(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024030446
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/56 20060101AFI20240229BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H01R13/56
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133361
(22)【出願日】2022-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 潔人
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FB20
5E021FC09
5E021FC34
(57)【要約】
【課題】コネクタカバーのコネクタハウジングに対する固定部分に外力が作用することを抑制できるコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング21は、端子72の外周を囲むフード部41と、フード部41からハウジング21の外側に突出する部分を有する一対の保護壁47aとを有する。ハウジング21は、一対の保護壁47aの間に設けられるロックアーム52と、一対の保護壁47aの間に位置するロック面63bとを有する。コネクタカバー22は、第1方向D1からハウジング21に装着される第1カバー81と、第1カバー81に固定される第2カバー82とを有する。一対の保護壁47aは、第1方向D1と直交する第2方向D2に互いに離れている。第1カバー81は、一対の保護壁47aの間に挿入されるとともに第1方向D1と反対方向からロック面63bに引っ掛かることにより第1カバー81をハウジング21に固定するカバーロック部85を有する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が電気的に接続されている端子を内側に収容するコネクタハウジングと、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆うコネクタカバーとを備え、相手コネクタが接続されるコネクタであって、
前記コネクタハウジングは、前記端子の外周を囲むフード部と、前記フード部から前記コネクタハウジングの外側に突出する部分を有する一対の保護壁と、前記一対の保護壁の間に設けられており前記相手コネクタに引っ掛かるロックアームと、前記一対の保護壁の間に位置するロック面とを有し、
前記コネクタカバーは、前記コネクタに対して前記相手コネクタが接続される方向とは反対方向である第1方向から前記コネクタハウジングに装着される第1カバーと、前記第1カバーとの間に前記コネクタハウジングを挟む位置に配置され且つ前記第1カバーに固定される第2カバーとを有し、
前記一対の保護壁は、前記第1方向と直交する第2方向に互いに離れており、
前記ロック面は、前記第1方向から見て前記ロックアームと前記電線との間に位置し、
前記第1カバーは、前記一対の保護壁の間に挿入されるとともに前記第1方向と反対方向から前記ロック面に引っ掛かることにより前記第1カバーを前記コネクタハウジングに固定するカバーロック部を有するコネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、前記第1方向における前記フード部の端部を閉塞する底壁と、前記一対の保護壁の間で前記底壁を前記第1方向に貫通するロック孔とを更に有し、
前記ロック面は、前記第1方向における前記ロック孔の開口部の周縁に位置し、
前記カバーロック部は、前記第1方向に前記ロック孔を貫通して前記フード部の内側に挿入される挿入部と、前記挿入部から前記第1方向及び前記第2方向の各々と交差する第3方向に突出し且つ前記フード部の内側で前記第1方向と反対方向から前記ロック面に当接するロック突部とを有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向であり、
前記コネクタハウジングは、前記一対の保護壁の間に、前記挿入部が前記第3方向から当接する被当接部を有し、
前記第1カバーは、前記被当接部に前記第3方向と反対方向から当接する当接部を有する、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記一対の保護壁は、前記第2方向に互いに対向し且つ前記第1方向と平行に延びる一対の案内面を有し、
前記第1カバーは、前記カバーロック部を2つ有し、
2つの前記カバーロック部は、前記第2方向に並んでおり、前記ロック面に引っ掛かるまで前記一対の案内面上をスライド移動しながら前記一対の保護壁の間に挿入される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1カバーは、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆う第1被覆部と、前記第1被覆部から出る前記電線の引き出し方向を規制する第2被覆部とを有し、
前記第1被覆部は、前記第2方向における両端に、前記第1被覆部から前記第1方向に突出し且つ前記第2方向における両側から前記コネクタハウジングに当接可能な位置決め部を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングは、前記第2方向における両端部に、前記第1方向と反対方向の端から前記第1方向に延びる案内溝を有し、
前記第1カバーは、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆う第1被覆部と、前記第1被覆部から出る前記電線の引き出し方向を規制する第2被覆部とを有し、
前記第1被覆部は、前記第2方向における両端に、前記第1被覆部から前記第1方向に突出し前記案内溝に挿入される案内突部を有し、
前記案内突部は、前記カバーロック部が前記一対の保護壁の間に挿入されるときに前記案内溝の内周面上をスライド移動しながら前記案内溝に挿入される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ロックアームは、前記端子よりも、前記第1方向及び前記第2方向の各々と交差する第3方向と反対方向にずれた位置にあり、
前記コネクタハウジングは、前記第3方向における前記コネクタハウジングの端部から前記第3方向に突出する係合突部を有し、
前記第2カバーは、前記第3方向と反対方向から前記第1カバーに固定され、且つ、前記第2カバーを前記第3方向に貫通し且つ前記係合突部が嵌まる係合孔を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第2カバーは、前記係合孔と前記第1方向に隣接する位置で前記第3方向と反対方向に突出する当接突部を有し、
前記当接突部は、前記第1方向と反対方向から前記係合突部に当接可能に対向する、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1カバーは、前記第2方向における前記第1カバーの両端に前記第2方向の両側に突出する固定突部を有し、
前記第2カバーは、前記第2方向における前記第2カバーの両端に前記第2方向に貫通する固定孔を有する弾性変形可能な固定爪を有し、前記固定孔に前記固定突部が嵌まることにより前記第1カバーに固定される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向であり、
前記フード部は、前記第2方向における両端部に一対のフード壁を有し、
前記一対のフード壁の各々と前記第2方向に隣接する弾性部材を更に有し、
前記弾性部材は、前記ロック孔よりも前記第3方向にずれた位置で、前記フード部の内側に挿入される前記相手コネクタと前記底壁との間に挟み込まれる、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第1カバーは、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向から見て、前記第2方向における前記カバーロック部の両側に、前記第1方向から前記コネクタハウジングに当接する当接面を有する請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両に搭載されるコネクタには、端子を内部に保持するコネクタハウジングと、コネクタハウジングに装着されるコネクタカバーとを備えるものがある。端子に電気的に接続される電線は、コネクタハウジングの内部から外部に引き出されている。コネクタカバーは、電線におけるコネクタハウジングから出た直後の部分を覆うことにより、当該部分を保護する。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたコネクタが備えるコネクタハウジングは、外面から突出する一対の被係止舌片部を有する。また、当該コネクタが備えるコネクタカバーは、4つの係止爪部を有する。各被係止舌片部に2つずつの係止爪部が引っ掛かることにより、コネクタカバーはコネクタハウジングに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているコネクタにおいては、コネクタカバーをコネクタハウジングに固定するための係止爪部がコネクタの外部に露出している。そのため、コネクタの周辺に配置される物体などが係止爪部に接触する可能性がある。当該物体が係止爪部に接触することにより係止爪部に外力が加えられると、係止爪部が被係止舌片部から外れるおそれがある。係止爪部が被係止舌片部から外れると、コネクタカバーがコネクタハウジングから外れることが懸念される。
