(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030405
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240229BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240229BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240229BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240229BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20240229BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
F21S2/00 340
F21V5/04 650
F21V7/28 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133280
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】天野 裕高
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA23
2K203FA32
2K203FA44
2K203GA02
2K203GA23
2K203GA36
2K203GB04
2K203HA02
2K203HA22
2K203HA35
2K203HA36
2K203HA43
2K203HA63
2K203MA04
(57)【要約】
【課題】光源の光利用効率を向上できる、プロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、非直線偏光の第1光を射出する光源と、第1光を所定の直線偏光に変換する偏光変換ユニットと、所定の直線偏光を変調する液晶パネルを含む光変調装置と、偏光変換ユニットから入射する所定の直線偏光を液晶パネルに重畳させる重畳光学系と、を備える。偏光変換ユニットは、第1光を第2光と第3光とに分離する偏光分離部と位相差プレートとを有する。偏光分離部は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレートおよび反射プレートを含み、偏光分離プレートは、第1光の主光線に対して傾いた状態に設けられ、第1光のうちの第1直線偏光成分を第2光として重畳光学系に向けて透過させるとともに第1光のうちの第2直線偏光成分を第3光として反射することで第1光を分離し、反射プレートは第3光を重畳光学系に向けて反射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非直線偏光である第1光を射出する光源と、
前記光源から入射する前記第1光を所定の直線偏光に変換する偏光変換ユニットと、
前記偏光変換ユニットで変換された前記所定の直線偏光を変調する液晶パネルを含む光変調装置と、
前記偏光変換ユニットから入射する前記所定の直線偏光を前記液晶パネルに重畳させる重畳光学系と、を備え、
前記偏光変換ユニットは、前記第1光を偏光成分に基づいて第2光と第3光とに分離する偏光分離部と、前記第2光および前記第3光の偏光方向を前記所定の直線偏光に揃える位相差プレートと、を有し、
前記偏光分離部は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレートおよび反射プレートを含み、
前記偏光分離プレートは、前記第1光の主光線に対して傾いた状態に設けられ、前記第1光のうちの第1直線偏光成分を前記第2光として前記重畳光学系に向けて透過させるとともに前記第1光のうちの前記第1直線偏光成分と異なる偏光方向の第2直線偏光成分を前記第3光として反射することで前記第1光を分離し、
前記反射プレートは、前記偏光分離プレートから入射される前記第3光を前記重畳光学系に向けて反射する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記反射プレートで反射された前記第3光の光路に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートを透過した前記第2光の光路に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面を有し、
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートの前記光入射面に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記反射プレートは、前記第3光を反射する光反射面を有し、
前記位相差プレートは1/4波長板で構成され、前記反射プレートの前記光反射面に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面と前記第2光を射出する光射出面とを有し、
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートの前記光射出面に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面を有し、
前記反射プレートは、前記第3光を反射し、前記光入射面と平行である光反射面を有し、
前記光入射面および前記光反射面と前記第1光の主光線とがなす角度が45°である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項8】
一対の前記偏光変換ユニットが、前記光源の光軸に沿う仮想軸に対して線対称となるように配置され、
一対の前記偏光変換ユニットの各々において、前記偏光分離プレートは前記反射プレートよりも前記仮想軸の近くに配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記重畳光学系と前記光変調装置との間に設けられ、前記重畳光学系から射出された光を平行化する平行化光学系をさらに備え、
前記平行化光学系は、フレネルレンズで構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記重畳光学系は、前記偏光変換ユニットから射出された前記第2光が入射する第1光学部材と、前記偏光変換ユニットから射出された前記第3光が入射する第2光学部材と、を有し、
前記第1光学部材から射出された前記第2光の主光線と前記第2光学部材から射出された前記第3光の主光線とは、前記光変調装置に向かうにつれて互いに近づく、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項11】
前記重畳光学系はフレネルレンズで構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記液晶パネルは、カラーフィルターを有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項13】
前記光源から射出された前記第1光は白色光である、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光変調素子として1枚の液晶パネルを用いたプロジェクター、いわゆる単板式のプロジェクターが知られている(例えば、下記特許文献1,2参照)。下記特許文献1では、液晶パネルの入射側偏光板として反射型偏光素子を設けることで光源から入射する光のうち所定の直線偏光を液晶パネルに入射させるようにしている。下記特許文献2では、非偏光の光を射出するLEDを光源として用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案第201622432号明細書
