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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030431
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】無線タグシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240229BHJP
   G01S 13/78 20060101ALI20240229BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06K7/10 288
G01S13/78
G06K7/10 156
H04B1/59
G06K7/10 268
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133335
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】増田 有佑
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AD05
5J070AK04
(57)【要約】
【課題】 無線タグの読取りエリアを広げ、移動している無線タグの読み漏らしを低減できる無線タグシステムの提供
【解決手段】 無線タグシステムは、送信部(11A)と受信部(21A)とを備える複数の送受信機(10A、10B、10C)で構成される。送受信機(10A)は、キャリアを発生する周波数発生部(20A)、変調部(14A)、復調部(24A)を備える。無線タグシステムでは、送信を行った1つの送受信機(11A)の変調部(14A)で用いたキャリアの周波数を、他の送受信機(10B、10C)の復調部(24B、24C)へ通知する通信線(30A、30B)が設けられ、他の送受信機(10B、10C)の復調部(24B、24C)が、通知されたキャリアに同期した周波数でRFIDダグの情報を受信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDダグの情報を読取る送信部と受信部とを備える複数の送受信機で構成される無線タグシステムであって、
前記送受信機は、キャリアを発生する周波数発生部、前記送信部を構成する変調部、前記受信部を構成する復調部、前記各部を制御する制御部を備え、
送信を行った1つの送受信機の前記変調部で用いたキャリアの周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する通知手段を有し、
前記他の送受信機の復調部が、前記キャリアに同期した周波数でRFIDダグの情報を受信することを特徴とする無線タグシステム。
【請求項2】
請求項1の無線タグシステムであって、
前記通知手段は、前記1つの送受信機の前記周波数発生部と前記他の送受信機の前記周波数発生部とを接続する信号線から成ることを特徴とする無線タグシステム。
【請求項3】
請求項1の無線タグシステムであって、
前記通知手段は、キャリア周波数情報と周波数補正に用いる情報とを前記他の送受信機に送受する通信部から成ることを特徴とする無線タグシステム。
【請求項4】
請求項1の無線タグシステムであって、
送信を行った1つの送受信機の前記変調部で用いた周波数発生部のキャリアを、前記他の送受信機の復調部で復調に用いることを特徴とする無線タグシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1の無線タグシステムであって、
前記送信を行った1つの送受信機の前記制御部は当該1つの送受信機の変調部で復調されたデータを、前記他の送受信機の前記制御部は当該他の送受信機の復調部で復調されたデータを、それぞれ巡回冗長検査を行い、適正と判断されたデータが前記RFIDダグの情報とされる。
【請求項6】
RFIDダグの情報を読取る1の送信部と複数の受信部とを備える送受信機で構成される無線タグシステムであって、
前記送受信機は、キャリアを発生する周波数発生部、前記送信部を構成する変調部、前記受信部を構成する復調部、前記各部を制御する制御部を備え、
前記変調部で用いたキャリアの周波数を、前記複数の復調部へ通知する通知手段を有し、
前記複数の復調部が、前記キャリア周波数に同期した周波数でRFIDダグの情報を受信することを特徴とする無線タグシステム。
【請求項7】
請求項6の無線タグシステムであって、
前記送受信機を複数備え、
送信を行った1つの送受信機の前記変調部で用いたキャリア周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する第2通知手段を有することを特徴とする無線タグシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDダグの情報を読取る送信部と受信部とを備える送受信機で構成される無線タグシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線タグの読取りのエリアを広げるため、複数のアンテナを切り換えて読む方法や、複数台の送受信機を切り換えて読む方法がある。しかしながら、無線タグリーダ(送受信機)の前を、無線タグを付した搬送物がフォークリフトにより直線的に搬送されている等、図9(A)に示されるように移動している無線タグを読む場合に、送信時の電波パスと受信時の電波パスが変化、例えば、送信パスは送受信機からの電波が反射して無線タグに届き、受信パスは無線タグからの反射波が送信パスの反射点から数十cmずれて送受信機に届くことでヌル点に入ってしまって、無線タグ応答を読み漏らすことがあった。