【0006】
本開示の目的は、コネクタカバーのコネクタハウジングに対する固定部分に外力が作用することを抑制できるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、電線が電気的に接続されている端子を内側に収容するコネクタハウジングと、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆うコネクタカバーとを備え、相手コネクタが接続されるコネクタであって、前記コネクタハウジングは、前記端子の外周を囲むフード部と、前記フード部から前記コネクタハウジングの外側に突出する部分を有する一対の保護壁と、前記一対の保護壁の間に設けられており前記相手コネクタに引っ掛かるロックアームと、前記一対の保護壁の間に位置するロック面とを有し、前記コネクタカバーは、前記コネクタに対して前記相手コネクタが接続される方向とは反対方向である第1方向から前記コネクタハウジングに装着される第1カバーと、前記第1カバーとの間に前記コネクタハウジングを挟む位置に配置され且つ前記第1カバーに固定される第2カバーとを有し、前記一対の保護壁は、前記第1方向と直交する第2方向に互いに離れており、前記ロック面は、前記第1方向から見て前記ロックアームと前記電線との間に位置し、前記第1カバーは、前記一対の保護壁の間に挿入されるとともに前記第1方向と反対方向から前記ロック面に引っ掛かることにより前記第1カバーを前記コネクタハウジングに固定するカバーロック部を有するコネクタである。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコネクタによれば、コネクタハウジングに対するコネクタカバーの固定部分に外力が作用することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるコネクタと当該コネクタに接続される相手コネクタとの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すコネクタ及び相手コネクタの接続状態における断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示すコネクタが備えるコネクタハウジングの斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すコネクタハウジングを別の角度から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1に示すコネクタが備える第1カバーの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す第1カバーを別の角度から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
[1]電線が電気的に接続されている端子を内側に収容するコネクタハウジングと、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆うコネクタカバーとを備え、相手コネクタが接続されるコネクタであって、前記コネクタハウジングは、前記端子の外周を囲むフード部と、前記フード部から前記コネクタハウジングの外側に突出する部分を有する一対の保護壁と、前記一対の保護壁の間に設けられており前記相手コネクタに引っ掛かるロックアームと、前記一対の保護壁の間に位置するロック面とを有し、前記コネクタカバーは、前記コネクタに対して前記相手コネクタが接続される方向とは反対方向である第1方向から前記コネクタハウジングに装着される第1カバーと、前記第1カバーとの間に前記コネクタハウジングを挟む位置に配置され且つ前記第1カバーに固定される第2カバーとを有し、前記一対の保護壁は、前記第1方向と直交する第2方向に互いに離れており、前記ロック面は、前記第1方向から見て前記ロックアームと前記電線との間に位置し、前記第1カバーは、前記一対の保護壁の間に挿入されるとともに前記第1方向と反対方向から前記ロック面に引っ掛かることにより前記第1カバーを前記コネクタハウジングに固定するカバーロック部を有するコネクタである。
【0011】
この構成によれば、カバーロック部がロック面に引っ掛かることにより、コネクタハウジングに対して第1カバーが第1方向と反対方向に移動することが抑制される。そして、第1カバーは、カバーロック部がロック面に引っ掛かることにより、コネクタハウジングに装着された状態に維持される。カバーロック部は、一対の保護壁の間であって、且つ、第1方向から見てロックアームと電線との間となる位置で、ロック面に引っ掛かる。そのため、コネクタの周辺に配置される物体などがカバーロック部に接触することを、一対の保護壁及びロックアームによって抑制できる。従って、カバーロック部に外力が作用することを抑制できる。即ち、コネクタカバーのコネクタハウジングに対する固定部分に外力が作用することを抑制できる。
【0012】
[2]上記[1]において、前記コネクタハウジングは、前記第1方向における前記フード部の端部を閉塞する底壁と、前記一対の保護壁の間で前記底壁を前記第1方向に貫通するロック孔とを更に有し、前記ロック面は、前記第1方向における前記ロック孔の開口部の周縁に位置し、前記カバーロック部は、前記第1方向に前記ロック孔を貫通して前記フード部の内側に挿入される挿入部と、前記挿入部から前記第1方向及び前記第2方向の各々と交差する第3方向に突出し且つ前記フード部の内側で前記第1方向と反対方向から前記ロック面に当接するロック突部とを有していてもよい。
【0013】
この構成によれば、ロック突部は、ロック面に当接することによりロック面に引っ掛かることができる。ロック面に引っ掛かるロック突部がフード部の内側に配置されるため、コネクタの周辺に配置される物体などがロック突部に接触することを抑制できる。従って、カバーロック部においてロック面に引っ掛かる部分であるロック突部に外力が作用することを抑制できる。
【0014】
[3]上記[2]において、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向であり、前記コネクタハウジングは、前記一対の保護壁の間に、前記挿入部が前記第3方向から当接する被当接部を有し、前記第1カバーは、前記被当接部に前記第3方向と反対方向から当接する当接部を有していてもよい。
【0015】
この構成によれば、挿入部と当接部とが第3方向の両側から被当接部に当接することにより、第3方向における前記コネクタハウジングと第1カバーとの相対移動を抑制できる。そして、コネクタハウジングに第1カバーのみを装着した状態のときに、コネクタハウジングに対する第1カバーの姿勢が安定しやすくなる。
【0016】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記一対の保護壁は、前記第2方向に互いに対向し且つ前記第1方向と平行に延びる一対の案内面を有し、前記第1カバーは、前記カバーロック部を2つ有し、2つの前記カバーロック部は、前記第2方向に並んでおり、前記ロック面に引っ掛かるまで前記一対の案内面上をスライド移動しながら前記一対の保護壁の間に挿入されてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1カバーをコネクタハウジングに装着する際、一対の案内面によってカバーロック部の移動が案内される。従って、コネクタハウジングに対する第1カバーの装着が容易になる。
【0018】
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、前記第1カバーは、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆う第1被覆部と、前記第1被覆部から出る前記電線の引き出し方向を規制する第2被覆部とを有し、前記第1被覆部は、前記第2方向における両端に、前記第1被覆部から前記第1方向に突出し且つ前記第2方向における両側から前記コネクタハウジングに当接可能な位置決め部を有していてもよい。
【0019】
この構成によれば、位置決め部によって、第2方向における前記コネクタハウジングと第1カバーとの相対移動を抑制できる。従って、コネクタハウジングに対する第1カバーの第2方向における位置ずれを抑制できる。
【0020】
