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特開2024-30441情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030441
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240229BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20240229BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20240229BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240229BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/80 A
A63F13/798
A63F13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133350
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】522305483
【氏名又は名称】本田 孝一
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】本田 孝一
(57)【要約】
【課題】ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与える。
【解決手段】二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部と、第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える制御部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部と、
前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える制御部とを有する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記二人零和有限確定完全情報ゲームの状況を示す状況情報に基づいて、前記2人のプレイヤーの評価点について機械学習を行なって生成された学習モデルと、
前記状況情報を前記学習モデルに入力して該学習モデルから前記評価点を示す評価点情報を取得する評価点情報取得部とを有し、
前記制御部は、前記速攻ケースが前記第2の操作部への操作手番において前記所定の回数以上連続して発生する前と発生した後とにおいて、前記第2の操作部を操作するプレイヤーについて前記評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点を比較し、前記比較の結果、前記速攻ケースが前記所定の回数以上連続して発生する前に前記評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点よりも、前記速攻ケースが前記所定の回数以上連続して発生した後に前記評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点が高い場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記比較の結果、前記速攻ケースが前記所定の回数以上連続して発生する前に前記評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点よりも、前記速攻ケースが前記所定の回数以上連続して発生した後に前記評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点が所定の閾値以上高い場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える場合、前記第1の操作部が操作を受け付けてから前記第2の操作部が操作を受け付けるまでの制限時間を拡張する情報処理システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える場合、前記第2の操作部への操作手番でないときに該第2の操作部が操作を受け付けても該操作を有効にする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを与える場合、前記第2の操作部が操作を受け付けてから前記第1の操作部が操作を受け付けるまでの制限時間を短縮する情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記二人零和有限確定完全情報ゲームの状況を表示する表示部を有し、
前記表示部は、前記制御部が、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科した場合、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与えた場合、所定の表示を行う情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示部は、前記制御部が、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科した場合、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与えた場合、当該表示部における情報の表示の色を変更する情報処理システム。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1の操作部および前記第2の操作部それぞれは、前記二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する2つの通信端末それぞれに設けられている情報処理システム。
【請求項10】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記第1の操作部が操作を受け付けてから前記制限時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けなかった場合、次の手番を前記第1の操作部への操作に設定し、または前記第2の操作部が操作を受け付けてから前記制限時間内に前記第1の操作部が操作を受け付けなかった場合、次の手番を前記第2の操作部への操作に設定する情報処理システム。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記二人零和有限確定完全情報ゲームは、将棋である情報処理システム。
【請求項12】
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部のうち、前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える制御部を有する情報処理装置。
【請求項13】
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーのうち第1のプレイヤーが操作する第1の操作部が操作を受け付ける処理と、
前記2人のプレイヤーのうち第2のプレイヤーが操作する第2の操作部が操作を受け付ける処理と、
前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える処理とを行う情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部のうち、前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える手順を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
