(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030370
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/387 20060101AFI20240229BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240229BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240229BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B41J29/387
G06F3/12 303
G06F3/12 367
G06F3/12 373
G06F3/12 374
G06F3/12 385
H04N1/00 127A
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133218
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 啓
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ08
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV22
2C061HV32
2C061HV35
2C061HV44
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC34
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】利用者から印刷命令を受信するプリントサーバと、プリントサーバから受信した印刷命令に係る印刷処理を実行する画像形成装置とを備えるプリントシステムにおいて、プリントサーバが印刷処理に係る課金処理を実行できなくなることを抑制する。
【解決手段】プリントサーバ14は、印刷期限が設定された印刷ジョブ24をユーザ端末12から受信する。プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、印刷ジョブ24の印刷期限に達すると、当該印刷ジョブ24を削除する。画像形成装置16の印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から取得した印刷ジョブ24をメモリ48に記憶させる。印刷制御部56は、ユーザからの実行指示に応じて、印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行する。印刷制御部56は、印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後においてユーザから当該印刷ジョブ24の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行しない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信可能であり、
前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行しない、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限に達した場合に、前記メモリから当該印刷命令を削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷命令の前記印刷期限は、前記プリントサーバが当該印刷命令を受け付けてから所定時間後であり、
前記所定時間は、前記プロセッサから前記プリントサーバに送信される時間指示情報に基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷命令には、前記印刷期限よりも前の時点である通知期限が設定されており、
前記プロセッサは、
前記印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者の通知先を示す通知先情報を前記プリントサーバから受信し、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記通知期限に達するまでに、当該印刷命令の実行指示を受け付けなかった場合は、前記通知先情報に基づいて、当該印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者への通知を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記通知を受けた前記利用者からの指示に応じて、当該印刷命令の前記印刷期限を延長する期限延長指示を前記プリントサーバへ送信する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータに、
利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信させ、
前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行させない、
ことを特徴とする画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が印刷命令(印刷ジョブ)をプリントサーバ(例えばクラウドサーバ)へ送信し、画像形成装置がプリントサーバから印刷ジョブを取得して、利用者からの印刷指示に応じて当該印刷ジョブに係る印刷処理を実行するプリントシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、印刷ジョブをスプールして管理するプリントサーバと、画像処理装置とを備えるプリントシステムであって、画像処理装置が印刷ジョブの処理結果をプリントサーバへ通知し、当該印刷ジョブの処理結果に基づいて、プリントサーバがスプールされた当該印刷ジョブを削除するプリントシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プリントサーバが利用者から受信した印刷命令を画像形成装置に送信して、当該画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理を実行するプリントシステムにおいて、プリントサーバが、画像形成装置からの印刷処理の実行完了の通知に基づいて、当該印刷処理に係る課金処理を実行する場合がある。
