(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030318
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】判定対象部材
(51)【国際特許分類】
G01S 13/56 20060101AFI20240229BHJP
B60N 5/00 20060101ALI20240229BHJP
A61G 15/00 20060101ALI20240229BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240229BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01S13/56
B60N5/00
A61G15/00 Z
B60N2/90
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133112
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】池田 純恵
(72)【発明者】
【氏名】早川 修平
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 隆寛
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B088
4C341
5J070
【Fターム(参考)】
3B084JA07
3B084JC01
3B087DE09
3B088QA05
4C341MR12
5J070AE09
5J070AF01
(57)【要約】
【課題】容易な構成で着座などの存在有無の判定を可能とすることが難しい。
【解決手段】検出対象が存在しているか否か判定する対象となる判定対象部材が、予め定められた所定の間隔で電波を発する発信器を備える。また、判定装置500は、判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信する受信部521と、受信部521が電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する判定部522と、を有する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象が存在しているか否か判定する対象となる判定対象部材であって、
予め定められた所定の間隔で電波を発する発信器を備える
判定対象部材。
【請求項2】
前記判定対象部材は人が着座する座部であり、
前記発信器は、座部のうち人が着座した際に人の下方に位置する箇所に備えられている
請求項1に記載の判定対象部材。
【請求項3】
前記発信器は、座部のうち人のお尻が位置する箇所に備えられている
請求項2に記載の判定対象部材。
【請求項4】
前記発信器のうち少なくとも下方側は、電波を遮蔽する遮蔽部材で覆われている
請求項1に記載の判定対象部材。
【請求項5】
前記発信器の他に、所定の間隔で基準となる電波を発する基準発信器を備えている
請求項1に記載の判定対象部材。
【請求項6】
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信する受信部と、
前記受信部が電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する判定部と、
を有する
判定装置。
【請求項7】
前記受信部は、前記発信器が発する電波と、前記判定対象部材に備えられた基準発信器が発する電波と、を受信し、
前記判定部は、前記発信器が発した電波を受信した際の電波強度と、前記基準発信器が発した電波を受信した際の電波強度と、に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
請求項6に記載の判定装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記発信器が発した電波を受信した際の電波強度が所定値未満であり、かつ、前記基準発信器が発した電波を受信した際の電波強度が所定値以上である場合に、前記判定対象部材上に検出対象が存在していると判定する
請求項7に記載の判定装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
判定方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
処理を実現するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定対象部材、判定装置、判定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
椅子に対する着座など、人などの検出対象が椅子やクッションなどの判定対象部材上に存在しているか否かを判定する際に用いられる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、着座検出部を用いて使用者の着座を検出する車椅子が記載されている。また、特許文献1には、着座検知部の具体的な例として、座部や背もたれ部などにリミットスイッチや圧力センサ、荷重センサなどの接触式センサ、赤外線センサや超音波式センサなどを設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のように圧力センサなどの接触式センサを用いた判定を行う場合、椅子やクッションなどに圧力センサなどの接触式センサを組み込むことが必要であり、製作時に手間がかかっていた。また、センサによるセンシング結果を出力するための機構を組み込むことも必要であった。このように、容易な構成で着座などの存在有無の判定を可能とすることが難しい、という課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決する判定対象部材、判定装置、判定方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である判定対象部材は、