【0003】
特許文献1には、2台のリーダライタにより1つのタグの情報を読取る読取り方式が開示されている。特許文献1では、2台のリーダライタが待機期間を設けてそれぞれタグの情報を読み取っている。図8(A)は、リーダライタ(1)とリーダライタ(2)とで、それぞれタグを時間を置いて読取る構成を示している。しかしながら、移動しているタグの読取りを行う場合、図9(B)に示されるように、図9(A)の場合と同様に読みこぼすケースが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-257463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
送信した送受信機と異なる送受信機で応答波を読めば、上述した送信時の電波パスと受信時の電波パスが変化することによる読み漏らしを低減することができるが、送信周波数にズレが生じ、ビート(振動数(または周波数)がわずかに異なる2つの波が干渉して、振幅がゆっくり周期的に変わる合成波を生ずる現象)が発生し復調できない。これは送信した送受信機の部品精度、温度変化等によって生成される送信波の周波数(キャリア周波数)にズレが生じるためであった。
【0006】
図10はビートの発生を説明するための図である。
図10中で横軸が時間を示し、縦軸が受信強度(ゲイン)を示す。所定キャリア周波数で20Hzのズレがある場合、50ms間隔でビートが発生する。図10中では同時に、ビートが生じた時の受信感度を示している。
略13msから18msの間、略45msから50msの間、信号の電圧が1/2、即ち、受信感度が約-6dB下がっている。略29msから34msの間で、受信感度が最大になり、ビートの影響が無い範囲となる。略53msから58msの間で、信号の電圧が1/10以下、即ち、受信感度が約-20dB以上下がって、受信できない状態となっている。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、無線タグの読取りエリアを広げ、移動している無線タグの読み漏らしを低減できる無線タグシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、RFIDダグの情報を読取る送信部(11A)と受信部(21A)とを備える複数の送受信機(10A、10B、10C)で構成される無線タグシステムであって、前記送受信機(10A)は、キャリアを発生する周波数発生部(20A)、前記送信部を構成する変調部(14A)、前記受信部を構成する復調部(24A)、前記各部を制御する制御部(12A)を備え、送信を行った1つの送受信機(11A)の前記変調部(14A)で用いたキャリアの周波数を、他の送受信機(10B、10C)の復調部(24B、24C)へ通知する通知手段(30A、30B)を有し、前記他の送受信機(10B、10C)の復調部(24B、24C)が、前記キャリアに同期した周波数でRFIDダグの情報を受信することを技術的特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項6に記載の発明は、RFIDダグの情報を読取る1の送信部(11)と複数の受信部(21a、21b、21c)とを備える送受信機(10)で構成される無線タグシステムであって、前記送受信機(21a、21b、21c)は、キャリアを発生する周波数発生部(20)、前記送信部(11)を構成する変調部(14)、前記受信部を構成する復調部(24a、24b、24c)、前記各部を制御する制御部(12)を備え、前記変調部で用いたキャリアの周波数を、前記複数の復調部へ通知する通知手段(30a、30b、30c)を有し、前記複数の復調部(24a、24b、24c)が、前記キャリア周波数に同期した周波数でRFIDダグの情報を受信することを技術的特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で復調できるので、ビートが発生せず、複数の送受信機でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【0011】
請求項2の発明では、通知手段が、1つの送受信機の周波数発生部と他の送受信機の周波数発生部とを接続する信号線から成るため、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で確実に復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。
【0012】
請求項3の発明では、通知手段が、キャリア周波数情報と周波数補正に用いる情報とを他の送受信機に送受する通信部から成るため、簡易な構成で、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。
【0013】
請求項4の発明では、送信を行った1つの送受信機の変調部で用いた周波数発生部のキャリアを、他の送受信機の復調部で復調に用いるため、複数の送受信機の復調部で確実に同期したキャリア周波数で復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。