【0006】
ここで、プリントサーバが、印刷命令の受付から所定時間、当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合に、スプールしておいた印刷命令を削除する処理を行うことを考える。この場合、プリントサーバが当該印刷命令を削除する前に、当該印刷命令が画像形成装置に送信され、プリントサーバが印刷命令を受け付けてから所定時間経過後に(つまりプリントサーバから当該印刷命令が削除された後に)、画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が実行される場合が考えられる。
【0007】
そうすると、画像形成装置からプリントサーバに対して、当該印刷処理の実行完了の通知が行われるのであるが、プリントサーバにおいては当該印刷命令が既に削除されてしまっている。したがって、プリントサーバは、当該印刷処理に係る印刷命令を特定することができずに、当該印刷処理に係る課金処理を行うことができなくなる、という問題が生じ得る。
【0008】
本発明の目的は、利用者から印刷命令を受信するプリントサーバと、プリントサーバから受信した印刷命令に係る印刷処理を実行する画像形成装置とを備えるプリントシステムにおいて、プリントサーバが印刷処理に係る課金処理を実行できなくなることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信可能であり、前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行しない、ことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限に達した場合に、前記メモリから当該印刷命令を削除する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記印刷命令の前記印刷期限は、前記プリントサーバが当該印刷命令を受け付けてから所定時間後であり、前記所定時間は、前記プロセッサから前記プリントサーバに送信される時間指示情報に基づいて決定される、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記印刷命令には、前記印刷期限よりも前の時点である通知期限が設定されており、前記プロセッサは、前記印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者の通知先を示す通知先情報を前記プリントサーバから受信し、前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記通知期限に達するまでに、当該印刷命令の実行指示を受け付けなかった場合は、前記通知先情報に基づいて、当該印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者への通知を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、前記通知を受けた前記利用者からの指示に応じて、当該印刷命令の前記印刷期限を延長する期限延長指示を前記プリントサーバへ送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、コンピュータに、利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信させ、前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行させない、ことを特徴とする画像形成プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2、又は6に係る発明によれば、利用者から印刷命令を受信するプリントサーバと、プリントサーバから受信した印刷命令に係る印刷処理を実行する画像形成装置とを備えるプリントシステムにおいて、プリントサーバが印刷処理に係る課金処理を実行できなくなることを抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、所定時間を可変とすることができる。
請求項4に係る発明によれば、ユーザは、特定印刷命令に係る印刷処理が実行できなくなる前に通知を受けることができる。
請求項5に係る発明によれば、ユーザは、特定印刷命令に係る印刷処理が実行できなくなるまでの時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの構成概略図である。
【
図2】本実施形態に係るプリントサーバの構成概略図である。
【
図3】サーバ側期限管理テーブル及び装置側期限管理テーブルの内容の例を示す概念図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成装置の構成概略図である。
【
図5】本実施形態に係る画像形成装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像形成システム10の構成概略図である。画像形成システム10は、1又は複数の利用者としてのユーザが使用する1又は複数のユーザ端末12、プリントサーバ14、及び、1又は複数の画像形成装置16を含んで構成される。ユーザ端末12、プリントサーバ14、及び画像形成装置16は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信回線18を介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