【特許文献2】中国実用新案第212515320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非偏光の光が入射側偏光板を透過する際、入射側偏光板の透過軸と異なる偏光方向の光がカットされてしまう。このため、単板式のプロジェクターにおいて非偏光の光を射出する光源を用いる場合、光源の光利用効率が低下してしまうという問題があった。
【0005】
また、近年、プロジェクターにおけるさらなる軽量化が望まれている。このため、装置構成の軽量化を図りつつ、光源から射出した光を効率良く利用できる新たな技術の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、非直線偏光である第1光を射出する光源と、前記光源から入射する前記第1光を所定の直線偏光に変換する偏光変換ユニットと、前記偏光変換ユニットで変換された前記所定の直線偏光を変調する液晶パネルを含む光変調装置と、前記偏光変換ユニットから入射する前記所定の直線偏光を前記液晶パネルに重畳させる重畳光学系と、を備え、前記偏光変換ユニットは、前記第1光を偏光成分に基づいて第2光と第3光とに分離する偏光分離部と、前記第2光および前記第3光の偏光方向を揃える位相差プレートと、を有し、前記偏光分離部は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレートおよび反射プレートを含み、前記偏光分離プレートは、前記第1光の主光線に対して傾いた状態に設けられ、前記第1光のうちの第1直線偏光成分を前記第2光として前記重畳光学系に向けて透過させるとともに前記第1光のうちの前記第1直線偏光成分と異なる偏光方向の第2直線偏光成分を前記第3光として反射することで前記第1光を分離し、前記反射プレートは、前記偏光分離プレートから入射される前記第3光を前記重畳光学系に向けて反射する、プロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
【
図2】第1実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図3】第2実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図4】第3実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図5】第4実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図6】第5実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図7】第6実施形態の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【
図8】第7実施形態のプロジェクターの要部構成を示す平面図である。
【
図9】変形例の偏光変換ユニットの要部構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
以下の各図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0010】
図1に示すように、プロジェクター1は、光源100と、光学系150と、偏光変換ユニット200と、重畳光学系250と、平行化光学系300と、集光光学系350と、光変調装置400と、ミラー450と、投射光学系500と、を備えている。
【0011】
本実施形態のプロジェクター1において、光源100から射出される照明光(第1光)Lの主光線Laが通る軸を照明光軸AX、光変調装置400の中心を通ってプロジェクター1の構成部品を配置する基準となる軸を基準軸Jと定義する。
なお、以下の説明において、必要に応じてXYZ直交座標系を用いて説明する。Z軸は、プロジェクター1の上下方向に沿う軸である。X軸は、照明光軸AXおよび基準軸Jと平行な軸である。Y軸は、プロジェクターの画像投射方向に沿う軸であってX軸およびZ軸に直交する。
以下、プロジェクター1における各部材の配置や形状を説明する場合において、画像投射側からプロジェクター1を正面視した際の高さに相当するZ軸方向と平行な方向を上下方向Z、画像投射側からプロジェクター1を正面視した際の横幅に相当するX軸方向と平行な方向を左右方向X、画像投射側からプロジェクター1を正面視した際の奥行に相当するY軸方向と平行な方向を前後方向Yと称す。また、Z方向の一方側である+Z側を「上側(+Z)」、Z方向の他方側である-Z側を「下側(-Z)」、X方向の一方側である+X側を「右側(+X)」、X方向の他方側である-X側を「左側(-X)」、画像光を投射するY方向の一方側である+Y側を「前側(+Y)」、Y方向の他方側である-Y側を「後側(-Y)」と称す場合がある。なお、上側(+Z)、下側(-Z)、前側(+Y)、後側(-Y)、右側(+X)、左側(-X)とは、単にプロジェクター1の各構成部材の配置関係を説明する定義であって、プロジェクター1における実際の設置姿勢や方向を限定するものではない。
【0012】
光源100および光学系150は照明光軸AXに沿って配置されている。
光源100は非直線偏光の白色光を照明光Lとして射出する。本実明細書において、非直線偏光の光とは、例えば、非偏光(ランダム偏光)、円偏光、楕円偏光の光を意味する。
本実施形態の場合、光源100は、例えば、発光ダイオード(LED)から構成され、照明光(第1光)Lとして非偏光、すなわち複数の直線偏光が重なり合って全体として偏光状態が観測されない状態の光を射出する。このように光源100としてLEDを用いることでプロジェクター1の小型化および軽量化が可能となる。
【0013】
光学系150は光源100から射出される照明光Lを取り込んで平行化する。光学系150は、例えば、2枚の凸レンズ150a,150bで構成される。なお、光学系150を構成するレンズの枚数については特に限定されず、1枚あるいは3枚以上であってもよい。
【0014】
光学系150により平行化された照明光Lは偏光変換ユニット200に入射する。偏光変換ユニット200は、光源100から入射する照明光Lを所定の直線偏光である変換光L0に変換する。偏光変換ユニット200の構成については後述する。
【0015】
重畳光学系250は、偏光変換ユニット200から入射する変換光L0を光変調装置400に重畳させる。本実施形態の重畳光学系250は負のパワーを有するため、重畳光学系250よりも大型の光変調装置400に対して偏光変換ユニット200からの光を拡大投射することができる。
【0016】
光変調装置400は、1枚のカラー表示に対応した液晶パネルを含む単板式の液晶光変調装置である。具体的に光変調装置400は、カラーフィルターを備えた液晶パネル401と、入射側偏光板402と、射出側偏光板403と、を有している。このように、単板式の液晶光変調装置を採用することによって、プロジェクター1の小型化が図れる。
【0017】
液晶パネル401は、偏光変換ユニット200からの変換光L0を画像情報に応じて変調して画像光GLを生成する。入射側偏光板402は、液晶パネル401の光入射側に設けられている。射出側偏光板403は、液晶パネル401の光射出側に設けられている。入射側偏光板402と射出側偏光板403とは、互いの偏光軸が直交するように配置されている。
【0018】