長年、二人零和有限確定完全情報ゲームの代表として挙げられる将棋の対局では、プレイヤーが将棋盤を挟んで向かい合う形態でゲームが行われている。また、インターネットが普及した近年では、インターネットを介して通信端末にアニメーション表示された盤面をユーザが見ながら、通信端末に所定の操作を行ってゲームを進めるというネットワーク対局ゲームシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-89584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術においては、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを与えることが容易ではないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与えることができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部と、
前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える制御部とを有する。
【0007】
また、本発明の情報処理装置は、
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部のうち、前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える制御部を有する。
【0008】
また、本発明の情報処理方法は、
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーのうち第1のプレイヤーが操作する第1の操作部が操作を受け付ける処理と、
前記2人のプレイヤーのうち第2のプレイヤーが操作する第2の操作部が操作を受け付ける処理と、
前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
二人零和有限確定完全情報ゲームを行う2人のプレイヤーがそれぞれ操作する第1および第2の操作部のうち、前記第1の操作部が操作を受け付けてから所定の時間内に前記第2の操作部が操作を受け付けた速攻ケースが、前記第2の操作部への操作手番において所定の回数連続して発生した場合、前記第1の操作部への操作に関してペナルティを科す、または前記第2の操作部への操作に関してインセンティブを与える手順を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した通信端末に具備された構成要素の一例を示す図である。
図3図1に示した情報処理装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図4図4は、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図4は、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図6図1に示した通信端末が制限時間を表示した場合の表示画面の一例を示す図である。
図7図1に示した通信端末が手番情報を表示した場合の表示画面の一例を示す図である。
図8】本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
図9図8に示した情報処理装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図10図9に示した学習モデルの入出力の一例を示す図である。
図11図8に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図12】対局開始から各手番にて評価点情報取得部が取得した評価点情報が示す評価点の一例を示す図である。
図13図8に示した情報処理システムにおける情報処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。
図15図14に示した情報処理装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図16図14に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図1に示すように、情報処理装置100と、通信端末200-1,200-2とを有する。情報処理装置100と、通信端末200-1,200-2とは、互いに通信ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。情報処理装置100と、通信端末200-1,200-2それぞれとが直接接続されていても良い。また、この接続は、無線を介したものでも良いし、有線を介したものでも良い。
【0014】
通信端末200-1,200-2それぞれは、プレイヤーそれぞれが二人零和有限確定完全情報ゲームを進行させるために操作する操作機能を具備する。通信端末200-1,200-2は、スマートフォンやPC(Personal Computer)等の通信装置でも良い。
【0015】
図2は、図1に示した通信端末200-1に具備された構成要素の一例を示す図である。図1に示した通信端末200-1は図2に示すように、通信部210と、操作部220と、表示部230とを有する。図2には、図1に示した通信端末200-1が具備する構成要素のうち本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。通信端末200-2に具備された構成要素は、図2に示した通信端末200-1が具備する構成要素と同じである。なお、以下の説明において、通信端末200-1と通信端末200-2とのいずれか一方の通信端末が具備する操作部220を第1の操作部とし、他方の通信端末が具備する操作部220を第2の操作部とする。
【0016】
通信部210は、通信ネットワーク300を介して、他の通信装置との間で通信を行う。通信部210が行う通信の規格は、通信ネットワーク300を介して他の通信装置との間で通信を行うことができるものであれば良く、特に規定しない。
【0017】
表示部230は、情報を表示するディスプレイである。表示部230は、例えば、情報処理装置100から送信されてきた二人零和有限確定完全情報ゲームの盤面情報や、ゲームの進行に関する情報を表示する。表示部230は、操作部220が受け付けた操作に応じた情報を表示する。
【0018】
操作部220は、プレイヤーが通信端末200-1に情報を入力するための操作を受け付けるデバイスである。操作部220は、例えば、タッチパネルや、キーボード、マウス、タッチパッド、ジョイスティック等の情報を入力するための手段である。操作部220に対してなされた操作を示す操作情報は、通信部210から通信ネットワーク300を介して情報処理装置100へ送信される。
【0019】
なお、表示部230が情報処理装置100に具備され、2人のプレイヤーそれぞれが操作する操作デバイス(通信端末)には通信部210と操作部220とのみが具備されていても良い。この場合、2人のプレイヤーは、情報処理装置100に具備された1つまたは複数の表示部230における表示を見ながら、それぞれが所持する操作デバイスを操作する。これは、以下に説明する第2の実施の形態および第3の実施の形態ついても同様である。
【0020】
情報処理装置100は、通信端末200-1,200-2を用いて行われている二人零和有限確定完全情報ゲームの進行を制御する。情報処理装置100は、二人零和有限確定完全情報ゲームを提供する提供者が所有・管理する装置である。情報処理装置100は、ハードウェアおよびソフトウェアから構成された装置である。
【0021】
図3は、図1に示した情報処理装置100に具備された構成要素の一例を示す図である。図1に示した情報処理装置100は図3に示すように、通信部110と、制御部120とを有する。図3には、図1に示した情報処理装置100が具備する構成要素のうち本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0022】
通信部110は、通信ネットワーク300を介して、他の通信装置との間で通信を行う。通信部110が行う通信の規格は、通信ネットワーク300を介して他の通信装置との間で通信を行うことができるものであれば良く、特に規定しない。
【0023】