ユーザ端末12は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどのコンピュータであるが、これらに限られるものではない。ユーザ端末12は、通信回線18を介してプリントサーバ14及び画像形成装置16と通信するための通信インターフェース、ユーザの命令を受け付けるための入力インターフェース、種々の画面を表示するディスプレイ、データを記憶するためのメモリ、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0014】
図2は、プリントサーバ14の構成概略図である。プリントサーバ14は、1つのコンピュータによって構成されてもよいし、複数のコンピュータの協働によって構成されてもよい。プリントサーバ14は、ユーザ端末12から印刷命令としての印刷ジョブを受信して管理する。さらに、プリントサーバ14は、当該印刷ジョブを取得した画像形成装置16において当該印刷ジョブに係る印刷処理が完了した場合に、当該印刷処理に係る課金処理を実行する。以下、
図2を参照しつつ、プリントサーバ14の詳細を説明する。
【0015】
通信インターフェース20は、NIC(Network Interface Card)などから構成される。通信インターフェース20は、通信回線18を介してユーザ端末12及び画像形成装置16と通信する機能を発揮する。
【0016】
メモリ22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
図2に示すように、メモリ22には、ユーザ端末12から受信した印刷ジョブ24及びサーバ側期限管理テーブル26が記憶される。
【0017】
図3は、サーバ側期限管理テーブル26の内容の例を示す図である。サーバ側期限管理テーブル26においては、印刷ジョブ24を一意に識別するジョブIDと、当該印刷ジョブ24の印刷期限が関連付けられて記憶されている。すなわち、印刷ジョブ24には、印刷期限が設定されている。
【0018】
印刷期限は、例えば、プリントサーバ14がユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点から第1所定時間後(例えば3日後)というように、画一的に定められていてよい。詳しくは後述するように、当該第1所定時間は、画像形成装置16からの要求に応じて可変であってもよい。あるいは、ユーザが、印刷ジョブ24に係る印刷設定を行う際に、当該印刷ジョブ24の印刷期限を個別的に設定するようにしてもよい。
【0019】
後述するように、プリントサーバ14は、印刷ジョブ24に係る印刷処理が完了していなくても、当該印刷ジョブ24の印刷期限に達した場合は、当該印刷ジョブ24をメモリ22から削除する。
【0020】
また、好適には、サーバ側期限管理テーブル26においては、ジョブIDに対して通知期限が関連付けられているとよい。すなわち、印刷ジョブ24には、通知期限が設定されているとよい。ある印刷ジョブ24の通知期限は、当該印刷ジョブ24の印刷期限よりも前の時点となっている。通知期限も、例えば、印刷期限の第2所定時間前(例えば1日前)というように、画一的に定められていてよい。こちらも詳しくは後述するように、当該第2所定時間はユーザからの指示に応じて可変であってもよい。あるいは、ユーザが、印刷ジョブ24に係る印刷設定を行う際に、当該印刷ジョブ24の通知期限を個別的に設定するようにしてもよい。
【0021】
さらに、好適には、サーバ側期限管理テーブル26においては、ジョブIDに対して、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの通知先を示す通知先情報が関連付けられているとよい。すなわち、印刷ジョブ24には、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの通知先情報が関連付けられているとよい。プリントサーバ14のメモリ22には、ユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザの通知先情報とが関連付けられたユーザDB(不図示)が記憶されており、印刷ジョブ管理部30は、印刷ジョブ24の受信に先立つユーザ認証処理により特定されたユーザIDと、当該ユーザDBとに基づいて、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの通知先情報を特定することができる。あるいは、ユーザが、印刷ジョブ24と共に、自らの通知先をプリントサーバ14に送信するようにしてもよい。
図3の例では、通知先情報としてユーザのメールアドレスとなっているが、通知先情報はこれには限られない。
【0022】
プロセッサ28は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ28としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
図2に示す通り、プロセッサ28は、印刷ジョブ管理部30及び課金処理部32としての機能を発揮する。
【0023】
印刷ジョブ管理部30は、印刷ジョブ24の管理に関する処理を実行する。例えば、印刷ジョブ管理部30は、ユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信すると、当該印刷ジョブ24をメモリ22に記憶させると共に、当該印刷ジョブ24のジョブIDを採番し、当該ジョブIDと印刷期限とを関連付けてサーバ側期限管理テーブル26に追加する。上述のように、印刷ジョブ管理部30は、ジョブIDに対して、さらに、通知期限及び通知先情報を関連付けてサーバ側期限管理テーブル26に追加してもよい。
【0024】