平行化光学系300は、重畳光学系250と光変調装置400との間に配置される。具体的に平行化光学系300は、入射側偏光板402の光入射側に配置される。平行化光学系300は重畳光学系250から入射する光を平行化して光変調装置400に入射させる。本実施形態において、平行化光学系300はフレネルレンズで構成され、正のパワーを有する凸レンズとして機能する。このため、平行化光学系300は光軸方向の厚さを抑えることでプロジェクター1の基準軸Jに沿う左右方向Xの寸法が抑えられている。
【0019】
集光光学系350は、液晶パネル401の光射出側に配置される。具体的に集光光学系350は、射出側偏光板403の光射出側に配置される。集光光学系350は、液晶パネル401から射出された光を集光させる。本実施形態において、集光光学系350はフレネルレンズで構成され、正のパワーを有する凸レンズとして機能する。このため、集光光学系350は光軸方向の厚さを抑えることでプロジェクター1の基準軸Jに沿う左右方向Xの寸法が抑えられている。
また、集光光学系350により液晶パネル401から射出された光を集光させることで後段に配置される投射光学系500のレンズ径を小型化することができる。
なお、集光光学系350と射出側偏光板403との位置を入れ替えてもよい。
【0020】
ミラー450は基準軸Jに対して45°の角度をなすように配置される。ミラー450は、光変調装置400から射出された画像光GLの光路を90°折り曲げて投射光学系500に入射させる。なお、投射光学系500を基準軸Jに沿って配置するレイアウトを採用する場合、ミラー450は省略可能である。
【0021】
投射光学系500は、投射レンズから構成されている。投射光学系500はミラー450を経由して入射する光変調装置400によって変調された画像光GLを不図示のスクリーンに向けて投射する。なお、投射光学系500を構成する投射レンズの枚数については、特に限定されず、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、投射光学系500を構成する複数のレンズのうち最も光入射側のレンズを集光光学系350として利用してもよい。
【0022】
図2は、偏光変換ユニット200の要部構成を示す平面図である。
図2は、偏光変換ユニット200を上側(+Z)から視た平面図である。
図2に示すように、偏光変換ユニット200は、偏光分離部210と、位相差プレート220と、を有する。
【0023】
偏光分離部210は、照明光Lを偏光成分に基づいて第2光L2と第3光L3とに分離する。偏光分離部210は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレート213および反射プレート214を含む。
【0024】
偏光分離プレート213は、光入射面213aと光射出面213bとを有する。光入射面213aは光源100からの照明光Lが入射する面である。光射出面213bは、光入射面213aと平行かつ反対を向く面であり、偏光分離プレート213を透過した光が射出する面である。
偏光分離プレート213は、照明光Lの主光線Laに対して光入射面213aが傾いた状態に設けられる。偏光分離プレート213は、光入射面213aが照明光軸AX(照明光Lの主光線La)に対して35°~55°具体的には45°の角度をなすように、配置されている。このため、光射出面213bは、光入射面213aと同様に、照明光軸AXと45°の角度をなすように配置されている。
本実施形態の場合、光入射面213aには反射防止膜ARが設けられている。これにより、光入射面213aと空気層との界面による照明光Lの反射が抑制されるため、照明光Lが光入射面213aに対して効率良く入射できる。
【0025】
偏光分離プレート213は、非偏光である照明光Lに対する偏光分離機能を有する。すなわち、偏光分離プレート213は、非偏光の照明光Lに含まれる偏光成分のうち光入射面213aの表面に対するS偏光成分を主に反射させ、光入射面213aの表面に対するP偏光成分を主に透過させる。本実施形態の偏光分離プレート213は、例えば、ガラス等の透光性基板に誘電体多層膜を成膜して構成される。
【0026】
偏光分離プレート213は、照明光LのうちのP偏光成分(第1直線偏光成分)L2pを第2光L2として透過させ、非偏光の照明光LのうちのP偏光成分と異なる偏光方向のS偏光成分(第2直線偏光成分)L3sを第3光L3として前側(+Y)に反射する。
このようにして偏光分離プレート213は照明光Lを第2光L2と第3光L3とに分離する。
【0027】
反射プレート214は、偏光分離プレート213の前側(+Y)に隙間を空けて配置されている。反射プレート214は、偏光分離プレート213の光入射面213aと平行である光反射面214aを有する。反射プレート214は、光反射面214aが照明光軸AX(照明光Lの主光線La)に対して45°の角度をなすように、配置されている。
【0028】
本実施形態の反射プレート214は、例えば、基板表面に金属膜を成膜した金属ミラーで構成される。反射プレート214は、偏光分離プレート213から入射する第3光L3を重畳光学系250に向けて反射する。なお、S偏光成分を反射する誘電体多層膜を基板表面に成膜したミラーで反射プレート214を構成してもよい。
【0029】
位相差プレート220は、第2光L2および第3光L3の偏光方向を揃える板状の部材である。
本実施形態の位相差プレート220は1/2位相差板で構成され、反射プレート214で反射された第3光L3の光路に設けられている。本実施形態の位相差プレート220として次のものに限られないが挙げることができる。例えば、板状の樹脂を延伸させる樹脂のフィルムを延伸させる、延伸された樹脂のフィルムが基板に固定されている。あるいは、プラスチック基板の表面に光の波長よりも小さい周期構造をナノインプリント法で形成することで構成された板状の部材である。また、水晶、サファイア、ニオブ酸リチウム、方解石などの無機材料を用いて位相差プレート220を形成してもよい。
【0030】
反射プレート214で反射された第3光L3は位相差プレート220を透過する。第3光L3は、位相差プレート220を透過することでS偏光成分L3sからP偏光成分L3pに変換される。つまり、位相差プレート220は、第2光L2の偏光方向(P偏光成分L2p)に第3光L3の偏光方向(P偏光成分L3p)を揃える。
【0031】
本実施形態において、偏光分離プレート213、反射プレート214および位相差プレート220は、
図1に示すように、プレートホルダー215にそれぞれ保持される。プレートホルダー215は、プロジェクター1の外装の少なくとも一部をなす筐体(図示略)の内面に固定されている。このように偏光分離プレート213、反射プレート214および位相差プレート220はプレートホルダー215によって所定の位置に高精度で配置されている。なお、偏光分離プレート213、反射プレート214および位相差プレート220を保持するプレートホルダー215はそれぞれ別体で構成されても良いし、一体で構成されてもよい。
【0032】
このようにして本実施形態の偏光変換ユニット200は、無偏光の照明光LをP偏光に揃えた第2光L2および第3光L3を含む変換光L0に変換することができる。なお、本明細書において、第2光L2および第3光L3の偏光方向が揃うとは、第2光L2および第3光L3の偏光方向が完全に一致する場合、つまり第2光L2および第3光L3各々の偏光方向がなす角度が0°の状態のみならず、第2光L2および第3光L3各々の偏光方向がなす角度が±20°以内の状態も含む。
【0033】
ここで、偏光変換ユニット200において、偏光分離プレート213の光入射面213aの前後方向Yの幅を第1幅H1とし、偏光分離プレート213および反射プレート214の前後方向Yの合計幅を第2幅H2とする。第1幅H1は偏光変換ユニット200に入射する照明光Lの光束幅に相当し、第2幅H2は偏光変換ユニット200から射出される変換光L0の光束幅に相当する。本実施形態の場合、第2幅H2は第1幅H1の2倍に相当する。