検出対象が存在しているか否か判定する対象となる判定対象部材であって、
予め定められた所定の間隔で電波を発する発信器を備える
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の他の形態である判定装置は、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信する受信部と、
受信部が電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する判定部と、
を有する
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態である判定方法は、
情報処理装置が、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
処理を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
上述したような各構成によると、上述した課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の第1の実施形態における判定システムの概要を説明するための図である。
【
図4】判定装置である受信器の構成例を示すブロック図である。
【
図6】受信器の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】椅子が有する構成の他の一例を示す図である。
【
図8】椅子が有する構成の他の一例を示す図である。
【
図9】本開示の第2の実施形態における判定装置の構成例を示すハードウェア図である。
【
図10】判定装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、
図1から
図8までを参照して説明する。
図1は、判定システム100の概要を説明するための図である。
図2は、判定システム100の構成例を示す図である。
図3は、椅子300が有する構成の一例を示す図である。
図4は、判定装置である受信器400の構成例を示すブロック図である。
図5は、判定用情報421の一例を示す図である。
図6は、受信器400の動作例を示すフローチャートである。
図7、
図8は、椅子300が有する構成の他の一例を示す図である。
【0014】
本開示の第1の実施形態においては、受信した電波の強度に基づいて、判定対象部材である座部200に人が着座したか否かを判定する判定システム100について説明する。
図1で例示するように、座部200は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコン信号などの電波を発する発信器210を備えている。このような構成によると、人が座部200に着座していない場合、判定システム100は発信器210が発するビーコン信号などの電波を受信することができる。一方、人が座部200に着座した場合、人体によって電波が吸収される。その結果、判定システム100において受信する電波は弱くなる。判定システム100は、上記のような電波の強度変化に着目することで、電波の強度に基づいて、人が座部200に着座したか否かを判定する。言い換えると、上記のような構成により、判定システム100は、検出対象である人が判定対象部材である座部200上に存在しているか否か判定する。
【0015】
また、
図1で例示するように、座部200は、発信器210の他に、基準となるビーコン信号などの電波を発する基準発信器220を備えることができる。
図1で例示するように、基準発信器220は、座部200の側面など、人が座部200に着座した際も人が位置しない箇所に備えられている。このような構成によると、判定システム100においては、人が座部200に着座したか否かにかかわらず、基準発信器220が発した電波を受信する。判定システム100は、発信器210から受信した電波の強度と基準発信器220から受信した電波の強度とに基づく判定を行うことで、より的確に着座判定を行うことができる。
【0016】
なお、本実施形態においては、検出対象である人の存在を判定する対象となる判定対象部材として、椅子300などに設置することが可能な座部200を用いる場合について例示する。しかしながら、判定対象部材は、座部200以外の直接または間接的に人と接触する部材であってもよい。例えば、判定対象部材は、椅子300の背もたれ、座部200などを備えた椅子300、ベッドなどに設置するマットレス、マットレスを備えたベッド、介護などの際に用いる各種サポート用クッション、そのほか任意の部材であってもよい。判定対象部材は、人などの検出対象と直接当接する部材であってもよいし、任意のカバーなどを介して当接する部材であってもよい。
【0017】
図2は、判定システム100の構成例を示している。
図2を参照すると、例えば、判定システム100は、座部200を設置した椅子300と、受信器400と、を含んでいる。
図2で示すように、受信器400は、座部200が有する発信器210などが発する電波を受信することができる。
【0018】