【0014】
請求項5の発明では、送信を行った1つの送受信機の制御部は当該1つの送受信機の変調部で復調されたデータを、他の送受信機の制御部は当該他の送受信機の復調部で復調されたデータを、それぞれ巡回冗長検査を行い、適正と判断するため、誤り無くRFIDダグの情報を読取ることができる。
【0015】
請求項6の発明では、送受信機の複数の復調部で同期したキャリア周波数で復調できるので、ビートが発生せず、複数の復調部でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【0016】
請求項7の発明では、送受信機を複数備え、送信を行った1つの送受信機の変調部で用いたキャリア周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する第2通知手段を有する。複数の送受信機の複数の復調部で同期したキャリア周波数で復調できるので、多数の復調部でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る無線タグシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムでの処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る無線タグシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図6】第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムの電気的構成を示すブロック図である。
図7】無線タグの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図8図8(A)は従来技術の無線タグシステムでのタグの読取りの説明図であり、図8(B)は実施形態に係る無線タグシステムでのタグの読取りの説明図である。
図9図9(A)は従来技術の無線タグシステムでの移動するタグの読取りの説明図であり、図9(B)は比較のための無線タグシステムでの移動するタグの読取りの説明図であり、図9(C)は実施形態の無線タグシステムでの移動するタグの読取りの説明図である。
図10】従来技術の無線タグシステムで生じたビートを示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る無線タグシステムについて、図面を参照して説明する。
図1に示す無線タグシステムは、第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cの3台の送受信機から構成される。第1送受信機10Aは送信機(1)[送信部]11Aと受信機(1)[受信部]21Aとを備える。第2送受信機10Bは送信機(2)11Bと受信機(2)21Bとを備える。第3送受信機10Cは送信機(3)11Cと受信機(3)21Cとを備える。第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cは、略同様な構成から成り、基本部分は公知のRFタグリーダによって構成されている。
【0019】
第1送受信機10Aは、制御部12Aを備える。制御部12Aは、記憶部、通信処理部、及び、外部インタフェース等を備えている。制御部12Aは、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部とともに情報処理装置を構成している。
【0020】
第1送受信機10Aは、キャリア(キャリア周波数信号)を発生する周波数生成部20Aと、周波数生成部20Aを制御する周波数制御部22Aを備える。第1送受信機10Aの送信機(1)11Aは、キャリアを変調する変調部14A、増幅器16A、送信アンテナ18Aを備える。増幅器16Aは、入力信号(変調部14Aによって変調された被変調信号)を設定された増幅率で増幅しており、その増幅信号が送信信号として送信アンテナ18Aに出力されるようになっている。変調部14Aは符号化部を内蔵する。周波数生成部20Aは、所定周波数のキャリア(搬送波)を出力しており、符号化部は、制御部12Aより出力される送信データを符号化して変調部側に出力している。変調部14Aは、周波数生成部20Aからのキャリア(搬送波)及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、周波数生成部20Aより出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器16Aに出力している。
【0021】
第1送受信機10Aの受信機(受信部)21Aは、復調部24A、受信アンテナ28Aを備える。受信アンテナ28Aには、復調部24Aの入力端子が接続されており、受信アンテナ28Aによって受信された無線タグからの応答波に相当する電波信号(受信信号)は、復調部24Aに入力されるようになっている。復調部24Aは、例えば、増幅器、復調部等によって構成されており、受信アンテナ28によって受信された受信信号を増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調している。更に、その復調された信号波形に相当する信号を受信データとして制御部12Aに出力している。
【0022】