本実施形態の偏光変換ユニット200によれば、照明光Lの2倍の光束幅を有するとともに偏光方向が所定の直線偏光に揃った変換光L0を生成することができる。
【0034】
ここで、変換光L0の偏光方向は、光変調装置400の入射側偏光板402の透過軸を透過する偏光方向に対応している。所定の直線偏光とは、光変調装置400の入射側偏光板402の透過軸を透過する偏光に相当する。つまり、偏光変換ユニット200は、照明光Lを、入射側偏光板402を透過できる所定の直線偏光(P偏光)の変換光L0に変換できる。偏光変換ユニット200から射出された変換光L0は重畳光学系250に入射する。
【0035】
続いて、重畳光学系250の構成について説明する。
図1に示したように、重畳光学系250は、偏光変換ユニット200から射出された変換光L0のうちの第2光L2が入射する第1レンズ部(第1光学部材)251と、偏光変換ユニット200から射出された変換光L0のうちの第3光L3が入射する第2レンズ部(第2光学部材)252と、を有する。
【0036】
重畳光学系250はフレネルレンズで構成されている。つまり、第1レンズ部251および第2レンズ部252はそれぞれフレネルレンズで構成されている。これにより、重畳光学系250は光軸方向の厚さを抑えることでプロジェクター1の基準軸Jに沿う左右方向Xの寸法を抑えている。
【0037】
第1レンズ部251を構成するフレネルレンズは偏芯しており、第1レンズ部251から射出された第2光L2は第1レンズ部251の光軸に対して直交する前後方向Yの前側(+Y)にずれた位置に結像される。
同様に、第2レンズ部252を構成するフレネルレンズは偏芯しており、第2レンズ部252から射出された第3光L3は第2レンズ部252の光軸に対して直交する前後方向Yの後側(-Y)にずれた位置に結像される。
第1レンズ部251および第2レンズ部252は一体に形成されていても良いし、別体に形成されていても良い。
【0038】
本実施形態の重畳光学系250において、第1レンズ部251から射出された第2光L2の主光線L2Aと第2レンズ部252から射出された第3光L3の主光線L3Aとは光変調装置400に向かうにつれて互いに近づくようになっている。このため、本実施形態の重畳光学系250によれば、第2光L2および第3光L3の前後方向Yの位置を調整することで光変調装置400の光照射領域である液晶パネル401の画素形成領域で第2光L2および第3光L3を重畳させることができる。よって、重畳光学系250は第2光L2および第3光L3を重畳させることで液晶パネル401を照明する変換光L0の面内明るさ分布を均一化できる。このため、光変調装置400は面内で明るさムラのない優れた画像を生成することができる。
【0039】
なお、第1レンズ部251および第2レンズ部252の光射出面をプロジェクター1の基準軸J側を向けるように傾けた状態(チルト状態)で配置してもよい。この場合、第1レンズ部251から射出された第2光L2の主光線L2Aと第2レンズ部252から射出された第3光L3の主光線L3Aとをより近づけ易くすることができる。このように第1レンズ部251および第2レンズ部252をチルトさせることで、第1レンズ部251および第2レンズ部252を構成する各フレネルレンズの偏芯量を抑えることができる。
なお、第1レンズ部251および第2レンズ部252をチルト調整のみ行うことで第2光L2および第3光L3の液晶パネル401上での重畳量を制御し、第1レンズ部251および第2レンズ部252を構成する各フレネルレンズを偏心させない構成としてもよい。
【0040】
重畳光学系250から射出された変換光L0は平行化光学系300により平行化されて光変調装置400に入射する。変換光L0の偏光方向は、偏光変換ユニット200によって、光変調装置400の入射側偏光板402の透過軸を透過する偏光方向に揃えられている。このため、変換光L0は入射側偏光板402を透過して液晶パネル401に効率良く入射する。液晶パネル401で変調された光は射出側偏光板403を透過して画像光GLとして射出される。このようにして光変調装置400から射出された画像光GLは集光光学系350に集光されるとともにミラー450で反射されて投射光学系500に入射し、不図示のスクリーンに向けて射出される。
【0041】
以下のように、本実施形態のプロジェクター1は、非直線偏光(非偏光)である照明光Lを射出する光源100と、光源100から入射する照明光Lを所定の直線偏光である変換光L0に変換する偏光変換ユニット200と、偏光変換ユニット200で変換された変換光L0を変調する液晶パネル401を含む光変調装置400と、偏光変換ユニット200から入射する変換光L0を液晶パネル401に重畳させる重畳光学系250と、を備える。偏光変換ユニット200は、照明光Lを偏光成分に基づいて第2光L2と第3光L3とに分離する偏光分離部210と、第2光L2および第3光L3の偏光方向を所定の直線偏光に揃える位相差プレート220と、を有する。偏光分離部210は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレート213および反射プレート214を含む。偏光分離プレート213は、照明光Lの主光線Laに対して傾いた状態に設けられ、照明光LのうちのP偏光成分を第2光L2として透過させるとともに照明光LのうちのS偏光成分を第3光L3として反射することで照明光Lを分離する。反射プレート214は、偏光分離プレート213から入射される第3光L3を重畳光学系250に向けて反射する。
【0042】
本実施形態のプロジェクター1によれば、偏光変換ユニット200によって光源100から射出された非偏光である照明光Lの偏光方向をP偏光に揃えた変換光L0を生成することができる。したがって、偏光板を用いて非偏光である照明光LをP偏光に揃える場合に比べて、光源100から射出された照明光LをP偏光に変換して光変調装置400の液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0043】
また、偏光変換ユニット200は、互いに離間して配置した偏光分離プレート213および反射プレート214で構成されるため、プリズム等の光学部材に偏光分離素子や反射ミラーを設ける場合に比べて軽量化を図ることができる。
【0044】
また、偏光変換ユニット200は、偏光分離プレート213の光入射面213aに入射した第1幅H1を有する照明光Lの偏光方向をP偏光に揃えた変換光L0の光束幅を第2幅H2に拡げることができる。このため、偏光変換ユニット200は、入射光である照明光Lの光束幅を2倍まで拡げることができる。このように変換光L0の光束幅が拡がることで重畳光学系250が変換光L0の光束幅を拡大させる度合い(レンズパワー)を抑えることができる。つまり、重畳光学系250の拡大倍率が抑えられるため、重畳光学系250から光変調装置400までの基準軸J方向における距離を短くでき、プロジェクター1の小型化を実現できる。
【0045】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0046】
図3は、本実施形態の偏光変換ユニット1200の要部構成を示す平面図である。
図3は、偏光変換ユニット1200を上側(+Z)から視た平面図である。
図3に示すように、本実施形態の偏光変換ユニット1200において、位相差プレート220は、偏光分離プレート213を透過した第2光L2の光路に設けられる。つまり、位相差プレート220は、偏光分離プレート213の光射出面213b側に設けられている。
【0047】
本実施形態の偏光変換ユニット1200において、偏光分離プレート213で反射されて照明光Lから分離された第3光L3は位相差プレート220を透過することなく射出される。
