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  • 特開-ステアリング 図1
  • 特開-ステアリング 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030374
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ステアリング
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/04 20060101AFI20240229BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20240229BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B62D1/04
B60R16/027 T
H01H36/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133222
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優樹
(72)【発明者】
【氏名】長倉 寿典
【テーマコード(参考)】
3D030
5G046
【Fターム(参考)】
3D030DB13
5G046AA01
5G046AC24
5G046AD22
5G046AE05
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減する。
【解決手段】ステアリング10では、リム部10Bとスポーク部10Cとにセンサシート18が一体にされて設けられており、乗員によるステアリング10の把持と乗員によるスイッチ24の操作とがセンサシート18によって検出される。このため、部品点数を低減できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に設けられる外周部と、
前記外周部より内周側に設けられる内周部と、
前記外周部と前記内周部とに一体にされて設けられ、乗員による把持と乗員による機器操作とを検出する検出部と、
を備えるステアリング。
【請求項2】
前記検出部に設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、
前記検出部に前記把持検出部と別々に設けられ、乗員による機器操作を検出する操作検出部と、
を備える請求項1記載のステアリング。
【請求項3】
前記外周部及び前記内周部において前記検出部が乗員による把持を検出する請求項1記載のステアリング。
【請求項4】
前記内周部及び前記外周部において前記検出部が乗員による機器操作を検出する請求項1記載のステアリング。
【請求項5】
前記外周部と前記内周部とに一体にされて設けられ、前記検出部を支持する支持部材を備える請求項1記載のステアリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員による把持と乗員による機器操作とを検出するステアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のステアリングホイールでは、センサが運転者による把持を検出すると共に、操作部が運転者による機器操作を検出する。
【0003】
ここで、このステアリングホイールでは、センサと操作部とが別々に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-61761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、部品点数を低減できるステアリングを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のステアリングは、外周に設けられる外周部と、前記外周部より内周側に設けられる内周部と、前記外周部と前記内周部とに一体にされて設けられ、乗員による把持と乗員による機器操作とを検出する検出部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のステアリングは、本発明の第1態様のステアリングにおいて、前記検出部に設けられ、乗員による把持を検出する把持検出部と、前記検出部に前記把持検出部と別々に設けられ、乗員による機器操作を検出する操作検出部と、を備える。
【0008】
本発明の第3態様のステアリングは、本発明の第1態様又は第2態様のステアリングにおいて、前記外周部及び前記内周部において前記検出部が乗員による把持を検出する。
【0009】
本発明の第4態様のステアリングは、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのステアリングにおいて、前記内周部及び前記外周部において前記検出部が乗員による機器操作を検出する。
【0010】
本発明の第5態様のステアリングは、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのステアリングにおいて、前記外周部と前記内周部とに一体にされて設けられ、前記検出部を支持する支持部材を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様のステアリングでは、外周に外周部が設けられると共に、外周部より内周側に内周部が設けられる。
【0012】
ここで、外周部と内周部とに検出部が一体にされて設けられており、乗員による把持と乗員による機器操作とを検出部が検出する。このため、部品点数を低減できる。
【0013】
本発明の第2態様のステアリングでは、検出部に把持検出部と操作検出部とが別々に設けられており、乗員による把持を把持検出部が検出すると共に、乗員による機器操作を操作検出部が検出する。このため、乗員による把持と乗員による機器操作とを検出できる。
【0014】
本発明の第3態様のステアリングでは、外周部及び内周部において、検出部が乗員による把持を検出する。このため、外周部及び内周部に対する乗員による把持を検出できる。
【0015】
本発明の第4態様のステアリングでは、内周部及び外周部において、検出部が乗員による機器操作を検出する。このため、内周部のみならず、外周部においても、乗員による機器操作を検出できる。
【0016】
