IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図1
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図2
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図3
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図4
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図5
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図6
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図7
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図8
  • 特開-シートカバー及びその製造方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030332
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】シートカバー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/58 20060101AFI20240229BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20240229BHJP
   B60N 2/75 20180101ALN20240229BHJP
【FI】
B60N2/58
A47C31/02 B
A47C31/02 Z
B60N2/75
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133145
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 哲雄
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DC02
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】シートカバーを構成する一つのパーツにおける対向して延びる両端部に配設された縫い代を外観に不具合を生じさせるのを抑制して一方向に倒し込むことが可能なシートカバー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アームレストカバー10は、下面部分12における第3縫い代18と第4縫い代19を裏面B方向に倒し込む綿布15を有する。第3縫い代18は、下面部分12の右端部と右面部分13の下端部と綿布15の右端部が縫い線S3、S5で縫製されて形成されている。第4縫い代19は、下面部分12の左端部と左面部分14の下端部と綿布15の左端部が縫い線S4、S6で縫製されて形成されている。アームレストカバー10は、芯材6に対して被せつけられることで、第3縫い代18と第4縫い代19が綿布15によって下面部分12の芯材6の側の面に当接するように倒し込まれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートカバーを構成する一つのパーツにおける対向して延びる両端部に配設された縫い代を前記一つのパーツの内側方向に倒し込む規制部材を配設したシートカバーであって、
前記縫い代のそれぞれは、前記一つのパーツの縫い代と、前記一つのパーツに隣接する隣接パーツの縫い代と、前記一つのパーツの両端部間の寸法と略同一寸法の前記規制部材の縫い代と、がこの順序に重ね合わされた状態で縫い線により縫製されて一体化されており、
芯材に対して被せつけることで前記縫い代のそれぞれが前記規制部材によって前記縫い線から前記一つのパーツの前記芯材側の面に当接するように倒し込まれるシートカバー。
【請求項2】
請求項1において、前記シートカバーは、筒状をしており、前記一つのパーツは筒軸方向に延びる帯状のものであるシートカバー。
【請求項3】
請求項2のシートカバーの製造方法であって、
前記一つのパーツを含む複数の帯状のパーツを中表状に合わせて筒軸方向に延びる第1縫い線で縫製して筒状とする第1工程と、
展開した前記一つのパーツの上に前記一つのパーツ以外の前記シートカバーの部分である他パーツ部分を中表状に折り畳んで重ねた状態でその上に前記規制部材を重ね合わせて前記一つのパーツの縫い代と前記隣接パーツの縫い代と前記規制部材の縫い代とを第2縫い線により縫製する第2工程と、
前記他パーツ部分を前記一つのパーツと前記規制部材の間から外側に取出すように前記第2縫い線を境に前記規制部材を前記一つのパーツに対して反転させる第3工程と、を有するシートカバーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートカバー及びその製造方法に関する。詳しくは、裏面側に縫い代の倒れる方向を規制する規制部材が設けられたシートカバー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートカバーにおいて、シートカバーを構成するパーツ間を縫製して連結したとき形成される縫い代を一方向に倒し込んでパーツの裏面側に当接した状態に維持することにより縫い代が及ぼす外観の悪化を抑止する構造が採用されることがある。特許文献1に記載されたシートカバーにおいては、一つのパーツの両端部に配置された隣接するパーツとの縫い代において、一つのパーツの側の縫い代だけを一つのパーツの裏側に当接するように倒し込んで維持している。