一方、偏光分離プレート213を透過して照明光Lから分離された第2光L2は位相差プレート220を透過する。第2光L2は、位相差プレート220を透過することでP偏光成分L2pからS偏光成分L2sに変換される。位相差プレート220は、第3光L3の偏光方向(S偏光成分L3s)に第2光L2の偏光方向(S偏光成分L2s)を揃えることができる。
【0048】
このように本実施形態の偏光変換ユニット1200によれば、偏光透過軸がS偏光に設定された入射側偏光板402を含む光変調装置400に対して、S偏光に変換した変換光L0を入射させるため、液晶パネル401に変換光L0を効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0049】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0050】
図4は、本実施形態の偏光変換ユニット2200の要部構成を示す平面図である。
図4は、偏光変換ユニット2200を上側(+Z)から視た平面図である。
図4に示すように、偏光変換ユニット2200において、位相差プレート220は、偏光分離プレート213の光入射側に直接設けられている。具体的に位相差プレート220は、偏光分離部210の偏光分離プレート213の光入射面213aに設けられる。
【0051】
本実施形態の場合、位相差プレート220の表面220aには反射防止膜ARが設けられている。これにより、位相差プレート220の表面220aと空気層との界面による照明光Lの反射が抑制されるため、照明光Lが位相差プレート220に対して効率良く入射できる。
【0052】
本実施形態の偏光変換ユニット2200において、照明光Lは偏光分離プレート213の光入射側に設けられた位相差プレート220を透過する。このとき、無偏光である照明光Lの偏光状態は位相差プレート220の透過前後において変化しない。位相差プレート220を透過した照明光Lは偏光分離プレート213に入射し、第2光L2および第3光L3に分離される。
【0053】
第2光L2は偏光分離プレート213を透過することで照明光Lから分離される。
一方、偏光分離プレート213で反射されて照明光Lから分離された第3光L3は位相差プレート220を透過し、反射プレート214で重畳光学系250に向けて反射される。第3光L3は、位相差プレート220を透過することでS偏光成分L3sからP偏光成分L3pに変換される。
本実施形態の位相差プレート220は、第2光L2の偏光方向(P偏光成分L2p)に第3光L3の偏光方向(P偏光成分L3p)を揃えることができる。
【0054】
このように本実施形態の偏光変換ユニット2200においても入射側偏光板402を透過可能な偏光方向に変換光L0の偏光方向を変換することで液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0055】
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0056】
図5は、本実施形態の偏光変換ユニット3200の要部構成を示す平面図である。
図5は、偏光変換ユニット3200を上側(+Z)から視た平面図である。
図5に示すように、偏光変換ユニット3200において、位相差プレート221は、反射プレート214に直接設けられている。具体的に位相差プレート221は、反射プレート214の光反射面214aに設けられる。
【0057】
本実施形態の場合、位相差プレート221の表面221aには反射防止膜ARが設けられている。これにより、位相差プレート221の表面221aと空気層との界面による照明光Lの反射が抑制されるため、照明光Lが位相差プレート221に対して効率良く入射できる。
【0058】
本実施形態の位相差プレート221は1/4位相差板で構成されている。位相差プレート221は、例えば板状の樹脂を延伸させる、あるいは、プラスチック基板の表面に光の波長よりも小さい周期構造をナノインプリント法で形成することで構成された板状の部材である。また、水晶、サファイア、ニオブ酸リチウム、方解石などの無機材料を用いて位相差プレート221を形成してもよい。
【0059】
本実施形態の偏光変換ユニット3200において、偏光分離プレート213を透過して照明光Lから分離された第2光L2は、重畳光学系250に向けて射出される。
一方、偏光分離プレート213で反射されて照明光Lから分離された第3光L3は位相差プレート221を透過して反射プレート214に入射する。ここで、S偏光成分L3sである第3光L3は位相差プレート221を透過することで円偏光L3c1に変換される。円偏光L3c1に変換された第3光L3は反射プレート214で反射される。円偏光L3c1である第3光L3は、反射プレート214で反射されることで回転方向が逆方向の円偏光L3c2に変換される。円偏光L3c2である第3光L3は位相差プレート221を再度透過することで、P偏光成分L3pに変換され、重畳光学系250に向けて射出される。
本実施形態の位相差プレート221は、第2光L2の偏光方向(P偏光成分L2p)に第3光L3の偏光方向(P偏光成分L3p)を揃えることができる。
【0060】
このように本実施形態の偏光変換ユニット3200においても入射側偏光板402を透過可能な偏光方向に変換光L0の偏光方向を変換することで液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0061】
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0062】
図6は、本実施形態の偏光変換ユニット4200の要部構成を示す平面図である。
図6は、偏光変換ユニット4200を上側(+Z)から視た平面図である。
図6に示すように、偏光変換ユニット4200において、位相差プレート220は、偏光分離プレート213の光射出側に直接設けられている。具体的に位相差プレート220は、偏光分離部210の偏光分離プレート213の光射出面213bに設けられる。
【0063】
本実施形態の場合、偏光分離プレート213の光入射面213aには反射防止膜ARが設けられている。これにより、偏光分離プレート213の光入射面213aと空気層との界面による照明光Lの反射が抑制されるため、照明光Lが偏光分離プレート213に対して効率良く入射できる。
【0064】
本実施形態の偏光変換ユニット4200において、偏光分離プレート213で反射されて照明光Lから分離された第3光L3は反射プレート214で反射されることで重畳光学系250に向けて射出される。
一方、偏光分離プレート213を透過して照明光Lから分離された第2光L2は位相差プレート220を透過する。第2光L2は、位相差プレート220を透過することでP偏光成分L2pからS偏光成分L2sに変換される。位相差プレート220は、第3光L3の偏光方向(S偏光成分L3s)に第2光L2の偏光方向(S偏光成分L2s)を揃えることができる。
【0065】
このように本実施形態の偏光変換ユニット4200においても入射側偏光板402を透過可能な偏光方向に変換光L0の偏光方向を変換することで液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0066】
(第6実施形態)
続いて、第6実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0067】
図7は、本実施形態の偏光変換ユニット5200の要部構成を示す平面図である。
図7は、偏光変換ユニット5200を上側(+Z)から視た平面図である。
図7に示すように、偏光変換ユニット5200において、位相差プレート222は、第1プレート222aと第2プレート222bとを含む。