第1送受信機10Aの送信機(1)11Aの変調部14A、受信機(1)21Aの復調部24Aには、周波数生成部20Aからの同一のキャリアが出力される。送信機(1)11Aから無変調のキャリアが送出され、無線タグからの応答波に相当する電波信号(受信信号)、即ち、情報が重畳されたキャリア反射波が送出された際に、復調部24Aで、送信機側と同一のキャリアで復調が行われる。
【0023】
第1送受信機10Aの周波数生成部20Aと第2送受信機10Bの周波数生成部20Bとは、変調部で用いたキャリアの周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する通知手段を構成する信号線30Aで接続されている。信号線30Aを介して第1送受信機10Aの周波数生成部20Aと第2送受信機10Bの周波数生成部20Bとが同期を取り、同一周波数のキャリアを発生する。同様に、第2送受信機10Bの周波数生成部20Bと第3送受信機10Cの周波数生成部20Cとは、信号線30Bで接続されている。信号線30Bを介して第2送受信機10Bの周波数生成部20Bと第3送受信機10Cの周波数生成部20Cとが同期を取り、同一周波数のキャリアを発生する。なお、第1送受信機10Aの周波数生成部20Bと、第2送受信機10Bの周波数生成部20Bと、第3送受信機10Cの周波数生成部20Cとは、同期を取らない限り、部品精度等の影響でキャリア周波数が数Hzずつずれる。従って、他の送受信機から送信されたキャリアを復調部で復調した際に、図10を参照して上述したビートが発生する。
【0024】
第1実施形態の無線タグシステムでは:
(1)第1送受信機10Aの送信機(1)11Aから送信信号が送出された際、変調部14Aで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(1)21Aの復調部(1)24Aで受信信号の復調が行われる。同時に、第2送受信機10Bの受信機(2)21Bの復調部(2)24Bで、復調部(1)24Aと信号線30Aを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。また、第3送受信機10Cの受信機(3)21Cの復調部(3)24Cで、復調部(2)24Bと信号線30Bを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。第1実施形態の無線タグシステムでは、第1送受信機10Aの復調部(1)24Aと第2送受信機10Bの復調部(2)24Bと第3送受信機10Cの復調部(3)24Cとで、同一の周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、それぞれ第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cでタグ情報を読取ることができる。
【0025】
(2)第2送受信機10Bの送信機(2)11Bから送信信号が送出された際、変調部14Bで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(2)21Bの復調部(2)24Bで受信信号の復調が行われる。同時に、第1送受信機10Aの受信機(1)24Aの復調部(1)24Aで、復調部(2)24Bと信号線30Aを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。また、第3送受信機10Cの受信機(3)21Cの復調部(3)24Cで、復調部(2)24Bと信号線30Bを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。第1実施形態の無線タグシステムでは、第2送受信機10Bの復調部(2)24Bと第1送受信機10Aの復調部(1)24Aと第3送受信機10Cの復調部(3)24Cとで、同一の周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、それぞれ第2送受信機10B、第1送受信機10A、第3送受信機10Cでタグ情報を読取ることができる。
【0026】
(3)第3送受信機10Cの送信機(3)11Cから送信信号が送出された際、変調部14Cで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(3)21Cの復調部(3)24Cで受信信号の復調が行われる。同時に、第2送受信機10Bの受信機(2)21Bの復調部(2)24Bで、復調部(3)24Cと信号線30Bを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。また、第1送受信機10Aの受信機(1)24Aの復調部(1)24Aで、復調部(2)24Bと信号線30Aを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。第1実施形態の無線タグシステムでは、第3送受信機10Cの復調部(3)24Cと第2送受信機10Bの復調部(2)24Bと第3送受信機10Cの復調部(3)24Cとで、同一の周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、それぞれ第2送受信機10B、第3送受信機10C、第1送受信機10Aでタグ情報を読取ることができる。
【0027】