【0003】
また、図7に示す筒状のシートカバー100においては、対向して紙面垂直方向に延びる一対の第1パーツ101の各端部同士が、対向して紙面垂直方向に延びる一対の第2パーツ102の各端部と縫製されて一体化され筒状に形成されている。さらに、一方の第1パーツ101の裏面側には、第1パーツ101や第2パーツ102より伸びにくい綿布107が配設されている。図7に示すように、4つの縫い代を、第1縫い代103、第2縫い代104、第3縫い代105、第4縫い代106、とする。第1縫い代103と第2縫い代104は、第1パーツ101と第2パーツ102を縫い線Sで縫製したものである。第3縫い代105は、第1パーツ101と、第2パーツ102と、綿布107の一つである綿布107aの一端部側と、を縫い線Sで縫製したものである。第4縫い代106は、第1パーツ101と、第2パーツ102と、綿布107の一つである綿布107bの一端部側と、を縫い線Sで縫製したものである。そして、綿布107aの他端部側と綿布107bの他端部側とは、縫い線Sで縫製されて第5縫い代108を形成している。第5縫い代108で縫い合わされた綿布107aと綿布107bにおける、第3縫い代105の縫い線Sと、第4縫い代106の縫い線Sと、の間の寸法は、一方の第1パーツ101における、第3縫い代105の縫い線Sと、第4縫い代106の縫い線Sと、の間の寸法とほぼ等しく設定されている。これによって、シートカバー100を角柱状の芯材109に被せつけたとき、第3縫い代105と第4縫い代106が第1パーツ101の裏面側に倒れて当接するように、綿布107aと綿布107bは規制部材として機能する。このとき、第5縫い代108は、芯材109の表面に押付けられて倒れた状態となり、縫い線Sの両側に無秩序に倒れて外観に不要な意匠線を現出させたりする不具合が生じていた。
【0004】
シートカバー100の製造方法は、まず、図8に示すように、一対の第1パーツ101と、一対の第2パーツ102と、綿布107a及び綿布107bと、を第1縫い代103、第2縫い代104、第3縫い代105、第4縫い代106を構成するように縫い線Sで縫製し一体化する。次に、図9に示すように、綿布107aの他端部側と綿布107bの他端部側とを縫い線Sで縫製して第5縫い代108を形成する。こうして出来上がったシートカバー100を表裏反転させて芯材109に被せつけると図7に示す状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6981193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に記載されたシートカバーにおいては、一つのパーツの側の縫い代だけを一つのパーツの裏面側に当接するように倒し込んで維持しているので、隣接するパーツの側の縫い代の倒れ方向が規制されず外観に不具合を生じさせるおそれがあった。また、図7に示されるシートカバー100においては、一つのパーツの側の縫い代だけでなく隣接するパーツの側の縫い代も共に倒れ方向が規制されるが、規制部材である綿布同士の縫い代が外観に悪影響を与えたりするおそれがあった。
【0007】
このような問題に鑑み本発明の課題は、シートカバーを構成する一つのパーツにおける対向して延びる両端部に配設された縫い代を外観に不具合を生じさせるのを抑制して一方向に倒し込むことが可能なシートカバー及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1発明は、シートカバーを構成する一つのパーツにおける対向して延びる両端部に配設された縫い代を前記一つのパーツの内側方向に倒し込む規制部材を配設したシートカバーであって、前記縫い代のそれぞれは、前記一つのパーツの縫い代と、前記一つのパーツに隣接する隣接パーツの縫い代と、前記一つのパーツの両端部間の寸法と略同一寸法の前記規制部材の縫い代と、がこの順序に重ね合わされた状態で縫い線により縫製されて一体化されており、芯材に対して被せつけることで前記縫い代のそれぞれが前記規制部材によって前記縫い線から前記一つのパーツの前記芯材側の面に当接するように倒し込まれることを特徴とする。
【0009】
第1発明によれば、シートカバーが芯材に被せつけられたとき、一つのパーツの両端部に配設された縫い代と、隣接パーツの縫い代と、規制部材の縫い代と、がこの順に重ねられて形成された縫い代が、規制部材が両端部の縫い線の間に張設されることにより、規制部材に押圧されてパーツの芯材側の面に当接するように倒し込まれるので、外観に不具合を生じさせるのを抑制することができる。また、規制部材は一枚物で規制部材同士を縫製する縫い代がないので、その存在により外観の不具合を生じさせるおそれがない。
【0010】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記シートカバーは、筒状をしており、前記一つのパーツは筒軸方向に延びる帯状のものであることを特徴とする。
【0011】
第2発明によれば、シートカバーは筒状をしているので芯材に対して被せつけられたとき、一つのパーツと規制部材に働く周方向の張力により、両端部の縫い代が規制部材によって一つのパーツの芯材側の面に当接するように倒し込まれ易い。
【0012】