【0068】
第1プレート222aは、偏光分離プレート213の光入射側に直接設けられている。具体的に第1プレート222aは偏光分離プレート213の光入射面213aに設けられる。
第2プレート222bは、反射プレート214の光入射側に直接設けられている。具体的に第2プレート222bは反射プレート214の光反射面214aに設けられる。
【0069】
本実施形態の場合、第1プレート222aおよび第2プレート222bの光入射側には反射防止膜ARがそれぞれ設けられている。これにより、第1プレート222aおよび第2プレート222bと空気層との界面による光の反射が抑制されるため、第1プレート222aおよび偏光分離プレート213に対して効率良く光が入射する。
【0070】
第1プレート222aは1/4位相差板で構成され、第2プレート222bは1/8位相差板で構成される。第1プレート222aおよび第2プレート222bは、例えば板状の樹脂を延伸させる、あるいは、プラスチック基板の表面に光の波長よりも小さい周期構造をナノインプリント法で形成することで構成された板状の部材である。また、水晶、サファイア、ニオブ酸リチウム、方解石などの無機材料を用いて第1プレート222aおよび第2プレート222bを形成してもよい。
【0071】
本実施形態の偏光変換ユニット5200において、まず、照明光Lは偏光分離プレート213の光入射面213aに設けられた位相差プレート220を透過する。このとき、無偏光である照明光Lの偏光状態は第1プレート222aの透過前後において変化しない。第1プレート222aを透過した照明光Lは偏光分離プレート213に入射し、第2光L2および第3光L3に分離される。
【0072】
第2光L2は偏光分離プレート213を透過することで照明光Lから分離される。
一方、偏光分離プレート213で反射されて照明光Lから分離された第3光L3は第1プレート222aを透過する。ここで、S偏光成分L3sである第3光L3は第1プレート222aを透過することで円偏光L3cに変換される。円偏光L3cは第2プレート222bを透過して反射プレート214に入射し、重畳光学系250に向けて射出される。このとき、円偏光L3cは反射プレート214で反射されることで回転方向が逆方向の円偏光に変換されるとともに、第2プレート222bを往復して透過することで1/4波長分の位相差が付与され、P偏光成分L3pに変換される。
本実施形態の位相差プレート222は、第2光L2の偏光方向(P偏光成分L2p)に第3光L3の偏光方向(P偏光成分L3p)を揃えることができる。
【0073】
このように本実施形態の偏光変換ユニット5200においても入射側偏光板402を透過可能な偏光方向に変換光L0の偏光方向を変換することで液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0074】
(第7実施形態)
続いて、第7実施形態のプロジェクターについて説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは偏光変換ユニットの構成であり、それ以外の構成は共通である。このため、以下では偏光変換ユニットの構成を説明し、上記実施形態と共通の部材については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
【0075】
図8は、本実施形態のプロジェクター1000の要部構成を示す平面図である。
図8は、プロジェクター1000を上側(+Z)から視た平面図である。
図8に示すように、本実施形態のプロジェクター1000は、一対の偏光変換ユニット6200を備えている。一対の偏光変換ユニット6200は第1偏光変換ユニット6201と第2偏光変換ユニット6202とで構成されている。第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202は、光源100の照明光軸AXに沿う仮想軸KKに対して線対称となるように配置されている。本実施形態の場合、仮想軸KKおよび照明光軸AXは基準軸Jと一致している。
【0076】
第1偏光変換ユニット6201は仮想軸KKに対して下側(+Y)に配置され、第2偏光変換ユニット6202は仮想軸KKに対して上側(-Y)に配置される。第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202はそれぞれ第1実施形態の偏光変換ユニット200と同様の構成を有している。
【0077】
このため、第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202の各々において、偏光分離プレート213は反射プレート214よりも仮想軸KKの近くに配置されている。
【0078】
第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202の各々において、位相差プレート220は照明光Lから分離された第3光L3の光路に設けられている。
本実施形態の場合、偏光変換ユニット6200の光射出側に配置した透明基板230に位相差フィルム231を設けることで位相差プレート220を構成した。この構成によれば、第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202の位相差プレート220を一体化できるので、第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202に対して位相差プレート220を個別に設ける場合に比べて部品点数を削減できる。また、各位相差プレート220の位置合わせが不要となるため、偏光変換ユニット6200の組み立て性を向上できる。また、第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202の各々において、照明光Lから分離された第2光L2の光路上の透明基板230の表面に反射防止膜ARを設けている。このため、透明基板230と空気層との界面による第2光L2の反射が抑制されるため、第2光L2を効率良く射出することができる。
【0079】
本実施形態の重畳光学系1250は、レンズ部1251とレンズ部1252とレンズ部1253とレンズ部1254とを有する。
レンズ部(第1光学部材)1251は、偏光変換ユニット6200から射出された変換光L0のうち、第1偏光変換ユニット6201から射出された第2光L2が入射する。
レンズ部(第2光学部材)1252は、偏光変換ユニット6200から射出された変換光L0のうち、第1偏光変換ユニット6201から射出された第3光L3が入射する。
レンズ部(第1光学部材)1253は、偏光変換ユニット6200から射出された変換光L0のうち、第2偏光変換ユニット6202から射出された第2光L2が入射する。
レンズ部(第2光学部材)1254は、偏光変換ユニット6200から射出された変換光L0のうち、第2偏光変換ユニット6202から射出された第3光L3が入射する。
【0080】
本実施形態の場合、レンズ部1251から射出された第2光L2の主光線とレンズ部1253から射出された第2光L2の主光線とは光変調装置400に向かうにつれて互いに近づく。また、レンズ部1252から射出された第3光L3の主光線とレンズ部1254から射出された第3光L3の主光線とは光変調装置400に向かうにつれて互いに近づく。
本実施形態の重畳光学系1250によれば、第1偏光変換ユニット6201から射出された第2光L2および第3光L3と第2偏光変換ユニット6202から射出された第2光L2および第3光L3とを光変調装置400の光照射領域(画素形成領域)で重畳させることができる。
【0081】