また、印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16に印刷ジョブ24を送信する。本実施形態では、後述するように、画像形成装置16が定期的に(例えば1分おきに)、未だ画像形成装置16に送信されていない印刷ジョブ24(本明細書では「未送信の印刷ジョブ24」と呼ぶ)がメモリ22に記憶されているか否かをプリントサーバ14に問い合わせをする(本明細書ではこの処理を「ポーリング」と呼ぶ)。印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16からのポーリングに対して、未送信の印刷ジョブ24がメモリ22に記憶されていれば、当該印刷ジョブ24を画像形成装置16に送信する。なお、画像形成装置16からのポーリングに依らず、印刷ジョブ管理部30は、ユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した後、直ちに当該印刷ジョブ24を画像形成装置16に送信するようにしてもよい。印刷ジョブ管理部30は、印刷ジョブ24を画像形成装置16に送信した後においても、当該印刷ジョブ24をメモリ22に保持しておく。当該印刷ジョブ24が画像形成装置16に送信済であることを識別すべく、送信済みの印刷ジョブ24には送信済フラグを付しておくとよい。
【0025】
プリントサーバ14が複数の画像形成装置16に対応している場合には、印刷ジョブ24には、ユーザなどにより指定された、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行すべき画像形成装置16を示す情報が付加されている。また、この場合、画像形成装置16は、ポーリングと共に自装置を識別する装置IDを送信する。印刷ジョブ管理部30は、ポーリングを受けた画像形成装置16を示す情報が付された未送信の印刷ジョブ24を当該画像形成装置16に送信すればよい。
【0026】
画像形成装置16は、プリントサーバ14から取得した印刷ジョブ24に係る印刷処理が完了すると、当該印刷ジョブ24のジョブID及び印刷完了通知をプリントサーバ14に送信する。課金処理部32は、画像形成装置16からジョブID及び印刷完了通知を受信すると、受信したジョブIDに基づいてメモリ22に記憶されている印刷ジョブ24を特定する。そして、課金処理部32は、特定した印刷ジョブ24の印刷属性(印刷用紙サイズ、印刷枚数、色設定(白黒/カラーなど))に応じた、プリントサーバ14に送信したユーザに対して、当該印刷ジョブ24の印刷処理に係る課金処理を実行する。課金処理は従来の種々の方法で行うことができるため、課金処理の詳細な説明は省略する。
【0027】
課金処理部32による課金処理が完了後、印刷ジョブ管理部30は、当該印刷ジョブ24をメモリ22から削除すると共に、当該印刷ジョブ24に係るレコードをサーバ側期限管理テーブル26から削除する。
【0028】
上述の通り、印刷ジョブ24には印刷期限が設けられている。印刷ジョブ管理部30は、印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されずに当該印刷ジョブ24の印刷期限に到達した場合、当該印刷ジョブ24をメモリ22から削除する。したがって、仮に、印刷ジョブ管理部30が、ある印刷ジョブ24の印刷期限前に当該印刷ジョブ24を画像形成装置16に送信し、当該印刷ジョブ24の印刷期限に達したことで当該印刷ジョブ24を削除し、その後、印刷期限が徒過してから画像形成装置16において当該印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されたとすると、課金処理部32は、既に当該印刷ジョブ24は削除されているため、画像形成装置16から印刷完了通知と共に受信したジョブIDが示す印刷ジョブ24を特定することができなくなる。これにより、課金処理部32は課金処理ができなくなってしまう。本実施形態に係る画像形成システム10においては、このように課金処理が不可能となってしまうことを抑制する。
【0029】
図4は、画像形成装置16の構成概略図である。画像形成装置16は、画像を紙などの印刷媒体に印刷する印刷(プリント)機能を有する装置である。画像形成装置16は、例えば複合機やプリンタなどである。
【0030】
通信インターフェース40は、例えばNICを含んで構成される。通信インターフェース40は、通信回線18を介してユーザ端末12及びプリントサーバ14と通信する機能を発揮する。
【0031】
入力インターフェース42は、例えば各種ボタンやタッチパネルを含んで構成される。入力インターフェース42は、ユーザからの指示を画像形成装置16に入力するために用いられる。
【0032】
ディスプレイ44は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルを含んで構成される。ディスプレイ44には、後述のプロセッサ52の制御に従って、種々の画面が表示される。
【0033】
印刷部46は、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタなどであり、プリントサーバ14から取得した印刷ジョブ24に基づいて、紙などの印刷媒体に画像を形成する印刷処理を行う。印刷部46がレーザプリンタの場合、印刷部46は、例えば、感光体ドラム、帯電ローラ、転写ローラ、定着ローラ、及びトナーなどから構成される。印刷部46がインクジェットプリンタである場合、印刷部46は、ノズル、帯電電極版、偏向電極版、及びインクなどから構成される。
【0034】
メモリ48は、HDD、SSD、eMMC、ROM、あるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ48には、画像形成装置16の各部を動作させるための画像形成プログラムが記憶される。なお、画像形成プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。画像形成装置16は、そのような記憶媒体から画像形成プログラムを読み取って実行することができる。また、