本発明の第3発明は、上記第2発明のシートカバーの製造方法であって、前記一つのパーツを含む複数の帯状のパーツを中表状に合わせて筒軸方向に延びる第1縫い線で縫製して筒状とする第1工程と、展開した前記一つのパーツの上に前記一つのパーツ以外の前記シートカバーの部分である他パーツ部分を中表状に折り畳んで重ねた状態でその上に前記規制部材を重ね合わせて前記一つのパーツの縫い代と前記隣接パーツの縫い代と前記規制部材の縫い代とを第2縫い線により縫製する第2工程と、前記他パーツ部分を前記一つのパーツと前記規制部材の間から外側に取出すように前記第2縫い線を境に前記規制部材を前記一つのパーツに対して反転させる第3工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
第3発明によれば、単一の規制部材を縫製により取付けた筒状のシートカバーを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態のシートカバーであるアームレストカバーが適用されたアームレストが取付けられた自動車用リアシートの斜視図である。
図2】上記実施形態のアームレストの斜視図である。
図3図2におけるIII-III矢視線断面図である。
図4】上記実施形態のアームレストカバーの製造方法を説明する図である。
図5】上記実施形態のアームレストカバーの製造方法を説明する図である。
図6】上記実施形態のアームレストカバーの製造方法を説明する図である。
図7】従来のシートカバーを説明する図である。図3に対応する図である。
図8】従来のシートカバーの製造方法を説明する図である。
図9】従来のシートカバーの製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図6に基づき、本発明の一実施形態のアームレストカバー10について説明する。この実施形態は、自動車用リアシート1のシートバック3に取付けられたアームレスト4を被覆するアームレストカバー10に本発明を適用した例である。各図において、矢印により自動車用リアシート1を自動車ボデーBOに取付けたときの各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。なお、左右方向がシート幅方向に相当する。ここで、アームレストカバー10が、特許請求の範囲の「シートカバー」に相当する。
【0016】
図1に示すように、自動車用リアシート1はベンチタイプのシートであって、着座部となるシートクッション2と、背凭れとなるシートバック3と、シートバック3に取付けられたアームレスト4と、を備えている。自動車用リアシート1は、自動車ボデーBOに取付けられている。シートバック3の左右方向中央部には、アームレスト4を不使用時に格納する格納凹部5が設けられている。アームレスト4は、格納凹部5内に格納された状態においてその下部が格納凹部5の下部に対して左右方向に延びる回転軸Pを中心に、格納状態と図1に示す使用状態との間で回転可能に支持されている。
【0017】
図2に示すように、使用状態におけるアームレスト4は、前後方向に延びる略四角柱状の芯材6と、芯材6の上から被せつけられたアームレストカバー10と、を有する。芯材6は、骨格としての金属製のフレームをウレタン発泡体製のパッドで覆ったものとして構成され、パッドの外形がアームレスト4の外形をなしている。
【0018】
図3に示すように、アームレストカバー10は、軸方向が前後方向に延びる筒状をしており、上面部分11と、下面部分12と、右面部分13と、左面部分14と、綿布15と、が縫製により一体化されて形成されている。上面部分11、下面部分12、右面部分13、左面部分14とも表面Fの側のファブリックと、裏面Bの側の薄手のウレタンスラブパッドであるカバーパッドと、がラミネートされた面状部材から裁断された部材である。カバーパッドのファブリックと反対側の面には、縫製を容易にするための薄手の裏布がラミネートされている。綿布15は、上面部分11、下面部分12、右面部分13、左面部分14より伸びにくい織布である。上面部分11及び下面部分12と綿布15の左右方向の寸法はほぼ同一に設定されている。上面部分11の右端部と右面部分13の上端部が縫い線S1で縫製されて第1縫い代16が形成され、上面部分11の左端部と左面部分14の上端部が縫い線S2で縫製されて第2縫い代17が形成されている。下面部分12の右端部と右面部分13の下端部が縫い線S3で縫製されて第3縫い代18が形成され、下面部分12の左端部と左面部分14の下端部が縫い線S4で縫製されて第4縫い代19が形成されている。綿布15の右端部が、縫い線S5で第3縫い代18に縫製され、綿布15の左端部が、縫い線S6で第4縫い代19に縫製されている。ここで、下面部分12、右面部分13及び左面部分14、綿布15が、それぞれ特許請求の範囲の「一つのパーツ」、「隣接パーツ」、「規制部材」に相当する。また、縫い線S1~S4が、特許請求の範囲の「第1縫い線」に相当し、縫い線S5とS6が、特許請求の範囲の「第2縫い線」に相当する。
【0019】
図4図6を用いてアームレストカバー10の製造方法について説明する。
【0020】