本発明の第5態様のステアリングでは、外周部と内周部とに支持部材が一体にされて設けられており、支持部材が検出部を支持する。このため、構成を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るステアリングを示す車両後側から見た正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るステアリングの検出装置を示す断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るステアリングの検出装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るステアリング10(ステアリングホイール)が車両後側から見た正面図にて示されている。なお、図面では、車両右側を矢印RHで示し、上側を矢印UPで示し、ステアリング10の周方向を矢印Cで示し、ステアリング10の径方向外側を矢印OUTで示している。
【0019】
本実施形態に係るステアリング10は、車両後側において車両の運転席に対向されており、ステアリング10は、運転席に着座する乗員(運転者、接触者)の車両前側に配置されている。
【0020】
図1に示す如く、ステアリング10の中央部分には、内周部を構成する中央部としてのボス部10Aが設けられており、ステアリング10の外周部分には、外周部としての正面視円環状で断面略円状のリム部10Bが設けられている。ボス部10Aとリム部10Bとの間には、内周部を構成する接続部としてのスポーク部10Cが3個設けられており、スポーク部10Cは、ボス部10Aから車両左側、車両右側及び下側に延出されて、リム部10Bと接続されている。
【0021】
ボス部10Aは、車両における支持部としての円柱状のステアリングシャフト12の車両後側端(上側端)に固定されており、ステアリングシャフト12は、リム部10Bと同軸上に配置されている。ステアリング10は、ステアリングシャフト12に一体回転可能に支持されており、乗員が特にリム部10Bを把持してステアリング10を周方向に回転させることで、ステアリングシャフト12が中心軸線周りに回転されて、車両が操舵される。
【0022】
ステアリング10の車両左側部及び車両右側部には、それぞれ、検出装置14(図2参照)が設けられており、車両左側の検出装置14と車両右側の検出装置14とは、ステアリング10の回転中心における車両左右方向に垂直な面に対し面対称な構成にされている。
【0023】
検出装置14には、支持部材としての板状の意匠パネル16が設けられており、意匠パネル16は、樹脂製にされて、絶縁性及び可撓性を有している。
【0024】
意匠パネル16のステアリング10径方向外側の部分は、外支持部としての略長尺矩形状の外パネル16Aにされており、外パネル16Aの表側面は、リム部10Bの車両左側部又は車両右側部の車両後側面(意匠面)を構成している。外パネル16Aは、ステアリング10の周方向(リム部10Bの長手方向)に長尺にされており、外パネル16Aは、車両左側又は車両右側のスポーク部10Cに対しステアリング10周方向の上側及び下側に延出されている。また、外パネル16Aは、リム部10Bの周方向(長手方向周り)に沿って湾曲されている。
【0025】
意匠パネル16のステアリング10径方向内側の部分は、内支持部としての略矩形状の内パネル16Bにされており、内パネル16Bの表側面は、車両左側又は車両右側のスポーク部10Cの車両後側面(意匠面)を構成している。
【0026】
意匠パネル16の裏側面の略全体には、検出部としてのシート状のセンサシート18が貼付けられており、センサシート18は、リム部10B及びスポーク部10Cを構成している。センサシート18は、所謂FPC(Flexible Printed Circuits)にされて、可撓性を有しており、センサシート18は、意匠パネル16の湾曲部分において、意匠パネル16と共に湾曲されている。
【0027】
センサシート18のリム部10B構成部分には、表側端部において、把持検出部としてのフィルム状のセンサ電極20が設けられており、センサ電極20は、センサシート18のリム部10B構成部分の略全体に配置されている。
【0028】
センサシート18のスポーク部10C構成部分には、表側端部において、操作検出部としてのフィルム状のスイッチ電極22が所定数(本実施形態では2個)設けられており、意匠パネル16のスイッチ電極22表側の部分は、操作部としてのスイッチ24にされている。
【0029】
センサシート18のセンサ電極20及びスイッチ電極22のそれぞれは、車両の制御装置26に電気的に接続されており、制御装置26には、車両の機器28(例えば、エアコンディショナ、オーディオ、又は、ナビゲーション装置等)が電気的に接続されている。
【0030】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0031】
以上の構成のステアリング10では、乗員の手がリム部10Bを把持して、検出装置14におけるセンサシート18のセンサ電極20と乗員の手との間の静電容量が把持閾値以上にされた場合に、乗員の手によるリム部10Bの把持が検出される。
【0032】
また、乗員の手が検出装置14における意匠パネル16のスイッチ24を操作して、検出装置14におけるセンサシート18のスイッチ電極22と乗員の手との間の静電容量が操作閾値(把持閾値よりも小さい閾値)以上にされた場合には、乗員の手によるスイッチ24の操作が検出されて、制御装置26の制御により、機器28が操作される。
【0033】
ここで、リム部10Bとスポーク部10Cとにセンサシート18が一体にされて設けられており、乗員によるステアリング10の把持と乗員によるスイッチ24の操作(機器28の操作)とがセンサシート18によって検出される。このため、センサシート18がリム部10Bとスポーク部10Cとに別々に設けられる場合とは異なり、部品点数を低減できると共に、センサ電極20とスイッチ電極22とをより近付けて配置できる。
【0034】
さらに、センサシート18にセンサ電極20とスイッチ電極22とが別々に設けられており、乗員によるステアリング10の把持をセンサ電極20が検出すると共に、乗員によるスイッチ24の操作をスイッチ電極22が検出する。このため、乗員によるステアリング10の把持と乗員によるスイッチ24の操作とを検出できる。
【0035】
