36 20060101AFI20240229BHJP
   B41J 2/52 20060101ALI20240229BHJP
   H04N 1/191 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B41J2/36 D
B41J2/52
H04N1/191
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133072
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 峻平
【テーマコード(参考)】
2C066
2C262
5C072
【Fターム(参考)】
2C066AC01
2C066AD03
2C066CD04
2C066CD09
2C066CD11
2C066CD19
2C262AA03
2C262AA16
2C262AB07
2C262BB01
2C262BB07
2C262BB47
2C262EA19
2C262GA30
5C072AA03
5C072BA15
5C072FA17
5C072UA17
5C072XA06
(57)【要約】
【課題】複数階調の印刷において、階調数に対する印刷濃度のリニアリティを高くすることである。
【解決手段】サーマルプリンタは、それぞれのドットを印刷する場合にドットのそれぞれを主走査方向Yに並ぶサブドットの数と副走査方向Xに並ぶサブドットの数とが等しくなるようにサブドット31~34に分割した面積階調法で階調表現させるとともに、サブドット31~34のそれぞれを印刷する場合に時分割法で階調表現させる。サーマルプリンタは、副走査方向Xに並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、主走査方向Yに隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、ドットの階調表現での大枠表現を面積階調法に割り当てる一方で、ドットの階調表現での詳細表現(サブドットの階調表現)を時分割法に割り当てる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱素子を有し、前記発熱素子に通電を行うことにより被印刷媒体に印刷を行うサーマルプリンタであって、
それぞれのドットを印刷する場合に前記ドットのそれぞれを主走査方向に並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなるように複数のサブドットに分割した面積階調法で階調表現させるとともに、前記複数のサブドットのそれぞれを印刷する場合に前記発熱素子への通電時間を時分割的に制御する時分割法で階調表現させる制御部を備え、
前記制御部は、前記副走査方向に並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、前記主走査方向に隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、前記階調表現での大枠表現を前記面積階調法に割り当てる一方で前記階調表現での詳細表現を前記時分割法に割り当てる、
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記ドットは、マトリクス状に配置された第1、第2、第3、第4のサブドットに分割され、
前記第2のサブドットは、前記第1のサブドットの前記主走査方向及び前記副走査方向の対角方向に配置され、
前記第3のサブドットは、前記第1のサブドットの前記主走査方向に隣接され、
前記第4のサブドットは、前記第1のサブドットの前記副走査方向に隣接され、
前記制御部は、前記ドットの階調が高くなるにつれて、前記第1のサブドットの階調であるサブ階調を高め、当該第1のサブドットのサブ階調が最大値になると、前記第2のサブドットのサブ階調を高め、当該第2のサブドットのサブ階調が最大値になると、前記第3のサブドットのサブ階調を高め、当該第3のサブドットのサブ階調が最大値になると、前記第4のサブドットのサブ階調を高める、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記制御部は、前記副走査方向に並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、前記主走査方向に隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、階調表現での大枠表現を面積階調法に割り当てる一方で階調表現での詳細表現を時分割法に割り当てて印刷する高速印刷モードと、前記それぞれのドットに対して前記時分割法により複数階調で印刷する通常モードと、の選択操作に応じて、印刷モードを前記高速印刷モード又は前記通常モードに設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
発熱素子を有し、前記発熱素子に通電を行うことにより被印刷媒体に印刷を行うサーマルプリンタの印刷方法であって、
それぞれのドットを印刷する場合に前記ドットのそれぞれを主走査方向に並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなるように複数のサブドットに分割した面積階調法で階調表現させるとともに、前記複数のサブドットのそれぞれを印刷する場合に前記発熱素子への通電時間を時分割的に制御する時分割法で階調表現させる制御工程を含み、
前記制御工程において、前記副走査方向に並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、前記主走査方向に隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、前記階調表現での大枠表現を前記面積階調法に割り当てる一方で前記階調表現での詳細表現を前記時分割法に割り当てる、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項5】
発熱素子を有し、前記発熱素子に通電を行うことにより被印刷媒体に印刷を行うサーマルプリンタのコンピュータを、
それぞれのドットを印刷する場合に前記ドットのそれぞれを主走査方向に並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなるように複数のサブドットに分割した面積階調法で階調表現させるとともに、前記複数のサブドットのそれぞれを印刷する場合に前記発熱素子への通電時間を時分割的に制御する時分割法で階調表現させる制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記副走査方向に並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、前記主走査方向に隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、前記階調表現での大枠表現を前記面積階調法に割り当てる一方で前記階調表現での詳細表現を前記時分割法に割り当てる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタ、印刷方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクリボンなどのインクを加熱してテープに熱転写して印刷するサーマルプリンタが知られている。このサーマルプリンタとして、複数階調の印刷濃度の印刷をするものが知られている。
【0003】