図4に示すように、メモリ48には、プリントサーバ14から取得した印刷ジョブ24及び装置側期限管理テーブル50が記憶される。装置側期限管理テーブル50の内容としては、
図3に示したサーバ側期限管理テーブル26と同等であってよい。装置側期限管理テーブル50へのデータの追加方法は、プロセッサ52(特に印刷ジョブ処理部54)の処理と共に後述する。
【0035】
プロセッサ52は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPUなど)、及び、専用の処理装置(例えばGPU、ASIC、FPGA、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ52としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ52は、画像形成装置16の各部を制御する。特に、プロセッサ52は、メモリ48に記憶された画像形成プログラムによって、印刷ジョブ処理部54、印刷制御部56、及び通知処理部58としての機能を発揮する。
【0036】
印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から印刷ジョブ24及び当該印刷ジョブ24のジョブIDを取得する。本実施形態では、印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14に対して定期的に(例えば1分毎に)ポーリングを行うことで、プリントサーバ14から印刷ジョブ24及び当該印刷ジョブ24のジョブIDを取得する。印刷ジョブ処理部54は、取得した印刷ジョブ24をメモリ48に記憶させる。
【0037】
印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した印刷ジョブ24の印刷期限を、プリントサーバ14から受信した当該印刷ジョブ24のジョブIDに関連付けて装置側期限管理テーブル50に記憶させる。プリントサーバ14がユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点から第1所定時間後、というように印刷期限が設定されている場合、印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から印刷ジョブ24を受信した時点から当該第1所定時間後を当該印刷ジョブ24の印刷期限とすることができる。厳密には、プリントサーバ14がユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点と、画像形成装置16がプリントサーバ14から当該印刷ジョブ24を受信した時点とは互いに異なる時点となり得る。しかしながら、本実施形態では、印刷ジョブ処理部54は、1分毎などのかなり短い時間毎にプリントサーバ14に対してポーリングを行っている。したがって、プリントサーバ14がユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点と、画像形成装置16がプリントサーバ14から当該印刷ジョブ24を受信した時点とを同時点とみなすことができ、すなわち、当該印刷ジョブ24の印刷期限を、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14から受信した時点から当該第1所定時間後とすることができる。
【0038】
ユーザによって印刷ジョブ24の印刷期限が個別的に設定されている場合は、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16からのポーリングに応じて、印刷ジョブ24と共に当該印刷ジョブ24の印刷期限を画像形成装置16に送信する。印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した情報に基づいて、当該印刷ジョブ24の印刷期限を特定することができる。
【0039】
好適には、印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した印刷ジョブ24の通知期限を、当該印刷ジョブ24のジョブIDに関連付けて装置側期限管理テーブル50に記憶させる。印刷期限の第2所定時間前、というように通知期限が設定されている場合、印刷ジョブ処理部54は、上述のように特定した、印刷ジョブ24の印刷期限の第2所定時間前を当該印刷ジョブ24の通知期限とすることができる。また、ユーザによって印刷ジョブ24の通知期限が個別的に設定されている場合は、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16からのポーリングに応じて、印刷ジョブ24と共に当該印刷ジョブ24の通知期限を画像形成装置16に送信する。印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した情報に基づいて、当該印刷ジョブ24の通知期限を特定することができる。
【0040】
さらに、好適には、印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの通知先情報を、当該印刷ジョブ24のジョブIDに関連付けて装置側期限管理テーブル50に記憶させる。プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16からのポーリングに応じて、印刷ジョブ24と共に当該印刷ジョブ24に関連付けられた通知先情報を画像形成装置16に送信する。印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から受信した情報に基づいて、当該印刷ジョブ24に関連付けられた通知先情報を特定することができる。
【0041】