制御部120は、二人零和有限確定完全情報ゲームの進行を制御する。例えば、制御部120が進行を制御する二人零和有限確定完全情報ゲームが将棋である場合、制御部120は、あらかじ決められた将棋のルールに則って、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に基づいて、ゲームの進行を制御する。制御部120は、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に基づいて、ゲームの盤面情報を更新していく。制御部120は、更新した盤面情報を、通信部110を介して通信端末200-1,200-2へ送信する。本形態においては、制御部120は、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に応じた速攻ケースが、同じプレイヤーの操作手番において所定の回数連続して発生した場合、当該プレイヤーの相手の操作部220への操作に関してペナルティを科す、または当該プレイヤーの操作部220への操作に関してインセンティブを与える。ここで、速攻ケースとは、例えば、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けてから所定の時間(ゲーム開始時は後述する制限時間よりも短いものが好ましい)内に次の手番である通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けたケースのことを言う(以下の説明について同じ)。これは、相手が操作部220を操作してから(手を指してから)所定の時間内に自身の操作部220を操作する(手を指す)ことが所定の回数連続した場合、そのプレイヤーが相手方のプレイヤーよりも有利な状況になるようにするという趣旨である。以下に、具体的なインセンティブやペナルティについて例を挙げて説明する。
【0024】
二人零和有限確定完全情報ゲームでは、盤面に対してプレイヤーである2人が交互に駒等を操作していく。1つの操作を行うための持ち時間は限られており、また、1回の対局で各プレイヤーが保有するトータルの時間が限られている。これらの時間を制限時間と定義する。この制限時間を超えても操作が行われない場合、そのプレイヤーは負けとなるルールを適用しているケースが多い。そこで、上記のインセンティブとして、当該プレイヤーの制限時間を拡張することが挙げられる。また、上記のペナルティとして、当該プレイヤーの相手方の制限時間を短縮することが挙げられる。本発明において拡張または短縮する制限時間は、1つの操作を行うための持ち時間であっても良いし、1回の対局で各プレイヤーが保有するトータルの時間であっても良いし、双方であっても良い。1つの操作を行うための持ち時間である制限時間内に次の手番であるプレイヤーによる操作が行われなかった場合、操作を行う手番であったプレイヤーを負けとしても良いし、次の手番を相手方の手番としても良い。また、1回の対局で各プレイヤーが保有するトータルの時間である制限時間内に次の手番であるプレイヤーによる操作が行われなかった場合、操作を行う手番であったプレイヤーを負けとしても良いし、当該プレイヤーについては次回の手番から1つの操作を行うための持ち時間を制限時間として利用しても良い。
【0025】
以下に、上記のインセンティブとして、当該プレイヤーの制限時間を拡張する場合の処理について説明する。図4は、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、上述した所定の時間が3秒であり、所定の回数が3回である場合を例に挙げる。また、通信端末200-1の操作部220が第1の操作部であり、通信端末200-2の操作部220が第2の操作部である場合を例に挙げて説明する。
【0026】
まず、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると(ステップS1)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-1の通信部210から情報処理装置100へ送信される。情報処理装置100の制御部120は、通信端末200-1から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部120は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-1に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS1にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部120は、当該操作情報が送信されてくると、情報処理装置100内に設けられた、時間を計測するタイマー(不図示)をリセットして、時間の計測を開始する(ステップS2)。
【0027】
その後、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けると(ステップS3)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-2の通信部210から情報処理装置100へ送信される。情報処理装置100の制御部120は、通信端末200-2から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部120は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-2に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS3にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部120は、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)であるかどうかを判定する(ステップS4)。
【0028】
当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)である場合、制御部120は、情報処理装置100内に設けられたカウンタ(不図示)の値を1アップする(ステップS5)。このカウンタのカウンタ値は、ゲーム開始時には0に設定されている。続いて、制御部120は、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」であるかどうかを判定する(ステップS6)。カウンタのカウンタ値が所定の値「3」である場合、制御部120は、通信端末200-2の操作部220への操作の制限時間を拡張する(ステップS7)。拡張の幅は、例えば5秒でも良いし、特に規定しない。例えば、制限時間が30秒であり、拡張の幅が5秒である場合、拡張後の制限時間は35秒となる。その後、制御部120は、カウンタのカウンタ値をリセットする(0にする)(ステップS8)。
【0029】
制御部120は、制限時間を拡張した旨を、通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ通知しても良い。この場合、制御部120は制限時間を拡張すると、拡張した制限時間を示す制限時間情報を、通信部110を介して通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ送信する。通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方の表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた制限時間情報が示す拡張された制限時間を表示する。
【0030】
ステップS4にて、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)ではない場合、ステップS8の処理が行われる。また、ステップS6にて、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」ではない場合、ステップS1の処理が行われる。上述した手順が、通信端末200-1,200-2それぞれについて、交互に行われる。
【0031】