例えば、画像データの複数の画素について、各画素を4つのドットの菱形マトリクスで構成し、各ドットに対応して、時分割された一定の印加時間のパルスを複数用いてサーマルヘッドに印加して加熱することにより、画像を多階調の濃度でテープに印刷するサーマルプリンタとしてのテープ印字装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-91152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のテープ印字装置のような複数階調の印刷において、階調に対する印刷濃度のリニアリティを高くする要請がある。
【0006】
本発明の課題は、複数階調の印刷において、階調に対する印刷濃度のリニアリティを高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のサーマルプリンタは、発熱素子を有し、前記発熱素子に通電を行うことにより被印刷媒体に印刷を行うサーマルプリンタであって、それぞれのドットを印刷する場合に前記ドットのそれぞれを主走査方向に並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなるように複数のサブドットに分割した面積階調法で階調表現させるとともに、前記複数のサブドットのそれぞれを印刷する場合に前記発熱素子への通電時間を時分割的に制御する時分割法で階調表現させる制御部を備え、前記制御部は、前記副走査方向に並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係が、前記主走査方向に隣接するサブドット間での割り当て階調の高低関係とは異なるように、前記階調表現での大枠表現を前記面積階調法に割り当てる一方で前記階調表現での詳細表現を前記時分割法に割り当てる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数階調の印刷において、階調に対する印刷濃度のリニアリティを高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態のサーマルプリンタを示す外観斜視図である。
図2】印刷システムを示すブロック図である。
図3】PCの機能構成を示すブロック図である。
図4】サーマルプリンタの機能構成を示すブロック図である。
図5】1ドットの通電時間増加に応じた印刷イメージを示す図である。
図6】第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。
図7】通常モードにおけるドットに対応して入力されるパルスを示す図である。
図8】(a)は、高速印刷モードにおけるドットの1番目のサブドットに対応して入力されるパルスを示す図である。(b)は、高速印刷モードにおけるドットの2番目のサブドットに対応して入力されるパルスを示す図である。(c)は、高速印刷モードにおけるドットの3番目のサブドットに対応して入力されるパルスを示す図である。(d)は、高速印刷モードにおけるドットの4番目のサブドットに対応して入力されるパルスを示す図である。
図9】第1の印刷処理を示すフローチャートである。
図10】高速印刷モードにおける階調に対する印刷濃度を示す図である。
図11】第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。
図12】第2の印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1、第2の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1図10を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、図1図5を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態のサーマルプリンタ20を示す外観斜視図である。図2は、印刷システム1を示すブロック図である。図3は、PC10の機能構成を示すブロック図である。図4は、サーマルプリンタ20の機能構成を示すブロック図である。図5は、1ドットの通電時間増加に応じた印刷イメージを示す図である。
【0012】
図1に示すように、サーマルプリンタ20は、被印刷媒体としてのテープT1を加熱して、文字、マーク、図、表などの画像を印刷する印刷装置である。サーマルプリンタ20は、白(下地(背景、例えば白色)に印刷無し)及び黒(下地に黒)により、白黒の複数階調の印刷濃度の印刷を行う機能を有する。また、サーマルプリンタ20は、印刷したテープT1をカットする機能、外部機器と無線LAN(Local Area Network)通信する機能などを有する。
【0013】
テープT1は、印刷されるテープ本体部と、当該テープ本体部の剥離紙と、を有する。テープ本体部は、ラミネートフィルム、発色層、テープ色層、基材、粘着層を表面から裏面に順に一体的に有する多層構造のテープである。ラミネートフィルムは、透明な保護層であり、例えば、PET(PolyEthylene Terephthalate)で構成されている。発色層は、加熱により発色する層であり、例えば発色が黒色であるものとする。テープ色層は、テープ本体部の印刷された発色層の下地(背景)となる色(例えば白色)の下地層である。このように、テープT1(テープ本体部)は、白地に黒色が印刷されるものとして説明する。ただし、テープ色層の色は、白色に限定されるものではなく、黄色など、他の色としてもよい。
【0014】
基材は、テープ本体部の基材であり、例えば、PP(PolyPropylene)で構成されている。粘着層は、テープ本体部を貼り付け対象に貼ることができかつ剥離紙から剥離が可能な粘着剤の層である。このように、テープT1について、ユーザが、印刷されたテープ本体部の粘着層を剥離紙から剥がして、貼り付け対象物に貼付できる。また、テープT1として、例えば6~24[mm]の様々な幅のものが使用できる。
【0015】
サーマルプリンタ20は、筐体201上に、テープ出口202、テープ残量確認窓203、オープンボタン204、操作部22、表示部24を有する。筐体201は、後述する回路構成や、テープT1を供給するテープアダプタ274(図4)などを収納する。また、筐体201は、蓋201aを有し、ユーザによるオープンボタン204の押下に応じて蓋201aが開けられ、筐体201内に収納されているテープアダプタの交換が可能である。
【0016】
テープ出口202は、印刷されたテープT1の出口である。テープT1は、円筒状の保持部(図示略)に巻回されてテープアダプタ274にセットされている。テープ残量確認窓203は、筐体201内に収納されたリール上のテープT1の厚さを残量としてユーザが観察するための透明な窓部である。オープンボタン204は、蓋201aを開けるための押下操作を受け付けるボタンである。
【0017】
操作部22は、電源キー221と、カットキー222と、無線LAN切替キー223と、を有する。電源キー221は、サーマルプリンタ20の電源オン/オフの押下入力を受け付けるキーである。カットキー222は、テープT1の切断及びフィードの押下入力を受け付けるキーである。無線LAN切替キー223は、サーマルプリンタ20の無線LAN通信のモードとして、アクセスポイントモードと、クライアントモードと、を切り替える押下入力を受け付けるキーである。アクセスポイントモードとは、サーマルプリンタ20が無線LANのアクセスポイントとして機能し、サーマルプリンタ20が外部機器と直接無線LAN通信を行うモードである。クライアントモードとは、サーマルプリンタ20が無線LANのアクセスポイントを介して外部機器と無線LAN通信を行うモードである。