上述のように、プリントサーバ14がユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点から第1所定時間後、というように印刷期限が設定されている場合、画像形成装置16からの要求に応じて、当該第1所定時間が可変であるとよい。この場合、画像形成装置16の管理者又はユーザは、予め、画像形成装置16に所望の第1所定時間を指示しておく。その上で、印刷ジョブ処理部54は、ポーリングの際に、指示された第1所定時間を示す時間指示情報も併せてプリントサーバ14に送信する。これにより、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、ユーザ端末12から印刷ジョブ24を受信した時点から、画像形成装置16から受信した時間指示情報が示す第1所定時間後の時点を、当該印刷ジョブ24の印刷期限とすることができる。また、画像形成装置16の印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14から印刷ジョブ24を受信した時点から、画像形成装置16の管理者又はユーザから指示された第1所定時間後の時点を、当該印刷ジョブ24の印刷期限とすることができる。
【0042】
印刷制御部56は、印刷ジョブ24に係る印刷処理を印刷部46に実行させる(便宜上、印刷制御部56が印刷処理を実行する、という表現をする)。印刷制御部56は、プリントサーバ14から印刷ジョブ24を受信した後、すぐには当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行せず、当該印刷ジョブ24をメモリ48に保持しておく。印刷制御部56は、プリントサーバ14から印刷ジョブ24を受信した後、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザから、メモリ48に記憶された当該印刷ジョブ24を指定した上での実行指示があった場合に、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行する。ユーザからの実行指示は、例えば入力インターフェース42から入力される。印刷ジョブ24に係る印刷処理が完了した後、印刷制御部56は、当該印刷ジョブ24のジョブID及び印刷完了通知をプリントサーバ14に送信すると共に、当該印刷ジョブ24をメモリ48から削除し、当該印刷ジョブ24に係るレコードを装置側期限管理テーブル50から削除する。
【0043】
上述の通り、印刷ジョブ24には印刷期限が設けられているところ、印刷制御部56は、印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後において、当該印刷ジョブ24の実行指示を受け付けた場合には、当該印刷ジョブに係る印刷処理を実行しない。
【0044】
本実施形態では、印刷制御部56は、印刷ジョブ24の印刷期限に達した場合に、当該印刷ジョブ24をメモリ48から削除する。これにより、ユーザは、印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後においては、当該印刷ジョブ24の実行指示を画像形成装置16に入力できなくなるから、当該印刷ジョブ24の印刷処理が実行されることがなくなる。
【0045】
あるいは、印刷制御部56は、印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後においても当該印刷ジョブ24をメモリ48に保持した上で、ユーザから入力された当該印刷ジョブ24の実行指示を無視して、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行しないようにしてもよい。
【0046】
上述のように、印刷ジョブ24の印刷期限に達した場合、プリントサーバ14のメモリ22から当該印刷ジョブ24が削除される。その後に当該印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行された場合に、当該印刷ジョブ24に係る課金処理ができなくなるのが問題であった。本実施形態によれば、印刷制御部56は、印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後において当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行しない。したがって、プリントサーバ14の課金処理部32が、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理の課金処理を実行できなくなることが抑制される。
【0047】
通知処理部58は、プリントサーバ14から受信した印刷ジョブ24の通知期限に達するまでに、当該印刷ジョブ24の実行指示をユーザから受け付けなかった場合は、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14へ送信したユーザへの通知を行う。具体的には、通知処理部58は、印刷ジョブ24の通知期限に達した場合、装置側期限管理テーブル50を参照し、装置側期限管理テーブル50において当該印刷ジョブ24のジョブIDに関連付けられた通知先情報を特定する。その上で、特定した通知先情報に通知を送信する。上述の通り、通知期限は、印刷期限よりも前の時点に設定される。したがって、ユーザは、印刷期限が徒過する前に通知を受けることができる。
【0048】
通知を受けたユーザが、印刷期限を延長することを望む場合も考えられる。この場合、ユーザは、ユーザ端末12から通信インターフェース40を介して、あるいは、入力インターフェース42から、印刷ジョブ24を選択した上で、当該印刷ジョブ24の印刷期限を延長するための期限延長指示を画像形成装置16に入力する。期限延長指示には、当該印刷ジョブ24の新たな印刷期限(もちろん元の印刷期限よりも後の時点を示すもの)を示す情報が含まれる。