図3は、座部200及び椅子300のより詳細な構成例を示す側面模式図である。
図3を参照すると、座部200は、椅子300の座面上に設置されている。また、座部200は、発信器210と基準発信器220とを備えている。
【0019】
座部200は、人が着座するクッションである。座部200は、四角いクッションであってもよいし、ドーナツ型や円形など任意の形状を有していてもよい。
図3で例示するように、例えば、座部200は、椅子300上に設置されている。本実施形態の場合、座部200の素材は特に限定しない。例えば、座部200は、ウレタンなどから形成されていてもよいし、複数のポリスチレンビーズを含む、または、エアとシリコンジェルから構成されるなど、1つまたは複数の任意の素材で構成されていてもよい。また、座部200は、任意の素材のカバーなどで覆われていてもよい。
【0020】
発信器210は、ビーコン信号などの人体により減衰する電波を発する装置である。例えば、発信器210は、発信器210のID(identification)を示す情報など識別情報を含む電波を発することができる。発信器210は、1秒ごと、5秒ごと、10秒ごとなど、任意のタイミングで間欠的にビーコン信号などの電波を発する一般的な装置であってよい。
【0021】
例えば、
図1、
図3で例示するように、発信器210は、座部200のうち人が着座した際に人の下方に位置する箇所に備えられている。言い換えると、発信器210は、座部200に人が着座した際に発信器210と受信器400の間に人体が位置するように、座部200のうちの任意の箇所に備えられる。一例として、発信器210は、人が着座した際に人のお尻が位置する箇所など、座部200を椅子300に設置した状態で座部200を上方から見た際に座部200の中央となる箇所付近に備えられる。このような個所に発信器210を設置することで、着座時に人体によってより的確に電波を吸収することができる。なお、発信器210を備える位置は上記例示した以外であってもよい。例えば、発信器210は、人が着座した際に人の太ももが位置する箇所付近など中央以外の箇所に備えられていてもよい。言い換えると、発信器210は、座部200のうち中央よりも人が着座した際に人の足が位置する側に備えられていてもよい。
【0022】
また、例えば、発信器210は、座部200のうち人が着座する面とは反対側の面に備えられている。座部200のうち座部200を椅子300に設置した際に下方となる面上に発信器210を備えることで、人が座部200に座った際に発信器210の存在による異物感を感じにくくすることができる。ただし、発信器210は、座部200のうち人が着座する面上に備えられていてもよいし、例えば、座部200の厚さ方向中ほどなど座部200の中に埋め込まれていてもよい。
【0023】
例えば、以上のように、発信器210は、座部200のうち人が着座した際の人の位置に応じた任意の箇所に備えられている。
【0024】
基準発信器220は、発信器210と同様に、ビーコン信号と同様の基準ビーコン信号などの電波を発する装置である。例えば、基準発信器220は、基準発信器220のIDを示す情報など識別情報を含む電波を発する。基準発信器220は、発信器210と同様に、1秒ごと、5秒ごと、10秒ごとなど、任意のタイミングで間欠的に基準ビーコン信号などの電波を発する一般的な装置であってよい。
【0025】
例えば、
図3で例示するように、基準発信器220は、人が着座した際に人の下方とならない箇所に備えられている。言い換えると、基準発信器220は、座部200に人が着座した際に基準発信器220と受信器400の間に出来るだけ人体が位置しないように、座部200のうちの任意の箇所に備えられる。一例として、基準発信器220は、人が着座した際に人のお尻が位置する箇所よりも背もたれ側に位置する、座部200の側面上などに備えられる。なお、基準発信器220は、人が着座した際に人のお尻が位置する箇所よりも背もたれ側に位置する、人が着座する面上に備えられるなど、上記例示した以外の箇所に備えられていてもよい。
【0026】
例えば、以上のように、基準発信器220は、座部200のうち人が着座した際の人の位置とは異なる任意の箇所に備えられている。なお、基準発信器220は、座部200以外の箇所に備えられていてもよい。例えば、基準発信器220は、椅子300の背もたれ側面など椅子300の任意の箇所に備えられていてもよい。
【0027】
椅子300は、座部200を有しており、座部200上に人が着座可能なよう構成される。椅子300は、座部200を設置可能な一般的なものであってよい。上述したように、座部200の代わりに、椅子300の背もたれ側面などに基準発信器220を備えていてもよい。椅子300は、車椅子など任意の機能を備えたものであってもよい。
【0028】
受信器400は、発信器210や基準発信器220から電波を受信するとともに、受信した電波の強度に基づいて座部200に人が着座したか否かを判定する判定装置として機能する情報処理装置である。例えば、受信器400は、スマートフォンやタブレットなどの一般的な携帯型端末であってよいし、上記例示した以外の情報処理装置であってもよい。
【0029】
図4は、本実施形態に特徴的な受信器400の構成例を示している。
図4を参照すると、受信器400は、主な構成要素として、例えば、通信I/F(interface)部410と、記憶部420と、演算処理部430と、を有している。なお、受信器400は、上記例示した構成の他に、タッチパネル付きのディスプレイ装置やそのほか任意の操作入力部や画面表示部など一般的な構成を有していてよい。
【0030】
