(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030362
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】粉体供給装置及びガラス物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65G 65/40 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B65G65/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133207
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】菖蒲 優介
(72)【発明者】
【氏名】中島 兼二
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA04
3F075CA09
3F075CC07
3F075CD12
3F075DA08
(57)【要約】
【課題】粉体の移送停止時における排出口からの粉体のこぼれ落ちを確実に防止する。
【解決手段】粉体供給装置1は、ホッパ2と、ホッパ2から供給される粉体Pを横方向に移送すると共に下流端に排出口7が形成された移送路4を有するフィーダ3と、移送路4を開閉するゲート部材11と、を備え、ゲート部材11が、移送路4の閉時に上流側から下流側に向かって下降傾斜する傾斜姿勢となるように回転自在に保持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパと、前記ホッパから供給される粉体を横方向に移送すると共に下流端に排出口が形成された移送路を有するフィーダと、前記移送路を開閉するゲート部材と、を備え、
前記ゲート部材は、前記移送路の閉時に上流側から下流側に向かって下降傾斜する傾斜姿勢となるように回転自在に保持されていることを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
前記粉体の移送停止時に、前記ゲート部材が前記移送路の底部に接触して前記移送路を閉じることを特徴する請求項1に記載の粉体供給装置。
【請求項3】
前記粉体の移送停止時に、前記ゲート部材が前記排出口の下端部に接触して前記移送路を閉じることを特徴とする請求項1に記載の粉体供給装置。
【請求項4】
前記粉体の移送停止時における前記ゲート部材の水平面に対する傾斜角度をαとし、前記粉体の安息角をβとした場合、α≦β+30°の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の粉体供給装置。
【請求項5】
前記フィーダは、振動フィーダであることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の粉体供給装置。
【請求項6】
前記粉体は、ガラス原料であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の粉体供給装置。
【請求項7】
請求項6に記載の粉体供給装置が有するフィーダにおける移送路の排出口から落下したガラス原料を計量する計量工程と、前記計量工程で計量されたガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融工程で生成された溶融ガラスを成形する成形工程と、を備えることを特徴とするガラス物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体供給装置のフィーダが備えるゲート部材の改良技術及びその粉体供給装置を用いたガラス物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体供給の分野では、ホッパから供給される粉体を横方向に移送して落下させるための装置として、振動フィーダやスクリューフィーダ等のフィーダを備えた粉体供給装置が使用される。この種の粉体供給装置では、必要量の粉体を正確に落下させるために種々の改良がなされている。
【0003】
その一例として、特許文献1には、振動フィーダの移送路の下流端に扉板を設け、粉体の移送停止時(振動停止時)に扉板により移送路を閉じることで、移送路の排出口から余分な粉体がこぼれ落ちることを防止する技術案が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示の扉板は、粉体の移送停止時に鉛直姿勢となることで移送路を閉じ、排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちを防止するものである(同文献の
図2(b)及び
図5(b)参照)。しかし、扉板が鉛直姿勢で粉体を堰き止めた場合には、安息角を考慮すれば粉体の層が崩れようとする状態になる。このような状態にあれば、粉体の層の重量によって扉板を押し開く方向に強い力が働くため、排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちが依然として生じ得る。
【0006】