ここで、無線タグシステムの第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cの読取対象となる無線タグ40の電気的構成について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、無線タグ40は、アンテナ41、電源回路42、復調回路43、制御回路44、メモリ45、変調回路46などによって構成されている。電源回路42は、アンテナ41を介して受信した送受信機10からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路44をはじめとする各構成要素に供給している。
【0028】
また、復調回路43は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路44に出力している。メモリ45は、ROM、EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ40を識別するための識別情報(タグID)、或いは無線タグ40の用途に応じたデータなどが記憶されている。制御回路44は、メモリ45から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路46に出力する構成をなしており、変調回路46は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ41から応答波として送信するように構成されている。なお、図7では、無線タグ40の電気的構成の一例を挙げたが、電磁波を媒介として無線通信を行い得る構成であれば公知の他の電気的構成を用いてもよい。
【0029】
上述した第1実施形態では、3台の第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cから無線タグシステムが構成されたが、第1実施形態の無線タグシステムは2台以上の送受信機で構成可能である。
【0030】
図8(B)は、第1実施形態に係る2台の送受信機(リーダライタ)からなる無線タグシステムを示している。
図8(A)を参照して上述した従来技術の無線タグシステムでは、リーダライタ(1)とリーダライタ(2)とで、時間を置いてそれぞれのタグを読取る構成を示している。
これに対して、第1実施形態では、リーダライタ(1)から送信を行った場合も、リーダライタ(2)から送信を行った場合も、2台のリーダライタ(1)とリーダライタ(2)で同時に読取りを行っている。
【0031】
図9(C)は、第1実施形態に係る2台の送受信機(リーダライタ)からなる無線タグシステムを示している。
図9(A)を参照して上述した従来技術の無線タグシステムでは、移動している無線タグを読む場合に、送信時の電波パスと受信時の電波パスが変化、例えば、送信パスは送受信機からの電波が反射して無線タグに届き、受信パスは無線タグからの反射波が送信パスの反射点から数十cmずれて送受信機に届くことでヌル点に入ってしまい、無線タグ応答を読み漏らすことがあった。図9(B)を参照して上述した比較のための無線タグシステムで、リーダライタ(1)とリーダライタ(2)とで、時間を置いてそれぞれのタグを読取る構成では、移動しているタグの読取りを行う場合、図9(A)の場合と同様に読みこぼすケースが発生する。
【0032】
これに対して、図9(C)に示す第1実施形態に係る無線タグシステムでは、2台の送受信機(リーダライタ(1)、リーダライタ(1))で受信を行っているため、移動しているタグに対して、リーダライタ(1)から送信を行い、タグからの応答をリーダライタ(1)で受信できない場合で、タグからの応答をリーダライタ(2)で受信できる場合がある。第1実施形態に係る無線タグシステムでは、タグの読取りエリアを広げ、タグの応答を読みこぼすことを減らすことができる。
【0033】
第1実施形態の無線タグシステムでは、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で復調できるので、ビートが発生せず、複数の送受信機でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【0034】
第1実施形態の無線タグシステムでは、同期を保つための通知手段が、1つの送受信機の周波数発生部と他の送受信機の周波数発生部とを接続する信号線30Aから成るため、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で確実に復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。
【0035】
[第1実施形態の第1改変例]
以下、本発明の第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムについて、図2を参照して説明する。
図2に示す無線タグシステムは、第1送受信機10A、第2送受信機10Bの2台の送受信機から構成される。第1実施形態の第1改変例の第1送受信機10A、第2送受信機10Bは、第1実施形態の第1送受信機10A、第2送受信機10Bと同様である。但し、第1実施形態の第1改変例では、第1送受信機10Aは制御部12Aに接続された通信部26Aを備え、第2送受信機10Bは制御部12Bに接続された通信部26Bを備える。第1送受信機10Aの通信部26Aと、第2送受信機10Bの通信部26Bとは、通信線29を介して接続されている。
【0036】