このように本実施形態の偏光変換ユニット6200においても入射側偏光板402を透過可能な偏光方向に変換光L0の偏光方向を変換することで液晶パネル401に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
また、本実施形態の偏光変換ユニット6200によれば、他の実施形態の構成よりも変換光L0の光束幅をさらに拡大できるため、重畳光学系1250の拡大倍率を抑えることができる。これにより、重畳光学系1250から光変調装置400までの基準軸J方向における距離を短くすることができ、プロジェクターのさらなる小型化を実現できる。
【0082】
本実施形態の偏光変換ユニット6200では、第1偏光変換ユニット6201および第2偏光変換ユニット6202がそれぞれ第1実施形態の偏光変換ユニット200と同様の構成を有する場合を例に挙げたが、第2実施形態から第6実施形態の偏光変換ユニットを仮想軸KKに対して線対称に配置した構成を採用してもよい。
【0083】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、プロジェクターを構成する各種構成要素の数、配置、形状および材料等の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、変換光L0を光変調装置400に重畳させる重畳光学系250をフレネルレンズで構成する場合を例に挙げたが、重畳光学系250をフレネルレンズに代えて凹レンズで構成してもよい。つまり、第1レンズ部251および第2レンズ部252をそれぞれ凹レンズで構成していてもよい。この場合において、第1レンズ部251および第2レンズ部252を構成する各凹レンズの光軸は光変調装置400に向かうにつれて基準軸Jに近づく方向に傾いた状態(チルト状態)に配置される。
【0085】
また、重畳光学系250をフレネルレンズに代えてリフレクターで構成してもよい。つまり、第1レンズ部251を第1リフレクター(第1光学部材)、第2レンズ部252を第2リフレクター(第2光学部材)に置き換えてもよい。第1リフレクターおよび第2リフレクターの設置角度、第1リフレクターおよび第2リフレクターに対する第2光L2および第3光L3の入射角度を適宜調整することで、第1リフレクターから射出された第2光L2の主光線L2Aと第2リフレクターから射出された第3光L3の主光線L3Aとを光変調装置400に向かうにつれて互いに近づけることができる。つまり、第1リフレクターで反射した第2光L2と第2リフレクターで反射した第3光L3とを光変調装置400上で重畳させることができる。
重畳光学系250をリフレクターで構成する場合、光源100からの照明光Lを平行化する光学系150を省略すれば第2光L2および第3光L3の各リフレクターに対する入射角度の調整が容易となる。
【0086】
第7実施形態の重畳光学系1250についても同様、レンズ部1251、レンズ部1252、レンズ部1253およびレンズ部1254をそれぞれリフレクターに置き換えてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、偏光分離プレート213を誘電体多層膜で構成する場合を例に挙げたが、例えばアルミニウム等からなる複数の金属細線を微細なピッチで基材の一面に設けたワイヤーグリッド型偏光素子で偏光分離プレート213を構成してもよい。ワイヤーグリッド型偏光素子を用いた場合、偏光分離プレート213の耐熱性を高めることができる。
【0088】
(変形例)
以下、ワイヤーグリッド型偏光素子で構成された偏光分離素子を用いた場合の構成を変形例として説明する。
図9は変形例に係る偏光変換ユニット201の要部構成を示す平面図である。
図9は、偏光変換ユニット201を上側(+Z)から視た平面図である。
図9に示す本変形例の偏光変換ユニット201は、第1実施形態の偏光変換ユニット200において誘電体多層膜で構成された偏光分離プレート213をワイヤーグリッド型偏光素子で構成された偏光分離プレート1213に置き換えたものである。
【0089】
第1実施形態の偏光分離プレート1213は、照明光LのうちのP偏光成分(第1直線偏光成分)を第2光L2として透過させ、非偏光の照明光LのうちのS偏光成分(第2直線偏光成分)を第3光L3として反射させていた。
これに対して、ワイヤーグリッド型偏光素子で構成された本変形例の偏光分離プレート1213は、例えば、照明光Lに対して複数の金属細線の配列方向や角度を調整することで、照明光LのうちのS偏光成分(第1直線偏光成分)L2sを第2光L2として透過させ、非偏光の照明光LのうちのP偏光成分(第2直線偏光成分)L3pを第3光L3として反射することができる。
【0090】
このため、本変形例の偏光変換ユニット201において、偏光分離プレート1213を透過して照明光Lから分離されたS偏光成分L2sである第2光L2は第2レンズ部252に向けて射出される。また、偏光分離プレート1213で反射されて照明光Lから分離されたP偏光成分L3pである第3光L3は位相差プレート220を透過する。第3光L3は、位相差プレート220を透過することでP偏光成分L3pからS偏光成分L3sに変換される。
【0091】
このように本変形例の偏光変換ユニット201によれば、位相差プレート220は、第2光L2の偏光方向(S偏光成分L2s)に第3光L3の偏光方向(S偏光成分L3s)を揃えることで、入射側偏光板402を透過可能なS偏光に変換光L0の偏光方向を変換して光変調装置400に効率良く入射させることができる。よって、光源100から射出した照明光Lの光利用効率を高めることができる。
【0092】
なお、本変形例では第1実施形態の偏光変換ユニット200を例に挙げたが、第2から第9実施形態の偏光変換ユニットのいずれかにおける偏光分離素子をワイヤーグリッド型偏光素子に置き換えてもよい。
【0093】
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
非直線偏光である第1光を射出する光源と、
前記光源から入射する前記第1光を所定の直線偏光に変換する偏光変換ユニットと、
前記偏光変換ユニットで変換された前記所定の直線偏光を変調する液晶パネルを含む光変調装置と、
前記偏光変換ユニットから入射する前記所定の直線偏光を前記液晶パネルに重畳させる重畳光学系と、を備え、
前記偏光変換ユニットは、前記第1光を偏光成分に基づいて第2光と第3光とに分離する偏光分離部と、前記第2光および前記第3光の偏光方向を所定の直線偏光に揃える位相差プレートと、を有し、
前記偏光分離部は、互いに離間かつ対向した状態で配置される偏光分離プレートおよび反射プレートを含み、
前記偏光分離プレートは、前記第1光の主光線に対して傾いた状態に設けられ、前記第1光のうちの第1直線偏光成分を前記第2光として前記重畳光学系に向けて透過させるとともに前記第1光のうちの前記第1直線偏光成分と異なる偏光方向の第2直線偏光成分を前記第3光として反射することで前記第1光を分離し、
前記反射プレートは、前記偏光分離プレートから入射される前記第3光を前記重畳光学系に向けて反射する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0094】
この構成のプロジェクターによれば、偏光変換ユニットによって光源から射出された非直線偏光である第1光の偏光方向を所定の偏光方向に揃えた変換光を生成することができる。したがって、偏光板を用いることで第1光の偏光方向を揃える場合に比べて、光源から射出された第1光を所定の偏光方向に変換して光変調装置の液晶パネルに効率良く入射させることができる。よって、光源から射出した第1光の光利用効率を高めることができる。
また、偏光変換ユニットは、互いに離間して配置した偏光分離プレートおよび反射プレートで構成されるため、プリズム等の光学部材に偏光分離素子や反射ミラーを設ける場合に比べて軽量化を図ることができる。