【0018】
表示部24は、電源ランプ241と、無線LANランプ242,243と、を有する。電源ランプ241は、サーマルプリンタ20の電源オン中に点灯するランプである。無線LANランプ242は、サーマルプリンタ20の無線LANのアクセスポイントモード中に点灯するランプである。無線LANランプ243は、サーマルプリンタ20の無線LANのクライアントモード中に点灯するランプである。
【0019】
ついで、図2を参照して、サーマルプリンタ20を含む印刷システム1を説明する。図2に示すように、印刷システム1は、外部機器としてのPC(Personal Computer)10と、サーマルプリンタ20と、を備える。
【0020】
PC10は、印刷データとしての印刷用の画像データを生成してサーマルプリンタ20に送信して印刷させる情報処理装置である。図2では、サーマルプリンタ20が、アクセスポイントモードでPC10と無線LAN通信している状態を示すが、クライアントモードでアクセスポイント(図示略)を介して無線LAN通信を行う状態も可能である。
【0021】
ついで、図3を参照して、PC10の内部の機能構成(回路構成)を説明する。図3に示すように、PC10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、を備える。PC10の各部は、バス17を介して接続されている。
【0022】
CPU11は、PC10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0023】
操作部12は、キーボードと、マウスなどのポインティングデバイスとを有する。操作部12は、ユーザからのキーボードのキーの押下及びポインティングデバイスの位置情報の操作入力を受け付け、その操作入力に基づく操作信号をCPU11に出力する。なお、操作部12が、表示部14の表示画面上に一体的に形成されユーザからのタッチ入力を受け付けるタッチパネルを含む構成としてもよい。
【0024】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリである。RAM13は、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0025】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有する。表示部14は、CPU11などから入力される各種の表示情報を表示パネルの表示画面に表示する。
【0026】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などにより構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15は、後述する第1の印刷指示処理を実行するための第1の印刷指示プログラムP1を記憶する。
【0027】
通信部16は、無線LAN通信用のアンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する。通信部16は、直接(アクセスポイントモード)又はアクセスポイントを介して(クライアントモード)外部機器と無線LAN通信を行う。CPU11は、通信部16を介して、外部機器としてのサーマルプリンタ20と無線LAN通信を行い、情報の送受信を行う。
【0028】
ついで、図4を参照して、サーマルプリンタ20の内部の機能構成(回路構成)を説明する。図4に示すように、サーマルプリンタ20は、CPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、印刷部27と、検出部28と、を備える。サーマルプリンタ20の各部は、バス29を介して接続されている。
【0029】
CPU21は、サーマルプリンタ20の各部を制御する。CPU21は、記憶部25に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM23に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0030】
操作部22は、電源キー221、カットキー222、無線LAN切替キー223を有する。操作部22は、ユーザからの各キーの押下の操作入力を受け付け、その操作入力に基づく操作信号をCPU21に出力する。
【0031】
RAM23は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリである。RAM23は、CPU21に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0032】
表示部24は、電源ランプ241、無線LANランプ242,243を有する。表示部24は、CPU21からの指示に従い、電源ランプ241、無線LANランプ242,243の点灯をオン/オフする。
【0033】
記憶部25は、ROM(Read Only Memory)など、少なくとも情報の読み出しが可能な記憶部である。ただし、記憶部25は、フラッシュメモリなど、少なくとも情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部としてもよい。特に、記憶部25には、後述する第1の印刷処理を実行するための第1の印刷プログラムP2が記憶されているものとする。
【0034】
通信部26は、無線LAN通信用のアンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する。通信部26は、直接(アクセスポイントモード)又はアクセスポイントを介して(クライアントモード)外部機器と無線LAN通信を行う。CPU21は、通信部26を介して、外部機器としてのPC10と無線LAN通信を行い、情報の送受信を行う。
【0035】
印刷部27は、サーマルヘッド271、プラテンローラ272、カッター273、テープアダプタ274、駆動部275を有し、CPU21の制御に従い、テープT1に印刷を行う。
【0036】
サーマルヘッド271は、テープT1の搬送経路上に配置され、テープT1を加熱して印刷を行う印刷ヘッドである。ここで、テープT1の搬送方向を副走査方向Xとし、テープT1の搬送方向(副走査方向X)に垂直な方向を主走査方向Yとする。サーマルヘッド271は、例えば、主走査方向Yに一列に配列された複数の発熱素子を一ライン有する。サーマルヘッド271は、CPU21の制御により、駆動部275を介して、印刷データに応じて複数の発熱素子が選択的に通電されることで、加熱によりテープT1に一ラインずつ印刷を行う。なお、サーマルヘッド271が、主走査方向Yに一列に配列された複数の発熱素子を複数ライン有し、テープT1に複数ラインずつ印刷を行う構成としてもよい。
【0037】
サーマルヘッド271の各発熱素子は、通常の印刷処理を行う印刷モードとしての通常モードにおいて、印刷物に印刷される1ドットに対応する。印刷モードについては、詳細に後述する。サーマルヘッド271の発熱素子には、駆動部275のヘッド駆動回路により所定の周期(1ユニット時間とする)のパルスが入力され、入力されたパルスの数(パルス数)に応じた通電がなされる。1ユニット時間は、1階調分の情報を転送する転送時間に相当し、通電時間そのものではない。また、通常モードにおいて、1ドットの階調は、入力されるパルス数に対応する。また、1つの発熱素子へのパルスの入力数が多いほど当該発熱素子への通電時間が長くなる。図5に示すように、サーマルヘッド271でテープT1に印刷する場合に、1つの発熱素子への通電時間が長くなるにつれて、図5の矢印方向に示すように、当該発熱素子により加熱可能な領域のドット(図5では破線で示す)内の加熱領域の面積が広がり、加熱領域の面積に応じた印刷部分である黒領域の面積が広がっていく(ドット全体として見て印刷濃度が濃く(黒く)なっていく)。そして、1ドット内の全ての領域が黒領域になると、黒の領域の面積も最大値となり、最大の印刷濃度となる。ただし、この面積の広がりは通電時間の長さに対して必ずしも正比例的に増加するものではなく、階調に対する印刷濃度のリニアリティを高める余地が残っている。