第1実施形態の第1改変例の第1送受信機10A、第2送受信機10Bは、複数のキャリア周波数を切り換えて通信を行う。第1送受信機10Aの通信部26Aと、第2送受信機10Bの通信部26Bとは、通信に用いるキャリア周波数、温度データ等の周波数補正に用いる情報を互いに通信線29を介して送受することで、第1送受信機10Aの周波数生成部20Aと、第2送受信機10Bの周波数生成部20Bとのキャリア周波数の同期が保たれる。
【0037】
第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは:
(1)第1送受信機10Aの送信機(1)11Aから送信信号が送出された際、変調部14Aで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(1)21Aの復調部(1)24Aで受信信号の復調が行われる。同時に、第2送受信機10Bの受信機(2)21Bの復調部(2)24Bで、周波数生成部20Aと、通信部26A-通信線29-通信部26Bを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、第1送受信機10Aの復調部(1)24Aと第2送受信機10Bの復調部(2)24Bとで、同一の周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、それぞれ第1送受信機10A、第2送受信機10Bでタグ情報を読取ることができる。
【0038】
(2)第2送受信機10Bの送信機(2)11Bから送信信号が送出された際、変調部14Bで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(2)21Bの復調部(2)24Bで受信信号の復調が行われる。同時に、第1送受信機10Aの受信機(1)24Aの復調部(1)24Aで、周波数生成部20Bと、通信部26B-通信線29-通信部26Aを介して同期が取られた同一周波数のキャリアで受信信号の復調が行われる。第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、第2送受信機10Bの復調部(2)24Bと第1送受信機10Aの復調部(1)24Aで、同一の周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、それぞれ第2送受信機10B、第1送受信機10Aでタグ情報を読取ることができる。
【0039】
第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、同期を保つための通知手段が、キャリア周波数情報と周波数補正に用いた情報とを他の送受信機に送受する通信部26A、26B、通信線29から成るため、高価な同軸ケーブル等を用いない簡易な構成で、複数の送受信機の復調部で同期したキャリア周波数で復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。なお、通信線29は、有線であっても無線であっても構成可能である。
【0040】
[第1実施形態の第2改変例]
以下、本発明の第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムについて、図3を参照して説明する。
図3に示す無線タグシステムは、第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cの3台の送受信機から構成される。第1送受信機10Aは送信部(1)11Aと受信部(1)21Aとを備える。第2送受信機10Bは送信部(2)11Bと受信部(2)21Bとを備える。第3送受信機10Cは送信部(3)11Cと受信部(3)21Cとを備える。第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10Cは、略同様な構成から成り、基本部分は公知のRFタグリーダによって構成されている。
【0041】
第1送受信機10Aは、制御部12Aと、キャリア(キャリア周波数信号)を発生する周波数生成部(1)20Aと、周波数生成部(1)20Aを切り換えるスイッチSW7を有する分配器35Aを備える。制御部12Aは、送信部(1)11AをイネーブルにするスイッチWS1と、周波数生成部(1)20AをイネーブルにするスイッチWS2を内蔵する。
【0042】
第1送受信機10Aの送信機(1)11Aは、第1実施形態の符号化部を構成するD/A変換部32A、キャリアを変調する第1実施形態の変調部を構成するミキサ34A、増幅器36A、ローパスフィルタ38Aを備える。ローパスフィルタ38Aの出力は図示しない送信アンテナに接続される。
【0043】
第1送受信機10Aの受信機(受信部)21Aは、図示しない受信アンテナに接続されたローノイズアンプ39Aと、第1実施形態の復調部を構成するミキサ36A、ミキサ36Aの出力をA/D変換して制御部12A側に出力するA/D変換部33Aを有する。
【0044】
図4は、第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムによる処理を示すフローチャートである。
第1送受信機10Aによるインベントリが実行される(S12)。第1送受信機10Aの制御部12Aは、スイッチSW1をオンし、送信部(1)11Aをイネーブルにする。第2送受信機10Bの制御部12Bは、スイッチSW3をオフし、送信部(2)11Bをディスイネーブルにする。第3送受信機10Cの制御部12Cは、スイッチSW5をオフし、送信部(3)11Cをディスイネーブルにする。