以上の観点から、本発明は、粉体の移送停止時における排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちを確実に防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために創案された本発明の第一の側面は、ホッパと、前記ホッパから供給される粉体を横方向に移送すると共に下流端に排出口が形成された移送路を有するフィーダと、前記移送路を開閉するゲート部材と、を備え、前記ゲート部材は、前記移送路の閉時に上流側から下流側に向かって下降傾斜する傾斜姿勢となるように回転自在に保持されていることに特徴づけられる。
【0008】
このような構成によれば、ゲート部材は、回転自在に保持されると共に、移送路の閉時に上述の方向性を有する傾斜姿勢(以下、単に傾斜姿勢という)となる。したがって、粉体の移送を停止した時点では、ゲート部材は、自重による影響を受けて粉体を押し下げて移送路を閉じる。このときは、ゲート部材が傾斜姿勢になっている事から、ゲート部材により堰き止められた粉体の層が崩れ難くなる。このように粉体の層が崩れ難い状態にあれば、堰き止められた粉体の層の重量によってゲート部材を押し開く方向に働く力が弱くなるため、排出口から余分な粉体がこぼれ落ちる事態を確実に防止できる。なお、ゲート部材は、自重のみによって粉体の移送停止時に傾斜姿勢となり得るが、バネ等を用いてゲート部材から粉体の層に作用する押し下げ力を調整するようにしてもよい。
【0009】
(2)上記(1)の構成において、前記粉体の移送停止時に、前記ゲート部材が前記移送路の底部に接触して前記移送路を閉じることが好ましい。
【0010】
このようにすれば、粉体の移送停止時における排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちを適切に防止できる。
【0011】
(3)上記(1)の構成において、前記粉体の移送停止時に、前記ゲート部材が前記排出口の下端部に接触して前記移送路を閉じることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、粉体の移送停止時にはゲート部材が排出口の下端部に接触することになるため、排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちをより確実に防止できる。
【0013】
(4)上記(2)又は(3)の構成において、前記粉体の移送停止時における前記ゲート部材の水平面に対する傾斜角度をαとし、前記粉体の安息角をβとした場合、α≦β+30°の関係を満たすことが好ましい。
【0014】
このようにすれば、粉体の移送停止時におけるゲート部材の傾斜姿勢の角度が安息角を考慮に入れた適切な角度になる。これによっても、排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちをより確実に防止できる。なお、上記の関係は、好ましくは、α≦β+15°であり、より好ましくは、α≦βである。
【0015】
(5)上記(1)~(4)の何れかの構成において、前記フィーダは、振動フィーダであってもよく、また、前記粉体は、ガラス原料であってもよい。
【0016】
(6)上記課題を解決するために創案された本発明の第二の側面は、ガラス物品の製造方法であって、上記(1)~(5)の何れかの構成を備えた粉体供給装置が有するフィーダにおける移送路の排出口から落下した粉体としてのガラス原料を計量する計量工程と、前記計量工程で計量されたガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融工程で生成された溶融ガラスを成形する成形工程と、を備えることに特徴づけられる。
【0017】
このような方法によれば、計量工程でガラス原料の落下量を目標量に一致させる際の精度が高められるため、計量工程及びその後の溶融工程や成形工程が円滑に行われ得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、粉体の移送停止時における排出口からの余分な粉体のこぼれ落ちを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の全体構成を示す縦断側面である。
【
図2】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の構成要素であるゲート部材の周辺構造を示す要部斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の要部を拡大して示す縦断側面である。
【
図4】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の要部を拡大して示す縦断側面である。
【
図5】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の第一の変形例の要部を拡大して示す縦断側面である。
【
図6】本発明の実施形態に係る粉体供給装置の第二の変形例の要部を拡大して示す縦断側面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る粉体供給装置及びガラス物品の製造方法について添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、粉体供給装置1の全体構成を示す縦断側面図である。同図に示すように、粉体供給装置1は、ホッパ2と、ホッパ2の下部に配備されたフィーダ3とを備える。