【0038】
プラテンローラ272は、サーマルヘッド271に対向して設けられ、テープアダプタ274から引き出されるテープT1を、サーマルヘッド271との間で挟んで回転することによりテープ出口202に搬送するローラーである。プラテンローラ272は、CPU21の制御により、駆動部275を介して、サーマルヘッド271の方向へ昇降(接離)自在に、回転軸を中心に回転駆動されることにより、サーマルヘッド271に当接して印刷可能に、テープT1を副走査方向Xにテープ出口202へ搬送する。
【0039】
カッター273は、テープT1の搬送経路上であって、サーマルヘッド271よりも副走査方向Xの下流側(テープ出口202側)に配置され、CPU21の制御により、印刷後のテープT1を切断する切断部である。カッター273は、テープT1のテープ本体部及び剥離紙をまとめて切断(フルカット)するフルカット機構を有するものとするが、これに限定されるものではなく、テープT1のテープ本体部のみを切断(ハーフカット)するハーフカット機構も有するものとしてもよい。
【0040】
テープアダプタ274は、巻回された印刷前のテープT1を保持するアダプタである。テープアダプタ274は、プラテンローラ272の回転により引っ張られるテープT1をサーマルヘッド271側に送り出す。
【0041】
駆動部275は、サーマルヘッド271、プラテンローラ272、カッター273を駆動する駆動部であり、サーマルヘッド271の各発熱素子に通電するヘッド駆動回路、プラテンローラ272のプラテンローラ昇降機構、プラテンローラ272を回転するモータ、カッター273の切断駆動機構を有する。駆動部275は、CPU21の制御に従い、ヘッド駆動回路によるサーマルヘッド271の各発熱素子の加熱、プラテンローラ昇降機構によるプラテンローラ272の昇降、モータによるプラテンローラ272の回転、カッター273の切断駆動機構によるテープの切断を行う。
【0042】
検出部28は、テープT1の先端を検出するテープ先端検出センサと、テープT1の種類(主走査方向Yの長さ(幅))を検出するテープ種類検出センサと、を有する。例えば、テープT1の主走査方向Yの長さ(幅)は、テープT1の種類で異なりうる。テープ先端検出センサは、テープT1の搬送経路上であって、サーマルヘッド271とカッター273との間に配置され、テープT1における搬送方向である副走査方向Xの先端部を検出する。テープ種類検出センサは、テープアダプタ274にセットされたテープT1の種類を検出する。テープ種類検出センサは、例えば、テープアダプタ274に付された識別マークなどを読み取ることで、テープアダプタ274の内部に収められているテープT1の種類を検出するようになっている。検出部28は、テープ先端検出センサにより検出されたテープの先端の検出情報と、テープ種類検出センサにより検出されたテープの種類(幅)の検出情報とを、CPU21に出力する。
【0043】
つぎに、図6図10を参照して、本実施の形態の印刷システム1の動作を説明する。図6は、第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。図7は、通常モードにおけるドット30に対応して入力されるパルスを示す図である。図8(a)は、高速印刷モードにおけるドット30aのサブドット31に対応して入力されるパルスを示す図である。図8(b)は、高速印刷モードにおけるドット30aのサブドット32に対応して入力されるパルスを示す図である。図8(c)は、高速印刷モードにおけるドット30aのサブドット33に対応して入力されるパルスを示す図である。図8(d)は、高速印刷モードにおけるドット30aのサブドット34に対応して入力されるパルスを示す図である。図9は、第1の印刷処理を示すフローチャートである。図10は、高速印刷モードにおける階調に対する印刷濃度を示す図である。
【0044】
まず、図6を参照して、PC10で実行される第1の印刷指示処理を説明する。あらかじめ、PC10及びサーマルプリンタ20は、それぞれ電源オンされており、通信部16,26を介して、アクセスポイントモード又はクライアントモードにより無線LAN通信が確立している(PC10とサーマルプリンタ20とが通信接続されている)ものとする。
【0045】
PC10において、例えば、操作部12を介してユーザから、第1の印刷指示処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1の印刷指示プログラムP1に従い、第1の印刷指示処理を実行する。
【0046】
図6に示すように、まず、CPU11は、操作部12を介してユーザから、印刷モードとして、通常モード又は高速印刷モードの選択入力を受け付ける(ステップS11)。ここで、図7図8(d)を参照して、各印刷モードを説明する。
【0047】
通常モードは、印刷する1ドットごとに、所定の複数階調の白黒印刷をする印刷モードである。ここでは、階調の値が0~255をとる256階調の白黒印刷を行う例を説明する。図7に、通常モードにおける、印刷するドット30と、ドット30の副走査方向X及び主走査方向Yと、階調(0~255)ごとの時間に対するパルスの電圧値を示す図(グラフ)と、を示す。
【0048】
ここでは、説明を簡単にするために、通常モードにおいて、印刷する画像データの1画素が、サーマルヘッド271の複数の発熱素子のうちの1つにより印刷される1ドットに対応する例を説明する。なお、印刷する画像データの複数画素が、発熱素子の1ドットに対応する構成としてもよい。
【0049】
図7に示すように、1つのドット30の印刷において、階調が0の場合、1ユニット時間のパルスが全く発熱素子に入力されなく、発熱素子の通電時間も0となり、印刷物の印刷濃度が最低値(白)になる。ドット30の階調が1の場合、1つの1ユニット時間のパルスが発熱素子に入力され、入力された1つのパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物の印刷濃度は、階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。同様にして、ドット30の階調を高くしていくと、発熱素子に入力する1ユニットのパルスの数に対応する通電時間も長くなり、印刷物の印刷濃度もより濃く(黒く)なる。そして、ドット30の階調が255の場合、255個の1ユニット時間のパルス(255ユニット時間のパルス)が発熱素子に入力され、入力された255個のパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物の印刷濃度が最も濃く(黒く)なる。通常モードでは、1ドット(1つのドット30)が、サーマルヘッド271のうちの1つの発熱素子に対応して印刷される。
【0050】
1ドットに対応する発熱素子への通電時間を時分割的に制御(1ドット分の最大階調の通電時間を階調数で時分割し、時分割された通電時間を1ユニット時間のパルスに対応させ、発熱素子に入力するパルスの数を制御)して階調表現する方法を、時分割法という。つまり、通常モードは、時分割法により複数階調を表現して印刷される。