また、リム部10Bとスポーク部10Cとに意匠パネル16が一体にされて設けられており、意匠パネル16にセンサシート18が貼付けられて、意匠パネル16がセンサシート18を支持している。このため、構成を簡単にできる。
【0036】
なお、本実施形態では、意匠パネル16が可撓性を有することで、意匠パネル16の外パネル16Aが変形されて湾曲される。しかしながら、意匠パネル16が可撓性を有さなくてもよく、この場合、意匠パネル16の外パネル16Aが湾曲された形状に成形されてもよい。
【0037】
[第2実施形態]
図3には、本発明の第2実施形態に係るステアリング50(ステアリングホイール)の検出装置14が断面図にて示されている。
【0038】
本実施形態に係るステアリング50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0039】
図3に示す如く、本実施形態に係るステアリング50の検出装置14では、意匠パネル16に、内パネル16Bのみが設けられて、外パネル16Aは設けられていない。
【0040】
検出装置14には、外パネル16Aに代えて、皮革52が設けられており、皮革52は、シート状にされて、可撓性を有している。皮革52は、リム部10Bの周方向に沿って湾曲されており、皮革52の表側面は、リム部10Bの周方向全体(スポーク部10Cとの接続部分を除く)の外周面(意匠面)を構成している。皮革52の裏側面には、センサシート18のリム部10B構成部分が貼付けられており、センサシート18は、皮革52と共に湾曲されている。
【0041】
ここで、本実施形態でも、リム部10Bとスポーク部10Cとに意匠パネル16が一体にされて設けられることによる作用効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、意匠パネル16の外パネル16Aが車両左側又は車両右側のスポーク部10Cに対しステアリング10周方向の上側及び下側に延出される。しかしながら、意匠パネル16の外パネル16Aが車両左側又は車両右側のスポーク部10Cに対しステアリング10周方向の上側及び下側の少なくとも一方に延出されなくてもよい。
【0043】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態において、リム部10Bにおけるセンサシート18のみならず、スポーク部10Cにおけるセンサシート18にも、センサ電極20が設けられてもよい。これにより、リム部10B及びスポーク部10Cにおいてセンサ電極20が乗員による把持を検出でき、リム部10B及びスポーク部10Cに対する乗員による把持を検出できる。
【0044】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態において、スポーク部10Cにおけるセンサシート18のみならず、リム部10Bにおけるセンサシート18にも、スイッチ電極22が設けられてもよい。これにより、スポーク部10C及びリム部10Bにおいてスイッチ電極22が乗員によるスイッチ24の操作を検出でき、スポーク部10Cのみならず、リム部10Bにおいても、乗員によるスイッチ24の操作を検出できる。
【0045】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態において、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分におけるセンサシート18にセンサ電極20が設けられてもよい。これにより、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分においてセンサ電極20が乗員によるステアリング10の把持を検出でき、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分における乗員によるステアリング10の把持を検出できる。
【0046】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態において、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分におけるセンサシート18にスイッチ電極22が設けられてもよい。これにより、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分においてスイッチ電極22が乗員によるスイッチ24の操作を検出でき、リム部10Bとスポーク部10Cとの境界部分における乗員によるスイッチ24の操作を検出できる。
【0047】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、センサシート18がリム部10Bの車両後側部分を構成する。しかしながら、センサシート18がリム部10Bのステアリング10、50径方向内側部分を構成してもよい。この場合、例えば、センサシート18のリム部10B構成部分が車両前側部分と車両後側部分とに分岐される。
【0048】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態において、センサシート18におけるセンサ電極20のみならずスイッチ電極22によって乗員の手によるステアリング10、50の把持が検出されてもよく、乗員の手によるステアリング10、50の把持の検出がスイッチ電極22によって補助されてもよい。この場合、例えば、センサ電極20と乗員の手との間の静電容量が把持閾値未満であっても、センサ電極20と乗員の手との間の静電容量が把持閾値よりも小さい第1閾値以上であると共に、スイッチ電極22と乗員の手との間の静電容量が第2閾値以上である場合に、乗員の手によるステアリング10、50の把持が検出される。
【0049】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、検出装置14が静電容量センサにされる。しかしながら、検出装置14が例えば圧電センサにされてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10・・・ステアリング、10A・・・ボス部(内周部)、10B・・・リム部(外周部)、10C・・・スポーク部(内周部)、16・・・意匠パネル(支持部材)、18・・・センサシート(検出部)、20・・・センサ電極(把持検出部)、22・・・スイッチ電極(操作検出部)、50・・・ステアリング
図1
図2
図3