【0022】
ホッパ2は、内部空間に粉体Pを貯留するものである。本実施形態では、粉体Pは、ガラス原料であるが、これに限定されない。ガラス原料は、所望の組成のガラスを得るために複数の品種や銘柄を混合した混合原料に限らず、混合前の単一の品種や銘柄からなる単一原料であってもよい。ホッパ2の下端には、粉体Pをフィーダ3内に供給する供給口2aが形成されている。ホッパ2の内部空間には、歯車などの攪拌機構(図示略)を配備することが好ましい。
【0023】
フィーダ3は、ホッパ2から供給される粉体Pを横方向(好ましくは水平方向)に移送する移送路4と、移送路4を形成する移送路壁5に振動を付与する加振手段6とを備える。フィーダ3は、本実施形態では振動フィーダである。したがって、粉体Pは、振動により下流側(矢印A方向側)に向かって移送される。
【0024】
移送路壁5は、横方向に沿う底壁部5aと、縦方向に沿う二つの側壁部5bと、その上方を覆うと共に横方向に沿う蓋からなる上壁部5cとで構成されている。したがって、移送路4の通路断面は矩形状を呈している。なお、底壁部5aと二つの側壁部5bとは一体形成されているが、蓋(上壁部5c)は側壁部5bから取り外しが可能である。
【0025】
移送路4の下流端には、粉体Pを排出する排出口7が形成されている。本実施形態では、排出口7に連通する落下案内路8が設けられている。落下案内路8を形成する案内路壁9は、上部延長壁部9aと、二つの側部延長壁部9bと、第一端壁部9cと、第二端壁部9dとから構成されている。上部延長壁部9aは、上壁部5cから下流側に向かって延び出している。二つの側部延長壁部9bはそれぞれ、二つの側壁部5bから下流側に向かって延び出し且つその延び出し部から下方に向かって延び出している。第一端壁部9cは、上部延長壁部9a及び二つの側部延長壁部9bのそれぞれの下流側端部に接続されている。第二端壁部9dは、底壁部5aの下流端から下方に向かって延び出し且つ二つの側部延長壁部9bの下方への延び出し部の上流側端部に接続されている。
【0026】
落下案内路8の下方には、粉体Pの落下量を計量する計量器10が配備されている。したがって、移送路4の排出口7から排出されて落下した粉体Pは、計量器10に供給される。そして、粉体Pの落下量が目標量に一致したことを計量器10が示した場合には、そのことがセンサや作業者によって検出され、加振手段6からフィーダ3の移送路壁5に付与される振動が停止する。この振動の停止と同時に移送路4内での粉体Pの移送が停止する。
【0027】
移送路4には、板状のゲート部材(フラップゲート)11が配設されている。ゲート部材11は、上流側から下流側に向かって下降傾斜する傾斜姿勢(以下、単に傾斜姿勢という)に保持されている。詳しくは、ゲート部材11は、
図1に実線で示すように移送路4をその下流側端部で閉じるとき及び同図に鎖線で示すように開くときの何れの場合も、傾斜姿勢に保持される。ゲート部材11は、各種金属や樹脂などで形成することができるが、本実施形態では、ステンレス鋼で形成されている。
【0028】
ゲート部材11は、例えば
図2に示す態様で取り付けられている。同図に示すように、ゲート部材11の上端部(上流側端部)には、軸受部材12が装着され、この軸受部材12の軸孔に支持軸13が挿通されている。支持軸13は、二本の上下方向に延びる支柱14の下端に固定されている。二本の支柱14は、上壁部5cを貫通した状態で上壁部5cに固定されている。これにより、ゲート部材11は、移送路4の上部に位置する支持軸13の廻りに回転自在に保持され、自重によって傾斜姿勢となる。
【0029】
図3は、移送路壁5の振動が停止することで移送路4内での粉体Pの移送が停止したときの状態を示す要部拡大縦断側面図である。同図に示すように、粉体Pの移送停止時には、自重によってゲート部材11が支持軸13の廻りに時計方向Cに回転することで、同図に示すようにゲート部材11の下端部11aが移送路4の底面4aの下流側端部に接触する。詳しくは、ゲート部材11の下端部11aが、移送路4の底面4aの下流端4aa、すなわち排出口7の下端に接触する。
【0030】
このときのゲート部材11の水平面に対する傾斜角度をαとし、粉体Pの安息角をβとした場合、α≦β+30°の関係を満たしている。このような関係にあれば、移送が停止されることでゲート部材11により堰き止められた粉体Pの層が崩れ難くなる。このように粉体Pの層が崩れ難い状態にあれば、堰き止められた粉体Pの層の重量によってゲート部材11を押し開く方向に働く力が弱くなる。この結果、排出口7から余分な粉体がこぼれ落ちて計量器10に供給される事態を確実に防止できる。この事を勘案すれば、上記の関係は、より好ましくはα≦β+15°であり、さらに好ましくはα≦βである。なお、ガラス原料の場合、粉体Pの安息角は例えば10°~40°である。
【0031】