【0051】
通常モードにおけるドット30の階調及び通電時間(割合)の関係を次表Iに示す。通常モードにおける通電時間(割合)とは、印刷濃度が最も濃く(最も黒く)なる最大階調(ここでは255)の通電時間に対する各階調0~255の通電時間の割合の値である。最大階調の場合に、通電時間(割合)は、1となる。図7及び表Iに示すように、通電時間(割合)は、発熱素子に入力する1ユニット時間のパルスの数に対応する。
【表1】
【0052】
これに対し、高速印刷モードは、印刷する画像データの複数のドットをまとめて1つの低解像度のドットに変換し、各低解像度のドットを複数のサブドットに分割し、複数のサブドットからなる1つのドットにより複数階調を、面積階調法及び時分割法により表現して白黒印刷する印刷モードである。面積階調法は、1つのドットについて、複数のサブドットが含まれるマトリクスを設定し、いくつのサブドットを印刷して配置するかによって疑似的に濃度を変える手法である。
【0053】
図8(a)に示すように、ここでは、マトリクス状の4つのサブドット31,32,33,34により、1つのドット30a(サブドットの4倍の面積のドット)で、通常モードのドット30と同様の複数階調を表現する例を説明する。
【0054】
サブドット31は、ドット30aにおける最も-X方向側かつ最も-Y方向側に配置されたサブドットである。サブドット32は、ドット30aにおける最も+X方向側かつ最も+Y方向側に配置されたサブドットである。つまり、サブドット32は、主走査方向Y及び副走査方向Xの対角方向に配置されている。サブドット33は、ドット30aにおけるサブドット31の+Y方向側に隣接されたサブドットであり、かつサブドット32の-X方向側に隣接されている。サブドット34は、ドット30aにおけるサブドット31の+X方向側に隣接されたサブドットであり、かつサブドット32の-Y方向側に隣接されている。
【0055】
ここでは、ドット30aにおける階調を0から高くしていく例を説明する。ドット30aにおける階調を0から高くしていく場合に、図8(a)に示すように、まず、1つのサブドット31の階調(以下、サブドットの階調を「サブ階調」と表現する)を0から最大値(63)まで高くしていく。サブドット31のサブ階調の最大値は、印刷時に印刷濃度が最も濃く(最も黒く)なる最大のサブ階調である。つまり、通常モードのドット30の最大階調(255)の印刷濃度と、高速印刷モードのドット30aにおけるサブドットの最大のサブ階調(63)の印刷濃度とは、同じになる。また、パルスの1ユニット時間は、1階調分の情報の転送時間に相当するので、通常モードと高速印刷モードとで同様となる。
【0056】
また、高速印刷モードでは、4つのサブドットのサブ階調により、0から通常モードのドット30の最大階調までの階調数を印刷濃度表現するために、各サブドットの最大のサブ階調が、通常モードの最大階調(255)の約1/4の値である63に設定されている。また、サブドット31のサブ階調を0から高くしていく場合に、サブドット32~34は、サブ階調が0のままであるものとする。以下、高速印刷モードの説明において、サブ階調が変化しないサブドットの印刷については、説明を省略する。
【0057】
1つのドット30aの印刷において、ドット30aの階調が0の場合、サブドット31のサブ階調も0となり、1ユニット時間のパルスがサブドット31の発熱素子に全く入力されなく、発熱素子の通電時間も0となり、印刷物のサブドット31の印刷濃度が最低(白)になる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度も最低(白)になる。
【0058】
ドット30aの階調が1の場合、サブドット31のサブ階調も1となり、1つの1ユニット時間のパルスがサブドット31の発熱素子に入力され、入力された1つのパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット31の印刷濃度は、サブ階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度は、ドット30aを全体として見て、階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。
【0059】
同様にして、ドット30aの階調を高くしていくと、サブドット31のサブ階調も高くなるので、サブドット31の発熱素子に入力する1ユニットのパルスの数に対応する通電時間も大きくなり、印刷物のサブドット31の印刷濃度もより濃く(黒く)なり、印刷物のドット30aの印刷濃度もより濃く(黒く)なる。
【0060】
そして、ドット30aの階調が63の場合、サブドット31のサブ階調も最大値である63となり、63個の1ユニット時間のパルス(63ユニット時間のパルス)がサブドット31の発熱素子に入力され、入力された63個のパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット31の印刷濃度が最も濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度もこれまでで最も濃く(黒く)なる。このように、サブドット31は、サブ階調が0~63の64階調で白黒印刷される。
【0061】
高速印刷モードにおけるドット30aの階調を0から63まで変化させる場合(サブドット31のサブ階調を0から63まで変化させる場合)におけるサブドット31の階調及び通電時間(割合)の関係とサブドット32~34のサブ階調とを次表IIに示す。高速印刷モードにおける通電時間(割合)とは、サブドットの印刷濃度が最も濃く(最も黒く)なる最大のサブ階調(ここでは63)の通電時間に対する各サブ階調0~63の通電時間の割合の値である。最大のサブ階調の場合に、通電時間(割合)は、1となる。図8(a)及び表IIに示すように、サブドット31の通電時間(割合)は、発熱素子に入力する1ユニット時間のパルスの数(サブ階調)に対応する。
【表2】
【0062】
そして、ドット30aの階調を63より高くする場合に、図8(b)に示すように、サブドット31のサブ階調を最大値(63)にしたままにするとともに、1つのサブドット32のサブ階調を1から最大値(63)まで高くしていく。サブドット33,34は、サブ階調が0のままであるものとする。
【0063】
1つのドット30aの印刷において、ドット30aの階調が64の場合、サブドット32のサブ階調が1となり、1つの1ユニット時間のパルスがサブドット32の発熱素子に入力され、入力された1つのパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット31の印刷濃度は、サブ階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度は、階調が63の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。
【0064】
同様にして、ドット30aの階調を高くしていくと、サブドット32のサブ階調も高くなるので、サブドット32の発熱素子に入力する1ユニットのパルスの数に対応する通電時間も大きくなり、印刷物のサブドット32の印刷濃度もより濃く(黒く)なり、印刷物のドット30aの印刷濃度もより濃く(黒く)なる。
【0065】