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、前記コネクタハウジングは、前記第2方向における両端部に、前記第1方向と反対方向の端から前記第1方向に延びる案内溝を有し、前記第1カバーは、前記電線における前記コネクタハウジングから出た直後の部分を覆う第1被覆部と、前記第1被覆部から出る前記電線の引き出し方向を規制する第2被覆部とを有し、前記第1被覆部は、前記第2方向における両端に、前記第1被覆部から前記第1方向に突出し前記案内溝に挿入される案内突部を有し、前記案内突部は、前記カバーロック部が前記一対の保護壁の間に挿入されるときに前記案内溝の内周面上をスライド移動しながら前記案内溝に挿入されてもよい。
【0021】
この構成によれば、第2方向におけるコネクタハウジングの両側で、コネクタハウジングの案内溝に第1カバーの案内突部が挿入されることにより、コネクタハウジングに対して第1カバーが傾斜した状態で組み付けられることを抑制できる。また、案内溝の内部に案内突部が配置されることにより、第2方向におけるコネクタハウジングと第1カバーとの相対移動、並びに、第1方向及び第2方向の各々と直交する方向におけるコネクタハウジングと第1カバーとの相対移動を抑制できる。従って、コネクタハウジングに対する第1カバーの姿勢がより安定しやすくなる。
【0022】
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、前記ロックアームは、前記端子よりも、前記第1方向及び前記第2方向の各々と交差する第3方向と反対方向にずれた位置にあり、前記コネクタハウジングは、前記第3方向における前記コネクタハウジングの端部から前記第3方向に突出する係合突部を有し、前記第2カバーは、前記第3方向と反対方向から前記第1カバーに固定され、且つ、前記第2カバーを前記第3方向に貫通し且つ前記係合突部が嵌まる係合孔を有していてもよい。
【0023】
この構成によれば、係合孔に係合突部が嵌まることにより、第1方向及び第2方向におけるコネクタハウジングと第2カバーとの相対移動が抑制される。そして、コネクタカバーが、コネクタハウジングから第1方向と反対方向に外れることをより抑制できる。
【0024】
[8]上記[7]において、前記第2カバーは、前記係合孔と前記第1方向に隣接する位置で前記第3方向と反対方向に突出する当接突部を有し、前記当接突部は、前記第1方向と反対方向から前記係合突部に当接可能に対向してもよい。
【0025】
この構成によれば、コネクタハウジングに対して第2カバーが第1方向と反対方向に移動しようとした場合、係合孔の内周面だけでなく、当接突部によっても、コネクタハウジングから第2カバーに対して第1方向に作用する力を受けることができる。従って、第2カバーが当接突部を有していない場合に比べて、コネクタハウジングと第2カバーとにおける第1方向に当接する部分に作用する力を分散できる。
【0026】
[9]上記[1]から[8]のいずれかにおいて、前記第1カバーは、前記第2方向における前記第1カバーの両端に前記第2方向の両側に突出する固定突部を有し、
前記第2カバーは、前記第2方向における前記第2カバーの両端に前記第2方向に貫通する固定孔を有する弾性変形可能な固定爪を有し、前記固定孔に前記固定突部が嵌まることにより前記第1カバーに固定されてもよい。
【0027】
この構成によれば、固定孔に固定突部を嵌めることにより、第2カバーを第1カバーに容易に固定できる。
[10]上記[2]または[3]において、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向であり、前記フード部は、前記第2方向における両端部に一対のフード壁を有し、前記一対のフード壁の各々と前記第2方向に隣接する弾性部材を更に有し、前記弾性部材は、前記ロック孔よりも前記第3方向にずれた位置で、前記フード部の内側に挿入される前記相手コネクタと前記底壁との間に挟み込まれてもよい。
【0028】
この構成によれば、第1方向におけるコネクタと相手コネクタとのがたつきを弾性部材によって抑制できる。弾性部材は、ロック孔よりも第3方向にずれた位置に配置されるとともに、且つ、一対のフード壁と第2方向に隣接する。このため、弾性部材が底壁と相手コネクタとの間に挟み込まれたときに、弾性部材がロック孔に入り込むことが抑制されるとともに、フード壁によってコネクタハウジングの外側への弾性部材の拡がりが規制される。従って、第1方向におけるコネクタと相手コネクタとのがたつきを弾性部材によって、安定的に抑制できる。
【0029】
[11]上記[1]から[10]のいずれかにおいて、前記第1カバーは、前記第1方向及び前記第2方向の各々と直交する方向から見て、前記第2方向における前記カバーロック部の両側に、前記第1方向から前記コネクタハウジングに当接する当接面を有していてもよい。
【0030】
この構成によれば、当接面がコネクタハウジングに当接することにより、コネクタハウジングに対する、第1方向における第1カバーの位置決めができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。各図面では、互いに直交するXYZ軸を図示している。本明細書における「直交」は、厳密に直交の場合にのみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書において使用される「環状」という用語は、ループ、すなわち端部のない連続形状、を形成する任意の構造、並びに、C字形のようなギャップを有する、全体としてループ形状をなす構造を指すことがある。「環状」の形状には、円形、楕円形、および、尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれるが、これらに限定されない。また、本開示における「第1」「第2」「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0031】
以下、コネクタの一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のコネクタ20は、ワイヤハーネスの端部に設けられるものである。コネクタ20は、例えば、自動車等の車両に配置される。コネクタ20には、相手コネクタ30が接続される。相手コネクタ30は、例えば、2つのワイヤハーネスを接続する中継コネクタである。なお、相手コネクタ30は、中継コネクタに限らず、コネクタ20が設けられているワイヤハーネスとは異なるワイヤハーネスの端部に設けられているものであってもよいし、車両に搭載される機器の筐体に装着されているものであってもよい。
【0032】
図1及び
図2に示すように、相手コネクタ30は、相手コネクタハウジング31と、相手コネクタハウジング31に保持される1つもしくは複数の相手端子32とを備える。例えば、相手コネクタ30は、4つの相手端子32を備える。相手コネクタハウジング31は、例えば、相手端子32を囲む筒状の相手フード部33を有していてもよい。
【0033】
なお、コネクタ20に対して相手コネクタ30が接続される方向、即ち、コネクタ20と相手コネクタ30とを接続する際にコネクタ20に対して相手コネクタ30が移動される方向を、接続方向C1とする。即ち、相手コネクタ30は、接続方向C1からコネクタ20に接続される。また、接続方向C1と反対方向を第1方向D1とする。第1方向D1は、例えばX軸に沿った一方向であって、例えば
図2に示す右矢印方向である。また、第1方向D1と直交する一方向を第2方向D2とする。第2方向D2は、例えばY軸に沿った一方向であって、例えば
図2に示す下矢印方向である。また、第1方向D1及び第2方向D2の各々と交差する方向を第3方向D3とする。第3方向D3は、例えば、第1方向D1及び第2方向D2の各々と直交する方向である。第3方向D3は、例えばZ軸に沿った一方向であって、例えば
図1に示す下矢印方向である。
【0034】
コネクタ20は、コネクタハウジング21と、コネクタハウジング21に装着されるコネクタカバー22とを備える。なお、以下、コネクタハウジング21を「ハウジング21」と記載する。
【0035】
(コネクタハウジング21の構成)
図2及び
図3に示すように、ハウジング21は、電線71が電気的に接続されている端子72を内側に収容する。ハウジング21は、例えば、4つの端子72を収容する。なお、ハウジング21が収容する端子72の数は、4つに限らず、1つもしくは複数であればよい。電線71は、例えば、圧着、超音波溶着やレーザ溶着などの溶着、その他の公知の接合方法のうちの何れかの方法で端子72に接合されている。
【0036】
図5及び
図6に示すように、ハウジング21は、端子72の外周を囲むフード部41を有する。また、ハウジング21は、例えば、第1方向D1におけるフード部41の端部を閉塞する底壁42を有する。底壁42は、例えば、第1方向D1におけるフード部41の両端部のうち、第1方向D1と反対方向の端部を閉塞する。ハウジング21は、例えば合成樹脂製である。ハウジング21は、例えば、X軸方向が型開き方向となる2つの成形型を用いて形成される。
【0037】