【0045】
第1送受信機10Aの制御部12Aは、スイッチSW2をオンし、周波数生成部(1)20Aでキャリア周波数信号を生成する。同時に、第2送受信機10Bの制御部12Bは、スイッチSW4のオフを続け、周波数生成部(2)20Bをディスエーブルにし、第3送受信機10Cの制御部12Cは、スイッチSW6のオフを続け、周波数生成部(3)20Cをディスエーブルにする。第1送受信機10Aの分配器35Aは、スイッチSW7をa端子側に切り換え、周波数生成部(1)20Aのキャリア周波数をミキサ36A側に出力する。第2送受信機10Bの分配器35Bは、スイッチSW8をb端子側に切り換え、第1送受信機10Aの周波数生成部(1)20Aのキャリアを、分配器35A、分配器35Bを介してミキサ36B側に出力する。同様に、第3送受信機10Cの分配器35Cは、スイッチSW9をb端子側に切り換え、第1送受信機10Aの周波数生成部(1)20Aのキャリアを、分配器35A、分配器35B、分配器35Cを介してミキサ36C側に出力する(S14)。
【0046】
第1送受信機10Aの送信部(1)により、周波数生成部(1)20Aのキャリア周波数で変調されたインベントリ信号が送信される(S16)。
【0047】
第1送受信機10Aの受信部(1)11A、第2送受信機10Bの受信部(2)11B、第3送受信機10Cの受信部(3)11Cのいずれか、もしくは複数で、タグのインベントリ応答信号を受信し、第1送受信機10Aの周波数生成部(1)20Aで生成されたキャリア周波数を用いて、第1送受信機10Aの受信部(1)11A、第2送受信機10Bの受信部(2)11B、第3送受信機10Cの受信部(3)11Cで復調処理を行う(S18)
【0048】
復調結果から、CRCチェック(巡回冗長検査)により、読取り結果の成否を判定する(S20)。送信を行った第1送受信機10Aの制御部12Aで、復調された応答信号がCRCチェックで適正とされた場合には、当該応答信号からRFIDタグの情報が読取られる。一方、送信を行った第1送受信機10Aで、復調された応答信号がCRCチェックで不適正とされた際には、第2送受信機10Bの制御部12B、又は、第3送受信機10Cの制御部12Cで、復調された応答信号がCRCチェックで適正とされた場合には、当該応答信号からRFIDタグの情報が読取られる。なおここで、第2送受信機10B、又は、第3送受信機10Cで、復調された応答信号がCRCチェックで共に適正とされた場合に対応するため、第2送受信機10B、第3送受信機10Cに優先順位を予め定めておくことができる。例えば、第2送受信機10B、第3送受信機10Cでの受信データが共に適正とされた場合に、第2送受信機10Bでの応答信号からRFIDタグの情報が読取られる。
【0049】
第2送受信機10Bによるインベントリが実行される際には、同様に、第2送受信機10Bの周波数生成部(2)20Bで生成されたキャリア周波数を用いて、第2送受信機10Bの受信部(2)11B、第1送受信機10Aの受信部(1)11A、第3送受信機10Cの受信部(3)11Cで復調処理が行われる。
【0050】
第3送受信機10Cによるインベントリが実行される際には、第3送受信機10Cの周波数生成部(3)20Cで生成されたキャリア周波数を用いて、第3送受信機10Cの受信部(3)11C、第1送受信機10Aの受信部(1)11A、第2送受信機10Bの受信部(2)11Cで復調処理が行われる。
【0051】
第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムでは、送信を行った1つの送受信機の変調部(ミキサ)で用いた周波数発生部のキャリアを、他の送受信機の復調部(キャリア)で復調に用いるため、複数の送受信機の復調部で確実に同一周波数のキャリア周波数で復調できる。複数の送受信機でタグ情報を読取ることが可能になる。
【0052】
第1実施形態の第2改変例に係る無線タグシステムでは、送信を行った1つの送受信機の制御部は当該1つの送受信機の変調部で復調されたデータを、他の送受信機の制御部は当該他の送受信機の復調部で復調されたデータを、それぞれ巡回冗長検査を行い、適正と判断するため、誤り無くRFIDダグの情報を読取ることができる。なお、上述した巡回冗長検査は、第1実施形態の無線タグシステム、第1実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムに於いても行われている。
【0053】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る無線タグシステムについて、図5を参照して説明する。
図5に示す無線タグシステムは、1台の送受信機10から構成される。送受信機10は、第1実施形態の第1送受信機10Aと同様である。但し、第2実施形態の送受信機10は、受信機(1)21a、受信機(2)21b、受信機(3)の3台の受信機を備える。受信機(1)21aは受信アンテナ28aと復調部(1)24aを備える。受信機(2)21bは受信アンテナ28bと復調部(2)24bを備える。受信機(3)21cは受信アンテナ28cと復調部(3)24aを備える。周波数生成部20から同一のキャリア周波数信号が、信号線30aを介して復調部(1)24a、信号線30bを介して復調部(2)24b、信号線30cを介して復調部(3)24cに入力される。
【0054】