そして、ドット30aの階調が126の場合、サブドット32のサブ階調が最大値である63となり、63個の1ユニット時間のパルスがサブドット32の発熱素子に入力され、入力された63個のパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット32の印刷濃度が最も濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度もここまでで最も濃く(黒く)なる。このように、サブドット32は、サブ階調が1~63の63階調で白黒印刷される。
【0066】
高速印刷モードにおけるドット30aの階調を64から126まで変化させる場合(サブドット32のサブ階調を1から63まで変化させる場合)におけるサブドット32の階調及び通電時間(割合)の関係とサブドット31,33,34のサブ階調とを次表IIIに示す。図8(b)及び表IIIに示すように、サブドット32の通電時間(割合)は、発熱素子に入力する1ユニット時間のパルスの数(サブ階調)に対応する。
【表3】
【0067】
そして、ドット30aの階調の値を126より高くする場合に、図8(c)に示すように、サブドット31,32のサブ階調を最大値(63)にしたままにするとともに、1つのサブドット33のサブ階調を1から最大値(63)まで高くしていく。サブドット34は、サブ階調が0のままであるものとする。
【0068】
1つのドット30aの印刷において、ドット30aの階調が127の場合、サブドット33のサブ階調が1となり、1つの1ユニット時間のパルスがサブドット33の発熱素子に入力され、入力された1つのパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット33の印刷濃度は、サブ階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度は、階調が126の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。
【0069】
同様にして、ドット30aの階調を高くしていくと、サブドット33のサブ階調も高くなるので、サブドット33の発熱素子に入力する1ユニットのパルスの数に対応する通電時間も大きくなり、印刷物のサブドット33の印刷濃度もより濃く(黒く)なり、印刷物のドット30aの印刷濃度もより濃く(黒く)なる。
【0070】
そして、ドット30aの階調が189の場合、サブドット33のサブ階調が最大値である63となり、63個の1ユニット時間のパルスがサブドット33の発熱素子に入力され、入力された63個のパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット33の印刷濃度が最も濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度もここまでで最も濃く(黒く)なる。このように、サブドット33は、サブ階調が1~63の63階調で白黒印刷される。
【0071】
高速印刷モードにおけるドット30aの階調を127から189まで変化させる場合(サブドット33のサブ階調を1から63まで変化させる場合)におけるサブドット33の階調及び通電時間(割合)の関係とサブドット31,32,34のサブ階調とを次表IVに示す。図8(c)及び表IVに示すように、サブドット33の通電時間(割合)は、発熱素子に入力する1ユニット時間のパルスの数(サブ階調)に対応する。
【表4】
【0072】
そして、ドット30aの階調の値を189より高くする場合に、図8(d)に示すように、サブドット31,32,33のサブ階調を最大値(63)にしたままにするとともに、1つのサブドット34の階調を1から最大値(63)まで高くしていく。
【0073】
1つのドット30aの印刷において、ドット30aの階調の値が190の場合、サブドット34のサブ階調の値が1となり、1つの1ユニット時間のパルスがサブドット34の発熱素子に入力され、入力された1つのパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット34の印刷濃度は、サブ階調が0の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度は、階調が189の印刷濃度よりも濃く(黒く)なる。
【0074】
同様にして、ドット30aの階調を高くしていくと、サブドット34のサブ階調も高くなるので、サブドット34の発熱素子に入力する1ユニットのパルスの数に対応する通電時間も大きくなり、印刷物のサブドット34の印刷濃度もより濃く(黒く)なり、印刷物のドット30aの印刷濃度もより濃く(黒く)なる。
【0075】
そして、ドット30aの階調が最大値である252の場合、サブドット34のサブ階調が最大値である63となり、63個の1ユニット時間のパルスがサブドット34の発熱素子に入力され、入力された63個のパルスに対応する通電時間で発熱素子が通電され、印刷物のサブドット34の印刷濃度が最も濃く(黒く)なる。このため、印刷物のドット30aの印刷濃度も最も濃く(黒く)なる。このように、サブドット34は、サブ階調が1~63の63階調で白黒印刷される。
【0076】
高速印刷モードにおけるドット30aの階調を190から252まで変化させる場合(サブドット34のサブ階調を1から63まで変化させる場合)におけるサブドット34の階調及び通電時間(割合)の関係とサブドット31~33のサブ階調とを次表Vに示す。図8(d)及び表Vに示すように、サブドット34の通電時間(割合)は、発熱素子に入力する1ユニット時間のパルスの数(サブ階調)に対応する。
【表5】
【0077】
まとめると、高速印刷モードでは、通常モードに比べて、印刷する画素数が1/4の低解像度になるが、1ドットの各サブドットのサブ階調を64階調又は63階調とすると、1ドット当たり253階調の印刷濃度で白黒印刷でき、階調数が通常モード(256階調)と同様になる。このとき、高速印刷モードは、通常モードよりも発熱素子当たりのパルス入力数が小さくなるため転送時間を短くすることができ、結果として、印刷速度を高めることができる。高速印刷モードでは、1ドット(1つのドット30a)のうちの1つのサブドット(サブドット31,32,33又は34)が、サーマルヘッド271の1つの発熱素子に対応して印刷される。
【0078】
図6に戻り、CPU11は、操作部12を介してユーザからの印刷対象の画像データの設定入力を受け付ける(ステップS12)。ステップS12では、例えば、あらかじめ文字、マーク、図、表などの画像データが記憶部15に記憶され、当該記憶された画像データのうちの印刷対象の画像データが選択入力される。また、ステップS12では、例えば画像データ作成ツールの実行により、ユーザの操作入力に応じて、印刷する画像データが新規作成又は編集され、新規作成又は編集された画像データが印刷対象の画像データとして設定されることとしてもよい。また、ステップS12では、通信部16により、無線LANを介してインターネット上のコンテンツサーバにアクセスされ、ユーザの操作入力に応じて、印刷対象の画像データがコンテンツサーバからダウンロードされることとしてもよい。
【0079】
そして、CPU11は、操作部12を介してユーザからの各種の印刷設定情報の入力を受け付ける(ステップS13)。ステップS13では、例えば、通信部16を介して、サーマルプリンタ20において検出部28により検出されたテープアダプタ274にセットされているテープT1の種類がサーマルプリンタ20から受信され、テープT1の種類に基づくテープT1のイメージ(幅など)が表示部14に表示される。表示部14に表示されたテープT1のイメージ上での、ステップS12で設定された画像データの位置及び大きさの調整値、印刷後にカットするテープT1の副走査方向Xの長さなどが、印刷設定情報として入力される。
【0080】