また、偏光変換ユニットは、変換光の光束幅を第1光の光束幅よりも拡げることで重畳光学系の拡大倍率を抑えることができる。これにより、重畳光学系から光変調装置までの距離を短くすることができ、プロジェクターの小型化を実現できる。
【0095】
(付記2)
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記反射プレートで反射された前記第3光の光路に設けられる
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0096】
この構成によれば、反射プレートで反射された第3光が1/2波長板を透過するため、第3光の偏光方向を第2光の偏光方向である第1直線偏光成分に揃えることができる。
【0097】
(付記3)
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートを透過した前記第2光の光路に設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0098】
この構成によれば、偏光分離プレートを透過した第2光が1/2波長板を透過するため、第2光の偏光方向を第3光の偏光方向である第2直線偏光成分に揃えることができる。
【0099】
(付記4)
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面を有し、
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートの前記光入射面に設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0100】
この構成によれば、偏光分離プレートで反射された第3光が1/2波長板を透過するため、第3光の偏光方向を第2光の偏光方向である第1直線偏光成分に揃えることができる。
【0101】
(付記5)
前記反射プレートは、前記第3光を反射する光反射面を有し、
前記位相差プレートは1/4波長板で構成され、前記反射プレートの前記光反射面に設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0102】
この構成によれば、偏光分離プレートで反射された第3光が1/4波長板を2回透過することで第3光の偏光方向を第2光の偏光方向である第1直線偏光成分に揃えることができる。
【0103】
(付記6)
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面と前記第2光を射出する光射出面とを有し、
前記位相差プレートは1/2波長板で構成され、前記偏光分離プレートの前記光射出面に設けられる、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0104】
この構成によれば、偏光分離プレートを透過した第2光が1/2波長板を透過するため、第2光の偏光方向を第3光の偏光方向である第2直線偏光成分に揃えることができる。
【0105】
(付記7)
前記偏光分離プレートは、前記第1光が入射する光入射面を有し、
前記反射プレートは、前記第3光を反射し、前記光入射面と平行である光反射面を有し、
前記光入射面および前記光反射面と前記第1光の主光線とがなす角度が45°である、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0106】
この構成によれば、偏光分離プレートを透過した第2光と反射プレートで反射された第3光とを平行化することで偏光方向を揃えた平行光束からなる変換光を生成できる。
【0107】
(付記8)
一対の前記偏光変換ユニットが、前記光源の光軸に沿う仮想軸に対して線対称となるように配置され、
一対の前記偏光変換ユニットの各々において、前記偏光分離プレートは前記反射プレートよりも前記仮想軸の近くに配置される、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0108】
この構成によれば、基準軸に対して線対称となるように配置された一対の偏光変換ユニットを備えることで変換光の光束幅を拡大することができる。これにより、重畳光学系の拡大倍率を抑えることができるので、第2光学系から光変調装置までの距離を短くすることができ、プロジェクターのさらなる小型化を実現できる。
【0109】
(付記9)
前記重畳光学系と前記光変調装置との間に設けられ、前記重畳光学系から射出された光を平行化する平行化光学系をさらに備え、
前記平行化光学系は、フレネルレンズで構成される、
ことを特徴とする付記1から付記8のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0110】
この構成によれば、平行化光学系は光軸方向の厚さを抑えることでプロジェクターの軸方向の寸法を小型化することができる。
できる。
【0111】
(付記10)
前記重畳光学系は、前記偏光変換ユニットから射出された前記第2光が入射する第1レンズ部と、前記偏光変換ユニットから射出された前記第3光が入射する第2レンズ部と、を有し、
前記第1レンズ部から射出された前記第2光の主光線と前記第2レンズ部から射出された前記第3光の主光線とは、前記光変調装置に向かうにつれて互いに近づく、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0112】
この構成によれば、第2光および第3光を光変調装置の光照射領域(画素形成領域)で重畳させることができる。よって、重畳光学系は第2光および第3光を重畳させることで液晶パネルを照明する変換光の面内明るさ分布を均一化できるので、液晶パネルは面内で明るさムラのない優れた画像を生成できる。
【0113】
(付記11)
前記重畳光学系はフレネルレンズで構成される、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0114】
この構成によれば、重畳光学系がフレネルレンズで構成されるため、プロジェクターの光軸方向の寸法を小型化することができる。
【0115】
(付記12)
前記液晶パネルは、カラーフィルターを有する、
ことを特徴とする付記1から付記11のうちのいずれか一つのプロジェクター。
【0116】
この構成によれば、フルカラーの画像を投射することができる。
【0117】
(付記13)
前記光源から射出された前記第1光は白色光である、
ことを特徴とする付記12に記載のプロジェクター。
【0118】
この構成によれば、カラーフィルターを備えた液晶パネルと組み合わせることでフルカラーの画像を生成することができる。
【符号の説明】
【0119】
1,1000…プロジェクター、100…光源、200,201,1200,2200,3200,4200,5200,6200…偏光変換ユニット、210…偏光分離部、213,1213…偏光分離プレート、213a…光入射面、213b…光射出面、214…反射プレート、214a…光反射面、220,221,222…位相差プレート、250…重畳光学系、251…第1レンズ部(第1光学部材)、252…第2レンズ部(第2光学部材)、300…平行化光学系、400…光変調装置、401…液晶パネル、1251,1253…レンズ部(第1光学部材)、1252,1254…レンズ部(第2光学部材)、KK…仮想軸、L…照明光(第1光)、L2…第2光、L3…第3光、L2A…光軸(第2光の光軸)、L3A…光軸(第3光の光軸)、La…主光線(第1光の主光線)、L2p…P偏光成分(第1直線偏光成分)、L3p…P偏光成分(第2直線偏光成分)、L2s…S偏光成分(第1直線偏光成分)、L3s…S偏光成分(第2直線偏光成分)。