フード部41は、例えば、底壁42の外周縁から第1方向D1に延びる筒状をなしている。フード部41は、例えば、第2方向D2における両端部に一対のフード壁41a,41bを有する。また、フード部41は、例えば、フード壁41aとフード壁41bとを連結する連結壁41cを有する。例えば、連結壁41cは、底壁42の外周縁から第1方向D1に延びている。連結壁41cは、第2方向D2におけるフード壁41aとフード壁41bとの間で、第3方向D3におけるフード壁41aの端部と第3方向D3におけるフード壁41bの端部とを連結している。連結壁41cは、例えば、第3方向D3と垂直な平板状をなす。
【0038】
図2に示すように、ハウジング21は、底壁42から第1方向D1に突出する端子保持部43を有していてもよい。端子保持部43は、底壁42に一体に設けられている。端子保持部43は、フード部41の内周面よりも一回り小さい外周面を有する。そのため、フード部41の内周面と端子保持部43の外周面との間には隙間がある。
【0039】
ハウジング21は、底壁42及び端子保持部43を第1方向D1に貫通する端子挿入孔44を有していてもよい。例えば、端子72の数と同数の4つの端子挿入孔44がハウジング21に設けられている。4つの端子挿入孔44は、例えば第2方向D2に沿って一列に並んでいる。
【0040】
例えば、端子挿入孔44の各々は、第1方向D1と反対方向の端部に電線引き出し口45を有する。端子挿入孔44の各々には、電線引き出し口45から、電線71が接続されている状態の端子72が挿入されている。例えば、電線71と端子72との電気的な接続部分は、端子挿入孔44の内部に配置される。電線71は、電線引き出し口45からハウジング21の外部に引き出されている。
【0041】
コネクタ20は、電線71の外周面と端子挿入孔44の内周面との間をシールする第1シール部材73を備えていてもよい。第1シール部材73は、例えば、第1方向D1から見て電線71を囲む環状をなしている。第1シール部材73は、端子挿入孔44の内部で端子72よりも接続方向C1にずれた位置に配置されている。第1シール部材73は、例えばゴムリングである。第1シール部材73は、電線71の外周面と端子挿入孔44の内周面との間からハウジング21の内部に水等の液体が浸入することを抑制する。
【0042】
コネクタ20は、フード部41の内側に、コネクタ20と相手コネクタ30との間をシールする第2シール部材74を備えていてもよい。第2シール部材74は、端子保持部43の基端領域を囲む環状をなしている。第2シール部材74は、例えばゴムリングである。コネクタ20と相手コネクタ30とが接続されるとき、フード部41の内側に相手フード部33が挿入される。第2シール部材74は、フード部41に挿入される相手フード部33の内周面と端子保持部43の外周面とに密着する。これにより、第2シール部材74は、ハウジング21と相手コネクタハウジング31との間からコネクタ20及び相手コネクタ30の内部に水等の液体が浸入することを抑制する。なお、コネクタ20は、端子保持部43の先端領域に装着されるリテーナ75を備えていてもよい。リテーナ75は、第2シール部材74が端子保持部43から脱落することを防止する。リテーナ75は、例えば合成樹脂製である。
【0043】
図2及び
図5に示すように、コネクタ20は、一対のフード壁41a,41bの各々と第2方向D2に隣接する弾性部材76a,76bを更に有していてもよい。弾性部材76a,76bは、例えば、第2シール部材74と一体成形されている。弾性部材76aは、第2シール部材74における接続方向C1の端部領域から第2方向D2と反対方向に突出している。弾性部材76bは、第2シール部材74における接続方向C1の端部領域から第2方向D2に突出している。例えば、底壁42は、底壁42の内側面に、接続方向C1に凹む配置凹部46a,46bを有する。配置凹部46aは、接続方向C1から見て、第2方向D2に沿ってフード壁41aから端子保持部43にわたって設けられている。配置凹部46bは、接続方向C1から見て、第2方向D2に沿ってフード壁41bから端子保持部43にわたって設けられている。弾性部材76aは、接続方向C1から見て、配置凹部46a内に配置されている。弾性部材76bは、接続方向C1から見て配置凹部46b内に配置されている。配置凹部46a,46bの接続方向C1における深さは、弾性部材76a,76bにおける接続方向C1における厚さよりも浅い。配置凹部46a,46bは、第3方向D3における弾性部材76a,76bの拡がりを規制する。フード壁41a,41b、弾性部材76a,76b及び配置凹部46a,46bは、接続方向C1から見て、第2方向D2におけるハウジング21の中央を通り第3方向D3に延びる図示しない直線を対称軸として線対称になっている。
【0044】
コネクタ20と相手コネクタ30とが接続されるとき、弾性部材76a,76bは、第2方向D2における端子保持部43の両側で、相手フード部33の先端部によって底壁42に押し付けられる。これにより、弾性部材76aは、フード壁41aの内側面と端子保持部43の外周面との間で広がるように変形する。また、弾性部材76bは、フード壁41bの内側面と端子保持部43の外周面との間で拡がるように変形する。そして、弾性部材76a,76bの弾性力によって、接続方向C1におけるハウジング21に対する相手コネクタハウジング31のがたつきが抑制される。
【0045】
ハウジング21は、フード部41からハウジング21の外側に突出する部分を有する一対の保護壁47a,47bを有する。一対の保護壁47a,47bは、第2方向D2に互いに離れている。例えば、保護壁47bは、保護壁47aよりも第2方向D2にずれた位置にある。保護壁47aは、第3方向D3と反対方向におけるフード壁41aの端部に一体に設けられている。保護壁47bは、第3方向D3と反対方向におけるフード壁41bの端部に一体に設けられている。
【0046】
図6に示すように、保護壁47a,47bは、例えば、第2方向D2と垂直な平板状をなしている。保護壁47aと保護壁47bとは、第1方向D1に沿って互いに平行に延びている。例えば、保護壁47a,47bの各々は、フード部41から第3方向D3と反対方向に突出している。更に、例えば、保護壁47a,47bの各々は、第1方向D1におけるフード部41の両端よりも第1方向D1における両側に突出している。更に、例えば、保護壁47a,47bは、接続方向C1における端部領域であって、フード部41から接続方向C1に突出している部分に、第3方向D3に突出する突出部48a,48bを有する。突出部48a,48bの各々は、底壁42の外側面に一体に形成されている。
【0047】
図4に示すように、例えば、一対の保護壁47a,47bは、第2方向D2に互いに対向し且つ第1方向D1と平行に延びる一対の案内面51a,51bを有する。例えば、案内面51aは、第2方向D2における保護壁47aの側面である。例えば、案内面51bは、第2方向D2と反対方向における保護壁47bの側面である。案内面51a,51bは、例えば、第2方向D2と垂直な平面状をなしている。
【0048】
図1、
図4及び
図6に示すように、ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間に設けられており相手コネクタ30に引っ掛かるロックアーム52を有する。例えば、ロックアーム52は、端子72よりも、第3方向D3と反対方向にずれた位置にある。例えば、ロックアーム52は、第3方向D3と反対方向におけるハウジング21の端部領域に設けられている。
【0049】
ロックアーム52は、例えば、保護壁47a,47bの間で第1方向D1に沿って延びるアーム部53と、アーム部53を保護壁47a,47bに対して支持する一対の支持部54a,54bとを有する。支持部54aは、接続方向C1におけるアーム部53の端部領域から保護壁47aまで延びている。支持部54bは、接続方向C1におけるアーム部53の端部領域から保護壁47bまで延びている。
【0050】
例えば、アーム部53は、接続方向C1の端部に操作部56を有する。アーム部53は、操作部56よりも第1方向D1にずれた位置に、アーム部53を第3方向D3に貫通するロック孔57を有する。なお、相手コネクタハウジング31は、第3方向D3と反対方向の端部に、ロック孔57に嵌まるロック突部34を有する。コネクタ20が相手コネクタ30に接続されるときに、第3方向D3と反対方向からロック突部34がロック孔57に嵌まることにより、相手コネクタ30がコネクタ20にロックされる。なお、コネクタ20と相手コネクタ30との接続を解除するときには、操作部56を第3方向D3に押し下げることにより、ロック孔57からロック突部34が外れる。これにより、コネクタ20に対する相手コネクタ30のロックが解除される。
【0051】
コネクタ20は、アーム部53における操作部56と反対側の端部を覆うように案内面51aから案内面51bまで延びる保護部58を有していてもよい。保護部58は、アーム部53における操作部56と反対側の端部と第3方向D3に重なる。アーム部53における操作部56と反対側の端部は、第3方向D3において、保護部58とリテーナ75との間に位置する。保護部58は、コネクタ20の周囲の物体が、アーム部53における操作部56と反対側の端部に接触することを抑制する。
【0052】