図4に示すように、第1工程では、まず、上面部分11の右端部と右面部分13の上端部とをそれぞれ表面F同士が当接する中表状に重ね合わせて縫い線S1で縫製して第1縫い代16を形成する。次に、上面部分11の左端部と左面部分14の上端部とをそれぞれ表面F同士が当接する中表状に重ね合わせて縫い線S2で縫製して第2縫い代17を形成する。次に、下面部分12の右端部と右面部分13の下端部とをそれぞれ表面F同士が当接する中表状に重ね合わせて縫い線S3で縫製して第3縫い代18を形成する。次に、下面部分12の左端部と左面部分14の下端部とをそれぞれ表面F同士が当接する中表状に重ね合わせて縫い線S4で縫製して第4縫い代19を形成する。こうして、上面部分11と下面部分12と右面部分13と左面部分14とが一体化されて筒状とされた第1中間体20を製造する。なお、第1縫い代16と第2縫い代17と第3縫い代18と第4縫い代19の形成順序は問わない。
【0021】
図5に示すように、第2工程では、第1中間体20における下面部分12の表面F側上に中間体20における上面部分11と右面部分13と左面部分14を表面F同士が当接する中表状に折り畳んで重ね合わせる。そして、その上から綿布15を被せて綿布15の右端部側を第3縫い代18に対して縫い線S5で縫製するとともに、綿布15の左端部側を第4縫い代19に対して縫い線S6で縫製する。こうして製造されたのが第2中間体21である。
【0022】
図6に示すように、第3工程では、第2中間体21において、綿布15と下面部分12の間に折り畳まれた状態で配置されている上面部分11と右面部分13と左面部分14を下面部分12と綿布15の間から外側に取出すように縫い線S5と縫い線S6を境に綿布15を下面部分12に対して反転させると図6に示すアームレストカバー10が得られる。このアームレストカバー10を表裏反転させて芯材6に被せつけると図3に示す状態となる。
【0023】
以上のように構成される本実施形態は、以下のような作用効果を奏する。アームレストカバー10が芯材6に被せつけられたとき、第3縫い代18と第4縫い代19は、縫い線S5と縫い線S6との間に張設された綿布15によって、下面部分12の裏面Bに当接するように倒し込まれる。これによって、第3縫い代18が縫い線S3の両側に無秩序に倒し込まれて第3縫い代18が下面部分12又は右面部分13を無秩序に押し上げることによる外観不具合を生じさせるのを抑制できる。同様に、第4縫い代19が縫い線S4の両側に無秩序に倒し込まれて第4縫い代19が下面部分12又は左面部分14を無秩序に押し上げることによる外観不具合を生じさせるのを抑制できる。また、綿布15は一枚物で綿布同士を縫製する縫い代がないので、その存在により外観の不具合を生じさせるおそれがない。
【0024】
また、アームレストカバー10は、筒状をしており、上面部分11、下面部分12、右面部分13、左面部分14、綿布15は、いずれも筒軸方向に延びる帯状のものである。これによって、アームレストカバー10が芯材6に被せつけられたとき、上面部分11と下面部分12と右面部分13と左面部分14と綿布15には周方向の張力が働き、第3縫い代18と第4縫い代19が下面部分12の裏面Bに当接するように倒し込まれ易い。
【0025】
アームレストカバー10は、第1工程で、上面部分11、下面部分12、右面部分13、左面部分14、を中表状に合わせて縫い線S1、縫い線S2、縫い線S3、縫い線S4、で縫製する。第2工程で、展開した下面部分12の上に上面部分11、右面部分13、左面部分14を中表状に折り畳んで重ねた状態でその上に綿布15を重ね合わせ、綿布15の右端部を縫い線S5で第3縫い代18に縫製し、綿布15の左端部を縫い線S6で第4縫い代19に縫製する。第3工程で、綿布15と下面部分12の間から上面部分11と右面部分13と左面部分14を外側に取出すように縫い線S5と縫い線S6を境に綿布15を下面部分12に対して反転させる。これによって、アームレストカバー10は、複数の綿布を縫い合わせるといった複雑な手順を要することなく、第1工程から第3工程の簡潔な手順で容易に製造することができる。ここで、上面部分11と右面部分13と左面部分14が、特許請求の範囲の「他パーツ部分」に相当する。
【0026】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
【0027】
1.上記実施形態においては、シートカバーの中のアームレストカバー10に本発明を適用した。しかし、これに限らず、特許請求の範囲における「一つのパーツ」と「規制部材」との間に配置した「他パーツ部分」を縫製後に反転して外部に取出すことができれば、シートクッションカバーの天板部分やシートバックカバーの天板部分等筒状ではない他のシートカバーにも適用可能である。
【0028】
2.上記実施形態においては、「規制部材」として綿布15を用いたが、これに限らず、不織布や樹脂シート等縫製が可能な材料を用いることもできる。
【0029】
3.上記実施形態においては、縫い線S3と縫い線S5、縫い線S4と縫い線S6をそれぞれ別々に縫製するようにした。しかし、これに限らず、縫い線S3と縫い線S4で縫製する際、綿布15を同時に縫製して縫い線S5と縫い線S6を省くこともできる。
【符号の説明】
【0030】
1 自動車用リアシート
4 アームレスト
6 芯材
10 アームレストカバー
11 上面部分(他パーツ部分)
12 下面部分(一つのパーツ)
13 右面部分(隣接パーツ、他パーツ部分)
14 左面部分(隣接パーツ、他パーツ部分)
15 綿布(規制部材)
16 縫い代
17 縫い代
18 縫い代
19 縫い代
20 中間体
21 中間体
B 裏面
F 表面
S1 縫い線
S2 縫い線
S3 縫い線
S4 縫い線
S5 縫い線
S6 縫い線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9