図4は、移送路壁5が振動することで移送路4内で粉体Pが移送されるときの状態を示す要部拡大縦断側面図である。同図に示すように、粉体Pの移送時には、粉体Pが振動により強制的に下流側に向かって移送されるため、ゲート部材11の下面11bに粉体Pからの押し上げ力が作用する。これにより、ゲート部材11は、自重に抗して支持軸13の廻りに反時計方向Dに回転する。その結果、ゲート部材11は、同図に示すような態様で押し開かれた状態になる。このときは、ゲート部材11の水平面に対する傾斜角度が、上述の移送停止時の傾斜角度αよりもさらに小さくなる。そのため、移送される粉体Pの層に対しては移送方向と対向する方向にゲート部材11から強い力が作用しなくなる。換言すれば、粉体Pの移送を阻害する方向に作用するゲート部材11からの力が弱くなる。これにより、排出口7からの粉体Pの落下が円滑に行われ、単位時間あたりの粉体Pの供給量(排出口7からの粉体Pの落下量)にバラツキが生じ難くなる。その結果、当該供給量を安定化させることができる。
【0032】
次に、本発明の実施形態に係るガラス物品の製造方法について説明する。
【0033】
このガラス物品の製造方法は、計量工程と、溶融工程と、成形工程と、を備える。計量工程は、上述のフィーダ3における移送路4の排出口7から落下した粉体Pとしてのガラス原料を計量する工程である。溶融工程は、計量工程で計量されたガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する工程である。成形工程は、溶融工程で生成された溶融ガラスを成形する工程である。成形工程では、例えばオーバーフロー法によりガラスリボンが成形される。成形されたガラスリボンから切り出されたガラス板は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといったディスプレイにおいて、基板やカバーとして用いられる。
【0034】
このガラス物品の製造方法によれば、計量工程でガラス原料の落下量を目標量に一致させる際の精度が高められるため、ガラス組成のばらつきが小さく、高品質なガラス物品を得ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施形態に係る粉体供給装置1及びガラス物品の製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々のバリエーションが可能である。
【0036】
上記実施形態では、粉体Pが移送路4内で充満又はほぼ充満する場合(大量移送を行う場合)を例示したが、粉体Pの少量移送や微量移送を行う場合は、
図5に示すように、粉体Pの層と移送路4の上面4bとの間に大きな隙間が設けられる。この場合は、移送路4における粉体Pの移送方向中間位置に、粉体Pの供給量を調整するためのじゃま板などを設けることが好ましい。
【0037】
上記実施形態では、粉体Pの移送停止時に、ゲート部材11の下端部11aが排出口7の下端4aaに接触する場合を例示したが、
図5に示すように、ゲート部材11の下端部11aが、移送路4の底面4aの下流端(排出口7の下端)4aaよりも上流側の位置で接触するようにしてもよい。余分な粉体のこぼれ落ちをより確実に防止する観点では、ゲート部材11が排出口7の下端4aaに接触することが好ましい。
【0038】
図6に示すように、粉体Pの移送停止時に、ゲート部材11の下面11bが排出口7の下端4aaに接触するようにしてもよい。ゲート部材11の下端部11aが排出口7の下端4aaに接触する場合、ゲート部材11に位置ずれが発生すると、ゲート部材11の下端部11aが排出口7の下端4aaに接触することなく、移送路4の底面4aの下流端に接触する場合がある。ゲート部材11の下面11bが排出口7の下端4aaに接触するようにすれば、ゲート部材11に位置ずれが発生しても、ゲート部材11を排出口7の下端4aaに接触させることができる。このため、ゲート部材11の下面11bを排出口7の下端4aaに接触させることが好ましい。
【0039】
上記実施形態では、ゲート部材11が、自重のみによって粉体Pの移送停止時に傾斜姿勢となるようにしたが、バネ等を用いてゲート部材11から粉体Pの層に作用する押し下げ力を調整するようにしてもよい。また、押し下げ力を調整するために、ゲート部材11が、錘を備えてもよい。さらに、質量の異なる複数種のゲート部材11を準備し、ゲート部材11を交換することで押し下げ力を調整してもよい。
【実施例0040】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。下記の表1は、実施例1及び実施例2並びに比較例を示すものである。いずれの試験でも、粉体Pは、ガラス原料である塩化バリウムを用い、その安息角βは20°であった。目標量は3kgとし、許容範囲は±0.02kgとした。各試験で10000回の計量を行い、許容範囲を超えた回数の発生頻度を算出した。下記の表1中、「ゲート部材の角度α」とは、既述の
図3に示すゲート部材11の傾斜角度αを意味している。
【0041】
【0042】
上記の表1によれば、比較例では、許容範囲を超えた回数の発生頻度が0.05%となった。実施例1及び実施例2では、ゲート部材11を傾斜姿勢とすることにより、発生頻度を低減できた。実施例1では、実施例2と比べ、ゲート部材11の傾斜角度αを安息角βに近づけることにより、計量誤差が許容範囲を超えることなく、全く問題が生じなかった。なお、以上の結果を考慮すれば、ゲート部材の角度αがβ+15°よりも大きくても、90°よりも適度に小さい角度、例えばβ+30°であれば、計量誤差が小さくなって問題が生じなくなると推認できる。