そして、CPU11は、操作部12を介してユーザから印刷指示が入力されたか否かを判別する(ステップS14)。印刷指示が入力されていない場合(ステップS14;NO)、ステップS11に移行される。印刷指示が入力された場合(ステップS14;YES)、CPU11は、ステップS11で入力された印刷モード(通常モード又は高速印刷モード)と、ステップS12で入力された印刷対象の画像データと、ステップS13で入力された印刷設定情報と、を含む印刷データを生成し、通信部16を介して当該生成した印刷データをサーマルプリンタ20に送信し(ステップS15)、第1の印刷指示処理を終了する。
【0081】
ついで、図9を参照して、サーマルプリンタ20で実行される第1の印刷処理を説明する。サーマルプリンタ20において、例えば、通信部26を介して、図6の第1の印刷指示処理のステップS15で送信された印刷データをPC10から受信開始したことをトリガとして、CPU21は、記憶部25に記憶された第1の印刷プログラムP2に従い、第1の印刷処理を実行する。
【0082】
図9に示すように、まず、CPU21は、通信部26を介して、ステップS15で送信された印刷データをPC10から受信完了する(ステップS21)。そして、CPU21は、ステップS21で受信された印刷データの印刷モードを参照し、高速印刷モードであるか否かを判別する(ステップS22)。
【0083】
高速印刷モードである場合(ステップS22;YES)、CPU21は、ステップS21で受信された印刷データの画像データ及び印刷設定情報を取得し、印刷設定情報の画像データの位置及び大きさに調整した通常モード用の画像データを、高速印刷モード用に低解像度に変換する(ステップS23)。ステップS23では、例えば、調整後の画像データの各画素から、サーマルヘッド271の各発熱素子用の各ドット30(図7、例えば256階調)の画像データ(各画素の階調データ)が生成され、生成された全てのドット30の画像データから、隣接する2×2の(矩形)マトリクス状の4つのドット30を1組にし(「マトリクス状のドット30」とする)、各マトリクス状のドット30の階調が決定される。各マトリクス状のドット30の階調の値は、マトリクス状のドット30のうちの所定の位置(例えば、副走査方向X及び主走査方向Yの座標値が最も小さい位置)のドット30の階調の値が、代表値として決定されるものとするが、これに限定されるものではない。例えば、隣接する4つのドット30の階調の平均値が算出され、その平均値がドット30の階調として決定されるものとしてもよい。
【0084】
そして、CPU21は、ステップS23で変換された低解像度の画像データを、サブドット31~34を有するドット30aの画像データに変換する(ステップS24)。ステップS24では、ステップS23で変換された各マトリクス状のドット30の画像データ(元の調整後の画像データから1/4の低解像度に変換された256階調の各ドットの階調データ)から、2×2のサブドットからなる(矩形)マトリクス状のドット30a(図8(a)~図8(d))の画像データ(252階調の各ドット30aの階調データ)に変換される。この変換は、図8(a)~図8(d)で説明した変換方式に基づき、各マトリクス状のドット30の階調の値から、ドット30aのサブドット31~34の各階調の値(64階調又は63階調)の画像データ(元の調整後の画像データから1/4の解像度に変換された252階調の各ドット30aの階調データ)への変換である。
【0085】
そして、CPU21は、ステップS24で変換された画像データと、ステップS23で取得された印刷設定情報のテープT1の長さなどと、に基づいて、印刷部27により、テープT1に画像を印刷(高速印刷)し、カッター273で印刷後のテープT1を切断し(ステップS25)、第1の印刷処理を終了する。ステップS25の高速印刷では、変換後の画像データのドット30aのサブドット31~34の階調値に応じてサーマルヘッド271の各発熱素子にパルスが入力されて通電されテープT1の加熱により印刷される。
【0086】
通常モードである場合(ステップS22;NO)、CPU21は、印刷データから画像データ及び印刷設定情報を取得し、印刷設定情報の画像の大きさ及び位置に基づいて画像データを通常モード用の画像データ(256階調の各ドット30の階調データ)に変換し、取得された印刷設定情報のテープT1の長さなどと、変換された画像データと、に基づいて、印刷部27により、テープT1に画像を印刷(通常印刷)し、カッター273で印刷後のテープT1を切断し(ステップS26)、第1の印刷処理を終了する。ステップS26の通常印刷では、変換後の画像データのドット30の階調値に応じてサーマルヘッド271の各発熱素子にパルスが入力されて通電されテープT1の加熱により印刷される。
【0087】
図10に、本実施の形態の画像データの階調(256階調)に対応する高速印刷モードで印刷物(テープT1)に印刷された画像の印刷濃度を示す。階調に対する印刷濃度は、略リニアックになっていることがわかる。
【0088】
以上、本実施の形態によれば、サーマルプリンタ20は、サーマルヘッド271に発熱素子を有し、発熱素子に通電を行うことによりテープT1に印刷を行うサーマルプリンタである。サーマルプリンタ20は、画像データの画素に対応するそれぞれのドット30を印刷する場合にドット30のそれぞれを主走査方向Yに並ぶサブドットの数と副走査方向Xに並ぶサブドットの数とが等しくなるようにサブドット31~34に分割した面積階調法でドット30aとして階調表現させるとともに、サブドット31~34のそれぞれを印刷する場合に発熱素子への通電時間を時分割的に制御する時分割法で階調表現させるCPU21を備える。CPU21は、副走査方向Xに並ぶサブドット間での割り当て階調の高低関係(サブドット31に割り当てるドット30aの階調(0~63)<サブドット34に割り当てるドット30aの階調(190~252)、主走査方向Yに隣接するサブドット(サブドット31,34に主走査方向Yに隣接するサブドット33,32)間での割り当て階調の高低関係(サブドット33に割り当てるドット30aの階調(127~189)>サブドット32に割り当てるドット30aの階調(64~126))とは異なるように、ドット30の階調表現での大枠表現を面積階調法に割り当てる一方で、ドット30の階調表現での詳細表現(サブドットの階調表現)を時分割法に割り当てる。
【0089】
また、ドット30は、マトリクス状に配置されたサブドット31,32,33,34に分割される。サブドット32は、サブドット31の主走査方向Y及び副走査方向Xの対角方向に配置される。サブドット33は、サブドット31の主走査方向Yに隣接される。サブドット34は、サブドット31の副走査方向Xに隣接される。CPU21は、ドット30(ドット30a)の階調が高くなるにつれて、サブドット31(ドット30a)の階調であるサブ階調を高め(0→63)、サブドット31(ドット30a)のサブ階調が最大値(63)になると、サブドット32のサブ階調を高め(1→63)(ドット30aの階調を64→126)、サブドット32のサブ階調が最大値(63)になると、サブドット33のサブ階調を高め(1→63)(ドット30aの階調を127→189)、サブドット33の階調が最大値(63)になると、サブドット34の階調を高める(1→63)(ドット30aの階調を190→252)。このように、ドット30の階調(0~255)に応じて、ドット30a(階調(0~252))のサブドット31~34の階調が決定される。
【0090】