【0049】
そして、印刷ジョブ処理部54は、期限延長指示に基づいて、装置側期限管理テーブル50における、当該印刷ジョブ24の印刷期限を更新する。印刷期限の第2所定時間前、というように通知期限が設定されている場合、当該印刷ジョブ24の通知期限も共に更新するようにしてもよい。
【0050】
さらに、印刷ジョブ処理部54は、当該印刷ジョブ24のジョブID及び期限延長指示をプリントサーバ14に送信する。プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、受信した期限延長指示に基づいて、サーバ側期限管理テーブル26における、当該印刷ジョブ24の印刷期限を更新する。印刷期限の第2所定時間前、というように通知期限が設定されている場合、当該印刷ジョブ24の通知期限も共に更新するようにしてもよい。
【0051】
また、印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信するユーザが、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行せずに当該印刷ジョブ24の印刷期限に達した場合に、課金されてもよいと判断した場合、ユーザは、当該印刷ジョブ24に課金許可指示を付与してプリントサーバ14に送信する。
【0052】
課金処理部32は、課金許可指示が付与された印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されずに当該印刷ジョブ24の印刷期限に到達した場合、当該印刷ジョブ24に係る課金処理を実行する。また、画像形成装置16の印刷制御部56は、課金許可指示が付与された印刷ジョブ24については、当該印刷ジョブ24の印刷期限の徒過後においても、ユーザからの実行指示を受け付ける。つまり、この場合は、印刷期限の徒過後においても、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理が可能となる。
【0053】
なお、課金許可指示を付した印刷ジョブ24に係る印刷処理を行わなかった場合、ユーザには、印刷処理を実行していない印刷ジョブ24に係る課金が行われることになる。したがって、課金処理部32は、課金許可指示が付与された印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されずに当該印刷ジョブ24の印刷期限に到達して課金処理を行った場合、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの他の印刷ジョブ24との間で、課金を相殺するようにしてもよい。具体的には、あるユーザが、ある印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送り、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されずに課金された後、同一ユーザが、当該印刷ジョブと同じような印刷属性を有する他の印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行させた場合、課金処理部32は、後の印刷ジョブ24に係る印刷処理については課金しないようにする。
【0054】
本実施形態に係る画像形成システム10の構成概要は以上の通りである。以下、
図5に示すフローチャートに従って、画像形成装置16の処理の流れを説明する。
【0055】
ステップS10において、印刷ジョブ処理部54は、プリントサーバ14に対してポーリングを行う。
【0056】
ステップS12において、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、画像形成装置16に送信していない未送信の印刷ジョブ24がメモリ22に記憶されているか否かを判定する。記憶されている場合はステップS14に進み、記憶されていない場合にはステップS14~S16をバイパスしてステップS18に進む。
【0057】
ステップS14において、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、未送信の印刷ジョブ24、当該印刷ジョブ24のジョブID、及び、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザの通知先情報を画像形成装置16に送信する。これにより、印刷ジョブ処理部54は、印刷ジョブ24、当該印刷ジョブ24のジョブID、及び、通知先情報を取得する。印刷ジョブ処理部54は、取得した印刷ジョブ24をメモリ48に記憶させる。
【0058】
ステップS16において、印刷ジョブ処理部54は、ステップS14で取得した印刷ジョブ24の印刷期限を取得する。例えば、印刷ジョブ24の受信時点から第1所定時間後を印刷期限とする。また、印刷ジョブ処理部54は、ステップS14で取得した印刷ジョブ24の通知期限を取得する。例えば、印刷期限の第2所定時間前を通知期限とする。そして、印刷ジョブ処理部54は、ステップS14で取得したジョブID、印刷期限、通知期限、及び、ステップS14で取得した通知先情報を関連付けて装置側期限管理テーブル50に追加する。
【0059】
ステップS18において、印刷制御部56は、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザから実行指示を受け付けたか否かを判定する。ユーザから実行指示を受け付けた場合はステップS20に進み、ステップS20において、印刷制御部56は、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理を実行する。なお、当該印刷処理の完了後、印刷制御部56は、当該印刷ジョブ24のジョブID及び印刷完了通知をプリントサーバ14に送信する。これを受けて、プリントサーバ14の課金処理部32において当該印刷ジョブ24に係る課金処理が実行される。
【0060】