図6に示すように、ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間に被当接部59を有していてもよい。例えば、被当接部59は、保護壁47aの突出部48aから保護壁47bの突出部48bまで第2方向D2に沿って延びている。第1方向D1から見て、保護壁47aは、第3方向D3におけるロックアーム52と電線引き出し口45との間に位置している。被当接部59は、例えば、底壁42に含まれている。
【0053】
図5に示すように、ハウジング21は、底壁42に例えば2つのロック凹部61a,61bを有していてもよい。ロック凹部61a,61bは、例えば、第3方向D3と反対方向における底壁42の端部領域で、第2方向D2に並んでいる。ロック凹部61a,61bの各々は、第2方向D2において、一対の保護壁47a,47bの間に位置する。ロック凹部61a,61bの各々は、底壁42の内側面から接続方向C1に凹んでいる。ロック凹部61a,61bにおける第3方向D3と反対方向の端部はハウジング21の外部に開口している。
【0054】
例えば、ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間で底壁42を第1方向D1に貫通するロック孔62a,62bを更に有する。例えば、ロック孔62a,62bは、ロック凹部61a,61bの底部に設けられている。ロック孔62aは、例えば、ロック凹部61aの底部を第1方向D1に貫通する孔である。ロック孔62bは、例えば、ロック凹部61bの底部を第1方向D1に貫通する孔である。ロック孔62a,62bの各々は、第1方向D1から見て、ロックアーム52と電線71との間に位置する。また、被当接部59は、ロック孔62a,62bよりも第3方向D3にずれている。また、例えば、第1方向D1から見て、ロック孔62a,62bは、例えば、被当接部59と第3方向D3に隣接している。なお、弾性部材76a,76bは、ロック孔62a,62bよりも第3方向D3にずれた位置で、フード部41の内側に挿入される相手コネクタ30と底壁42との間に挟み込まれる。また、接続方向C1から見て、ロック孔62a,62bは、第2シール部材74よりも外側に位置している。更に、ロック孔62a,62bは、第2シール部材74よりも接続方向C1にずれた位置にある。従って、ロック孔62a,62bからフード部41の内側に浸入する液体は、第2シール部材74によって、コネクタ20及び相手コネクタ30の内部に浸入することが抑制される。
【0055】
ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間に位置するロック面63a,63bを有する。ロック面63aは、第1方向D1におけるロック孔62aの開口部の周縁に位置する。第1方向D1におけるロック孔62aの開口部は、ロック凹部61aの底面に位置している。そして、ロック面63aは、例えば、ロック凹部61aの底面である。ロック面63aは、例えば、ロック孔62aよりも第3方向D3にずれた位置にある。ロック面63bは、第1方向D1におけるロック孔62bの開口部の周縁に位置する。第1方向D1におけるロック孔62bの開口部は、ロック凹部61bの底面に位置している。そして、ロック面63bは、例えば、ロック凹部61bの底面である。ロック面63bは、例えば、ロック孔62bよりも第3方向D3にずれた位置にある。ロック面63a,63bの各々は、第1方向D1から見てロックアーム52と電線71との間に位置する。ロック面63a,63bの各々は、例えば、第1方向D1と垂直な平面であって、第1方向D1を向いている。また、例えば、ロック面63a,63bの各々は、ハウジング21の内側にある。
【0056】
図6に示すように、例えば、ハウジング21は、第2方向D2における両端部に、第1方向D1と反対方向の端から第1方向D1に延びる案内溝64a,64bを有する。例えば、案内溝64a,64bは、第2方向D2における底壁42の両端に設けられている。案内溝64aは、第2方向D2と反対方向における底壁42の端部で第2方向D2に凹んでいる。そして、案内溝64aは、第2方向D2と反対方向、及び、接続方向C1に開口している。案内溝64bは、第2方向D2における底壁42の端部で第2方向D2と反対方向に凹んでいる。そして、案内溝64bは、第2方向D2、及び接続方向C1に開口している。
【0057】
図7に示すように、ハウジング21は、第3方向D3におけるハウジング21の端部から第3方向D3に突出する係合突部65を有していてもよい。係合突部65は、例えば、接続方向C1におけるハウジング21の端部領域に設けられている。例えば、係合突部65は、第3方向D3における底壁42の端面から第3方向D3に突出している。また、例えば、係合突部65は、第2方向D2におけるハウジング21の中央に位置する。例えば、係合突部65は、第1方向D1における端面に係合面65aを有する。係合面65aは、例えば、第1方向D1と垂直な平面である。
【0058】
図7及び
図11に示すように、ハウジング21は、例えば、係合突部65から第1方向D1にずれた位置で係合突部65と第1方向D1に隣接する挿入凹部66を有する。挿入凹部66は、第3方向D3における底壁42の端面から第3方向D3と反対方向に凹んでいる。挿入凹部66の内部空間は、例えば、第1方向D1に延びる連通穴67によってフード部41の内部空間と連通している。係合突部65の係合面65aは、挿入凹部66の内部に露出している。係合面65aは、挿入凹部66の内面の一部を構成している。
【0059】
(コネクタカバー22の構成)
図1及び
図2に示すように、コネクタカバー22は、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆う。コネクタカバー22は、第1方向D1からハウジング21に装着される第1カバー81と、第1カバー81との間にハウジング21を挟む位置に配置される第2カバー82とを有する。第1カバー81及び第2カバー82の各々は、例えば合成樹脂製である。第1カバー81及び第2カバー82の各々は、例えば、Z軸方向が型開き方向となる2つの成形型を用いて形成される。
【0060】
(第1カバー81の構成)
図1及び
図2に示すように、第1カバー81は、例えば、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆う第1被覆部83と、第1被覆部83から出る電線71の引き出し方向を規制する第2被覆部84とを有する。また、第1カバー81は、一対の保護壁47a,47bの間に挿入されるカバーロック部85を有する。例えば、第1カバー81は、カバーロック部85a,85bの2つのカバーロック部85を有する。
【0061】
図1、
図8及び
図9に示すように、第1被覆部83は、例えば、電線71における電線引き出し口45から出た直後の部分を第3方向D3から覆う第1被覆壁86を有する。また、例えば、第1被覆部83は、電線71における電線引き出し口45から出た直後の部分を第2方向D2における両側から覆う一対の第2被覆壁87a,87bと、当該部分を第1方向D1から覆う第3被覆壁88とを有する。第2被覆壁87a,87bは、第2方向D2における第1被覆壁86の両端から第3方向D3に延びている。第3被覆壁88は、接続方向C1における第1被覆壁86の端部から第3方向D3に延びている。第2方向D2における第3被覆壁88の両端は、接続方向C1における第2被覆壁87a,87bの両端に繋がっている。
【0062】
第2被覆部84は、第3被覆壁88から接続方向C1に延びている。例えば、第2被覆部84は、第1被覆部83から出た電線71を、第2方向D2の両側から、且つ、第3方向D3から覆う。第2被覆部84は、例えば、電線引き出し口45からハウジング21の外部に出た電線71が、接続方向C1に引き出される電線引き出し口89を有する。電線引き出し口89は、例えば、接続方向C1における第2被覆部84の端部に設けられている。
【0063】
なお、複数の電線71は、例えば、筒状の外装部材77によって外周が一括して覆われている。
図1及び
図2において、外装部材77は、二点鎖線で図示されている。外装部材77は、例えば、コルゲートチューブなどの樹脂製のチューブである。そして、外装部材77の長さ方向の両端のうち片方の端部は、電線引き出し口89から第2被覆部84の内部に配置されている。このため、電線引き出し口89からコネクタカバー22の外部に引き出される電線71は、外部に露出することなく外装部材77の内部に配置される。
【0064】
図4、
図8及び
図9に示すように、例えば、カバーロック部85a,85bの各々は、第1被覆壁86から第1方向D1に突出している。カバーロック部85aとカバーロック部85bとは、第2方向D2に離れて並んでいる。カバーロック部85bは、例えば、カバーロック部85aよりも第2方向D2にずれている。例えば、カバーロック部85aは、第1方向D1にロック孔62aを貫通してフード部41の内側に挿入される挿入部91aと、挿入部91aから第3方向D3に突出するロック突部92aとを有する。例えば、カバーロック部85bは、第1方向D1にロック孔62bを貫通してフード部41の内側に挿入される挿入部91bと、挿入部91bから第3方向D3に突出するロック突部92bとを有する。挿入部91a,91bの各々は、例えば、第1被覆壁86から第1方向D1に突出する柱状をなしている。