以下に、上記のペナルティとして、当該プレイヤーの相手のプレイヤーの制限時間を短縮する場合の処理について説明する。図5は、図1に示した情報処理システムにおける情報処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、上述した所定の時間が3秒であり、所定の回数が3回である場合を例に挙げる。また、通信端末200-1の操作部220が第1の操作部であり、通信端末200-2の操作部220が第2の操作部である場合を例に挙げて説明する。
【0032】
まず、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると(ステップS11)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-1の通信部210から情報処理装置100へ送信される。情報処理装置100の制御部120は、通信端末200-1から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部120は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-1に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS1にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部120は、当該操作情報が送信されてくると、情報処理装置100内に設けられた、時間を計測するタイマー(不図示)をリセットして、時間の計測を開始する(ステップS12)。
【0033】
その後、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けると(ステップS13)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-2の通信部210から情報処理装置100へ送信される。情報処理装置100の制御部120は、通信端末200-2から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部120は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-2に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS13にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部120は、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)であるかどうかを判定する(ステップS14)。
【0034】
当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)である場合、制御部120は、情報処理装置100内に設けられたカウンタ(不図示)の値を1アップする(ステップS15)。このカウンタのカウンタ値は、ゲーム開始時には0に設定されている。続いて、制御部120は、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」であるかどうかを判定する(ステップS16)。カウンタのカウンタ値が所定の値「3」である場合、制御部120は、通信端末200-1の操作部220への操作の制限時間を短縮する(ステップS17)。短縮の幅は、例えば5秒でも良いし、特に規定しない。例えば、制限時間が30秒であり、短縮の幅が5秒である場合、短縮後の制限時間は25秒となる。その後、制御部120は、カウンタのカウンタ値をリセットする(0にする)(ステップS18)。
【0035】
制御部120は、制限時間を短縮した旨を、通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方へ通知しても良い。この場合、制御部120は制限時間を短縮すると、短縮した制限時間を示す制限時間情報を、通信部110を介して通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方へ送信する。通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方の表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた制限時間情報が示す短縮された制限時間を表示する。図6は、図1に示した通信端末200-1が制限時間を表示した場合の表示画面の一例を示す図である。図6に示すように、通信端末200-1の表示部230に、制限時間が短縮された旨(短縮後の制限時間を含む)が表示される。また、このとき、表示部230に表示されている画面の色を変更しても良い。表示色を変更することで、通信端末200-1を操作しているプレイヤーが、制限時間が短縮されたことを認識しやすくなる。
【0036】
ステップS14にて、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)ではない場合、ステップS18の処理が行われる。また、ステップS16にて、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」ではない場合、ステップS11の処理が行われる。上述した手順が、通信端末200-1,200-2それぞれについて、交互に行われる。
【0037】
なお、上述した所定の時間内に操作を行う速攻ケースが、その操作を行った側(手番)にて所定の回数連続して行われた場合、当該操作を行った側の操作にインセンティブを与えるのか、当該操作を行った側の相手側の操作にペナルティを与えるのかをゲーム開始前に選択可能としても良いし、ゲーム開始後に選択可能としても良い。例えば、通信端末200-1,200-2の表示部230に選択画面を表示させ、当該選択画面に従って操作部220が受け付けた操作に基づいて選択されても良い。また、インセンティブとペナルティとの双方を与えるものでも良い。このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0038】
また、制限時間を超えても操作が行われない場合、そのプレイヤーを負けとせずに、次の手番を当該プレイヤーの相手のプレイヤーの手番としても良い。具体的には、制御部120は、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けてから制限時間内に通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けなかった場合、次の手番を通信端末200-1の操作部220への操作に設定する。また、制御部120は、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けてから制限時間内に通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けなかった場合、次の手番を通信端末200-2の操作部220への操作に設定する。また、制御部120は、このような手番を設定した場合、その旨を通信端末200-1,200-2へ通知しても良い。この場合、制御部120は、上述したように手番を設定すると、通信部110を介して手番が設定(変更)された旨を示す手番情報を通信端末200-1,200-2へ送信する。通信端末200-1,200-2の表示部230は、情報処理装置100から送信されてきた手番情報を表示する。図7は、図1に示した通信端末200-1が手番情報を表示した場合の表示画面の一例を示す図である。図7に示すように、通信端末200-1の表示部230に手番が変更された旨が表示される。図7に示した例では、制限時間を超えたプレイヤーが操作する通信端末への表示であるが、相手のプレイヤーが操作する通信端末には、自身の手番である旨が表示される。なお、制御部120が行う手番の制御は、設定されている手番ではない操作部が操作を受け付けた場合、当該操作を無効にする等の制御で良い。このことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
【0039】