このため、高速印刷モードでの複数階調の印刷においては、ドット数としては低解像度にはなるが各ドットでの階調数を大凡維持した状態で階調に対する印刷濃度のリニアリティを高くできるとともに(図10)、印刷速度を高速にできる。また、上述のようなサブドット間での階調の高低関係とすることにより、階調表現での大枠表現を面積階調法に割り当てつつも、1ドットサイズの粗大化に伴う視覚的な違和感の発生を抑制することができる。
【0091】
また、CPU21は、PC10の操作部12を介する高速印刷モードと通常モードとの選択操作に応じて、印刷モードを高速印刷モード又は通常モードに設定する。このため、ユーザが、印刷の用途に応じて、低解像度だが印刷速度が比較的高速の高速印刷モードと、高解像度だが印刷速度が比較的低速の高速印刷モードとを、自在に切り替えて印刷できる。
【0092】
(第2の実施の形態)
図11及び図12を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図11は、第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。図12は、第2の印刷処理を示すフローチャートである。
【0093】
上記の第1の実施の形態では、ユーザが通常モード/高速印刷モードを選択入力してサーマルプリンタ20で印刷を行う構成であった。本実施の形態では、サーマルプリンタ20において、高速印刷モードのみで印刷を行う構成である。
【0094】
装置構成としては、第1の実施の形態と同様に、印刷システム1を用いる。ただし、PC10の記憶部15には、第1の印刷指示プログラムP1に代えて、後述する第2の印刷指示処理を実行するための第2の印刷指示プログラムが記憶されているものとする。また、サーマルプリンタ20の記憶部25には、第1の印刷プログラムP2に代えて、後述する第2の印刷処理を実行するための第2の印刷プログラムが記憶されているものとする。
【0095】
つぎに、図11及び図12を参照して、本実施の形態における印刷システム1の動作を説明する。まず、図11を参照して、PC10で実行される第2の印刷指示処理を説明する。あらかじめ、印刷システム1において、PC10とサーマルプリンタ20との無線LAN通信が確立されているものとする。
【0096】
PC10において、例えば、操作部12を介してユーザから、第2の印刷指示処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2の印刷指示プログラムに従い、第2の印刷指示処理を実行する。
【0097】
図11に示すように、第2の印刷指示処理のステップS31~S34は、それぞれ、図6の第1の印刷指示処理のステップS12~S15に対応する。ただし、ステップS34で送信される印刷データには、印刷モードの選択情報が含まれていない。
【0098】
ついで、サーマルプリンタ20で実行される第2の印刷処理を説明する。サーマルプリンタ20において、例えば、通信部26を介して、図11のステップS24で送信された印刷データをPC10から受信開始したことをトリガとして、CPU21は、記憶部25に記憶された第2の印刷プログラムに従い、第2の印刷処理を実行する。
【0099】
図12に示すように、第2の印刷処理のステップS41~S44は、それぞれ、図9の第1の印刷処理のステップS21,S23~S25に対応する。ただし、ステップS41で受信される印刷データには、印刷モードの選択情報が含まれていない。
【0100】
以上、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、複数階調の印刷において、階調に対する印刷濃度のリニアリティを高くできるとともに、各サブドットの階調を低くする(通電時間を短くする)ので、低解像度になるが印刷速度を高速にできる。
【0101】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM、フラッシュメモリなどの記憶部25を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、他の不揮発性メモリ、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0102】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るサーマルプリンタ、印刷方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0103】
上記実施の形態では、サーマルプリンタ20が、電源、無線LANモードに関する最小限のボタンからなる操作部22を有する据付タイプのサーマルプリンタとしたが、これに限定されるものではない。例えば、サーマルプリンタ20が、キーボードなどを有する操作部22を備え、操作部22を介してユーザからの図6の第1の印刷指示処理のステップS11~S13、図11の第2の印刷指示処理のステップS31,S32などの同様の操作入力を受け付けるキーボードタイプの可搬のサーマルプリンタとしてもよい。
【0104】
また、上記第1の実施の形態では、PC10の操作部12を介するユーザからの通常モード/高速印刷モードの選択操作入力に応じて、サーマルプリンタ20のCPU21が、選択された通常モード/高速印刷モードの印刷を行う構成としたが、これに限定されるものではない。また、サーマルプリンタ20の操作部22が、通常モード/高速印刷モードの選択操作入力を受け付ける機能を有し、操作部22を介するユーザからの通常モード/高速印刷モードの選択操作入力に応じて、CPU21が、選択された通常モード/高速印刷モードの印刷を行う構成としてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、高速印刷モードにおけるドット30aのそれぞれを主走査方向Yに並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなるように2×2のサブドット31~34に分割する構成としたが、これに限定されるものではない。各ドット30aにおける主走査方向Yに並ぶサブドットの数と副走査方向に並ぶサブドットの数とが等しくなる構成として、3×3など、他の数の組合せとしてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、サーマルプリンタ20(印刷部27)が、インクリボンを使わないでテープT1に印刷する印刷部としたが、これに限定されるものではなく、インクリボンを用いてテープに印刷する印刷部としてもよい。インクリボン用いた印刷は、発色層を有さないテープ上に、インクリボンの加熱により加熱されたインクを付着して印刷する印刷方式である。また、上記実施の形態では、サーマルプリンタ20(印刷部27)が、白黒印刷を行う構成としたが、これに限定されるものではない。サーマルプリンタ20(印刷部27)が、複数色のインクリボンを用いたカラー印刷を行う構成としてもよい。
【0107】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0108】
1 印刷システム
10 PC
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 バス
20 サーマルプリンタ
21 CPU
22 操作部
23 RAM
24 表示部
25 記憶部
26 通信部
27 印刷部
271 サーマルヘッド
272 プラテンローラ
273 カッター
274 テープアダプタ
275 駆動部
28 検出部
29 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12