通信I/F部410は、データ通信回路などからなる。通信I/F部410は、通信回線を介して接続された外部装置との間でデータ通信を行うことができる。
【0031】
記憶部420は、メモリなどの記憶装置である。記憶部420は、HDD(hard disk drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置を含んでいてもよい。記憶部420は、演算処理部40における各種処理に必要な処理情報やプログラム423を記憶する。プログラム423は、演算処理部430に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム423は、通信I/F部410などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部420に保存されている。記憶部420で記憶される主な情報としては、例えば、判定用情報421、受信情報422などがある。
【0032】
判定用情報421は、発信器210や基準発信器220から受信した電波に基づいて座部200に人が着座したか否かを判定する際に用いる判定基準を示す情報を含んでいる。例えば、判定用情報421は、通信I/F部410を介して外部装置から取得することなどの方法を用いて予め取得されており、記憶部420に格納されている。
【0033】
図5は、判定用情報421の一例を示している。例えば、
図5を参照すると、判定用情報421では、基準ビーコン信号「電波あり」とビーコン信号「電波あり」と判定結果「着座していない」とが関連付けられている。これは、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上である場合に、「着座していない」と判定する旨を意味する。また、判定用情報421では、基準ビーコン信号「電波あり」とビーコン信号「電波なし」と判定結果「着座」とが関連付けられている。これは、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値未満である場合に、「着座」していると判定する旨を意味する。
【0034】
なお、「電波あり」と判定する電波強度の値や「電波なし」と判定する電波強度の値は、任意に設定してよい。例えば、「電波あり」と判定する所定値と「電波なし」と判定する所定値は同じ値であってもよいし、「電波あり」と判定する所定値の方が「電波なし」と判定する所定値よりも大きな値であってもよい。
【0035】
また、上述したように、
図5で例示する場合では、判定用情報421に基準発信器220から受信した基準ビーコン信号の電波強度が含まれている。判定用情報421に基準ビーコン信号の電波強度を含むことで、受信器400を有する人物が単に座部200から離れている状態と着座とを区別して判定することができる。例えば、
図5で例示する場合、基準ビーコン信号「電波なし」とビーコン信号「電波なし」と判定結果「範囲外」とが関連付けられている。従って、基準ビーコン信号もビーコン信号も所定値未満の電波強度で受信している、または、受信できていない場合に、着座と判定するのではなく、座部200から人が離れていると判定することができる。
【0036】
なお、
図5は判定用情報421の一例を示しており、判定用情報421に含まれる情報は
図5で例示した以外であってもよい。例えば、判定用情報421は、1秒など所定時間以内におけるビーコン信号の電波強度が所定値以上下がった場合に着座と判定する旨を示す情報を含むなど、電波強度の変化と判定内容とを関連付けた内容が含まれてもよい。また、判定用情報421には、基準ビーコン信号の電波強度が含まれなくてもよい。判定用情報421に基準ビーコン信号の電波強度が含まれない場合、判定用情報421は、ビーコン信号の電波強度が所定値未満でありビーコン信号「電波なし」と判断される場合に、「着座」していると判定する旨の情報を含んでいてもよい。
【0037】
受信情報422は、受信したビーコン信号の電波強度を示す情報や、受信した基準ビーコン信号の電波強度を示す情報などを含んでいる。受信情報422では、ビーコン信号などを受信した受信時刻と電波強度とが関連付けられるなど、時系列の情報が含まれてよい。例えば、受信情報422は、後述する受信部431がビーコン信号や基準ビーコン信号を受信することなどに応じて更新される。
【0038】
演算処理部430は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部430は、記憶部420からプログラム423を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム423とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部430で実現される主な処理部としては、例えば、受信部431、判定部432、出力部433などがある。
【0039】
なお、演算処理部430は、上述したCPUの代わりに、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを有してもよい。
【0040】
受信部431は、発信器210が発したビーコンなどの電波や基準発信器220が発した基準ビーコン信号などの電波を受信する。また、受信部431は、上記電波を受信した際に受信した電波の強さに応じた電波強度を測定する。そして、受信部431は、測定した電波強度を示す情報を受信情報422として記憶部420に格納する。受信部431は、電波強度示す情報と受信時刻とを関連づけて記憶部420に格納してもよい。
【0041】