このように本形態においては、二人零和有限確定完全情報ゲームにおいて、一方のプレイヤーの手番において、他方のプレイヤーの操作を受け付けてから短い時間内に一方のプレイヤーの操作を受け付けた速攻ケースが所定の回数連続して行われた場合に、一方のプレイヤーの操作にインセンティブを与える、または他方のプレイヤーの操作にペナルティを与える。例えば、インセンティブは制限時間(持ち時間)の拡張であり、ペナルティは制限時間(持ち時間)の短縮である。これにより、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与えることができる。
(第2の実施の形態)
【0040】
図8は、本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図2に示すように、情報処理装置101と、通信端末200-1,200-2とを有する。情報処理装置101と、通信端末200-1,200-2とは、互いに通信ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。情報処理装置101と、通信端末200-1,200-2それぞれとが直接接続されていても良い。また、この接続は、無線を介したものでも良いし、有線を介したものでも良い。通信端末200-1,200-2それぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じものである。
【0041】
情報処理装置101は、第1の実施の形態における情報処理装置100が具備する機能に加えて、ゲームの状況に応じてプレイヤーの評価点を取得し、取得した評価点に基づいてプレイヤーの操作にインセンティブやペナルティを与える機能を具備する。
【0042】
図9は、図8に示した情報処理装置101に具備された構成要素の一例を示す図である。図8に示した情報処理装置101は図9に示すように、通信部110と、制御部121と、学習モデル131と、評価点情報取得部141とを有する。図9には、図8に示した情報処理装置101が具備する構成要素のうち本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。通信部110は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。
【0043】
学習モデル131は、二人零和有限確定完全情報ゲームの状況を示す状況情報に基づいて、2人のプレイヤーの評価点について機械学習を行なって生成された学習モデルである。具体的には、学習モデル131は、学習モデル生成手段(不図示)が、ゲームの状況を示す状況情報(例えば、将棋の場合、盤面情報)を解析して評価関数を作成して生成されたものである。学習モデル131は、状況情報に基づいた評価点を出力する。この学習モデル131の生成方法は、一般に知られているもので良く、特に限定しない。学習モデル131は、情報処理装置101の外部に設けられていても良い。
【0044】
図10は、図9に示した学習モデル131の入出力の一例を示す図である。図9に示した学習モデル131は図10に示すように、状況情報が入力されると評価点情報が出力される学習モデルである。
【0045】
評価点情報取得部141は、制御部121から状況情報を取得する。状況情報は、例えば、制御部121がゲーム中に通信端末200-1,200-2それぞれの操作部220が受け付けた操作に基づいて更新していく将棋の盤面情報である。将棋の盤面情報は、例えば、それぞれの駒の位置や、持ち駒の数および種類、次の手番がどちらのプレイヤーなのか、対局開始から何手目なのか等の情報が含まれる。評価点情報取得部141は、取得した状況情報を学習モデル131に入力して学習モデル131から評価点を示す評価点情報を取得する。学習モデル131が情報処理装置101の外部に設けられている場合、評価点情報取得部141は、通信部110を介して学習モデル131から評価点情報を取得する。
【0046】
制御部121は、二人零和有限確定完全情報ゲームの進行を制御する。例えば、制御部121が進行を制御する二人零和有限確定完全情報ゲームが将棋である場合、制御部121は、あらかじ決められた将棋のルールに則って、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に基づいて、ゲームの進行を制御する。制御部121は、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に基づいて、ゲームの盤面情報を更新していく。制御部121は、更新した盤面情報を、通信部110を介して通信端末200-1,200-2へ送信する。本形態においては、制御部121は、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220が受け付けた操作に応じた速攻ケースが、同じプレイヤーの操作手番において所定の回数以上連続して発生した場合、速攻ケースが所定の回数以上連続して発生する前と発生した後とにおいて、速攻ケースを発生させたプレイヤーについて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点を比較する。比較の結果、速攻ケースが所定の回数以上連続して発生する前に評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点よりも、速攻ケースが所定の回数以上連続して発生した後に評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点が高い場合、制御部121は、当該プレイヤーの相手のプレイヤーが操作する通信端末の操作部220への操作に関してペナルティを科す、または当該プレイヤーが操作する通信端末の操作部220への操作に関してインセンティブを与える。このとき、制御部121は、比較の結果、速攻ケースが所定の回数以上連続して発生する前に評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点よりも、速攻ケースが所定の回数以上連続して発生した後に評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点が所定の閾値以上高い場合、制御部121は、当該プレイヤーの相手のプレイヤーが操作する通信端末の操作部220への操作に関してペナルティを科す、または当該プレイヤーが操作する通信端末の操作部220への操作に関してインセンティブを与えるものでも良い。
【0047】
以下に、上記のインセンティブとして、当該プレイヤーの制限時間を拡張する場合の処理について説明する。図11は、図8に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、上述した所定の時間が3秒であり、所定の回数が3回である場合を例に挙げる。また、通信端末200-1の操作部220が第1の操作部であり、通信端末200-2の操作部220が第2の操作部である場合を例に挙げて説明する。
【0048】
まず、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると(ステップS21)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-1の通信部210から情報処理装置101へ送信される。情報処理装置101の制御部121は、通信端末200-1から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部121は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-1に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS21にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部121は、当該操作情報が送信されてくると、情報処理装置101内に設けられた、時間を計測するタイマー(不図示)をリセットして、時間の計測を開始する(ステップS22)。
【0049】