【0065】
図5及び
図12に示すように、挿入部91aの先端領域は、ロック孔62aからロック凹部61aの内部に挿入されている。そして、ロック突部92aは、例えば、挿入部91aの端部領域から第3方向D3に突出している。ロック突部92aは、例えば、ロック凹部61aの内部に配置される。ロック突部92aは、フード部41の内側で第1方向D1と反対方向からロック面63aに当接する。同様に、挿入部91bの先端領域は、ロック孔62bからロック凹部61bの内部に挿入されている。そして、ロック突部92bは、例えば、挿入部91bの端部領域から第3方向D3に突出している。ロック突部92bは、例えば、ロック凹部61bの内部に配置される。ロック突部92bは、フード部41の内側で第1方向D1と反対方向からロック面63bに当接する。なお、ロック突部92aにおける第1方向D1の端部領域は、ロック突部92aにおける第1方向D1の端から挿入部91aの基端に近づくほど挿入部91aからの第3方向D3への突出量が大きくなるように傾斜していてもよい。また、ロック突部92bにおける第1方向D1の端部領域は、ロック突部92bにおける第1方向D1の端から挿入部91bの基端に近づくほど挿入部91bからの第3方向D3への突出量が大きくなるように傾斜していてもよい。
【0066】
第1カバー81は、ハウジング21に装着されるとき、カバーロック部85a,85bが保護壁47a,47bの間に挿入されるように、ハウジング21に対して第1方向D1に移動される。即ち、第1方向D1は、第1カバー81をハウジング21に装着するときにハウジング21に対して第1カバー81を移動させる方向である。第1カバー81は、ロック突部92a,92bがロック孔62a,62bからハウジング21の内部に挿入されるまで移動される。そして、ロック突部92a,92bは、ハウジング21の内部に挿入されると、第1方向D1と反対方向からロック面63a,63bに当接する。これにより、カバーロック部85a,85bは、第1方向D1と反対方向からロック面63a,63bに引っ掛かる。カバーロック部85a,85bは、第1方向D1と反対方向からロック面63a,63bに引っ掛かることにより第1カバー81をハウジング21に固定する。ロック突部92a,92bがロック面63a,63bに当接している状態のとき、挿入部91a,91bの各々は、第3方向D3から被当接部59に当接する。また、カバーロック部85a,85bがロック面63a,63bに引っ掛かっているとき、保護壁47a,47bは、カバーロック部85a,85bよりも第3方向D3と反対方向に突出している。このため、保護壁47a,47bによって、コネクタ20の周辺の物体がカバーロック部85a,85bに接触することが抑制される。
【0067】
図4に示すように、第2方向D2と反対方向における挿入部91aの側面93aと、第2方向D2における挿入部91bの側面93bとの第2方向D2における距離を、距離L1とする。また、案内面51aと案内面51bとの間の第2方向D2における距離を、距離L2とする。例えば、距離L1は、距離L2と等しいか僅かに短い。従って、第1カバー81がハウジング21に装着されるとき、例えば、2つのカバーロック部85a,85bは、ロック面63a,63bに引っ掛かるまで一対の案内面51a,51b上をスライド移動しながら一対の保護壁47a,47bの間に挿入される。即ち、カバーロック部85aは側面93aを案内面51aに接触させながら、且つ、カバーロック部85bは側面93bを案内面51bに接触させながら、ロック突部92a,92bがロック面63a,63bに引っ掛かるまで第1方向D1に移動される。
【0068】
図4、
図8及び
図11に示すように、第1カバー81は、例えば、第1被覆壁86から第1方向D1に突出する当接部94を有する。当接部94は、例えば、第3方向D3から見て、第2方向D2におけるカバーロック部85a,85bの中央に位置する。第1カバー81がハウジング21に装着されるとき、カバーロック部85a,85bが保護壁47a,47bの間に挿入されるに伴って、当接部94は、ハウジング21において、第3方向D3に被当接部59と隣接する場所に第1方向D1から挿入される。例えば、当接部94は、被当接部59よりも第3方向D3にずれた位置で被当接部59と隣接する。そして、当接部94は、被当接部59に第3方向D3と反対方向から当接する。当接部94は、先端領域に傾斜面95を有していてもよい。傾斜面95は、第1方向D1に沿って当接部94の先端に近づくほど、第3方向D3において被当接部59からの距離が長くなるように傾斜している。
【0069】
図4、
図8、
図9及び
図13に示すように、第1被覆部83は、第2方向D2における両端に、第1被覆部83から第1方向D1に突出し且つ第2方向D2における両側からハウジング21に当接可能な位置決め部96a,96bを有していてもよい。例えば、位置決め部96aは、第2被覆壁87aにおける第3方向D3と反対方向の端部領域から第1方向D1に突出している。例えば、位置決め部96bは、第2被覆壁87bにおける第3方向D3と反対方向の端部領域から第1方向D1に突出している。第1カバー81がハウジング21に装着されているとき、第2方向D2における位置決め部96aと位置決め部96bとの間に、例えば底壁42が配置される。位置決め部96a,96bは、第2方向D2における第1カバー81とハウジング21との相対移動を抑制する。
【0070】
第1被覆部83は、第2方向D2における両端に、第1被覆部83から第1方向D1に突出し案内溝64a,64bに挿入される案内突部97a,97bを有していてもよい。例えば、案内突部97aは、第2被覆壁87aから第1方向D1に突出している。例えば、案内突部97aは、位置決め部96aよりも第3方向D3にずれている。例えば、案内突部97bは、第2被覆壁87bから第2方向D2に突出している。例えば、案内突部97bは、位置決め部96bよりも第3方向D3にずれている。案内突部97aは、カバーロック部85a,85bが一対の保護壁47a,47bの間に挿入されるときに案内溝64aの内周面上をスライド移動しながら案内溝64aに挿入される。案内突部97bは、カバーロック部85a,85bが一対の保護壁47a,47bの間に挿入されるときに案内溝64bの内周面上をスライド移動しながら案内溝64bに挿入される。
【0071】
第1カバー81は、第3方向D3から見て第2方向D2におけるカバーロック部85a,85bの両側に、第1方向D1からハウジング21に当接する当接面98a,98bを有していてもよい。当接面98aは、例えば、第1方向D1における第1被覆壁86及び第2被覆壁87aの端部に設けられている。例えば、当接面98aは、第2方向D2において、位置決め部96a及び案内突部97aとカバーロック部85aとの間に位置する。当接面98bは、例えば、第1方向D1における第1被覆壁86及び第2被覆壁87bの端部に設けられている。例えば、当接面98bは、第2方向D2において、位置決め部96b及び案内突部97bとカバーロック部85bとの間に位置する。例えば、当接面98a,98bの各々は、第1方向D1と垂直な平面である。当接面98a,98bの各々は、例えば、第1方向D1から底壁42に当接する。当接面98a,98bが底壁42に当接することにより、ハウジング21に対して第1カバー81を第1方向D1に位置決めできる。
【0072】
第1カバー81は、カバーロック部85aとカバーロック部85bとの間に当接面99を有していてもよい。当接面99は、第1方向D1における第1被覆壁86端部に設けられている。また、当接面99は、例えば、当接部94の基端の外周に位置している。即ち、当接部94は、当接面99から突出していてもよい。当接面99は、例えば、第1方向D1と垂直な平面である。当接面99は、第1方向D1から被当接部59に当接する。当接面99が被当接部59に当接することによっても、ハウジング21に対して第1カバー81を第1方向D1に位置決めできる。
【0073】
図4、
図8及び
図9に示すように、第1カバー81は、第2方向D2における第1カバー81の両端に第2方向D2の両側に突出する固定突部100を有する。例えば、第1カバー81は、第1被覆部83から第2方向D2の両側に突出する2つの固定突部100と、第2被覆部84から第2方向D2の両側に突出する2つの固定突部100とを有する。
【0074】
(第2カバー82の構成)
図1及び
図2に示すように、第2カバー82は、例えば、第1被覆部83との間にハウジング21を挟む第3被覆部111と、第2被覆部84と共に電線71の外周を囲む第4被覆部112とを有する。第3被覆部111は、第1被覆部83と共に、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆う。第4被覆部112は、第2被覆部84と共に、第1被覆部83から出る電線71の引き出し方向を規制する。
【0075】
図4及び