判定部432は、受信部431がビーコン信号などの電波を受信した際に測定した電波強度に基づいて、判定対象部材である座部200に人が着座したか否かを判定する。例えば、判定部432は、判定用情報421を参照した結果に応じた判定を行う。
【0042】
例えば、判定部432は、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上である場合に、「着座していない」と判定する。また、判定部432は、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値未満である場合に、「着座」していると判定する。また、判定部432は、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値未満であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値以上である場合に、「判定対象外」であると判定する。また、判定部432は、基準発信器220から基準ビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値未満であり、かつ、発信器210からビーコン信号を受信した際の電波強度が所定値未満である場合に、「範囲外」である、つまり、受信器400を有する人物が座部200から離れていると判定する。
【0043】
例えば、以上のように、判定部432は、ビーコン信号や基準ビーコン信号を受信した際の電波強度に基づいて、座部200に人が着座しているか否かなどを判定する。なお、上述した所定値は任意に設定してよい。
【0044】
なお、判定部432は、上記例示した以外の方法を用いて座部200に人が着座しているか否かなどを判定してもよい。例えば、判定部432は、受信情報422に含まれる時系列の電波強度に基づいて所定の条件を満たす電波強度の変化を検出することで、人が着座した旨を判定するよう構成してもよい。例えば、判定部432は、1秒など所定時間以内におけるビーコン信号の電波強度が所定値以上下がった場合に着座したと判定してもよい。また、判定部432は、基準ビーコン信号の電波強度用いずに、ビーコン信号の電波強度に基づいて座部200に人が着座しているか否かを判定するよう構成してもよい。
【0045】
出力部433は、判定部432による判定結果などを出力する。例えば、出力部433は、通信I/F部410を介して判定結果を外部装置に対して送信したり、画面表示部などに表示させたりすることができる。出力部433は、受信情報422などを出力してもよい。
【0046】
以上が、受信器400の構成例である。続いて、
図6を参照して、受信器400の動作例について説明する。本実施形態で説明する例の場合、発信器210は、予め定められた間隔でビーコン信号などの電波を発している。また、基準発信器220は、予め定められた間隔で基準ビーコン信号などの電波を発している。
【0047】
図6を参照すると、受信部431は、発信器210が発したビーコン信号などの電波や基準発信器220が発した基準ビーコン信号などの電波を受信する。また、受信部431は、上記電波を受信した際に受信した電波の強さに応じた電波強度を測定する(ステップS101)。
【0048】
判定部432は、受信部431がビーコン信号などの電波を受信した際に測定した電波強度に基づいて、判定対象部材である座部200に人が着座したか否かを判定する(ステップS102)。例えば、判定部432は、受信した電波強度が判定用情報421において着座の判定を関連づけられた条件を満たすか否か確認する。
【0049】
条件を満たす場合(ステップS102、Yes)、判定部432は、着座していると判定する(ステップS103)。一方、条件を満たさない場合(ステップS102、NO)、判定部432は、着座していないと判定する。着座の条件を満たさない場合、判定部432は、判定用情報421に含まれるそのほかの条件を満たすか否か確認することで、人が座部200から離れている旨などを判定してもよい。
【0050】
このように、判定システム100は、ビーコン信号などの電波を発する発信器210を有している。このような構成によると、判定システム100は、発信器210が発するビーコン信号などの電波を受信した際に測定した電波強度に基づいて、座部200に人が着座しているか否か判定することができる。ここで、発信器210は既存のものであってよく、座部200に容易に仕込むことができる。また、発信器210からの電波強度に基づく判定を行うため、判定結果を外部へと出力するための構成を新たに備える必要もない。その結果、上記構成によると、容易な構成で着座などの存在有無の判定を行うことができる。
【0051】
また、判定システム100は、基準ビーコン信号を発する基準発信器220を有している。このような構成によると、判定システム100は、発信器210が発するビーコン信号などの電波の電波強度と基準発信器220が発する基準ビーコン信号などの電波の電波強度とに基づいて、座部200に人が着座しているか否か判定することができる。その結果、例えば、人が着座している状態と座部200から人が離れた状態とを容易に判別できるなど、より的確に着座判定を行うことができる。
【0052】
なお、判定システム100の構成は、本実施形態で例示した場合に限定されない。例えば、判定システム100は、基準発信器220を有さなくてもよい。判定システム100が基準発信器220を有さない場合、判定システム100は、発信器210が発したビーコン信号を受信した際の電波強度に基づいて座部200に人が着座したか否か判定するよう構成してよい。
【0053】