その後、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けると(ステップS23)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-2の通信部210から情報処理装置101へ送信される。情報処理装置101の制御部121は、通信端末200-2から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部121は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-2に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS23にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部121は、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)であるかどうかを判定する(ステップS24)。
【0050】
当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)である場合、制御部121は、情報処理装置101内に設けられたカウンタ(不図示)の値を1アップする(ステップS25)。このカウンタのカウンタ値は、ゲーム開始時には0に設定されている。続いて、制御部121は、カウンタのカウンタ値が「1」であるかどうかを判定する(ステップS26)。
【0051】
カウンタのカウンタ値が「1」である場合、評価点情報取得部141は、1手前の評価点情報を取得する(ステップS27)。ここで、評価点情報取得部141は、1手前の状況情報を制御部121から取得し、取得した状況情報を学習モデル131に入力して、学習モデル131から出力されてきた評価点情報を取得する。取得する評価点情報は、通信端末200-2の操作部220を操作するプレイヤーの評価点を示す情報である。そして、ステップS21の処理が再度行われる。
【0052】
一方、ステップS26にて、カウンタのカウンタ値が「1」ではない場合、制御部121は、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上であるかどうかを判定する(ステップS28)。カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上である場合、評価点情報取得部141は、現在の評価点情報を取得する(ステップS29)。ここで、評価点情報取得部141は、現在の状況情報を制御部121から取得し、取得した状況情報を学習モデル131に入力して、学習モデル131から出力されてきた評価点情報を取得する。取得する評価点情報は、通信端末200-2の操作部220を操作するプレイヤーの評価点を示す情報である。
【0053】
すると、制御部121は、ステップS27にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点と、ステップS29にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点とを比較する。比較の結果、ステップS29にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点が、ステップS27にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点よりも高い場合、その差が所定の閾値以上であるかどうかを制御部121が判定する(ステップS30)。この閾値は、あらかじめ外部から設定された値でも良いし、状況やプレイヤーのレベルに応じて設定(算出)される値でも良い。
【0054】
評価点の差が所定の閾値以上である場合、制御部121は、通信端末200-2の操作部220への操作の制限時間を拡張する(ステップS31)。拡張の幅は、例えば5秒でも良いし、特に規定しない。例えば、制限時間が30秒であり、拡張の幅が5秒である場合、拡張後の制限時間は35秒となる。その後、制御部121は、カウンタのカウンタ値をリセットする(0にする)(ステップS32)。
【0055】
制御部121は、制限時間を拡張した旨を、通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ通知しても良い。この場合、制御部121は制限時間を拡張すると、拡張した制限時間を示す制限時間情報を、通信部110を介して通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ送信する。通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方の表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた制限時間情報が示す拡張された制限時間を表示する。
【0056】
図12は、対局開始から各手番にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点の一例を示す図である。図12には、評価点情報取得部141が取得した先手の評価点を示している。例えば、図12に示した「後手2手目」の操作を受け付けてから「先手3手目」の操作を受け付けるまでの時間が所定の時間内(例えば、3秒以内)である場合、評価点情報取得部141は、その1手前の「後手2手目」の評価点「-100」を取得する。そして、評価点情報取得部141は、速攻ケースが所定の回数(3回)連続して発生したときの「先手7手目」の評価点「+450」を取得する。これらを比較すると、速攻ケースが所定の回数(3回)連続して発生したときの評価点が、速攻ケースが発生したときの1手前の評価点よりも「550」高い。ここで、例えば閾値が「500」であれば、それらの差分「550」が閾値「500」以上となり、ステップS31の処理が行われる。なお、図11に示したフローチャートを用いた説明では、評価点情報取得部141は、速攻ケースが発生したときの1手前の評価点情報と、速攻ケースが所定の回数連続して発生したときの評価点情報とのみを取得しているが、図12では、評価点情報の遷移がわかりやすいように、すべての手番における評価点を示した。
【0057】
ステップS24にて、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)ではない場合、ステップS32の処理が行われる。また、ステップS28にて、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上ではない場合、ステップS21の処理が行われる。また、ステップS30にて、評価点の差が所定の閾値以上ではない場合、ステップS21の処理が行われる。上述した手順が、通信端末200-1,200-2それぞれについて、交互に行われる。
【0058】
以下に、上記のペナルティとして、当該プレイヤーの相手のプレイヤーの制限時間を短縮する場合の処理について説明する。図13は、図8に示した情報処理システムにおける情報処理方法の他の例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、上述した所定の時間が3秒であり、所定の回数が3回である場合を例に挙げる。また、通信端末200-1の操作部220が第1の操作部であり、通信端末200-2の操作部220が第2の操作部である場合を例に挙げて説明する。
【0059】
まず、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると(ステップS41)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-1の通信部210から情報処理装置101へ送信される。情報処理装置101の制御部121は、通信端末200-1から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部121は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-1に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS41にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部121は、当該操作情報が送信されてくると、情報処理装置101内に設けられた、時間を計測するタイマー(不図示)をリセットして、時間の計測を開始する(ステップS42)。