第2実施形態の無線タグシステムを構成する送受信機10では、送信機11から送信信号が送出された際、変調部14で用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(1)21aの復調部(1)24aで、受信機(2)21bの復調部(2)24bで、受信機(3)21cの復調部(3)24cで受信信号の復調が行われる。第2実施形態の無線タグシステムでは、受信機(1)21aの復調部(1)24a、受信機(2)21bの復調部(2)24bで、受信機(3)21cの復調部(3)24cで、同一のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、受信機(1)21a、受信機(2)21b、受信機(3)21cの3台の受信機でそれぞれタグ情報を読取ることができる。
【0055】
第2実施形態の無線タグシステムを構成する送受信機10では、送受信機10の複数の復調部(1)24a、復調部(2)24b、復調部(3)24cで同一のキャリア周波数で復調できるので、ビートが発生せず、複数の復調部でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【0056】
[第2実施形態の第1改変例]
以下、本発明の第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムについて、図6を参照して説明する。
図6に示す第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、図5に示す第2実施形態の送受信機を3台(第1送受信機10A、第2送受信機10B、第3送受信機10C)備える。第1送受信機10Aは、受信機(1)21Aa、受信機(2)21Ab、受信機(3)21Acの3台の受信機を有する。第2送受信機10Bは、受信機(4)21Ba、受信機(5)21Bb、受信機(6)21Bcの3台の受信機を有する。第3送受信機10Cは、受信機(7)21Ca、受信機(8)21Cb、受信機(9)21Ccの3台の受信機を有する。
【0057】
第1送受信機10Aの周波数生成部20Aと第2送受信機10Bの周波数生成部20Bとは、変調部で用いたキャリアの周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する第2通知手段を構成する第2信号線31Aで接続されている。第2信号線31Aを介して第1送受信機10Aの周波数生成部20Aと第2送受信機10Bの周波数生成部20Bとが同期を取り、同一周波数のキャリアを発生する。同様に、第2送受信機10Bの周波数生成部20Bと第3送受信機10Cの周波数生成部20Cとは、第2信号線31Bで接続されている。第2信号線31Bを介して第2送受信機10Bの周波数生成部20Bと第3送受信機10Cの周波数生成部20Cとが同期を取り、同一周波数のキャリアを発生する。
【0058】
第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、第1送受信機10Aの送信機(1)11Aから送信信号が送出された際、変調部14Aで用いられた該送信信号のキャリアと同一のキャリアで、受信機(1)21Aa、受信機(2)21Ab、受信機(3)21Acの復調部(1)24Aa、復調部(2)24Ab、復調部(3)24Acで受信信号の復調が行われる。同時に、第2送受信機10Bの復調部(4)24Ba、復調部(5)24Bb、復調部(6)24Bcで、周波数生成部20Aと第2信号線31Aを介して同期が取られた同一周波数の周波数生成部20Bのキャリアで受信信号の復調が行われる。第3送受信機10Cの復調部(7)24Ca、復調部(8)24Cb、復調部(9)24Ccで、周波数生成部20Bと第2信号線31Bを介して同期が取られた同一周波数の周波数生成部20Cのキャリアで受信信号の復調が行われる。第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、復調部(1)24Aa、復調部(2)24Ab、復調部(3)24Ac、復調部(4)24Ba、復調部(5)24Bb、復調部(6)24Bc、復調部(7)24Ca、復調部(8)24Cb、復調部(9)24Ccで、同一周波数のキャリアで復調を行うため、ビートが発生せず、受信機(1)21Aa、受信機(2)21Ab、受信機(3)21Ac、受信機(4)21Ba、受信機(5)21Bb、受信機(6)21Bc、受信機(7)21Ca、受信機(8)21Cb、受信機(9)21Ccの9台の受信機でそれぞれタグ情報を読取ることができる。
【0059】
第2実施形態の第1改変例に係る無線タグシステムでは、送受信機を複数備え、送信を行った1つの送受信機の変調部で用いたキャリア周波数を、他の送受信機の復調部へ通知する第2通知手段(第2信号線31A)を有する。複数の送受信機の複数の復調部で同期したキャリア周波数で復調できるので、多数の復調部でタグ情報を読取ることができる。タグの読取りエリアを広げ、移動しているタグの読み漏らしを低減することができる。
【符号の説明】
【0060】
10A…第1送受信機
11A…送信機(1)
12A…制御部
14A…変調部
20A…周波数生成部
24A…復調部(1)
30A…信号線
31A…第2信号線
40…無線タグ
図1
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図10