また、本実施形態においては、座部200を椅子300上に設置する場合について例示した。しかしながら、座部200は、必ずしも椅子300上に設置されていなくてもよい。換言すると、判定システム100は、椅子300以外の任意の場所に設置された座部200上に人が着座したか否か判定するよう構成することができる。
【0054】
また、
図7は、座部200の変形例を示している。
図7で例示するように、発信器210は、アルミホイルなどの電波を通さない遮蔽部材211で覆うことができる。例えば、
図7で例示するように、遮蔽部材211は、発信器210の下方を少なくとも覆っている。遮蔽部材211は、発信器210の下方に加えて側面を覆っていてもよいし、下方と側面に加えて上方の一部を覆っていてもよい。発信器210を遮蔽部材211で覆うことで、座部200の下方から抜けたビーコン信号などの電波を受信器400で受信してしまうおそれなどを低減させることができる。これにより、より確実な判定を行うことができる。なお、遮蔽部材211は、電波を減衰させる部材や電波を通さない部材であればどのような素材から形成されていてもよい。また、発信器210を遮蔽部材211で覆う代わりに、特定方向に対して指向性を有するビーコン信号などの電波を発する指向性を有する発信器を用いてもよい。
【0055】
また、本実施形態では発信器210の数が1つである場合について例示した。しかしながら、判定システム100は、複数の発信器210を備えていてもよい。例えば、
図8は、座部200が2つの発信器210(発信器210-1、210-2)を備える場合について例示している。例えば、座部200は、人が着座した際に人のお尻が位置する箇所と人の太ももが位置する箇所付近に備えられるなど、複数の箇所に備えられていてもよい。
【0056】
また、本実施形態において、判定システム100は、座部200上に人が着座したか否か判定するとした。しかしながら、判定システム100は、着座以外の検出対象が存するか否かに応じた判定を行ってもよい。例えば、判定システム100は、マットレス上に人が寝ているか否かの判定を行う、マットレスに複数の発信器210を備えることに応じて寝ている箇所の判定を行う、寝返りの判定を行う、サポート用クッションで人のサポートを出来ているか否かの判定を行うなど、着座以外の人の存在に応じた判定を行うよう構成してもよい。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について、
図9、
図10を参照して説明する。
図9は、判定装置500のハードウェア構成例を示す図である。
図10は、判定装置500の構成例を示すブロック図である。
【0058】
本開示の第2の実施形態においては、判定対象部材が備えた発信器が発する電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に人などの検出対象が存在しているか否か判定する判定装置500について説明する。
図9は、判定装置500のハードウェア構成例を示している。
図9を参照すると、判定装置500は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)501(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)502(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)503(記憶装置)
・RAM503にロードされるプログラム群504
・プログラム群504を格納する記憶装置505
・情報処理装置外部の記録媒体510の読み書きを行うドライブ装置506
・情報処理装置外部の通信ネットワーク511と接続する通信インタフェース507
・データの入出力を行う入出力インタフェース508
・各構成要素を接続するバス509
【0059】
なお、判定装置500は、上述したCPUの代わりに、GPU、MPU、FPU、PPU、TPU、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いてもよい。
【0060】
また、判定装置500は、プログラム群504をCPU501が取得して当該CPU501が実行することで、
図10に示す受信部521、判定部522としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群504は、例えば、予め記憶装置505やROM502に格納されており、必要に応じてCPU501がRAM503などにロードして実行する。また、プログラム群504は、通信ネットワーク511を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体510に格納されており、ドライブ装置506が該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
【0061】
なお、
図9は、判定装置500のハードウェア構成例を示している。判定装置500のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、判定装置500は、ドライブ装置506を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0062】
受信部521は、判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信する。
【0063】
判定部522は、受信部521が電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する。