図10に示すように、第2カバー82は、例えば第3方向D3と反対方向から第1カバー81に固定される。即ち、第3方向D3と反対方向は、第2カバー82をハウジング21に装着するときに、ハウジング21に装着されている第1カバー81に対して第2カバー82を移動させる方向である。例えば、第2カバー82は、第2方向D2における第2カバー82の両端に第2方向D2に貫通する固定孔113を有する弾性変形可能な固定爪114を有する。例えば、第2カバー82は、第2方向D2における第3被覆部111の両端から第3方向D3と反対方向に突出する2つの固定爪114を有する。また、例えば、第2カバー82は、第2方向D2における第4被覆部112の両端から第3方向D3と反対方向に突出する2つの固定爪114を有する。第2方向D2における第1カバー81の両側で各固定爪114の固定孔113に固定突部100が嵌まることにより、第2カバー82は第1カバー81に固定される。
【0076】
図10及び
図11に示すように、第2カバー82は、第2カバー82を第3方向D3に貫通し且つ係合突部65が嵌まる係合孔115を有していてもよい。例えば、係合孔115は、第3被覆部111における第1方向D1の端部領域に設けられている。また、例えば、係合孔115は、第2方向D2における第3被覆部111の中央に位置する。第2カバー82を第1カバー81に固定するときに、第3方向D3から係合突部65が係合孔115に挿入される。係合孔115及び係合突部65は、第1方向D1におけるコネクタカバー22とハウジング21との相対移動を抑制する。
【0077】
また、第2カバー82は、係合孔115と第1方向D1に隣接する位置で第3方向D3と反対方向に突出する当接突部116を有していてもよい。当接突部116は、係合孔115に対して第1方向D1にずれた位置にある。当接突部116は、第1方向D1と反対方向から係合突部65に当接可能に対向する。
【0078】
(実施形態の作用効果)
本実施形態の作用効果について説明する。
(1)コネクタ20は、電線71が電気的に接続されている端子72を内側に収容するハウジング21と、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆うコネクタカバー22とを備え、相手コネクタ30が接続されるコネクタである。ハウジング21は、端子72の外周を囲むフード部41と、フード部41からハウジング21の外側に突出する部分を有する一対の保護壁47a,47bとを有する。また、ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間に設けられており相手コネクタ30に引っ掛かるロックアーム52と、一対の保護壁47a,47bの間に位置するロック面63a,63bとを有する。コネクタカバー22は、コネクタ20に対して相手コネクタ30が接続される方向とは反対方向である第1方向D1からハウジング21に装着される第1カバー81を有する。また、コネクタカバー22は、第1カバー81との間にハウジング21を挟む位置に配置され且つ第1カバー81に固定される第2カバー82を有する。一対の保護壁47a,47bは、第1方向D1と直交する第2方向D2に互いに離れている。ロック面63a,63bは、第1方向D1から見てロックアーム52と電線71との間に位置している。第1カバー81は、一対の保護壁47a,47bの間に挿入されるとともに第1方向D1と反対方向からロック面63a,63bに引っ掛かることにより第1カバー81をハウジング21に固定するカバーロック部85a,85bを有する。
【0079】
この構成によれば、カバーロック部85a,85bがロック面63a,63bに引っ掛かることにより、ハウジング21に対して第1カバー81が第1方向D1と反対方向に移動することが抑制される。そして、第1カバー81は、カバーロック部85a,85bがロック面63a,63bに引っ掛かることにより、ハウジング21に装着された状態に維持される。カバーロック部85a,85bは、一対の保護壁47a,47bの間であって、且つ、第1方向D1から見てロックアーム52と電線71との間となる位置で、ロック面63a,63bに引っ掛かる。そのため、コネクタ20の周辺に配置される物体などがカバーロック部85a,85bに接触することを、一対の保護壁47a,47b及びロックアーム52によって抑制できる。従って、カバーロック部85a,85bに外力が作用することを抑制できる。即ち、コネクタカバー22のハウジング21に対する固定部分に外力が作用することを抑制できる。その結果、コネクタカバー22がハウジング21から外れることを抑制できる。
【0080】
(2)ハウジング21は、第1方向D1におけるフード部41の端部を閉塞する底壁42と、一対の保護壁47a,47bの間で底壁42を第1方向D1に貫通するロック孔62a,62bとを更に有する。ロック面63a,63bは、第1方向D1におけるロック孔62a,62bの開口部の周縁に位置する。カバーロック部85a,85bは、第1方向D1にロック孔62a,62bを貫通してフード部41の内側に挿入される挿入部91a,91bを有する。また、カバーロック部85a,85bは、挿入部91a,91bから第1方向D1及び第2方向D2の各々と交差する第3方向D3に突出するロック突部92a,92bを有する。ロック突部92a,92bは、フード部41の内側で第1方向D1と反対方向からロック面63a,63bに当接する。
【0081】
この構成によれば、ロック突部92a,92bは、ロック面63a,63bに当接することによりロック面63a,63bに引っ掛かることができる。ロック面63a,63bに引っ掛かるロック突部92a,92bがフード部41の内側に配置されるため、コネクタ20の周辺に配置される物体などがロック突部92a,92bに接触することを抑制できる。従って、カバーロック部85a,85bにおいてロック面63a,63bに引っ掛かる部分であるロック突部92a,92bに外力が作用することを抑制できる。その結果、コネクタカバー22がハウジング21から外れることをより抑制できる。
【0082】
(3)第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の各々と直交する方向である。ハウジング21は、一対の保護壁47a,47bの間に、挿入部91a,91bが第3方向D3から当接する被当接部59を有する。第1カバー81は、被当接部59に第3方向D3と反対方向から当接する当接部94を有する。
【0083】
この構成によれば、挿入部91a,91bと当接部94とが第3方向D3の両側から被当接部59に当接することにより、第3方向D3におけるハウジング21と第1カバー81との相対移動を抑制できる。そして、ハウジング21に第1カバー81のみを装着した状態のときに、ハウジング21に対する第1カバー81の姿勢が安定しやすくなる。従って、第2カバー82を第1カバー81に固定しやすくなる。
【0084】
(4)一対の保護壁47a,47bは、第2方向D2に互いに対向し且つ第1方向D1と平行に延びる一対の案内面51a,51bを有する。第1カバー81は、2つのカバーロック部85a,85bを有する。2つのカバーロック部85a,85bは、第2方向D2に並んでおり、ロック面63a,63bに引っ掛かるまで一対の案内面51a,51b上をスライド移動しながら一対の保護壁47a,47bの間に挿入される。
【0085】
この構成によれば、第1カバー81をハウジング21に装着する際、一対の案内面51a,51bによってカバーロック部85a,85bの移動が案内される。従って、ハウジング21に対する第1カバー81の装着が容易になる。
【0086】
(5)第1カバー81は、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆う第1被覆部83と、第1被覆部83から出る電線71の引き出し方向を規制する第2被覆部84とを有する。第1被覆部83は、第2方向D2における両端に、第1被覆部83から第1方向D1に突出し且つ第2方向D2における両側からハウジング21に当接可能な位置決め部96a,96bを有する。
【0087】
この構成によれば、位置決め部96a,96bによって、第2方向D2におけるハウジング21と第1カバー81との相対移動を抑制できる。従って、ハウジング21に対する第1カバー81の第2方向D2における位置ずれを抑制できる。
【0088】
(6)ハウジング21は、第2方向D2における両端部に、第1方向D1と反対方向の端から第1方向D1に延びる案内溝64a,64bを有する。第1カバー81は、電線71におけるハウジング21から出た直後の部分を覆う第1被覆部83と、第1被覆部83から出る電線71の引き出し方向を規制する第2被覆部84とを有する。第1被覆部83は、第2方向D2における両端に、第1被覆部83から第1方向D1に突出し案内溝64a,64bに挿入される案内突部97a,97bを有する。案内突部97a,97bは、カバーロック部85a,85bが一対の保護壁47a,47bの間に挿入されるときに案内溝64a,64bの内周面上をスライド移動しながら案内溝64a,64bに挿入される。
【0089】