【0060】
その後、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けると(ステップS43)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-2の通信部210から情報処理装置101へ送信される。情報処理装置101の制御部121は、通信端末200-2から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部121は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-2に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS43にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部121は、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)であるかどうかを判定する(ステップS44)。
【0061】
当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)である場合、制御部121は、情報処理装置101内に設けられたカウンタ(不図示)の値を1アップする(ステップS45)。このカウンタのカウンタ値は、ゲーム開始時には0に設定されている。続いて、制御部121は、カウンタのカウンタ値が「1」であるかどうかを判定する(ステップS46)。
【0062】
カウンタのカウンタ値が「1」である場合、評価点情報取得部141は、1手前の評価点情報を取得する(ステップS47)。ここで、評価点情報取得部141は、1手前の状況情報を制御部121から取得し、取得した状況情報を学習モデル131に入力して、学習モデル131から出力されてきた評価点情報を取得する。取得する評価点情報は、通信端末200-2の操作部220を操作するプレイヤーの評価点を示す情報である。そして、ステップS41の処理が再度行われる。
【0063】
一方、ステップS46にて、カウンタのカウンタ値が「1」ではない場合、制御部121は、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上であるかどうかを判定する(ステップS48)。カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上である場合、評価点情報取得部141は、現在の評価点情報を取得する(ステップS49)。ここで、評価点情報取得部141は、現在の状況情報を制御部121から取得し、取得した状況情報を学習モデル131に入力して、学習モデル131から出力されてきた評価点情報を取得する。取得する評価点情報は、通信端末200-2の操作部220を操作するプレイヤーの評価点を示す情報である。
【0064】
すると、制御部121は、ステップS47にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点と、ステップS49にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点とを比較する。比較の結果、ステップS49にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点が、ステップS47にて評価点情報取得部141が取得した評価点情報が示す評価点よりも高い場合、その差が所定の閾値以上であるかどうかを制御部121が判定する(ステップS50)。この閾値は、あらかじめ外部から設定された値でも良いし、状況やプレイヤーのレベルに応じて設定(算出)される値でも良い。
【0065】
評価点の差が所定の閾値以上である場合、制御部121は、通信端末200-1の操作部220への操作の制限時間を短縮する(ステップS51)。短縮の幅は、例えば5秒でも良いし、特に規定しない。例えば、制限時間が30秒であり、短縮の幅が5秒である場合、短縮後の制限時間は25秒となる。その後、制御部121は、カウンタのカウンタ値をリセットする(0にする)(ステップS52)。
【0066】
制御部121は、制限時間を短縮した旨を、通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方へ通知しても良い。この場合、制御部121は制限時間を短縮すると、短縮した制限時間を示す制限時間情報を、通信部110を介して通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方へ送信する。通信端末200-1または通信端末200-1,200-2双方の表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた制限時間情報が示す短縮された制限時間を表示する。
【0067】
ステップS44にて、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)ではない場合、ステップS52の処理が行われる。また、ステップS48にて、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」以上ではない場合、ステップS41の処理が行われる。また、ステップS50にて、評価点の差が所定の閾値以上ではない場合、ステップS41の処理が行われる。上述した手順が、通信端末200-1,200-2それぞれについて、交互に行われる。
【0068】
このように本形態においては、二人零和有限確定完全情報ゲームにおいて、一方のプレイヤーの手番において、他方のプレイヤーの操作を受け付けてから短い時間内に一方のプレイヤーの操作を受け付けた速攻ケースが所定の回数以上連続して行われた場合に、その前と後とにおける評価点に基づいて、一方のプレイヤーの操作にインセンティブを与える、または他方のプレイヤーの操作にペナルティを与える。具体的には、評価点が閾値以上に高くなっている場合に、一方のプレイヤーの操作にインセンティブを与える、または他方のプレイヤーの操作にペナルティを与える。例えば、インセンティブは制限時間(持ち時間)の拡張であり、ペナルティは制限時間(持ち時間)の短縮である。これにより、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与えることができる。特に、単に早く操作するだけではなく、その操作に効果がある場合のみに、当該操作を行ったプレイヤーにインセンティブを与えるため、将棋のゲームにおいては早指しの訓練になるという効果を奏する。また、将棋以外の分野も含めると、迅速な状況判断力と効果的な対策の想起力や行動力等の訓練を行うことができる。
(第3の実施の形態)
【0069】
図14は、本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図14に示すように、情報処理装置102と、通信端末200-1,200-2とを有する。情報処理装置102と、通信端末200-1,200-2とは、互いに通信ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。情報処理装置102と、通信端末200-1,200-2それぞれとが直接接続されていても良い。また、この接続は、無線を介したものでも良いし、有線を介したものでも良い。通信端末200-1,200-2それぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じものである。
【0070】
図15は、図14に示した情報処理装置102に具備された構成要素の一例を示す図である。図14に示した情報処理装置102は図15に示すように、通信部110と、制御部122とを有する。図15には、図14に示した情報処理装置102が具備する構成要素のうち本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。通信部110は、第1の実施の形態におけるものと同じものである。
【0071】