【0064】
このように、判定装置500は、受信部521と判定部522とを有している。このような構成によると、判定部522は、受信部521が電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定することができる。その結果、容易な構成で上記のような判定を行うことができる。
【0065】
なお、上述した判定装置500は、当該判定装置500などの情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、判定装置500などの情報処理装置に、判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する、処理を実現するためのプログラムである。
【0066】
また、上述した判定装置500などの情報処理装置により実行される判定方法は、判定装置500などの情報処理装置が、判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、電波を受信した際の電波強度に基づいて、判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する、という方法である。
【0067】
上述した構成を有する、プログラム、又は、プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体、又は、判定方法、の発明であっても、上述した判定装置500と同様の作用・効果を奏するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0068】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における判定対象部材や判定装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0069】
(付記1)
検出対象が存在しているか否か判定する対象となる判定対象部材であって、
予め定められた所定の間隔で電波を発する発信器を備える
判定対象部材。
(付記2)
前記判定対象部材は人が着座する座部であり、
前記発信器は、座部のうち人が着座した際に人の下方に位置する箇所に備えられている
付記1に記載の判定対象部材。
(付記3)
前記発信器は、座部のうち人のお尻が位置する箇所に備えられている
付記2に記載の判定対象部材。
(付記4)
前記発信器のうち少なくとも下方側は、電波を遮蔽する遮蔽部材で覆われている
付記1に記載の判定対象部材。
(付記5)
前記発信器の他に、所定の間隔で基準となる電波を発する基準発信器を備えている
付記1に記載の判定対象部材。
(付記5-1)
前記判定対象部材は人が着座する座部であり、
前記基準発信器は、座部の側面に備えられている
付記5に記載の判定対象部材。
(付記6)
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信する受信部と、
前記受信部が電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する判定部と、
を有する
判定装置。
(付記6-1)
前記判定部は、前記電波強度が所定値未満である場合に、前記判定対象部材上に検出対象が存在していると判定する
付記6に記載の判定装置。
(付記7)
前記受信部は、前記発信器が発する電波と、前記判定対象部材に備えられた基準発信器が発する電波と、を受信し、
前記判定部は、前記発信器が発した電波を受信した際の電波強度と、前記基準発信器が発した電波を受信した際の電波強度と、に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
付記6に記載の判定装置。
(付記8)
前記判定部は、前記発信器が発した電波を受信した際の電波強度が所定値未満であり、かつ、前記基準発信器が発した電波を受信した際の電波強度が所定値以上である場合に、前記判定対象部材上に検出対象が存在していると判定する
付記7に記載の判定装置。
(付記8-1)
前記判定対象部材は、人が着座する座部であり、
前記判定部は、前記受信部が電波を受信した際の電波強度に基づいて、座部に検出対象である人が着座しているか否か判定する
付記6に記載の判定装置。
(付記9)
情報処理装置が、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
判定方法。
(付記10)
情報処理装置に、
判定対象部材に備えられた発信器が発する電波を受信し、
電波を受信した際の電波強度に基づいて、前記判定対象部材上に検出対象が存在しているか否か判定する
処理を実現するためのプログラム。
【0070】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0071】
100 判定システム
200 座部
210 発信器
211 遮蔽部材
220 基準発信器
300 椅子
400 受信器
410 通信I/F部
420 記憶部
421 判定用情報
422 受信情報
423 プログラム
430 演算処理部
431 受信部
432 判定部
433 出力部
500 判定装置
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 プログラム群
505 記憶装置
506 ドライブ装置
507 通信インタフェース
508 入出力インタフェース
509 バス
510 記録媒体
511 通信ネットワーク
521 受信部
522 判定部