この構成によれば、第2方向D2におけるハウジング21の両側で、案内溝64a,64bに案内突部97a,97bが挿入されることにより、ハウジング21に対して第1カバー81が傾斜した状態で組み付けられることを抑制できる。また、案内溝64a,64bの内部に案内突部97a,97bが配置されることにより、第2方向D2におけるハウジング21と第1カバー81との相対移動、並びに、第3方向D3におけるハウジング21と第1カバー81との相対移動を抑制できる。従って、ハウジング21に対する第1カバー81の姿勢がより安定しやすくなる。よって、ハウジング21に第1カバー81のみを装着した状態のときに、ハウジング21に対する第1カバー81の姿勢がより安定しやすくなる。従って、第2カバー82を第1カバー81により固定しやすくなる。
【0090】
(7)ロックアーム52は、端子72よりも、第1方向D1及び第2方向D2の各々と交差する第3方向D3と反対方向にずれた位置にある。ハウジング21は、第3方向D3におけるハウジング21の端部から第3方向D3に突出する係合突部65を有する。第2カバー82は、第3方向D3と反対方向から第1カバー81に固定され、且つ、第2カバー82を第3方向D3に貫通し且つ係合突部65が嵌まる係合孔115を有する。
【0091】
この構成によれば、係合孔115に係合突部65が嵌まることにより、第1方向D1及び第2方向D2におけるハウジング21と第2カバー82との相対移動が抑制される。そして、コネクタカバー22が、ハウジング21から第1方向D1と反対方向に外れることをより抑制できる。
【0092】
(8)第2カバー82は、係合孔115と第1方向D1に隣接する位置で第3方向D3と反対方向に突出する当接突部116を有し、当接突部116は、第1方向D1と反対方向から係合突部65に当接可能に対向する。
【0093】
この構成によれば、ハウジング21に対して第2カバー82が第1方向D1と反対方向に移動しようとした場合、係合孔115の内周面だけでなく、当接突部116によっても、ハウジング21から第2カバー82に対して第1方向D1に作用する力を受けることができる。従って、第2カバー82が当接突部116を有していない場合に比べて、ハウジング21と第2カバー82とにおける第1方向D1に当接する部分に作用する力を分散できる。
【0094】
(9)第1カバー81は、第2方向D2における第1カバー81の両端に第2方向D2の両側に突出する固定突部100を有する。第2カバー82は、第2方向D2における第2カバー82の両端に第2方向D2に貫通する固定孔113を有する弾性変形可能な固定爪114を有する。第2カバー82は、固定孔113に固定突部100が嵌まることにより第1カバー81に固定される。この構成によれば、固定孔113に固定突部100を嵌めることにより、第2カバー82を第1カバー81に容易に固定できる。
【0095】
(10)第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の各々と直交する方向である。フード部41は、第2方向D2における両端部に一対のフード壁41a,41bを有する。コネクタ20は、一対のフード壁41a,41bの各々と第2方向D2に隣接する弾性部材76a,76bを更に有する。弾性部材76a,76bは、ロック孔62a,62bよりも第3方向D3にずれた位置で、フード部41の内側に挿入される相手コネクタ30と底壁42との間に挟み込まれる。
【0096】
この構成によれば、第1方向D1におけるコネクタ20と相手コネクタ30とのがたつきを弾性部材76a,76bによって抑制できる。弾性部材76a,76bは、ロック孔62a,62bよりも第3方向D3にずれた位置に配置されるとともに、且つ、一対のフード壁41a,41bと第2方向D2に隣接する。このため、弾性部材76a,76bが底壁42と相手コネクタ30との間に挟み込まれたときに、弾性部材76a,76bがロック孔62a,62bに入り込むことが抑制されるとともに、フード壁41a,41bによってハウジング21の外側への弾性部材76a,76bの拡がりが規制される。従って、第1方向D1におけるコネクタ20と相手コネクタ30とのがたつきを弾性部材76a,76bによって、安定的に抑制できる。
【0097】
(11)第1カバー81は、第1方向D1及び第2方向D2の各々と直交する第3方向D3から見て、第2方向D2におけるカバーロック部85a,85bの両側に、第1方向D1からハウジング21に当接する当接面98a,98bを有する。この構成によれば、当接面98a,98bがハウジング21に当接することにより、ハウジング21に対する、第1方向D1における第1カバー81の位置決めができる。
【0098】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1カバー81は、当接面98a,98bのいずれか一方もしくは両方を有していなくてもよい。また、第1カバー81は、当接面99を有していなくてもよい。
【0099】
・弾性部材76a,76bは、第2シール部材74と別体であってもよい。弾性部材76a,76bの位置は、底壁42と相手フード部33との間に挟まれる位置であれば、上記実施形態の位置に限らない。また、コネクタ20は、弾性部材76a,76bを備えていなくてもよい。
【0100】
・第2カバー82を第1カバー81に固定する構造は、上記実施形態の構造に限らない。例えば、第1カバー81が固定爪114を有するとともに、第2カバー82が固定突部100を有していてもよい。
【0101】
・第2カバー82は当接突部116を有していなくてもよい。
・第1カバー81は係合突部65を有していなくてもよい。また、第2カバー82は係合孔115を有していなくてもよい。
【0102】
・ハウジング21は案内溝64a,64bを有していなくてもよい。第1カバー81は案内突部97a,97bを有していなくてもよい。
・第1カバー81は、位置決め部96a,96bを有していなくてもよい。
【0103】
・第2被覆部84及び第4被覆部112は、第1被覆部83から出た電線71が、第1方向D1と交差する方向(例えば第2方向D2)に引き出されるように構成されていてもよい。例えば、第2被覆部84は、第2方向D2における端部に電線引き出し口89を有していてもよい。
【0104】
・2つのカバーロック部85a,85bは、案内面51a,51b上をスライド移動しなくてもよい。例えば、挿入部91aの側面93aが案内面51aに接触せず、且つ、挿入部91bの側面93bが案内面51bに接触しない程度に、側面93aと側面93bとの間の距離L1が、案内面51aと案内面51bとの間の距離L2よりも短くてもよい。
【0105】
・第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の各々と交差する方向であれば、上記実施形態の方向に限らない。
・ロック突部92a,92bは、挿入部91a,91bから第2方向D2もしくは第2方向D2と反対方向に突出していてもよい。
【0106】
・第1カバー81が有するカバーロック部85の数は、2つに限らない。第1カバー81は、1つもしくは3つ以上の数のカバーロック部85を有していてもよい。
・第1カバー81は、当接部94を有していなくてもよい。
【0107】
・フード部41は、第1方向D1から見て端部のない連続形状をなす筒状であってもよい。この場合、一対の保護壁47a,47bは、フード部41の外周面から外側に突出する。そして、例えば、フード部41の外周面にロック突部92a,92bが引っ掛かる凹部が設けられる。当該凹部の内面にロック面63a,63bが設けられる。
【0108】
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
20 コネクタ
21 コネクタハウジング(ハウジング)
22 コネクタカバー
30 相手コネクタ
31 相手コネクタハウジング
32 相手端子
33 相手フード部
34 ロック突部
41 フード部
41a,41b フード壁
41c 連結壁
42 底壁
43 端子保持部
44 端子挿入孔
45 電線引き出し口
46a,46b 配置凹部
47a,47b 保護壁
48a,48b 突出部
51a,51b 案内面
52 ロックアーム
53 アーム部
54a,54b 支持部
56 操作部
57 ロック孔
58 保護部
59 被当接部
61a,61b ロック凹部
62a,62b ロック孔
63a,63b ロック面
64a,64b 案内溝
65 係合突部
65a 係合面
66 挿入凹部
67 連通穴
71 電線
72 端子
73 第1シール部材
74 第2シール部材
75 リテーナ
76a,76b 弾性部材
77 外装部材
81 第1カバー
82 第2カバー
83 第1被覆部
84 第2被覆部
85,85a,85b カバーロック部
86 第1被覆壁
87a,87b 第2被覆壁
88 第3被覆壁
89 電線引き出し口
91a,91b 挿入部
92a,92b ロック突部
93a,93b 側面
94 当接部
95 傾斜面
96a,96b 位置決め部
97a,97b 案内突部
98a,98b,99 当接面
100 固定突部
111 第3被覆部
112 第4被覆部
113 固定孔
114 固定爪
115 係合孔
116 当接突部
C1 接続方向
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
L1,L2 距離