ユーザから実行指示を受け付けていない場合は、ステップS22に進む。
【0061】
ステップS22において、通知処理部58は、装置側期限管理テーブル50を参照し、メモリ48に記憶された印刷ジョブ24の中に、通知期限に達した印刷ジョブ24が有るか否かを判定する。通知期限に達した印刷ジョブ24がある場合はステップS24に進み、ない場合はステップS24をバイパスしてステップS26に進む。
【0062】
ステップS24において、通知処理部58は、装置側期限管理テーブル50を参照し、当該印刷ジョブ24のジョブIDに関連付けられている通知先情報を特定し、特定した通知先情報に基づいて、当該印刷ジョブ24をプリントサーバ14に送信したユーザに対して通知を行う。
【0063】
ステップS26において、印刷制御部56は、装置側期限管理テーブル50を参照し、メモリ48に記憶された印刷ジョブ24の中に、印刷期限に達した印刷ジョブ24が有るか否かを判定する。印刷期限に達した印刷ジョブ24がある場合はステップS28に進み、ない場合はステップS28をバイパスしてステップS30に進む。
【0064】
ステップS28において、印刷制御部56は、ステップS26にて印刷期限に達したと判定された印刷ジョブ24をメモリ48から削除する。これにより、以後、当該印刷ジョブ24に係る印刷処理が実行されることはない。これと共に、プリントサーバ14の印刷ジョブ管理部30は、当該印刷ジョブ24をメモリ22から削除する。
【0065】
ステップS30において、画像形成装置16の電源がONである場合はステップS32に進む。ステップS32において、印刷ジョブ処理部54は、微小時間(例えば1分)待機し、その後ステップS10に戻る。画像形成装置16の電源がOFFとなった場合は処理を終了する。
【0066】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0067】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信可能であり、
前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行しない、
ことを特徴とする画像形成装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限に達した場合に、前記メモリから当該印刷命令を削除する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像形成装置。
(((3)))
前記印刷命令の前記印刷期限は、前記プリントサーバが当該印刷命令を受け付けてから所定時間後であり、
前記所定時間は、前記プロセッサから前記プリントサーバに送信される時間指示情報に基づいて決定される、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像形成装置。
(((4)))
前記印刷命令には、前記印刷期限よりも前の時点である通知期限が設定されており、
前記プロセッサは、
前記印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者の通知先を示す通知先情報を前記プリントサーバから受信し、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記通知期限に達するまでに、当該印刷命令の実行指示を受け付けなかった場合は、前記通知先情報に基づいて、当該印刷命令を前記プリントサーバへ送信した利用者への通知を行う、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像形成装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記通知を受けた前記利用者からの指示に応じて、当該印刷命令の前記印刷期限を延長する期限延長指示を前記プリントサーバへ送信する、
ことを特徴とする(((4)))に記載の画像形成装置。
(((6)))
コンピュータに、
利用者から受信した、印刷期限が設定された印刷命令を保持し、当該印刷命令を取得した画像形成装置において当該印刷命令に係る印刷処理が完了した場合に当該印刷処理に係る課金処理を実行し、前記印刷期限に達するまでに当該印刷命令に係る印刷処理が実行されなかった場合は当該印刷命令を削除するプリントサーバと通信させ、
前記プリントサーバから前記印刷命令を受信してメモリに記憶させ、
前記プリントサーバから受信した前記印刷命令の前記印刷期限の徒過後において、当該印刷命令の実行指示を受け付けた場合は、当該印刷命令に係る印刷処理を実行させない、
ことを特徴とする画像形成プログラム。
【0068】
(((1)))、(((2)))、又は(((6)))に係る発明によれば、利用者から印刷命令を受信するプリントサーバと、プリントサーバから受信した印刷命令に係る印刷処理を実行する画像形成装置とを備えるプリントシステムにおいて、プリントサーバが印刷処理に係る課金処理を実行できなくなることを抑制することができる。
(((3)))に係る発明によれば、第1所定時間を可変とすることができる。
(((4)))に係る発明によれば、ユーザは、特定印刷命令に係る印刷処理が実行できなくなる前に通知を受けることができる。
(((5)))に係る発明によれば、ユーザは、特定印刷命令に係る印刷処理が実行できなくなるまでの時間を延長することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 画像形成システム、12 ユーザ端末、14 プリントサーバ、16 画像形成装置、18 通信回線、20,40 通信インターフェース、22,48 メモリ、24 印刷ジョブ、26 サーバ側期限管理テーブル、28,52 プロセッサ、30 印刷ジョブ管理部、32 課金処理部、42 入力インターフェース、44 ディスプレイ、46 印刷部、54 印刷ジョブ処理部、56 印刷制御部、58 通知処理部。