制御部122と、第1の実施の形態における制御部120との違いは、通信端末の操作部220への操作に関して与えるインセンティブの内容である。制御部122が与えるインセンティブは、手番に関するものである。制御部122は、通信端末200-1,200-2それぞれに具備された操作部220の操作に応じた速攻ケースが、同じプレイヤーの操作手番において所定の回数連続して発生した場合、当該プレイヤーの操作部220への操作手番でないときに当該プレイヤーの操作部220への操作が行われてもその操作を有効にする。例えば、通信端末200-1に具備された操作部220の操作に応じた速攻ケースが、通信端末200-1を操作するプレイヤーの操作手番において所定の回数連続して発生した場合、通信端末200-1の操作部220への操作手番でないときに通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けてもその操作を有効にする。つまり、このような場合、次の手番が通信端末200-2の操作部220への手番であっても、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると、制御部122はその操作を有効にする。例えば、このような場合、次の手番が通信端末200-2の操作部220への手番であっても、次の手番において制御部122は、通信端末200-1の操作部220が受け付けた操作と通信端末200-2の操作部220が受け付けた操作との早い方の操作を有効にする。
【0072】
以下に、図14に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図16は、図14に示した情報処理システムにおける情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、上述した所定の時間が3秒であり、所定の回数が3回である場合を例に挙げる。また、通信端末200-1の操作部220が第1の操作部であり、通信端末200-2の操作部220が第2の操作部である場合を例に挙げて説明する。
【0073】
まず、通信端末200-1の操作部220が操作を受け付けると(ステップS61)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-1の通信部210から情報処理装置102へ送信される。情報処理装置102の制御部122は、通信端末200-1から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部122は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置102から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-1に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS61にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部122は、当該操作情報が送信されてくると、情報処理装置102内に設けられた、時間を計測するタイマー(不図示)をリセットして、時間の計測を開始する(ステップS62)。
【0074】
その後、通信端末200-2の操作部220が操作を受け付けると(ステップS63)、当該操作を示す操作情報が、通信端末200-2の通信部210から情報処理装置102へ送信される。情報処理装置102の制御部122は、通信端末200-2から送信されてきた操作情報に基づいて、例えば、将棋の盤面を表示するための盤面情報を更新する。制御部122は通信部110を介して、通信端末200-1,200-2へ更新した盤面情報を送信する。通信端末200-1,200-2それぞれの表示部230は、情報処理装置102から送信されてきた盤面情報を用いて、盤面を示す画面を表示する。このとき、当該操作を受け付けた操作部220を具備する通信端末200-2に所定のアプリケーションがインストールされている場合、ステップS63にて操作部220が受け付けた操作に基づいて、当該アプリケーションが盤面情報を更新して、更新した盤面情報に応じた盤面の画面を表示部230に表示させても良い。また、制御部122は、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)であるかどうかを判定する(ステップS64)。
【0075】
当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)である場合、制御部122は、情報処理装置100内に設けられたカウンタ(不図示)の値を1アップする(ステップS65)。このカウンタのカウンタ値は、ゲーム開始時には0に設定されている。続いて、制御部122は、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」であるかどうかを判定する(ステップS66)。カウンタのカウンタ値が所定の値「3」である場合、制御部122は、次の手番で通信端末200-2の操作部220への操作を有効にする(ステップS67)。その後、制御部122は、カウンタのカウンタ値をリセットする(0にする)(ステップS68)。
【0076】
制御部122は、次の手番で通信端末200-2の操作部220への操作を有効にした旨を、通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ通知しても良い。この場合、制御部122は次の手番で通信端末200-2の操作部220への操作を有効にすると、その旨を示す操作有効情報を、通信部110を介して通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方へ送信する。通信端末200-2または通信端末200-1,200-2双方の表示部230は、情報処理装置101から送信されてきた操作有効情報が示す情報を表示する。
【0077】
ステップS64にて、当該操作情報が送信されてきたタイミングがタイマーをスタートさせてから所定の時間内(3秒以内)ではない場合、ステップS68の処理が行われる。また、ステップS66にて、カウンタのカウンタ値が所定の値「3」ではない場合、ステップS61の処理が行われる。上述した手順が、通信端末200-1,200-2それぞれについて、交互に行われる。
【0078】
このように本形態においては、二人零和有限確定完全情報ゲームにおいて、一方のプレイヤーの手番において、他方のプレイヤーの操作を受け付けてから短い時間内に一方のプレイヤーの操作を受け付けた速攻ケースが所定の回数連続して行われた場合に、一方のプレイヤーの操作にインセンティブを与える。与えるインセンティブは通常の手番ではない時の手番の許可である。これにより、ゲームを行うプレイヤーに能力を向上させるモチベーションを容易に与えることができる。
【0079】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。また、各実施の形態を組み合わせても良い。
【0080】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を、各構成要素を具備した情報処理装置100~102それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置100~102それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。情報処理装置100~102それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDメモリカードなどの移設可能な記録媒体の他、情報処理装置100~102それぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報処理装置100~102それぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0081】
100~102 情報処理装置
110,210 通信部
120~122 制御部
131 学習モデル
141 評価点情報取得部
200-1,200-2 通信端末
220 操作部
230 表示部
300 通信ネットワーク
図1
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